JP2000243245A - 金属膜の加工方法、画像形成装置の製造方法、金属膜の加工装置及び画像形成装置の製造装置 - Google Patents

金属膜の加工方法、画像形成装置の製造方法、金属膜の加工装置及び画像形成装置の製造装置

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JP2000243245A
JP2000243245A JP4185999A JP4185999A JP2000243245A JP 2000243245 A JP2000243245 A JP 2000243245A JP 4185999 A JP4185999 A JP 4185999A JP 4185999 A JP4185999 A JP 4185999A JP 2000243245 A JP2000243245 A JP 2000243245A
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metal film
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Yoshiki Uda
芳己 宇田
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工物の飛散量を最低限に抑えて、厚膜部材
を確実に切断することを可能とした画像表示装置の製造
方法を提供する。 【解決手段】 基板上に形成された電極部材13,14
と、電極部材と接続された行配線22又は列配線21を
有する画像表示装置の製造方法であって、電極部材1
3,14、行配線22又は列配線21を含む被加工物を
加工する際に、加工する方向と略直交する方向にオーバ
ーラップしない距離まで離間した複数のビーム軌跡のレ
ーザを前記被加工物に照射して、前記被加工物を加工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置の製
造方法に関するものであり、さらに、レーザ加工機を用
いて画像表示装置のリアプレートの配線部材や電極部材
を加工する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、画像表示装置として、ブラウン管
(CRT)が広く一般に用いられている。最近では、表
示画面が30インチを超える様なブラウン管も登場して
いる。
【0003】しかしながら、ブラウン管ではその表示画
面を大きくするためには、画面に応じて奥行きをより大
きくとる必要があり、また重たくなる。そのため、より
大きな画面で迫力ある画像を見たいという消費者の要望
に答えるには、ブラウン管では、より大きな設置スペー
スが必要になり、適しているとは言い難い。そのため、
大きく重いブラウン管(CRT)に代わって壁掛けでき
る様に、低消費電力で薄く軽く大画面な平板状画像表示
装置の登場が期待されている。
【0004】平板状画像表示装置としては、液晶表示装
置(LCD)が盛んに研究開発されているが、LCD
は、自発光型でないため、バックライトと呼ばれる光源
が必要であり、このバックライトに消費電力のほとんど
が使われる。またLCDは光の利用効率が低いため画像
が暗い、視野角に制限がある、20インチを超える様な
大画面化が難しいといった課題が依然として残ってい
る。
【0005】上述の様な課題を持つLCDに代わって、
薄型の自発光型画像表示装置が注目を浴びている。上記
表示装置としては、例えば、紫外線を蛍光体に照射する
ことで蛍光体を励起し発光させるプラズマディスプレイ
パネル(PDP)、電界放出型電子放出素子(FE)や表
面伝導型電子放出素子を電子源として用い、上記電子放
出素子から放出された電子を蛍光体に照射することで蛍
光体を励起し発光させる平板状画像表示装置などがあ
る。PDPは40インチ程度の大画面のものが市販され
始めている。
【0006】上記自発光型の画像表示装置は、LCDに
比べ明るい画像が得られるとともに視野角の問題もな
い。
【0007】しかしながら、上記PDPは、大画面化に
は適しているが、発光輝度やコントラストはブラウン管
に比べて劣る。
【0008】一方、FEや表面伝導型電子放出素子を用い
た表示装置では、その発光原理は、ブラウン管と基本的
に同一である。そのため、輝度やコントラスト自体ブラ
ウン管と同等のものが達成しえる可能性を有している。
【0009】本出願人は自発光型の平板状画像表示装置
の中でも、表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装
置に着目している。これは、構造が比較的簡易なため、
大面積に形成することに適しているためである。
【0010】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された微粒子からなる導電性薄膜に、素子電極と呼ばれ
る一対の電極から上記導電性薄膜に電圧を印加すること
により、導電性薄膜の一部に形成された電子放出部から
電子が真空中に放出される。
【0011】表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示
装置の原理は、上記表面伝導型電子放出素子から放出さ
れた電子を蛍光体に照射することで発光を得るものであ
る。
【0012】また本出願人は先に特開平6−34263
6号公報に表面伝導型電子放出素子を電子源として用い
た画像表示装置の一例を開示している。図7に上記公報
で開示している表面伝導型電子放出素子の概略構成を示
す。また、図8に上記公報で開示している表面伝導型電
子放出素子を用いた画像表示装置の概略構成図を示す。
【0013】図7(a)は表面伝導型電子放出素子構成
の平面図、図7(b)は表面伝導型電子放出素子構成の
断面図である。本図において101は絶縁性基板、10
4は微粒子からなる導電性薄膜、102,103は導電性
薄膜104 と電気的接続を得るための一対の素子電極、
105 は電子放出部である。
【0014】この表面伝導型電子放出素子において、前
記一対の素子電極102,103の間隔 Lは数千Å〜数
百μmに設定され、また素子電極長さWは、素子電極の
抵抗値、電子放出特性を考慮して数μm〜数百μmに設
定される。また、素子電極の膜厚dは、微粒子からなる
導電性薄膜104 と電気的な接続を保つために数百Å〜
数μm の範囲に設定される。素子電極102,103
は、例えば、フォトリソグラフィー技術により形成され
る。
【0015】微粒子からなる導電性薄膜104 の膜厚
は、素子電極102,103へのステップカバレージ、
素子電極間の抵抗値及びフォーミング条件等を考慮して
適宜設定されるが、数Å〜数千Åの範囲に設定するのが
好ましく、更に、10Å〜500Åの範囲に設定するこ
とがより好ましい。また、導電性薄膜104 の抵抗値
は、Rsが102〜107Ω/□に設定することが好まし
い。尚、Rsは、厚さがt、幅がw、長さがlの薄膜の長
さ方向に測定した抵抗をRとする時、R=Rs(l/w)
で表される。また、厚さtと抵抗率ρが一定である場
合、Rs=ρ/tで表される。
【0016】図8は、表面伝導型電子放出素子を用いた
画像表示装置の一例を示す概略構成図である。図中、1
005はリアプレート、1006は外枠、1007はフ
ェースプレートである。外枠、リアプレート、フェース
プレートの各接続部を不図示の低融点ガラスフリット等
の接着剤により封着し、画像表示装置内部を真空に維持
するための外囲器(気密容器)1005が構成してい
る。
【0017】リアプレート1005には、基板1001
が固定されている。この基板1001上には表面伝導型
電子放出素子がN×M個配列形成されている(N,M は2
以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて
適宜設定される)。
【0018】また、表面伝導型電子放出素子1002
は、図8に示すとおり、M本の行方向配線1004とN
本の列方向配線1003とにより配線されている。行方
向配線1004、および列方向配線1003は、例え
ば、フォトリソグラフィー技術により形成される。これ
ら、基板1001、表面伝導型電子放出素子1002な
どの複数の電子放出素子、行方向配線1004、列方向
配線1003によって構成される部分をマルチ電子ビー
ム源と呼ぶ。
【0019】また、少なくとも、行方向配線と列方向配
線の交差する部分には、両配線間に不図示の層間絶縁層
が形成されており、行方向配線と列方向配線との電気的
な絶縁が保たれている。
【0020】フェースプレート1007の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜が形成されており。赤(R)、緑
(G)、青(B)の3原色の蛍光体(不図示)が塗り分
けられている。また、蛍光膜1008をなす上記各色蛍
光体の間には黒色体(不図示)が配されている。更に、
蛍光膜1008のリアプレート側の面にはAl等からなる
メタルバック1009が形成されている。
【0021】Dx1〜Dxm、Dy1〜DynおよびH
vは、当該画像表示装置と不図示の電気回路とを電気的
に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子であ
る。
【0022】Dx1〜Dxmは、マルチ電子ビーム源の
列方向配線1003と電気的に接続している。Dy1〜
Dynも同様にマルチ電子ビーム源の行方向配線100
4と電気的に接続している。また、Hvはメタルバック
と電気的に接続している。
【0023】上記外囲器(気密容器)の内部は1×10
-6Torr以上の真空に維持されている。そのため、画像表
示装置の表示画面を大きくする程、外囲器(気密容器)
内部と外部との圧力差によるリアプレート1005及び
フェースプレート1007の変形或は破壊を防止する手
段が必要となる。そのため、フェースプレートとリアプ
レートとの間に耐大気圧支持のためのスペーサあるいは
リブと呼ばれる支持部材(不図示)を配置する場合があ
る。このようにして、電子放出素子が形成された基板1
001と蛍光膜が形成されたフェースプレート1007
間は一般に数百μm〜数mmに保たれ、外囲器(気密容
器)内部は高真空に維持されている。
【0024】以上説明した画像表示装置は、容器外端子
Dx1〜Dxm、Dy1〜Dyn、および行方向配線1
004、列方向配線1003を通じて各表面伝導型電子
放出素子に電圧を印加することで、各表面伝導型電子放
出素子から電子が放出される。それと同時に、メタルバ
ック1009に容器外端子Hvを通じて数百V〜数kV
の高電圧を印加することで、表面伝導型電子放出素子か
ら放出された電子を加速し、フェースプレート1007
の内面に形成された各色蛍光体1008に衝突させる。
これにより、蛍光体が励起され発光し、画像が表示され
る。
【0025】上記画像表示装置を形成するには、上記電
子放出素子、行方向および列方向配線を多数配列形成す
る必要がある。
【0026】上記電子放出素子、行方向および列方向配
線を多数配列形成する方法として、フォトリゾグラフィ
ー技術、エッチング技術などが挙げられる。
【0027】しかしながら、例えば、表面伝導型電子放
出素子を用いた数十インチの大画面の画像表示装置を形
成する場合、フォトリソグラフィー技術、エッチング技
術を用いるとすると、対角数十インチの大型基板に対応
する蒸着装置やスピンコーターを始め、露光装置、エッ
チング装置などの大型製造設備が必要となり、製造工程
上の取り扱いの難しさや、高コスト化などの問題もあ
る。
【0028】そこで、比較的安価で、真空装置など必要
なく、大面積に対応しえる印刷技術を用いて、上記電子
放出素子、行方向および列方向配線を多数配列形成する
ことが考えられる。
【0029】本出願人は、先に特開平8−34110号
公報にスクリーン印刷技術を用いて、上記行方向および
列方向配線を多数配列形成することを開示している。
【0030】スクリーン印刷は、例えば金属粒子を混ぜ
たインクを所望のパターンの開口を有する版をマスクと
して、上記開口部からインクを被印刷体である基板上に
印刷形成し、その後焼成を行うことで所望のパターンの
導体配線などを形成するものである。
【0031】また、本出願人は、先に特開平8−236
017号公報にオフセット印刷技術を用いて、上記表面
伝導型電子放出素子の素子電極を多数配列形成すること
を開示している。
【0032】オフセット印刷は、例えば、金属粒子を混
ぜたインキを所望のパターンの凹部を有する凹版に充填
し、これを円筒状のブランケットと呼ばれる部材が上記
凹部に充填されたインキを受理し、さらに、受理したイ
ンキを被印刷体に転移させ、その後焼成を行うことで所
望のパターンの電極などを形成するものである。
【0033】また従来、レーザ加工機、特にレーザ部に
搭載したQスイッチユニットによりジャイアントパルス
を周期的に得る機構を有し被加工物にレーザーを照射可
能なレーザ加工機は、特開平8−201813号公報の
例のように、テーブルスピード(Ts)とQスイッチに
よる繰り返し周波数(fq)と被加工物に照射するレー
ザパルスの間隔(Pw)の関係は、Ts=Fq・Pw
となる。従って、レーザの照射間隔を制御するために繰
り返し周波数をテーブルスピードに同期させレーザを一
定間隔で照射している。さらに、加工するレーザの照射
軌跡はレーザビームをオーバラップしながら一方向に加
工した後オーバーラップ量を維持して加工方向に対して
略直交する方向にずらした後さらに先の加工方向と平行
に折り返すように逆方向に加工する方法(以下ラスタス
キャン加工という)を繰り返して加工している。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たスクリーン印刷法等を用いて、上記表面伝導型電子放
出素子の素子電極に通電するために形成する行列配線を
作製する場合、以下のような課題がある。
【0035】基板上に形成する多数の配線を、通常の印
刷法で、大面積の基板上の全素子と全配線に対して短絡
欠陥無しで作製することは、予期せぬ部分へのインクの
付着やごみによるインクのにじみといった付随的な要因
とあいまって、難しいという問題がある。また、他の方
法を用いた場合においても、ごみの影響等により、全素
子を短絡欠陥無しで作製することは難しいという問題が
ある。 従って必ず短絡欠陥を解消する必要がある。
【0036】さらに、短絡欠陥を解消する等の目的で、
上記のようなレーザ加工方法を用い、これを配線のカッ
ト等による配線リペアや電極の除去加工等の電極リペア
等を実施した場合、する。このため、加減速時にはレー
ザの出力が変動し繰り返し周波数が低くなるため尖頭値
出力が高くなり加工物の飛散量の増大や、場合によって
は熱影響の増大による下部材料の損傷の増大が生じると
いう問題点があった。
【0037】さらに、被加工物の膜厚が数μm以上のい
わゆる厚膜の配線等をラスタースキャン方法にて加工し
ようとした場合、略直交方向にレーザビームがオーバー
ラップする部分が有るため、最初にレーザが照射されて
被加工物の加工物が部分的に残った状態が生じた場合
に、レーザをずらして照射すると、残留部分が半溶融状
態になって密度の高い強固な固体となって残存し、必ず
しも十分に加工できないという問題があった。
【0038】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたものであり、基板であるところのリアプレー
ト上に複数の素子電極を形成し、さらに配線部材や絶縁
部材を形成する画像表示装置の製造方法において、上述
のような問題点を解決し得る電極部材や配線部材の加工
方法による画像表示装置の製造方法を提供することにあ
る。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明の金属膜の加工方
法は、レーザーを用いて金属膜を切断する方法であっ
て、前記金属膜を切断する方向に沿って少なくとも2列
の切断箇所を設け、隣接する前記切断箇所を前記レーザ
ーのビームサイズがオーバーラップしない距離まで離間
させるようにしている。
【0040】本発明の金属膜の加工方法の一態様例にお
いては、前記切断箇所のそれぞれを同時に加工する。
【0041】本発明の画像形成装置の製造方法は、基板
上に形成された電極部材と、前記電極部材と接続された
行配線又は列配線を有する画像表示装置の製造方法であ
って、前記電極部材、行配線又は列配線を含む被加工物
を加工する際に、加工する方向と略直交する方向にオー
バーラップしない距離まで離間した複数のビーム軌跡の
レーザを前記被加工物に照射して、前記被加工物を加工
するようにしている。
【0042】本発明の金属膜の加工装置は、レーザーを
用いて金属膜を切断する加工装置であって、前記金属膜
を切断する方向に沿って少なくとも2列の切断箇所を設
け、隣接する前記切断箇所を前記レーザーのビームサイ
ズがオーバーラップしない距離まで離間させるようにし
ている。
【0043】本発明の金属膜の加工装置の一態様例にお
いては、前記切断箇所のそれぞれを同時に加工する。
【0044】本発明の画像形成装置の製造装置は、基板
上に形成された電極部材と、前記電極部材と接続された
行配線又は列配線を有する画像表示装置の製造装置であ
って、前記電極部材、行配線又は列配線を含む被加工物
を加工する際に、加工する方向と略直交する方向にオー
バーラップしない距離まで離間した複数のビーム軌跡の
レーザを前記被加工物に照射して、前記被加工物を加工
する。
【0045】本発明の画像形成装置の製造方法は、基板
上に形成された電極部材と、前記電極部材と接続された
行配線又は列配線を有する画像表示装置の製造方法であ
って、前記電極部材、行配線又は列配線を含む被加工物
を加工する際に、単位面積当たりに照射するエネルギー
を一定にすることが可能なレーザ加工機を用いて、前記
被加工物を分離する加工方向にはビームサイズをオーバ
ーラップさせながらレーザを移動させ、前記被加工物を
加工するようにしている。
【0046】本発明の特徴とするところは,少なくと
も,被加工物を載置可能なテーブルを有し、該被加工物
にレーザーを照射可能なレーザ加工機において、レーザ
光の照射/非照射を制御する制御シャッターをレーザ励
起部と被加工物の間に設け、テーブルの位置情報を制御
シャッターにフードバックして、レーザ光の照射/非照
射を制御する機構を設けたレーザ加工機を用いて画像形
成装置を製造する方法であり、該レーザ加工機は、レー
ザ部に、波長1000nmから100nmあたりのレー
ザを発するレーザを用い、さらに、レーザ光路を変更し
たりレーザ光を広げたり絞ったり整形したりする用途の
各種光学系を介して、被加工物にレーザ光を照射するよ
うな光学系を有するものである。付属機構として、少な
くとも被加工物の加工領域をモニター可能なようにハー
フミラー等を介してレーザ光と同軸で観察可能な機能を
有しているものである。
【0047】この時、該レーザ加工機は、光源に可視光
域や近赤外域のレーザを使用した場合には、光学顕微鏡
等ででも使用可能な可視光学系で光学系を構成して作成
し、また光源に紫外域のレーザを使用した場合には、紫
外域用光学系で光学系を構成して作成したものである。
該波長のレーザを発生可能な光源としては、YAG(イ
ットリウム・アルミニウム・ガーネット) レーザやYL
F(イットリウム・リチウム・フッ素)などを使用する
ことが可能で、それぞれ、第二高調波や第三高調波さら
には第四高調波を発生するようにしたレーザ部も使用す
ることが可能で、さらに、エキシマレーザ等も光源部に
使用することが出来るのもである。
【0048】さらにこのレーザ加工機は、レーザ光源に
よりQスイッチユニットを搭載することが可能なレーザ
においては、Qスイッチユニットによりジャイアントパ
ルスを周期的に得ることが可能であり、このために、1
パルスあたりのエネルギーが非常に高いレーザを被加工
物に照射することができる機構を搭載したレーザ加工機
である。また、レーザ光源としては、連続励起型のもの
やフラッシュランプによるパルス励起型のものやレーザ
ダイオード型等のものを使用してレーザ加工機を構成し
たものである。
【0049】さらにこのレーザ加工機は、主として制御
ユニットと制御シャッターによりテーブルの位置情報を
フードバックして、レーザ光の照射/非照射を制御する
機構を設けたものであるが、該制御シャッターは、例え
ば、AOM(音響光学変調)素子やEOM(電気的光学
変調)素子のような素子によって、外部からの制御信号
によりレーザ光を透過/非透過させたりレーザ光を曲げ
たりしてシャッター的な機能を持たせたものを使用する
ことが出来るものである。
【0050】また、該制御ユニットは、少なくとも、テ
ーブルに設けたリニアスケールやエンコーダ等の位置情
報を入手し、予め設定したコントロール条件(レーザの
加工条件)にもとづき、制御シャッターに制御信号を出
したり、テーブルにテーブルスピード等の制御信号を出
すものである。該制御ユニットは単に一つのユニットと
いうものではなくパソコン等の演算制御装置を介した形
態も同様である。該構成のレーザ加工機によれば、Qス
イッチユニットによる繰り返し周波数を一定にした状態
でテーブルの移動量に応じて、制御シャッターを制御
し、一定間隔でレーザ光を被加工物に照射することが可
能となる。
【0051】このレーザ加工機を用いて、被加工物に照
射するレーザの間隔を一定にして加工しようとした場合
に、Qスイッチによる繰り返し周波数によってテーブル
スピードに対する追従スピードの限界が生じる。Qスイ
ッチによる繰り返し周波数が追従できる限界のテーブル
スピードは、繰り返し周波数と照射間隔の積で得られる
値以下、式であらわせば、Ts≦Fq・Pwの場合とな
る。
【0052】本発明によれば、画像形成装置等の加工を
実施する場合には、上記構成のレーザ加工機を使用し、
加工条件の設定において、テーブルスピードは、Ts≦
Fq・Pwとなる条件とし、単位面積当たりに照射する
レーザのエネルギー密度一定にするものである。 さら
に、照射するレーザのビームサイズに対して、レーザの
照射間隔は、ビームサイズ以下にして、レーザビームに
重なりを持って被加工物を加工する方法である。
【0053】該レーザ加工機を使用して作製する平板型
画像表示装置において、本発明は、少なくとも、画像を
表示する部分としてブラックストライプ等により画素毎
に区切られたような部分に蛍光体等が形成された画像表
示部を有するフェースプレートと、一対の電極間に電圧
を印加することにより電子放出部に流れる電流により電
子が放出するような電子放出素子が平面状に画像表示部
の画素配置と同等な位置に配置され、さらにこの一対の
電極は層間絶縁層を介して行列状に配置された列配線及
び行配線にそれぞれ接続され電圧を印加する形態である
リアプレート、とにより構成される画像表示装置におい
て、さらには該フェースプレートと該リアプレートの間
にあって外周を包囲する枠からなる画像表示装置におい
て、さらにまた、該フェースプレートであるところの画
像表示部とリアプレートであるところの電子放出素子が
最終的にアライメントされ張り合わされることにより作
製される画像表示装置において、リアプレートの電子放
出素子であるところの一対の電極を形成することを主た
る目的として素子電極を形成する際に発生した電極間の
ショート欠陥に対して、あるいは行列配線を形成する際
に発生した配線間や配線と電極間などのショート欠陥や
任意の目的により配線や電極のカット等の加工に対し
て、上記加工方法を用いて作製した平板型画像形成装置
の製造方法である。
【0054】さらに、この加工方法を用い、繰り返し周
波数と照射間隔を一定にし、さらに、レーザのビームサ
イズをオーバーラップさせながらレーザを一方向に、あ
るいは往復に、あるいは複数回移動させ配線部材や電極
部材を加工した平板状画像形成装置の製造方法である。
特に配線部材や電極部材の膜厚が1μmを越えるよう
な、いわゆる厚膜部材の加工においは、厚膜部材を切断
する方向にはビームサイズをオーバーラップさせながら
レーザを一方向に、あるいは往復に、あるいは複数回移
動させ、厚膜部材の切断方向と略直交する方向にはビー
ムサイズをオーバーラップさせずに厚膜部材を加工した
平板状画像形成装置の製造方法である。
【0055】さらにまた、本発明は、本発明の製造方法
によって形成した配線部材や電極部材を用いて作成され
た平板型画像形成装置である。
【0056】次に本発明にかかわる、リアプレート上に
形成した電極部材であるところの素子電極や配線部材を
加工する工程について詳しく説明する。
【0057】加工工程の前工程でリアプレート上に形成
する素子電極は、フォトリソ・エッチング法やオフセッ
ト印刷法にて実施する。たとえば、フォトリソ・エッチ
ング法であれば、リアプレートとしてガラス等の材質で
できている平板状のものを用い、これに電極部材をスパ
ッタ法にて成膜する。これにレジストを塗布し、電極パ
ターン付きフォトマスクを用いて露光、さらにレジスト
の現像を行い、次にドライエッチング法にて露出してい
る電極部材をエッチングした後、レジストを除去するこ
とにより電極が形成される。
【0058】また、オフセット印刷法を用いる場合は、
リアプレート上に、電極部材として、たとえば白金を主
成分とする有機金属ペースト等を用いて導電性薄膜の素
子電極を形成する。いずれの場合も、素子電極のパター
ンは、後工程で位置あわせされて組み立てられるフェー
スプレート(これはRGBの蛍光体が縦と横に一定のピ
ッチで画素として並んだものである)の画素と一対一に
対応した位置に来るようになっている。
【0059】このようにして形成した素子電極は、パタ
ーン検査を実施すると、ごみ等の問題などで部分的にシ
ョート欠陥が発生している部分が見受けられることがあ
る。このようなショート欠陥に対して、素子電極のギャ
ップ部分を加工する場合には、ギャップ幅より狭いレー
ザビーム幅とし、その他の部分においては、加工効率を
考えて設定しうる範囲で、ほぼ最大のビームサイズ幅と
してレーザを照射すると良い。このとき、繰り返し周波
数と加工間隔を一定にして加工する。この加工は、後述
する配線部材の形成後に加工しても良い。
【0060】その後、リアプレート上に複数配置された
一対の電極の双方に電圧を供給するために配線部材であ
るところの配線パターンを作製する。作製方法は、例え
ばスクリーン印刷法が適用できる。まず、一対の電極の
片方に接するように列側配線を作製した後、もう一方の
電極の一部が露出するようにしたパターンの層間絶縁層
を配し、さらにその上層に露出した電極とコンタクトす
るように行側配線を平面状のリアプレートを上方から見
て列側配線とほぼ直行する方向に作製する。
【0061】このようにすることによって、前工程でリ
アプレート上に複数配置された電極に対して電力を供給
可能な配線パターンを作製しリアプレート上に配線を作
製する。
【0062】このようにして形成した配線部材は、ごみ
等の問題で部分的にショート欠陥が発生している部分が
見受けられることがある。このようなショート欠陥に対
して、該レーザ加工機を用いて、繰り返し周波数と照射
間隔を一定にした状態で、レーザのビームサイズをオー
バーラップさせながらレーザを移動させ配線部材を加工
する。
【0063】特に配線部材のように膜厚が1μmを越え
るような、いわゆる厚膜部材の加工においは、厚膜部材
を切断する方向にはビームサイズをオーバーラップさせ
ながらレーザを移動させ、厚膜部材の切断方向と略直行
する方向にはビームサイズをオーバーラップさせずに厚
膜部材を複数本のレーザ軌跡により加工することによ
り、被加工物を、3個以上に分離することによる加工を
施し平板型画像形成装置を製造することが出来る。
【0064】以上説明したように、電極部材として使用
することができる導電性薄膜としては、たとえば貴金属
類の金、白金などや電極材料として一般的な、銅、ニッ
ケル、チタン、タングステン、アルミニウム、タンタル
など、あるいはこれらの合金や積層構造を用いる事がで
きる。これらは、各種成膜・フォトリソ方法や印刷方
法、特にオフセット印刷法によっては白金等を薄膜とし
て作製することができる。
【0065】また、配線の形成としては、素子電極に供
給する電流密度を稼ぐためには厚膜化が必要であるた
め、印刷方法が適している。中でもスクリーン印刷方法
によれば、銀やこれらの合金材料を中心に、厚さ20μ
m以上の厚膜印刷が可能であり、これを配線として使用
することができる。
【0066】以上述べたような電極部材や配線部材の加
工方法を用いた画像表示装置の製造方法が適用できる平
板状画像表示装置は,その表示方法に電子を加速して蛍
光体を発光させる構造のもの,すなわち少なくとも電子
放出素子と蛍光体が画像表示装置内に配置されているも
ので電子を空間に放出させるために真空を要する画像表
示装置に使用することが出来る。該電子放出素子として
は,表面伝導型を用いた画像表示装置に使用することが
できる。
【0067】本発明の製造方法によって製造した画像形
成装置は,テレビジョン放送の表示装置,テレビ会議シ
ステムやコンピューター等の表示装置の他,感光性ドラ
ム等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成
装置等としても用いることができる。
【0068】すなわち本発明の加工方法及び該加工方法
で加工した画像表示装置の製造方法および画像表示装置
によれば、膜残り等による電気的なショートを生じない
加工を実施することができる。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施形
態を図面を参照しながら説明する。
【0070】(第1の実施形態)図1は、本発明のレー
ザ加工機を使用した電極部材のリペア例を示す図であ
る。図1において、11はリアプレート、12は素子電
極エリア、13は素子電極左側、14は素子電極右側、
15〜16はショート欠陥で、15は電極左側と電極右
側の電極間ショート、16は電極左側と下側に隣接する
電極左側のショート、17および18はレーザスポット
である。図1(a)は、図1(e)における素子電極エ
リア12の部分的拡大図、図1(b)は欠陥15の拡大
図、図1(c)は欠陥16の拡大図を示した。
【0071】本実施形態において、リアプレート1はソ
ーダ石灰ガラスを使用し、このリアプレートの上に、印
刷法の一つであるオフセット印刷法により電極13,1
4を形成した。電極は、後工程にてリアプレートとアラ
イメントされるフェースプレートの行列方向に一定のピ
ッチで構成される複数の画素の画像表示領域とほぼ同等
の位置に対応する素子電極エリア12に印刷できるよう
にオフセット印刷用の版を事前に作製したものを用い、
これに白金を主成分とする有機金属ペーストを配し、ス
キージングし、受理、転移工程を行い、さらにリアプレ
ート上に形成した電極部材を乾燥、焼成して図1(a)
のように作製した。
【0072】この時の電極部材の膜厚は0.05μm程
度で作製し、電極ピッチサイズは行側ピッチ290μm
、列側ピッチP650μm のものを作製した。図1
(a)はショート欠陥15および16のある状態を示し
ている。ショート欠陥はパターン検査機よって検出し
た。
【0073】次に、図1(a)のようなショート欠陥を
リペアする方法について説明する。最初にショート欠陥
15のリペア方法に付いて説明する。図1(b)はショ
ート欠陥15を拡大したものである。
【0074】加工に使用するレーザ加工機の態様を図2
に示す。図2は、本発明の加工方法に使用するレーザ加
工機を示す図である。1はテーブル、2は制御ユニッ
ト、3は制御シャッター、4はレーザ部、5はミラー、
6は観察部、7は被加工物である。
【0075】本実施形態におけるレーザ加工機の構成と
して、テーブル1は二軸のX方向とY方向にそれぞれ移
動する機能を有し被加工物5を載置可能なものであり、
制御ユニット2はテーブル1からそれぞれ二軸の位置情
報をフィードバックする機能とテーブル1の二軸を制御
する制御情報を送る機能および制御シャッター3にシャ
ッターの開閉情報を送る機能と場合によりシャッターの
開閉情報を受信する機能を有している。制御シャッター
3 は制御ユニット2からの開閉情報を受信し、場合によ
りシャッターの開閉情報を制御ユニット2に送る機能を
有している。
【0076】レーザ部4はランプで連続励起する方式の
内部第二高調波付Nd:YAGレーザを使用し、さらに
Qスイッチユニットを付属させ、レーザ部の出射口から
はYAG第二高調波レーザが、Qスイッチユニットの繰
り返し周波数によりジャイアントパルスとなって周期的
に出射することが出来るものを使用した。
【0077】さらに、付属機構として、少なくとも被加
工物の加工領域をモニター可能なようにハーフミラー5
を介してレーザ光路と同軸で観察可能な観察部6を有し
ている。該レーザ部の波長は、基本波1064nm並び
に第二高調波532nmであるため光学系は、光学顕微
鏡等ででも使用可能な可視光学系を中心に構成し作製し
た。
【0078】また、レーザ部より出るレーザの光路上に
は、EOM素子を使用した制御シャッター3が設置さ
れ、レーザ光路を変更するための不図示のミラーやハー
フミラー5やレーザ光の単位面積当たりのエネルギー密
度を均一にする目的やビームサイズを規定する目的等で
レーザ光を広げたり絞ったり整形したりする用途の不図
示の各種光学系を設置し、最終的に被加工物7にレーザ
光を照射するようにしてある。
【0079】このようにして構成したレーザ加工機によ
れば、被加工物5を載置しレーザを該被加工物に照射す
る場合、テーブルの移動量を制御ユニットにフィードバ
ックし、テーブルの移動開始の情報を元にレーザを照射
することが出来、さらにテーブルの移動量に応じてレー
ザの照射・非照射を制御することが出来る。
【0080】すなわち、テーブルスピード(Ts)は繰
り返し周波数(Fq)と照射間隔(Pw)の積に関係な
く、任意の値に設定可能である。従って、該レーザ加工
機によれば、テーブルスピードは、テーブル等の機械的
性能等によって決まる最高スピードで加工することが出
来る。但し、レーザをテーブルの移動量に応じて照射す
る場合に、Qスイッチによる繰り返し周波数と照射間隔
は設定値によっては、テーブルスピードが早すぎる場合
に追従不可能な状態になることがある。
【0081】Qスイッチによる繰り返し周波数が追従で
きる限界のテーブルスピードは、繰り返し周波数と照射
間隔の積で得られる値以下、式であらわせば、Ts≦F
q・Pwの場合となる。従って、このような場合の加工
を実施する時には、加工条件の設定において、テーブル
スピードは、Ts≦Fq・Pwとなる条件として加工す
れば、繰り返し周波数や照射間隔を一定にして加工する
ことが出来るために、レーザの照射エネルギーをテーブ
ルの加減速に関係なく一定で加工する事が出来る。
【0082】上記に説明したようなレーザ加工機のXY
テーブルにリアプレートを置き、XY方向の機械的アラ
イメントとΘ方向のソフト的アライメントによりXYΘ
アライメントを行った。レーザは波長532nmのYA
G第二高調波を使用し、加工条件は、レーザのスポット
サイズBw=10 ×10( μm)、繰り返し周波数Fq=10kH
z、レーザ照射間隔Pw=3( μm)に設定することによりレ
ーザのスポットサイズに対して次に照射するレーザが3
割程度の重なりをもって照射できるようにした。さらに
テーブルスピードは24(mm/sec)とした、これは繰り返
し周波数が追従するテーブルスピードTs≦Fq・Pwの条件
として、テーブルの最高速度を計算上の値10,000(kHz)
・0.003(mm) =30(mm/sec)に対して2割減のスピー
ドに設定したものである。この条件にて、レーザビーム
を図1(b)のレーザスポット17のように素子電極の
ショート部分の上方から下方に向かって照射することに
より、ショート欠陥である電極部材が10μmの幅で加
工できた。
【0083】続いて、ショート欠陥16のリペア方法に
付いて説明する。図1(c)はショート欠陥16を拡大
したものである。加工条件は、レーザのスポットサイズ
Bw=50 ×50( μm)、繰り返し周波数Fq=10kHz、レー
ザ照射間隔Pw= 10( μm)に設定することによりレーザ
のスポットサイズに対して次に照射するレーザが2割程
度の重なりをもって照射できるようにした。さらにテー
ブルスピードは80(mm/sec)とした、これは繰り返し周
波数が追従するテーブルスピードTs≦Fq・Pwの条件とし
て、テーブルの最高速度を計算上の値10,000(kHz) ・0.
01(mm)=100(mm/sec)に対して2割減のスピードに
設定したものである。この条件にて、レーザビームを図
1(c)のレーザスポット18のように素子電極のショ
ート部分の左方向から右方向に向かって照射することに
より、ショート欠陥である電極部材が50μmの幅で加
工できた。
【0084】このような方法によって、リアプレート上
にショートのない一対の電極を、素子電極エリアすべて
にわたって作製することができた。加工時の照射エネル
ギーは、光学系に設置したフィルターにおいて適宜調整
して加工した。
【0085】以上のように加工条件を設定し加工を実施
することにより、繰り返し周波数(Fq)とレーザ照射間
隔(Pw)が一定で加工されるとともに、電極部材を加工
する方向には、レーザのスポットに重なりを持たせるた
めにレーザスポットサイズ(Bw)とレーザ照射間隔(P
w)をBw>Pw の条件で加工することが出来た。
【0086】この方法によれば、1 パルスあたりのレー
ザ出力をテーブルスピードによらず一定にすることが出
来る。特にテーブルは加減速時には必ずスピードの変化
を伴うわけであるが、テーブルスピードの設定等によっ
てレーザスポットをオーバーラップさせて加工する本発
明のような電極部材のを加工方法を実施することによ
り、被加工物に対する加工エネルギーを照射場所によら
ずどこでも一定にすることが出来る。
【0087】ちなみにこの条件でのレーザ出力は、フィ
ルター透過率が100%付近において、レーザスポット
サイズ(Bw)が10×10(μm )の場合、繰り返し周波数が
Fq=10kHzにおいて、レーザ1パルス当たりのエネルギー
はEp=pa/Fq=5μJ/pulse(平均出力Pa=0.05W) で、エネル
ギー密度はEu=Ep/Bw2=5J/cm2である、尖頭出力は(レー
ザパルス幅をTw=145nsecとして)Pp=Ep/Tw=35(W)であっ
た。
【0088】また、レーザスポットサイズ(Bw)が50×50
(μm )の場合、繰り返し周波数がFq=10kHzにおいて、
レーザ1パルス当たりのエネルギーはEp= pa/Fq=75μJ/
pulse(平均出力Pa=0.75W) で、エネルギー密度はEu= Ep
/Bw2=3J/cm2 である、尖頭出力は(レーザパルス幅をTw
=145nsecとして)Pp=Ep/Tw=500(W) であった。
【0089】このように、繰り返し周波数が一定のため
ビームの出力エネルギーを一定に出来、またオーバーラ
ップ量も一定に出来るので単位面積当たりのエネルギー
密度を一定にすることが出来るため、どの加工位置にお
いても、エネルギー不足による膜残り等の加工不良が無
くなるとともに、逆に不要なエネルギーを照射する必要
もないために被加工物の飛散を最低限にすることが出来
さらに下部材料の熱的損傷も最低限にすることが出来
た。さらにテーブルの加減速時にも加工が出来るため時
間のロスをなくすことが出来た。
【0090】第1の実施形態においては、後述する第4
の実施形態にて説明するように、2本づつ往復加工して
切断するようにレーザーを照射することにより、より確
実にショート欠陥をリペアする加工を行うことができる
(図5参照)。
【0091】(第2の実施形態)図3は、本発明の加工
方法を使用した厚膜部材のリペア例を示す図である。1
3は素子電極左側、14は素子電極右側、21は列配
線、22は絶縁層、23は行配線、25〜26はショー
ト欠陥で、25は列配線と電極左側のショート、26は
行配線と電極左側のショート、27および28はレーザ
スポットである。図3は、リアプレート上に素子電極を
形成後さらに列配線および行配線を形成した後のショー
ト欠陥の拡大図を示している。
【0092】本実施形態において、素子電極の作製は第
1の実施形態と同様にオフセット印刷法により電極1
3,14を形成した。この時の電極ピッチサイズも第2
の実施形態と同様に行側ピッチ290μm 、列側ピッチ
P1=650μm のものを作製した。
【0093】次に、スクリーン印刷法を用いて、列側電
極であるところの素子電極右側14の上に列配線21を
形成した。ペーストはAgペーストを使用し、印刷、乾
燥、焼成工程を実施し、Agの列配線を作製した。この
時の印刷工程は1 回で行い膜厚8μm程度の列配線を作
製した。さらに層間絶縁層22を形成した。この層間絶
縁層は電極左側13の上側の一部分が露出して次の工程
で形成する行配線23とコンタクトして電圧の供給が可
能なように部分的にくびれたパターンにしてあり、ガラ
スペーストにより作製した。最後に、行配線23をAg
ペーストにより、絶縁層22の上部に作製した。この時
の印刷工程は5回行い膜厚40μm程度の行配線を作製
した。このようにしてリアプレート上に、一対の素子電
極とこれに電圧を供給可能な行列配線を作製した。
【0094】この状態で、ショート欠陥を探すために、
行列配線をセレクトしながらオープンショートをチエッ
クすることにより、行列部のショート欠陥や隣接配線の
ショートをチエックした。この結果を元に、実際の欠陥
部を観察および加工するために、第1の実施形態に述べ
たような本発明であるレーザ加工機のXYテーブルにリ
アプレートを載せ、図3に示す25ないし26のような
ショート欠陥を確認した。
【0095】次に図3に示す25,26のようなショー
ト欠陥をリペアする方法について説明する。
【0096】最初に列配線と電極のショート欠陥25の
リペア方法に付いて説明する。このショート欠陥25は
列配線形成時にAgペーストである配線部材が素子電極
まではみ出した結果生じたものである。
【0097】第1の実施形態で述べたレーザ加工機を使
用し、まずリアプレートをレーザ加工機のXYテーブル
に置き、XY方向の機械的アライメントとΘ方向のソフ
ト的アライメントによりXYΘアライメントを行った。
レーザは波長532nmのYAG第二高調波を使用し、
加工条件は、レーザのスポットサイズBw=10x10( μm)、
繰り返し周波数Fq=1kHz、レーザ照射間隔Pw=3( μm)
に設定することによりレーザのスポットサイズに対して
次に照射するレーザが3割程度の重なりをもって照射で
きるようにした。さらにテーブルスピードは2(mm/sec)
とした、これは繰り返し周波数が追従するテーブルスピ
ードTs≦Fq・Pwの条件として、テーブルの最高速度を計
算上の値1,000(kHz)・0.003(mm) =3(mm/sec)に対し
て数割減のスピードに設定したものである。この条件に
て、レーザビームを図3のレーザスポット27のように
列配線のはみ出している部分の配線部材のショート箇所
の上方から下方に向かって照射することにより、膜圧約
8μm のいわゆる厚膜の配線部材を数μmの幅で切断で
きた。加工時の照射エネルギーは、光学系に設置したフ
ィルターにおいて適宜調整して加工した。
【0098】続いて、行配線と電極のショート欠陥26
のリペア方法に付いて説明する。このショート欠陥26
は行配線形成時にAgペーストである配線部材が素子電
極まではみ出した結果生じたものである。
【0099】加工条件は前記と同様で、レーザのスポッ
トサイズBw=10x10( μm)、繰り返し周波数Fq=1kHz、
レーザ照射間隔Pw= 3( μm)に設定することによりレー
ザのスポットサイズに対して次に照射するレーザが3割
程度の重なりをもって照射できるようにし、テーブルス
ピードは2(mm/sec)とした。この条件にて、レーザビー
ムを図3のレーザスポット28のように行配線のはみ出
している部分の配線部材のショート箇所の左方向から右
方向に向かって照射することにより、膜圧数μm から数
十μm のいわゆる厚膜の配線部材を数μmの幅で切断で
きた。
【0100】さらに、その他の配線部材のショート欠陥
に対しても、同様にレーザ照射をすることによりリアプ
レート上にある欠陥のリペアを実施した。加工条件は前
記と同様にした他に、レーザのスポットサイズBw=10x10
( μm)、レーザ照射間隔Pw=3( μm)は同様で、繰り返
し周波数をFq=2kHzやFq=3kHzに設定し、照射エネ
ルギーを変化させて加工した。
【0101】ショート欠陥のサイズや膜圧等の状態によ
って、レーザビームを一方向にのみ移動させる加工方法
にとどまらず、1回ないし数回の往復加工をした。特に
配線部材のように厚膜の場合には、レーザ出力の調整と
あいまって、加工方法において3 回程度の往復加工を実
施した方が一方向加工や1回の往復加工の場合より完全
に切断できる確立が非常に高く、いわゆる切れ味と言う
点で優れていた。このような方法によって、リアプレー
ト上にショートのない配線を、素子電極および配線エリ
アすべてにわたって作製することができた。
【0102】以上のように加工条件を設定し加工を実施
することにより、繰り返し周波数(Fq)とレーザ照射間
隔(Pw)が一定で加工されるとともに、厚膜の配線部材
を加工する方向には、レーザのスポットに重なりを持た
せるためにレーザスポットサイズ(Bw)とレーザ照射間
隔(Pw)をBw>Pw の条件で加工することが出来た。
【0103】この方法によれば、1 パルスあたりのレー
ザ出力をテーブルスピードによらず一定にすることが出
来る。特にテーブルは加減速時には必ずスピードの変化
を伴うわけであるが、本発明のレーザ加工機を用いて電
極部材を加工することにより、被加工物に対する加工エ
ネルギーを照射場所によらずどこでも一定にすることが
出来る。
【0104】ちなみにこの条件でのレーザ出力は、フィ
ルター透過率が100%付近において、レーザスポット
サイズ(Bw)が10x10 (μm )の場合、繰り返し周波数が
Fq=1kHzにおいて、レーザ1パルス当たりのエネルギー
はEp=pa/Fq=30 μJ/pulse(平均出力Pa=0.03W) で、エネ
ルギー密度はEu=Ep/Bw2=30J/cm2 である、尖頭出力は
(レーザパルス幅をTw=60nsec として)Pp=Ep/Tw=500
(W) であった。また、繰り返し周波数がFq=3kHz におい
て、レーザ1パルス当たりのエネルギーはEp=pa/Fq=20
μJ/pulse(平均出力Pa=0.06W) で、エネルギー密度はEu
=Ep/Bw2=20J/cm2 である、尖頭出力は(レーザパルス幅
をTw=75nsec として)Pp=Ep/Tw=270(W) であった。
【0105】このように、繰り返し周波数が一定のため
ビームの出力エネルギーを一定に出来、またオーバーラ
ップ量も一定に出来るので単位面積当たりのエネルギー
密度を一定にすることが出来るため、どの加工位置にお
いても、エネルギー不足による切れ残り等の加工不良が
無くなるとともに、逆に不要なエネルギーを照射する必
要もないために被加工物の飛散を最低限にすることが出
来さらに下部材料の熱的損傷も最低限にすることが出来
た。さらにテーブルの加減速時にも加工が出来るため時
間のロスをなくすことが出来た。さらにまた、オーバー
ラップ量を維持して加工エリアを広げるような加工方法
は配線の切断が確実に行われないことが判った。
【0106】第2の実施形態においても、後述する第4
の実施形態にて説明するように、2本づつ往復加工して
切断するようにレーザーを照射することにより、より確
実にショート欠陥をリペアする加工を行うことができる
(図5参照)。
【0107】(第3の実施形態)図4は、本発明の加工
方法を使用した厚膜部材のリペア例を示す図である。1
3は素子電極左側、14は素子電極右側、21は列配
線、22は絶縁層、23は行配線、29〜30はショー
ト欠陥で、29と30は共に行配線と列配線のショー
ト、31および32はレーザスポットである。図4は、
リアプレート上に素子電極を形成後さらに列配線および
行配線を形成した後のショート欠陥の拡大図を示してい
る。
【0108】本実施形態において、素子電極の作製およ
び配線の作製は第2の実施形態と同様にオフセット印刷
法およびスクリーン印刷により作製した。膜厚も同様に
列配線は8μm程度、行配線は40μm程度のものを作
製し、リアプレート上に、一対の素子電極とこれに電圧
を供給可能な行列配線を作製した。
【0109】この状態で、ショート欠陥を探すために、
行列配線をセレクトしながらオープンショートをチエッ
クすることにより、行列部のショート欠陥や隣接配線の
ショートをチエックした。この結果を元に、実際の欠陥
部を観察および加工するために、第1の実施形態に述べ
たような本発明であるレーザ加工機のXYテーブルにリ
アプレートを載せ、図4の29ないし30のようなショ
ート欠陥を確認した。
【0110】次に図4の29および30のようなショー
ト欠陥をリペアする方法について説明する。この29お
よび30のショート欠陥は行配線形成時にAgペースト
である配線部材が列配線まではみ出した結果生じたもの
である。
【0111】第1の実施形態で述べたレーザ加工機を使
用し、まずリアプレートをレーザ加工機のXYテーブル
に置き、XY方向の機械的アライメントとΘ方向のソフ
ト的アライメントによりXYΘアライメントを行った。
レーザは波長532nmのYAG第二高調波を使用し、
加工条件は、レーザのスポットサイズBw=10x10( μm)、
繰り返し周波数Fq=1kHz、レーザ照射間隔Pw=3( μm)
に設定することによりレーザのスポットサイズに対して
次に照射するレーザが3割程度の重なりをもって照射で
きるようにした。さらにテーブルスピードは2(mm/sec)
とした、これは繰り返し周波数が追従するテーブルスピ
ードTs≦Fq・Pwの条件として、テーブルの最高速度を計
算上の値1,000(kHz)・0.003(mm) =3(mm/sec)に対し
て数割減のスピードに設定したものである。
【0112】この条件にて、レーザビームを図4のレー
ザスポット31ないし32のように行配線のはみ出して
いる部分の配線部材のショート箇所を切断するように照
射することにより、膜圧数μm から数十μm のいわゆる
厚膜の配線部材を数μmの幅で切断できた。加工時の照
射エネルギーは、光学系に設置したフィルターにおいて
適宜調整して加工した。
【0113】さらに、その他の配線部材のショート欠陥
に対しても、同様にレーザ照射をすることによりリアプ
レート上にある欠陥のリペアを実施した。加工条件は前
記と同様にした他に、レーザのスポットサイズBw=10x10
( μm)、レーザ照射間隔Pw=3( μm)は同様で、繰り返
し周波数をFq=2kHzやFq=3kHzに設定し、照射エネ
ルギーを変化させて加工した。ショート欠陥のサイズや
膜圧等の状態によって、レーザビームを一方向にのみ移
動させる加工方法にとどまらず、1 回ないし数回の往復
加工をした。特に配線部材のように厚膜の場合には、レ
ーザ出力の調整とあいまって、加工方法において3回程
度の往復加工を実施した方が一方向加工や1回の往復加
工の場合より完全に切断できる確立が非常に高く、いわ
ゆる切れ味と言う点で優れていた。
【0114】このような方法によって、リアプレート上
にショートのない配線を、素子電極および配線エリアす
べてにわたって作製することができた。
【0115】以上のように加工条件を設定し加工を実施
することにより、繰り返し周波数(Fq)とレーザ照射間
隔(Pw)が一定で加工されるとともに、厚膜の配線部材
を加工する方向には、レーザのスポットに重なりを持た
せるためにレーザスポットサイズ(Bw)とレーザ照射間
隔(Pw)をBw>Pw の条件で加工することが出来た。
【0116】この方法によれば、1 パルスあたりのレー
ザ出力をテーブルスピードによらず一定にすることが出
来る。特にテーブルは加減速時には必ずスピードの変化
を伴うわけであるが、本発明のレーザ加工機を用いて電
極部材を加工することにより、被加工物に対する加工エ
ネルギーを照射場所によらずどこでも一定にすることが
出来る。
【0117】ちなみにこの条件でのレーザ出力は、フィ
ルター透過率が100%付近において、レーザスポット
サイズ(Bw)が10x10 (μm )の場合、繰り返し周波数が
Fq=1kHz において、レーザ1パルス当たりのエネルギー
はEp=pa/Fq=30 μJ/pulse(平均出力Pa=0.03W) で、エネ
ルギー密度はEu=Ep/Bw2=30J/cm2 である、尖頭出力は
(レーザパルス幅をTw=60nsec として)Pp=Ep/Tw=500
(W) であった。また、繰り返し周波数がFq=3kHz におい
て、レーザ1パルス当たりのエネルギーはEp=pa/Fq=20
μJ/pulse(平均出力Pa=0.06W) で、エネルギー密度はEu
=Ep/Bw2=20J/cm2 である、尖頭出力は(レーザパルス幅
をTw=75nsec として)Pp=Ep/Tw=270(W) であった。
【0118】このように、繰り返し周波数が一定のため
ビームの出力エネルギーを一定に出来、またオーバーラ
ップ量も一定に出来るので単位面積当たりのエネルギー
密度を一定にすることが出来るため、どの加工位置にお
いても、エネルギー不足による切れ残り等の加工不良が
無くなるとともに、逆に不要なエネルギーを照射する必
要もないために被加工物の飛散を最低限にすることが出
来さらに下部材料の熱的損傷も最低限にすることが出来
た。さらにテーブルの加減速時にも加工が出来るため時
間のロスをなくすことが出来た。さらにまた、オーバー
ラップ量を維持して加工エリアを広げるような加工方法
は配線の切断が確実に行われないことが判った。
【0119】第3の実施形態においても、後述する第4
の実施形態にて説明するように、2本づつ往復加工して
切断するようにレーザーを照射することにより、より確
実にショート欠陥をリペアする加工を行うことができる
(図5参照)。
【0120】(第4の実施形態)図5は、本発明の加工
方法を使用した厚膜部材の切断例を示す図である。13
は素子電極左側、14は素子電極右側、21は列配線、
22は絶縁層、23は行配線、41〜44は切断箇所
で、51〜62はレーザスポットである。図5は、リア
プレート上に素子電極を形成後さらに列配線および行配
線を形成した状態の拡大図を示している。
【0121】本実施形態において、素子電極の作製およ
び配線の作製は第3の実施形態と同様に作製し、膜厚も
同様に列配線は8μm程度、行配線は40μm程度のも
のを作製し、リアプレート上に一対の素子電極とこれに
電圧を供給可能な行列配線を作製した。
【0122】次に図5において、列配線や行配線を切断
する方法について説明する。この場合、行列配線の交点
において絶縁不良によりショート欠陥が有り、不良箇所
に接する列配線あるいは行配線を電気的に分離するため
に、配線部材を切断した。
【0123】まずリアプレートを第1の実施形態で述べ
たレーザ加工機のXYテーブルに置き第3の実施形態と
同様にアライメントを行った。レーザは波長532nm
のYAG第二高調波を使用し、加工条件は、レーザのス
ポットサイズBw=10x10( μm)、繰り返し周波数Fq=1k
Hz、レーザ照射間隔Pw=3( μm)に設定することによりレ
ーザのスポットサイズに対して次に照射するレーザが3
割程度の重なりをもって照射できるようにした。さらに
テーブルスピードは2(mm/sec)とした、これは繰り返し
周波数が追従するテーブルスピードTs≦Fq・Pwの条件と
して、テーブルの最高速度を計算上の値1,000(kHz)・0.
003(mm) =3(mm/sec)に対して数割減のスピードに設
定したものである。
【0124】この条件にて、切断箇所41においては、
レーザビームを図5のレーザスポット51ないし52の
ように列配線を行配線を挟んで上下でそれぞれ往復加工
して切断するように照射することにより、膜圧数μm の
厚膜の配線部材を数μmの幅で切断した。また、切断箇
所42においては、レーザビームをレーザスポット53
および54ないし55および56のように列配線を行配
線を挟んで上下でそれぞれ2本づつ往復加工して切断す
るように照射することにより、膜圧数μm の厚膜の配線
部材を数μmの幅でそれぞれ2 本づつ切断した。
【0125】また、切断箇所43においては、レーザビ
ームをレーザスポット57および58のように行配線を
列配線を挟んで左右でそれぞれ往復加工して切断するよ
うに照射することにより、膜圧数十μm の厚膜の配線部
材を数μmの幅で切断した。
【0126】また、切断箇所44においては、レーザビ
ームをレーザスポット59および60ないし61および
62のように行配線を列配線を挟んで左右でそれぞれ2
本づつ往復加工して切断するように照射することによ
り、膜圧数十μm の厚膜の配線部材を数μmの幅でそれ
ぞれ2 本づつ切断した。この時、加工時の照射エネルギ
ーは、光学系に設置したフィルターにおいて適宜調整し
て加工した。
【0127】いずれの切断箇所においても、適宜レーザ
ビームを1回ないし数回の往復加工をした。特に配線部
材のように厚膜の場合には、レーザ出力の調整とあいま
って、加工方法において3 回程度の往復加工を実施した
方が一方向加工や1回の往復加工の場合より完全に切断
できる確立が非常に高く、いわゆる切れ味と言う点で優
れていた。
【0128】また、完全に切断すると言う観点からは、
レーザビームを往復させて加工した後にビームをオーバ
ーラップさせずに加工方向に対して略直行する方向にず
らした後さらにレーザビームを先の加工方向と平行に往
復加工を実施する加工、すなわち切断箇所42ないし44
で示したような複数本加工するような加工方法は、配線
の切断を複数の箇所で行うために確実に配線を電気的に
オープンにすることができるので非常に有効な手段であ
った。
【0129】このような方法によって、リアプレート上
の配線を切断することができた。以上のように加工条件
を設定し加工を実施することにより、繰り返し周波数
(Fq)とレーザ照射間隔(Pw)が一定で加工されるとと
もに、厚膜の配線部材を加工する方向には、レーザのス
ポットに重なりを持たせるためにレーザスポットサイズ
(Bw)とレーザ照射間隔(Pw)を Bw>Pw の条件で加工
することが出来た。
【0130】この方法によれば、1 パルスあたりのレー
ザ出力をテーブルスピードによらず一定にすることが出
来る。特にテーブルは加減速時には必ずスピードの変化
を伴うわけであるが、本発明のレーザ加工機を用いて電
極部材を加工することにより、被加工物に対する加工エ
ネルギーを照射場所によらずどこでも一定にすることが
出来る。
【0131】ちなみにこの条件でのレーザ出力は、フィ
ルター透過率が100%付近において、レーザスポット
サイズ(Bw)が10x10 (μm )の場合、繰り返し周波数が
Fq=1kHzにおいて、レーザ1パルス当たりのエネルギー
はEp=pa/Fq=30 μJ/pulse(平均出力Pa=0.03W) で、エネ
ルギー密度はEu=Ep/Bw2=30J/cm2 である、尖頭出力は
(レーザパルス幅をTw=60nsec として)Pp=Ep/Tw=500
(W) であった。
【0132】このように、繰り返し周波数が一定のため
ビームの出力エネルギーを一定に出来、またオーバーラ
ップ量も一定に出来るので単位面積当たりのエネルギー
密度を一定にすることが出来るため、どの加工位置にお
いても、エネルギー不足による切れ残り等の加工不良が
無くなるとともに、逆に不要なエネルギーを照射する必
要もないために被加工物の飛散を最低限にすることが出
来さらに下部材料の熱的損傷も最低限にすることが出来
た。さらにテーブルの加減速時にも加工が出来るため時
間のロスをなくすことが出来た。
【0133】以上説明した第4の実施形態においては、
2本づつ往復加工して切断するようにレーザーを照射す
ることにより、確実にショート欠陥をリペアする加工を
行うことができる。すなわち、レーザーの照射を1本と
した場合には溶融した金属膜が飛散して切断部にブリッ
ジを形成する場合がある。この場合において当該ブリッ
ジ部はスクリーン印刷された粒子状の金属が溶融して固
化しているため、硬度が増し、かつ表面が反射面となっ
ているため、レーザーにより再び切断しようとしても容
易に切断することはできない。また、当該ブリッジ部が
破壊されることにより異常放電が各素子に伝達されるこ
ととなり、ブリッジ部近傍の素子が破壊される虞があ
る。しかしながら、本実施形態においては2本づつ往復
加工してレーザーを照射するため、溶融された金属が飛
散してブリッジが形成されることを抑止することがで
き、圧膜部材を確実に切断することができ、かつ切断後
の電気的特性の信頼性を向上させることができる。
【0134】(第5の実施形態)次に、これまでの第1
〜4の実施形態により作製したリアプレートをフェース
プレートと貼りあわせて画像表示装置を作成した例を示
す。
【0135】図6は、リアプレートとフェースプレート
の貼り合わせを説明するための画像表示装置の組立装置
の図であり、11はリアプレート、71はフェースプレ
ート、72は枠、73はフリット、74はリアプレート
側のアライメンとマーカー、75はフェースプレート側
のアライメンとマーカー、76は下側加熱プレート、7
7は上側加熱プレート、78はテーブル、79はZ方向
移動機構、80は組立装置フレーム、81は画像認識カ
メラである。
【0136】まず、第1〜第4の実施形態のいずれかの
ような方法によって作製された素子電極並びに配線パタ
ーンを有するリアプレート1を、XYΘテーブル78上
に設けた下側加熱プレート76上に置き、不図示のピン
により取り付けた。また、組立装置フレーム80に設け
たZ方向移動機構79に取り付けてある上側加熱プレー
ト77には、ブラックストライプにより画素毎に区切ら
れ各画素には蛍光体が形成された画像表示部を有するフ
ェースプレートを不図示のピンにより取り付けた。
【0137】下側加熱プレートおよび上側加熱プレート
はカートリッジヒーターを内蔵し独自に加熱が可能なも
のである。リアプレートとフェースプレートには、事前
にアライメントマークが形成して有り、このマークは、
島状の円形でも十字型でもよく、また、形成する工程
は、リアプレートにおいては、電極部材印刷時でも列側
配線印刷時でも行側配線印刷時でもよいが、本実施形態
では、行側配線線印刷時に版に円形のアライメントマー
ク74を設けたものを使用し、フェースプレートにおい
てはブラックストライプの形成時に円形のアライメント
マーク75を設けたものを使用した。
【0138】さらに、リアプレート上には、枠を配置
し、枠の上とリアプレートの上には事前にフリットガラ
スペーストを仮焼成したフリット73を形成したものを
用いた。フリットガラスは、410℃付近が作業温度
(フリットガラスが溶解し封着作業が可能な温度)であ
る低融点封着ガラスを使用した。
【0139】この状態で、リアプレート上の枠とフェー
スプレートが突き当たらないように数mmの間隔を保持
した状態で、下側および上側の加熱プレート76と77
の加熱を開始する。この時、組立装置フレーム80に固
定された画像認識カメラ81により、下側加熱プレート
76の穴からリアプレート側のアライメントマーカー7
4とフェースプレート側のアライメントマーカー75を
監視し、所望の位置にフェースプレートとリアプレート
がアライメントされるように、テーブルのXYΘを制御
しアライメントを行う。
【0140】ホットプレートの温度がフリットガラスの
作業温度付近になったら、Z方向移動機構79により、
フェースプレート71を下降し、枠上のフリットととも
に、枠やリアプレートを押し付ける。その後、加熱プレ
ートの温度を下げていく。この時、アライメント作業は
フリットガラスの粘度が高くなり、XYΘテーブル78
をフリーにしても、フェースプレートとリアプレートの
アライメントがずれないくらいの温度まで継続した後、
XYΘテーブルをフリーにする。その後、常温付近にな
ったら、貼り合わされたフェースプレートやリアプレー
ト、すなわち画像表示装置を加熱プレートから取り出こ
とにより画像表示装置の製造を行った。
【0141】このようにすることにより、リアプレート
上に複数作製した一対の素子電極を、フェースプレート
の複数の画素に対応するように位置合わせし画像表示装
置を作製することができた。
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、加工物の飛散量を最低
限に抑えることができ、下部材料の熱的影響を最小限に
抑えることができ、厚膜部材を確実に切断することがで
き、大画面で平板型の画像表示装置の製造方法に用いて
好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の
製造方法を使用した電極部材のリペア例を示す平面図で
ある。
【図2】本発明の第1〜第4の実施形態に係る画像形成
装置の製造方法に使用するレーザ加工機を示す模式図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の
製造方法を使用した厚膜部材のリペア例を示す模式図で
ある。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の
製造方法を使用した厚膜部材のリペア例を示す模式図で
ある。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の
製造方法を使用した厚膜部材の切断例を示す模式図であ
る。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る画像表示装置の
組立装置を示す模式図である。
【図7】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の一例を
示す模式図である。
【図8】本発明に係る表面伝導型電子放出素子を用いた
画像表示装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 テーブル 2 制御ユニット 3 制御シャッター 4 レーザ部 5 ミラー 6 観察部 7 被加工物 11 リアプレート 12 素子電極エリア 13 素子電極(左側) 14 素子電極(右側) 15,16,25,26,29,30 ショート欠陥 17,18,27,28,31,32,51〜62 レ
ーザスポット 21 列配線 22 絶縁層 23 行配線 41,42,43,44 切断箇所 71 フェースプレート 72 枠 73 フリット 74 リアプレート側のアライメントマーカー 75 フェースプレート側のアライメンとマーカー 76 下側加熱プレート 77 上側加熱プレート 78 テーブル 79 Z方向移動機構 80 組立装置フレーム 81 画像認識カメラ 101 絶縁性基板 102,103 素子電極 104 導電性薄膜 105 電子放出部 1001 基板 1002 表面伝導型電子放出素子 1003 列方向配線 1004 行方向配線 1005 リアプレート 1006 外枠 1007 フェースプレート 1008 蛍光膜 1009 メタルバック

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザーを用いて金属膜を切断する方法
    であって、 前記金属膜を切断する方向に沿って少なくとも2列の切
    断箇所を設け、隣接する前記切断箇所を前記レーザーの
    ビームサイズがオーバーラップしない距離まで離間させ
    るようにしたことを特徴とする金属膜の加工方法。
  2. 【請求項2】 前記切断箇所のそれぞれを同時に加工す
    ることを特徴とする請求項1に記載の金属膜の加工方
    法。
  3. 【請求項3】 基板上に形成された電極部材と、前記電
    極部材と接続された行配線又は列配線を有する画像表示
    装置の製造方法であって、 前記電極部材、行配線又は列配線を含む被加工物を加工
    する際に、加工する方向と略直交する方向にオーバーラ
    ップしない距離まで離間した複数のビーム軌跡のレーザ
    を前記被加工物に照射して、前記被加工物を加工するよ
    うにしたことを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 レーザーを用いて金属膜を切断する加工
    装置であって、 前記金属膜を切断する方向に沿って少なくとも2列の切
    断箇所を設け、隣接する前記切断箇所を前記レーザーの
    ビームサイズがオーバーラップしない距離まで離間させ
    るようにしたことを特徴とする金属膜の加工装置。
  5. 【請求項5】 前記切断箇所のそれぞれを同時に加工す
    ることを特徴とする請求項4に記載の金属膜の加工装
    置。
  6. 【請求項6】 基板上に形成された電極部材と、前記電
    極部材と接続された行配線又は列配線を有する画像表示
    装置の製造装置であって、 前記電極部材、行配線又は列配線を含む被加工物を加工
    する際に、加工する方向と略直交する方向にオーバーラ
    ップしない距離まで離間した複数のビーム軌跡のレーザ
    を前記被加工物に照射して、前記被加工物を加工するこ
    とを特徴とする画像形成装置の製造装置。
  7. 【請求項7】 基板上に形成された電極部材と、前記電
    極部材と接続された行配線又は列配線を有する画像表示
    装置の製造方法であって、 前記電極部材、行配線又は列配線を含む被加工物を加工
    する際に、単位面積当たりに照射するエネルギーを一定
    にすることが可能なレーザ加工機を用いて、前記被加工
    物を分離する加工方向にはビームサイズをオーバーラッ
    プさせながらレーザを移動させ、前記被加工物を加工す
    るようにしたことを特徴とする画像形成装置の製造方
    法。
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