JP2005251733A - 電子源及び画像表示装置の製造方法 - Google Patents

電子源及び画像表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 絶縁層を介して交差する上層配線と下層配線からなるマトリックス配線を備えた電子源において、上記交差部における短絡部を効率よく修復する。
【解決手段】 短絡部を含む上層配線12の一部を部分的に除去して、該短絡部と上層配線12とを電気的に遮断する修復工程において、修復領域14が、下層配線10の幅方向においては当該下層配線10の両縁を越え、12層配線12の幅方向においては当該上層配線12の少なくとも片方の縁部は越えない領域とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マトリックス配線の各交点に電子放出素子を配置した電子源の製造方法と、該電子源を用いて構成される画像表示装置の製造方法に関する。
近年、平板型画像表示装置として、自発光型の電子放出素子をリアプレート上にマトリックス状に配置した電子源と、蛍光体を有するフェースプレートとを備えた画像表示装置が提案されている。従来より、電子放出素子には大別して、熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子とが知られており、冷陰極電子放出素子には、電界放出型(FE型)、金属/絶縁層/金属型(MIM型)、表面伝導型電子放出素子等がある。表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる。薄膜の材料としては、SnO2、Au、In23/SnO2、カーボンなどが提案されている。
図8に、表面伝導型電子放出素子の一構成例を模式的に示す。図中、1は基板、2,3は素子電極、7は素子膜、8は電子放出部である。また、(a)は平面模式図、(b)は(a)のB−B’断面図である。
図8の電子放出素子は、基板1上に素子電極2,3を形成した後、該素子電極2,3を連絡するように導電性の素子膜7を形成し、素子電極2,3間に電圧を印加して素子膜7に通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことによって、該素子膜7を局所的に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な電子放出部8を形成してなる。
図9に、図8の電子放出素子を用いてなる画像表示装置のパネル構成例を模式的に示す。図中、51は電子源基体、52はX方向配線、53はY方向配線、54は電子放出素子、61はリアプレート、62は支持枠、63はガラス基体、64は蛍光膜、65はメタルバック、66はフェースプレート、67は外囲器、68は高圧電源である。
図9に示すような自発光型の電子放出素子54をリアプレート61上にマトリックス状に配置した画像表示装置においては、複数の電子放出素子54に給電するために、X方向配線52とY方向配線53とが設けられ、それぞれの配線の交差部には少なくとも双方の配線が電気的に短絡しないように、絶縁層(不図示)が配置されている。
このような画像表示装置においては、X方向配線52とY方向配線53の交差部において、絶縁層を介して上下に位置する配線間で短絡を発生する場合がある。短絡が発生した箇所は、逐次修復される。例えば、前記画像表示装置の配線形状とは異なるが、半導体層を介して上下に位置する導電層に短絡が発生した場合の修復例として特許文献1に、レーザによる修復方法が提案されている。
特開平9−266322号公報
しかしながら、特許文献1に記載の修復方法をそのまま上記の画像表示装置における上下配線間での短絡の修復に転用しようとしても、その修復作業における時間効率が低く、時間効率を向上させようとすると、多数の短絡部を残存させてしまう結果となる場合がある。
本発明の課題は、複数の電子放出素子をマトリックス配線にて駆動する電子源、及び該電子源を用いて構成される画像表示装置において、マトリックス配線の交差部における短絡部を効率よく修復する工程を備えた製造方法を提供することにある。
本発明の第1は、複数本の上層配線と、絶縁層を介して前記上層配線と交差する複数本の下層配線と、前記上層配線と前記下層配線とにそれぞれ接続された複数の電子放出素子と、を有する電子源の製造方法であって、基板上に前記下層配線と前記絶縁層と前記上層配線とを形成後、前記下層配線と前記上層配線との交差部における当該両配線の短絡部を包含する、前記上層配線の一部の領域を除去する工程を有し、上層配線の除去される前記一部の領域は、前記下層配線の幅方向においては当該下層配線の両縁を越える領域であって、前記上層配線の幅方向においては前記上層配線の少なくとも片方の縁部は越えない領域であることを特徴とする。
本発明においては、下記の構成を好ましい態様として含む。
上層配線の一部の領域を除去する工程は、当該一部の領域にレーザ照射を行うことである。特に、レーザ照射は、複数回に分けて行われる、または、ビームスポットの外周部分が内側部分よりも出力が小さい、または、レーザ照射を行う期間に、少なくとも1回以上、照射するレーザのビームスポットの変更を行う。
上層配線の除去工程が、機械的切削工程である。
上層配線の除去工程が、機械的切削の後にレーザ照射を行う工程である。
本発明の第2は、複数本の上層配線と、絶縁層を介して該上層配線と交差する複数本の下層配線と、上記上層配線と下層配線との各交点において各配線に接続された素子電極を備えた電子放出素子と、を有する電子源と、該電子放出素子から放出された電子の衝突によって発光する発光部材とを備えた画像表示装置の製造方法であって、上記本発明の電子源の製造方法により上記電子源を製造することを特徴とする。
本発明においては、効率よく且つ比較的確実に下層配線との短絡部を除去することができる。
よって、本発明によれば、信頼性の高い画像表示装置を、効率よく製造し、より安価に提供することができる。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明するが、当該実施形態に記載されている部材の寸法、材質、形状、相対配置などは、特に記載がない限り、下記に記載の範囲に限定されるものではない。
図1は、本発明の製造方法により製造された電子源の一例の平面模式図である。図中、1は基板、2,3は素子電極、7は素子膜、8は電子放出素子、10は下層配線、11は絶縁層、12は上層配線、13は絶縁層11に生じた短絡部、14は修復のために上層配線12を部分的に除去した領域(修復領域)である。
本発明の製造方法により製造される電子源は、基板1上に複数の下層配線10と、該下層配線10とは絶縁層11を介して交差する複数本の上層配線12を有し、上層配線12と下層配線10との交差部において、各配線に接続される素子電極2,3を有する電子放出素子を有している。各電子放出素子は、素子電極2,3と、電子放出部8を有する素子膜7からなる。
図1の電子源において、下段の上層配線12と下層配線10における中央列との交差部の修復領域14を含む周辺部の部分拡大図を図2に、上段の上層配線12と下層配線10における右列との交差部の修復領域14を含む周辺部の拡大図を図3にそれぞれ示す。尚、図2,図3において、電子放出素子に係る部材は省略した。図2において、(b)は(a)のA−A’断面図である。
図2に示したように、本発明に係る修復領域14は、上層配線12を部分的に除去して絶縁層11が露出した部分である。
本発明においては、修復領域14の、上層配線12の幅方向における最大幅Rovが、上層配線12の幅Wovよりも小さい、即ち、同図で示される通り、修復領域14は、上層配線12の幅方向においては上層配線12の少なくとも片方の縁部は越えていないため、当該修復工程において上層配線12が断線する恐れはない。また、本発明では、修復領域14の、下層配線10の幅方向における最大幅Runが、下層配線10の幅Wun以上である、即ち、同図で示される通り、修復領域14は、下層配線10の幅方向においては下層配線10の両縁を越えていることから、修復による短絡部13と上層配線12との電気的な遮断が確実に行われる。図2,3においては、Rov<Wov、且つ、Run≧Wunである。
本発明において、修復工程の具体的な手段としては、レーザ照射による方法、及び、機械的に切削する方法が挙げられる。
レーザ照射により、短絡部における上層配線12を部分的に除去する場合、本発明にかかる修復領域14の幅の規定を満たすためには、レーザ照射を複数回に分け、断続的に行うことが好ましい。繰り返し周波数は1000Hz未満が好ましい。この場合、除去する上層配線12に投入する単位時間あたりのレーザエネルギーを少なくすることができる。
さらに、複数回に分けてレーザ照射する際には、レーザのビームスポットの外周部分(最外周より中心に向かって5〜10%の領域)の出力が、該外周部分よりも内側部分の出力よりも抑えて行うことが望ましい。このように、スポットの外周部分と内側部分とで出力を調整することにより、修復領域14の境界部分に投入する単位時間当たりのレーザエネルギーを、修復領域14の内側部分よりも少なくすることができる。
さらには、複数回レーザ照射する間に、少なくとも1回はビームスポットを変更することにより、修復領域14の境界部分に投入する単位時間当たりのレーザエネルギーを、修復領域14の内側部分よりも少なくすることができる。
また、機械的な切削により、短絡部における上層配線12を部分的に除去する場合には、鋭利な刃物状の工具を用いることができる。図3のように、修復領域14が、上層配線12の幅方向端部寄りの場合には、図2のように上層配線12の幅方向中央部寄りの場合よりも加工が容易で、機械的な切削方法に適している。
本発明においては、上記機械的な切削工程の後に、レーザ照射工程を行うことにより、
修復領域14の境界部の先鋭化したエッジを丸く加工することができる。また、機械的な切削とレーザ照射とを混合して実施しても構わない。
図1〜図3には、上層配線12の幅Wovが下層配線10の幅Wunよりも広い形態を示したが、本発明においては、図4に示すように、Wun>Wovであってもよく、当該形態においても、Run≧Wun、Rov<Wovであり、図4に示される通り、修復領域14は、上層配線12の幅方向においては上層配線12の少なくとも片方の縁部は越えていないため、当該修復工程において上層配線12が断線する恐れはなく、また、修復領域14は、下層配線10の幅方向においては下層配線10の両縁を越えていることから、修復による短絡部13と上層配線12との電気的な遮断が確実に行われる。
さらに、図1〜図3には、上層配線12と下層配線10とが直交する形態を示したが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、設計上、上層配線12と下層配線10とが斜めに交差する形態も含まれる。図5,図6に具体的に示す。いずれの形態であっても、Run≧Wun、Rov<Wovであり、やはり上記各例と同様に、図5、6に示される通り、修復領域14は、上層配線12の幅方向においては上層配線12の少なくとも片方の縁部は越えていないため、当該修復工程において上層配線12が断線する恐れはなく、また、修復領域14は、下層配線10の幅方向においては下層配線10の両縁を越えていることから、修復による短絡部13と上層配線12との電気的な遮断が確実に行われる。
本発明において、修復領域14の形状は、図1、図2、図4、図5のような略長方形や、図3、図6のような略長方形の切り欠き形状に限らず、例えば、略楕円形などのような広義の円形状や、略台形や略並行四辺形などのような広義の四角形や、広義の多角形、あるいは前記のような形状を組み合わせた任意の形状も適用可能である。
また、本発明に係る修復工程は、素子電極2,3、下層配線10、絶縁層11、上層配線12を形成後、素子膜7の形成前に行っても良いし、これに限らず、下層配線と上層配線が短絡した時点で実施する。従って、素子電極2,3や素子膜7などの形成のタイミングには全く制約を受けず無関係である。
本発明により製造される電子源、及び画像表示装置の各部材について下記に例示的に説明するが、当該実施形態に記載されている部材の寸法、材質、形状、相対配置などは、特に記載がない限り、下記に記載の範囲に限定されるものではない。
基板1としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2を積層したガラス基板、アルミナ等のセラミックス及びSi基板等を用いることができる。
素子電極2,3としては、一般的な導電性材料を用いることができる。これは例えば、Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属或いは合金及びPd、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In23−SnO2等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体材料等から適宜選択することができる。
素子膜7を構成する材料は、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、SnO2、In23、PbO、Sb23等の酸化物、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等の中から適宜選択される。
電子放出部8は、素子膜7に通電処理することにより形成された高抵抗の亀裂により構成され、素子膜7の膜厚、膜質、材料及び通電処理条件等に依存したものとなる。
尚、図8の電子放出素子は、素子電極2,3を形成した後、素子膜7を形成しているが、本発明においては、素子膜7を形成した後、素子電極2,3を形成する構成であっても良い。
本発明の電子源の製造方法において、下層配線10及び上層配線12は、真空蒸着法、
印刷法、スパッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成することができる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。また、下層配線10と上層配線12を隔てる絶縁層11は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成される。
下層配線10は、図9におけるX方向配線52に、上層配線12はY方向配線53に相当し、それぞれ外部端子Dox1〜Doxm、Doy1〜Doynとして引き出すことができる。
X方向配線52には、X方向に配列した電子放出素子54の行を選択するための、走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線53には、Y方向に配列した電子放出素子54の各列を入力信号に応じて変調するための、不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。
図9において、51は電子放出素子54を複数配した電子源基体、61は電子源基体51を固定したリアプレート、66はガラス基体63の内面に蛍光体などの発光体からなる蛍光体膜64とアノード電極としてのメタルバック65とが形成されたフェースプレート(画像形成部材)である。62は支持枠であり、支持枠62には、リアプレート61、フェースプレート66がフリットガラス等を用いて接続されている。67は外囲器であり、例えば、大気中或いは窒素中で、400〜500℃の温度範囲で10分以上焼成することで、封着して構成される。
外囲器67は、上述した通り、フェースプレート66、支持枠62、リアプレート61で構成される。リアプレート61は主に基体51の強度を補強する目的で設けられるため、基体51自体で十分な強度を持つ場合は、別体のリアプレート61は不要とすることができる。即ち、基体51に直接支持枠62を封着し、フェースプレート66、支持枠62及び基体51で外囲器67を構成しても良い。一方、フェースプレート66、リアプレート61間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器67を構成することもできる。
本発明による画像表示装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンターとしての画像表示装置等としても用いることができる。
(実施例1)
図1に示した電子源のマトリックス配線を作製した。本例では、1画素のサイズを横方向205μm、縦方向615μmとし、下層配線10は幅Wun約50μm、厚さ約20μm、絶縁層11は上層配線12の幅方向の幅が約470μm、厚さ約40μm、上層配線12は幅Wov約380μm、厚さ約8μm、として、当該画素サイズの中に、素子電極2,3を効果的に配置した。素子電極2,3の厚さは約0.05μmであった。作製工程を以下に詳述する。
主成分がガラスである基板1(ソーダライムガラスよりアルカリ成分を抑えたPD200を使用)の上に、先ず、Tiを下引きとしたPt膜を成膜し、所望の形状になるようにフォトリソ及びエッチング法によって、素子電極2,3を形成した。
次に、Agを主成分とし、PbO系ガラスを少量含む感光性ペーストを使用して、成膜(スクリーン印刷)、露光(下層配線パターンを有するネガのフォトマスク)、現像(純水に炭酸ナトリウムを約4%添加した現像液)、焼成(480℃)を実施し、下層配線10を形成した。この状態で、素子電極2に下層配線10がコンタクトし、通電可能となった。この時の下層配線10の幅方向の断面は、図7に示すように、両端部上方のエッジが盛り上がった形状(即ちエッジカール)が生じた状態となった。
次いで、PbOやB23ガラスを主成分とする感光性ペーストを使用し、成膜(スクリーン印刷)、露光(絶縁層パターンを有するネガのフォトマスク)、現像(純水に炭酸ナトリウムを約4%添加した現像液)、焼成(480℃)を実施し、絶縁層11を形成した。
Agを主成分とし、PbO系ガラスを少量含む印刷ペーストを使用し、スクリーン印刷(上層配線パターンを有するスクリーン版を使用)、焼成(480℃)を実施し、上層配線12を形成した。この状態で基板1上に形成した下層配線10と上層配線12に、適宜通電し、抵抗値を比較し、適宜観察(光学的な手法など)することにより、短絡部を探索して特定した。
本例では、図1に示したような、短絡部が2箇所有った。本例のように、感光性ペーストを使用した下層配線10では、一般にエッジカールが多少なりとも生じるため、高さが局所的に高くなる配線の幅方向の両端部においては、下層配線10と上層配線12とが短絡する確率が高く、本例でも当該箇所での短絡であった。当該短絡部に対して修復工程を施した。
短絡部に対して、ビームスポットのサイズを最終的には修復領域14のサイズが、本発明に係る最大幅の規定を満たすように設定した。具体的には、下層配線10の幅Wunが50μmであるため、下層配線幅方向のビームスポットのサイズを80μmとし、上層配線12の幅Wovが380μmであるため、上層配線幅方向のビームスポットのサイズを100μmとし、レーザ(YAG第二高調波:波長λ=532nm)をパルス状に複数回に分けて照射した。レーザはQスイッチ付きパルス励起方式レーザで、Qスイッチ周波数を1Hzに設定、平均出力5×10-4W程度、エネルギー密度3×10J/cm2程度とし、絶縁層11の一部を含めて上層配線12を部分的に除去した。修復領域のサイズは、下層配線幅方向の最大幅Runが70μm、上層配線幅方向の最大幅Rovが90μmで、図2,図3に示すように、上層配線幅方向及び下層配線幅方向にそれぞれ平行な辺を有する長方形であった。
ビームスポットに対して最終的な修復領域14のサイズが一回り小さくなるのは、レーザにより上層配線12を部分的に除去する際に、除去部の境界部分である上層配線12の端部において、レーザによる瞬間的な加熱冷却によりAg粒子(直径0.数μm〜十数μm程度)の集合である配線のAg粒子が溶け、バルク状のAgとなり、熱伝導が良くなることで照射するレーザエネルギーでは徐々に加工されにくくなり、次第に加工サイズが小さくなるためと考えられる。
以上のように、修復工程にレーザを使用し、複数回のパルス印加で短絡部の上層配線を所望のサイズに除去する方法によれば、レーザによる急激な加熱と繰り返し周期の長さにより、次のレーザ照射までに冷却がなされるため、表面伝導型電子放出素子を用いた電子源のように厚膜配線においても、絶縁層まで加工が可能で、且つ、加工サイズを規定することにより、下層配線のエッジカールの影響で下層配線10の幅方向両端部に生じやすい短絡部を効果的に且つ確実に除去することができると考えられる。
さらに、レーザを複数回に分けて照射することにより、次第に加工サイズが小さくなる作用によって、修復領域14の境界部分である上層配線端部に生じる加工後の配線材料の突起を抑制することができた。レーザを連続的に照射した場合(繰り返し周波数が数百Hzより高い。YAG第二高調波(波長λ=532nm)Qスイッチ付き連続励起方式レーザで、Qスイッチ周波数1kHz、ビーム幅40μm×40μm、平均出力7×10-2W程度、エネルギー密度4J/cm2程度)に比べて、ストレーエミッションの発生を抑制する効果があった。
(実施例2)
サイズ(80μm×80μm)のビームスポットにおいて、外周部分を内側より5〜50%出力を抑えたような出力分布を持つように調整して用いた以外は実施例1と同様にして修復工程を行った。その結果、修復領域14のサイズは下層配線幅方向の最大幅Runが65μm、上層配線幅方向の最大幅Rovが65μmとなった。ビームスポットのサイズに対して、修復領域のサイズが小さい理由は、実施例1と同様にAgの熱伝導が良くなるためと、ビームスポットの外周部分の出力を抑えたためと考えられる。
本例では、ビームスポットの外周部分の出力を抑えたことにより、実施例1よりもさらに、上層配線端部に生じる配線材料の突起を抑える効果が高かった。よって、ストレーエミッションの発生をより良く抑制することができた。
(実施例3)
下層配線幅方向のスポットサイズを80μm、上層配線幅方向のスポットサイズを100μmとしてパルス状に複数回レーザ照射を行った後、下層配線幅方向のスポットサイズを70μm、上層配線幅方向のスポットサイズを90μmに変更し、パルス状に複数回レーザ照射を行って修復領域14を形成した以外は実施例1と同様に修復工程を行った。得られた修復領域14のサイズは、下層配線幅方向の最大幅Runが60μm、上層配線幅方向の最大幅Rovが80μmであった。
このように、レーザビームのスポットサイズを修復工程開始時は80μm×100μmとし、途中で70μm×90μmに変更することにより、実施例1よりもさらに、上層配線端部に生じる配線材料の突起を抑える効果が高かった。よって、ストレーエミッションの発生をより良く抑制することができた。
(実施例4)
実施例1と同様のスポットサイズ(80μm×100μm)で、レーザ照射を複数回に分け、且つ、実施例2と同様の出力分布を持たせ、さらに、途中で実施例3と同様にスポットサイズ(70μm×90μm)を変更して修復工程を行った。その結果、得られた修復領域14のサイズは55μm×75μmであった。
本発明においては、レーザビームの出力分布とスポットサイズの変更を組み合わせたことにより、実施例2及び3よりもさらに、上層配線端部に生じる配線材料の突起を抑える効果が高かった。よって、ストレーエミッションの発生をより良く抑制することができた。
(実施例5)
実施例1と同様に作製したマトリックス配線の短絡部に対して、機械的な切削方法により修復工程を施した。具体的には、修復領域14の下層配線幅方向の最大幅Runが100μm程度、上層配線幅方向の最大幅Rovが100μm程度となるように、一般に事務用品として使用されているカッターナイフと同様でさらに先端が鋭利な刃物を用いて上層配線12の短絡部を切削除去した。その結果、効果的に修復領域14を形成することができた。
(実施例6)
実施例1と同様に作製したマトリックス配線の短絡部に対して、刃物による切削除去の後に、さらに、修復領域14における境界部のエッジの微小な突起に刃物での修復領域より一回りサイズが大きなビーム幅に調整したレーザを照射して、上層配線12の一部を除去しつつ、該突起の先端を熱により丸く加工した。その結果、エッジが丸く加工された、サイズが約100μm×約100μmの修復領域14が得られた。よって、ストレーエミッションの発生をより良く抑制することができた。
(実施例7)
図4に示すように、下層配線10の幅Wunを380μm、上層配線12の幅Wovを50μmと、実施例1とは配線幅を逆にした以外は実施例1と同様にしてマトリックス配線を作製し、Runが420μm、Rovが30μmになるように、短絡部について実施例1〜4、実施例6と同様の修復工程を施した。その結果、いずれも各実施例と同様の良好な修復領域14が得られ、ストレーエミッションの発生を抑制することができた。
(実施例8)
図5,図6に示したように、下層配線10の幅Wunを50μm、上層配線12の幅Wovを380μmとし下層配線10と上層配線12とのなす角度が30°であるマトリックス配線を作製し、Runを少なくとも50μm以上で70μm程度、Rovを少なくとも380μmより下で120μm程度になるように、短絡部について実施例1〜4,実施例6と同様の修復工程を施した。その結果、いずれも各実施例と同様の良好な修復領域14が得られ、ストレーエミッションの発生を抑制することができた。
本発明の製造方法により製造される電子源の一例の平面模式図である。 図1の修復領域の部分拡大図である。 図1の修復領域の部分拡大図である。 上層配線幅が下層配線幅より狭いマトリックス配線における修復領域を示す図である。 上層配線と下層配線とが傾いて交差するマトリックス配線における修復領域を示す図である。 上層配線と下層配線とが傾いて交差するマトリックス配線における修復領域を示す図である。 実施例1で作製したマトリックス配線の交差部の断面模式図である。 表面伝導型電子放出素子の一例の模式図である。 図8の電子放出素子を用いてなる画像表示装置のパネルの概略構成図である。
符号の説明
1 基板
2,3 素子電極
7 素子膜
8 電子放出部
10 下層配線
11 絶縁層
12 上層配線
13 ショート部
14 修復領域
51 電子源基体
52 X方向配線
53 Y方向配線
54 電子放出素子
61 リアプレート
62 支持枠
63 ガラス基体
64 蛍光膜
65 メタルバック
66 フェースプレート
67 外囲器
68 高圧電源

Claims (8)

  1. 複数本の上層配線と、絶縁層を介して前記上層配線と交差する複数本の下層配線と、前記上層配線と前記下層配線とにそれぞれ接続された複数の電子放出素子と、を有する電子源の製造方法であって、基板上に前記下層配線と前記絶縁層と前記上層配線とを形成後、前記下層配線と前記上層配線との交差部における当該両配線の短絡部を包含する、前記上層配線の一部の領域を除去する工程を有し、上層配線の除去される前記一部の領域は、前記下層配線の幅方向においては当該下層配線の両縁を越える領域であって、前記上層配線の幅方向においては前記上層配線の少なくとも片方の縁部は越えない領域であることを特徴とする電子源の製造方法。
  2. 前記上層配線の一部の領域を除去する工程は、当該一部の領域にレーザ照射を行うことを含む請求項1に記載の電子源の製造方法。
  3. 前記レーザ照射は、複数回に分けて行われる請求項2に記載の電子源の製造方法。
  4. 前記レーザ照射におけるビームスポットの外周部分が内側部分よりも出力が小さい請求項2または3に記載の電子源の製造方法。
  5. 前記レーザ照射を行う期間に、少なくとも1回以上、照射するレーザのビームスポットの変更を行う請求項2〜4のいずれかに記載の電子源の製造方法。
  6. 前記上層配線の除去工程が、機械的切削工程である請求項1に記載の電子源の製造方法。
  7. 前記上層配線の除去工程が、機械的切削の後にレーザ照射を行う工程である請求項1に記載の電子源の製造方法。
  8. 複数本の上層配線と、絶縁層を介して該上層配線と交差する複数本の下層配線と、上記上層配線と下層配線との各交点において各配線に接続された素子電極を備えた電子放出素子と、を有する電子源と、該電子放出素子から放出された電子の衝突によって発光する発光部材とを備えた画像表示装置の製造方法であって、上記電子源を、請求項1〜7のいずれかに記載の電子源の製造方法により製造することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
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