JP2000071418A - スクリーン印刷方法およびその装置 - Google Patents

スクリーン印刷方法およびその装置

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JP2000071418A
JP2000071418A JP24402698A JP24402698A JP2000071418A JP 2000071418 A JP2000071418 A JP 2000071418A JP 24402698 A JP24402698 A JP 24402698A JP 24402698 A JP24402698 A JP 24402698A JP 2000071418 A JP2000071418 A JP 2000071418A
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ink
screen
screen plate
pattern
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JP24402698A
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English (en)
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Yoshihiro Yanagisawa
芳浩 柳沢
Yuji Kasanuki
有二 笠貫
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Canon Inc
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  • Screen Printers (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリーン版に設定された印刷パターンの原
寸通りに、基板などの被印刷物に、高精度でインキのパ
ターンを印刷でき、しかも、コンタクト印刷で問題とな
る滲みインキの除去、あるいは、印刷パターンの欠落の
回避が確実に行えるスクリーン印刷方法およびその装置
を提供する。 【解決手段】 被印刷物の上に配置したスクリーン版
を、その相対距離を実質的に零にするように、両者を相
対的に移動するコンタクト工程と、所定の印刷パターン
で前記スクリーン版に塗布したネガタイプの感光硬化性
インキあるいは感熱硬化性インキについて、前記印刷パ
ターンのあるエリアに対応する前記インキに、あるい
は、それと共に、滲みインキに、その硬化のための光線
あるいは熱線を照射する工程とを有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーン印刷方
法およびその装置に関し、特に、この印刷方法および装
置を用いて、主として、電子回路基板、電子源基板、更
には画像表示装置などの基板上の電極、配線などを印刷
するためのスクリーン印刷方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、所謂、画像表示装置として、ブラ
ウン管(CRT)が広く一般に用いられているが、最近
では、表示画面が30インチを超える大型画面が要求さ
れているので、ブラウン管の構造では十分対応しきれな
い状況にある。即ち、ブラウン管では、その表示画面を
大きくするために、画面の大きさに応じて奥行きをより
大きくとる必要があり、また、全体重量が増加する。そ
のため、より大きな画面で、迫力ある画像を見たいとい
う消費者の要望に答えるには、より大きな設置スペース
が必要になり、最適構造とは言い難い。
【0003】そのため、このブラウン管(CRT)に代
わって、壁掛けできるような、しかも、低消費電力で、
薄くて軽い、大画面な平板状画像表示装置の登場が期待
されている。この要求に応えるものとして、液晶表示装
置(LCD)があり、近時、盛んに研究開発がなされて
いる。
【0004】しかし、LCDは自発光型でないため、バ
ックライトと呼ばれる光源が必要であり、このバックラ
イトに消費電力の殆どが費やされるという事情がある。
また、LCDは光の利用効率が低いため、画像が暗く、
視野角に制限があり、20インチを超えるような、大画
面化が難しいという課題が依然として残っている。
【0005】そこで、上述のような課題を持つLCDに
代わって、薄型の自発光型画像表示装置が注目を浴びて
いる。この画像表示装置としては、例えば、紫外線を蛍
光体に照射することで、蛍光体を励起し、発光させるプ
ラズマディスプレイパネル(PDP)、あるいは、電界
放出型電子放出素子(FE)や表面伝導型電子放出素子
を電子源として用い、上記電子放出素子から放出された
電子を蛍光体に照射することで蛍光体を励起し、発光さ
せる平板状画像表示装置などがある。特に、PDPは4
0インチ程度の大画面のものが、既に市販されている。
【0006】上述の自発光型画像表示装置は、LCDに
比べ明るい画像が得られるとともに視野角についても問
題がない。しかしながら、PDPの場合は、大画面化に
適しているが、発光輝度やコントラストでは、ブラウン
管に比べて劣る。
【0007】一方、FEや表面伝導型電子放出素子を用
いた自発光型画像表示装置では、その発光原理がブラウ
ン管の場合と基本的に同一である。そのため、輝度やコ
ントラスト自体、ブラウン管と同等のものが達成し得る
可能性を有している。
【0008】本出願人は、平板状の自発光型画像表示装
置の中でも、表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示
装置に着目している。これは、構造が比較的簡易なた
め、大面積に形成することに適しているためである。こ
の表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された微粒
子からなる導電性薄膜に、素子電極と呼ばれる一対の電
極から上記導電性薄膜に電圧を印加することにより、導
電性薄膜の一部に形成された電子放出部から電子を真空
中に放出させるものである。従って、この表面伝導型電
子放出素子を用いた画像表示装置は、上記表面伝導型電
子放出素子から放出された電子を蛍光体に照射すること
で発光を得る原理になっている。
【0009】また、本出願人は、先に出願した発明(特
開平6−342636号公報を参照)に開示した画像表
示装置において、この表面伝導型電子放出素子を電子源
として用いている。図12および図13には、この表面
伝導型電子放出素子の概略構成が示されており、また、
図15には、この表面伝導型電子放出素子を用いた画像
表示装置の概略構成が示されている。
【0010】なお、図12は表面伝導型電子放出素子の
構成の平面を、また、図13はその構成の断面を示して
いる。ここで、符号10001は絶縁性基板、1000
4は微粒子からなる導電性薄膜、10002,1000
3は導電性薄膜10004との電気的接続を得るための
一対の素子電極、10005は電子放出部である。
【0011】この表面伝導型電子放出素子において、前
記一対の素子電極10002,10003の間隔(L)
は、数千オングストローム〜数百μmに設定され、ま
た、素子電極長さ(W)は、素子電極の抵抗値、電子放
出特性を考慮して、数μm〜数百μmに設定される。ま
た、素子電極の膜厚(d)は、微粒子からなる導電性薄
膜10004との電気的な接続を保つために、数百オン
グストローム〜数μmの範囲に設定される。なお、素子
電極10002、10003は、例えば、フォトリソグ
ラフィー技術により形成される。
【0012】微粒子からなる導電性薄膜10004の膜
厚は、素子電極10002、10003へのステップカ
バレージ、素子電極間の抵抗値、フォーミング条件など
を考慮して、適宜、設定されるが、数オングストローム
〜数千オングストロームの範囲に設定するのが好まし
く、更に、10オングストローム〜500オングストロ
ームの範囲に設定することがより好ましい。
【0013】また、導電性薄膜10004の抵抗値(R
s)は、102 〜107 Ω/□に設定することが好まし
い。なお、抵抗値(Rs)は、厚さがt、幅がw、長さ
がlである薄膜の、長さ方向に測定した抵抗値をRとす
る時、R=Rs(l/w)で表される。また、厚さtと
抵抗率ρが一定である場合、Rs=ρ/tでも表され
る。
【0014】図14は、表面伝導型電子放出素子を用い
た画像表示装置の一例を示す概略構成図である。ここ
で、符号5005はリアプレート、5006は外枠、5
007はフェースプレートである。外枠、リアプレー
ト、フェースプレートの各接続部を低融点ガラスフリッ
トなどの接着剤(図示せず)により封着し、これによ
り、画像表示装置内部を真空に維持するための外囲器
(気密容器)を構成する。リアプレート5005には基
板5001が固定され、この基板5001上には表面伝
導型電子放出素子5002が、N×M個の配列で、形成
されている(なお、N、Mは2以上の正の整数であり、
目的とする表示画素数に応じて、適宜に設定されるもの
である)。
【0015】また、表面伝導型電子放出素子5002
は、図14に示す通り、M本の、行方向の配線5003
と、N本の列方向の配線5004とにより、配線されて
いる。行方向の配線5003、および、列方向の配線5
004は、例えば、フォトリソグラフィー技術により形
成される。これら、基板5001、表面伝導型電子放出
素子5002などの複数の電子放出素子、行方向配線5
003、列方向配線5004によって構成される部分
を、マルチ電子ビーム源と呼んでいる。また、少なくと
も、行方向配線と列方向配線の交差する部分には、両配
線間に層間絶縁層(図示せず)が形成されており、行方
向配線5003および列方向配線5004の相互の電気
的な絶縁が保たれている。
【0016】フェースプレート5007の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜5008が形成されており、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体(図示せ
ず)が塗り分けられている。また、蛍光膜5008をな
す上記各色蛍光体の間には、黒色体(図示せず)が配さ
れている。更に、蛍光膜5008のリアプレート500
5側の面には、Alなどからなるメタルバック5009
が形成されている。
【0017】また、ここで、符号Dx1〜Dxm、Dy
1〜DynおよびHvは、当該画像表示装置と電気回路
(図示せず)とを電気的に接続するために設けた気密構
造の電気接続用端子である。この電気接続用端子Dx1
〜Dxmは、マルチ電子ビーム源の列方向配線5004
に対して電気的に接続している。Dy1〜Dynも、同
様に、マルチ電子ビーム源の行方向配線5003に対し
て電気的に接続している。また、端子Hvは、メタルバ
ック5009と電気的に接続している。
【0018】上記外囲器(気密容器)の内部は、10-6
Torr以上の真空に維持されている。そのため、画像
表示装置の表示画面を大きくする程、外囲器(気密容
器)内部と外部との圧力差によるリアプレート5005
及びフェースプレート5007の変形或は破壊を防止す
る手段が必要となる。そのため、大気圧に耐えて上記外
囲器を支持のためのスペーサあるいはリブと呼ばれる支
持部材(図示せず)が、フェースプレート5007とリ
アプレート5005との間に配置される場合がある。こ
の場合、電子放出素子が形成された基板5001と、蛍
光膜が形成されたフェースプレート5007との間は、
一般に数百μm〜数mmに保たれ、外囲器(気密容器)
内部は高真空に維持されている。
【0019】以上に説明した画像表示装置は、容器外の
端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dyn、および行方向配
線5003、列方向配線5004を通じて、各表面伝導
型電子放出素子に電圧を印加することで、各表面伝導型
電子放出素子から電子を放出するのである。また、それ
と同時に、メタルバック5009に容器外端子Hvを通
じて、数百V〜数kVの高電圧を印加することで、表面
伝導型電子放出素子から放出された電子を加速し、フェ
ースプレート5007の内面に形成された各色蛍光体に
衝突させる。これにより、蛍光体が励起、発光し、画像
が表示される。
【0020】上記画像表示装置を形成するには、上記電
子放出素子、行方向および列方向配線を多数配列形成す
る必要がある。そこで、上記電子放出素子、行方向およ
び列方向配線を多数配列形成する方法として、フォトリ
ソグラフィー技術、エッチング技術などが挙げられる。
【0021】しかしながら、例えば、表面伝導型電子放
出素子を用いた数十インチの大画面の画像表示装置を形
成する場合、フォトリソグラフィー技術、エッチング技
術を用いるとすると、対角数十インチの大型基板に対応
する蒸着装置やスピンコーターを始め、露光装置、エッ
チング装置などの大型製造設備が必要となり、製造工程
上の取り扱いの難しさや、高コスト化などの問題があ
る。
【0022】そこで、比較的安価で、真空装置など必要
なく、大面積に対応し得る印刷技術を用いて、上記電子
放出素子、行方向および列方向配線を多数配列形成する
ことが工夫された。即ち、本出願人は、先に出願した発
明(特開平8−34110号公報を参照:ここでは、磁
石などで版離れを行う)において、スクリーン印刷技術
を用いて、上記行方向および列方向配線を、多数配列、
形成することを開示している。
【0023】このスクリーン印刷によれば、例えば、金
属粒子を混ぜたインクを、所要の印刷パターンを開口す
る版をマスクとして、その開口から透過し、被印刷物で
ある基板上に印刷、形成し、その後に焼成を行うこと
で、所望のパターンの電極や配線などを形成することが
できる。
【0024】このスクリーン印刷に用いる装置の一例
を、図15および図16を用いて、以下に述べる。ここ
で、符号1002は版枠、1003はスクリーンメッシ
ュ、1007はスキージ、1016はワーク(被印刷物
としての基板)、1017は押圧部、1018は版パタ
ーン、1019はインクパターン、1020はインク、
1024はスキージ1007によってスクリーンメッシ
ュ1003にかかる張力、1023はスクリーンメッシ
ュ1003とワーク1016の上面との間のギャップで
ある。
【0025】スクリーンメッシュ1003は、ステンレ
スなどの材質のメッシュ上に樹脂フィルムを形成し、こ
の樹脂フィルムに、インク1020を吐出するための版
パターン1018を開口、形成したもので、適宜、設定
された張力で、版枠1002に張られている。
【0026】次に、スクリーン印刷の手順を説明する
と、まず、図16に示すように、版枠1002(即ち、
スクリーンメッシュ1003の下面)とワーク1016
とを、予め、所定のギャップ1023にセットする。そ
して、スクリーンメッシュ1003が押圧部1017に
おいて、ワーク1016に接するまで、スキージ100
7を下げる。次に、スキージ1007の移動方向の手前
にインク1020を設置する。
【0027】そして、スクリーンメッシュ1003がワ
ーク1016に常に接するように、スキージ1007を
下げたままで、図の矢印方向に操引して、インクを掻き
取る。その際は、図15に示すように、スキージ100
7からの圧力によって、インク1020は、版パターン
1018の開口を通って、ワーク1016上に吐出され
る。このようなインクの吐出と同時に、図16に示すと
ころのスクリーン押圧部1017で、働く張力1024
の垂直成分に由来する復元力により、スクリーンメッシ
ュ1003がワーク1016から離れることで、インク
1020がスクリーンメッシュ1003から分離され、
ワーク1016上に移行され、図15に示すような、所
望のインクパターン1019を形成するのである。
【0028】以上のような、従来の基板に対するスクリ
ーン印刷には、以下の点に特徴がある。 1)4辺を版枠に固定したスクリーンメッシュを原版と
して使用している。 2)原版とワークとの間を、あるギャップに保った状態
で、印刷を行う。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の印刷では、以下のような課題が残されている。即
ち、このスクリーン印刷では、予め、設定されたスクリ
ーン版上の原パターンが、スキージ1007によって伸
長された状態で、ワーク1016に対して印刷されるこ
とになるため、原パターンの寸法に対して、2次元的に
歪んだ、誤差が加えられた形で印刷され、寸法誤差を生
じる。このような位置精度の悪化は、その印刷面の大面
積化によって、無視できない大きさとなる(この事情
は、NHK技研R&DのNo.37:1995年8月
「ハイビジョン用プラズマディスプレイの研究」におい
て説明されている)。
【0030】例えば、前述の平面型表示装置の行方向お
よび列方向配線を作成する場合、このような寸法誤差
は、電子放出素子とのアライメントを悪化し、画素欠陥
やクロストークの一因となる。特に、かかるアライメン
トの問題は、設計マージンを大きくすることによっては
逃れることができないほど、高密度に画素を形成する際
に、重大な問題となる。
【0031】この問題に対して、印刷パターンを形成す
る被印刷物とスクリーン面との間隔(ギャップ)を、実
質的に零とした状態で、スキージを移動させて、インキ
を掻き取る、所謂、コンタクト印刷が既に提案されてい
る。この印刷方法では、スクリーン版の原パターンの寸
法は、スキージによって伸長されることは少なく、ワー
クに形成されるパターンとスクリーン版の原パターンと
は、完全に一致することになり、高精度に寸法精度、位
置精度を確保した印刷が可能となる。
【0032】しかしながら、このコンタクト印刷方法に
は、スクリーン版とワークとの間の僅かな隙間に、イン
キが進入する現象、所謂、滲みインキの発生があり、こ
れによる以下の問題が残されている。 1)滲みインキがワークに残ることにより、所期のパタ
ーン幅の増分となる、所謂、パターン太りが発生する場
合がある。 2)コンタクト印刷では、スクリーン版のパターン領域
のインキ掻き取りが終了した後、版離れ(ワークからス
クリーン版を引き離す)を行う。この版離れは、通常、
スクリーン版枠と基板の平行を保ちつつ、引き離す際
の、スクリーン版の伸びで、ワークに付着したインキか
らスクリーン版を徐々に引き離す形を採るが、この際、
滲みインキは、スクリーン版とワークとの間に、この版
離れを阻害する粘着力を発生させるので、仮に、スクリ
ーン版とワークとの間に、ある若干の量のギャップに保
っていたとしても、スクリーン版のパターン面とワーク
とが貼り付いたままとなる場合が生じる。そこで、この
粘着力に打ち勝つために、スクリーン版に予め、充分な
張力を与えて、張り(復元力)を強くすると、版離れが
早すぎて、スクリーン版側の印刷パターンの充填インキ
がワーク上に残らず、スクリーン版に残ったままとな
り、その結果、印刷パターンの欠落などが発生するおそ
れがある。
【0033】前者に関しては、そのインキの滲み量を見
込んで、スクリーン版の印刷パターンの大きさを、予
め、小さく設計して、その滲み量を打ち消す方法も行わ
れているが、一般に、この滲み量はインキ粘度に大きく
左右される。ところが、インキの粘度は、インキメーカ
ーよりの入荷ロット毎に可成りの差があり、また、使用
環境(特に、温度)により変わるので、予め、滲み量を
見込んで、スクリーン版の印刷パターンを設定する方法
では、インキ粘度の相違に対応する印刷パターンの寸法
を設定したスクリーン版を、誤差許容範囲毎に、予め、
用意する必要があり、コスト面で難点があった。
【0034】また、後者に関しては、版離れ時の問題を
改善する一方法として、例えば、特開平7−1705号
公報に示す印刷装置が提案されているが、ここでは、補
強部材となる剛体を用いることで、見掛け上、スクリー
ン版枠を小さくして、コンタクト印刷の版離れ時に、ギ
ャップが小さい設定であっても、ギャップが大きい設定
のように、スクリーン版に張力を与えているが、この方
法では、スクリーン版とワークとの間に働くインキの粘
着力に対しては、何らの改善も施していないので、上述
のような印刷パターンの欠落について、解決されていな
い。
【0035】以上の問題は、特に、印刷される被印刷物
としての基板上の状態に依存して、可成りの重要課題と
なる。即ち、前者の問題は、構造物の有る平面基板上に
印刷する際に顕著であり、例えば、直交する2層の配線
の上側層の印刷に、上述のスクリーン印刷を用いる際に
発生する。また、後者の問題は、構造物が表面にない平
滑な基板上に印刷する際に顕著である。
【0036】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、その目的とするところは、スクリーン版に設定さ
れた印刷パターンの原寸通りに、基板などの被印刷物
に、高精度でインキのパターンを印刷でき、しかも、コ
ンタクト印刷で問題となる滲みインキの除去が確実に行
えるスクリーン印刷方法およびその装置を提供すること
である。
【0037】また、本発明の第2の目的とするところ
は、滲みインキによる粘着で、印刷パターンの欠落が生
じないように工夫したスクリーン印刷方法およびその装
置を提供することである。
【0038】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のスク
リーン印刷方法では、被印刷物の上に配置したスクリー
ン版を、その相対距離を実質的に零にするように、両者
を相対的に移動するコンタクト工程と、所定の印刷パタ
ーンで前記スクリーン版に塗布したネガタイプの感光硬
化性インキあるいは感熱硬化性インキについて、前記印
刷パターンのあるエリアに対応する前記インキに、その
硬化のための光線あるいは熱線を照射する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0039】また、このためのスクリーン印刷装置とし
て、本発明では、被印刷物に対してスクリーン版を相対
的に接離動作する手段と、前記スクリーン版に所定の印
刷パターンでネガタイプの感光硬化性インキあるいは感
熱硬化性インキを塗布するスキージ手段と、前記スクリ
ーン版に対して、前記印刷パターンに対応する前記イン
キに、その硬化のための光線あるいは熱線を照射する照
射手段とを具備する装置を提供する。
【0040】また、本発明のスクリーン印刷方法では、
光り透過性材料で構成された被印刷物の上に配置したス
クリーン版を、その相対距離を実質的に零にするよう
に、両者を相対的に移動するコンタクト工程と、所定の
印刷パターンで前記スクリーン版に塗布したネガタイプ
の感光硬化性インキあるいは感熱硬化性インキについ
て、被印刷物を透過して、これに付着した前記印刷パタ
ーンのインキおよび前記スクリーン版と被印刷物とに挟
まれた滲みインキに対して、光線あるいは熱線を照射す
る工程とを有することを特徴とする。
【0041】また、このためのスクリーン印刷装置とし
て、本発明では、前述のスクリーン印刷装置において、
被印刷物が光り透過性材料で構成されており、前記照射
手段は、前記スクリーン版の印刷パターンで被印刷物上
に付着したインキおよび前記スクリーン版と被印刷物と
に挟まれた滲みインキの両方に光線あるいは熱線を照射
するように、前記スクリーン版の下側より前記被印刷物
を透過して、照射する構成になっている。
【0042】従って、コンタクト印刷において、感光硬
化性インキあるいは感熱硬化性インキを、スクリーン版
の印刷パターンに充填した状態で、光線あるいは熱線を
照射して、その印刷パターン通りのインキを被印刷物上
に付着、硬化させることができるから、その後、版離れ
しても、被印刷物上に高精度の寸法、高精度の位置での
パターンを形成することができる。
【0043】しかも、この際、印刷パターン以外には、
光線あるいは熱線を照射しないようにすることで、滲み
インキの硬化を避け、後に除去処理を施すことで、パタ
ーン太りを避けることができ、インキ粘度の相違に基づ
いて、幾つものサイズでの印刷パターンを持ったスクリ
ーン版を用意する必要がなくなり、コスト面で有利とな
る。また、滲みインクに対しても、光線あるいは熱線を
照射して、硬化させることで、スクリーン版に対する滲
みインクの粘着力を低減し、版離れを良好にして、被印
刷物上の印刷パターンの欠落を回避することもできる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明におけるスクリーン
印刷方法およびその装置について、具体的に説明する。
なお、ここでは、感光硬化性インキとして、紫外線硬化
性インキを用い、照射光線として、水銀ランプなどから
の紫外線を用いるが、その他の光線、例えば、レーザ源
からのレーザ光線による硬化性のインキを用いてもよ
く、それに対応して、照射光線として、レーザ光線を用
いてもよい。更に、被印刷物としての基板上の構成が、
熱的に耐えられるものであれば、感熱硬化性インキを用
いることができ、それに対応して、IRランプなどから
の熱線を用いることもできる。
【0045】また、スクリーン版において、印刷パター
ン以外の部分(領域)が遮光性を有するもので覆われる
構成にするとよい。この場合の事例としては、スクリー
ンメッシュに乳剤を塗布したタイプのスクリーン版を用
い、その乳剤にカーボンブラックを混合して遮光膜とし
たものや、また、ポリエステルなどのプラスチック膜に
レーザーなどの手段で、所要のパターンを開口し、更
に、そのプラスチック表面にメタル蒸着処理などを施し
たものものなどが挙げられる。
【0046】なお、通常のメタル版を採用するのであれ
ば、元来、印刷パターンの部分(領域)以外が遮光性を
有するので、本発明において、適用が可能である。逆
に、印刷パターンの部分(領域)以外も、紫外線などの
光透過性を有するスクリーン版としては、ポリエステル
などのプラスチックに、レーザーなどの手段で、所定の
パターンを開口部したものなどが挙げられる。
【0047】(第1の実施の形態)本発明のスクリーン
印刷方法およびその装置について、その具体例を、図1
〜図4を参照して説明する。ここでは、本発明の第1の
目的を達成するため、滲みインキに紫外線を照射しない
方法によって、現像時に、滲みインキを除去した例を示
す。 ここでは、既にライン&スペース上の配線が一層
形成されているガラス基板(被印刷物)上に、一層目の
配線に直交するように、ライン&スペース状の印刷パタ
ーンを形成する。また、滲みインキを遮光するためのス
クリーン版として、メタルスクリーン版を使用する。
【0048】図1〜図4において、符号1はワーク(被
印刷物)2を載置するワーク定盤である。また、符号3
はスクリーン版で、その上に所要の印刷パターン4が開
口、形成されている。なお、符号5はスクリーン版3に
対してワーク2を接離するように、ワーク定盤1を上下
するための定盤上下機構(接離手段)、6はスクリーン
印刷で使用するスキージ、7はインキ、8はインキ7を
硬化するための紫外線ランプ、9は印刷パターン4の部
分(領域)以外を紫外線ランプ8から遮光することで、
スキージ6によってスクリーン版3上を移動される余剰
インキを紫外線から遮断する遮断部材(遮断手段)であ
る。
【0049】次に、このような、本発明のスクリーン印
刷装置を用いて印刷する場合の手順について、説明す
る。先ず、図1のように、ワーク定盤1上にワーク2を
設置し、スクリーン版3上にインキ7を供給する。次
に、図2のように、定盤上下機構5によって、スクリー
ン版3の印刷パターン4の面とワーク2の間の距離を、
実質的に零とするように接近させる。この状態で、スキ
ージ6を操引して、インキ7をスクリーン版3上に展開
する。
【0050】次に、図3のように、紫外線ランプ8から
スクリーン版3の印刷パターン4へのみ、紫外線を照射
し、これによって、ワーク2上のインキ(印刷パター
ン)を硬化する。この際、遮断部材9の位置を下げるこ
とで、印刷パターン4の部分以外のスクリーン版3上の
余剰インキへの紫外線照射を防止する。そして、最後に
図4のように、定盤上下機構5の操作によって、ワーク
定盤1を下げて、ワーク2の版離れを行い、ワーク2上
に所要の印刷パターンを得るのである。この際には、滲
みインキが印刷パターン4の周囲に残るが、その後の処
理、即ち、ワーク2上のインキを水などで現像すること
で、紫外線による硬化を受けていない滲みインキを除去
することができる。
【0051】なお、以上の工程において、スキージ6に
加える印圧は、スキージ6の長さあたりで、0.1kg
/cm、その印刷速度は3cm/secで行うとよい。
また、使用するインキは、例えば、紫外線硬化性のガラ
スインキ(ノリタケ機材(株)製のNP−7803)を
使用する。また、紫外線照射には、100mW/cm 2
のランプを使用し、その照射時間を10secとする。
【0052】以上の結果、ライン&スペースパターンの
幅太りが発生せず、スクリーン版3の印刷パターンと寸
法的に相違しない印刷パターンを、高い精度で、また、
位置精度も良好に、ワーク2上に形成できるのである。
【0053】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態は、第2の目的を達成するため、滲みインキに対
して紫外線を照射する方法によって、版離れ時の印刷パ
ターン周りの滲みインキの粘着力を弱めるものである。
この実施の形態は、印刷パターンが全く形成されていな
い透明なガラス基板(被印刷物)上に、最初のライン&
スペース状のパターンを形成する場合に適用される。ま
た、スクリーン版としては、メッシュ状のスクリーンに
エマルジョンを塗布したタイプを用いる。
【0054】ここでは、第1の実施の形態におけるスク
リーン版への紫外線照射の方向を変えて、ガラス基板側
から行うのであり、インキには、紫外線硬化性の銀イン
キ(ノリタケ機材(株)製のNP−4700)を使用し
ており、それ以外では、第1の実施の形態と同様なスク
リーン印刷手順を採用する。即ち、図5において、符号
11は定盤ガラス部であり、紫外線を透過する。また、
符号12はミラーであり、紫外線を反射する。更に、符
号13は紫外線の光路を示す。他の部材は、前述の実施
の形態と同様であり、また、この実施の形態では、遮断
部材9は必要が無いので、構成には含まれない。
【0055】以上の構成において、紫外線をスクリーン
版の下側から照射することにより、基板2側における印
刷パターンのインキおよびその周辺の滲みインキが硬化
された状態で、版離れを行うので、印刷パターンのイン
キや滲みインキがスクリーン版3側に部分的に取り残さ
れる畏れがなく、版離れが良好で、所期のラインパター
ンなどで、欠落による断線が発生しない。また、この実
施の形態においても、当然ながら、印刷パターンの寸法
精度、位置精度も良好な状態が確保される。
【0056】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態は、第2の実施の形態と同様に、本発明の第2の
目的を達成するための印刷方法であり、ここでの紫外線
照射は、第1の実施の形態と同様に、スクリーン版3の
上側からこれを透過して行われる。即ち、本実施の形態
は、未だ、パターンの形成されていないガラス基板上
に、ライン&スペース状のパターンを形成する場合に適
用されるもので、そのスクリーン版の印刷パターンのた
めのマスクには、紫外線透過可能なポリエステル素材な
どのプラスチックが用いられる。
【0057】このような構成では、スクリーン版3を透
過した紫外線で印刷パターンの部分(領域)のインキだ
けでなく、スクリーン版3とガラス基板との間の滲みイ
ンキに対しても、紫外線を照射することになり、両者を
硬化することで、版離れ時に、スクリーン版側への滲み
インキの粘着力を弱めることとなり、基板上での印刷パ
ターンの寸法精度、位置精度を良好な状態の確保すると
共に、所期のラインパターンなどで、欠落による断線を
避けることができる。
【0058】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態では、第1の実施の形態において、図2のよう
に、スキージ6でインキをスクリーン版3上に展開の
後、先ず、赤外線照射をスクリーン版の、少なくとも、
印刷パターンの部分(領域)に対して、上から行い、そ
の後に、第2の実施の形態と同様に、紫外線照射を基板
側から行うのであり、その他の工程は、第1の実施の形
態のスクリーン印刷方法と同様である。この赤外線照射
は、手持ちの赤外線ランプなどを使って行うのであっ
て、その目的とするところは、インキ粘度を左右する溶
剤の揮発により、適当な粘度まで、印刷パターンの部分
のインキの粘度を上げる、即ち、乾燥するためで、例え
ば、スクリーン版の印刷パターンの部分を、80℃とな
る条件で加熱し、これを20分間、継続するのである。
【0059】以上の結果、インキ粘度の調整で、滲みイ
ンキの発生量を抑制し、ライン&スペースパターンが所
定幅以上にならないように(所謂、幅太りの発生を抑
制)することができ、それにより、スクリーン版の印刷
パターンと略同寸法の所期の印刷パターン幅で、また、
正確な位置精度で、基板上にパターンを形成できる。
【0060】(第5の実施の形態)この実施の形態は、
第2の実施の形態におけるスクリーン印刷により、配線
などを形成して、表面伝導型電子放出素子を複数、配置
した電子源を構成する画像形成装置を製造する場合を例
示している。ここでは、図6に示すような構成で画像形
成装置が構成される。即ち、図において、符号401は
青板ガラスから成る電子源としての基板、符号402、
403、404は、オフセット印刷で形成された素子電
極である。また、符号407、408、409は、本発
明のスクリーン印刷で製造される部分であり、Agイン
キを印刷した後、第2の実施の形態で印刷パターンを付
着し、厚みが約7ミクロンの印刷配線を焼成したもので
ある。
【0061】なお、素子電極402、403、404
は、印刷配線407、408、409とは、各々、接続
されている。また、符号405、406は、有機金属溶
液を塗布した後、焼成で得られた、厚み:約200オン
グストロームのPd微粒子から成る薄膜であり、素子電
極402、403、404およびその電極間隔部に配置
するように、スクリーン版上にCrマスクを設けて、こ
れを用いて、リフトオフ法で、導電性膜を所望の形状
に、パターニングしたものである。また、1000はP
d微粒子からなる薄膜405、406の一部に、公知の
フォーミングで、形成された電子放出部である。
【0062】また、符号415は青板ガラスから成るガ
ラス基板で、電子源基板401に対して5mm、隔って
対向している。また、符号416、417は蛍光体で、
基板415上に配置されており、対向した電子源の基板
401上に配置された素子電極402、403、404
から成る電極間隔部に対応した位置において、ガラス基
板415上に形成されている。なお、この蛍光体41
6、417は紫外線硬化性樹脂に蛍光体を混ぜてスラリ
ー状とし、塗布、乾燥した後で、ホトリソグラフィ法に
よって、所定のパターンに形成(所謂、パターニング)
したものである。
【0063】また、符号418は、蛍光体416、41
7上にフィルミングを施した後、真空蒸着によって、厚
み:約300オングストロームのAl薄膜を形成し、そ
の成膜後に、焼成して、フィルム層を焼失することによ
って得られたメタルバックである。なお、以上の、蛍光
体およびメタルバックを、ガラス基板415上に形成し
たものを、通常、フェースプレートと呼んでいる。
【0064】また、符号419は素子基板とフェースプ
レートとの間に配置されたグリッド電極である。以上を
真空外囲器の中に配置した後、配線407、408、4
09間に電圧を印加して、薄膜405、406の通電処
理を行い、電子放出部413、414を得るのである。
この後、メタルバック418をアノード電極として、電
子の引き出し電圧5kVを印加し、配線407、40
8、409間を通して、素子電極402、403から電
子放出部413へ、14Vの電圧を印加する。その結
果、電子が放出された。
【0065】この放出電子を、グリッド419の電圧を
変化させることによって、変調し、蛍光体416へ照射
させる放出電子量を調整することができる。これによ
り、蛍光体416を任意に発光させることができた。同
様に、素子電極403、404から電子放出部414
へ、14Vの電圧を印加したところ、電子が放出され
た。この放出電子を、グリッド419の電圧を変化させ
ることによって変調し、蛍光体417へ照射される放出
電子量を調整することができる。これにより、蛍光体4
17を任意に発光させることができた。
【0066】なお、図面上では、2個の表示画素に対す
る構成が示され、それについて説明したが、実際は、表
示画素数がこれに限るものではない。従って、配線とグ
リッドをマトリックス状に形成し、多数個の電子放出素
子を配置することで、これらを駆動することによって、
多数個の表示画素による、任意の画像表示を可能とする
のである。
【0067】(第6の実施の形態)以下、本発明のスク
リーン印刷方法およびその装置を用いて、画像形成装置
を作成した場合の別の事例について、図7〜図11を参
照して、具体的に説明する。ここでの画像形成装置の電
子源基板は、先述の第1〜第4の実施の形態での、配線
の形成方法によって、作成することができる。そして、
これに対して、蛍光体を配したフェースプレートを対向
配置させた後、真空容器を形成させることによって、画
像形成装置が形成される。
【0068】ここで扱う画像形成装置の表面伝導型電子
放出素子基板の製造行程を、図7〜図11の順で、平面
視において示す。即ち、図7、9、11において、青板
ガラス基板(図示せず)上に、電子放出素子を、2個×
2個(計:4個)のマトリックス状に、その配線と共に
形成している。ここで、符号501はオフセット印刷に
よって形成された素子電極である。この素子電極パター
ンは、この事例においては、20μmのギャップを隔て
た長方形状の一対の電極が、マトリックス状に配置され
たものである。
【0069】なお、符号502は本発明の印刷方法に際
して使用されたAgインキの焼成から形成された下層印
刷配線、503は下層印刷配線502に対して直交した
短冊状の絶縁層である。絶縁層503は、一対の素子電
極501の片側の電極位置に切り欠き状の開口504を
有している。また、符号505はAgインキの焼成によ
って形成された上層印刷配線であり、絶縁層503上
で、短冊状に配置形成されており、絶縁層503の開口
504の部分で、素子電極501の片側の電極と電気的
に接続している。なお、これら下層配線502、絶縁層
503、上層配線505は、共に、本発明のスクリーン
印刷法で形成されている。
【0070】符号506はPd微粒子から成る導電性薄
膜であり、素子電極501および電極間隔部に、インク
ジェット法により形成される。
【0071】このような素子基板の製造方法を、以下に
順に説明する。先ず、上述したように作成した、一対の
素子電極が多数配置された、40cm角の電子源基板を
準備する(図7を参照)。その基板上に、まず第一の配
線(下層配線)を形成する。ここでは、導電性インキと
して、Agインキを用い、第2の実施の形態でのスクリ
ーン印刷法により印刷、焼成を行う。そして、幅:10
0μm、厚み:12μmの下層配線を形成した(図8を
参照)。
【0072】次に、下層配線と直交する方向に層間絶縁
膜を、第1の実施の形態でのスクリーン印刷法により形
成する。インキ材料は、酸化鉛を主成分として、ガラス
バインダーおよび樹脂を混合したガラスインキである。
このガラスインキを用いて、上述のスクリーン印刷法に
よる印刷、焼成を2回繰り返すことで、ストライプ状に
層間絶縁を形成した(図9を参照)。
【0073】その後、層間絶縁上に、幅:100μm、
厚さ:12μmの第二の配線(上層配線)を、前述のス
クリーン印刷法により形成し、これにより、層間絶縁膜
を介して、ストライプ状の下層配線と、ストライプ状の
上層配線とが直交したマトリックス配線が形成される
(図10を参照)。
【0074】次に、電子放出部を形成する。これには、
先ず、素子電極、配線が形成された基板上に有機パラジ
ウム水溶液の液滴を、インクジェット法により、付与し
た後で、300℃、10分間の加熱処理を行い、Pdか
らなる所望の形状の導電薄膜506を形成する。この導
電薄膜は、Pdを主元素とする微粒子から構成され、そ
の膜厚は10nmとした。ここでの微粒子膜は、複数の
微粒子が集合した膜であり、微粒子が個々に分散配置さ
れた状態のものばかりでなく、微粒子が互いに隣接、あ
るいは、重なりあった状態(島状も含む)の膜をも含む
のであって、その粒径は、前記状態で認識可能な微粒子
についての径をも含む。こうして、フォーミング前まで
の電子源基板が完成する(図11を参照)。
【0075】なお、電子源基板は、40センチメートル
角の基板上に、480個×480個の電子放出素子をマ
トリックス状に配置しており、三原色の、即ち、R、
G、Bに対応する各蛍光体を有するフェースプレートと
共に、真空外囲器内に配置される。この後、電子放出素
子のフォーミング、活性工程などの通電処理を行い、そ
の後、素子基板の上層印刷配線には、14Vの任意の電
圧信号を、下層印刷配線には、0Vの電位を、順次、印
加し、走査して、それ以外の下層印刷配線を7Vの電位
とした。また、フェースプレートのメタルバックには、
5kVのアノード電圧を印加したところ、任意の画像を
表示することができた。
【0076】
【発明の効果】本発明は、以上詳述したようになり、ス
クリーン印刷において幅太りのない所要パターンを、ス
クリーン版の原パターンの寸法精度のまま、基板(被印
刷物)上に残すことができ、高精度なスクリーン印刷パ
ターンを得る効果がある。また、この発明に係わる印刷
装置で、画像形成装置の製造などを行うことで、良好な
特性を有する画像形成装置を製造するが可能となる。
【0077】また、印刷パターン周囲の滲みインキの、
スクリーン版への粘着力を低減して、スクリーン印刷に
おいて、印刷パターンの欠落などの不都合を回避するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスクリーン印刷方
法の順序(1)を示す印刷装置の概略側面図である。
【図2】同じく、順序(2)を示す印刷装置の概略側面
図である。
【図3】同じく、順序(3)を示す印刷装置の概略側面
図である。
【図4】同じく、順序(4)を示す印刷装置の概略側面
図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の要部を示す印刷装
置の概略側面図である。
【図6】本発明の前記印刷方法で形成される画像形成装
置の要部の一部断面図である。
【図7】同じく、その製作工程(1)を平面視で示す概
略上面図である。
【図8】同じく、その製作工程(2)を平面視で示す概
略上面図である。
【図9】同じく、その製作工程(3)を平面視で示す概
略上面図である。
【図10】同じく、その製作工程(4)を平面視で示す
概略上面図である。
【図11】同じく、その製作工程(5)を平面視で示す
概略上面図である。
【図12】画像形成装置としての従来の表面伝導型電子
放出素子の概略平面図である。
【図13】同じく、概略断面図である。
【図14】同じく、このような構成を多数配列した従来
の画像表示装置の斜視図である。
【図15】従来例を示すスクリーン印刷装置の概略斜視
図である。
【図16】同じく、使用態様を説明するための模式的側
面図である。
【符号の説明】
1 ワーク定盤 2 ワーク(被印刷物) 3 スクリーン版 4 印刷パターン 5 定盤上下機構(接離手段) 6 スキージ 7 インキ 8 紫外線ランプ 9 遮断部材 10 定盤ガラス部 11 ミラー 12 紫外線の光路
フロントページの続き Fターム(参考) 2C035 AA06 FC07 FD01 FD15 FD52 FD55 FF26 2H113 AA01 AA04 BA10 BB22 BC12 CA17 CA21 DA04 FA10 FA28 FA35 FA43 FA44 FA48 5E343 AA02 BB72 DD03 FF02 FF12 FF13 GG08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被印刷物の上に配置したスクリーン版
    を、その相対距離を実質的に零にするように、両者を相
    対的に移動するコンタクト工程と、所定の印刷パターン
    で前記スクリーン版に塗布したネガタイプの感光硬化性
    インキあるいは感熱硬化性インキについて、前記印刷パ
    ターンのあるエリアに対応する前記インキに、その硬化
    のための光線あるいは熱線を照射する工程とを有するこ
    とを特徴とするスクリーン印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記スクリーン版と被印刷物とに挟まれ
    た滲みインキに対しては光線あるいは熱線を遮断して、
    スクリーン版の印刷パターンに対応する前記インキにの
    み、光線あるいは熱線を照射することを特徴とする請求
    項1に記載のスクリーン印刷方法。
  3. 【請求項3】 前記光線あるいは熱線の照射は、スクリ
    ーン版を介して被印刷物上の前記インキに対して行わ
    れ、この際、前記印刷パターンエリア以外への照射を遮
    断することを特徴とする請求項1あるいは2に記載のス
    クリーン印刷方法。
  4. 【請求項4】 光り透過性材料で構成された被印刷物の
    上に配置したスクリーン版を、その相対距離を実質的に
    零にするように、両者を相対的に移動するコンタクト工
    程と、所定の印刷パターンで前記スクリーン版に塗布し
    たネガタイプの感光硬化性インキあるいは感熱硬化性イ
    ンキについて、被印刷物を透過して、これに付着した前
    記印刷パターンのインキおよび前記スクリーン版と被印
    刷物とに挟まれた滲みインキに対して、光線あるいは熱
    線を照射する工程とを有することを特徴とするスクリー
    ン印刷方法。
  5. 【請求項5】 前記インキには紫外線硬化性インキを使
    用すると共に、紫外線照射前に、前記インキから溶剤を
    除去する目的で赤外線を照射する工程を含むことを特徴
    とする請求項1〜4の何れかに記載のスクリーン印刷方
    法。
  6. 【請求項6】 被印刷物に対してスクリーン版を相対的
    に接離動作する手段と、前記スクリーン版に所定の印刷
    パターンでネガタイプの感光硬化性インキあるいは感熱
    硬化性インキを塗布するスキージ手段と、前記スクリー
    ン版に対して、前記印刷パターンに対応する前記インキ
    に、その硬化のための光線あるいは熱線を照射する照射
    手段とを具備することを特徴とするスクリーン印刷装
    置。
  7. 【請求項7】 前記照射手段は、前記スクリーン版を介
    して被印刷物に光線あるいは熱線を照射するように配置
    されていることを特徴とする請求項6に記載のスクリー
    ン印刷装置。
  8. 【請求項8】 前記印刷パターンのあるエリア以外で、
    少なくとも、スキージ手段で前記スクリーン版上にスキ
    ージされるインキに対して、そのインキを硬化する光線
    あるいは熱線を遮断する遮断手段を装備していることを
    特徴とする請求項6あるいは7に記載のスクリーン印刷
    装置。
  9. 【請求項9】 被印刷物が光り透過性材料で構成されて
    おり、前記照射手段は、前記スクリーン版の印刷パター
    ンで被印刷物上に付着したインキおよび前記スクリーン
    版と被印刷物とに挟まれた滲みインキの両方に光線ある
    いは熱線を照射するように、前記スクリーン版の下側よ
    り前記被印刷物を透過して、照射する構成になっている
    ことを特徴とする請求項6に記載のスクリーン印刷装
    置。
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