JP2004116959A - ダクト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のダクトは、見掛け密度0.05〜0.5g/cm3、独立気泡率50%以上のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体であって、該中空発泡成形体の内面の表面硬度が45〜80度である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車の空調に使用されるダクト、詳しくは断熱性に優れ、かつ吸音効果を有する空調ダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車は高い天井、広いシート等、内部空間を広くすることが要求されることから、自動車用空調ダクトはコンパクトであると共に、目的とする空気流量をスムーズに流すことが要求される。しかも、車種ごとに異なるダクトの形状が要求されている。
【0003】
これらの要求に答えるため、従来から高密度ポリエチレンやポリプロピレン等からなる中空ブロー成形品が使用されてきた。該中空ブロー成形品は異型形状の成形が容易であり、目的とする空気流量を容易に確保できるので、自動車用空調ダクトの素材としては好適なものであった。
【0004】
しかしながら、近年エアコンのコンプレッサーが発生する騒音や、ダクトを通る空気の風切り音が、ダクト吹出し口から漏れてくる事が問題となっており、これらの騒音の低減が要求されている。ところが、中空ブロー成形品の内面を構成しているのは、高密度ポリエチレンやポリプロピレン等の非発泡樹脂なので、騒音を吸収するという機能に欠けるものであった。
【0005】
上記騒音を改善するための公知技術として、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕等が開示されている。しかし、〔特許文献1〕記載のダクトは、ダクトを形成した後工程において、ダクト内面の発泡セルを破裂させて連泡化することで吸音性を付与するというものである。従って、成形工程が複雑すぎるという欠点を有している。また、ダクト内面に破裂した発泡セルが現れているので、ダクト内面の凹凸が大きくなり、通風効率が低下するという欠点や断熱性が低下する欠点も有している。また、〔特許文献2〕記載のダクトは、ダクト内面に発泡体が一体に積層されたものである。従って、ブロー成形でダクトを成形してから、ウレタンフォーム層を後加工で形成しなければならないので、工程が複雑でありコスト的に問題がある。また外側のソリッド部分にて実用強度を確保しなければならず軽量性にも問題があり、ウレタンフォーム層からなる発泡層部分はリサイクル性に劣るものであった。
【0006】
【特許文献1】
特公平8−25230号公報 [特許請求の範囲]
【特許文献2】
実公平6−8383号公報[実用新案登録請求の範囲]、
第2頁第3欄第45行〜同第4欄第2行
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エアコンのコンプレッサーが発生する騒音や、ダクトを通る空気の風切り音を低減でき、しかも結露防止性、断熱性、耐熱性、軽量性に優れ、実用上十分な強度を有すると共に、簡素な工程で製造可能なダクトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以下に示すダクトが提供される。
〔1〕見掛け密度0.05〜0.5g/cm3、独立気泡率50%以上のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体であって、該中空発泡成形体の内面の表面硬度が45〜80度であることを特徴とするダクト。
〔2〕見掛け密度0.05〜0.5g/cm3、独立気泡率50%以上のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の内面に熱可塑性樹脂層が設けられた多層中空発泡成形体であって、該多層中空発泡成形体の内面の表面硬度が45〜80度であることを特徴とするダクト。
〔3〕前記ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体が融点130℃以上のポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のダクト。
〔4〕前記ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体がポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のダクト。
〔5〕前記ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚みが2〜20mmであることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のダクト。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダクトについて詳細に説明する。図1は、本発明のダクトの一例を示す図面である。図1(a)はダクトの正面図、同(b)は図1(a)のI−I線に沿う縦断面図である。図1において、1はダクトを構成するポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体を、2は該中空発泡成形体の壁を、3は該中空発泡成形体の内部の空間(即ち、ダクトの空気流路)を、4aは該中空発泡成形体に形成された凸状の嵌合部を、4bは凹状の嵌合部をそれぞれ示す。
但し、図1は本発明のダクトの一例を示すものであって、本発明を限定するものではない。
【0010】
本発明のダクトは、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体またはポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の内面に熱可塑性樹脂層が設けられた多層中空発泡成形体(以下、併せて中空成形体という。)からなる。但し、本発明の目的、効果が達成できる範囲内で中空成形体の外面に熱可塑性樹脂層を形成することもできる。尚、上記の通り外面および/または内面に形成される熱可塑性樹脂層はポリオレフィン系樹脂、更にポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体がポリプロピレン系樹脂からなる場合にはポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体がポリエチレン系樹脂からなる場合にはポリエチレン系樹脂からなることがリサイクル性、該中空発泡成形体との接着性から好ましい。また、中空成形体の外面に設けられる熱可塑性樹脂層の厚みは0.02〜1.5mm、更に0.03〜1mmであることが、軽量性維持、強度向上、その他熱可塑性樹脂層を設ける目的機能を達成するうえで好ましく、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の内面に設けられる熱可塑性樹脂層の厚みは0.5mm以下(但し、0は含まず。)更に0.02〜0.1mmであることが、軽量性維持、内面の平滑性向上、その他熱可塑性樹脂層を設ける目的機能を達成するうえで好ましい。
【0011】
尚、上記熱可塑性樹脂層の厚みの測定方法は、後述するポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚みの測定方法と同様にして熱可塑性樹脂層について行なうこととする。本発明における特定のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体は、後述するように騒音エネルギーの吸収特性に優れているので、本発明のダクトは騒音の吸音材として優れたものである。又、該ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体は、断熱性に優れるため結露防止性にも優れる。又、本発明において中空成形体からなるダクトは、それ自身が軽量であることに加え、自重が低減することによりダクトを支持する部材の強度を下げることができるので、自動車に使用する場合、相乗的に大幅な軽量化を図ることができる。更に、従来のダクトと異なり、後工程において、軟質発泡ウレタンや架橋ポリエチレン発泡シート等の断熱材を貼着加工する必要がない。又、基本的にポリオレフィン系樹脂のみで構成されるので、リサイクル性にも特に優れている。
【0012】
本発明のダクトを構成するポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体(以下、中空発泡成形体ともいう。)の基材樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする。尚、本明細書において、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂の主成分とするとは、ポリオレフィン系樹脂が基材樹脂の中に60重量%以上含まれていることをいう。該ポリオレフィン系樹脂としては高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などのポリエチレン系樹脂、後述するポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。更にポリオレフィン系樹脂としてはオレフィン成分とスチレンなどのその他の成分を40重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲内で共重合したものも含む。
【0013】
本発明のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体を構成するポリオレフィン系樹脂の融点は、130℃以上であることが好ましい。なお、該ポリオレフィン系樹脂の融点の上限は概ね170℃である。かかる耐熱性に優れたポリオレフィン系樹脂を用いてポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体を形成すると、自動車用として好適なダクトを得ることができる。融点が130℃以上のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
本明細書において、ポリオレフィン系樹脂の融点は、JIS K7121(1987)に基づいて熱流束DSC曲線により一定の熱処理を行なった試験片から求められるピークの頂点温度とする。尚、二つ以上のピークが現れる場合は、ピーク面積の最も大きな主ピークの頂点温度を融点とする。
【0014】
本発明においては、ポリオレフィン系樹脂の中でも、特に耐熱性、剛性等の機械的物性に優れたポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。該ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体やプロピレン成分が60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有されているプロピレン系共重合体等が挙げられ、該共重合体の共重合成分としては、エチレン、炭素数4〜12のα−オレフィン等が挙げられ、該α−オレフィンの炭素数は好ましくは4〜8である。更に、本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂は、上記プロピレンの単独重合体や共重合体に40重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲内でスチレンなどのその他の成分を共重合したものも含む。
【0015】
上記ポリプロピレン系樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体を形成するために押出機中に供給されるポリプロピレン系樹脂としては、230℃におけるメルトテンション(MT)が1.5cN以上のものが好ましく、3.0cN以上がより好ましく、4.0cN以上が更に好ましい。かかるポリプロピレン系樹脂を用いると、目的に応じた厚み、見掛け密度の中空発泡成形体を容易に形成することができる。尚、該メルトテンションの上限は概ね30cNである。
【0016】
また、ポリプロピレン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体において、該中空発泡成形体をヒートプレスにより脱泡して得た試験片を用いて測定した場合のMTは、1.5〜30cN、更に2.0〜25cNとなっていることが、外観に優れ、厚みや見掛け密度が均一なポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体となっていることに繋がっているので好ましい。
【0017】
また本発明のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体を形成するために押出機中に供給されるポリオレフィン系樹脂(その中でも特にポリプロピレン系樹脂)のメルトフローレイト(MFR)は、0.5〜20g/10分であることが好ましく、1〜15g/10分がより好ましく、2〜10g/10分が更に好ましい。該メルトフローレイトが0.5g/10分未満の場合は、発泡ブロー成形に用いる合わせ金型空間部の形状が複雑になる程、その形状通りの中空発泡成形体を得ることが難しくなる虞がある。一方、メルトフローレイトが20g/10分を超える場合は、発泡ブロー成形時に自重によるドローダウン現象が起こり、最終的に得られる中空発泡成形体に厚みむらが発生する虞があるため、金型成形装置上の工夫が必要となる場合がある。
【0018】
本明細書におけるメルトテンション(MT)は、ASTM D1238に準拠して製作された株式会社東洋精機製作所製のメルトテンションテスターII型を使用して、孔の直径2.095mm、長さ8mmのまっすぐな孔を有する円筒状のオリフィスを用い、樹脂温度230℃、ピストン速度10mm/分の押出条件で樹脂を紐状に押出し、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛けた後、5rpm/秒(紐状物の捲取り加速度:1.3×10−2m/秒2 )程度の割合で捲取り速度を徐々に増加させていきながら直径50mmの捲取りローラーで捲取ることによって測定する。
【0019】
メルトテンション(MT)を求めるには、次に、張力検出用プーリーに掛けた紐状物が切れるまで捲取り速度を増加させ、紐状物が切れた時の捲取り速度:R(rpm)を求める。次いで、R×0.7(rpm)の一定の捲取り速度において紐状物の捲取りを再度行い、張力検出用プーリーと連結する検出器により検出される紐状物のメルトテンションを経時的に測定し、縦軸にメルトテンションを、横軸に時間を取ったグラフに示すと、図8のような振幅をもったグラフが得られる。
【0020】
本明細書におけるメルトテンションとしては、図8に示すように振幅の安定した部分の振幅の中央値(X)を採用する。但し、捲取り速度が500rpmに達しても紐状物が切れない場合には、捲取り速度を500rpmとして紐状物を捲き取って求めたグラフより紐状物のメルトテンションを求める。
【0021】
尚、メルトテンションの経時的測定の際に、まれに特異な振幅値が検出されることがあるが、このような特異な振幅値は無視するものとする。
【0022】
本明細書におけるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS K
7210(1976)の表1の条件14により測定するものとする。
【0023】
また、本明細書におけるポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS
K 7210(1976)の表1の条件4により測定するものとする。
【0024】
本発明においてポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の見掛け密度は、0.05〜0.5g/cm3、好ましくは0.07〜0.3g/cm3、更に好ましくは0.09〜0.2g/cm3である。該見掛け密度が小さすぎる場合は、曲げ強度、圧縮強度等の機械的物性が低下し、ダクトとして実用に耐えないものとなる虞がある。一方、見掛け密度が大きすぎる場合は、発泡倍率が低くなりすぎて目的とする断熱性を得られなくなると共に、軽量性を失う虞がある。
【0025】
本明細書において、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の見掛け密度は、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の中央部及び両端部付近(但し、嵌合部は除く。)の計3部分において、各部分の周方向に等間隔に3箇所から試験片を切り出し、下記の測定方法にて各試験片の見掛け密度の測定を行ない、得られた計9箇所の見掛け密度の内、最大及び最小の値を除く7箇所の見掛け密度の算術平均値をポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の見掛け密度とする。
各試験片の見掛け密度の測定は、中空発泡成形体から切り出した試験片の重量(g)を、該試験片の体積(cm3)で割って求める。但し、試験片としては、気泡が大きく変形していない部分(気泡が潰された部分や大きく引伸ばされたところが殆どない部分)から切り出したものを使用する。
【0026】
本発明のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の独立気泡率は、50%以上である。該独立気泡率が50%未満の場合は、吸音性能においては好ましいが有意な断熱性および機械的物性のものを得ることができない虞がある。かかる観点からは、本発明のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の独立気泡率は60〜95%であることが好ましく、70〜90%であることがより好ましい。
【0027】
本明細書において、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の独立気泡率は中空発泡成形体の中央部及び両端部付近の計3箇所において、各独立気泡率を下記の手順にて測定し、それらの算術平均値を中空発泡成形体の独立気泡率とする。
各独立気泡率の測定は、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体から試験片を切り出し、ASTM D2856−70(1976再認定)の(手順C)によりVxを求め、下記(1)式により算出する。但し、試験片としては、気泡が大きく変形していない部分(気泡が潰された部分や大きく引伸ばされたところが殆どない部分を意味し、例えば、後述する嵌合部は除かれる。)から切り出したものを使用する。また、規定の体積の試験片が切り出せない場合は、複数の試験片を重ね合わせることにより規定の体積とする。
【0028】
【数1】
Vx;試験片の実容積
(独立気泡部分の容積と樹脂部分の容積との和)(cm3)
Va;試験片の外形寸法から求められる見掛けの容積(cm3)
ρf;試験片の見掛け密度(g/cm3)
ρs;試験片の基材樹脂の密度(g/cm3)
【0029】
本発明において中空成形体の内面の表面硬度は45〜80度、好ましくは55〜75度である。
一般的に吸音性能に関しては、独立気泡構造の発泡体は連続気泡構造の発泡体に比べ、吸音性が低いといわれている。しかしながら気泡膜の振動による吸音性の発揮が可能である。一方、無発泡樹脂材料は上記の振動による吸音がほとんど期待できないため吸音性能は更に劣るものである。本発明のダクトは独立気泡率が高いものであるにもかかわらず、表面硬度を調整することにより、ダクトとして要求される実用的な吸音性能を十分満たすものが得られる。
【0030】
該表面硬度が小さすぎる場合は、吸音性は示すものの中空成形体内面の送風時の抵抗が大きくなりダクトの重要な要求性能である通風効率を低下させるので好ましくない。表面硬度が大きすぎる場合は、音の振動エネルギーが気泡膜の振動エネルギーに効率よく変換されないため実用的な吸音性能を示さなくなる。内面の表面硬度が45〜80度のものを得るためには、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の内面に合成樹脂層を設けず発泡層が直接ダクトの内面を構成していることが好ましいが、中空成形体の内面の表面硬度が45〜80度でありさえすれば、発泡層の内面に薄い合成樹脂層が設けられていてもよい。
【0031】
本明細書において、中空発泡成形体の内面の表面硬度はJIS K6301(1975)の5.硬さ試験に準拠し、C形スプリング式硬さ試験機を用いて測定するものとする。
具体的には、荷重4500gかけた時の目盛が100となるようなばね圧力に調整されたC型スプリング式硬さ試験機を使用して、加圧面と試験片表面を接触させて直ちに目盛を読むものとする。尚、目盛及び押針の動きとばねの力との関係を表す基準線はJIS K6301(1975)の5.硬さ試験における図5C型のとおりとした。
【0032】
本発明のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚みは、2〜20mm、更に3〜10mmであることが好ましい。該厚みが薄すぎる場合は、ダクトに要求される断熱性能を満たさなくなるおそれがある。一方、該厚みが厚すぎる場合は、ダクトの内部の空間(即ち、ダクトの空気流路)3が狭くなり、空気のスムーズな流れが妨げられる虞がある。
【0033】
本明細書において、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚みの測定は、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の中央部及び両端部付近における計3つの、長手方向(中空発泡成形体の厚み方向および周方向と直交する方向)に対する垂直断面(図1(b)として示す周方向断面)において行うこととし、更に、各垂直断面において等間隔に5箇所、該垂直断面の厚み方向について厚みの測定を行うこととする。得られた15箇所の厚みの内、最大及び最小の値を除く13箇所の厚みの算術平均値をポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚みとする。但し、測定箇所としては、気泡が大きく変形していない部分(気泡が潰された部分や大きく引伸ばされたところが殆どない部分を意味し、例えば、後述する嵌合部は除かれる。)とする。
【0034】
本発明のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体において、厚み方向の平均気泡径が0.1〜2mmであることが断熱性、外観および吸音性が向上する点から好ましい。該平均気泡径が大きすぎると、ダクトに要求される断熱性を発揮できない虞があり、外観も悪くなる虞がある。一方、平均気泡径が小さすぎる場合は、得られる中空発泡成形体の寸法安定性が悪くなる虞れがある。かかる観点からは、該平均気泡径は0.1〜1.5mmがより好ましく、0.2〜0.8mmが更に好ましい。
【0035】
本明細書において、該厚み方向の平均気泡径の測定は、ポリオレフィン系中空発泡成形体の長手方向に対する垂直断面(図1(b)として示す周方向断面)を拡大投影し、投影画像上にて厚み方向に中空発泡成形体の全厚みに亘る直線を引き、その直線と交差する気泡数をカウントし、画像上の直線における拡大前の実際の長さを気泡数で割ることによって求めた値を気泡径とし、この操作をポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の中央部及び両端部付近の計3つの垂直断面において行うこととし、更に、各垂直断面において等間隔に5箇所測定を行うこととする。得られた15箇所の気泡径の内、最大及び最小の値を除く13箇所の気泡径の算術平均値をポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚み方向の平均気泡径とする。但し、測定箇所としては、気泡が大きく変形していない部分(気泡が潰された部分や大きく引伸ばされたところが殆どない部分を意味し、例えば、後述する嵌合部は除かれる。)とする。
【0036】
本発明のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体においては、厚み方向の気泡数が3以上であることが断熱性、外観および吸音性の向上の点から好ましい。かかる観点からは、厚み方向の気泡数は5〜15がより好ましく、7〜10が更に好ましい。尚、厚み方向の気泡数の上限は概ね40である。
【0037】
本明細書において、厚み方向の気泡数は、前記厚み方向の平均気泡径の測定と同様に周方向断面を拡大投影した投影画像上にて厚み方向に中空発泡成形体の全厚みに亘る直線を引き、その直線と交差する気泡数をカウントする。この操作をポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の中央部及び両端部付近における計3つの垂直断面において行うこととし、更に、各垂直断面において等間隔に5箇所測定を行うこととする。得られた15箇所の気泡数の内、最大及び最小の値を除く13箇所の気泡数の算術平均値をポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚み方向の気泡数とする。但し、測定箇所としては、気泡が大きく変形していない部分(気泡が潰された部分や大きく引伸ばされたところが殆どない部分を意味し、例えば、後述する嵌合部は除かれる。)とする。
【0038】
本発明においてポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体を構成する気泡の形状は球形よりも該中空発泡成形体の厚み方向の径が短い楕円球の方が、優れた吸音性を発揮できるので好ましい。具体的には、気泡変形率a/b、a/cが下記条件式(2)及び(3)を満足することが好ましい(但し、条件式中aはポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚み方向の平均気泡径、bはポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の長手方向(中空発泡成形体の厚み方向及び周方向と直交する方向)の平均気泡径、cはポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の周方向の平均気泡径である)。
【0039】
【数2】
0.2≦a/b≦1.2 (2)
【数3】
0.2≦a/c≦1.2 (3)
【0040】
気泡変形率a/b、a/cが0.2未満の場合は、気泡が扁平すぎて圧縮強度が低下する虞がある。一方、1.2を超える場合は、防音特性が低下する虞がある。かかる観点から、気泡変形率a/b、a/cは、0.2〜1.0がより好ましく、0.2〜0.8が更に好ましい。
【0041】
平均気泡径aの測定は、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の周方向断面について、前述した方法により測定するものとする。平均気泡径bの測定は、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の周方向および厚み方向と直交する方向(長手方向)に該中空発泡成形体を二等分して得られる垂直断面を対象に、対になって存在する対向する中空発泡成形体の壁の垂直断面(図6(c)として示す垂直断面)の各々の中央部及び両端部付近(計6箇所)を拡大投影し、投影画像上にて該中空発泡成形体の厚みを二等分する位置であって、且つ、該中空発泡成形体の長手方向に拡大前の実際の長さ3cmに相当する長さの線分を引き、その線分と交差する気泡数をカウントし、気泡径(cm)=3/(気泡数−1)にて求めた値を各垂直断面の気泡径とし、この操作により求めた計6箇所の垂直断面の気泡径の算術平均値を平均気泡径bとする。また、平均気泡径cの測定は、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の中央部及び両端部付近の周方向断面(計3箇所)を拡大投影した投影画像上にて、該中空発泡成形体の厚みを二等分する位置であって、且つ、該中空発泡成形体の周方向に拡大前の実際の長さ6cmに相当する長さの線分(曲線の場合もある)を引き、その線分と交差する気泡数をカウントし、気泡径(cm)=6/(気泡数−1)にて求めた値を各周方向断面の気泡径とし、この操作により求めた計3箇所の周方向断面の気泡径の算術平均値を平均気泡径cとする。但し、平均気泡径の測定箇所としては、気泡が大きく変形していない部分(気泡が潰された部分や大きく引伸ばされたところが殆どない部分を意味し、例えば、後述する嵌合部は除かれる。)とする。
【0042】
本発明のダクトを構成する中空成形体は、図1に示すように、少なくとも一つ以上の他のダクトとの嵌合部を有することが好ましい。嵌合部を有するダクトは、他の対応する嵌合部を有するダクトと嵌合部どうしを嵌合させて組み立てることにより、単一の合わせ金型では成形できないような、複雑な形状のダクトであっても容易に作製することができる。
【0043】
本発明の中空成形体からなるダクトは、発泡パリソンを所望形状に成形し得る金型に挟みこんで該パリソン内に0.03〜0.4MPa(ゲージ圧)の圧力に調整された圧縮エアーを吹き込んでブロー成形することにより得ることができる。尚、ダクトがポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体のみからなる場合は、図2(a)に示すようなポリオレフィン系樹脂からなる発泡層12のみからなる単層の発泡パリソン11aが用いられ、ダクトがポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体と該中空発泡成形体に積層された熱可塑性樹脂層からなる場合は、図2(b)に示すような、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡層12と該発泡層12に積層された熱可塑性樹脂からなる表皮層13から構成された多層の発泡パリソン11bが用いられる。尚、図2(a)、同(b)は発泡パリソンの斜視図である。
【0044】
図2(a)に示す発泡パリソン11aは、例えば前記ポリオレフィン系樹脂を押出機に供給し、加熱溶融混練してから発泡剤を添加し、押出機内で更に混練して発泡性溶融樹脂とし、該発泡性溶融樹脂を発泡に適した樹脂温度及び該樹脂が発泡を開始しない圧力下に調整しつつアキュームレーターに充填する。その後アキュームレーターのラムを押すと共にダイ先端のゲートを開くことにより、発泡パリソンを形成させることができる。本発明のダクトを得るためには、低密度かつ複雑な形状に成形可能な粘度に調整された発泡パリソンを押出すことが必要である。このようなパリソンはダイから押出された瞬間から発泡を開始し、金型に挟み込まれて成形されるまでに実質上発泡を終了する。(実際は金型にて成形され冷却される間も発泡力を保持しているが、これは吹込みエアー圧力に対抗し独立気泡構造の気泡を維持するために必要な気泡内の内部圧力であり、パリソン内を減圧するなど特殊な成形操作を行わない限り金型にて成形される間に発泡倍率が大きく上がることはない。)よって、本発明において見掛け密度の小さな中空発泡成形体は、上記のようにダイから低圧域に発泡性溶融樹脂を筒状に押出す発泡操作により発泡パリソンを形成することにより得ることができる。
【0045】
図2(b)に示す発泡パリソン11bは、例えば一の押出機に前記ポリオレフィン系樹脂を供給し、加熱溶融混練してから発泡剤を添加し、押出機内で更に混練して発泡性溶融樹脂とし、一方、他の押出機に前記ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂を供給し、加熱溶融混練して表皮層形成用の溶融樹脂とする。次に、発泡層のみのときと同様に発泡性溶融樹脂をアキュームレーターに充填する一方で表皮層形成用の溶融樹脂を別のアキュームレーターに充填する。その後、各アキュームレーターのラムを押すと共にダイ先端のゲートを開き、これらの発泡性溶融樹脂と表皮層形成用の溶融樹脂を押出用ダイ内で合流させ積層させて、ダイから低圧域に共押出して筒状に発泡させることにより、発泡パリソン11bは得ることができる。
【0046】
上記発泡パリソン11a、11bの発泡層12を形成するために前記ポリオレフィン系樹脂に添加される発泡剤は、物理発泡剤が使用される。該物理発泡剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール等のアルコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水等の物理発泡剤として使用可能な無機物が挙げられる。これらの発泡剤は単独で、または2種以上を混合して使用することができる。また、発泡剤として化学発泡剤を物理発泡剤と併用することができる。該化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。尚、上記物理発泡剤としては、二酸化炭素を20重量%以上、更に50重量%以上含むものが好ましい。
【0047】
上記発泡剤の添加量は、所望する見掛け密度(発泡倍率)を考慮して決められるが、本発明の発泡層においては、概ね、物理発泡剤を基材樹脂1kgに対して、0.08〜0.8モルの割合で使用する。
【0048】
また、上記発泡層12を構成する基材樹脂には、タルク等の気泡調整剤が添加される。気泡調整剤は、通常ポリオレフィン系樹脂と気泡調整剤からなるマスターバッチの形態で添加することが好ましい。気泡調整剤の添加量は、通常、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする基材樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部である。
【0049】
また、上記発泡パリソン11a、11bの発泡層12や表皮層13を構成する基材樹脂には、必要に応じて、赤外線吸収剤、難燃剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、着色剤、熱安定剤、酸化防止剤、無機充填剤等の各種の添加剤を適宜配合することができる。例えば、断熱性向上、赤外線吸収剤、難燃剤及び着色剤等の効果が期待できるカーボンブラックを基材樹脂に配合することができる。
【0050】
本発明において、中空発泡成形体の見掛け密度、独立気泡率を前記特定範囲内に調整するためには、基材樹脂の構成、物理発泡剤の量、発泡性溶融樹脂をダイから押出す際の吐出速度や樹脂温度を調整する方法が挙げられる。具体的には、中空発泡成形体がポリプロピレン系樹脂からなる場合には基材樹脂の主成分としてメルトテンション(MT)が前記範囲内のポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。又、物理発泡剤の添加量を増やすと得られる中空発泡成形体の見掛け密度は小さくなるが、添加量が多すぎると独立気泡率が低下するので、物理発泡剤の添加量は見掛け密度と独立気泡率のバランスを考慮して使用する。又、独立気泡率が高く、かつ複雑な形状の中空発泡成形体を成形するには発泡パリソンの粘度が重要なので、得られた中空発泡成形体の状態に対応して発泡性溶融樹脂の樹脂温度を調整する。又、吐出速度が速すぎると、見掛け密度が大きくなると共に独立気泡率が低下し、吐出速度が遅すぎると見掛け密度が小さくなると共に過発泡となり独立気泡率が低下する。
【0051】
本発明において、中空発泡成形体の厚みを前記特定範囲内に調整するためには、発泡性溶融樹脂をダイから押出す際の吐出速度、物理発泡剤の添加量を調整する方法が挙げられる。具体的には吐出速度が速くなると厚みは増加するが、速くなりすぎると独立気泡率が低下する。また物理発泡剤の添加量を増やすと、見掛け密度が小さくなると共に厚みは増加するが、添加量を増やしすぎると独立気泡率が低下する。
【0052】
本発明において、中空発泡成形体の厚み方向の平均気泡径を前記特定範囲内に調整するには、タルク等の気泡調整剤の添加量、発泡性溶融樹脂をダイから押出す際の吐出速度、発泡パリソンを金型と金型とで挟みながら閉鎖する際に、発泡パリソン内部に吹き込む気体の圧力(以下、吹込み圧力ともいう。)を調整する方法が挙げられる。具体的には、気泡調整剤の添加量を増加すると該平均気泡径は小さくなるが、添加しすぎると平均気泡径が小さくなりすぎて、独立気泡率が低下しやすくなる。また、吐出速度が速くなると気泡径は小さくなるが独立気泡率が低下する。更に、吹込み圧力を大きくしすぎると、気泡がつぶれて厚み方向の気泡径が小さくなる。
【0053】
本発明において、中空発泡成形体の厚み方向の気泡数を前記特定範囲内に調整するには、気泡調整剤の添加量、発泡性溶融樹脂をダイから押出す際の吐出速度を調整する方法が挙げられる。具体的には、気泡調整剤の添加量を増加すると該気泡数は多くなるが、添加しすぎると独立気泡率が低下しやすくなる。また吐出速度が速くなると気泡数は多くなるが、独立気泡率が低下する。
【0054】
本発明において、中空成形体の内面の表面硬度を前記特定範囲内に調整するには、基材樹脂の構成、中空発泡成形体の見掛け密度、気泡変形率a/b、a/cが挙げられる。具体的には、中空発泡成形体がポリプロピレン系樹脂からなる場合には、基材樹脂の主成分としてメルトテンション(MT)が1.5〜20cNのポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。該見掛け密度は、前記のように調整することができるが、見掛け密度が小さいほど表面硬度が小さくなる。又、気泡変形率a/b、a/cは前記のように厚み方向の平均気泡径を大きくするほど大きくなり、気泡変形率a/b、a/cが大きくなると表面硬度が大きくなる。よって、気泡変形率a/b、a/cを好ましくは0.2〜1.0に調整する。
【0055】
次に、図3、図4、図5により本発明の中空成形体からなるダクトの製造方法について詳細に説明する。図3、図4、図5は本発明のダクトの製造方法の一例を概念的に説明する説明図である。例えば、発泡層12を形成する基材樹脂を押出機(図示しない)内で溶融混練し発泡剤を注入してから、図3に示すように、これらをダイ21から低圧域に押出せば発泡パリソン11aを得ることができる。
【0056】
このとき本発明のダクトを得るためには、押出機中にて発泡性溶融樹脂を調整するにあたって、気泡調整剤の添加量を基材樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜3重量部に調整し、物理発泡剤の添加量を基材樹脂1kgに対して好ましくは0.1〜0.5モルの範囲で調整する。更にアキュームレーター及びダイ内部に充填されている発泡性溶融樹脂を発泡に適した樹脂粘度の調整することと発泡パリソンを押出す際の吐出速度が重要である。とりわけ吐出速度は重要である。具体的には、該樹脂粘度は発泡性溶融樹脂の樹脂温度を好ましくは155〜175℃の範囲内とすることにより調整され、該吐出速度を好ましくは30〜400kg/h・cm2の範囲で押出すことにより調整される。前述の通り、この吐出速度は遅すぎるとダイ内部での内部発泡を生じやすくなり、独立気泡率が低下するおそれがあり、また速すぎるとダイ内部での発熱が生じやすくなり、独立気泡率は低下するおそれがある。
【0057】
また、発泡層12を形成する基材樹脂を押出機(図示しない)内で溶融混練し発泡剤を注入して発泡性溶融樹脂とし、同時に表皮層13を形成する基材樹脂を別の押出機(図示しない)内で溶融混練し、図5に示すように、これらをダイ21内にて合流させ低圧域に共押出すれば多層の発泡パリソン11bを得ることができる。この際、発泡層の吐出速度は上記の30〜400kg/h・cm2の範囲で行なうことが好ましい。
【0058】
発泡パリソン11aから中空発泡成形体を製造するには、図3に示すように、押出された発泡パリソン11aを、金型22aと金型22bからなる分割形式の組合せ金型内に配置し、発泡パリソン11aを金型22aと金型22bとで挟むと共に、発泡パリソン11a内部に気体を吹き込みながら閉鎖する。組合せ金型を閉鎖して行くと、発泡パリソンはキャビティー24内で伸ばされて変形し、組合せ金型22a、22bの内面に密着する。組合せ金型の閉鎖が完了すると、図4に示すように、壁2の内部に空間(空気流路)3が形成された中空発泡成形体1が形成される。発泡パリソン11bから中空発泡成形体に熱可塑性樹脂層が積層されたものを製造する場合も、同様である(図5参照)。
【0059】
このとき発泡パリソンを金型で挟み込む前にパリソン内にエアーを吹き込むプリブローを行なうことが好ましい。このプリブローにより発泡パリソンに発生しやすいコルゲートを取り除くことができる。また発泡パリソンを金型に挟みこんで内部に圧縮気体を吹き込んで成形する際、吹き込む圧縮気体の圧力を調整も重要である。具体的にはパリソン内部に吹き込む圧縮気体の圧力を好ましくは0.1〜0.35MPa(ゲージ圧)に調整する。このパリソン内部へ吹き込む圧縮気体の圧力は、比較的高い圧力で吹き込むことで気泡変形率を小さくすることでき、反対に圧力を抑えることで変形率を大きくすることが可能である。即ち、この内部への吹込み圧力により、気泡変形率のコントロールが可能であり、上記の好ましい範囲での気泡変形率を有するものが得られる。但し、前述したように、得られる発泡中空成形体の密度によっては、吹込み圧力を大きくしすぎると気泡がつぶれる虞が有り、あまり圧力が小さすぎると金型と同形状の製品が得られなくなる虞も有るため、見掛けの密度に合わせて吹込み圧力を調整する。
【0060】
本発明では、図3、図5に示すような、二つの金型からなる組合せ金型を用いる場合に限定するものではなく、3個以上の金型からなる組合せ金型を用いてもよい。
【0061】
なお、図3、図4、図5に示すように、減圧用配管23が設けられた組合せ金型を使用し、減圧しながら成形する方法を採用すれば、発泡パリソン11aの外側表面と組合せ金型22a、22bの内面とを充分に密着させることができ、金型の内面形状を良好に反映したポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体を得ることができ、得られる該中空発泡成形体の外観も良好なものとなる。発泡パリソン11bからポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体に熱可塑性樹脂層が積層されてなるダクトを製造する場合も同様である。
【0062】
また本発明に使用される金型は、図9に示すようにパーティング部に設けられる食い切り部に沿って外側部分に空間部(バリ逃げ部)41を設けることが好ましい。十分な容積の空間部41が確保されていない場合は、金型が組合されることによりバリの部分の溶融状態の発泡樹脂がつぶされ、キャビティー24の製品側に逆流してきて製品の内側パーティング部にこぶ状の不良を生じる虞がある。
【0063】
発泡ブロー用の金型として、バリ逃げ部の空間部41は発泡パリソンの厚み以上にする必要があり、本発明においては図9に示すように高さHが10〜60mm程度とすることが好ましい。
【0064】
また、前述した少なくとも一つ以上の嵌合部を有する中空成形体は、例えば、図6に示すような方法で形成することができる。
図6に示す方法においては、押出された発泡パリソン11を、図6(a)に示すように、金型22aと金型22bからからなる分割形式の組合せ金型内に配置すると共に、下方から発泡パリソン11内に嵌合部形成用の金型31cと金型31dを備える金型32を挿入する。このとき金型31cは、金型22aの成形空間内の上部に形成された凹部33aと、金型22bの成形空間内の上部に設けられた凹部33bとの間に位置するように、金型31dは、金型22aの成形空間内の下部に設けられたストレート部34aと、金型22bの成形空間内の下部に設けられたストレート部34bとの間に位置するように、金型32を挿入する。
【0065】
次に、図6(b)に示すように、発泡パリソン11を金型22aと金型22bとで挟むと共に、発泡パリソン11内部に気体を吹き込みながら閉鎖する。このとき、凹部33aと凹部33bと金型31cとで挟まれた部分が凸状の嵌合部として形成され、ストレート部34aとストレート部34bと金型31dとで挟まれた部分が凹状の嵌合部として形成される。
【0066】
次に、金型22aと金型22bを開き、成形体を取り出して不要なバリを取り除くと、図6(c)に示すような垂直断面を有する、凸状の嵌合部4aと凹状の嵌合部4bが形成された中空発泡成形体1を得ることができる。
【0067】
また、本発明のダクトには該ダクト周縁部に形成されるパーティングラインの一部から外方へ突出する舌片を形成し、該舌片をダクトの取付片とすることができる。該舌片は組合せ金型の一方又は両方の所望の位置に舌片形成用の凹部を設け適度に圧縮成形することにより形成され、概ね0.3〜0.9g/cm3以上の見掛け密度に調整される。
【0068】
以上説明したように、本発明のダクトは、吸音効果および断熱性に優れるものである。よって、エアコンのコンプレッサーが発生する騒音やダクトを通る空気の風切り音が、ダクト吹出し口から出ることを低減することができ、後工程において断熱材を貼り付ける必要がない。また軽量性に優れかつ十分な実用強度を有するものである。よって、該ダクトを車両に取付けることによりダクトの軽量化とダクト取付け部材の簡素化の相乗効果により車全体の軽量化も達成される。またエアコンのコンプレッサーの能力が従来使用したものよりも低くても十分な空調管理が可能となる。又、ダクトが十分な実用強度を有することによりダクトの取付の際の作業性が良好なものとなり、送風による変形等に起因する通風効率低下もない。又、本発明のダクトはポリオレフィン系樹脂を主成分とする基材樹脂からなるので、容易にリサイクルできる。
【0069】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明する。
【0070】
実施例1
モンテル・カナダ社製ポリプロピレン樹脂(商品名:SD632、MT:20cN、MFR3g/10min)からなる基材樹脂100重量部に対して、表1に示す量の気泡調整剤マスターバッチ(ベースレジン:低密度ポリエチレン、ステアリン酸ナトリウム5重量%、タルク10重量%)と表1に示す量の着色剤マスターバッチ(ベースレジン:ポリプロピレン単独重合体、カーボンブラック40重量%)を混合し、内径65mmの押出機に供給し、加熱溶融混練してから、基材樹脂1kgに対して表1に示す量の炭酸ガスを押出機の途中から圧入混練して発泡性溶融樹脂とした。
【0071】
次いで、発泡性溶融樹脂の温度を表1に示す樹脂温度に調整し、アキュームレーターに充填した。次にアキュームレーターのラムを押すとともに、ダイ先端に配置されたゲートを開いて発泡性溶融樹脂をダイから表1に示す吐出速度で押出すことにより、発泡パリソンを形成した。得られた発泡パリソンは発泡状態、外観共に良好なものであった。
【0072】
次に、得られた発泡パリソンをダイ直下に位置する、L字形のキャビティーを形成する水冷された組合せ金型間に配置し、更に嵌合部形成用の金型をパリソン内部へ挿入して、組合せ金型を型締め後、該金型下方に取り付けられた気体吹込み口から発泡パリソンの内部に表1に示す圧力の空気(表1において、吹込み空気圧という。)を吹込むと同時に発泡パリソンの外面と金型の内面との間を減圧することによって、嵌合部を一方の端部に有する図7に示すL字形の中空発泡成形体からなるダクトを形成した。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例2〜5
モンテル・カナダ社製ポリプロピレン樹脂(商品名:SD632、MT:20cN、MFR:3g/10min)と該SD632の回収原料(MT:5cN、MI:8g/10min)の重量比50:50の混合物からなる基材樹脂100重量部を使用したことと表1に示した条件以外は、実施例1と同様に発泡パリソン形成した。得られた発泡パリソンは発泡状態、外観共に良好なものであった。次に、得られた発泡パリソンを用いて、実施例1と同様に嵌合部を一方の端部に有する図7に示すL字形の中空発泡成形体からなるダクトを形成した。
【0075】
比較例1
高密度ポリエチレン樹脂(出光石油化学株式会社製520MB、MFR:0.25g/10min)を使用し、発泡剤を添加せずに実施例1と同様な方法にて、パリソンを形成し、該パリソンを用いて嵌合部を一方の端部に有する図7に示すL字形の非発泡樹脂中空ブロー成形体を作製した。次に、該中空ブロー成形体の外側に架橋ポリエチレン樹脂発泡シートからなる断熱材を貼着加工して断熱性中空ブロー成形体を形成した。
【0076】
比較例2〜5
表1に示した条件以外は、実施例2と同様に発泡パリソン形成した。次に、得られた発泡パリソンを用いて、実施例1と同様に嵌合部を一方の端部に有する図7に示すL字形の中空発泡成形体からなるダクトを形成した。
【0077】
実施例6
基材樹脂として低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製LDPE8008、密度:0.917g/cm3、MFR:4.7g/10min)を用いたこと、表1に示した条件を採用した以外は、実施例1と同様に発泡パリソン形成した。得られた発泡パリソンは発泡状態、外観共に良好なものであった。次に、得られた発泡パリソンを用いて、実施例1と同様に嵌合部を一方の端部に有する図7に示すL字形の中空発泡成形体からなるダクトを形成した。
【0078】
実施例7
表1に示した条件以外は、実施例2と同様に発泡性溶融樹脂を形成した。
一方、表皮層用の原料として、モンテル・カナダ社製ポリプロピレン樹脂(商品名:SD632)の回収原料(MT:5cN、MI:8g/10min)100重量部に対して表1に示す量の着色剤マスターバッチ(ベースレジン:ポリプロピレン単独重合体、カーボンブラック40重量%)を配合した原料を、内径40mmの押出機に供給し、加熱溶融混練して非発泡性溶融樹脂とした。
【0079】
次いで、発泡性溶融樹脂の温度を163℃、非発泡性溶融樹脂の温度を185℃に調整し、それぞれの押出機に連結された別々のアキュームレーターに充填した。次に、各アキュームレーターのラムを同時に押すと共に、ダイ先端に配置されたゲートを開くと共に、発泡性溶融樹脂と非発泡性溶融樹脂をダイ先端に設けられたゲート付近で合流させて2層の溶融物をダイから表1に示す吐出速度で共押出することにより、外面側表皮層と発泡層の2層からなる多層の発泡パリソン(表皮層:発泡層=1:2(重量比))を形成した。次に、得られた多層の発泡パリソンを用いて、実施例1と同様に嵌合部を一方の端部に有する図7に示すL字形の、中空発泡成形体に熱可塑性樹脂層が積層されてなるダクトを形成した。
【0080】
実施例8
表1に示した条件以外は、実施例2と同様に発泡性溶融樹脂を形成した。
一方、表皮層用の原料として、モンテル・カナダ社製ポリプロピレン樹脂(商品名:SD632)の回収原料(MT:5cN、MI:8g/10min)100重量部に対して表1に示す量の着色剤マスターバッチ(ベースレジン:ポリプロピレン単独重合体、カーボンブラック40重量%)を配合した原料を、内径40mmの押出機に供給し、加熱溶融混練して非発泡性溶融樹脂とした。
【0081】
次いで、発泡性溶融樹脂の温度を162℃、非発泡性溶融樹脂の温度を186℃に調整し、それぞれの押出機に連結された別々のアキュームレーターに充填した。次に、各アキュームレーターのラムを同時に押すと共に、ダイ先端に配置されたゲートを開くと共に、発泡性溶融樹脂と非発泡性溶融樹脂をダイ先端に設けられたゲート付近で合流させて2層の溶融物をダイから表1に示す吐出速度で共押出することにより、発泡層と内面側表皮層の2層からなる多層の発泡パリソン(発泡層:表皮層=15:1(重量比))を形成した。次に、得られた多層の発泡パリソンを用いて、実施例1と同様に嵌合部を一方の端部に有する図7に示すL字形の、中空発泡成形体に熱可塑性樹脂層が積層されてなるダクトを形成した。
【0082】
比較例6
表1に示した条件以外は、実施例1と同様に発泡性溶融樹脂を形成した。
一方、実施例1にて得られた中空発泡成形体の回収原料(SD632の回収原料)(MT:5cN、MFR:8g/10min)100重量部に対して表1に示す量の着色剤マスターバッチ(ベースレジン:ポリプロピレン単独重合体、カーボンブラック40重量%)を配合した原料を、内径40mmの押出機に供給し、加熱溶融混練して非発泡性溶融樹脂とした。
次いで、発泡性溶融樹脂の温度を163℃、非発泡性溶融樹脂の温度を187℃に調整し、それぞれの押出機に連結された別々のアキュームレーターに充填した。次に、各アキュームレーターのラムを同時に押すと共に、ダイ先端に配置されたゲートを開き、発泡性溶融樹脂と非発泡性溶融樹脂をダイ先端に設けられたゲート付近で合流させて、非発泡性溶融樹脂、発泡性溶融樹脂、非発泡性溶融樹脂の順に積層し、該3層からなる溶融物をダイから表1に示す吐出速度で共押出することにより、外面側表皮層と発泡層と内面側表皮層の3層からなる多層の発泡パリソン(表皮層:発泡層:表皮層=1:2:1(重量比))を形成した。次に、得られた多層の発泡パリソンを用いて、実施例1と同様に嵌合部を一方の端部に有する図7に示すL字形の中空発泡成形体に熱可塑性樹脂層が積層されてなるダクトを形成した。
【0083】
実施例1〜8、比較例1〜6において得られたダクトの層構成、重量、内面の表面硬度、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、厚み方向の気泡数、独立気泡率等(但し、比較例1は非発泡樹脂中空ブロー成形体に架橋ポリエチレン樹脂発泡シートを積層して得られたダクトの物性)を表2に示す。又、実施例1〜8、比較例1〜6において得られたダクトを使用し、消音性、耐熱性、断熱性、通風効率等を評価した結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
表2におけるダクトの耐熱性の評価は以下の通り行った。
耐熱性
常温(23℃、50%RH)にて寸法測定(最大外径)したダクトサンプルを90℃のオ−ブン内に24時間放置し、常温に戻した後、再度同じ部分の寸法測定を行ない寸法変化率を算出し、次の基準で評価した。
○:寸法変化率が±5%以内
×:寸法変化率が±5%を超える
【0086】
表2における消音性、断熱性(冷風、温風)、通風効率、強度の評価は、実施例及び比較例にて得られたL字形のダクトを二つ使用して、図7に示すように一方のダクトの端部に形成した嵌合部を他方のダクトの端部に挿入することにより連結して図7に示すように装置を組み立てて次のように行った。
ダクトを恒温槽内(温風吹込み試験:−10℃、冷風吹込み試験:60℃、70%RH)に設置し、ダクト両端にホース(内径:50mm)を接続した。一方の端部に接続したホースを恒温槽外に設置した温風又は冷風発生機に接続し、他方の端部に接続したホースは排気をするために恒温槽外へ出した。
【0087】
温風又は冷風発生機よりダクト内に温風(60℃、8m/s)又は冷風(15℃、8m/s)を吹込み、図7に示す入口および出口の温度測定点におけるダクト内空気の温度を10秒おきに測定した。温度が定常状態(入口と出口の温度差がほぼ一定の値で推移している状態)になった点より連続した10点の測定値の平均値を各温度測定点の温度とした。
【0088】
またダクト入口(温風又は冷風発生機直後)とダクト出口にて風速を測定し、下記(4)式により通風効率を求めた。
【数4】
【0089】
通風効率の評価基準
◎:通風効率が80%以上である。
○:通風効率が70%以上、80%未満である。
△:通風効率が60%以上、70%未満である。
×:通風効率が60%未満である。
【0090】
断熱性(温風)の評価基準
◎:温風吹込み試験にて、入口と出口の温風の温度差が10℃未満
○:温風吹込み試験にて、入口と出口の温風の温度差が10℃以上20℃未満
×:温風吹込み試験にて、入口と出口の温風の温度差が20℃以上
【0091】
断熱性(冷風)の評価基準
◎:冷風吹込み試験にて、入口と出口の冷風の温度差が10℃未満
○:冷風吹込み試験にて、入口と出口の冷風の温度差が10℃以上20℃未満
×:冷風試験にて、入口と出口の温度差が20℃以上
【0092】
消音性の測定は、図7に示す装置において温風又は冷風発生機の代わりに、音源となるピンクノイズ発生装置を取り付けた音響室を設け、250〜8000Hzの間で幾つかの特定周波数の音を出し、装置の出口でその各周波数ごとの音圧レベルをdB単位で測定した後、その音圧レベルの総和でどれほど減衰したかを比較した。
尚、音圧レベル測定装置としてはリオン株式会社製普通騒音計 NA−29を用いた。
【0093】
強度の評価基準
○:ダクト内に温風又は冷風を吹き込んでもダクトの形状が変化しない。
×:ダクト内に温風又は冷風を吹き込むとダクトのコーナー部に膨らみが
発生する。
【0094】
【発明の効果】
本発明のダクトは、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体、または、該中空発泡成形体の内面及び/又は外面に熱可塑性樹脂層が積層接着されたものからなるダクトであって、該中空発泡成形体が特定範囲の見掛け密度、独立気泡率を有し、且つ、特定範囲のダクトの内面の表面硬度を有することにより、優れた吸音性を有し、エアコンのコンプレッサーが発生する騒音も、ダクトを通る空気の風切り音が、ダクト吹出し口から漏れてくることを効果的に防止することができると共に優れた断熱性、剛性及び軽量性を兼備するものである。また、リサイクル性に優れ、送風による変形等に起因する通風効率ダウンもない。特に車両用ダクトとして使用した場合、後工程において断熱材を貼り付ける必要がなく、車全体の軽量化を可能となる。
【0095】
本発明においては、ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体が融点が130℃以上のポリオレフィン系樹脂やポリプロピレン系樹脂からなる場合は、耐熱性に優れたダクトを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はダクトの正面図、(b)は(a)のI−I線に沿う縦断面図である。
【図2】(a)は単層の発泡パリソンの斜視図である。
(b)は多層の発泡パリソンの斜視図である。
【図3】中空発泡成形体の製造方法の一例を概念的に説明する説明図である。
【図4】中空発泡成形体の製造方法の一例を概念的に説明する説明図である。
【図5】中空発泡成形体に熱可塑性樹脂層を積層接着してなる多層中空発泡成形体の製造方法の一例を概念的に説明する説明図である。
【図6】嵌合部を有する中空発泡成形体の製造方法の一例を概念的に説明する説明図である。
【図7】結露防止性、断熱性、通風効率を測定、評価するための装置の説明図である。
【図8】メルトテンション(MT)の測定におけるメルトテンションと時間との関係を示すグラフである。
【図9】発泡パリソン成形用組合せ金型の垂直断面図である。
【符号の説明】
1 中空発泡成形体
2 壁
3 中空発泡成形体の内部の空間(ダクトの空気流路)
40 ダクトの嵌合連結部分
Claims (5)
- 見掛け密度0.05〜0.5g/cm3、独立気泡率50%以上のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体であって、該中空発泡成形体の内面の表面硬度が45〜80度であることを特徴とするダクト。
- 見掛け密度0.05〜0.5g/cm3、独立気泡率50%以上のポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の内面に熱可塑性樹脂層が設けられた多層中空発泡成形体であって、該多層中空発泡成形体の内面の表面硬度が45〜80度であることを特徴とするダクト。
- 該ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体が融点130℃以上のポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のダクト。
- 該ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体がポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダクト。
- 該ポリオレフィン系樹脂中空発泡成形体の厚みが2〜20mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のダクト。
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