JP2004116751A - プーリ用回転支持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記転がり軸受2に組み込む玉5、5の数を7個とし、外輪4を上記プーリ1の中心孔8に締り嵌めで嵌合した状態で外輪軌道7に存在するうねりのうち、山数が3及び4のうねりの振幅を、山数が2のうねりの振幅よりも小さくする。これにより、ラジアル荷重を最も受ける玉5の隣に存在する玉5、5部分での、これら各玉5、5の転動面と上記外輪軌道7との隙間が小さくなる。この結果、上記プーリ1の回転時に、上記各玉5、5が外輪軌道7及び内輪軌道6に勢い良く衝突する事がなくなり、上記異音の発生を抑える事ができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明のプーリ用回転支持装置は、自動車用エンジンのタイミングベルトや補機駆動用のベルト等の無端ベルトを掛け渡すプーリを、支持軸の周囲に回転自在に支持する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の補機やカムシャフトは、この自動車の走行用エンジンにより回転駆動する。即ち、この走行用エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリと、上記補機の回転軸やカムシャフトの端部に固定した従動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡し、上記クランクシャフトの回転に伴って上記補機の回転軸やカムシャフトを回転駆動する様にしている。
【0003】
この様な構造で、上記回転軸やカムシャフトを確実に回転駆動する為には、上記駆動プーリ或は従動プーリに対する上記無端ベルトの巻き付け角度を確保したり、或はこの無端ベルトに必要な張力を付与したりして、上記駆動プーリ或は従動プーリとこの無端ベルトの内周面との係合部に滑りや歯飛びが生じない様にする必要がある。この為に従来から、上記無端ベルトの一部で上記駆動プーリ及び従動プーリから外れた部分を、ガイドプーリ(アイドラプーリ)或はテンションプーリに掛け渡し、上記巻き付け角度の確保や張力付与を行なっている。
【0004】
図1は、この様な目的で従来から使用されているプーリ用回転支持装置の1例を示している。このプーリ用回転支持装置は、エンジンのシリンダブロックの前面等の固定の部分に設けた支持軸(図示省略)の周囲に、鋼板等の金属板をプレス成形して成るプーリ1を転がり軸受2により、回転自在に支持して成る。この転がり軸受2は、単列深溝型の玉軸受であって、互いに同心に配置された内輪3及び外輪4と、複数個の玉5、5とを備える。このうちの内輪3は、外周面に深溝型の内輪軌道6を有し、上記プーリ用回転支持装置への組み付け状態では、上記支持軸に外嵌固定される。又、上記外輪4は、内周面に深溝型の外輪軌道7を有し、上記プーリ1の中心孔8に、締り嵌めで内嵌固定される。又、上記各玉5、5は、上記内輪軌道6と上記外輪軌道7との間に、円周方向に等間隔で配置された状態で、転動自在に設けられている。この様なプーリ用回転支持装置の使用時には、上記プーリ1の外周面に、図示しない無端ベルトの一部を掛け渡す。この状態で上記転がり軸受2には、この無端ベルトの張力に基づいて、一定方向のラジアル荷重が負荷された状態となる。
【0005】
上記転がり軸受2を構成する内輪3の外周面及び外輪4の内周面にそれぞれ内輪軌道6及び外輪軌道7を形成する為に、従来から心無研削盤が使用されている。このうちの外輪軌道7を形成する為の心無研削盤は、回転砥石と回転支持装置とを備える。このうちの回転砥石は、上記外輪4の内径よりも十分小さな外径を有し、外周面を研削面とした円筒状で、モータ等の駆動装置により回転駆動される。又、上記回転支持装置は、上記外輪4を回転駆動するものである。この様に構成される上記心無研削盤により上記外輪軌道7を形成する場合、上記回転支持装置により外輪4を支持し、この外輪4の内周側に上記回転砥石を挿入する。そして、この回転砥石の研削面を上記外輪4の内周面に押し付けた状態で、これら回転砥石と外輪4とを互いに回転速度を異ならせて同方向に回転させる。この結果、上記外輪4の内周面が上記回転砥石の外周面に順次接触する事により、この外輪4の内周面が研削され、上記外輪軌道7が形成される。この様に形成される外輪軌道7は、次述する様に、軌道面に凹凸(うねり)が存在する。
【0006】
即ち、上記心無研削盤は、回転砥石の不可避的なアンバランスにより、研削加工時にこの回転砥石の振れ回りが発生する。この回転砥石の振れ回りは上記外輪軌道7に転写され、この外輪軌道7にうねりが生じる。特に、回転砥石と外輪4との回転速度の比が整数となった場合には、次式に示す山数P(外輪軌道7の1円周当りのうねりの山の数)を有する、振幅の大きいうねりが、上記外輪軌道7に形成される。
P=ω/ω′ −−−−−−−−−−−−−−(1)
この(1)式中、ωは回転砥石の回転角速度、ω′は外輪4の回転角速度である。
【0007】
この様な原因で上記外輪軌道7にうねりが生じるのを防止する為、上記外輪軌道7の研削加工時に、回転砥石と外輪4との回転速度の比が整数とならない様に、これら回転砥石の回転速度と外輪4の回転速度とを予め規制する事が、従来から行なわれている。しかし、研削加工時に上記回転砥石の切り込み速度が速くなったり、この回転砥石の切れ味が悪くなると、研削抵抗が増加する為、この回転砥石の回転速度が低下する。この結果、上記回転速度の比が整数又はその近くの値となる場合があり、この場合には、上記外輪軌道7のうねりの振幅が大きくなる。
【0008】
上記研削加工時の回転砥石の回転速度の変化を考慮して、特許文献1に記載された心無研削盤では、回転砥石の回転速度を検出し、この検出した値により回転砥石と外輪4との回転速度の比が整数とならない様に、外輪4の回転速度を制御(実際には外輪4を回転駆動するモータを制御)している。そして、研削加工時に回転砥石の回転速度が変化して上記回転速度の比が整数とならない様にする事により、上記外輪軌道7のうねりの振幅が大きくなる事を防止している。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−256573号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記外輪軌道7に振幅の大きいうねりが存在する場合、言い換えれば、この外輪軌道7の形状精度が悪化している場合、プーリ用回転支持装置の運転時に、転がり軸受2部分で耳障りな異音が発生し易くなる。即ち、上記外輪軌道7の形状精度が悪化した外輪4を備えた転がり軸受2の運転時には、この外輪軌道7及び内輪軌道6と複数の玉5、5とが勢い良く衝突する事に伴って上記異音が発生する。そして、この衝突に基づく振動が、上記異音の原因となる。更に具体的に説明すると、一般的なプーリ用回転支持装置の場合、単列深溝型の玉軸受である上記転がり軸受2は、予圧を付与していない、即ち、正の内部隙間を有する状態で使用する。又、プーリ用回転支持装置の使用時に上記転がり軸受2には、常に同じ方向のラジアル荷重が加わる。従って、このラジアル荷重の作用方向から円周方向に外れた部分は、常にラジアル荷重を支承しない無負荷領域となる。例えば、一般的なプーリ用回転支持装置に組み込んだ転がり軸受2に、図2(B)に示す様にラジアル荷重Fが加わった場合に、この転がり軸受2は、このラジアル荷重Fの作用線を中心とする半円周よりも少し狭い範囲(負荷領域)で、このラジアル荷重Fを負荷する。そして、この負荷領域から円周方向に外れた部分は、ラジアル荷重を負荷しない、無負荷領域となる。そして、この無負荷領域では、上記内輪軌道6と上記外輪軌道7との間隔が上記各玉5、5の直径よりも大きくなり、これら各玉5、5が、上記内輪軌道6と上記外輪軌道7との間で変位自在となる。
【0011】
上記内輪軌道6の形状精度並びに上記外輪軌道7の形状精度が、何れも良好であれば、上記転がり軸受2の運転時に上記各玉5、5は、無負荷領域から負荷領域に徐々に入り込む。従って、これら各玉5、5の転動面と上記各軌道6、7とが勢い良く衝突する事はなく、前記異音が発生する事はない。これに対して、上記外輪軌道7の形状精度が不良である(外輪軌道7に振幅の大きいうねりが存在する)と、上記各玉5、5の転動面と上記各軌道6、7とが勢い良く衝突する。即ち、図3に誇張して実線で示す様に、上記外輪軌道7の形状精度が不良であると、負荷圏に存在する玉5、5に関しても、一部(図3の中央)の玉5の転動面は上記各軌道6、7に当接するが、残りの(図3の両側の)玉5、5の転動面とこれら各軌道6、7との間には隙間が存在する状態となる。言い換えれば、上記一部の玉5のみに荷重が負荷され、上記残りの玉5、5には荷重が負荷されない状態となる。この結果、上記負荷圏に存在する玉5、5の転動面が、前記プーリ1と共に前記外輪4が回転するのに伴って、上記各軌道6、7に勢い良く衝突し、上記異音が発生する。又、上記各玉5、5の転動面と上記各軌道6、7とが勢い良く衝突する現象は、これら各玉5、5が無負荷領域から負荷領域に移動する瞬間にも発生し易くなり、やはり上記異音の原因となる。
【0012】
又、上記外輪4はプーリ1に締り嵌めで内嵌されるが、この時プーリ1の内周面に存在するうねりが外輪軌道4に転写される場合がある。従って、上記プーリ1の内周面に振幅の大きいうねりが存在している場合、この振幅の大きいうねりが上記外輪軌道7に転写され、この外輪軌道7の形状精度が悪化する。即ち、上記プーリ1は、通常、SC材(構造用炭素鋼)やFC材(ねずみ鋳鉄)、SPCC材(冷間圧延鋼板)等の、軸受鋼製である外輪4と比べて軟らかい材料により造られる。この為、上記プーリ1の中心孔8にこの外輪4を小さい締め代で内嵌した場合には、このプーリ1の内周面に存在するうねりは上記外輪軌道7に転写されにくい。しかし、これらプーリ1と外輪4とは、運転時に嵌合面でクリープが生じるのを防止する為、通常、大きい締め代で嵌合する。この場合、上記プーリ1が硬い材料により造られている場合は勿論、上述の様に軟らかい材料により造られたものであっても、このプーリ1の内周面に存在するうねりが上記外輪軌道7に転写される。従って、この外輪軌道7の形状精度は、上記プーリ1の内周面の形状精度にも影響される場合がある。本発明者の研究によれば、例えば、プーリ1の内径が37mmで締め代が15μm以上の場合には、このプーリ1の内周面に存在するうねりが上記外輪軌道7に転写される事が分かった。上記内径が30〜45mm程度であれば、同様の転写が生じると考えられる。尚、上記締め代の上限は、上記プーリ1に対する上記外輪4の嵌合作業の容易性確保の面から、75μm以下に規制する。従って、上記締め代が15〜75μmの範囲内で、上記プーリ1の内周面の形状が上記外輪軌道7に転写される可能性を考慮する必要がある。
【0013】
又、本発明者の研究により、転がり軸受2に組み込む玉5、5の数との関係で、外輪軌道7に存在するうねりのうち、特定の山数のうねりが前記異音の原因となる事が分かった。即ち、上記玉5、5の数との関係で外輪軌道7に特定の山数のうねりが存在する場合に、前記図3に示した様に、ラジアル荷重を支承している玉の両側に存在する玉5、5の転動面と、内輪軌道6及び外輪軌道7との間の隙間が大きくなると考えられる。
本発明は、この様な事情に鑑みて、プーリ用回転支持装置の運転時の異音の発生を抑えるべく発明したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のプーリ用回転支持装置は何れも、従来構造と同様に、支持軸と、この支持軸の周囲に転がり軸受を介して回転自在に支持されたプーリとを備える。
上記転がり軸受は、内輪と、外輪と、複数個の玉とを備え、この内輪の内径が25mm以下である。
このうちの内輪は、外周面に内輪軌道を有し、上記支持軸に外嵌固定されている。
又、上記外輪は、内周面に外輪軌道を有し、上記プーリの中心孔に締り嵌めで内嵌固定されている。
又、上記各玉は、上記外輪軌道と上記内輪軌道との間に、円周方向に等間隔に配置された状態で、転動自在に設けられている。
特に、請求項1に記載したプーリ用回転支持装置に於いては、上記玉の数が7個であり、上記外輪が上記中心孔に内嵌固定された状態で上記外輪軌道に存在するうねりのうち、山数が3のうねりの振幅及び山数が4のうねりの振幅の大きさが、山数が2のうねりの振幅の大きさよりも小さい。
又、請求項2に記載したプーリ用回転支持装置に於いては、上記玉の数が9個であり、上記外輪軌道に存在するうねりのうち、山数が4のうねりの振幅及び山数が5のうねりの振幅が、山数が2のうねりの振幅と山数が3のうねりの振幅とのうち大きい方の(より好ましくは両方の)振幅よりも小さい。
【0015】
【作用】
上述の様に構成する本発明のプーリ用回転支持装置によれば、プーリの中心孔に外輪を締り嵌めで嵌合した状態で、外輪軌道に存在するうねりのうち、玉の数との関係で特定の山数のうねりの振幅を規制している為、プーリ用回転支持装置の運転時の異音の発生を抑える事ができる。以下、この理由に就いて詳述する。
【0016】
本発明は、外輪軌道に生じるうねりの山数に対応して、ラジアル荷重を最も受ける玉の隣に存在する玉の転動面と内輪、外輪各軌道との間の隙間を小さくするものである。即ち、前述の図3に示した様に、外輪軌道7のうねりの山に対応する位置に存在してラジアル荷重を最も受ける、同図の中央の玉5の隣に存在する、同図の両側の玉5、5と、内輪軌道6及び外輪軌道7との間の隙間を小さくする事ができれば、外輪4の回転に伴い上記各玉5、5が上記外輪軌道7及び内輪軌道6に勢い良く衝突する事を防ぎ、上記異音の発生が抑えられる。この異音の原因である、上記両側の玉5、5と外輪軌道7との隙間を小さくする為には、この両側の玉5、5に対応する部分をうねりの谷とする様な山数のうねりの振幅を小さくする必要がある。即ち、上記外輪軌道7には、種々の山数のうねりが混ざり合った状態で存在するが、上記図3の両側の各玉5、5に対応する部分をうねりの谷とする山数のうねりの振幅を小さくすれば、上記両側の玉5、5が、上記内輪軌道6と上記外輪軌道7との間で変位しにくくなり、上記異音の発生を防止できる。
そこで、先ず、本発明の前提条件である、上記異音の発生に影響を及ぼす、玉の数とうねりの山数との関係に就いて説明する。
【0017】
本発明者の研究によれば、外輪軌道に存在する複数の山数のうねりのうち、次式の関係を有する山数Pのうねりが、プーリ用回転支持装置の異音の発生に与える影響が大きい事が分かった。
P=Z(2n−1)/2 −−−−−−−−−(2)
この(2)式中、Zは転がり軸受に組み込まれる玉の数、nは自然数である。この様な(2)式を満たす山数Pのうねりの振幅が大きければ、図3に示した、上記異音の原因となる上記両側の玉5、5と、内輪軌道6及び外輪軌道7との間の隙間が大きくなる。逆に言えば、上記(2)式を満たす山数Pのうねりの振幅を小さくすれば、上記隙間を小さくして、異音の発生を抑えられる。
そこで、転がり軸受に組み込む玉の数を7個(請求項1)若しくは9個(請求項2)とした理由に就いて説明する。
【0018】
上記(2)式から明らかな様に、異音の発生に大きく影響する山数Pは、玉の数Zが偶数個の場合に存在する。従って、玉の数Zが偶数個の場合には上記異音が発生し易くなると考えられる。例えば、上記(2)式より、転動体の数Zが6個の場合、山数Pが3、9、15・・・のうねりが、転動体の数Zが8個の場合、山数Pが4、12、20・・・のうねりが、上記異音の発生に大きく影響すると考えられる。逆に、上記玉の数を奇数個にすれば、上記(2)式を満たす山数P(自然数)が存在せず、上記異音が発生しにくくなると考えられる。又、玉の数Zが10個以上の場合、次述する理由により、上記(2)式の関係に拘わらず、上記異音が発生しにくいと考えられる。
【0019】
即ち、図4(B)に示す様に、10個の玉5、5を組み込んだ転がり軸受2の場合、8個の玉5、5を組み込んだ前記図2(B)、図3に示した転がり軸受2と比べて、円周方向に隣り合う各玉5、5同士の間隔が狭い。従って、うねりの山の頂部に位置してラジアル荷重を最も受ける玉5の隣に位置する玉5、5部分でも、内輪軌道6と外輪軌道7との間隔が大きくなる程度は限られ、当該部分での玉5、5のラジアル方向の動きも限られる。又、図示の様にラジアル荷重Fが作用した場合に、内輪軌道6及び外輪軌道7と当接している玉5{図4(B)のaの位置}の両側の玉5、5(同じくbの位置)と外輪軌道7との間には隙間が存在するが、更にその隣の玉5、5(同じくcの位置)と上記外輪軌道7との間には隙間が存在しない(若しくは隙間が小さい)。従って、玉5のラジアル方向の移動は或る程度抑えられて、外輪4の回転に伴いこの玉5がbからaの位置に移動した時、或は、玉5がbからcの位置に移動した時に、この玉5が各軌道6、7に勢い良く衝突しにくい。この様に、転がり軸受に組み込む玉の数が10個以上であれば、外輪の回転に伴い玉と各軌道とが勢い良く衝突しにくい為、上記異音が発生しにくい。尚、図4の転がり軸受2は、外輪軌道7に存在するうねりを誇張して示している。
【0020】
但し、玉の数Zが10個以上と多い場合、転がり軸受の寿命が短くなる。即ち、アイドラプーリに組み込む転がり軸受は、内輪3の内径が25mm以下のものを使用する事が多く、この内径が25mm以下の転がり軸受に玉を10個以上組み込んだ場合、各玉の直径が小さくなる。各玉の直径が小さくなれば、これら各玉の転動面と内輪、外輪各軌道との当接部の面圧が高くなり、これら各面の転がり疲れ寿命が低下する他、上記各玉自体の耐久性も低下し、転がり軸受の寿命も短くなる。従って、転がり軸受の寿命を考慮した場合、玉の数Zを10個未満とする必要がある。そして、負荷圏に常に複数の玉を存在させて、一部の玉に過大な荷重が加わるのを防止すべく、転がり軸受に組み込む玉の数を6個以上にする事を考慮すると、玉の数Zを7個若しくは9個とすれば、上記異音が発生しにくく、又、転がり軸受の寿命が低下する事も防止できる事になる。
次に、玉の数が7個の場合に、山数が3のうねりの振幅及び山数が4のうねりの振幅を、山数が2のうねりの振幅よりも小さく(請求項1の場合)、玉の数が9個の場合に山数が4のうねりの振幅及び山数が5のうねりの振幅を、山数が2のうねりの振幅と山数が3のうねりの振幅とのうち大きい方のうねりの振幅よりも小さく(請求項2の場合)する理由に就いて説明する。
【0021】
玉の数が奇数個の場合、前記(2)式を満たす値に近い値が、異音の発生に影響を与えると考えられる。この理由は、うねりの山に位置してラジアル荷重を受ける玉の隣に位置する玉の近傍に、うねりの谷が存在する事になる為である。従って、玉の数が奇数個の場合、次式の関係を有する山数Pのうねりが、異音の発生に影響を与えると考えられる。
P={Z(2n−1)−1}/2 −−−−−(3)
P={Z(2n−1)+1}/2 −−−−−(4)
これら(3)、(4)式より、玉の数Zが7個の場合、山数Pが3、4、10、11・・・のうねりが異音の発生に影響を与えると考えられる。但し、実際には山数が増えれば振幅が小さくなる為、山数Pが3、4のうねりが異音の発生に影響を与えると考えられる。即ち、玉の数が7個の場合、これら山数Pが3、4のうねりの振幅が大きければ、ラジアル荷重を最も受ける玉の隣に存在する転動体部分での隙間も大きくなると考えられる。これに対して、山数Pが2のうねりに関しては、負荷圏若しくはその近傍に存在する玉をラジアル方向に変位し易くする事に結び付きにくい為、その振幅が多少大きくても良い。同様に、玉の数Zが9個の場合、山数Pが4、5のうねりが異音の発生に影響を与える反面、山数Pが2、3のうねりは、異音の発生に影響しにくいと考えられる。従って、異音の発生を抑える為には、転がり軸受に組み込む玉の数が7個の場合、山数が3及び4のうねりの振幅が、玉の数が9個の場合、山数が4及び5のうねりの振幅が、それぞれ大きくならない様にする必要がある。この場合に、玉の数が7個の場合で山数が2の、玉の数が9個の場合で山数が2、3の、それぞれうねりの振幅を特に小さくする必要がないので、コスト上昇を抑えられる。
【0022】
本発明の対象となるプーリ用回転支持装置の場合、外輪軌道の研削加工時に回転砥石の振れ回りが転写されたり、プーリの内周面のうねりが転写されたりして、山数が多いうねりの振幅が山数が少ないうねりの振幅よりも大きくなる事がある。具体的には、外輪軌道の研削加工時に回転砥石と外輪との回転速度の比が前記(1)式に示した所定の山数になった場合、この所定の山数のうねりの振幅がこの所定の山数よりも少ない山数のうねりの振幅よりも大きくなる場合がある。又、プーリの内周面に振幅が大きい所定の山数のうねりが存在する場合、外輪をこのプーリの中心孔に締り嵌めで嵌合する事に伴って、この所定の山数のうねりが外輪軌道に転写される。そして、この所定の山数のうねりの振幅が、この所定の山数よりも少ない山数のうねりの振幅よりも大きくなる場合がある。
【0023】
外輪軌道の研削加工時に生じるうねりに就いては、通常、回転砥石と外輪との回転速度の比をずらせば、上記所定の山数のうねりの振幅が、この所定の山数よりも少ない山数のうねりの振幅よりも大きくなる事はない。これに対して、プーリの内周面に存在するうねりが外輪軌道に及ぼす影響は大きい。即ち、上記プーリはプレス加工や研削加工により形成されるが、この加工時にプーリの内周面に振幅の大きいうねりが生じる場合がある。例えば、プーリを研削加工により形成した場合、このプーリを3個の爪片を有するチャックにより把持して加工する為、このプーリの内周面に生じるうねりのうち、山数が3のうねりの振幅が大きくなり易い。又、プーリをプレス加工により形成した場合、山数が4のうねりの振幅が大きくなり易い。そして、この様に山数が3若しくは4のうねりの振幅が大きい上記プーリの中心孔に外輪を締り嵌め(締め代が15〜75μm)で嵌合した場合、この山数が3若しくは4のうねりが、外輪軌道に転写される可能性がある。これに対して、本発明の場合、転がり軸受に組み込む玉の数を7個若しくは9個としている為、外輪軌道に存在するうねりのうち、山数が3及び4(若しくは4及び5)のうねりの振幅が大きくなると、異音が発生し易くなる。この為、本発明では、プーリの中心孔に外輪を嵌合した状態で、外輪軌道に存在するうねりの振幅を上述した様に規制している。
【0024】
上述の様に、外輪をプーリの中心孔に嵌合した状態で外輪軌道に存在するうねりを規制する為には、これら外輪とプーリとを嵌合させる際に、外輪とプーリとの組み合わせを次述する関係に基づいて選択する。即ち、上記プーリの内周面から外輪軌道に転写されるうねりの大きさは、プーリと外輪との締め代と、プーリの内周面のうねりの大きさとにより決まる(外輪の外周面のうねりは、通常、外輪軌道のうねりに影響を及ぼす程大きくはない)。又、上記締め代とプーリの内周面のうねりの大きさとの関係が上記外輪軌道に及ぼす影響は、プーリの材料や厚さ等により異なる。従って、この関係を予め実験により調べておき、外輪軌道のうねりのうち、山数が3及び4(若しくは4及び5)のうねりの振幅が大きくならない様に、上記プーリと外輪とを組み合わせてこれらプーリと外輪とを嵌合する。
【0025】
又、上記外輪軌道に存在するうねりの振幅を規制する為に、外輪をプーリの中心孔に嵌合する前に、このプーリの内周面のうねりの振幅を予め規制しておく事も考えられる。例えば、プーリの内周面に、回転砥石と工作物との回転速度の比がうねりの振幅の大きさと関係する事を利用して、研削加工や切削加工を施してこのプーリの内周面のうねりの振幅を規制する。この様に、本発明では、プーリの中心孔に外輪を締り嵌めで嵌合した状態で、外輪軌道のうねりを上述の様に規制する為、確実に前記異音の発生を抑える事ができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図2(A)は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、プーリ用回転支持装置の異音の発生を抑えるべく、転がり軸受に組み込む玉5、5の数との関係で、外輪軌道7に存在するうねりのうち、特定の山数のうねりの振幅を規制するものである。図面に現れる構造に就いては、玉5、5の数を除き、前述した従来から知られている構造と同様である為、重複する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
プーリ1の中心孔8(図1参照)には、転がり軸受2を構成する外輪4を、締り嵌め(外輪の外径が30〜45mmの場合に、締め代が15〜75μm)で内嵌固定している。又、上記転がり軸受2の内径は、25mm以下である。
【0027】
特に、本例の場合、図に示す様に、上記転がり軸受2に組み込む玉5、5の数を7個としている。従って、この転がり軸受2の寿命が低下する事はない。即ち、上記転がり軸受2に組み込む玉5、5の数が7個であれば、これら各玉5、5の直径が小さくなり過ぎる事がなく、又、負荷圏に常に複数個の玉5、5が存在する為、これら各玉5、5及び内輪、外輪各軌道6、7の耐久性を確保できて、転がり軸受2の寿命が低下する事はない。又、上記玉5、5の数を7個とする事により、上記転がり軸受2の運転時に異音が発生しにくくなる。即ち、図2(B)に示した様に、玉5、5の数が8個の場合、異音の発生に影響を与える山数Pと転動体の数Zとの関係を示す、前記(2)式{P=Z(2n−1)/2}を満たす山数Pが存在する。この為、この(2)式を満たす山数Pのうねりの振幅が大きいと、図3に実線で示した様に、両側の玉5、5の転動面と外輪軌道7との隙間が大きくなる。これに対して本例の場合、図2(A)に示す様に、玉5、5の数が7個である為、上記(2)式を満たす山数Pは存在しない。この為、上記異音が発生しにくくなる。
【0028】
又、本例の場合、上記プーリ1の中心孔8に上記外輪4を内嵌した状態で、外輪軌道7に存在するうねりのうち、山数が3のうねりの振幅及び山数が4のうねりの振幅を、山数が2のうねりの振幅よりも小さくしている。即ち、上記玉5、5の数が7個の場合に、上記異音が発生し易いと考えられる前記(3)式[P={Z(2n−1)−1}/2]、(4)式[P={Z(2n−1)+1}/2]を満たす、山数Pが3のうねりの振幅及び山数が4のうねりの振幅を、山数が2のうねりの振幅よりも小さくしている。この為、前記図3(B)に示した様な、ラジアル荷重を受ける玉5の両隣に存在する玉5、5の転動面と内輪軌道6及び外輪軌道7との間の隙間を小さくする事ができる。
【0029】
尚、図4(A)に示す様に、転がり軸受2に組み込む玉5、5の数を、請求項2に対応する9個とした場合、外輪軌道7に存在するうねりのうち山数が4のうねりの振幅及び山数が5のうねりの振幅を、山数が2のうねりの振幅と山数が3のうねりの振幅とのうち大きい方の振幅よりも小さくする。この場合、図4(B)に示した、玉5、5の数が10個の場合と同様に、転がり軸受2に組み込む玉5、5の数が多い為、外輪4の回転に伴いこれら各玉5、5が外輪軌道7及び内輪軌道6に勢い良く衝突しにくい。更に、この外輪軌道7に存在するうねりの振幅を、上述の様に規制する事により、上記図3に示した様な隙間を小さくする事ができる。
【0030】
但し、上述の様に、転がり軸受2に組み込む玉5、5の数を9個とした場合には、玉5、5の数を7個とした場合に比べて、各玉5、5の直径が小さくなる。この為、転がり軸受2に組み込む玉5、5の数が7個の場合と比べて、この転がり軸受2の基本動定格荷重が小さくなる。従って、プーリ用回転支持装置の設計の自由度を確保する面からは、上記玉5、5の数を9個よりも7個とした方が好ましい。
【0031】
又、本例のプーリ1はプレス加工により形成されている為、プーリ1の内周面には山数が4である、比較的大きな振幅を有するうねりが存在する。従って、本例の様に、このプーリ1の中心孔8に上記外輪4を締り嵌め(締め代が15〜75μm)で内嵌した場合、上記山数が4のうねりが、上記外輪軌道7に転写される可能性がある。この為、上記プーリ1の中心孔8に上記外輪4を締り嵌めで嵌合した状態で、外輪軌道7のうねりを上述の様に規制する為には、これら外輪4とプーリ1とを嵌合させる際に、外輪4とプーリ1との組み合わせを次述する関係に基づいて選択する。即ち、上記プーリの内周面から外輪軌道に転写されるうねりの大きさは、プーリと外輪との締め代と、プーリの内周面のうねりの大きさとにより決まる。従って、上記プーリ1と外輪4との嵌合により、このプーリ1の内周面のうねりが外輪軌道7に影響を及ぼす、プーリ1の内周面のうねりの振幅の大きさと、プーリ1と外輪4との締め代との関係の較正曲線を、予め実験により作成しておく。そして、この較正曲線に基づき、上記外輪軌道7のうねりが、山数が4のうねりの振幅が山数が2のうねりの振幅よりも小さくなる範囲で、上記プーリ1と外輪4とを組み合わせる。この結果、プーリ1の内周面のうねりが上記外輪軌道7に及ぼす影響を小さくする事ができ、この外輪軌道7に存在する、山数が4のうねりの振幅が山数が2のうねりの振幅よりも大きくなる事はない。尚、上記プーリ1をプレス加工ではなく研削加工や切削加工で形成する場合も同様に、上記較正曲線に基いて、外輪軌道7のうねりが、山数が3のうねりの振幅が山数が2のうねりの振幅よりも小さくなる範囲で、上記プーリ1と外輪4とを組み合わせる。
【0032】
又、上記外輪軌道に存在するうねりの振幅を規制する為には、上記外輪4を上記中心孔8に嵌合する前に、この山数が4のうねりの振幅が山数が2のうねりの振幅よりも小さくなる様に、上記プーリ1の内周面のうねりを予め規制する事も考えられる。この為には、回転砥石と工作物との回転速度の比がうねりの振幅の大きさと関係する事を利用して、このプーリ1の内周面に研削加工や切削加工を行なう。尚、プーリをプレス加工ではなく研削加工や切削加工により形成する場合、(プーリの外周面3個所位置をチャックで抑え付ける為)内周面に山数が3の大きい振幅のうねりが存在する為、この場合には、この山数が3のうねりの振幅を山数が2のうねりの振幅よりも小さくなる様に加工する。
【0033】
上述の様に構成する本例のプーリ用回転支持装置によれば、プーリ用回転支持装置の運転時の異音の発生を抑える事ができる。即ち、転がり軸受2に組み込む玉5、5を7個{図2(A)}若しくは9個{図4(A)}としている為、玉5、5が偶数個の場合と比べて異音が発生しにくい。又、上記玉5、5の数が7個の場合に、上記異音の発生に影響与える、山数が3のうねりの振幅及び山数が4のうねりの振幅を、上記玉5、5の数が9個の場合に、上記異音の発生に影響与える、山数が4のうねりの振幅及び山数が5のうねりの振幅を、それぞれ外輪4をプーリ1の中心孔8に嵌合した状態で上述の様に規制している為、前記図3に示した様な隙間を小さくする事ができる。この為、外輪4の回転に伴い各玉5、5が外輪軌道7及び内輪軌道6に勢い良く衝突する事がない。これにより確実に上記異音の発生を抑える事ができる。
【0034】
尚、好ましくは、転がり軸受2の残留隙間を20μm以下に規制する。即ち、上記転がり軸受2を図示しない支持軸の外周面とプーリ1の中心孔8の内周面との間に組み付けた状態で、この転がり軸受2の残留隙間が20μm以下になる様に規制する。この様に、転がり軸受2の残留隙間を20μm以下とすれば、上記図3に示した様な、ラジアル荷重に支承する玉の両側に存在する玉5、5の転動面と内輪軌道6及び外輪軌道7との隙間をより小さくできる。この為には、上記支持軸の外周面と上記プーリ1の中心孔8の内周面との間に組み付ける以前でのこの転がり軸受2のラジアル内部隙間を、40μm以下に規制する。
【0035】
【発明の効果】
本発明のプーリ用回転支持装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、自動車用エンジンの運転時にプーリ等の回転部分で発生する異音を低減し、自動車等各種機械装置の運転時に発生する騒音の低減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるプーリ用回転支持装置の1例を示す要部断面図。
【図2】(A)は玉を7個組み込んだ転がり軸受を、(B)は玉を8個組み込んだ転がり軸受に加わるラジアル荷重の分布を、それぞれ示す模式図。
【図3】図2(B)の下部を、外輪軌道の変形を誇張した状態で示す模式図。
【図4】(A)は玉を9個組み込んだ転がり軸受を、(B)は玉を10個組み込んだ転がり軸受を外輪軌道に存在するうねりを誇張して、それぞれ示す模式図。
【符号の説明】
1 プーリ
2 転がり軸受
3 内輪
4 外輪
5 玉
6 内輪軌道
7 外輪軌道
8 中心孔
Claims (2)
- 支持軸と、この支持軸の周囲に転がり軸受を介して回転自在に支持されたプーリとを備え、この転がり軸受は、外周面に内輪軌道を有し上記支持軸に外嵌固定された内輪と、内周面に外輪軌道を有し上記プーリの中心孔に締り嵌めで内嵌固定された外輪と、この外輪軌道と上記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉とを備え、上記内輪の内径が25mm以下であるプーリ用回転支持装置に於いて、これら各玉の数が7個であり、上記外輪が上記中心孔に内嵌固定された状態で上記外輪軌道に存在するうねりのうち、山数が3のうねりの振幅及び山数が4のうねりの振幅が、山数が2のうねりの振幅よりも小さい事を特徴とするプーリ用回転支持装置。
- 支持軸と、この支持軸の周囲に転がり軸受を介して回転自在に支持されたプーリとを備え、この転がり軸受は、外周面に内輪軌道を有し上記支持軸に外嵌固定された内輪と、内周面に外輪軌道を有し上記プーリの中心孔に締り嵌めで内嵌固定された外輪と、この外輪軌道と上記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉とを備え、上記内輪の内径が25mm以下であるプーリ用回転支持装置に於いて、これら各玉の数が9個であり、上記外輪が上記中心孔に内嵌固定された状態で上記外輪軌道に存在するうねりのうち、山数が4のうねりの振幅及び山数が5のうねりの振幅が、山数が2のうねりの振幅と山数が3のうねりの振幅とのうち大きい方の振幅よりも小さい事を特徴とするプーリ用回転支持装置。
Priority Applications (1)
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JP2002284887A JP2004116751A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | プーリ用回転支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002284887A JP2004116751A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | プーリ用回転支持装置 |
Publications (2)
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JP2004116751A true JP2004116751A (ja) | 2004-04-15 |
JP2004116751A5 JP2004116751A5 (ja) | 2005-11-04 |
Family
ID=32278323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002284887A Pending JP2004116751A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | プーリ用回転支持装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004116751A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006105273A (ja) * | 2004-10-05 | 2006-04-20 | Jtekt Corp | 転動装置 |
US8104968B2 (en) * | 2006-03-27 | 2012-01-31 | Ntn Corporation | Rolling contact bearing |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002284887A patent/JP2004116751A/ja active Pending
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