JP3627330B2 - ベルト駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係るベルト駆動装置は、自動車のエンジンに組み込み、クランクシャフトの回転を各種補機の回転軸に伝達して、この回転軸を回転駆動するのに利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、発電機、コンプレッサ、パワーステアリング用のポンプ等、各種補機が組み込まれる。これらの補機は、エンジンのクランクシャフトにより無端ベルトを介して回転駆動する。即ち、クランクシャフトの端部に駆動プーリを固定し、上記補機の回転軸の端部に従動プーリを固定すると共に、これら両プーリ同士の間に無端ベルトを掛け渡して、上記クランクシャフトの回転に伴って上記回転軸を回転駆動する様にしている。又、上記無端ベルトの一部で上記駆動プールと従動プーリとの間部分にはアイドラプーリを押し付けて、この無端ベルトに所定の張力を付与する様にしている。
【0003】
図8〜9はこの様なベルト駆動装置を示す模式図である。上記クランクシャフトに相当する駆動軸1の端部には駆動プーリ2を、上記補機の回転軸に相当する従動軸3の端部には従動プーリ4を、それぞれ支持固定している。これら両プーリ2、4は上記各軸1、3に、キー係合等により結合して、各プーリ2、4と軸1、3とが同期して回転する様にしている。図示の例では、これら各プーリ2、4として、それぞれの断面形状がV字形である複数の凹溝を外周面の全周に亙って形成した、溝付プーリを使用している。そして、これら駆動プーリ2と従動プーリ4との間に、無端ベルト5を掛け渡している。この無端ベルト5は、内周面にそれぞれの断面形状がV字形である複数の突条(リブ)を形成した、所謂Vリブドベルトとしている。上記各プーリ2、4の外周面と無端ベルト5の内周面との形状をこの様にし、上記各プーリ2、4の外周面と上記無端ベルト5の内周面との接触面積及び接触面圧を確保する事により、これら各周面同士が滑る事を防止している。
【0004】
更に、上記無端ベルト5の一部で上記駆動プーリ2と従動プーリ4との間部分の内周面にはアイドラプーリ6を押し付けて、この無端ベルト5に所定の張力を付与している。このアイドラプーリ6は、上記駆動軸1及び従動軸3と平行な支持軸7の周囲に、転がり軸受8(本発明の実施の形態を示す図3参照)を介して回転自在に支持されている。このアイドラプーリ6の外周面にも、上述した駆動プーリ2及び従動プーリ4と同様に複数の溝を形成している。又、従来のベルト駆動装置の場合には、上記アイドラプーリ6は、図9に示す様に、上記駆動プーリ2及び従動プーリ4と同一平面上に位置させていた。尚、上記無端ベルト5に所定の張力を付与すべく、上記アイドラプーリ6を無端ベルト5に押圧する構造に関しては、例えば実開昭58−142441号公報、実開平6−14600号公報等に記載されている様に従来から周知であり、又、本発明の要旨とも関係ないので、説明を省略する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様な従来のベルト駆動装置の場合、支持軸7に対してアイドラプーリ6を回転自在に支承する為の転がり軸受8の耐久性を確保する事が難しかった。この理由に就いて、本発明の実施の形態を示す図3を参照しつつ説明する。上記支持軸7にアイドラプーリ6を支持する為の転がり軸受8は、無端ベルト5から加わるラジアル荷重を支承する機能の他、上記アイドラプーリ6の軸方向(図3の左右方向)に亙る位置決めを図れる構造のものを使用する必要がある。この為従来から、図3に示す様な単列の深溝型の玉軸受を、上記転がり軸受8として使用している。
【0006】
即ち、この転がり軸受8は、外周面に深溝型の内輪軌道9を有する内輪10と、内周面に深溝型の外輪軌道11を有する外輪12と、これら内輪軌道9と外輪軌道11との間に転動自在に設けられた複数の玉13、13とから構成される。そして、上記内輪10を支持軸7に外嵌固定し、上記外輪12を上記アイドラプーリ6に内嵌固定している。この結果、このアイドラプーリ6が上記支持軸7の周囲に回転自在に支持される。
【0007】
ところで、上述の様な転がり軸受8は、単独では予圧を付与したものを得る事は難しく、内部には正の(実際の)隙間が存在する。従って、上記アイドラプーリ6を介して外輪12にラジアル荷重を付与した状態では、この外輪12の中心と上記内輪10の中心とが、僅かとは言え不一致になる(内輪10に対して外輪12が偏心する)。この状態で上記アイドラプーリ6と共に外輪12が回転し、しかも上記転がり軸受8部分にエンジンの振動が、上記支持軸7及び無端ベルト5を介して加わると、これらアイドラプーリ6及び外輪12が、上記内輪10に対して振れ回り運動する。
【0008】
この様な振れ回り運動が発生すると、上記転がり軸受8部分の振動が増大するだけでなく、上記内輪軌道9及び外輪軌道11と上記各玉13、13の転動面との接触部に加わる応力が増大し、これら各軌道9、11及び転動面に早期剥離等の損傷が発生し易くなる。上記アイドラプーリ6を複列の組み合わせ軸受により支承すれば、この様な損傷の発生を防止して、このアイドラプーリ6を支承した転がり軸受部分の耐久性向上を図れる。但し、この転がり軸受部分の軸方向寸法が大きくなる為、現実には採用できない。
【0009】
本発明のベルト駆動装置は、この様な事情に鑑みて発明したもので、そのままでは予圧を付与する事が難しい単列の深溝型玉軸受を使用した場合でも、アイドラプーリが振れ回り運動をする事を防止し、このアイドラプーリを支承した深溝型玉軸受の耐久性向上を図るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のベルト駆動装置は、前述した従来のベルト駆動装置と同様に、駆動軸に固定された駆動プーリと、この駆動軸と平行な従動軸に固定された従動プーリと、この従動プーリと上記駆動プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと、上記駆動軸及び従動軸と平行な支持軸の周囲に転がり軸受を介して回転自在に支持されたアイドラプーリとを備える。そして、このアイドラプーリの外周面に形成した凹溝と上記無端ベルトとを係合させている。
【0011】
特に、本発明のベルト駆動装置に於いては、上記転がり軸受が単列の深溝型玉軸受である。そして、上記駆動プーリ及び従動プーリに対して上記アイドラプーリを、上記支持軸の軸方向に関し、このアイドラプーリをこれら駆動プーリ及び従動プーリに対して同じ方向に偏らせた状態で支持する事により、上記深溝型玉軸受にアキシャル荷重を付与している。
【0012】
更に好ましくは、請求項2に記載した様に、上記無端ベルトとしてVリブドベルトを使用すると共に、上記各プーリとして溝付プーリを使用する。そして、これら各プーリの外周面に形成した凹溝の溝幅をaとし、上記駆動プーリ及び従動プーリに対する上記アイドラプーリの軸方向の偏り量をsとした場合に、0.3<|s/a|<0.9とする。
【0013】
【作用】
上述の様に構成される本発明のベルト駆動装置の場合、アキシャル荷重に基づいて、単列の深溝型玉軸受に予圧が付与される。この結果、この深溝型玉軸受の内部隙間がなくなり、この深溝型玉軸受を構成する内輪の中心と外輪の中心とが一致する。従って、運転時に加わる振動等に拘らず、上記外輪及びこの外輪に外嵌固定されたアイドラプーリが内輪に対して振れ回り運動をしなくなる。この結果、上記深溝型玉軸受部分の振動が低減され、内輪軌道及び外輪軌道と転動面との接触部に加わる応力も緩和されて、早期剥離等の損傷を防止でき、深溝型玉軸受の耐久性向上を図れる。
【0014】
特に、Vリブドベルトと溝付プーリとを組み合わせ、0.3<|s/a|<0.9なる条件を満たすべく、アイドラプーリの変位量を規制すれば、深溝型玉軸受の耐久性向上と無端ベルトの耐久性向上とを両立できる。尚、この場合に、アイドラプーリと駆動プーリ及び従動プーリとのピッチ(プーリの中心間距離)Pは、無端ベルトの幅Wの4〜50倍、好ましくは8〜25倍の範囲に規制する。上記ピッチPが幅Wの50倍を超えると、無端ベルトから深溝型玉軸受に加えられるアキシャル荷重が不足して、この深溝型玉軸受に十分な予圧付与を行なえなくなる。反対に、上記ピッチPが幅Wの4倍に達しない場合には、上記無端ベルトに加わる曲げ応力が過大になって、この無端ベルトの寿命が損なわれる。特に、上記ピッチPを幅Wの8〜25倍の範囲に規制すれば、上記予圧付与と無端ベルトの寿命確保とを高次元で両立させる事ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、アイドラプーリ6を支承した、単列の深溝型玉軸受である転がり軸受8の振れ回り運動を防止すべく、この転がり軸受8に予圧を付与する為、上記アイドラプーリ6を駆動プーリ2及び従動プーリ4に対して偏らせて支持した点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述した従来構造と同様であるから、重複部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0016】
上記アイドラプーリ6を支持する支持軸7の基端部(図1、2の上端部、図3の左端部)は、基板14に支持固定されている。又、この支持軸7の基半部には円筒状の間座15を外嵌し、この間座15の先端面(図3の右端面)に、上記転がり軸受8を構成する内輪10の片端面(図3の左端面)を突き当てている。更に、この内輪10の他端面(図3の右端面)は、上記支持軸7の先端部(図1、2の下端部、図3の右端部)に螺着したナット16により抑え付けて、この内輪10を上記支持軸7の先端部に固定している。本第1例の場合には、上記間座15の長さ寸法L15を、前述の図9に示した従来構造を構成する間座15aの長さ寸法L15a よりも、次述するs分だけ短く(L15=L15a −s)している。この為、上記転がり軸受8により支持されたアイドラプーリ6が、上記駆動プーリ2及び従動プーリ4に対しs分だけ、軸方向(図1、2の上下方向、図3の左右方向)に偏っている。
【0017】
即ち、図2に示す様に、例えば駆動プーリ2の軸方向中央部の点O を通り駆動軸1及び支持軸7に直交する平面をF とし、上記アイドラプーリ6の軸方向中央部の点O を通り上記駆動軸1及び支持軸7に直交する平面をF とした場合に、これら両平面F 、F 同士が軸方向にs分だけずれている。本第1例の場合には、上記アイドラプーリ6に関する平面F が、基板14の側にsだけ偏っている。本明細書では、この様な方向にアイドラプーリ6が偏っている状態を、−(マイナス)のオフセット量が存在すると言う。
【0018】
この様なオフセット量sは、ベルト駆動装置を構成する各プーリ2、4、6の外周面に形成した凹溝17、17のピッチaに対応して規制する。後述する実施例から明らかな通り、無端ベルト5としてVリブドベルトを使用すると共に、上記各プーリ2、4、6として溝付プーリを使用した場合には、上記オフセット量sと溝幅aとの関係を、0.3<|s/a|<0.9とする事が好ましい。
【0019】
上述の様に構成される本発明のベルト駆動装置の場合、無端ベルト5の張力に基づいて発生するアキシャル荷重に基づいて転がり軸受8に、予圧が付与される。即ち、上記アイドラプーリ6に掛け渡された無端ベルト5は、このアイドラプーリ6により付与された張力に基づいて、上記駆動プーリ2と従動プーリ4との間で直線になろうとする。例えば、無端ベルト5の上辺5a(上下は図8の上下位置関係による。実際の使用状態とは関係ない。)はアイドラプーリ6に掛け渡されていない為、上記駆動プーリ2と従動プーリ4との間で直線となる。これに対してこの無端ベルト5の下辺5bは、上記アイドラプーリ6により図1に示す様に曲げられている。この為、張力付与の反作用として、無端ベルト5からアイドラプーリ6及びこのアイドラプーリ6に内嵌固定された外輪12に、アキシャル方向(図1、2の下向き、図3の右向き)の荷重が作用する。
【0020】
この様なアキシャル荷重は、上記転がり軸受8に対して予圧付与の為の荷重として働く。この結果、この転がり軸受8の内部隙間がなくなり、この転がり軸受8を構成する内輪10の中心と外輪12の中心とが一致する。従って、運転時に加わる振動等に拘らず、上記外輪12及びこの外輪12に外嵌固定されたアイドラプーリ6が内輪10に対して振れ回り運動をしなくなる。この結果、上記転がり軸受8部分の振動が低減され、内輪軌道9及び外輪軌道11と各玉13、13の転動面との接触部に加わる応力も緩和されて、早期剥離等の損傷を防止できて、転がり軸受8の耐久性向上を図れる。
【0021】
特に、無端ベルト5としてVリブドベルトを使用すると共に、上記各プーリ2、4、6として溝付プーリを使用した場合に、0.3<|s/a|<0.9なる条件を満たすべく、アイドラプーリ6のオフセット量sを規制すれば、転がり軸受8の耐久性向上と無端ベルト5の耐久性向上とを両立できる。この点に就いては、後述の実施例の項で詳しく述べる。
【0022】
次に、図4は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本第2例の場合には、支持軸7の基半部に外嵌する間座15bの長さ寸法L15b を、前述の図9に示した従来構造を構成する間座15aの長さ寸法L15a よりも、s分だけ長く(L15b =L15a +s)している。この為、転がり軸受8(図3参照)により支持されたアイドラプーリ6が上述した第1例とは逆側に、上記駆動プーリ2及び従動プーリ4に対しs分だけ、軸方向(図1、2の上下方向、図3の左右方向)に偏っている。本明細書では、この様な方向にアイドラプーリ6を偏らせた場合に、+(プラス)のオフセット量が存在すると言う。駆動プーリ2及び従動プーリ4に対するアイドラプーリ6の偏り方向を逆にした以外の構成及び作用に就いては、上述した第1例と同様である。
【0023】
尚、図示の実施の形態では、無端ベルト5としてVリブドベルトを使用し、各プーリ2、4、6として溝付プーリを使用しているが、本発明は、張力付与の反力として、ベルトからアイドラプーリにアキシャル荷重を付与できる構造であれば、実施可能である。例えば、一般的なVベルトとV溝プーリとを組み合わせたベルト駆動装置にも、本発明は実施可能である。但し、この場合のオフセット量は、上記Vリブドベルトと溝付プーリとの組み合わせの場合とは異なる値を採用する。
【0024】
【実施例】
次に、無端ベルト5としてVリブドベルトを使用し、各プーリ2、4、6として溝付プーリを使用した場合に、溝幅aとオフセット量sとの関係が、無端ベルト5及び転がり軸受8の寿命に及ぼす影響に就いて知る為に行なった実験に就いて説明する。実験の条件は次の通りである。
転がり軸受8 : 呼び番号6301(内径12mm、外径37mm、幅12mm)
駆動プーリ2の直径 : 55mm
従動プーリ4の直径 : 150mm
アイドラプーリ6の直径 : 80mm
各プーリ2、4、6の凹溝17、17の角度θ17(図2) : 36度
各プーリ2、4、6の凹溝17、17の溝幅a : 3.56mm
無端ベルト5 : バンドー社製の4山Vリブドベルト (商品番号:4PK−950)
無端ベルト5の長さ : 950mm
アイドラプーリ6の回転速度 : 6000r.p.m.
無端ベルト5の張力T : 100kgf
アイドラプーリ6と無端ベルト5とが接触している部分の中心角θ6−5
: 120度(図5)
転がり軸受8に加わるラジアル荷重F : 173kgf
オフセット量s : ±4、±3、±2、±1、0mmの9種類
試料の数 : 各オフセット量毎に5個ずつ、合計45個
実験の継続時間 : 1000時間
尚、上記値のうち、転がり軸受8に加わるラジアル荷重F は、上記張力Tに基づいて、F =T・[2{1+cos(180−θ6−5)}]1/2 =100・{2(1+cos60)}1/2 で求められる。
この様な条件で、合計45回行なった実験の結果に就いて、次表及び図5、6に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003627330
【0026】
先ず、上記表の記載に就いて説明する。オフセット量s及び|s/a|の意味は既に述べた通りである。軸受停止寿命とは、転がり軸受8に剥離を生じて著しい振動を発するか、或は無端ベルト5が破断して実験の継続が不能になるまでの時間を表している。各オフセット量sに関して同じ条件で5個ずつの転がり軸受8に就いて実験を行なったが、この軸受停止寿命の欄に記載した時間は、最も早期に剥離若しくは破断を生じた場合の時間を記載している。尚、この軸受停止寿命の欄が1000hrであるとは、全試料が最後まで剥離も破断も生じなかった事を表している。又、軸受剥離個数とは、上記5個の転がり軸受8のうち、1000時間に達する以前に剥離を生じた転がり軸受8の割合を示している。更に、ベルト破断数とは、無端ベルト5の破断により実験の継続が不能になったものの割合を示している。
【0027】
この表の記載から明らかな通り、上記オフセット量sが±1mm以下(|s/a|≦0.28)の場合には、転がり軸受8に早期剥離を発生するものが存在する。これに対して、上記オフセット量が±2mm以上(|s/a|≧0.56)になれば、転がり軸受8に早期剥離を発生する事はない。但し、上記オフセット量sが±4mmに達する(|s/a|=1.12)と、無端ベルト5が破断するものが発生する。
【0028】
図6は、この様な実験結果を整理した線図である。先ず、○印及び実線αは、|s/a|が転がり軸受8の剥離寿命に及ぼす影響を示している。又、△印及び破線βは、|s/a|が無端ベルト5の破断寿命に及ぼす影響を示している。上記表及びこの図6の記載から明らかな通り、|s/a|を大きくすれば転がり軸受8の剥離寿命を向上させる事ができるが、この|s/a|を過大にすると、無端ベルト5の破断寿命が低下する。従って、上記|s/a|は、転がり軸受8及び無端ベルト5の寿命を両立させる面から、所定範囲に規制する事が好ましい。この範囲としては、図6の記載から、0.3<|s/a|<0.9の範囲、更に好ましくは、0.5<|s/a|<0.9の範囲が考えられる。
【0029】
次に、図7は、|s/a|の値が転がり軸受8の振動の大きさに及ぼす影響を示している。|s/a|の値と振動の大きさとの関係を示す□印に付した1〜9の数値は、前記表の左端欄の試料番号に対応する。この図7から明らかな通り、|s/a|を大きくし、転がり軸受8に付与する予圧を大きくすると、この転がり軸受8の振動が小さくなる傾向となる。但し、この|s/a|が過大になると、無端ベルト5に加わる曲げ応力の影響を受けて、上記振動が増大する傾向となる。この図7からも、上記|s/a|の範囲を0.3<|s/a|<0.9、更に好ましくは、0.5<|s/a|<0.9の範囲に規制すべきである事が分る。
【0030】
【発明の効果】
本発明のベルト駆動装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、アイドラプーリを支承する単列の深溝型玉軸受の耐久性を向上させて、ベルト駆動装置のメンテナンスフリー化に寄与できる。更に、偏り量を規制する事により、無端ベルトの耐久性と転がり軸受の耐久性とを両立させる事も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図8のA−A断面に相当する図。
【図2】図1のB部拡大図。
【図3】無端ベルトの上辺をアイドラプーリに近付けた状態で示す、図2のC−C断面図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。
【図5】アイドラプーリに対する無端ベルトの掛け渡し部を、一部を省略して図3の右方から見た状態で示す図。
【図6】アイドラプーリのオフセット量が軸受剥離寿命及びベルト破断寿命に及ぼす影響を示す線図。
【図7】アイドラプーリのオフセット量が転がり軸受の振動に及ぼす影響を示す図。
【図8】本発明の対象となるベルト駆動装置を示す模式図。
【図9】従来構造を示す、図8のA−A断面図。
【符号の説明】
1 駆動軸
2 駆動プーリ
3 従動軸
4 従動プーリ
5 無端ベルト
5a 上辺
5b 下辺
6 アイドラプーリ
7 支持軸
8 転がり軸受
9 内輪軌道
10 内輪
11 外輪軌道
12 外輪
13 玉
14 基板
15、15a、15b 間座
16 ナット
17 凹溝

Claims (2)

  1. 駆動軸に固定された駆動プーリと、この駆動軸と平行な従動軸に固定された従動プーリと、この従動プーリと上記駆動プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと、上記駆動軸及び従動軸と平行な支持軸の周囲に転がり軸受を介して回転自在に支持されたアイドラプーリとを備え、このアイドラプーリの外周面に形成した凹溝と上記無端ベルトとを係合させたベルト駆動装置に於いて、上記転がり軸受が単列の深溝型玉軸受であり、上記駆動プーリ及び従動プーリに対して上記アイドラプーリを、上記支持軸の軸方向に関し、このアイドラプーリをこれら駆動プーリ及び従動プーリに対して同じ方向に偏らせた状態で支持する事により、上記深溝型玉軸受にアキシャル荷重を付与した事を特徴とするベルト駆動装置。
  2. 無端ベルトが、内周面にそれぞれの断面形状がV字形である複数の突条を形成したVリブドベルトであり、各プーリが、それぞれの断面形状がV字形である複数の凹溝を外周面の全周に亙って形成した溝付プーリであり、これら各プーリの外周面に形成した各凹溝の溝幅をaとし、駆動プーリ及び従動プーリに対するアイドラプーリの軸方向の偏り量をsとした場合に、0.3<|s/a|<0.9である、請求項1に記載したベルト駆動装置。
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