JP2004116719A - 軸受装置および軸受装置用ばね - Google Patents
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Abstract
【課題】実使用時における軸受装置用ばねによる外輪の軸に対する傾きを小さくすることのできる軸受装置および軸受装置用ばねを提供する。
【解決手段】軸11に沿って同軸配置されている第1軸受部12aおよび第2軸受部12bの各外輪13a、13b間に予圧を付与するための軸受装置用ばね30を製造する際に、軸受装置用ばね30のばね高さを、実使用時に第1軸受部12aの外輪13aと第2軸受部12bの外輪13bとの間に取付けられたときのばね高さHに設定して、両端を軸11に対して直交するように研削仕上げする。このため、実使用時における外輪13a、13bに対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばね30の予圧による外輪13a、13bの傾きを小さくすることができる
【選択図】 図5
【解決手段】軸11に沿って同軸配置されている第1軸受部12aおよび第2軸受部12bの各外輪13a、13b間に予圧を付与するための軸受装置用ばね30を製造する際に、軸受装置用ばね30のばね高さを、実使用時に第1軸受部12aの外輪13aと第2軸受部12bの外輪13bとの間に取付けられたときのばね高さHに設定して、両端を軸11に対して直交するように研削仕上げする。このため、実使用時における外輪13a、13bに対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばね30の予圧による外輪13a、13bの傾きを小さくすることができる
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばVTRドラムスピンドルモータ、HDDモータ等ディスクメモリスピンドルモータ、その他のモータに使用される軸受装置および軸受装置用ばねに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばVTRドラムスピンドルモータ、HDDモータ等ディスクメモリスピンドルモータ、その他のモータには、そのスピンドル(以下、「軸」という)を支承するために軸受装置が使用される。
このような軸受装置としては、例えば実用新案登録第2605288号公報に示されているようなものがある。
【0003】
図10に示すように、この軸受装置100では、回転軸101に沿って外周面に所定の間隔で内輪102、102が固定されている。この内輪102、102に対向して外輪103、103が複数個の転動体104を介して回転自在に設けられている。
そして、両外輪103、103に設けられているばね座部103a、103a間には、圧縮コイルばね105が介装されており、外輪103、103が互いに押圧されて予圧がかかるようになっている。
【0004】
また、図11には別の軸受装置110が示されている。この軸受装置110では、前述した軸受装置100における内輪102の代わりに、回転軸111に直接転動体112を配設する溝113が設けられている。
そして、転動体112を介して外輪114、114が回転自在に設けられている。また、両外輪114、114に設けられているばね座部114a、114aの間には、圧縮コイルばね115が介装されており、外輪114、114が互いに押圧されて予圧がかかるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧縮コイルばね105(115)により予圧された両列の外輪103(114)が、回転軸101(111)の軸芯に対して傾いてしまうと、例えばVTRなどの高精度のハウジングに組み込む際に、挿入時に引っ掛かりが生じて、軌道面にブリネリングなどをつけてしまい、傷音不良になることがある。
また、傾きが修正されないままハウジングに固定されると、軸芯に対してハウジングの振れまわりが大きくなり、テープの案内が規格範囲に入らないというような問題が生じる。
【0006】
この問題に対して、ばね座部103a(114a)を研削して直角度を出し、傾きを抑えることが行われているが、研削時の圧縮コイルばね105(115)の長さが実使用時の長さと異なると、いくら研削時に直角度を出しても実使用時には偏荷重が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、実使用時における軸受装置用ばねによる外輪の軸に対する傾きを小さくすることのできる軸受装置および軸受装置用ばねを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明にかかる軸受装置は、請求項1に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、
実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる前記外輪の前記軸に対する傾きが、前記実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの前記外輪の前記軸に対する傾きよりも小さくなることを特徴としている。
【0009】
このように構成された軸受装置においては、実使用時ばね高さよりも高いばね高さで且つ設定予圧より低いばね力で保持した状態で軸受装置用ばねの研削を行う。このとき、この低いばね力で予圧した状態で外輪が軸に対して傾くように研削し、実使用時における軸に対する外輪の傾きの方が小さくなるようにする。
これにより、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなり、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きが小さくなる。
【0010】
また、本発明にかかる軸受装置用ばねは、請求項2に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねであって、
実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる前記外輪の前記軸に対する傾きが、前記実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの前記外輪の前記軸に対する傾きよりも小さくなることを特徴としている。
【0011】
このように構成された軸受装置用ばねにおいては、実使用時ばね高さよりも高いばね高さで且つ設定予圧より低いばね力で保持した状態で軸受装置用ばねの研削を行う。このとき、この低いばね力で予圧した状態で外輪が軸に対して傾くように研削し、実使用時における軸に対する外輪の傾きの方が小さくなるようにする。
これにより、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなり、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きが小さくなる。
【0012】
また、本発明にかかる軸受装置は、請求項3に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、前記軸受装置用ばねが、実使用時に前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さで両端を研削仕上げしたものであることを特徴としている。
【0013】
このように構成された軸受装置においては、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、軸受装置用ばねのばね高さを、実使用時に第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さに設定して、両端を軸に対して直交するように研削仕上げする。
このため、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなり、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きが小さくなる。
【0014】
また、本発明にかかる軸受装置は、請求項4に記載したように、請求項3に記載した軸受装置において、前記軸に複数列の溝が設けられており、前記外輪が前記溝に配置されていることを特徴としている。
【0015】
このように構成された軸受装置においては、軸に設けられている溝に回転自在に設けられている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、軸受装置用ばねのばね高さを、実使用時に第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さに設定して両端を軸に対して直交するように研削仕上げする。
このため、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなり、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きが小さくなる。
【0016】
また、本発明にかかる軸受装置は、請求項5に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、
前記軸受装置用ばねが、指定高さにおいて前記外輪の前記軸に対する傾きが小さくなる方向に傾けて研削し、実使用時における前記軸受装置用ばねの端面が前記軸に対してほぼ垂直になるようにしたことを特徴としている。
【0017】
このように構成された軸受装置においては、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、指定ばね高さにおける軸に対する外輪の傾きが小さくなる方向に傾けて両端面を研削する。
これにより、バネ高さが小さくなる実使用時においては、端面が軸に対して垂直に近くなるため、軸に対して外輪がほぼ垂直になる。
【0018】
また、本発明にかかる軸受装置用ばねは、請求項6に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねであって、
前記軸受装置用ばねが、指定高さにおいて前記外輪の前記軸に対する傾きが小さくなる方向に傾けて研削し、実使用時における前記軸受装置用ばねの端面が前記軸に対してほぼ垂直になるようにしたことを特徴としている。
【0019】
このように構成された軸受装置用ばねにおいては、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、指定ばね高さにおける軸に対する外輪の傾きが小さくなる方向に傾けて両端面を研削する。
これにより、バネ高さが小さくなる実使用時においては、端面が軸に対して垂直に近くなるため、軸に対して外輪がほぼ垂直になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの第1実施形態である軸受装置10が示されている。また、図2には第2実施形態にかかる軸受装置20が示されている。
【0021】
図1に示すように、軸受装置10は、軸としての回転軸11に沿って同軸配置された第1軸受部12aおよび第2軸受部12bを有し、第1軸受部12aの外輪13aと第2軸受部12bの外輪13bとの間に予圧を付与するための軸受装置用ばねとしての圧縮コイルばね30が介装されている。
また、外輪13a、13bの内側には、複数個の転動体14を介して内輪15a、15bが各々相対的に回転自在に設けられており、この内輪15a、15bは回転軸11に固定されている。
なお、軸受の実使用時における圧縮コイルばね30のばね高さはHである。
【0022】
図2には、第2実施形態にかかる軸受装置20が示されている。なお、前述した軸受装置10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明は省略することとする。
この軸受装置20は、回転軸11の周面に複数列(ここでは2列)の溝21が設けられている。この溝21には複数個の転動体14が嵌合して移動自在に設けられており、この転動体14を介して外輪13a、13bが回転自在に設けられている。
そして、両外輪13a、13b間には、圧縮コイルばね30が介装されており、外輪13a、13bが互いに押圧されて予圧がかかるようになっている。なお、軸受の実使用時における圧縮コイルばね30のばね高さはHである。
【0023】
図3には、圧縮コイルばね30が巻かれた後の自由状態が示されている。
従って、この状態では、ばね力は発生しておらず、自由状態のばね高さはhである。また、圧縮コイルばね30を形成する部材の線径はdである。
【0024】
図4および図5には、圧縮コイルばね30の外形を案内キャリア板31で案内して、圧縮コイルばね30の両端部を、一対の砥石32、32を有する研削盤によって研削している状態を示している。
すなわち、図4においては粗研削を示しており、圧縮コイルばね30の外形を案内キャリア板31により案内し、一対の砥石32、32により圧縮コイルばね30を自由状態のばね高さhから線形dの半分程度まで押し縮めて研削を行っている。
【0025】
また、図5においては仕上研削を示しており、圧縮コイルばね30の外形を案内キャリア板31により案内し、一対の砥石32、32により圧縮コイルばね30を、実使用時ばね高さHまで押し縮めて研削を行っている。
なお、実使用時ばね高さHに押し縮めて研削すると研削しすぎてしまう場合には、研削に用いる砥石32の粒度を細かくすることや、圧縮コイルばね30に対する各砥石32、32の相対移動速度を調整することにより調整することが可能である。
【0026】
次に、図6(A)、(B)には、この発明の第3実施形態にかかる軸受装置60が示されている。なお、前述した軸受装置10、20と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明は省略することとする。
【0027】
図6(A)には、圧縮コイルばね30が実使用時ばね高さHである場合が示されている。また、図6(B)には、実使用時ばね高さHよりも高く且つ自然状態のばね高さhより低いばね高さH1の場合が示されている。すなわち、ばね高さH1は、H<H1<hである。
従って、図6(A)の場合には、圧縮コイルばね30により設定予圧が作用しており、図6(B)の場合には、設定予圧より低いばね力の予圧が作用している。ここで、圧縮コイルばね30の予圧による外輪13、13の回転軸11に対する傾きは、図6(A)に示す実使用時の場合の方が小さくなるように設定されている。
【0028】
次に、図7には、外輪13の傾きを測定する圧縮コイルばね30の評価治具40が示されている。この評価治具40は、評価する軸受装置10、20を支持する支持手段45と、回転軸11に同軸配置された軸受装置10、20の外輪13のうちの回転軸11から離れた方向を向く外側面13Aの周振れを測定可能な測定手段65とを有する。
【0029】
支持手段45は、断面逆T字状をしたベース46の中央にねじ孔47が鉛直に形成され、ねじ孔47の上端に連通する嵌合孔48が形成され、この嵌合孔48がベース46の上端46aに開口されている。
ねじ孔47にはストッパ49がねじ込まれて上下移動・位置決め自在となっている。また、ベース46の上端46aにはロック部材50のねじ部51が水平状態にねじ結合されることにより、ねじ部51の先端51aが嵌合孔48に突出可能とされている。
【0030】
軸受装置10(20)の回転軸11を、ベース46の嵌合孔48に嵌め込むことにより、回転軸11の下端面がストッパ49の上端49aに当接する。
この状態で、ロック部材50を締めてねじ部51の先端51aを回転軸11に当接することにより、回転軸11を測定位置にロックする。
【0031】
測定手段65は、一例として電気マイクロメータが該当する。この電気マイクロメータは本体66が図示せぬ支え部材に取り付けられ、接触子67が軸受装置30を構成する外輪13の外側面13Aに接触されている。
圧縮コイルばね30のばね高さが実使用時ばね高さであるHとなるようにして、外輪13を回転させながら外側面13Aの周振れを接触子67で測定することにより、実使用時における外輪13の傾きを測定することができる。
【0032】
以上、前述した軸受装置10、20によれば、外輪13、13間に介在させた圧縮コイルばね30を、実使用時における実使用時ばね高さHで圧縮コイルばね30の両端を回転軸11に対して直角となるように研削仕上したので、実使用時における外輪13に対する偏荷重を小さくすることができる。
これにより、圧縮コイルばね30の予圧による外輪13の傾きを小さくすることができる。
【0033】
次に、図8(A)、(B)には、第4実施形態にかかる軸受装置用ばねとしての圧縮コイルばね80が示されている。図8(A)は、圧縮コイルばね80の一端面80Aを研削している状態を示し、図8(B)は、圧縮コイルばね80を左右反転して他端面80Bを研削している状態を示している。
【0034】
図8(A)に示すように、この圧縮コイルばね80では、両端面80A、80Bにおける座巻き端81A、81Bが、180度位相がずれた位置に来るように作製されている。このような圧縮コイルばね80を外径チャック82内に収納して支持し、他端面80Bを固定壁面83に当接させ、圧縮コイルばね80のバネ高さを指定高さになるように砥石84により圧縮させながら一端面80Aを研削する。
【0035】
ここで、図9(A)に示すように、ばね高さが自由高さのときに端面80A、80Bが回転軸85に対して直角となっている場合には、圧縮コイルばね80を縮めた実使用時においては、図9(B)に示すように、座巻き端81A、81Bのために、端面80A、80Bが回転軸85に対して傾くことになる。
【0036】
そこで、図8(A)に示すように、指定高さにおいて回転軸85に対する外輪の傾きすなわち端面80Aの傾きが小さくなる方向(図中矢印の方向)である座巻き端81Aを押える方向に砥石84を傾けて一端面80Aの研削を行う。その後、圧縮コイルばね80を左右反転させ、研削した一端面80Aを固定壁面83に当接させ、同様にして砥石84を図中矢印の方向に傾けて研削をおこなう。
【0037】
この結果、実使用時高さにおける圧縮コイルばね80の端面80A、80Bが、回転軸85に対してほぼ垂直になるので、外輪の傾きを小さくすることができる。
なお、ばね座まき端がほぼ180度ずれた位置に来るように配置することにより、傾けて両端を研削し易くなる。
【0038】
なお、本発明の軸受装置および軸受装置用ばねは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態では、粗研削と仕上研削とを分けて行ったが、研削しろの調整が可能であれば、粗研削と仕上研削を分けずに一回で実使用高さまで研削仕上するようにしてもよい。
また、圧縮コイルばね30の両端部を研削する場合には、前述したように両端部を一度に研削することが可能であるが、片側ずつ研削するようにしてもまったく同様である。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明にかかる軸受装置によれば、請求項1に記載したように、実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる外輪の軸に対する傾きが、実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの外輪の軸に対する傾きよりも小さくなる。これにより、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きを小さくすることができる。
【0040】
また、本発明にかかる軸受装置用ばねによれば、請求項2に記載したように、実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる外輪の軸に対する傾きが、実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの外輪の軸に対する傾きよりも小さくなる。これにより、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きを小さくすることができる。
【0041】
本発明にかかる軸受装置によれば、請求項3に記載したように、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、軸受装置用ばねのばね高さを、実使用時に第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さに設定して、両端を軸に対して直交するように研削仕上げする。このため、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きを小さくすることができる。
【0042】
また、本発明にかかる軸受装置によれば、請求項4に記載したように、軸に設けられている溝に回転自在に設けられている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、軸受装置用ばねのばね高さを、実使用時に第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さに設定して両端を軸に対して直交するように研削仕上げする。このため、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きを小さくすることができる。
【0043】
また、本発明にかかる、軸受装置用ばねにおいては、請求項5に記載したように、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、指定ばね高さにおける軸に対する外輪の傾きが小さくなる方向に傾けて両端面を研削する。
これにより、バネ高さが小さくなる実使用時においては、端面が軸に対して垂直に近くなるため、軸に対して外輪がほぼ垂直になり、外輪の傾きを小さくすることができる。
【0044】
また、このように構成された軸受装置用ばねにおいては、請求項6に記載したように、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、指定ばね高さにおける軸に対する外輪の傾きが小さくなる方向に傾けて両端面を研削する。
これにより、バネ高さが小さくなる実使用時においては、端面が軸に対して垂直に近くなるため、軸に対して外輪がほぼ垂直になる。
なお、ばね座まき端がほぼ180度ずれた位置に来るように配置することにより、傾けて両端を研削し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの第2実施形態を示す断面図である。
【図3】圧縮コイルばねの全体図である。
【図4】圧縮コイルばねの粗研削の状態を示す説明図である。
【図5】圧縮コイルばねの仕上研削の状態を示す説明図である。
【図6】(A)、(B)には、本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの第3実施形態を示す一部破断の側面図である。
【図7】外輪の傾きを検出する評価治具を示す断面図である。
【図8】(A)、(B)は、圧縮コイルばねの一端面、又は他端面を研削している状態を示す断面図である。
【図9】(A)、(B)は、自由高さ又は実使用時高さにおける端面の傾きを示す説明図である。
【図10】従来の軸受装置の一例を示す断面図である。
【図11】従来の軸受装置の別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10、20 軸受装置
11、85 回転軸(軸)
12a 第1軸受部
12b 第2軸受部
13a、13b 外輪
21 溝
30、80 圧縮コイルばね(軸受装置用ばね)
H 実使用時ばね高さ
81A、81B 座巻き端
80A、80B 端面
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばVTRドラムスピンドルモータ、HDDモータ等ディスクメモリスピンドルモータ、その他のモータに使用される軸受装置および軸受装置用ばねに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばVTRドラムスピンドルモータ、HDDモータ等ディスクメモリスピンドルモータ、その他のモータには、そのスピンドル(以下、「軸」という)を支承するために軸受装置が使用される。
このような軸受装置としては、例えば実用新案登録第2605288号公報に示されているようなものがある。
【0003】
図10に示すように、この軸受装置100では、回転軸101に沿って外周面に所定の間隔で内輪102、102が固定されている。この内輪102、102に対向して外輪103、103が複数個の転動体104を介して回転自在に設けられている。
そして、両外輪103、103に設けられているばね座部103a、103a間には、圧縮コイルばね105が介装されており、外輪103、103が互いに押圧されて予圧がかかるようになっている。
【0004】
また、図11には別の軸受装置110が示されている。この軸受装置110では、前述した軸受装置100における内輪102の代わりに、回転軸111に直接転動体112を配設する溝113が設けられている。
そして、転動体112を介して外輪114、114が回転自在に設けられている。また、両外輪114、114に設けられているばね座部114a、114aの間には、圧縮コイルばね115が介装されており、外輪114、114が互いに押圧されて予圧がかかるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧縮コイルばね105(115)により予圧された両列の外輪103(114)が、回転軸101(111)の軸芯に対して傾いてしまうと、例えばVTRなどの高精度のハウジングに組み込む際に、挿入時に引っ掛かりが生じて、軌道面にブリネリングなどをつけてしまい、傷音不良になることがある。
また、傾きが修正されないままハウジングに固定されると、軸芯に対してハウジングの振れまわりが大きくなり、テープの案内が規格範囲に入らないというような問題が生じる。
【0006】
この問題に対して、ばね座部103a(114a)を研削して直角度を出し、傾きを抑えることが行われているが、研削時の圧縮コイルばね105(115)の長さが実使用時の長さと異なると、いくら研削時に直角度を出しても実使用時には偏荷重が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、実使用時における軸受装置用ばねによる外輪の軸に対する傾きを小さくすることのできる軸受装置および軸受装置用ばねを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明にかかる軸受装置は、請求項1に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、
実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる前記外輪の前記軸に対する傾きが、前記実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの前記外輪の前記軸に対する傾きよりも小さくなることを特徴としている。
【0009】
このように構成された軸受装置においては、実使用時ばね高さよりも高いばね高さで且つ設定予圧より低いばね力で保持した状態で軸受装置用ばねの研削を行う。このとき、この低いばね力で予圧した状態で外輪が軸に対して傾くように研削し、実使用時における軸に対する外輪の傾きの方が小さくなるようにする。
これにより、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなり、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きが小さくなる。
【0010】
また、本発明にかかる軸受装置用ばねは、請求項2に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねであって、
実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる前記外輪の前記軸に対する傾きが、前記実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの前記外輪の前記軸に対する傾きよりも小さくなることを特徴としている。
【0011】
このように構成された軸受装置用ばねにおいては、実使用時ばね高さよりも高いばね高さで且つ設定予圧より低いばね力で保持した状態で軸受装置用ばねの研削を行う。このとき、この低いばね力で予圧した状態で外輪が軸に対して傾くように研削し、実使用時における軸に対する外輪の傾きの方が小さくなるようにする。
これにより、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなり、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きが小さくなる。
【0012】
また、本発明にかかる軸受装置は、請求項3に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、前記軸受装置用ばねが、実使用時に前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さで両端を研削仕上げしたものであることを特徴としている。
【0013】
このように構成された軸受装置においては、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、軸受装置用ばねのばね高さを、実使用時に第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さに設定して、両端を軸に対して直交するように研削仕上げする。
このため、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなり、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きが小さくなる。
【0014】
また、本発明にかかる軸受装置は、請求項4に記載したように、請求項3に記載した軸受装置において、前記軸に複数列の溝が設けられており、前記外輪が前記溝に配置されていることを特徴としている。
【0015】
このように構成された軸受装置においては、軸に設けられている溝に回転自在に設けられている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、軸受装置用ばねのばね高さを、実使用時に第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さに設定して両端を軸に対して直交するように研削仕上げする。
このため、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなり、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きが小さくなる。
【0016】
また、本発明にかかる軸受装置は、請求項5に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、
前記軸受装置用ばねが、指定高さにおいて前記外輪の前記軸に対する傾きが小さくなる方向に傾けて研削し、実使用時における前記軸受装置用ばねの端面が前記軸に対してほぼ垂直になるようにしたことを特徴としている。
【0017】
このように構成された軸受装置においては、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、指定ばね高さにおける軸に対する外輪の傾きが小さくなる方向に傾けて両端面を研削する。
これにより、バネ高さが小さくなる実使用時においては、端面が軸に対して垂直に近くなるため、軸に対して外輪がほぼ垂直になる。
【0018】
また、本発明にかかる軸受装置用ばねは、請求項6に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねであって、
前記軸受装置用ばねが、指定高さにおいて前記外輪の前記軸に対する傾きが小さくなる方向に傾けて研削し、実使用時における前記軸受装置用ばねの端面が前記軸に対してほぼ垂直になるようにしたことを特徴としている。
【0019】
このように構成された軸受装置用ばねにおいては、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、指定ばね高さにおける軸に対する外輪の傾きが小さくなる方向に傾けて両端面を研削する。
これにより、バネ高さが小さくなる実使用時においては、端面が軸に対して垂直に近くなるため、軸に対して外輪がほぼ垂直になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの第1実施形態である軸受装置10が示されている。また、図2には第2実施形態にかかる軸受装置20が示されている。
【0021】
図1に示すように、軸受装置10は、軸としての回転軸11に沿って同軸配置された第1軸受部12aおよび第2軸受部12bを有し、第1軸受部12aの外輪13aと第2軸受部12bの外輪13bとの間に予圧を付与するための軸受装置用ばねとしての圧縮コイルばね30が介装されている。
また、外輪13a、13bの内側には、複数個の転動体14を介して内輪15a、15bが各々相対的に回転自在に設けられており、この内輪15a、15bは回転軸11に固定されている。
なお、軸受の実使用時における圧縮コイルばね30のばね高さはHである。
【0022】
図2には、第2実施形態にかかる軸受装置20が示されている。なお、前述した軸受装置10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明は省略することとする。
この軸受装置20は、回転軸11の周面に複数列(ここでは2列)の溝21が設けられている。この溝21には複数個の転動体14が嵌合して移動自在に設けられており、この転動体14を介して外輪13a、13bが回転自在に設けられている。
そして、両外輪13a、13b間には、圧縮コイルばね30が介装されており、外輪13a、13bが互いに押圧されて予圧がかかるようになっている。なお、軸受の実使用時における圧縮コイルばね30のばね高さはHである。
【0023】
図3には、圧縮コイルばね30が巻かれた後の自由状態が示されている。
従って、この状態では、ばね力は発生しておらず、自由状態のばね高さはhである。また、圧縮コイルばね30を形成する部材の線径はdである。
【0024】
図4および図5には、圧縮コイルばね30の外形を案内キャリア板31で案内して、圧縮コイルばね30の両端部を、一対の砥石32、32を有する研削盤によって研削している状態を示している。
すなわち、図4においては粗研削を示しており、圧縮コイルばね30の外形を案内キャリア板31により案内し、一対の砥石32、32により圧縮コイルばね30を自由状態のばね高さhから線形dの半分程度まで押し縮めて研削を行っている。
【0025】
また、図5においては仕上研削を示しており、圧縮コイルばね30の外形を案内キャリア板31により案内し、一対の砥石32、32により圧縮コイルばね30を、実使用時ばね高さHまで押し縮めて研削を行っている。
なお、実使用時ばね高さHに押し縮めて研削すると研削しすぎてしまう場合には、研削に用いる砥石32の粒度を細かくすることや、圧縮コイルばね30に対する各砥石32、32の相対移動速度を調整することにより調整することが可能である。
【0026】
次に、図6(A)、(B)には、この発明の第3実施形態にかかる軸受装置60が示されている。なお、前述した軸受装置10、20と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明は省略することとする。
【0027】
図6(A)には、圧縮コイルばね30が実使用時ばね高さHである場合が示されている。また、図6(B)には、実使用時ばね高さHよりも高く且つ自然状態のばね高さhより低いばね高さH1の場合が示されている。すなわち、ばね高さH1は、H<H1<hである。
従って、図6(A)の場合には、圧縮コイルばね30により設定予圧が作用しており、図6(B)の場合には、設定予圧より低いばね力の予圧が作用している。ここで、圧縮コイルばね30の予圧による外輪13、13の回転軸11に対する傾きは、図6(A)に示す実使用時の場合の方が小さくなるように設定されている。
【0028】
次に、図7には、外輪13の傾きを測定する圧縮コイルばね30の評価治具40が示されている。この評価治具40は、評価する軸受装置10、20を支持する支持手段45と、回転軸11に同軸配置された軸受装置10、20の外輪13のうちの回転軸11から離れた方向を向く外側面13Aの周振れを測定可能な測定手段65とを有する。
【0029】
支持手段45は、断面逆T字状をしたベース46の中央にねじ孔47が鉛直に形成され、ねじ孔47の上端に連通する嵌合孔48が形成され、この嵌合孔48がベース46の上端46aに開口されている。
ねじ孔47にはストッパ49がねじ込まれて上下移動・位置決め自在となっている。また、ベース46の上端46aにはロック部材50のねじ部51が水平状態にねじ結合されることにより、ねじ部51の先端51aが嵌合孔48に突出可能とされている。
【0030】
軸受装置10(20)の回転軸11を、ベース46の嵌合孔48に嵌め込むことにより、回転軸11の下端面がストッパ49の上端49aに当接する。
この状態で、ロック部材50を締めてねじ部51の先端51aを回転軸11に当接することにより、回転軸11を測定位置にロックする。
【0031】
測定手段65は、一例として電気マイクロメータが該当する。この電気マイクロメータは本体66が図示せぬ支え部材に取り付けられ、接触子67が軸受装置30を構成する外輪13の外側面13Aに接触されている。
圧縮コイルばね30のばね高さが実使用時ばね高さであるHとなるようにして、外輪13を回転させながら外側面13Aの周振れを接触子67で測定することにより、実使用時における外輪13の傾きを測定することができる。
【0032】
以上、前述した軸受装置10、20によれば、外輪13、13間に介在させた圧縮コイルばね30を、実使用時における実使用時ばね高さHで圧縮コイルばね30の両端を回転軸11に対して直角となるように研削仕上したので、実使用時における外輪13に対する偏荷重を小さくすることができる。
これにより、圧縮コイルばね30の予圧による外輪13の傾きを小さくすることができる。
【0033】
次に、図8(A)、(B)には、第4実施形態にかかる軸受装置用ばねとしての圧縮コイルばね80が示されている。図8(A)は、圧縮コイルばね80の一端面80Aを研削している状態を示し、図8(B)は、圧縮コイルばね80を左右反転して他端面80Bを研削している状態を示している。
【0034】
図8(A)に示すように、この圧縮コイルばね80では、両端面80A、80Bにおける座巻き端81A、81Bが、180度位相がずれた位置に来るように作製されている。このような圧縮コイルばね80を外径チャック82内に収納して支持し、他端面80Bを固定壁面83に当接させ、圧縮コイルばね80のバネ高さを指定高さになるように砥石84により圧縮させながら一端面80Aを研削する。
【0035】
ここで、図9(A)に示すように、ばね高さが自由高さのときに端面80A、80Bが回転軸85に対して直角となっている場合には、圧縮コイルばね80を縮めた実使用時においては、図9(B)に示すように、座巻き端81A、81Bのために、端面80A、80Bが回転軸85に対して傾くことになる。
【0036】
そこで、図8(A)に示すように、指定高さにおいて回転軸85に対する外輪の傾きすなわち端面80Aの傾きが小さくなる方向(図中矢印の方向)である座巻き端81Aを押える方向に砥石84を傾けて一端面80Aの研削を行う。その後、圧縮コイルばね80を左右反転させ、研削した一端面80Aを固定壁面83に当接させ、同様にして砥石84を図中矢印の方向に傾けて研削をおこなう。
【0037】
この結果、実使用時高さにおける圧縮コイルばね80の端面80A、80Bが、回転軸85に対してほぼ垂直になるので、外輪の傾きを小さくすることができる。
なお、ばね座まき端がほぼ180度ずれた位置に来るように配置することにより、傾けて両端を研削し易くなる。
【0038】
なお、本発明の軸受装置および軸受装置用ばねは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態では、粗研削と仕上研削とを分けて行ったが、研削しろの調整が可能であれば、粗研削と仕上研削を分けずに一回で実使用高さまで研削仕上するようにしてもよい。
また、圧縮コイルばね30の両端部を研削する場合には、前述したように両端部を一度に研削することが可能であるが、片側ずつ研削するようにしてもまったく同様である。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明にかかる軸受装置によれば、請求項1に記載したように、実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる外輪の軸に対する傾きが、実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの外輪の軸に対する傾きよりも小さくなる。これにより、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きを小さくすることができる。
【0040】
また、本発明にかかる軸受装置用ばねによれば、請求項2に記載したように、実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる外輪の軸に対する傾きが、実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの外輪の軸に対する傾きよりも小さくなる。これにより、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きを小さくすることができる。
【0041】
本発明にかかる軸受装置によれば、請求項3に記載したように、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、軸受装置用ばねのばね高さを、実使用時に第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さに設定して、両端を軸に対して直交するように研削仕上げする。このため、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きを小さくすることができる。
【0042】
また、本発明にかかる軸受装置によれば、請求項4に記載したように、軸に設けられている溝に回転自在に設けられている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、軸受装置用ばねのばね高さを、実使用時に第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さに設定して両端を軸に対して直交するように研削仕上げする。このため、実使用時における外輪に対する偏荷重が小さくなるので、軸受装置用ばねの予圧による外輪の傾きを小さくすることができる。
【0043】
また、本発明にかかる、軸受装置用ばねにおいては、請求項5に記載したように、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、指定ばね高さにおける軸に対する外輪の傾きが小さくなる方向に傾けて両端面を研削する。
これにより、バネ高さが小さくなる実使用時においては、端面が軸に対して垂直に近くなるため、軸に対して外輪がほぼ垂直になり、外輪の傾きを小さくすることができる。
【0044】
また、このように構成された軸受装置用ばねにおいては、請求項6に記載したように、軸に沿って同軸配置されている第1軸受部および第2軸受部の各外輪間に予圧を付与するための軸受装置用ばねを製造する際に、指定ばね高さにおける軸に対する外輪の傾きが小さくなる方向に傾けて両端面を研削する。
これにより、バネ高さが小さくなる実使用時においては、端面が軸に対して垂直に近くなるため、軸に対して外輪がほぼ垂直になる。
なお、ばね座まき端がほぼ180度ずれた位置に来るように配置することにより、傾けて両端を研削し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの第2実施形態を示す断面図である。
【図3】圧縮コイルばねの全体図である。
【図4】圧縮コイルばねの粗研削の状態を示す説明図である。
【図5】圧縮コイルばねの仕上研削の状態を示す説明図である。
【図6】(A)、(B)には、本発明に係る軸受装置および軸受装置用ばねの第3実施形態を示す一部破断の側面図である。
【図7】外輪の傾きを検出する評価治具を示す断面図である。
【図8】(A)、(B)は、圧縮コイルばねの一端面、又は他端面を研削している状態を示す断面図である。
【図9】(A)、(B)は、自由高さ又は実使用時高さにおける端面の傾きを示す説明図である。
【図10】従来の軸受装置の一例を示す断面図である。
【図11】従来の軸受装置の別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10、20 軸受装置
11、85 回転軸(軸)
12a 第1軸受部
12b 第2軸受部
13a、13b 外輪
21 溝
30、80 圧縮コイルばね(軸受装置用ばね)
H 実使用時ばね高さ
81A、81B 座巻き端
80A、80B 端面
Claims (6)
- 軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、
実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる前記外輪の前記軸に対する傾きが、前記実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの前記外輪の前記軸に対する傾きよりも小さくなることを特徴とする軸受装置。 - 軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねであって、
実使用時ばね高さの軸受装置用ばねによる前記外輪の前記軸に対する傾きが、前記実使用時ばね高さよりも高いばね高さで設定予圧より低いばね力で予圧されたときの前記外輪の前記軸に対する傾きよりも小さくなることを特徴とする軸受装置用ばね。 - 軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、
前記軸受装置用ばねが、実使用時に前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に取付けられたときの実使用時ばね高さで両端を研削仕上げしたものであることを特徴とする軸受装置。 - 前記軸に複数列の溝が設けられており、前記外輪が前記溝に配置されていることを特徴とする請求項3に記載した軸受装置。
- 軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねが介装された軸受装置であって、
前記軸受装置用ばねが、指定高さにおいて前記外輪の前記軸に対する傾きが小さくなる方向に傾けて研削し、実使用時における前記軸受装置用ばねの端面が前記軸に対してほぼ垂直になるようにしたことを特徴とする軸受装置。 - 軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の外輪と第2軸受部の外輪との間に予圧を付与するための軸受装置用ばねであって、
前記軸受装置用ばねが、指定高さにおいて前記外輪の前記軸に対する傾きが小さくなる方向に傾けて研削し、実使用時における前記軸受装置用ばねの端面が前記軸に対してほぼ垂直になるようにしたことを特徴とする軸受装置用ばね。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017002515A1 (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-05 | 株式会社日立製作所 | X線管装置及びx線ct装置 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283286A patent/JP2004116719A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017002515A1 (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-05 | 株式会社日立製作所 | X線管装置及びx線ct装置 |
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