JP2004116685A - 油圧制御バルブおよび自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

油圧制御バルブおよび自動変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】油圧制御バルブにおいて、形成が容易であると共に、スプールバルブのストローク量に対する流量変化を滑らかなものとすること。
【解決手段】外周面21dに形成され、ランド21bの端面21hからスプールバルブ21の摺動方向に所定幅wをもち内周面20eとの間に所定の隙間dを構成する段部21fを備える構成としたこと。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両の自動変速機の油圧制御に用いられる油圧制御バルブおよび自動変速機の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両の自動変速機の油圧制御においては、クラッチを非係合状態から係合状態へ移行させるに際しては、作動時間を短縮するために相当流量の油がクラッチ側へ供給されることとなるが、係合状態(半クラッチ状態および完全係合状態)では、非常に微流量の油が供給されることとなる。そして、油圧制御バルブは、このようなクラッチへの供給流量の変化に依らずに安定して油圧を制御することが望まれる。
【0003】
油圧制御バルブは、通常、複数のポートが形成された筒状のバルブボデーと、バルブボデー内に摺動可能に設けられ、バルブボデーの内周面と摺接する外周面を備えるランド部が形成されたスプールバルブとを備える構成となっている。そして、バルブボデーに対するスプールバルブの摺動位置に応じて、外周面でポートの開口面積を変化させる。その結果、クラッチの油圧室の油圧および流量を制御する。例えば、ランド部の外周面が、油圧制御バルブ内に油が供給されるポート(ラインポート)を全閉している状態ではクラッチ側への油の供給流量はほぼ0であるが、スプールバルブが摺動してランド部の端面がラインポート上を通過してラインポートが開口すると、クラッチ側への供給流量が上がる。そして、油圧制御バルブは、一般的に、このラインポートが開口する瞬間に、つまりランド部の端面がラインポートにかかる瞬間に、供給流量が急激に増加するという現象がおきる。その結果、上記の、クラッチの係合状態における微量流量での油圧の制御が困難であるという不具合がある。
【0004】
従って、油圧制御バルブにおいては、ランド部の縁(ランド部の外周面と端面とが交わる部分)等にノッチを形成する構成が従来から採られてきている。ノッチを形成した場合における、スプールバルブがバルブボデーに対して移動したストローク量、に対する、クラッチ側への供給流量の関係(以下、流量勾配と称する)を図10に示す。図10において、リーク領域は、ランド部の外周面がラインポートを全閉しながらスプールバルブが移動する領域であり、ノッチ領域は、ノッチの端面がラインポート上を通過しながらスプールバルブが移動する領域、ランド領域はランド部の端面がラインポート上を通過しながらスプールバルブが移動する領域である。
【0005】
図10から明らかな様に、リーク領域、ノッチ領域、ランド領域における各流量勾配は大きな差があり、それらが滑らかに繋がる構成とはなっていない。従って、ノッチを付する構成を採ったとしても、特に、リーク領域からノッチ領域に移行する場合の流量変化を小さく抑えることがやはり困難である。
【0006】
そして、かかる不具合を解決するための手段としては、ノッチを複数設け、各ノッチの、ランドの端面からスプールバルブ摺動方向への長さを異なる様に設定する構成や、ノッチを所定の形状とする構成も公知の技術となっている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、ノッチを複数形成し、かつ各ノッチの長さを所定の長さに設定する精度や、ノッチを所定の形状にする精度を必要とするために形成が困難であるという不具合があった。
【0007】
【特許文献1】特開平10−252903号公報(第2−5頁、図1−16)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、油圧制御バルブにおいて、形成が容易であると共に、スプールバルブのストローク量に対する流量変化を滑らかなものとすることを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にて講じた技術的手段は、周壁に複数のポートが形成された筒状のバルブボデーと、該バルブボデー内に摺動可能に設けられ、前記バルブボデーの内周面と摺接する外周面を備えるランド部が形成されるスプールバルブとを備え、該スプールバルブの前記バルブボデーに対する摺動位置に応じて前記外周面で前記ポートの開口面積を変化させて機器類へ供給する油圧を制御する油圧制御バルブであって、前記外周面に形成され、前記ランド部の端面から前記スプールバルブの摺動方向に所定幅をもち前記内周面との間に所定の隙間を構成する段部を備える構成としたことである。
【0010】
この構成では、スプールバルブがバルブボデーに対して摺動すると、スプールバルブは、ランド部がポートを全閉している領域(リーク領域)から、まず、ランド部の段部部分がポート上を通過する領域(段部領域)へと移行し、更に、ランド部の端面がポート上を通過する領域(ランド領域)へ移行する。段部領域では、バルブボデーの内周面との間に所定の隙間を構成しているため、この隙間を介して油が流れる。このとき、この隙間を非常に小さく設定しておけば、リーク領域から段部領域へ移行する際の油の流量勾配の変化を非常に小さくすることができる。従って、スプールバルブのストローク量に対する流量変化を滑らかなものとすることができる。
【0011】
更にこの場合、段部の周方向の大きさを大きく、例えば全周に渡る様に設定しておけば、段部領域における流量は、いわゆる環状隙間内の粘性流体の流量特性に従うため、その流量勾配を、小ストローク量で滑らかに増大させることができる。その結果、段部領域からランド領域へ移行する際にも、流量勾配の差を小さく設定することとなるため、その際の流量変化も滑らかなものとなる。
【0012】
そして、この段部は、ランド部の端面から所定幅を持つように外周面に形成するだけで足りるため、その形成は容易なものとなっている。
【0013】
好ましくは、前記段部に形成され、前記端面から前記スプールバルブの移動方向に切欠形成されたノッチを備えると良い。
【0014】
この構成では、上記の段部領域とランド領域の間にノッチがポート上を通過しながらスプールバルブが移動する領域(ノッチ領域)が設定される構成となる。ノッチ領域の流量勾配は、段部領域とランド領域の流量勾配の間の値となるため、スプールバルブのストローク量に対する流量変化は、より滑らかなものとなる。
【0015】
更に、駆動側回転体と従動側回転体とからなる摩擦係合要素と、押付力により前記駆動回転体側と前記従動回転体の一方と当接して前記駆動側回転体と前記従動回転体とを係合可能なピストンと、該ピストンにより前記摩擦係合要素と区画されると共に供給される油圧に応じて前記ピストンへの押付力を変化させる油圧室と、該油圧室に供給する油圧を制御する油圧制御機構とを備え、前記駆動側回転体と前記従動側回転体とを係合または非係合させて変速段を切替える自動変速機の油圧制御装置であって、前記油圧制御機構は、周壁に複数のポートが形成された筒状のバルブボデーと、該バルブボデー内に摺動可能に設けられ、前記バルブボデーの内周面と摺接する外周面を備えるランド部が形成されるスプールバルブと、前記外周面に形成され、前記ランド部の端面から前記スプールバルブの摺動方向に所定幅をもち前記内周面との間に所定の隙間を構成する段部とを備え前記スプールバルブの摺動位置に応じて前記外周面で前記ポートの開口面積を変化させて前記油圧室へ供給する油圧を制御する油圧制御バルブを備え、前記ピストンに形成され前記油圧室外へ油を排出する連通路をチョーク化した構成とすると良い。
【0016】
この自動変速機の油圧制御装置では、油圧制御バルブが段部と内周面との間の隙間の流れを利用するため、温度変化による隙間の通過流量変化が大きいものとなる。すなわち、低温では油の粘性が上がり、その結果、隙間を流れる流量が少なくなってしまう。ここで、油圧室外へ油を排出する連通路をチョーク化することにより、低温における、油圧室へ供給する油の必要量自体を少なくし、隙間の流量低下による影響を少ないものとすることができる。1
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態を、添付図面を基に説明する。尚、各図においては、後述するバルブボデー20、スプールバルブ21の半分、ピストン12、駆動側回転体11a、従動側回転体11bおよび図1示油圧室13は断面図にて示している。
【0018】
図1乃至図3は、自動変速機の油圧制御装置10(自動変速機の油圧制御装置)の構成を示す概略図である。自動変速機の油圧制御装置10は、駆動側回転体11a(駆動側回転体)と従動側回転体11b(従動側回転体)とからなるクラッチ装置11(摩擦係合要素)と、押付力により駆動側回転体11aと当接して駆動側回転体11aと従動側回転体11bとを係合可能なピストン12(ピストン)(図2示)と、ピストン12によりクラッチ装置11と区画されると共に供給される油圧に応じてピストン12への押付力を変化させる油圧室13(油圧室)と、油圧室13に供給する油圧を制御する油圧制御機構80(油圧制御機構)等を備えている。そして、駆動側回転体11aと従動側回転体11bとを係合または非係合させて変速段(図示なし)を切替える。
【0019】
図1に示す様に、油圧制御機構80は、ストレーナ90の作動油を汲み上げて油圧を発生する油圧源としてのオイルポンプ82と、オイルポンプ82により発生した油圧を調整するレギュレータバルブ83と、その油圧を減圧するモジュレータバルブ84と、モジュレータバルブ84からの油圧を調圧するリニアソレノイドバルブ85と、リニアソレノイドバルブ85によって調圧された油圧に基づいてレギュレータバルブ83から供給されるライン圧を調圧して油圧室13内に作動油を供給するコントロールバルブ86(油圧制御バルブ)と、コントロールバルブ86から供給される作動油の油路の切替えを行うシフトバルブ87等から構成されている。電子制御装置81は、車両の状態に基づいて所望の自動変速機の変速段となる様に、クラッチ装置11や他の複数のクラッチ装置(図示なし)への油圧の供給を制御する。
【0020】
図3に示す様に、コントロールバルブ86は、バルブボデー20(バルブボデー)と、バルブボデー20内に摺動可能に設けられたスプールバルブ21(スプールバルブ)を主として構成されている。
【0021】
バルブボデー20は筒形状をしており、その壁20a(周壁)に複数のポートが形成されている。ポートとしては、レギュレータバルブ83側から作動油が供給されるラインポート20b(ポート)と、シフトバルブ87を介して油圧室13に作動油を供給する供給ポート20c(ポート)と、ドレンポート20d(ポート)が形成されている。
【0022】
また、スプールバルブ21は、バルブボデー20内を図3示上下方向に摺動する。そして、摺動方向に3つのランド21a、21b、21c(ランド部)が形成されている。各ランド21a、21b、21cの外周面21d(外周面)は、バルブボデー20の内周面20e(内周面)と摺接する構成となっている。そして、ランド21b、21cの外周面21dは、スプールバルブ21のバルブボデー20に対する摺動位置に応じて、ラインポート20b、供給ポート20c、ドレンポート20dの開口面積を変化させる。その結果、油圧室13に供給する作動油の油圧を制御している。尚、このスプールバルブ21のバルブボデー20に対する摺動位置は、図示しないソレノイドおよびスプリングとバルブボデー20内の油圧に依って制御される。
【0023】
次に、ランド21a、21bにそれぞれ形成されている段部21e、21f(段部)について説明する。ランド21aの外周面21dには、図3示下側の端面21g(端面)からスプールバルブ21の摺動方向である図3示上方向に所定の幅wをもち、内周面20eとの間に所定の隙間dを構成する段部21eが形成されている。この段部21eは、ランド21aの外周面21dの周方向全体(全周)に渡って形成されている。本実施の形態では、この段部21eは、外周面21dの全周を研磨して加工したものであり、非常に形成が容易なものとなっている。同様に、ランド21bの外周面21dには、図3示上側の端面21h(端面)からスプールバルブ21の摺動方向である図3示下方向に所定の幅wをもち、内周面20eとの間に所定の隙間dを構成する段部21fが形成されている。そして段部21fもランド21bの外周面21dの全周を研磨して加工したものであり、非常に形成が容易なものとなっている。尚、本実施の形態では、段部21eと21fの幅wと隙間dは同一となっているが、同一に限られるものではない。
【0024】
段部21eには、端面21gから図3示上方向に切欠形成されたノッチ21i(ノッチ)が形成されている。ノッチ21iは段部21eの周方向の所定箇所に形成されている。同様に、段部21bには、端面21hから図2示下方向に切欠形成されたノッチ21j(ノッチ)が形成されている。ノッチ21jも段部21fの周方向の所定箇所に形成されている。
【0025】
次に、ピストン12について説明する。図2に示す様に、ピストン12には、油圧室13からクラッチ11側へ作動油を排出する連通路12a(連通路)が形成されている。この連通路12aはチョーク化されている。従って、油圧が一定の場合に、作動油の流量が粘性に依存しないオリフィス形状のものとは異なり、作動油の粘性が上がると流量が低下する構成となっている。例えば、作動油の温度が低い場合には、粘性が上がり流量が低下する構成となっている。
【0026】
ここで、本実施の形態の自動変速機の油圧制御装置10の作動について説明する。
【0027】
クラッチ11の非係合状態から、油圧制御機構80によって油圧室13に油圧が供給されると、ピストン12がクラッチ11側に移動する。図4に実線で示す様に、この場合、変速段の切替えに要する作動時間を短縮するために、変速開始時点t1からt2までは高い油圧を供給してピストン12を素早くクラッチ11側に移動させる。そして、t2からt4までは、低い油圧を供給してピストン12をクラッチ11に徐々に近接させる。そして、t4の時点でクラッチ11は、いわゆる半クラッチ状態となり、t4からt5の間では直線的に油圧を上げることにより、半クラッチ状態から完全係合状態となる。そして、t5以後は完全係合状態を維持するために所定の油圧を保持する。
【0028】
この一連の作動における作動油の供給流量を図4に併示(点線)している。つまり、t1からt2までは、前述の様にピストン12を移動させる油圧を供給させるために多流量の作動油を供給する。その後t3まで流量を直線的に減らし、t3からt4までは、低い供給流量にて一定に保つ待機状態となる。その後、t4からt5までは、流量を直線的に増加させ、t5以後は所定流量にて保持される。図4に示す様に、クラッチ11が係合する前のt1からt4の状態では、その作動に必要な係合前必要流量はQbのレンジとなり、クラッチ11が係合した後のt4以後では、その作動に必要な係合後必要流量はQaのレンジとなっている。尚、特にクラッチ11の係合後状態では、作動油が前述のピストン12の連通路12aから排出される構成となっている。
【0029】
次に、作動油を供給するコントロールバルブ86の作動および油圧室13側への供給流量について説明する。
【0030】
図5aは、ランド21bの外周面21dがラインポート20bを全閉している状態である。この状態では、供給ポート20cとドレンポート20dが開いており、油圧室13側への流量はほぼ0となっている。この状態におけるスプールバルブ21の摺動領域をリーク領域(図6示)と称する。この状態からスプールバルブ21が図5示下方向へ摺動すると、図5bに示す様に、段部21fがラインポート20b上を通過しながらスプールバルブ21が摺動する状態となる。この状態におけるスプールバルブ21の摺動領域を段部領域(図6示)と称する。この領域では、隙間dを介して、ラインポート20bからバルブボデー20内に作動油が流れる。更に、スプールバルブ21が図5示下方向へ摺動すると、図5cに示す様に、ノッチ21jがスプールバルブ20b上を通過しながらスプールバルブ21が摺動する状態となる。この状態におけるスプールバルブ21の摺動領域をノッチ領域(図6示)と称する。この領域では、ランド21aにより、ドレンポート20dからの作動油の排出が停止する。更に、スプールバルブ21が下方向へ移動すると、図示していないが、ランド21bの端面21hがラインポート20b上を通過しながらスプールバルブが摺動する状態となる。この状態におけるスプールバルブ21の摺動領域をランド領域と称する。
【0031】
図6には、リーク領域からノッチ領域までのスプールバルブ21の摺動ストローク(横軸)と、油圧室13側への供給流量(縦軸)との関係を示している。前述した様に、段部領域では隙間dを介して作動油が流れるが、本実施の形態では、隙間dを非常に小さく設定してあるため、リーク領域から段部領域に移行する際の、流量勾配(スプールバルブ21のストローク量に対する流量の変化量)の変化が殆ど無いものとなっている。つまり、スプールバルブ21のストローク量に対する流量の変化は滑らかなものとなっている。
【0032】
更に、段部領域においては、段部21fが外周面21dの全周に渡って形成されているため、その流量変化は、いわゆる環状隙間内の粘性流体特性に従うこととなる。つまり、流量は、ランド21bの外周面21dとバルブボデー20の内周面20eの重なり量L(図3示)に反比例する。その結果、小ストローク量で、流量勾配を滑らかに増大させることができる。その結果、段部領域からノッチ領域に移行するに際しても、流量勾配の差が小さいものとなる。また、図6に示した様に、段部領域からノッチ領域への移行点における流量Qtは、係合後必要流量Qaのレンジ外となっている。従って、クラッチ11の係合後における微流量での制御においても、滑らかに流量を変化させることができる。そして、コントロールバルブ86による油圧制御も安定したものとなる。
【0033】
図7には、スプールバルブ21のストローク量と流量との関係の温度変化による影響の特性を示している。図7に示す様に、本実施の形態のコントロールバルブ86は、段部領域では微小な隙間dの流れを利用するため、温度による流量へ影響が大きいものとなっている。つまり、作動油の温度が低下することにより粘性が上がると、同一のストローク量における流量が低下する(図7示点線の特性から実線の特性へ移行する)。その結果、段部領域からノッチ領域への移行点における流量Qtも小さくなる。ここで、前述した様に、ピストン12の連通路12aはチョーク化したものであり、作動油の温度が低下することにより粘性が上がると連通路12aの流量も低下する構成となっている。従って、作動油の温度が低下した場合には、係合後必要流量Qaのレンジも小さくなる(図7示1点鎖線から図7示2点鎖線へ移行する)。以上の様に、作動油の温度が低下することにより移行点の流量Qtが低下しても、流量Qtが係合後必要流量Qaのレンジ内となることがなく、コントロールバルブ86の油圧室13側への流量、油圧制御に対する温度による影響が出ない構成となっている。
【0034】
また、ランド21aの段部21eについては、図5cの状態から図5bの状態へ移行したときに、この段部21eの隙間dを介して、作動油がドレンポート20dへ流れる。従って、その際の流量変化が滑らかなものとなっている。
【0035】
本実施の形態では、段部21e、21fが、外周面21dの全周に渡って形成されている構成としたが、全周に限られるものではない。即ち、段部領域の周方向の大きさは、段部領域での流量特性が前述の環状隙間内の粘性流体特性に従う程度に形成されていれば良い。尚、本実施の形態では、全周に渡って形成することにより、形成が容易なものとなっている。
【0036】
(第2の実施の形態)第2の実施の形態を図8に示す。図8に示す様に、本実施の形態のスプールバルブ21には、ノッチ21i、21jが無い構成となっている。この構成では、段部領域からランド領域へ(ノッチ領域を経由せずに)移行することとなる。ランド領域での流量勾配は、第1の実施の形態のノッチ領域の流量勾配よりも大きいものであるが、例えば、段部21e、21fの幅wを第1の実施の形態より大きく設定するか、隙間dを幅wに応じて変化させる様な構成とすることにより、段部領域からノッチ領域移行直前の流量勾配を、ランド領移行直後の流量勾配に近づけることが可能である。そうすることにより、段部領域からランド領域への移行時の流量変化を滑らかなものとすることが可能である。
【0037】
(第3の実施の形態)第3の実施の形態を図9に示す。図9に示す様に、本実施の形態では、ノッチ20f、20gが、バルブボデー20の壁20aのラインポート20b、ドレンポート20dの開口する部分に切欠形成されている。このような構成においても、段部21e、21fによって流量変化を滑らかに制御でき、流量、油圧の制御は安定したものとなる。また、ノッチは供給ポート20cの開口する部分に切欠形成されていても良い。
【0038】
【発明の効果】
本発明では、リーク領域から段部領域へ移行する際の油の流量勾配の変化を非常に小さくすることができる。従って、スプールバルブのストローク量に対する流量変化を滑らかなものとすることができる。また、段部の周方向の大きさを大きく、例えば全周に渡る様に設定しておけば、段部領域における流量は、いわゆる環状隙間内の粘性流体の流量特性に従うため、その流量勾配を、小ストローク量で滑らかに増大させることができる。更に、段部は、ランド部の端面から所定幅を持つように外周面に形成するだけで足りるため、その形成は容易なものとなっている。
【0039】
本発明では、ノッチ領域が設定されれば、ノッチ領域の流量勾配は、段部領域とランド領域の流量勾配の間の値となるため、スプールバルブのストローク量に対する流量変化は、より滑らかなものとなる。
【0040】
本発明では、油圧室外へ油を排出する連通路をチョーク化することにより、低温における、油圧室へ供給する油の必要量自体を少なくし、隙間の流量低下による影響を少ないものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置のコントロールバルブからクラッチまでの構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置のコントロールバルブを示す図である。
【図4】第1の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置の作動時における油圧および流量変化を説明する図である。
【図5】第1の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置のコントロールバルブの作動を示す図である。
【図6】第1の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置のコントロールバルブの作動による流量変化を示す図である。
【図7】第1の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置のコントロールバルブの作動による流量変化の温度による影響を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置のコントロールバルブを示す図である。
【図9】第3の実施の形態における自動変速機の油圧制御装置のコントロールバルブを示す図である。
【図10】従来の油圧制御バルブの作動による流量変化を示す図である。
【符号の説明】
10 自動変速機の油圧制御装置
11 クラッチ(摩擦係合要素)
11a 駆動側回転体
11b 従動側回転体
12 ピストン
12a 連通路
13 油圧室
20 バルブボデー
20a 壁(周壁)
20b ラインポート(ポート)
20c 供給ポート(ポート)
20d ドレンポート(ポート)
20e 内周面
21 スプールバルブ
21a ランド(ランド部)
21b ランド(ランド部)
21c ランド(ランド部)
21d 外周面
21e 段部
21f 段部
21g 端面
21h 端面
21i ノッチ
21j ノッチ
80 油圧制御機構
86 コントロールバルブ(油圧制御バルブ)
d 隙間
w 幅

Claims (3)

  1. 周壁に複数のポートが形成された筒状のバルブボデーと、
    該バルブボデー内に摺動可能に設けられ、前記バルブボデーの内周面と摺接する外周面を備えるランド部が形成されるスプールバルブと
    を備え、該スプールバルブの前記バルブボデーに対する摺動位置に応じて前記外周面で前記ポートの開口面積を変化させて機器類へ供給する油圧を制御する油圧制御バルブであって、
    前記外周面に形成され、前記ランド部の端面から前記スプールバルブの摺動方向に所定幅をもち前記内周面との間に所定の隙間を構成する段部を備えることを特徴とする油圧制御バルブ。
  2. 前記段部に形成され、前記端面から前記スプールバルブの移動方向に切欠形成されたノッチを備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御バルブ。
  3. 駆動側回転体と従動側回転体とからなる摩擦係合要素と、
    押付力により前記駆動回転体側と前記従動回転体の一方と当接して前記駆動側回転体と前記従動回転体とを係合可能なピストンと、
    該ピストンにより前記摩擦係合要素と区画されると共に供給される油圧に応じて前記ピストンへの押付力を変化させる油圧室と、
    該油圧室に供給する油圧を制御する油圧制御機構と
    を備え、前記駆動側回転体と前記従動側回転体とを係合または非係合させて変速段を切替える自動変速機の油圧制御装置であって、
    前記油圧制御機構は、周壁に複数のポートが形成された筒状のバルブボデーと、該バルブボデー内に摺動可能に設けられ、前記バルブボデーの内周面と摺接する外周面を備えるランド部が形成されるスプールバルブと、前記外周面に形成され、前記ランド部の端面から前記スプールバルブの摺動方向に所定幅をもち前記内周面との間に所定の隙間を構成する段部とを備え前記スプールバルブの摺動位置に応じて前記外周面で前記ポートの開口面積を変化させて前記油圧室へ供給する油圧を制御する油圧制御バルブを備え、
    前記ピストンに形成され前記油圧室外へ油を排出する連通路をチョーク化したことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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