JP2003106436A - 車両用流体圧制御装置 - Google Patents

車両用流体圧制御装置

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JP2003106436A
JP2003106436A JP2001303893A JP2001303893A JP2003106436A JP 2003106436 A JP2003106436 A JP 2003106436A JP 2001303893 A JP2001303893 A JP 2001303893A JP 2001303893 A JP2001303893 A JP 2001303893A JP 2003106436 A JP2003106436 A JP 2003106436A
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JP
Japan
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pressure
fluid pressure
working fluid
port
regulating valve
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JP2001303893A
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English (en)
Inventor
Norihiro Yamamura
憲弘 山村
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JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動源で駆動されるポンプの吐出圧を第1調圧
弁でドレンして余剰流体圧を下流圧とするとき、流量制
御弁を必要とせず、第1調圧弁の下流圧の安定化を図
る。 【解決手段】無段変速機構等のアクチュエータの作動状
態に応じて設定されるプーリ目標圧と、第1調圧弁の下
流圧を用いて設定する必要クラッチ圧と、エンジンの回
転速度と共に大きく設定されるライン圧最小値とのうち
の最も大きな値をライン圧の下限値とし、ポンプからの
吐出流量が大きくなるエンジン回転速度の高回転域で
は、入力軸トルクや変速比に応じて設定される基準ライ
ン圧をライン圧下限値以上に制限することで、ライン圧
が低くなりすぎて第1調圧弁の流量係数が変化数のを防
止し、もって下流圧を安定化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば変速装置な
どの作動流体圧を制御する車両用流体圧制御装置に関
し、特に溝幅が可変の一対のプーリで、巻回されたベル
トを挟持する無段変速機構への作動流体圧を制御するの
に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】このような無段変速機構を搭載した車両
用流体圧制御装置としては、例えば特開平10−894
62号公報に記載されるものがある。この公報に記載さ
れる車両用流体圧制御装置では、オイルポンプの吐出圧
を流量制御弁で制限し、その出力圧をライン圧調圧弁
(第1調圧弁)でドレンして、前記無段変速機構(第1
アクチュエータ)への作動流体圧としてライン圧を調圧
し、その余剰流体圧をクラッチ圧調圧弁(第2調圧弁)
でドレンして、前進用クラッチ(摩擦要素、第2アクチ
ュエータ)への作動流体圧としてクラッチ圧を調圧して
いる。前記ライン圧調圧弁やクラッチ圧調圧弁は、モデ
ィファイヤ用デューティ弁を介して無段変速制御装置か
らの信号に基づいてライン圧やクラッチ圧を調圧してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
車両用流体圧制御装置では、ポンプの吐出圧を制限する
ために流量制御弁を用いているため、部品点数やコスト
面で不利であり、また装置が大型化するという問題があ
る。このような問題を回避するためには、流量制御弁を
削除すればよいが、そのようにしたのでは調圧不良によ
り下流圧、つまりクラッチ圧が不安定になるという問題
がある。これは、ライン圧が低く、下流圧、つまりクラ
ッチ圧との差圧が小さい状況で、オイルポンプから大流
量の作動流体が流れ込むと、それをドレンするためにラ
イン圧調圧弁のスプールが大きく移動し、リターンスプ
リングの縮み代が大きくなってポート間の流量係数が下
がり、下流ポート側に作動流体が流れないという現象が
生じるためである。
【0004】本発明は、上記従来例の未解決の課題に着
目してなされたものであり、流量制御弁を必要とせず、
且つ下流圧を安定化することができる車両用流体圧制御
装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係る車両用流体圧制御装置
は、駆動源によって駆動されるポンプと、制御手段から
の信号に基づき、前記ポンプからの吐出圧をドレンして
第1アクチュエータへの作動流体圧を調圧すると共に余
剰流体圧を下流側に供給する第1調圧弁と、前記制御手
段からの信号に基づき、前記第1調圧弁の余剰流体圧を
調圧して第2アクチュエータへの作動流体圧を調圧する
第2調圧弁とを備え、前記制御手段は、駆動源回転速度
が所定値以上であるときに前記第1アクチュエータへの
作動流体圧を所定値以上とする信号を前記第1調圧弁に
出力することを特徴とするものである。
【0006】また、本発明のうち請求項2に係る車両用
流体圧制御装置は、前記請求項1の発明において、前記
作動流体圧の所定値は、駆動源回転速度が大きいほど、
大きな値に設定されることを特徴とするものである。ま
た、本発明のうち請求項3に係る車両用流体圧制御装置
は、溝幅が可変の一対のプーリで、巻回されるベルトを
挟持する無段変速機構と、駆動源によって駆動されるポ
ンプと、制御手段からの信号に基づき、前記ポンプから
の吐出圧をドレンして前記無段変速機構への作動流体圧
を調圧すると共に余剰流体圧を下流側に供給する第1調
圧弁と、前記制御手段からの信号に基づき、前記第1調
圧弁の余剰流体圧を調圧して摩擦要素への作動流体圧を
調圧する第2調圧弁とを備え、前記制御手段は、前記無
段変速機構の作動条件に応じて設定される第1の作動流
体圧と、前記摩擦要素の作動条件に応じて設定される第
2の作動流体圧と、駆動源回転速度が大きいほど大きく
設定される第3の作動流体圧とのうちの最も大きな作動
流体圧を前記無段変速機構への作動流体圧とし、その作
動流体が達成されるための信号を前記第1調圧弁に出力
することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用流体圧制御
装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、
本発明の一実施形態を示す概略構成図であり、車両用流
体圧制御装置における無段変速機構の制御システムを示
している。この無段変速機構制御装置では、溝幅が可変
なプライマリプーリ16とセカンダリプーリ26とで巻
回されるベルト24を挟持する無段変速機構29(第1
アクチュエータ)を備える。そして、変速制御装置30
からの指令信号によってステップモータ108を駆動
し、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の溝
幅を変更して、前記巻回されるベルト24との接触半径
を変更することによって変速比制御すると共に、作動流
体圧サーボ機構を構成する変速操作機構112によって
変速制御弁106を作動してプライマリプーリ16への
作動流体圧をサーボする。プライマリプーリ16への作
動流体圧は、ポンプ101からの吐出圧をライン圧調圧
弁102でドレンして、ライン圧として供給する。ライ
ン圧調圧弁102は、変速制御装置30からの指令信号
によって作動するモディファイヤ用デューティ弁120
を介して、前記プライマリプーリ16への作動流体圧、
即ちライン圧を、指令信号の流体圧に調圧する。
【0008】また、この実施形態では、前記セカンダリ
プーリ26への作動流体圧、即ちセカンダリプーリ圧
も、セカンダリプーリ圧調圧弁152によって、前記ラ
イン圧をドレンして調圧されている。このセカンダリプ
ーリ圧調圧弁152は、変速制御装置30からの指令信
号によって作動するセカンダリプーリ用デューティ弁1
50を介して、前記セカンダリプーリ圧を指令信号の流
体圧に調圧する。ちなみに、前記ポンプ101はエンジ
ンによって回転駆動される。また、前記プライマリプー
リ16が入力側、セカンダリプーリ26が出力側に相当
し、プライマリプーリ16、セカンダリプーリ26への
流体圧とは、各プーリを構成する二つの円錐体(シー
ブ)間に押圧力を発生させ、ベルト24を挟持するため
のものである。
【0009】前記無段変速機構29による駆動力伝達の
ための構成は、前記特開平10−89462号公報に記
載されるものと同じである。即ち、エンジン10の出力
トルクは、トルクコンバータ12を介して前後進切換機
構15に入力され、この前後進切換機構15のフォワー
ドクラッチ40又はリバースブレーキ50(図2参照)
を介して前記無段変速機構29、差動装置56の順に伝
達される。本実施形態で、クラッチ圧と称されるのは、
このフォワードクラッチ40又はリバースブレーキ50
に供給される作動流体圧(フォワードクラッチ40とリ
バースブレーキ50との供給切換は、セレクトレバーに
連結されたマニュアル弁104(図2参照)によって強
制的に切換わる)を示す。従って、前記フォワードクラ
ッチ40又はリバースブレーキ50が本発明の第2アク
チュエータ或いは摩擦要素を構成している。また、トル
コン圧とは、トルクコンバータ12のロックアップクラ
ッチへの作動流体圧を示す。
【0010】この実施形態における作動流体圧回路を図
2に示す。この作動流体圧回路は、前記特開平10−8
9462号公報に記載されるものとほぼ同等であるが、
数カ所湖となっている。まず、最も大きな変更点は、流
量制御弁が排除されている点である。前記特開平10−
89462号公報に記載される流量制御弁はオイルポン
プ101の下流にあり、当該オイルポンプ101の吐出
圧の上限値を制限するものであった。この流量制御弁
が、部品点数やコストの面で不利であったり、装置が大
型化したりするのは前述の通りであり、本実施形態で
は、この流量制御弁を排除している。
【0011】また、本実施形態では、前記セカンダリプ
ーリ26への作動流体圧を個別に制御するためにセカン
ダリプーリ用デューティ弁150、セカンダリプーリ圧
調圧弁152、セカンダリプーリ圧センサ154が設け
られているが、その他については、前記特開平10−8
9462号公報に記載されるものと同等であり、同等の
概略構成要素には同等の符号を付す。即ち、符号18は
プライマリ(駆動)プーリ16の固定円錐板、符号22
はプライマリプーリ16の可動円錐板、符号20はプラ
イマリプーリ16のシリンダ室、符号30はセカンダリ
(従動)プーリ26の固定円錐板、符号34はセカンダ
リプーリ26の可動円錐板、符号32はセカンダリプー
リ26のシリンダ室である。
【0012】また、符号130はリザーバ、符号131
はストレーナ、符号101はオイルポンプ、符号102
はライン圧調圧弁、符号120はモディファイヤ用デュ
ーティ弁、符号116はプレッシャモディファイヤ弁、
符号118は一定圧調圧弁、符号164はセンサーシュ
ー、符号106は変速制御弁、符号122はクラッチ圧
調圧弁、符号124はトルコン圧調圧弁である。本実施
形態では、前記ライン圧調圧弁120、モディファイヤ
用デューティ弁120、プレッシャモディファイヤ弁1
16、一定圧調圧弁118が本発明の第1調圧弁を構成
し、前記クラッチ圧調圧弁122が本発明の第2調圧弁
を構成している。
【0013】次に、前記図2の作動流体圧回路における
主要な弁の構成とその作用について説明する。前記プレ
ッシャモディファイヤ弁116は、前記ライン圧調圧弁
102の増圧側パイロットポート102cに連通された
出力ポート116aと、この出力ポート116aからの
出力圧が絞り116jを介して減圧側にフィードバック
されるパイロットポート116kと、モディファイヤ用
デューティ弁120の出力圧が増圧側に作用するパイロ
ット圧として供給されるパイロットポート116bと、
リザーバ130に連通されたドレンポート116cと、
ライン圧調圧弁102の下流ポート102dからのクラ
ッチ圧が供給される入力ポート116dの五つの主要な
ポートと、二つのランド116e、116fを有するス
プール116gと、このスプール116gをパイロット
ポート116b側に付勢するリターンスプリング116
hと、前記スプール116gからの漏れ流体をドレンす
るドレンポート116oとを備えている。従って、この
プレッシャモディファイヤ弁116では、前記パイロッ
トポート116bへのパイロット圧が略零であるとき
に、スプール116gはリターンスプリング116hに
よって図2で左動されて、出力ポート116aとドレン
ポート116cとが連通状態となる。この状態から、モ
ディファイヤ用デューティ弁120から前記パイロット
ポート120bに供給されるパイロット圧(モディファ
イヤ制御圧)PL-SOL が高くなると、スプール116g
は右動して、入力ポート116d及び出力ポート116
a間は当該モディファイヤ制御圧PL-SOL に応じた連通
状態となり、その連通状態に応じた出力圧をモディファ
イヤパイロット圧PL-PLT として出力ポート116aか
ら前記ライン圧調圧弁102の増圧側パイロットポート
102cに供給する。
【0014】前記一定圧調圧弁118は、前記ライン圧
調圧弁102の下流ポート102dからのクラッチ圧P
C が供給される入力ポート118aと、モディファイヤ
用デューティ弁120の入力ポート120aに連通され
た出力ポート118bと、この出力ポート118bから
の出力圧が絞り118jを介してフィードバックされる
減圧側パイロットポート118dと、リザーバ130に
連通されたドレンポート118eの四つの主要なポート
と、ランド118f及び118gを有するスプール11
8hと、このスプール118hを前記減圧側パイロット
ポート118d側に付勢するリターンスプリング118
iとを備えている。この一定圧調圧弁118は、前記ラ
イン圧調圧弁102の下流側に創成されるクラッチ圧P
C から、周知のフィードバックパイロット圧による調圧
作用によりリターンスプリング118iの付勢力に対応
した一定の流体圧を調圧し、これを出力ポート118b
からモディファイヤ用デューティ弁120、セカンダリ
プーリ用デューティ弁150、ロックアップ用デューテ
ィ弁128への駆動パイロット圧として供給する。
【0015】前記モディファイヤ用デューティ弁120
は、入力ポート120aが前記一定圧調圧弁118の出
力ポート118bに連通され、出力ポート120bが前
記プレッシャモディファイヤ弁116のパイロットポー
ト116d及びクラッチ圧調圧弁122の外部パイロッ
トポート122c及びトルコン圧調圧弁124の外部パ
イロットポート124hに連通されている。そして、こ
のモディファイヤ用デューティ弁120は、変速制御装
置300から供給される目標変速比に対応したデューテ
ィ比の駆動電流によって、前記出力ポート120bか
ら、当該デューティ比に応じたモディファイヤ制御圧P
L-SOL を出力する。
【0016】前記ライン圧調圧弁102は、そのシリン
ダに形成されている大径孔部102gに形成された上流
ポート102aと、絞り102fを介して前記プレッシ
ャモディファイヤ弁116の出力ポート116aに連通
された増圧側パイロットポート102cと、この増圧側
パイロットポート102cと上流ポート102aとの間
に形成され、クラッチ圧調圧弁122の上流ポート12
2aに連通された下流ポート102dと、前記上流ポー
ト102aを挟んで前記下流ポート102dと反対側に
形成され、リザーバ130に連通されたドレンポート1
02eと、前記大径孔部102gに連通する小径孔部1
02hに形成され、ポンプ101からの吐出圧が絞り1
02uを介して増圧側に作用するパイロットポート10
2bとの五つの主要なポートと、前記大径孔部102g
と小径孔部102hとの連接部分に形成されたドレンポ
ート102vと、各孔部102g、102hに対応する
ランドを有して一連に形成されたスプール102sと、
当該スプール102sを図2の左方に付勢するリターン
スプリング102tとを備え、前記スプール102sに
は、前記下流ポート102dを閉塞すると共に、増圧側
パイロットポート102cに供給される前記プレッシャ
モディファイヤ弁116からのパイロット圧を受圧する
ためのランド102oと、前記上流ポート102aとド
レンポート102eとを遮断するランド102pと、当
該ドレンポート102eと隣接するドレンポート102
vとを遮断するランド102qと、このドレンポート1
02vと前記減圧側パイロットポート102bとを遮断
すると共に、当該パイロットポート102bに供給され
るポンプ101の吐出圧を受圧するランド102rとが
形成されている。なお、前記ランド102pとランド1
02qとの間のグルーブは、特に前記ドレンポート10
2eに対するランド102q部分が当該ドレンポート1
02eとの間に絞りを形成し、しかもスプール102s
が図2において右動するほど、その絞りの開口面積が小
さくなるように形成されている。
【0017】従って、このライン圧調圧弁102では、
前記二つのパイロットポート102b、102cへのパ
イロット圧がない状態では、リターンスプリング102
tの付勢力によってスプール102sが図示左動し、上
流ポート102aは、下流ポート102d及びドレンポ
ート102eの何れにも連通されない。この状態から、
ポンプ101から減圧側パイロットポート102bに供
給されるパイロット圧、即ちライン圧PL そのものが高
くなると、スプール102sが右動して上流ポート10
2aが下流ポート102d及びドレンポート102eの
双方に連通する。このとき、ライン圧PL が高いほど、
スプール102sの右動量が大きくなり、上流ポート1
02aとランド102pとの開口面積は大きくなるが、
ドレンポート102eとランド102qとの間に形成さ
れる絞りの開口面積が小さくなるために、当該ドレンポ
ート102eからドレンされる流体量が少なくなると共
に、下流ポート102dとランド102oとの開口面積
は大きくなる。従って、このようにライン圧PL が高い
ときには、下流ポート102dからクラッチ圧調圧弁1
22に供給されるクラッチ圧(正確にはクラッチ圧PC
の元圧)ガタかくなる。逆に、ライン圧がさほど高くな
いときにはクラッチ圧(の元圧)もさほど高くはならな
い。ここまでは、所謂一定圧調圧弁と同等の作用であっ
て、ライン圧調圧弁102の上流側で形成されるライン
圧PL は一定となるが、本実施形態では、増圧側パイロ
ットポート102cに供給される前記プレッシャモディ
ファイヤ弁116からのモディファイヤパイロット圧P
L-PLT が高くなると、そのパイロット圧に見合った分だ
けスプール102sが左動されるから、下流ポート10
2dからの流体量が減少する。このとき、前記ドレンポ
ート102eとランド102qとの絞りの開口面積は大
きくなるが、合わせて上流ポート102aとランド10
2pとの開口面積も小さくなるために、全体としては上
流ポート102a側のライン圧PL は高くなる。従っ
て、前記増圧側パイロットポート102cへのプレッシ
ャモディファイヤ弁116からのパイロット圧PL-PLT
が、前記モディファイヤ用デューティ弁120へのデュ
ーティ比に基づく前記モディファイヤ制御圧PL-SOL
応じたものであるため、当該モディファイヤ用デューテ
ィ弁120へのデューティ比を調整すればライン圧PL
を制御することができる。
【0018】前記セカンダリプーリ用デューティ弁15
0は、前記変速制御装置300からの指令信号により、
後述するセカンダリプーリ圧調圧弁152から前記セカ
ンダリプーリ26のシリンダ室32に供給されるセカン
ダリプーリ圧PSEC が、当該変速制御装置300で要求
する値になるように、前記一定圧調圧弁118の出力圧
である駆動パイロット圧PPLT をドレンして、セカンダ
リプーリ圧制御圧PSE C-SOL を出力する。一方、前記セ
カンダリプーリ圧センサ154は、前記セカンダリプー
リ圧調圧弁152からの出力圧であるセカンダリプーリ
圧PSEC を検出し、前記変速制御装置300に出力す
る。
【0019】前記セカンダリプーリ圧調圧弁152は、
前記セカンダリプーリ26のシリンダ室32に連通され
た出力ポート152aと、この出力ポート152aから
の出力圧、即ち前記セカンダリプーリ圧PSEC が減圧側
にフィードバックされるパイロットポート152kと、
前記セカンダリプーリ用デューティ弁150の出力圧が
増圧側に作用するパイロット圧として供給されるパイロ
ットポート152bと、リザーバ130に連通されたド
レンポート152cと、前記ライン圧調圧弁102の出
力圧が供給される入力ポート152dと、前記パイロッ
トポート152kからの余剰作動流体圧をドレンするた
めにリザーバ130に連通されたドレンポート152m
と、漏れ流体をドレンするドレンポート152oとの六
つの主要なポートと、二つの主要なランド152e,1
52fを有するスプール152gと、このスプール15
2gを前記パイロットポート152b側に付勢するリタ
ーンスプリング152hとを備えている。このセカンダ
リプーリ圧調圧弁152では、前記二つのパイロットポ
ート152b、152mへのパイロット圧が共に略零で
あるときに、スプール152gはリターンスプリング1
52hによって図2で右動されて、入力ポート152d
と出力ポート152aとが遮断されると共に出力ポート
152aとドレンポート152cとが連通され、その結
果、セカンダリプーリ26のシリンダ室32内の作動流
体圧はドレンされる。この状態から、前記パイロットポ
ート152bへの前記セカンダリプーリ圧制御圧P
SEC-SOL が大きくなると、スプール152gが図示左動
し、その結果、入力ポート152dと出力ポート152
aとが連通されてライン圧PL が出力ポート152a側
に供給される。しかしながら、この出力ポート152a
からの出力圧は、減圧側に作用するパイロットポート1
52kに流入するので、このパイロットポート152k
からの作動流体圧が作用するスプール152gの受圧面
積、前記入力ポート152dからのライン圧PL が作用
するスプール152gの受圧面積、前記パイロットポー
ト152からのセカンダリプーリ圧制御圧PSEC-SOL
作用するスプールの受圧面積の各受圧面積差に応じた出
力圧が、セカンダリプーリ圧PSEC としてセカンダリプ
ーリ26のシリンダ室32に供給される。
【0020】前記クラッチ圧調圧弁122は、そのシリ
ンダ内に形成されている大径孔部122eに形成され、
前記ライン圧調圧弁102の下流ポート102dに連通
されて前記クラッチ圧(の元圧)が供給される上流ポー
ト122aと、前記大径孔部122eの右方に連通する
小径孔部122fに形成され、前記クラッチ圧から絞り
122nを介した分圧が減圧側パイロット圧として供給
される減圧側パイロットポート122bと、前記上流ポ
ート122a及びパイロットポート122bとの間に形
成され、トルコン圧調圧弁124の上流ポート124a
に連通された下流ポート122dと、前記上流ポート1
22aを挟んで下流ポート122dと反対側に形成され
たドレンポート122pと、図2左方端部に形成され、
絞り122sを挟んで前記モディファイヤ用デューティ
弁120の出力ポート120bに連通された増圧側パイ
ロットポート122cとの主要な五つのポートと、前記
大径孔部122eと小径孔部122fとの連接部分に形
成されたドレンポート122qと、各穴部122e、1
22fに対応するランドを有して一連に形成されたスプ
ール122kと、当該スプール122kを図2において
右動させるリターンスプリング122mと、前記増圧側
パイロットポート122cからのパイロット圧を受圧し
て前記スプール122kをリターンスプリング122m
ごと右動させるプラグ122rとを備え、前記スプール
122kには、前記ドレンポート122pを閉塞するた
めのランド122hと、前記上流ポート122aと下流
ポート122dとの間を遮断するランド122iと、当
該下流ポート122dとドレンポート122qとの間を
遮断するランド122jと、当該ドレンポート122q
と前記減圧側パイロットポート122bとを遮断すると
共に、当該パイロットポート122bに供給されるクラ
ッチ圧の分圧からなるパイロット圧を受圧するランド1
22sとが形成されている。
【0021】従って、このクラッチ圧調圧弁122で
は、増圧側パイロットポート122cへのパイロット圧
がない状態で、クラッチ圧が高いときにはスプール12
2kの左動量が大きくなり、その結果、上流ポート12
2aから下流ポート122dに流出する流体量が増加す
るために、下流ポート122dからトルコン圧調圧弁1
24に供給されるトルコン圧(厳密にはトルコン圧の元
圧)が高くなり、逆にクラッチ圧がさほど高くないとき
にはトルコン圧(の元圧)もさほど高くはならない。一
方、前記増圧側パイロットポート122cに供給される
前記モディファイヤ用デューティ弁120からのモディ
ファイヤ制御圧PL-SOL が高くなると、当該モディファ
イヤ制御圧PL-SOL に見合った分だけプラグ122rが
右動され、それによってリターンスプリング122mの
付勢力が大きくなってスプール122kが右動されるか
ら、下流ポート122dからの流体量が減少し、クラッ
チ圧が高くなる。即ち、このクラッチ圧とライン圧との
関係は、元圧の大小の関係から切片はクラッチ圧の方が
小さいが、ライン圧が高くなるにつれてクラッチ圧も高
くなる。
【0022】前記トルコン圧調圧弁124は、そのシリ
ンダ中に形成されている大径穴部124eに形成され、
前記クラッチ圧調圧弁122の下流ポート122dに連
通されて前記トルコン圧(の元圧)が供給される上流ポ
ート124aと、前記大径孔部124eに連通して形成
された小径孔部124tに形成され、前記トルコン圧か
ら絞り124nを介した分圧が減圧側パイロット圧とし
て供給される減圧側パイロットポート124bと、前記
上流ポート124a及びパイロットポート124bの間
の大径孔部124e側に形成され、ロックアップ制御弁
126の潤滑系に連通された下流ポート124dと、前
記上流ポート124aを挟んで前記下流ポート124d
と反対側に形成されたドレンポート124pと、前記大
径孔部の図2左方端部に形成されて、絞り124gを介
して前記モディファイヤ用デューティ弁120の出力ポ
ート120bに連通された増圧側パイロットポート12
4hとの主要な五つのポートと、前記大径孔部124e
と小径孔部124tとの連接部に形成されたドレンポー
ト124fと、各孔部124e、124tに対応するラ
ンドを有して一連に形成されたスプール124kと、当
該スプール124kを図2において右動させるリターン
スプリング124mと、前記増圧側パイロットポート1
24hからのパイロット圧を受圧して前記スプール12
4kをリターンスプリング124mごと右動させるプラ
グ124rとを備え、前記スプール124kには、前記
ドレンポート124pを閉塞するためのランド124c
と、前記上流ポート124aと下流ポート124dとを
遮断するランド124iと、当該下流ポート124dと
前記ドレンポート124fとを遮断するランド124j
と、当該ドレンポート124と前記減圧側パイロットポ
ート124bとを遮断すると共に当該パイロットポート
124bに供給されるトルコン圧(の元圧)の分圧をパ
イロット圧として受圧するランド124wとが形成され
ている。
【0023】従って、このトルコン圧調圧弁124で
は、増圧側パイロットポート124っへのパイロット圧
がない状態で、トルコン圧が高いときにはスプール12
4kの左動量が大きくなり、その結果、上流ポート12
4aから下流ポート124dに流出する流体量が増加す
るために、下流ポート124dからロックアップ制御弁
126の潤滑系に供給される流体圧が高くなり、逆にト
ルコン圧がさほど高くないときにはロックアップ制御弁
126の潤滑系に供給される流体圧もさほど高くない。
一方、前記増圧側パイロットポート124cに供給され
る前記モディファイヤ用デューティ弁120からのモデ
ィファイヤ制御圧PL-SOL が高くなると、そのパイロッ
ト圧に見合った分だけプラグ124rが右動され、それ
によってリターンスプリング124mの付勢力が大きく
なってスプール124sが右動されるから、下流ポート
124dからの流体量が減少してトルコン圧PT/C が高
くなる。従って、このトルコン圧と前記クラッチ圧と
は、元圧の大小の関係から切片はトルコン圧の方が小さ
いが、クラッチ圧が高くなるにつれてトルコン圧も高く
なる。
【0024】前記変速制御弁106は、入力ポート10
6a、出力ポート106b、ドレンポート106cの三
つのポートと、三つのランド106d、106e及び1
06fを有するスプール106gと、当該スプール10
6gを図2において上動するリターンスプリング106
hとを備えており、このうち入力ポート106aは前記
ライン圧PL を調圧するライン圧調圧弁102の上流ポ
ート102aに連通され、出力ポート106bは駆動プ
ーリ16のシリンダ室20に連通され、ドレンポート1
06cは保圧弁156に連通されており、スプール10
6gは変速操作機構112を介してセンサシュー164
とステップモータ108に接続されている。なお、この
変速制御弁106の機能は、前記特開平10−8946
2号公報に記載されるものと同等である。また、保圧弁
156は、ドレンされる上流側の圧力を或る程度保持す
るためのものである。
【0025】また、図2において、マニュアル弁104
の下流側には前記フォワードクラッチ40及びリバース
ブレーキ50が設けられており、ロックアップ用デュー
ティ弁128の出力圧はロックアップ制御弁126のパ
イロット圧として供給され、ロックアップ制御弁126
の下流側には前記トルクコンバータ12のロックアップ
クラッチが設けられている。
【0026】一方、図1に戻って、車両にはエンジン回
転速度を検出するエンジン回転速度センサ301、車
速、即ち前記セカンダリプーリ回転速度を検出する車速
センサ302、トルクコンバータのタービン回転速度、
即ち前記プライマリプーリ回転速度を検出するタービン
回転速度センサ305、スロットルバルブの開度を検出
するスロットル開度センサ303、セレクトレバーによ
るシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ
304等が備えられており、それらの検出信号は前記変
速制御装置300に出力される。
【0027】前記変速制御装置300は、例えばマイク
ロコンピュータ等の演算処理装置を備えて構成されてい
る。この演算処理装置では、例えば前記特開平10−8
9462号公報に記載されるような種々の演算処理が行
われるが、その一つとして、本実施形態では、図3に示
すライン圧設定のための演算処理がある。この演算処理
は、例えば10msec. 程度の所定サンプリング時間ΔT
毎にタイマ割込処理として実行される。なお、このフロ
ーチャートでは、特に通信のためのステップを設けてい
ないが、必要な情報は各コントローラや記憶装置から随
時読込まれ、また演算処理で得られた情報は随時各コン
トローラや記憶装置に出力される。
【0028】この演算処理では、まずステップS1で、
前記エンジン回転速度センサで検出されたエンジン回転
速度、スロットル開度センサで検出されたスロットル開
度、タービン回転速度センサで検出されたタービン回転
速度から基準ライン圧を算出する。具体的には、まずエ
ンジン回転速度とスロットル開度とからエンジントルク
を推定し、そのエンジントルクに遅れ処理を施してトル
クコンバータへの入力トルクを算出する。一方、エンジ
ン回転速度とタービン回転速度の比からトルクコンバー
タによるトルク比を算出し、このトルク比を前記トルク
コンバータへの入力トルクに乗じて前後進切換機構、即
ち無段変速機構への入力軸トルクTI を算出する。この
入力軸トルクTI と、現在の変速比Cとを用い、図4の
制御マップに従って基準ライン圧を算出する。ライン圧
は、前述のようにプライマリプーリ16のシリンダ室2
0に供給されてベルト24を挟持するためのものである
から、変速比が大きく(CLO側)、即ち伝達トルクが小
さいほど小さく、また入力軸トルクTI が大きいほど大
きくする必要がある。
【0029】次にステップS2に移行して、後述する図
7の演算処理に従って、定常プーリ推力を、プライマリ
プーリ、セカンダリプーリ毎に算出する。次にステップ
S3に移行して、後述する図8の演算処理に従って、変
速用推力差を算出する。次にステップS4に移行して、
図示されない演算処理によって算出された変速比制御が
アップシフトか否かを判定し、アップシフトである場合
にはステップS5に移行し、そうでない場合にはステッ
プS6に移行する。
【0030】前記ステップS5では、前記ステップS2
で算出したプライマリプーリ定常推力に前記ステップS
3で算出した変速用推力差を加算してプライマリプーリ
目標推力を算出してからステップS7に移行する。前記
ステップS7では、前記ステップS2で算出したセカン
ダリプーリ定常推力をセカンダリプーリ目標推力に設定
してからステップS8に移行する。
【0031】一方、前記ステップS6では、前記ステッ
プS2で算出したセカンダリプーリ定常推力に前記ステ
ップS3で算出した変速用推力差を加算してセカンダリ
プーリ目標推力を算出してからステップS9に移行す
る。前記ステップS9では、前記ステップS2で算出し
たプライマリプーリ定常推力をプライマリプーリ目標推
力に設定してから前記ステップS8に移行する。
【0032】前記ステップS8では、前記ステップS5
又はステップS9で算出されたプライマリプーリ目標推
力をプライマリプーリ(シリンダ室)断面積で除し、そ
れに余裕代αを加算してプライマリプーリ目標圧(第1
の作動流体圧)を算出する。次にステップS10に移行
して、前記ステップS6又はステップS7で算出された
セカンダリプーリ目標推力をセカンダリプーリ(シリン
ダ室)断面積で除し、それに余裕代βを加算してセカン
ダリプーリ目標圧(第2の作動流体圧)を算出する。
【0033】次にステップS11に移行して、図5に示
す制御マップから、ライン圧最小値(第3の作動流体
圧)を算出する。このライン圧最小値は、エンジン回転
速度の増大に伴って次第に(段階的に)大きく設定され
ている。これは、後述するように、エンジン回転速度が
大きいほど、オイルポンプ101からの吐出流量が多く
なるため、そのときにライン圧を小さくしてしまうと、
前記ライン圧調圧弁102のスプールが大きく移動して
流量係数が変化してしまうのを防止するためである。
【0034】次にステップS12に移行して、図6に示
す制御マップから、必要クラッチ圧(第2の作動流体
圧)を算出する。この必要クラッチ圧は、前記フォワー
ドクラッチ又はリバースブレーキを締結するためのもの
であるから、前記ライン圧同様、変速比が大きく(CLO
側)、即ち伝達トルクが小さいほど小さく、また入力軸
トルクTI が大きいほど大きくする必要がある。
【0035】次にステップS13に移行して、前記ステ
ップS8で算出されたプライマリプーリ目標圧、前記ス
テップS10で算出されたセカンダリプーリ目標圧、前
記ステップS11で算出されたライン圧最小値、ステッ
プS12で算出された必要クラッチ圧のうちの最大値を
ライン圧下限値に選出する。次にステップS14に移行
して、前記エンジン回転速度センサで検出されたエンジ
ン回転速度、前記ステップS1で算出された基準ライン
圧、前記ステップS13で算出されたライン圧下限値を
用いて目標ライン圧を設定する。具体的には、エンジン
回転速度が所定値以上であるときに、前記基準ライン圧
を前記ライン圧下限値以上の圧力に制限して目標ライン
圧を設定する。
【0036】次にステップS15に移行して、前記ステ
ップS14で設定された目標ライン圧に応じたモディフ
ァイヤ用デューティ比制御信号を創成出力してからメイ
ンプログラムに復帰する。一方、前記図3の演算処理の
ステップS2で行われる図7の演算処理では、まずステ
ップS21で、前記図3の演算処理のステップS1と同
様に入力軸トルクを算出する。
【0037】次にステップS22に移行して、前記変速
比の逆比に等しいプーリ比を算出する。次にステップS
23に移行して、前記ステップS21で算出された入力
軸トルク、ステップS22で算出されたプーリ比を用
い、推力マップからプライマリプーリ定常推力、セカン
ダリプーリ定常推力を算出してから図3の演算処理のス
テップS3に移行する。
【0038】また、前記図3の演算処理のステップS3
で行われる図8の演算処理では、まずステップS31
で、前述のような変速制御で設定された目標変速速度を
読込む。次にステップS32に移行して、前記ステップ
S31で読込んだ目標変速速度を達成するための倍率を
プーリ比から求める。これは、同等の変速速度でも、プ
ーリ比が異なると達成すべきプーリ速度が異なるため、
目標変速速度が得られるために必要なプーリ速度のプー
リ比に対する倍率を求めるのである。
【0039】次にステップS33に移行して、前記ステ
ップS31で読込んだ目標変速速度に前記ステップS3
2で算出した倍率を乗じて達成すべきプーリ速度を算出
する。次にステップS34に移行して、達成すべき変速
制御がアップシフトかダウンシフトかに応じ、即ちプー
リ速度に応じて変速用推力差を算出してから図3の演算
処理のステップS4に移行する。
【0040】前記図3、図7、図8の演算処理によれ
ば、前記プライマリプーリ目標圧やセカンダリプーリ目
標圧、或いは必要クラッチ圧は、よほど入力軸トルクが
大きくならないと大きな値に設定されない。これに対
し、オイルポンプの吐出流量に応じてエンジン回転速度
の増加と共に大きく設定されるライン圧最小値は、その
彼の圧力よりも、大凡大きく設定される。そのため、前
記図3の演算処理のステップS13で設定されるライン
圧下限値には、このライン圧最小値が選出されることが
多い。前述のように、ライン圧下限値は、エンジン回転
速度が所定値以上のときに基準ライン圧を制限するため
に設定されるので、当該ライン圧下限値に前記ライン圧
最小値が選出される場合のライン圧下限値のエンジン回
転速度に対する関係は図9のように表れる。同図に、従
来の流量制御弁の出力圧を二点鎖線で示すが、このよう
に、ライン圧下限値を設定することにより、擬似的に流
量制御弁の出力圧と同等又は類似したライン圧を得るこ
とができる。これにより、オイルポンプからの吐出流量
が大きくなるエンジンの高回転時にライン圧を高く保持
して流量係数を確保し、もって下流圧の不安定を回避す
ることができるので、本実施形態ではフォワードクラッ
チ或いはリバースブレーキに供給すべきクラッチ圧を確
保することができる。しかも、本実施形態では、エンジ
ン回転速度が大きいほど、ライン圧下限値を大きな値に
設定したことにより、ポンプから大流量の作動流体が流
れ込み可能性があるエンジン回転速度の大きいときに、
確実に下流圧を安定化することができると共に、エンジ
ン回転速度が低速のときから不要に作動流体圧を高くす
る必要がなく、その分だけ燃費の低下を防止できる。
【0041】なお、前記各実施形態では、コントローラ
にマイクロコンピュータを用いた場合について説明した
が、これに代えて各種の演算回路を使用することも可能
である。また、本実施形態では、駆動源がエンジンであ
ったが、本発明の駆動源は、これに限られるものではな
く、所謂ハイブリッド車両のように、モータを車両の駆
動源とするようなものにも同様に展開可能である。
【0042】また、本実施形態では、第2調圧弁が前後
進切換機構に設けられたフォワードクラッチ又はリバー
スブレーキへの作動流体圧を調圧するクラッチ調圧弁で
あったが、本発明の第2調圧弁は、これに限られるもの
ではなく、例えばトルクコンバータへの作動流体圧を調
圧するトルクコンバータ調圧弁であってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る車両用流体圧制御装置によれば、ポンプから
の吐出圧を第1調圧弁でドレンして第1アクチュエータ
への作動流体圧を調圧すると共に余剰流体圧を下流側に
供給し、この余剰流体圧を第2調圧弁で調圧して第2ア
クチュエータへの作動流体圧を調圧すると共に、駆動源
回転速度が所定値以上であるときには第1アクチュエー
タへの作動流体圧を所定値以上とする構成としたため、
ポンプから大流量の作動流体が流れ込む可能性のある駆
動源回転速度が所定値以上のときに、第1調圧弁のポー
ト間の流量係数を確保することができるので、流量制御
弁等の制限弁を必要とせず、ポンプから大流量の作動流
体が流れ込んでも下流圧を安定化することができる。
【0044】また、本発明のうち請求項2に係る車両用
流体圧制御装置によれば、前記第1アクチュエータへの
作動流体圧の下限値を制限する所定値を、駆動源回転速
度が大きいほど、大きな値に設定したことにより、ポン
プから大流量の作動流体が流れ込み可能性がある駆動源
回転速度の大きいときに、確実に下流圧を安定化するこ
とができると共に、駆動源回転速度が低速のときから不
要に作動流体圧を高くする必要がなく、その分だけ燃費
の低下を防止できる。
【0045】また、本発明のうち請求項3に係る車両用
流体圧制御装置によれば、ポンプからの吐出圧を第1調
圧弁でドレンして無段変速機構への作動流体圧を調圧す
ると共に余剰流体圧を下流側に供給し、この余剰流体圧
を第2調圧弁で調圧して摩擦要素への作動流体圧を調圧
すると共に、無段変速機構の作動条件に応じて設定され
る第1の作動流体圧と、摩擦要素の作動条件に応じて設
定される第2の作動流体圧と、駆動源回転速度が大きい
ほど大きく設定される第3の作動流体圧とのうちの最も
大きな作動流体圧を無段変速機構への作動流体圧とする
構成としたため、ポンプから大流量の作動流体が流れ込
む可能性のある駆動源回転速度が大きいときほど、第1
調圧弁のポート間の流量係数を確保することができるの
で、流量制御弁等の制限弁を必要とせず、ポンプから大
流量の作動流体が流れ込んでも摩擦要素への作動流体圧
を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無段変速装置を搭載した車両の流体圧
制御装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の無段変速機構への作動流体圧を制御する
作動流体圧回路図である。
【図3】図1の変速制御装置内で行われる演算処理の一
例を示すフローチャートである。
【図4】図3の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図5】図3の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図6】図3の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図7】図3の演算処理で行われるマイナプログラムの
フローチャートである。
【図8】図3の演算処理で行われるマイナプログラムの
フローチャートである。
【図9】図3の演算処理の作用の説明図である。
【符号の説明】
10はエンジン(駆動源) 16はプライマリプーリ 24はベルト 26はセカンダリプーリ 29は無段変速機構(第1アクチュエータ) 40はフォワードクラッチ(第2アクチュエータ) 50はリバースブレーキ(第2アクチュエータ) 101はポンプ 102はライン圧調圧弁(第1調圧弁) 116はプレッシャモディファイヤ弁 118は一定圧調圧弁 120はモディファイヤ用デューティ弁(第1調圧弁) 122はクラッチ圧調圧弁(第2調圧弁) 300は変速制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源によって駆動されるポンプと、制
    御手段からの信号に基づき、前記ポンプからの吐出圧を
    ドレンして第1アクチュエータへの作動流体圧を調圧す
    ると共に余剰流体圧を下流側に供給する第1調圧弁と、
    前記制御手段からの信号に基づき、前記第1調圧弁の余
    剰流体圧を調圧して第2アクチュエータへの作動流体圧
    を調圧する第2調圧弁とを備え、前記制御手段は、駆動
    源回転速度が所定値以上であるときに前記第1アクチュ
    エータへの作動流体圧を所定値以上とする信号を前記第
    1調圧弁に出力することを特徴とする車両用流体圧制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記作動流体圧の所定値は、駆動源回転
    速度が大きいほど、大きな値に設定されることを特徴と
    する請求項1に記載の車両用流体圧制御装置。
  3. 【請求項3】 溝幅が可変の一対のプーリで、巻回され
    るベルトを挟持する無段変速機構と、駆動源によって駆
    動されるポンプと、制御手段からの信号に基づき、前記
    ポンプからの吐出圧をドレンして前記無段変速機構への
    作動流体圧を調圧すると共に余剰流体圧を下流側に供給
    する第1調圧弁と、前記制御手段からの信号に基づき、
    前記第1調圧弁の余剰流体圧を調圧して摩擦要素への作
    動流体圧を調圧する第2調圧弁とを備え、前記制御手段
    は、前記無段変速機構の作動条件に応じて設定される第
    1の作動流体圧と、前記摩擦要素の作動条件に応じて設
    定される第2の作動流体圧と、駆動源回転速度が大きい
    ほど大きく設定される第3の作動流体圧とのうちの最も
    大きな作動流体圧を前記無段変速機構への作動流体圧と
    し、その作動流体が達成されるための信号を前記第1調
    圧弁に出力することを特徴とする車両用流体圧制御装
    置。
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