JP2004116684A - 電磁弁 - Google Patents

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Hiroshi Kobayashi
小林 博
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Abstract

【課題】プランジャとヨーク部材との磁気伝達効率を向上させる。
【解決手段】ハウジング11の中に、コイル13が巻回されたヨーク部材5が設けられ、ヨーク部材5の中でプランジャ4が軸方向に移動自在な電磁弁1において、ヨーク部材5とプランジャ4の間に黒鉛膜8を形成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁に関するものであり、特に、電磁弁のヨーク部材とプランジャとの間の構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、電磁弁はハウジングの内部に、磁性部と非磁性部を有し、コイルが巻回されたヨーク部材を備え、ヨーク部材の径方向の中央に形成された内孔に沿って、プランジャが軸方向に移動自在となっている。電磁弁はコイルに通電が成されることにより、コイルを励磁させる。コイルを励磁させると、コイルから磁束が発生し、ハウジングとヨークおよびプランジャとの間で磁気回路が形成される。その結果、プランジャがコイルの励磁に比例した電磁力によって移動する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この場合、コイルで発生した磁界を、効率良く磁気回路に伝播させ、プランジャの起磁力に変換するには、ヨーク部品とプランジャとの空隙(エアギャップ)は狭いほど良い。また、ヨーク部品とプランジャとの間の摩擦係数は小さい程、プランジャに発生する起磁力を、効率良くプランジャの軸方向における移動力に変換することができる。更に、ヨーク部品とプランジャとの同軸度は高い程、プランジャの移動時におけるヒステリシス特性が小さくなる。
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に示される構成の電磁弁では、プランジャの軸方向における移動を円滑に行わせる為、プランジャとヨーク部品との間に、同軸度を確保する為、プランジャの軸方向に軸受け部材を設けている。
【0005】
この様に、軸受け部材をヨーク部品に設ける場合には、軸受け部材を設けるヨーク部品の取り付け部位の加工精度と、軸受け部材の軸受け寸法(例えば、軸受け部材の内径)の加工精度と、軸受け部品のヨーク部材への嵌め合い精度に応じて、プランジャの外径と軸受け部材の内径との間には、必ず空隙が必要になる。この空隙を小さくするには、上記した加工精度と嵌め合い精度を向上させなければならない。
【0006】
例えば、電磁弁において、ヨーク部材やプランジャが強磁性材より成り立っている場合には、磁界が印加されると、プランジャには磁気的な吸引力が作用し、プランジャには移動力となるサイドフォースが作用し、サイドフォースによって、望ましくない挙動が起こり得る。
【0007】
つまり、プランジャにヨーク部材を介して磁界が印加されると、プランジャとヨーク部材との間に、磁気的な吸引力が作用し、その結果、プランジャは磁気吸引力がプランジャに対して、サイドフォースとして作用し、サイドフォースの軸方向の分力によって、プランジャがヨーク部材側に移動する。このサイドフォースにより、プランジャには軸方向以外の力が発生するので、本来の印加された磁界の大きさに比例した軸方向のリニアな動きにならず、ヒステリシス特性が生じる。また、この磁気的な吸引力は、プランジャとヨーク部材とが吸着してしまう原因となり得る。
【0008】
そこで、プランジャとヨーク部材との吸着を防止し、プランジャとヨーク部品との摺接面の摩擦係数を低下させて、プランジャの軸方向への移動効率を良くする為、ヨーク部材の内周面及びプランジャの外周面のいずれか一方に、炭化フッ素系合成樹脂のコーティング処理を施す技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0009】
この様な被膜の形成には、この他に溶射法、イオンプレーティング法、PVD法、CVD法、塗膜法、メッキ法と言った方法が知られている。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−33662号公報(図1)
【0011】
【特許文献2】
特開2000−46225号公報(第3頁 第14段落、図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した被膜の形成方法では、膜厚が数μmといった様に、膜厚が薄くなる程、一定の膜厚精度が出しにくい、あるいは被膜の密着強度が低い、不純物が残留してしまう、曲面への被膜形成が難しい、という問題がある。
【0013】
従って、ヨーク部材の内周面及びプランジャの外周面のいずれか一方に、炭化フッ素系合成樹脂のコーティング処理を施す方法では、被膜の密着強度が弱く、均一な膜厚に精度良くすることができず、コーティング膜を一定の膜厚(例えば、300μm)以下にできない。これらのことから、プランジャとヨーク部材との間の間隙が大きくなり、両者の間の磁気伝達効率を低下させてしまう。
【0014】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、プランジャとヨークとの間隙を狭くして、両者の間の磁気伝達効率を向上させること、合わせて両者の間隙が狭くなることによって両者が接触し、これによって接触面の磨耗を防ぐために、両者が接触する部位の摺動性を向上させることを技術的課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、ハウジングと、径方向の中央に内孔を有すると共に、軸方向に磁性部と非磁性部を有し、コイルが巻回された状態でハウジング内に配設されるヨーク部材と、前記内孔に沿って軸方向に移動自在であるプランジャとを備え、前記コイルを励磁することにより、前記プランジャが軸方向に移動する電磁弁において、前記ヨーク部材の内孔または前記プランジャの外周面に黒鉛膜を形成したことである。
【0016】
上記した手段によれば、ヨーク部材の内孔またはプランジャの外周面に黒鉛膜を形成したので、プランジャとヨーク部材との間に形成される黒鉛膜によって、プランジャの摺動性が確保される。
【0017】
プランジャとヨーク部材との空隙は狭い程、プランジャとヨーク部品との磁束の伝播効率が高くなる。これによって、コイルで発生した磁界をプランジャやヨーク部材に効率よく伝播させることが可能となる。しかし、プランジャとヨーク部材との空隙が狭くなればなる程、両者が接触し易く、両者の摺接面に傷が付いたり、被膜が剥がされ易くなるが、ヨーク部材またはプランジャ側に形成される黒鉛膜を構成する黒鉛粒子は、分子結合力が小さい為、ヨーク部材またはプランジャの一方の側の黒鉛粒子の一部が、その他方の側の表面に転移することが可能である。
【0018】
これによって、プランジャとヨーク部材との間では黒鉛粒子を媒体として、ヨーク部材に対してプランジャが滑らかに摺動することが可能となる。また、黒鉛粒子は摺動性に優れた固体潤滑剤であることから、プランジャはヨーク部材に対して、滑らかな摺動を維持して行うことが可能である。上記した構成では、プランジャの軸受けとなる軸受け部材は必要なく、プランジャとヨーク部材との同軸度の精度を向上させることが可能となる。また、ヨーク部材とプランジャの間の黒鉛膜は非磁性の摺動性膜となり、プランジャがヨーク部材に磁気吸着される事が防止される。
【0019】
この場合、黒鉛膜は、黒鉛粒子の被膜が形成された金属粒子を加圧成形し、その後焼結することにより形成すれば、簡単な加圧成形と焼結によって黒鉛膜の膜厚を均一にして、プランジャとヨーク部材との間での摺動磨耗性を向上させることが可能である。
【0020】
また、プランジャには気孔が形成され、気孔に黒鉛粒子が結合して黒鉛膜が形成されると、黒鉛粒子は気孔に結合して黒鉛膜となり、非磁性の黒鉛膜が形成される。
【0021】
更に、気孔には熱硬化性樹脂が入って熱硬化することにより、黒鉛粒子が結合すれば、黒鉛粒子は熱硬化性樹脂をバインダーとして結合されるので、黒鉛膜の結合強度が強くなり、プランジャが移動時に黒鉛膜は剥がれ難くなる。
【0022】
更にその上、プランジャは、表面に気孔を有する多孔質部材から成れば、多孔質部材の表面の気孔に黒鉛粒子を結合させて、黒鉛膜とすることが可能である。
【0023】
また、プランジャは、黒鉛粒子を混合した熱硬化性樹脂溶液に浸漬し減圧処理することにより気孔内に熱硬化性樹脂溶液を侵入させると共に、黒鉛粒子は気孔へと引かれて気孔の表面に吸着される。その後、熱硬化性樹脂を気孔内で熱硬化させることによって、黒鉛粒子は熱硬化性樹脂がバインダーとなって気孔の表面において、確実な結合がなされるものとなる。
【0024】
この場合、プランジャとヨーク部材との空隙に応じて、黒鉛粒子の大きさを設定することが可能である。金属焼結体に形成される気孔の大きさは、原材料としての金属粒子の種類と粒子の大きさと加圧成形時の加圧力で決まる。こうして、金属焼結体の気孔の大きさに応じて黒鉛粒子の大きさを選択し、選択された黒鉛粒子を合成樹脂の溶解液に分散させれば、プランジャとヨーク部材との空隙の大きさに応じて、黒鉛粒子の大きさを設定することが可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1に、一実施形態における電磁弁1の構成を示す。図1に示す電磁弁1は、外部から電圧を印加して、コイル13を励磁させて電磁力によって、ヨーク1aの径方向の中央に形成された内孔に沿って配設されたプランジャ4を、軸方向にリニアに移動させる機能を有するものとする。
【0027】
電磁弁1は、円筒状の鉄等の磁性材より成る中空のハウジング11の中に、コイル13が周方向に巻回されるヨーク1aが配設されている。ヨーク1aは強磁性体(例えば、純鉄 SUYB φ8.9mm)から成り立っており、径方向に内孔を有し、軸方向における中央が凹部状となった中空円筒状を呈する。ヨーク1aは、軸方向における中央が磁気及び電気を絶縁する非磁性絶縁性部(非磁性部)7となり、その両側に磁性絶縁性部(磁性部)6が形成されている。ヨーク1aは軸方向両端が径方向に延在する円周状のフランジとなり、このフランジによって形成される中央の凹部には、絶縁層(例えば、ボビン)12の上に巻かれたコイル13が設けられる構成となっている。
【0028】
尚、本実施形態においては、ヨーク1aに対してヨーク1aの周囲に巻回されたコイル13まで含めたものを、ヨーク部材5としている。ヨーク1aの中央には小径孔と大径孔を有する貫通した内孔が軸方向にあけられ、小径孔と大径孔に軸支された状態で、プランジャ(純鉄 SUYB φ8.89mm)14が軸方向に移動自在となっている。
【0029】
次に、上記した構成の電磁弁1の作動について、簡単に説明する。電磁弁1は、図示しないコネクタからコイル13に対して通電がなされる構成となっている。電磁弁1はコイル13に通電がなされると、この通電によりコイル13は励磁される。励磁によりコイル13に発生した磁界は、強磁性体から構成される部材において磁束に変換され、この磁束がヨーク(例えば、図1に示す左側)1aからヨーク10aとプランジャ4との間の空隙(エアギャップ)を介してプランジャ4に伝達される。そして、その磁束は、プランジャ14からヨーク(例えば、図1に示す右側)1aを通って、再度、コイル13に戻り、ハウジング内で閉ループの磁気回路が形成される。
【0030】
この場合、コイル13に通電した電流に比例する磁界が生じる。その結果、プランジャ4には電磁力が作用し、プランジャ4は磁気的な吸引力によって、軸方向(図1に示す右方向)に引かれて、ヨークの大径孔の内壁に沿って軸方向に移動する。
【0031】
上記した構成の電磁弁1において、以下に示す説明において、プランジャ4とヨーク部材5との摺接面9に、黒鉛膜8が形成されていることを特徴とする。
【0032】
そこで、第1実施形態について説明する。
【0033】
(第1実施形態)
磁気回路の一構成要素であるヨーク1aについて説明を加えると、ヨーク1aは親粒子2と子粒子3から作られている。その組成を図3の模式図に示す。また図5にはヨーク1aの製造方法を示す。本実施形態においては、ヨーク1aを構成する親粒子には、粒子径が20〜400μmの塑性変形し易いミルスケール還元鉄粉を用いる(S1)。このミルスケール還元鉄粉は加圧成形を行う際、過大な圧力を作用させ、粒子径が異なるミルスケール還元鉄粉を再配列させる。更に、ミルスケール還元鉄粉の凹凸を互いに絡め合わせて各粒子間の間隙を微小にするとともに塑性変形することにより、粒子間の磁気ギャップをできる限り小さくして、磁気特性の低下を抑制し、また粒子の絡み合いによって機械的強度を引き出すことが出来る。
【0034】
また、ヨーク1aは、親粒子2の表面を子粒子3により絶縁した組成となっており、子粒子3には、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト、及び、これらのフェライトとMgフェライトとの混晶や、マグネタイト、マグヘマイト等、強磁性絶縁性の微粒子を用いる。この中で、マグヘマイトは所定温度にてヘマタイトに結晶変態を起こし、450℃近辺で強磁性のマグヘマイトγFeから常時性のヘマタイトαFeに変態する。それ故に、ヘマタイトはFe が存在しないので、比抵抗は上記の強磁性絶縁性の物質の中で最も比抵抗が高いNi−Znフェライトの比抵抗10Ωcm以上の値を有する。このことから、本実施形態では、図2の(b)に示す様に、ヨーク1aの非磁性部7を形成する物質として適するマグヘマイトを用いる(S2)。
【0035】
この様に、ヨーク1aを構成する親粒子(ミルスケール還元鉄粉)2と子粒子(マグヘマイト)3は、摩擦力によって、親粒子2の表面には子粒子3の被膜が、図3に示す模式図の如く形成される(S3)。この場合、図3に示す組成の単体粒子は集まって集合粒子になると図4の模式図に示す状態となる。そして、この集合粒子を加圧成形(S4)して、粒子間に存在する間隙をなくすことによって、ミルスケール還元鉄粉の絶縁化を図りながら、磁気特性の低下を防止すると、図2の(a)に示す磁性絶縁性部6を有するヨーク1aが作られる。
【0036】
この場合、マグヘマイトは加熱処理を施すと、強磁性体から常磁性体であるヘマタイトに結晶変態するので、子粒子3にマグヘマイトを用いて加熱処理を施すと磁性絶縁性部6の特定部位にレーザーを照射して加熱処理を施す(S5)ことによって、磁性絶縁性部6の特定部位が結晶変態して非磁性絶縁性部7が形成される。
【0037】
これは、磁性絶縁性部6の所定部位を加熱するだけで、非磁性絶縁性部7が同じ部材(ヨーク1a)の中に、一体で形成された機能部材が完成する(S6)。つまり、この様な製造方法によって、フロントヨーク部とリアヨーク部と非磁性絶縁性部7となるカラーとが一体となったヨーク1aを作ることができる。ヨーク1aができると、ヨーク1aのコイル13が巻回される凹部にボビン12が嵌められてヨーク1aとの絶縁が確保された状態で、その上にコイル13が周方向に巻回されてヨーク部材5が作られる。この様に作られたヨーク部材5はハウジング11の中に収められる。
【0038】
次に、ヨーク部材5の中で、プランジャ4が大径部の内壁に沿って摺動する摺接面9および摺接面9の形成について、具体的に説明する。上記した様に、図5に示す方法により作られたヨーク部材5に対して、プランジャ4の摺接面9をヨーク側に形成する粒子を製作する。
【0039】
摺接面9は、金属粒子を親粒子2として、天然黒鉛を子粒子3とする。そして、この両者を摩擦力によって、金属粒子の表面に黒鉛粒子の被膜を形成する方法を採用している。尚、この場合、金属粒子としては、飽和磁束密度と透磁率が比較的高く、さらに延性/展性に優れ安価な鉄粉が最も汎用的な粒子として用いられる。また、鉄粉以外では、鉄と銅の合金からなる粒子、鉄に炭素を含浸した粒子、鉄と銅の合金に炭素を含浸した粒子、鉄と銅と錫の合金から成る粒子、鉄と銅と錫の合金に炭素を含浸した粒子、銅と錫との合金からなる粒子、銅と錫からなる合金に炭素を含浸した粒子、銅と錫と鉛の合金から成る粒子も使用することが可能である。
【0040】
尚、これらの金属粒子は、摺接面9に要求される特性(例えば、圧環強さ、許容荷重、許容周速度、許容PV値等)によって、適宜選択すれば良い。
【0041】
摺接面9の形成には、原材料に鉄粉と黒鉛粒子とを用意する。この場合、鉄粉としては、圧縮性と成形性に優れたミルスケール還元粉(例えば、平均粒径:60〜80μmの鉄粉)を用いる。次に、このミルスケール還元鉄粉の表面に、被膜を形成する黒鉛粒子を用意する。黒鉛粒子は、プランジャ4とヨーク部材5との設定した空隙に応じて決定され、ここでは、粒径が5μm以下あるいは10μm以下の粒子を用いる。そして、粒径が決定された黒鉛粒子を、粒子間に働く摩擦力によって被膜を形成するメカノヒュージョン装置30の中に投入し、メカノヒュージョン法によりミルスケール還元粉の表面に黒鉛粒子を結合する。
【0042】
黒鉛粒子の粉体は、黒鉛粒子の被膜が親粒子である鉄粒子の表面積で略1/3となるよう秤量して、メカノヒュージョン装置30の中に投入する。この場合、鉄粒子の表面全体に黒鉛粒子の被膜を形成した場合、加圧成形時に鉄粒子が再配列することを黒鉛粒子の被膜が阻害し、これによって圧縮密度が低下し、磁気特性が悪化する。さらに、鉄粒子が絡み合って塑性変形することを阻害するので、鉄粒子の成形性が悪化し、摺接面9の圧環強さを低下させるので、プランジャ4の摺動によって摺接面9が磨耗してしまう。このため、鉄粒子の表面積の略1/3に黒鉛粒子からなる被膜が点在する被膜として形成するに必要な粉体の投入量を秤量する。
【0043】
次に、鉄粒子に黒鉛粒子の被膜をメカノヒュ−ジョン装置30により形成する。
【0044】
そこで、メカノヒュージョン法について、図6および図7を参照して簡単に説明する。ここに示すメカノヒュージョン法では、メカノヒュージョン装置30に、最初に鉄粒子21と黒鉛粒子22とを入れる。鉄粒子21は、メカノヒュージョン装置30の有する回転容器(回転ドラムとも言う)32の遠心力によって、回転容器32の壁面に押し付けられて固定される。そこで、インナーピース(押付け棒として機能する固定ドラム)31により鉄粒子21を回転容器32の壁面に押し付けると、鉄粒子21と黒鉛粒子22との間には、インナーピース31による圧縮力Fcと回転容器32の回転する遠心力によって、せん断力Fsがインナーピース31による押圧部位から回転容器32の回転方向に接する接線方向に作用する。
【0045】
これと同時に、鉄粒子21にはインナーピース31によって径方向に作用する圧縮力Fcが作用する。これによって、鉄粒子21を介して黒鉛粒子22に働く圧縮力Fcと、回転容器32の回転に伴うせん断力Fsによって、鉄粒子21の表面に黒鉛粒子22の被膜が形成される。この場合、メカノヒュージョン装置30によって、親粒子である鉄粒子21に小粒子である黒鉛粒子22が結合する過程での模式図を、図7に示す。メカノヒュージョン装置30では、図7に示す回転容器内に、両粒子が投入され、インナーピース31によって攪拌される攪拌前の段階では、図7の(a)に示す状態となる。そこで、回転容器32を周方向に回転させ、インナーピース31により径方向に押圧力を付与すると、回転容器内に配設される両粒子が互いに接触する。その結果、インナーピース31の当接する鉄粒子21には圧接力Fcが作用する。一方、小粒子の黒鉛粒子22には、図7の(b)に示す如く、回転容器32の回転により押圧部位より接線方向にせん断力Fsが作用すると共に、インナーピース31の押圧により押圧方向に圧縮力Fcが作用し、両粒子の接触面に摩擦力が発生する。
【0046】
接触面に摩擦力が発生すると、接触面がメカノケミカルな効果によって活性化され、接触面が活性化されると共有結合が起こり、両粒子21,22は互いに結合し始める。その後、継続してこの様な状態が成されると、親粒子に結合した子粒子はせん断力Fsで移動し、(c)に示す如く、親粒子である鉄粒子21の周囲に、均一に小粒子である黒鉛粒子22が結合した粒子23が作られる。
【0047】
上記した様なメカノヒュージョン法を行う際には、メカノヒュージョン装置30のインナーピース31と回転容器32との間隙を最初に調節する。始めは予め決めたインナーピース31と回転容器32との間隙で、黒鉛粒子22の被膜を形成する。ここで、インナーピース31と回転容器32の間隙が狭い場合は、黒鉛粒子22に働く圧縮力Fcが過大になり、黒鉛粒子22の破壊が先行してしまう。そこで、メカノヒュージョン装置30の回転時間を、例えば、30分に固定してメカノヒュージョン装置30を駆動させて、これにより作られた被膜を観察し、インナーピース31と回転容器32との適性となる間隙を決める。
【0048】
次に、メカノヒュージョン装置30の回転速度を決める。回転速度が高すぎると、黒鉛粒子22に働くせん断力Fsが過大になり、黒鉛粒子22の破壊が先行して進んでしまう。インナーピース31と回転容器32との間隙設定と同様に、回転時間を30分に設定して、これにより作られた被膜を観察して、適正な回転速度を決める。
【0049】
上記に説明した間隔設定によって、インナーピース31と回転容器32との間隙を設定し、メカノヒュージョン装置30の回転速度を、本実施形態では、300rpmに設定して30分程回転させた。
【0050】
これによって、粒径が10μm以下の黒鉛粒子22を用いた場合は、5μm程度からなる膜厚の黒鉛粒子22の被膜が、鉄粒子21の表面に点在する構造で形成され、この様にして、摺接面9を形成する粒子がメカノヒュージョン法により用意できる。
【0051】
次に、上記した様にメカノヒュージョン法により得られた粒子を用いて、コイル13が励磁されプランジャ4が移動を行う際、摺動性が必要となる部位に加圧成形によって摺接面9を形成させる。これは、既に上記した図5に示す方法により作られたヨーク単体またはヨーク部品5を金型に固定し、摺接面9を形成する部位に、メカノヒュージョン法により作られた鉄粒子21の周囲に黒鉛粒子22が設けられた粒子23を投入する。
【0052】
この場合、加圧成形を行う金型は、成形性を向上させるために、例えば、150℃以上に昇温すると良い。そして、下側の金型に対して、上蓋となる金型を当接させて配置し、所定圧力(例えば、7t/cm)の圧力を加えて、摺接面9を粒子23により加圧成形する。その結果、こうした工程を経て、ヨーク単体またはヨーク部材5と一体で、プランジャ4が摺動する部位に加圧成形法によって、摺接面9に黒鉛から成る黒鉛膜8が形成される。
【0053】
この様に、加圧成形によりヨークの内孔側に形成された黒鉛膜8は、プランジャ4が摺動を行う摺接面9において、プランジャ4の摺動性を黒鉛粒子によって向上させることができる。
【0054】
(第2実施形態)
第1実施形態では、プランジャ4が移動を行う場合、摺動性が必要な部位にメカノヒュージョン法により得られた粒子を用いて加圧成形する事により、摺接面9に黒鉛膜8を形成したが、以下に示す方法によっても、黒鉛膜8を形成することができる。
【0055】
そこで、第1実施形態とは異なる黒鉛膜8の形成について、図8を参照して説明する。第2実施形態においては、上記したメカノヒュージョン法により得られた黒鉛粒子22の被膜が鉄粒子21の表面に形成された粒子23を用意する(S11)。ここでは、鉄粒子を加圧成形によって、圧縮性と成形性を引き出す必要がないので、粒子の形状が相対的に凹凸の少ないアトマイズ還元粉を用いる。そして、形成する黒鉛膜の厚みに応じてアトマイズ還元粉の大きさを選択する。たとえば30μmの厚みで黒鉛膜を形成する場合は、アトマイズ還元粉の粒子は30μm以下のものを予め選別する。またこの実施例では、アトマイズ還元粉の表面全体に黒鉛粒子を結合させる。これと共に、黒鉛膜8を塗布する際に内孔に結合させる熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂等)を用意する(S12)。そして、フェノール樹脂の溶解液の中にメカノヒュージョン法により得られた粒子23を入れて、粒子23をフェノール樹脂の中で均一に分散させる。
【0056】
この場合、フェノール樹脂の溶液は、フェノール樹脂のペレットをアセトンなどの溶媒で溶解させ、フェノール樹脂の溶解液に粒子23を投入し、攪拌して攪拌溶液を作る方法が取られる。
【0057】
この攪拌溶液は、黒鉛膜8の膜厚に応じて粘度を調整すると良い(S13)。例えば、30μmの黒鉛膜8を被膜として形成する場合には、その溶液の粘度を0.80Pa・sになる様、鉄粒子21の重量割合とフェノール樹脂の重量と溶媒であるアセトンの重量を調整する。溶液の粘度調整は、溶液中に占める黒鉛粒子22の被膜が形成された鉄粒子21の体積割合を出来るだけ増大させ、溶液の塗布によって、黒鉛粒子22の被膜が形成された鉄粒子21を確実に形成する。このため、予め鉄粒子21の重量割合とフェノール樹脂のペレット重量比が2:1になるように秤量し、その後、アセトンを添加して溶液を作りこれを原液とする。この原液をアセトンで希釈して目標となる粘度になる様、アセトンの希釈量を調節する。
【0058】
上記の如く、アセトンにより粘度調整された被膜形成粒子23を含む溶液は、スプレー塗装によって、ヨーク部材5のプランジャ4が摺動する摺接面9に対して塗布され、摺接面9の表面に付着させる(S14)。こうして事前に調節された粘度に応じて塗膜が形成され、表面に黒鉛粒子が結合された鉄粒子が単層で摺動面9に付着する。この場合、溶液の塗布にはスプレー塗装ではなく、浸漬法を用いることも可能である。溶液を摺接面9の表面に塗布後、溶液を乾燥させて粘度調整に用いたアセントンを蒸発させる。そして、乾燥後に、窒素雰囲気中で約700℃の温度で焼成を行う(S15)。
【0059】
この焼成によって、フェノール樹脂は炭化し、非晶質炭素に変化する。この炭化した非晶質炭素は黒鉛粒子の被膜として内孔に結合し、黒鉛被膜として結合力を作り出す。この様な工程を経て、従来のコーティング処理を施して被膜を形成する場合では、数100μmの膜厚を極めて薄い30μm程にまで薄くし黒鉛膜8を形成することができる。
【0060】
以上、説明した様に、第1実施形態および第2実施形態における構成では、ヨーク部材5にプランジャ4が移動を行う場合、摺接面となる部位にプランジャ4を軸支する軸受け部品は不要となる。これによって、プランジャ4の移動時の磁気吸着が黒鉛膜8の形成によりなくなり、ヒステリシス特性が縮減できる。また、プランジャ4の摺接面9には粒子の加圧成形、あるいは、溶液の被膜形成によって膜厚を形成することから、黒鉛膜8の膜厚設定が自在に設計でき、ヨーク部材5とプランジャ4との空隙に応じて、自由に黒鉛膜8の空隙を設定することができる。更に、ヨーク側に形成された黒鉛膜8の一部が、プランジャ側に転移し、ヨーク部材5とプランジャ4との相互間で、黒鉛粒子を媒介とした半永久的且つ円滑な摺動性を実現させることができる。
【0061】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態においては、ヨーク側ではなく、プランジャ側に黒鉛膜8を設ける構成とした。この第3実施形態では、プランジャ4は金属より成る焼結体を用いている。プランジャ4は磁気特性に優れ、且つ、安価で多孔質な構造の金属焼結体(例えば、純鉄からなるアトマイズ還元鉄粉)を用いている。そこで、アトマイズ還元鉄粉を用いて、黒鉛膜8を図1に示すプランジャ側に形成する方法について、図9に示す製造工程の流れを参照して説明する。
【0062】
最初、平均粒径が70μmのアトマイズ還元鉄粉を、プランジャ4を作る形状の金型内に入れ、圧力(例えば、7t/cm)を印加してアトマイズ還元鉄粉を圧縮する。その後、972〜1073K(=700〜800℃)の還元雰囲気で焼結して、内部に多数の気孔4aを有する、多孔質な鉄の焼結体を作る(S21)。
【0063】
次に、プランジャ4の外径寸法精度に応じて、切削を行い、切削によって発生したプランジャ4の表面における気孔4aの目詰まりをなくす為、プランジャ4の表面を研磨する(S22)。この様に研磨を行うことにより、軸方向の表面に多数の気孔4aが開口して形成された多孔質の金属焼結体を作り、この金属焼結体を黒鉛粒子が吸着される外周部を除いて、テープ部材を使用してマスキングする(S23)。
【0064】
一方、結合させる溶剤を作る為、黒鉛粒子24を準備する(S24)。例えば、プランジャ4とヨーク部材5との空隙が10μmに設計された電磁弁1を作る場合には、空隙の公差を考慮して、15μm以下の粒径から成る黒鉛粒子(天然黒鉛粒子が良い)24を準備すると良い。
【0065】
そして、合成樹脂の溶液(例えば、熱硬化性フェノール樹脂)を用い、フェノール樹脂のペレットを用意して、溶剤としてアセトンを用いることによって、フェノール樹脂のペレットを溶解する(S25)。次に、溶解したフェノール樹脂の溶液の中に、準備した天然の黒鉛粒子24を配合して混合する(S26)。この場合、ペレットを溶解したフェノール樹脂の粘度が低いと、黒鉛粒子24が簡単に沈降する。この為、15μm以下の粒子径からなる黒鉛粒子24の場合は、0.78Pa・s以上の粘度にすると良い。そして、この黒鉛粒子が混合された溶解フェノール樹脂溶液が入った容器を減圧装置に配置する。
【0066】
次に、マスキングした多孔質の金属焼結体から成るプランジャ4を、減圧装置内に置かれたフェノール樹脂の溶液の容器中に浸漬させる(S27)。そして、フェノール樹脂の溶液の中に浸漬させた後、減圧装置の圧力を大気圧から13Paを目安に減圧する(S28)。このようにして、金属焼結体の内部の気孔にフェノール樹脂溶液を含浸させた後に、プランジャ4を取り出して乾燥させた後、昇温させることによって、気孔4a内に入り込んだフェノール樹脂25を一旦溶融した後、熱硬化させる(S29)。
【0067】
すると、金属焼結体内部に形成された多くの気孔4aには、それぞれフェノール樹脂が入り充填され、金属焼結体であるプランジャ4の外周面には天然の黒鉛粒子24が、気孔内に充填されたフェノール樹脂25をバインダーとしてプランジャ4の表面で結合する。これによって、プランジャ4の気孔4aには黒鉛粒子24がフェノール樹脂25をバインダーとして結合した、図10の模式図に示す状態となる(S30)。
【0068】
次に、第3実施形態における効果について説明する。
【0069】
上記した第3実施形態では、摺動性および潤滑性に優れた黒鉛粒子24を、プランジャ4の表面に一体で形成した。この為、プランジャ4とヨーク部材5との摺接面9は、黒鉛粒子24を媒体としてヨーク部材5に対するプランジャ4の摺動性は、摺接面9に存在する黒鉛粒子8によって、永久的に確保される。この場合、分子間力が小さい黒鉛粒子24を用いる為、プランジャ4とヨーク部材5との空隙の精度を高精度に出さなくても、プランジャ側の黒鉛粒子24がヨーク側に転移するので、プランジャ4が移動時には摺接面9において優れた摺動性を確保することができる。よって、ヨーク部材5では非磁性部7の厚みを高精度に出す必要がなくなる。また更に、プランジャ4とヨーク部材5との空隙に応じて、金属焼結体であるプランジャ4に形成される気孔4aの大きさ及び黒鉛膜8と成る黒鉛粒子24の大きさを自由に設定できるので、プランジャ4とヨーク部材5との寸法公差の設計自由度が高くなる。
【0070】
以上、説明した様に、上記した黒鉛膜8は、ヨーク1aに対して、プランジャ4が摺接する摺接面9またはプランジャ4の外周面のいずれかに設けることができる。この場合、黒鉛膜8をプランジャ側に形成する方が、黒鉛膜8をヨーク側に形成する場合に比べて、ヨーク内部での磁気特性を安定化させることができる。また、ヨーク1aまたはプランジャ4への黒鉛膜8の形成には、第1実施形態に示した加圧成形による方法第2実施形態に示した塗布による方法、第3実施形態に示した含侵させる方法のいずれの方法を用いても良い。黒鉛膜8の結合強度に関しては、この3つの方法の中では、黒鉛粒子24が気孔4aの表面にてフェノール樹脂25の熱硬化によって結合させる含侵法がもっとも強固なものとなる。
【0071】
また、上記した様に、黒鉛膜8はヨーク側あるいはプランジャ側に形成することが可能であり、この黒鉛膜8は加圧成形による方法、塗布による方法、多孔質部材の気孔の中に樹脂を入れて黒鉛粒子24を結合させる方法のいずれにより形成されても良い。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、ヨーク部材のプランジャが摺接する摺接面またはプランジャの外周面に黒鉛膜を形成したので、ヨーク部材とプランジャの空隙を黒鉛膜により、摺動性を向上させることができる。黒鉛膜の黒鉛粒子は、分子結合力が小さい為、ヨーク部材またはプランジャの一方の側の黒鉛粒子の一部が、その他方の側の表面に転移し、ヨーク部材に対してプランジャを滑らかに摺動させることができる。また、プランジャの軸受けとなる軸受け部材は必要なくなり、黒鉛膜の形成により、プランジャがヨーク部材に吸着される事を防止できる。
【0073】
この場合、黒鉛膜は、黒鉛粒子の被膜が形成された金属粒子を加圧成形することにより形成すれば、簡単な加圧成形によって黒鉛膜の膜厚を均一にして、プランジャとヨーク部材との間での摺動磨耗性を向上させることができる。
【0074】
また、プランジャには気孔が形成され、気孔に黒鉛粒子が結合して黒鉛膜が形成されると、黒鉛粒子は気孔に結合して黒鉛膜となり、非磁性の黒鉛膜が形成される。
【0075】
更に、気孔には熱硬化性樹脂が入って固化することにより、黒鉛粒子が結合すれば、黒鉛粒子は熱硬化性樹脂をバインダーとして結合されるので、黒鉛膜の結合強度が強くなり、プランジャが移動時に黒鉛膜は剥がれ難くできる。
【0076】
更にその上、プランジャは、表面に気孔を有する多孔質部材から成れば、多孔質部材の気孔に黒鉛粒子を結合させて、黒鉛膜とすることができる。
【0077】
また、プランジャは減圧処理により気孔内に硬化性樹脂を侵入させた後に固化させることによって、プランジャの表面に黒鉛粒子の黒鉛膜が形成されると、プランジャの減圧処理によって、黒鉛粒子は気孔へと引かれて吸着される。その後、熱硬化性樹脂を気孔内で固化させることによって、気孔内に硬化性樹脂が充填され、黒鉛粒子は熱硬化性樹脂がバインダーとなって気孔が形成される位置において、確実な結合にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電磁弁の構成を示す断面図である。
【図2】電磁弁のヨークを作る場合の説明図であり、(a)はヨークの磁性部に非磁性部が形成される前の状態、(b)は非磁性部が形成された状態を示す。
【図3】図2に示すヨークを形成する単体粒子(還元鉄粉)の組成を示した模式図である。
【図4】図3に示す単体粒子が集まり、集合粒子になった状態を示す模式図である。
【図5】図2に示すヨークを製造する製造工程の流れである。
【図6】メカノヒュージョン装置の説明図である。
【図7】図6に示すメカノヒュージョン装置により親粒子に子粒子が結合する過程を示した模式図である。
【図8】図1に示すヨーク部材に黒鉛膜を形成する場合の製造工程の流れである。
【図9】図1に示すプランジャに黒鉛膜を形成する場合の製造工程の流れである。
【図10】図9の製造工程により、プランジャの表面に黒鉛膜が形成された場合の模式図である。
【符号の説明】
1 電磁弁
1a ヨーク
4 プランジャ
4a 気孔
5 ヨーク部材
8 黒鉛膜
9 摺接面
11 ハウジング
12 ボビン
13 コイル
23,24 粒子
25 フェノール樹脂(熱硬化性樹脂)

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    径方向の中央に内孔を有すると共に、軸方向に磁性部と非磁性部を有し、コイルが巻回された状態で前記ハウジング内に配設されるヨーク部材と、
    前記内孔に沿って軸方向に移動自在であるプランジャとを備え、
    前記コイルに励磁を行うことにより、前記プランジャが軸方向に移動する電磁弁において、
    前記ヨーク部材の内孔または前記プランジャの外周面に黒鉛膜を形成したことを特徴とする電磁弁。
  2. 前記黒鉛膜は、前記黒鉛粒子の被膜が形成された金属粒子を加圧成形することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記プランジャには気孔が形成され、該気孔に黒鉛粒子が結合して黒鉛膜が形成されることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  4. 前記気孔には、熱硬化性樹脂が入って、熱硬化樹脂が熱硬化することにより、前記黒鉛粒子が結合することを特徴とする請求項3に記載の電磁弁。
  5. 前記プランジャは、表面に気孔を有する多孔質部材から成ることを特徴とする請求項3に記載の電磁弁。
  6. 前記プランジャは、黒鉛粒子を混合した熱硬化性樹脂溶液に浸漬し減圧処理することにより前記気孔内に熱硬化性樹脂を侵入させた後に熱硬化させることによって、前記表面に黒鉛粒子の前記黒鉛膜が形成されることを特徴とする請求項5に記載の電磁弁。
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