JP2004116652A - 自動変速機の変速油圧装置 - Google Patents

自動変速機の変速油圧装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004116652A
JP2004116652A JP2002280707A JP2002280707A JP2004116652A JP 2004116652 A JP2004116652 A JP 2004116652A JP 2002280707 A JP2002280707 A JP 2002280707A JP 2002280707 A JP2002280707 A JP 2002280707A JP 2004116652 A JP2004116652 A JP 2004116652A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
control
oil passage
valve
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002280707A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4206126B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Kato
加藤 芳章
Isamu Otake
大竹 勇
Masahiro Takeuchi
竹内 雅広
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2002280707A priority Critical patent/JP4206126B2/ja
Publication of JP2004116652A publication Critical patent/JP2004116652A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4206126B2 publication Critical patent/JP4206126B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】エンジンにより駆動されるオイルポンプを油圧供給源とする自動変速機の変速油圧装置において、アイドルストップ制御時にはオイルポンプが停止し、再発進時に走行に必要な油圧を供給し、スムーズな走行をすることのできる自動変速機の変速油圧装置を提供すること。
【解決手段】アイドルストップ制御手段を車両おいて、ロークラッチL/C用の油路として、オリフィスd1及びアキュムレータ105回路を備えた通常油路と、通路抵抗の小さいバイパス油路45を設け、通常油路105及びバイパス油路45を切り換え可能な切換弁44を設け、シフトバルブに、シフトバルブのバルブ位置が、ロークラッチL/Cへの油圧供給が行われるバルブ位置及びシフトバルブ非作動時のバルブ位置のときはバイパス油路にライン圧を直接供給し、ロークラッチの油圧がドレンされるバルブ位置のときはバイパス油路をドレンするインターロック防止用バイパスポートを設け、バイパス油路45をインターロック防止用バイパスポートと接続した。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速油圧装置であって、特に、走行中の車両停止時にエンジンのアイドリングを停止するアイドルストップ制御装置を備えた車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、走行中において車両が停止し、かつ所定の停止条件が成立した場合に、エンジンを自動的に停止させ、燃料の節約、排気エミッションの低減、あるいは騒音の低減等を図るように構成したアイドルストップ車両がすでに実用化されている。このような車両にあってはエンジンが停止すると、エンジンにより駆動されているオイルポンプが停止してしまうため、例えば、自動変速機の前進クラッチに供給されている油も油路から抜け、油圧が低下してしまう。そのため、エンジンが再始動されるときには、前進走行時に係合されるべき前進クラッチもその係合状態が解かれてしまった状態となってしまうことになり、エンジン再始動時に、この前進クラッチが速やかに係合されないと、いわばニュートラルの状態のままアクセルペダルが踏み込まれることになり、エンジンが吹き上がった状態で前進クラッチが係合して係合ショックが発生する可能性がある。
【0003】
よって、これを解決する手段として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は、2台のポンプを使用するもので、オイルポンプを運転して流体の供給を行い、エンジン停止時等のオイルポンプ停止時に、電動モータにより駆動するアシストポンプを単独で運転して流量不足を補うことで、自動変速機への作動流体の供給確保を、バッテリの電力消費を最小に抑えながら行うことができるよう構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−46166号公報(5頁左側中段,図1参照)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、エンジン停止時は常に電動モータにより駆動するアシストポンプが駆動するため、電力消費が著しい。特に、渋滞時等においては、バッテリに大きな負担がかかるとともに、アシストポンプ駆動用のモータ自身にも大きな負担がかかるという問題があった。また、アシストポンプは電動モータにより駆動するため、ポンプ及び電動モータを自動変速機に搭載する必要があり、車両への搭載性の悪化を招くという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に着目してなされたもので、エンジンにより駆動されるオイルポンプを油圧供給源とする自動変速機の変速油圧装置において、アイドルストップ制御時にはオイルポンプが停止しても、再発進時に走行に必要な油圧を供給し、スムーズな走行をすることのできる自動変速機の変速油圧装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、予め設定されたアイドリング停止条件により、エンジンコントロールユニットに対しエンジンのアイドリング作動及び停止信号を出力するアイドルストップ制御手段を有するエンジンと、前記エンジンにより駆動するオイルポンプを油圧供給源としてコントロールバルブユニットにより変速制御を行う自動変速機と、を備えた車両において、前記コントロールバルブユニット内に、前進用締結要素の締結圧を供給する油路であって、背圧が任意に制御可能なアキュムレータ回路とオリフィスを備えた通常油路と、変速段を切り換えるシフトバルブと連通しライン圧を直接供給する通路抵抗の小さなバイパス油路と、前進用締結要素と連通する油路を前記通常油路と前記バイパス油路のどちらか一方に切り換える切換弁を設け、前記シフトバルブの前記バイパス油路を接続するポートとして、前記シフトバルブのバルブ位置が、前進用締結要素への油圧供給が行われるバルブ位置及び前記シフトバルブ非作動時のバルブ位置のときは前記バイパス油路にライン圧を直接供給し、前進用締結要素の油圧がドレンされるバルブ位置のときは前記バイパス油路をドレンするインターロック防止用バイパスポートを設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の変速油圧装置において、前記インターロック防止用バイパスポートを、前記前進用締結要素の締結圧を供給する通常油路のポートとしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の自動変速機の変速油圧装置において、前記切換弁を制御する切換弁制御手段と、ライン圧又は前進用締結要素の締結圧が最低限の締結力を確保可能な所定油圧以上かどうかを判断する油圧判断手段を設け、該切換弁制御手段は、ライン圧又は前進用締結要素の締結圧が所定油圧以下のときは、前記切換弁に対しバイパス油路と前進用締結要素を連通するように切り換える指令を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3に記載の自動変速機の変速油圧装置において、エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、前記アキュムレータの背圧を制御する背圧制御手段を設け、前記背圧制御手段に、前記前進用締結要素締結完了前の背圧制御指令を出力する背圧指令部を設け、アイドルストップ後の再発進時、前記背圧指令部は、検出されたスロットル開度に応じて通常制御よりも低い背圧制御指令を出力するスロットル開度依存制御を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の自動変速機の変速油圧装置において、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を設け、アイドルストップ後の再発進時、前記締結制御部は、前記スロットル開度依存制御により設定された前記背圧制御指令値に対し、エンジン回転数が高いときは前記背圧制御指令値を大きく補正し、エンジン回転数が低いときは前記背圧制御指令値を小さく補正するエンジン回転数依存制御を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明では、請求項4または5に記載の自動変速機の変速油圧装置において、アイドルストップ後の再発進時、前記締結制御部は、背圧制御指令として最大値を出力する最大値制御を行い、ライン圧又は前進用締結要素の締結圧が所定油圧以上と判断されたときは、前記最大値制御を終了し、背圧制御指令として前記スロットル開度依存制御又は前記エンジン回転数依存制御を行うことを特徴とする。
【0012】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の自動変速機の変速油圧装置においては、従来技術のように電動式のアシストポンプ等を有しておらず、アイドルストップ制御手段によりエンジンのアイドリングを停止したときに、電動モータがアイドリング停止中も作動し続けるといったことがない。よって、バッテリや電動モータに負担をかけることなく、また低コストでアイドルストップ制御を行うことができる。
【0013】
また、通常油路とバイパス油路を切り換える切換弁が設けられ、シフトバルブに設けられたインターロック防止用バイパスポートに、前進用締結要素に油圧を供給するバイパス油路が接続されたことで、切換弁がスティックして前進用締結要素とバイパス油路を連通した状態を維持したとしても、変速時にシフトバルブによって油圧供給回路が切り換えられ、バイパス油路をドレンするため、前進用締結要素への油圧供給を回避することができる。これにより、ある変速段で前進用締結要素に油圧が供給されることによってインターロックを発生するような自動変速機であっても、インターロックを確実に防止しつつ、締結要素に対して十分な締結圧を素早く供給することができる。
【0014】
また、シフトバルブ非作動時であってもバイパス油路にライン圧が直接供給されるため、エンジン再始動直後であって、十分な油圧が得られずシフトバルブ用のパイロット圧が確保できないときであっても、前進用締結要素に対して油を供給することができる。
【0015】
また、極力通路抵抗の小さいバイパス油路を設けることで、オリフィスによる通路抵抗やアキュムレータの蓄圧による油量消費を回避して締結圧を供給することが可能となり、締結要素に対して十分な締結圧を素早く供給することができる。
【0016】
請求項2記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、インターロック防止用バイパスポートを前進用締結要素の締結圧を供給する通常油路のポートとしたことで、シフトバルブに新たな構成を設けることなく、確実にインターロックを防止することができる。
【0017】
請求項3記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、ライン圧が所定油圧以上となったときにバイパス油路から通常油路に切り換えられる。よって、十分な締結圧が確保できる直前まで通路抵抗の小さなバイパス油路から前進用締結要素に対して油圧を供給することが可能となり、エンジン再始動後、素早く発進することができる。
【0018】
請求項4記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、アキュムレータ背圧をエンジン再始動後のスロットル開度に応じて変化させ、かつ、通常のセレクト時よりポンプ吐出能力が不足していることに鑑み、通常の背圧設定より低めにしているため、確実に棚圧を得ることが可能となり、ショックのない滑らかな締結を達成することができる。
【0019】
請求項5に記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、エンジン再始動後のエンジンの立ち上がり方に応じてアキュムレータ背圧指令値を補正することで、よりポンプ吐出能力に応じた棚圧を得ることが可能となり、より滑らかな締結を達成することができる。すなわち、エンジン再始動時のスロットル開度が高い場合、一定の背圧設定にすると、エンジン再始動後のエンジン回転数が低い状態では、要求背圧が得られず、アキュムレータピストンが作動しない。この状態でエンジン回転が急上昇して一定レベルの回転数になった時点で油圧が確保され、アキュムレータピストンが一気に移動し始める。これにより、アキュムレータピストン移動開始時点でサージ圧が発生し、ショックを誘発する虞があるからである。
【0020】
請求項6記載の自動変速機の変速油圧装置においては、エンジン再始動直後のアキュムレータ背圧を最大に設定することでアキュムレータピストンのストロークを確保することが可能となり、ショックのない滑らかな締結を達成することができる。すなわち、エンジン再始動直後のアキュムレータ背圧を低めに設定すると、切換弁により通常油路と前進用締結要素を遮断している期間でも、切換弁の隙間(以下、グループと記載する)からアキュムレータに油圧が供給され、アキュムレータピストンの移動が進行してしまう。これにより、切換弁が通常油路と前進用締結要素を連通したときに、アキュムレータのピストンストロークが減少して、棚圧をうまく得られず棚はずれショックがでる虞がある。よって、通常油路と前進用締結要素を遮断している期間中は、アキュムレータ背圧を高く設定し、アキュムレータのピストンを移動させないようにすることで、アキュムレータのピストンストロークを有効に使用することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は実施の形態における自動変速機の制御系を表す図である。
【0022】
10はエンジン、20は自動変速機、30はトルクコンバータ、50はコントロールユニット、60はスタータジェネレータである。
エンジン10には、燃料供給装置11が備えられ、エンジン10へ燃料を供給している。また、チェーンスプロケット12が設けられ、スタータジェネレータ60に電磁クラッチ61を介して設けられたチェーンスプロケット62とチェーン63により連結されている。このスタータジェネレータ60はエンジン10のスタータ、減速状態での発電機、並びにバッテリの蓄電状態に応じて発電する発電機として機能する場合は、電磁クラッチ61によりエンジン10と締結状態とされる。
【0023】
また、自動変速機20には、エンジン10と共に回転駆動するオイルポンプ22が設けられ、油圧サーボ23へ油圧を供給している。
【0024】
コントロールユニット50には、アイドルストップスイッチ1,ブレーキスイッチ2,舵角センサ3,油温センサ4,車速センサ5,スロットル開度センサ6及びエンジン回転数センサ7からの信号が入力され、スタータジェネレータ60及び燃料供給装置11の作動を制御する。
【0025】
本実施の形態1では、変速機構部24にギヤ式の有段変速機を備えている。図2は本実施の形態1の有段変速機の構成を表す概略図である。
図2において、G1,G2は遊星ギヤ、M1,M2は連結メンバ、R/C,H/C,L/Cはクラッチ、B/B,L&R/Bはブレーキ、L−OWCはワンウェイクラッチ、INは入力軸(入力部材)、OUTは出力軸(出力部材)である。
【0026】
前記第1遊星ギヤG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛み合うピニオンを支持する第1キャリアPC1を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
前記第2遊星ギヤG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛み合うピニオンを支持する第2キャリアPC2を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
前記第3遊星ギヤG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、両ギヤS3,R3に噛み合うピニオンを支持する第3キャリアPC3を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
前記第1連結メンバM1は、第1キャリアPC1と第2リングギヤR2とをロークラッチL/Cを介して一体的に連結するメンバである。
前記第2連結メンバM2は、第1リングギヤR1と第2キャリアPC2とを一体的に連結するメンバである。
【0027】
リバースクラッチR/CはRレンジの時に締結し、入力軸INと第1サンギヤS1を接続する。
ハイクラッチH/Cは3速,4速の時に締結し、入力軸INと第1キャリヤPC1を接続する。
ロークラッチL/Cは1速,2速,3速ギヤの時締結し、第1キャリヤPC1と第2リングギヤR2とを接続する。
ロー&リバースブレーキL&R/Bは1速とRレンジの時に締結し、第1キャリヤPC1の回転を固定する。
バンドブレーキB/Bは2速,4速の時に締結し、第1サンギヤS1の回転を固定する。
ローワンウェイクラッチL−OWCは1速で車両が加速状態の時に作用し、第1キャリヤPC1の回転を固定する。減速中は作用しない。
【0028】
前記入力軸INは、第1リングギヤR1に連結され、エンジン回転駆動力をトルクコンバータ30を介して入力する。前記出力軸OUTは、第2キャリアPC2に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪に伝達する。前記各クラッチ及びブレーキには、各変速段にて締結圧や解放圧を作り出す油圧サーボ23が接続されている。
【0029】
[変速作用]
図3は実施の形態1の変速機構部24での締結作動表を表す図である。
図3において、○は締結状態、×は非締結状態を示す。
【0030】
図4は実施の形態1における油圧サーボ23から変速機構部24へ制御油圧を供給する油圧回路を表す油圧回路図である。エンジン10により駆動されるオイルポンプ22と、オイルポンプ22の吐出圧をライン圧として調圧するプレッシャレギュレータバルブ47と、ライン圧をマニュアルバルブに供給する第1ライン圧油路39と、マニュアルバルブ通過後のライン圧を供給する第2ライン圧油路40が設けられている。
【0031】
また、油圧回路を切り換える第1シフトバルブ41及び第2シフトバルブ42と、各シフトバルブ41,42を作動するパイロット圧を供給するパイロット圧油路41b,42bとが設けられている。また、第1シフトバルブ41を通過し、ロークラッチL/Cに油を供給するロークラッチ圧供給油路101には、通路抵抗の少ないバイパス油路45が設けられている。このバイパス油路45は、ロークラッチL/Cの直前に設けられ、バイパス油路45とロークラッチ圧供給油路101との連通状態を切り換える切換弁44が設けられている。
【0032】
尚、図3に示すように、1,2,3速時は元来、ロークラッチL/Cへは油圧が供給されるが、4速時はロークラッチL/Cへの供給を絶たなければインターロックしてしまう。しかしながら、第1シフトバルブ41が切り換えられた状態では、切換弁44がスティックし、バイパス油路45とロークラッチL/Cを連通したままとなっても油圧が供給されることがなく、インターロックを防止することができる(請求項1に対応)。
【0033】
また、信号圧の元圧を調圧するパイロットバルブ48と、パイロットバルブ48から供給されたパイロット圧に基づいて、各信号圧を出力するライン圧デューティソレノイド70,第1シフトソレノイド,第2シフトソレノイド等が設けられている。ライン圧デューティソレノイド70から出力された信号圧は、プレッシャモディファイアバルブ80に供給されると共に、ロークラッチアキュームコントロールバルブ90に供給される。
【0034】
ライン圧デューティソレノイド70の信号圧に基づいてプレッシャモディファイアバルブ80により調圧されたプレッシャモディファイア圧は、プレッシャレギュレータバルブ47に作用し、ライン圧の調圧レベルを変更する。また、同様にライン圧デューティソレノイド70の信号圧に基づいて作動するロークラッチアキュームコントロールバルブ90(特許請求の範囲に記載の背圧制御手段に相当)により調圧された信号圧はロークラッチアキューム300の背圧として作用し、ロークラッチアキューム300のピストンストロークを制御する。
【0035】
図5は切換弁44の拡大断面図である。この切換弁44はスプールバルブ44fとリターンスプリング44gから構成されている。スプールバルブ44fには、リターンスプリング44gのばね力に対向する油圧を受ける受圧部44iが設けられている。
【0036】
ポート44aにはオリフィスd1を備えた通常のロークラッチ圧供給油路101が連通され、ポート44bにはロークラッチL/Cが連通され、ポート44cには通路抵抗の少ないバイパス油路45が連通され、ポート44eには切り換え用のパイロット圧油路102が連通され、ポート44kにはロークラッチアキューム室300と連通するロークラッチアキューム油路105と連通している。
【0037】
また、バイパス油路45の通路抵抗は、極力小さくすることが望ましい。すなわち、他の油路(特に各締結要素直前)には、締結直後のサージ圧を防止するためのオリフィスが設けられ、更にアキュムレータを備えることでライン圧の立ち上がり特性を調整している。これに対し、バイパス油路45の通路抵抗を小さく設定することで、オイルポンプの吐出油量の多くをロークラッチL/Cに供給することができるからである。
【0038】
図6は実施の形態1におけるアイドルストップ制御の制御内容を表すフローチャートである。
【0039】
ステップ101では、アイドルストップスイッチ1が通電、車速が0、ブレーキスイッチがON、舵角が0、Rレンジ以外のレンジが選択されているかどうかを判断し、全ての条件を満たしたときのみステップ102へ進み、それ以外はアイドルストップ制御を無視する。
【0040】
ステップ102では、油温Toilが下限油温Tlowよりも温度が高く上限油温Thiよりも低いかどうかを判定し、条件を満たしていればステップ103へ進み、それ以外はアイドルストップ制御を終了する。
【0041】
ステップ103では、エンジン10を停止する。
【0042】
ステップ104では、ブレーキスイッチ2がONかどうかを判定し、ON状態であればステップ105へ進み、それ以外はステップ106へ進む。
【0043】
ステップ105では、アイドルストップスイッチ1が通電しているかどうかを判定し、通電していなければステップ103へ進み、通電していればステップ106へ進む。
【0044】
ステップ106では、スタータジェネレータ60を作動する。
【0045】
ステップ107では、スロットル開度TVO及びエンジン回転数Neを読み込む。
【0046】
ステップ108では、図7に示すスロットル開度−ライン圧デューティソレノイドマップ(以下MAP1と記載する)からスロットル開度に応じたライン圧デューティを決定する。
【0047】
ステップ109では、図8に示すスロットル開度−エンジン回転数マップ(以下MAP2と記載する)からスロットル開度に応じた目標エンジン回転数Ne1を決定する。
【0048】
ステップ110では、エンジン回転数Neがエンジン完爆回転数Nを越えたかどうかを判定し、越えていればステップ111へ進み、越えていなければステップ107へ進み、スタータジェネレータ60の作動を継続する。
【0049】
ステップ111では、エンジンが完爆したとしてスタータジェネレータ60をオフとする。
【0050】
ステップ112では、エンジン回転数が目標エンジン回転数Ne1よりも大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ115へ進み、それ以外はステップ113へ進む(特許請求の範囲に記載の油圧判断手段に相当)。
【0051】
ステップ113では、ステップ108で決定したデューティ比に基づいてライン圧を制御する。
【0052】
ステップ114では、エンジン回転数を読み込みステップ112へ戻る。
【0053】
ステップ115では、タイマにより予め設定された設定時間T1となるまでカウントを開始する。
【0054】
ステップ116では、ライン圧デューティソレノイドのデューティ比を締結制御から通常制御へランプ状に移行するランプ制御を実行する。
【0055】
ステップ117では、ライン圧デューティソレノイドのデューティ比が通常制御値に移行したかどうかを判断し、移行したときは本制御を終了し、移行していないときはステップ116に戻りランプ制御を継続する。
【0056】
すなわち、運転者がアイドルストップ制御を希望しており、車両が停止状態で、ブレーキが踏まれており、舵角が0で、Rレンジが選択されていなければ、エンジン10を停止する。ここで、アイドルストップスイッチ1は、運転者がアイドルストップを実行又は解除する意志を伝えるものである。イグニッションキーを回した時点でこのスイッチは通電状態である。また、舵角が0の場合としたのは、例えば右折時等の走行時の一時停車時においては、アイドルストップを禁止するためである。
【0057】
また、Rレンジにおけるアイドルストップ制御を禁止したのは締結完了状態にするための必要油量が、1速締結状態より遙かに多くなるため十分な油量を供給できない恐れがあるからである。すなわち、図3の締結表に示すように、1速段ではロークラッチL/Cに油圧の供給が必要である。よって、各シフトバルブが油路を切り換えていない状態であってもロークラッチL/Cにのみバイパス油路45から油圧を供給すればよい。しかしながらRレンジでは、リバースクラッチR/C及びロー&リバースブレーキL&R/Bにも油圧を供給しなければならないため、エンジン始動までに締結に必要な油量を供給することが困難であるからである。
【0058】
次に、油温Toilが下限油温Tlowよりも高く、上限油温Thiよりも低いかどうかを判定する。これは、油温が所定温度以上でないと、油の粘性抵抗のために、エンジン完爆前に所定油量の充填ができない可能性があるためである。また、油温が高温状態では、粘性抵抗の低下によりオイルポンプ22の容積効率が低下することと、バルブ各部のリーク量が増加するため、同様にエンジン完爆前に締結要素への所定油量が充填できない可能性があるためである。
【0059】
次に、ブレーキが離されたときは、運転者にエンジン始動の意志があると判断し、また、ブレーキが踏まれた状態であっても、アイドルストップスイッチ1に非通電が確認されるときは、運転者にエンジン始動の意志があると判断する。これは、例えばアイドルストップによりエンジン10を停止すると、バッテリに負担がかかり、エアコン等の使用ができないといった事が生じないように、運転者が車室内の温度を暑いと感じたときには、運転者の意志によってアイドルストップ制御を解除することができることで、より運転者の意図に沿った制御を実行できるように構成されているものである。これにより、スタータジェネレータ60を作動することで、第2ライン圧油路40に油圧を供給する。
【0060】
このとき、エンジン停止時はオイルポンプ22が停止した状態であるため、切換弁44はリターンスプリング44gによりバイパス油路45とロークラッチL/Cが連通した状態に切り換えられている。エンジン停止時は、ロークラッチL/Cに供給されている油も油路から抜け、油圧が低下してしまう。そのため、エンジン10が再始動されるときには、1速段走行時に係合されるべきロークラッチL/Cもその係合状態が解かれてしまった状態となっているため、エンジン再始動時に油圧を供給する必要がある。
【0061】
以下、エンジン再始動後の制御について図9のタイムチャートに基づいて説明する。
【0062】
(時刻t0〜t1)
時刻t0においてブレーキが離されるとエンジン再始動制御が開始される。エンジン再始動時に、スタータジェネレータ60の回転(約200rpm)によりエンジン10を介してオイルポンプ22を駆動するが、十分な吐出量を確保できない低油圧の期間は、切換弁44によりロークラッチL/Cへの供給油路として通路抵抗の少ないバイパス油路45を選択し、かつオリフィスd1を通過しロークラッチアキューム室300を備える油路101を遮断することにより、オイルポンプの吐出する油量の大部分をロークラッチL/Cに供給することが可能となる。尚、このとき第1及び第2シフトバルブ41,42はOFF状態であるが、図3の締結表に示すように、ロークラッチL/C及びハイクラッチH/Cに油圧を供給できる状態にあるため、ロークラッチL/Cに徐々に油圧が供給される。
【0063】
エンジン再始動が開始されると、締結制御が実行される。スタータジェネレータ60によるエンジン駆動時は、図7のMAP1に示すように、スロットル開度に応じたライン圧デューティソレノイドのデューティ比を設定する。このデューティ比は通常制御に比べて低い締結制御用のデューティ比である。このとき、ロークラッチアキューム300に供給される背圧も低く設定される。尚、図7に示すように、油温を検出して油温毎に設定された締結制御用デューティ比を用いても良い。
【0064】
(時刻t1〜t2)
次に時刻t1において、エンジン回転数がN以上となり、エンジンが完爆したと判定されると、スタータジェネレータ60を停止する。このとき、エンジン回転がアイドリング回転(約600rpm)で安定すると、時刻t2において、オイルポンプ22の吐出量が十分確保され、ポート44eに供給されるパイロット圧油路102の油圧が所定圧以上となり、リターンスプリング44gのばね力に抗してスプールバルブ44fを下方(図5参照)に移動する。切換弁44のスプールバルブ44fが上方の状態でも通常油路からグループ経由でロークラッチアキューム300に油が供給されている。スプールバルブ44fが上方のときには通常油路に分配される流量が少なくロークラッチアキューム300のピストン移動は少ない。スプールバルブ44fが下方に移動すると、通常油路経由でロークラッチアキューム300に供給される油量が増大し、ロークラッチL/C圧はアキューム棚圧となる。
【0065】
すなわち、ロークラッチアキューム300はステップ108で決定されたデューティ比に基づいて背圧制御されるため、ロークラッチアキューム300の背圧に応じた棚圧でロークラッチ締結圧は上昇する。このロークラッチアキューム300の背圧は、エンジン始動直後によりポンプ吐出圧が不十分なことに鑑み、通常のN−Dセレクト時の設定値より低めに設定している。これによりロークラッチアキューム300のストローク量を確保することが可能となる。よって、ライン圧にサージ圧等が発生した場合でも、確実に棚圧を確保した状態でロークラッチL/Cを若干滑り気味に締結して再発進時の締結ショックを良好に緩和している(請求項2に対応)。
【0066】
(時刻t2〜t3)
第1及び第2シフトソレノイド41,42がONとなり、切換弁44が通常油路101に切り換えられると、ロークラッチ圧は徐々に上昇する。時刻t3において、スタータジェネレータ60がOFF後、ステップ109で決定されたスロットル開度に応じた目標エンジン回転数Ne1に到達すると、必要と推定されるロークラッチL/Cの締結力を得るためのポンプ吐出能力が確保される。よって、そのエンジン回転Ne1に到達すると、ライン圧デューティソレノイドの締結制御から通常制御に切り換えられる。
【0067】
(時刻t3〜t4)
ここでは締結制御から通常制御へランプ制御により切り換えられる。このとき、移行時間をT1とし、移行時間を一定とすることで、スロットル開度に応じて傾きを可変とし、デューティ比の差が大きい場合であっても設定時間内にスムーズな制御移行を可能としている。
【0068】
(実施の形態1の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態1における自動変速機の変速油圧装置にあっては、上述の構成をとったことにより、従来技術のように電動式のアシストポンプ等を有しておらず、アイドルストップ制御手段によりエンジンのアイドリングを停止したときに、電動モータがアイドリング停止中も作動し続けるといったことがない。よって、バッテリや電動モータに負担をかけることなく、また低コストでアイドルストップ制御を行うことができる。
【0069】
また、第1シフトバルブ41通過後の通常油路101とバイパス油路45を切り換える切換弁44が設けられている。よって、切換弁44がスティックしてロークラッチL/Cとバイパス油路45を連通した状態を維持したとしても、変速時に第1シフトバルブ41によって油圧供給回路が切り換えられるため、ロークラッチL/Cへの油圧供給を回避することができる。これにより、4速で切換弁44がバイパス油路45とロークラッチL/Cを連通するようにスティックしても、ロークラッチL/Cに油圧が供給されることがなく、インターロックを確実に防止することができる。
【0070】
また、アキュムレータ背圧をエンジン再始動後のスロットル開度に応じて変化させ、かつ、通常のセレクト時よりポンプ吐出能力が不足していることに鑑み、通常の背圧設定より低めにしているため、確実に棚圧を得ることが可能となり、ショックのない滑らかな締結を達成することができる(請求項3に対応)。
【0071】
(実施の形態2)
図10は実施の形態2における油圧回路を表す概略図である。基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。実施の形態1の切換弁44とは構成の異なる切換弁44’と、切換弁44’専用のロークラッチバイパスソレノイド100を設けた油圧回路を示す。実施の形態1に設けられた切換弁44は、切り換え設定圧力をスプリングセット荷重のみで決定している。
【0072】
ここで、エンジン再始動直後のフルスロットル発進を行うと、ロークラッチ締結トルクが不足し、大きなショックを発生する虞があり、また、ロークラッチ油路の管路抵抗によって圧損が生じるため実際のロークラッチ油圧が低くなる可能性がある。また、この圧損は油温に影響されてしまうため、制御性の悪化を招く虞がある。
【0073】
上述の問題点に鑑み、ポンプから十分な油圧が確保されるまでは確実にバイパス油路45とロークラッチL/Cを連通しておくために、実施の形態1の切換弁44に設けられたスプリングのセット荷重を高くすることを考える。このとき、ポンプから十分な油圧が得られたときは、スプリングに対向する圧力が確保されてから、バイパス油路45とロークラッチL/Cの連通状態が切り換えられるため、上述の問題点を解決できる。しかし、十分ポンプの油圧が確保された通常運転のN−Dセレクト時において、通常通りシフトバルブからロークラッチL/Cへ油圧が供給されるが、スプリングの設定荷重が大きすぎると、その前にバイパス油路45とロークラッチL/Cが連通してしまい、セレクトショック等が発生する虞がある。そこで、本実施の形態2では、ロークラッチバイパスソレノイド100の信号油圧を用いることで、必要以上にスプリングの設定荷重を大きくすることなく、アイドルストップ時のエンジン再始動直後にフルスロットル発進したとしても、スムーズに油圧を供給し、かつ、通常制御においてもセレクトショック等を防止できる油圧回路を構成するものである。
【0074】
図11は、切換弁44’の拡大図である。この切換弁44’はスプールバルブ44’fとリターンスプリング44’gから構成されている。スプールバルブ44’fには、リターンスプリング44’gのバネ力に対向する油圧を受けている受圧部44’iが設けられている。受圧部44’iには、パイロット圧が連通されている。またリターンスプリング44’gが収納されている収納室44’jには、油路103と連通するポート44’mが設けられている。油路103は、パイロット圧を元圧とするロークラッチバイパスソレノイド100と接続され、制御信号に基づいて任意に圧力を設定できる。これにより、パイロット圧をスプリング44’g及びロークラッチバイパスソレノイド圧の対向圧とし、切換弁44’を任意のタイミングで切り換えることができるよう構成されている。
【0075】
尚、切換弁44’のリターンスプリング44’gのスプリング力の設定は、ライン圧がロークラッチL/C締結可能圧より少し高い圧の時に切り替わるように設定することが望ましい。これは、ロークラッチL/Cに対して十分な締結圧が供給されていない段階では、オイルポンプ22の吐出量が十分に確保されていない可能性があり、発進ショックを引き起こす可能性があるからである。
【0076】
図12は実施の形態2におけるアイドルストップ制御の制御内容を表すフローチャートである。尚、基本的な制御内容は実施の形態1と同様であるため異なるステップについてのみ説明する。ただし、センサとしてタービン回転数を検出するタービン回転数センサ8が追加されている。
【0077】
ステップ207では、スロットル開度TVO,エンジン回転数Ne及びタービン回転数Ntを読み込む。
【0078】
ステップ208では、図7に示すMAP1からスロットル開度に応じたライン圧デューティを決定し、ライン圧制御を行うと共に、ロークラッチバイパスソレノイド100をONにする。
【0079】
ステップ209では、図8に示すMAP2からスロットル開度に応じた目標エンジン回転数Ne1を決定すると共に、図13に示すスロットル開度−油温−タービン回転数の三次元マップ(以下MAP3と記載する)に応じた目標タービン回転数Nt0を決定する。尚、ここで設定する目標タービン回転数Nt0は、エンジン回転数が上昇し、タービン回転数が上昇しだしたときにロークラッチL/Cの締結圧が得られることでタービン回転数を一旦押し下げる際に発生するタービン回転数の変曲点直前のタービン回転数を目標としている。
【0080】
ステップ210では、タービン回転数が目標タービン回転数より大きいかどうかを判断し、小さいときはステップ211に進み、タービン回転数を読み込んで目標タービン回転数になるまでステップ210を繰り返し、大きいときはステップ212へ進む。
【0081】
ステップ212では、ロークラッチバイパスソレノイド100をOFFする。
【0082】
以下、エンジン再始動後の制御について図14のタイムチャートに基づいて説明する。
【0083】
(時刻t20〜t21)
時刻t20においてブレーキが離されるとエンジン再始動制御が開始される。このとき同時にロークラッチバイパスソレノイド100もONとされ、締結制御が実行される。スタータジェネレータ60によるエンジン駆動時は、図7のMAP1に示すように、スロットル開度に応じたライン圧デューティソレノイドのデューティ比を設定する。
【0084】
(時刻t21〜t22)
次に、時刻t21においてエンジン完爆前であっても油圧がある程度確保できると、パイロット圧が確保され第1及び第2シフトソレノイド41,42がONとなる。このとき、切換弁44’のポート44’eにパイロット圧がかかり、スプリング44’gに抗する力が作用するが、ロークラッチバイパスソレノイド100がONとなっているため、対向圧を確保することが可能となり、切換弁44’はバイパス油路45とロークラッチL/Cを連通した状態を維持する。次に時刻t22において、エンジン回転数がN以上となり、エンジンが完爆したと判定されると、スタータジェネレータ60を停止する。
【0085】
(時刻t23)
ステップ209において図13に示す三次元マップMAP3から決定された目標タービン回転数Nt0に到達すると、必要なロークラッチ締結圧が得られたと判断し、ロークラッチバイパスソレノイド100に対してOFF指令を出力し、切換弁44’によりバイパス油路45から通常油路101へ切り換える。
【0086】
(時刻t23〜t24)
通常油路101に切り換えられた後、ロークラッチアキューム300はステップ108で決定されたデューティ比に基づいて背圧制御されるため、ロークラッチアキューム300の背圧に応じた棚圧でロークラッチ締結圧は上昇する。ここで、ロークラッチ締結圧をロークラッチアキューム300を用いて締結制御するのは、以下の理由による。すなわち、本実施の形態では三次元マップMAP3を用いて目標タービン回転数を算出し、この目標タービン回転数に到達したときは、ロークラッチL/Cの締結圧が得られたと判断する。しかしながら、MAP3から算出した目標タービン回転数のときに必ずしも締結圧が得られているという保証がないため、通常制御を行うと締結圧不足から一気に締結圧が確保されることにより急激に締結圧が上昇することによる締結ショックが発生する虞がある。よって、締結制御を継続することで、締結ショックの防止を図ると共に、滑らかな発進を可能としている。
【0087】
(時刻t23〜t24〜t25)
時刻t24〜t25においては実施の形態1の時刻t2〜t3〜t4と同様であるため省略する。
【0088】
以上説明したように、実施の形態1では、切換弁44の切り換えタイミングをスプリング44gの設定荷重のみで決定していた。よって、ロークラッチピストン室圧が通路抵抗などの圧力損失の発生によってパイロット圧より低下すると、圧力損失のばらつきにより、切換弁44の切り換えタイミングが変化する可能性があった。これに対し実施の形態2では、ロークラッチバイパスソレノイド100の信号圧により、電気的に確実に切り換えタイミングを決定することで、ロークラッチL/Cをスムーズに締結することができる。
【0089】
また、MAP3に示す三次元マップよりスロットル開度と油温に応じて目標タービン回転数を設定することで、エンジンにより駆動されるオイルポンプの吐出圧が確保されたかどうかを判断することが可能となり、適正な油圧が確保できるタイミングを正確に推定することができる。
【0090】
(実施の形態3)
図15は実施の形態3におけるアイドルストップ制御の制御内容を表すフローチャートである。機械的構成は実施の形態2と同様であり、制御内容についても基本的には実施の形態2に記載のフローチャートと同様であるため、異なるステップについてのみ説明する。
【0091】
ステップ308では、図7に示すMAP1からスロットル開度に応じたライン圧デューティ比を決定し、更にエンジン回転数に応じて下記式より最終的なライン圧デューティ比を決定するMAP1+エンジン回転数依存制御を行う。
ライン圧デューティ比=MAP1(TVO)×k×エンジン回転数
kはエンジン回転数をライン圧デューティ比に変換する定数である。
【0092】
ステップ313では、MAP1+エンジン回転数依存制御を行う。
【0093】
以下、エンジン再始動後の制御について図16のタイムチャートに基づいて説明する。
【0094】
(時刻t30〜t31)
時刻t30においてブレーキが離されるとエンジン再始動制御が開始される。このとき同時にロークラッチバイパスソレノイド100もONとされ、締結制御が実行される。スタータジェネレータ60によるエンジン駆動時は、図7のMAP1に示すように、スロットル開度に応じたライン圧デューティソレノイドのデューティ比を設定し、更にエンジン回転数に応じた値に設定する。すなわち、同一スロットル開度でも、再始動直後のエンジン回転数が低い場合は、ロークラッチアキューム300の背圧を低めになるようにライン圧デューティソレノイドのデューティ比を下げ、エンジン回転数が高くなればデューティ比を上げることで、背圧を高めに設定する。このように設定することで、エンジン再始動後のポンプ吐出能力に応じた適切なロークラッチアキューム300の背圧制御が可能となり、よりショックの少ない再発進が可能となる。
【0095】
すなわち、エンジン再始動時のスロットル開度が高い場合、一定の背圧設定(デューティ比)にすると、エンジン再始動後のエンジン回転数が低い状態では、要求背圧が得られず、アキュムレータピストンも作動しない。この状態でエンジン回転が急上昇して一定レベルの回転数になった時点で油圧が確保され、アキュムレータピストンが一気に移動し始める。これにより、アキュムレータピストン移動開始時点でサージ圧が発生し、ショックを誘発する虞があるからである。
【0096】
(時刻t30〜t34)
時刻t30〜t34においては、MAP1+エンジン回転数制御を実行する以外は実施の形態2と同様であるため省略する。
【0097】
(時刻t34〜t35)
時刻t34〜t35においては実施の形態1の時刻t24〜t25と同様であるため省略する。
【0098】
以上説明したように、実施の形態3の自動変速機の変速油圧装置にあっては、エンジン再始動後のエンジンの立ち上がり方に応じてアキュムレータ背圧指令値であるライン圧デューティソレノイドのデューティ比を補正することで、よりポンプ吐出能力に応じた棚圧を得ることが可能となり、滑らかな締結を達成することができる(請求項3に対応)。
【0099】
(実施の形態4)
図17は実施の形態4におけるアイドルストップ制御の制御内容を表すフローチャートである。機械的構成は実施の形態2と同様であり、制御内容についても基本的には実施の形態2に記載のフローチャートと同様であるため、異なるステップについてのみ説明する。
【0100】
ステップ408では、ライン圧デューティソレノイドのデューティ比としてMAX値を出力するMAX制御を行う。
【0101】
ステップ412では、ロークラッチバイパスソレノイド100をOFFすると共に、MAX制御を終了する。
【0102】
ステップ413では、MAP1+エンジン回転数依存制御を行う。
【0103】
以下、エンジン再始動後の制御について図18のタイムチャートに基づいて説明する。
【0104】
(時刻t40〜t41)
時刻t40においてブレーキが離されるとエンジン再始動制御が開始される。このとき同時にロークラッチバイパスソレノイド100もONとされ、締結制御が実行される。ここで、スタータジェネレータ60によるエンジン駆動時は、ライン圧デューティソレノイドのデューティ比としてMAX値を出力するMAX制御を行う。すなわち、切換弁44’によりバイパス油路45とロークラッチL/Cが連通しているときであっても、切換弁44’のスプールバルブの隙間(以下グループと記載する)からロークラッチアキューム300に油が供給される。この油によってロークラッチアキューム300のピストンストロークが短くなってしまうと、切換弁44’が通常油路に切り換えた後、棚圧がうまく得られず棚はずれショック等を発生する可能性がある。よって、ライン圧デューティソレノイドのデューティ比をMAX値とすることで、ロークラッチアキューム300の背圧を高く設定し、これによりグループから油が供給されたとしてもロークラッチアキューム300のピストンストロークを確保することが可能となり、棚はずれショック等を防止することができる。
【0105】
(時刻t41〜t42〜t43)
時刻t41〜t42〜t43は上述のMAX制御以外は実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
(時刻t43)
時刻t43において、目標タービン回転数Nt0に到達すると、切換弁44’がバイパス油路45から通常油路101に切り換えられ、同時にMAX制御が終了する。以後は、実施の形態3と同様に、MAP1+エンジン回転数依存制御を実行する。
【0107】
(時刻t44〜t45)
時刻t44〜t45においては実施の形態2の時刻t24〜t25と同様であるため省略する。
【0108】
以上説明したように、実施の形態4の自動変速機の変速油圧装置においては、エンジン再始動直後のアキュムレータ背圧を最大に設定するMAX制御を実行することでアキュムレータピストンのストロークを確保することが可能となり、ショックのない滑らかな締結を達成することができる(請求項4に対応)。
【0109】
(実施の形態5)
図19には、実施の形態2〜4の第1切換弁44’とは異なる油圧に基づいて切り換え制御される切換弁44’’を設けた油圧回路を示す。以下、上述の実施の形態2〜4に記載の内容と異なる部分についてのみ詳述する。
【0110】
実施の形態2〜4に設けられた第1切換弁44’はロークラッチバイパスソレノイド100を用いて切り換えられていたが、本実施の形態5では、プレッシャモディファイアバルブ80の出力信号をポート44’hに接続し、対向圧としてライン圧をポート44’iに接続することで、既存の信号油圧を用いることで、必要以上にスプリングの設定荷重を大きくすることなく、アイドルストップ時のエンジン再始動直後にフルスロットル発進したとしても、スムーズに油圧を供給し、かつ、通常制御においてもセレクトショック等を防止できる油圧回路を構成するものである。
【0111】
図20は、第1切換弁44’の拡大図である。受圧部44’h(受圧面積A1)には、ポート44’eを介してマニュアルバルブ213通過前の切り換え用ライン圧油路102が連通されている。
【0112】
またリターンスプリング44’gが収納されている収納室44’j(受圧面積A2)には、油路81と連通するポート44’hが設けられている。油路81は、プレッシャモディファイア弁80の出力ポート80aと接続されている。プレッシャモディファイア弁80の出力ポート80aの油圧Pmfvは、ライン圧デューティソレノイド70のデューティ比に応じて図21のPmfvで示すように、デューティ比が最小の場合は、プレッシャモディファイア弁80に設けられたスプリング80bのセット荷重Pkx0と釣り合う油圧(約0.7kg/cm)が発生し、デューティ比MAXの場合4.7kg/cmの油圧が発生する。
【0113】
ポート44’aにはオリフィスd1を備えた通常のロークラッチ圧供給油路101が連通され、ポート44’bにはロークラッチL/Cが連通され、ポート44’cには通路抵抗の少ないバイパス油路45が連通され、ポート44’kにはロークラッチアキューム室300へ油圧を供給する油路が連通されている。リターンスプリング44’gのセット荷重kx0と収納室44’jに作用するプレッシャモディファイア弁80の出力する油圧Pmfvに受圧面積A2を掛けた値の和が受圧部44’iにかかるライン圧PLに受圧面積A1を掛けた値より大きい(kx0+Pmfv・A2>PL・A1)場合には、ポート44’bとポート44’cが連通し、ロークラッチL/Cにはバイパス油路45から油が流入する。
【0114】
ここで、kx0は、リターンスプリング44’gのセット荷重であり、受圧面積A1で割った値kx0/A1をPsであらわすと、
Pset=Ps+Pmfv・A2/A1
と定義する。ここで、Ps(=kx0/A1)は約1kg/cm、A2/A1は1以上(例えば1.5)に設定している。
【0115】
Pset>PLの場合、第1切換弁44’は、上述したようにポート44’bとポート44’cが連通し、Pset<PLの場合は、ポート44’bとポート44’aとポート44’kが連通し、ロークラッチL/Cは、オリフィスd1,ロークラッチアキューム300と連通する通常油圧回路となる。
【0116】
図23は実施の形態5におけるアイドルストップ制御の制御内容を表すフローチャートである。基本的には実施の形態4に記載のフローチャートと同様であるため、異なるステップについてのみ説明する。
【0117】
ステップ508では、ライン圧デューティソレノイドの指令値として最大値(MAX)を出力するMAX制御を開始する。
【0118】
ステップ512では、MAX制御を終了する。
【0119】
以下、エンジン再始動後の制御について図24のタイムチャートに基づいて説明する。
【0120】
(時刻t50〜t51)
すなわち、エンジンがアイドル回転数以上で通常運転されている場合は、図21のPLで示すように、ライン圧デューティソレノイド70のデューティ比がMAXの場合、ライン圧PLは、12.5kg/cmに調圧され、Psetは1+4.7・1.5=8.05(kg/cm)となり、Pset<PLとなる。一方、ライン圧デューティ比がMINの場合、ライン圧PLは、3.5kg/cmに調圧され、Psetは1+0.7・1.5=2.05kg/cmとなり、Pset<PL(ライン圧)となる。上記以外のライン圧デューティ比の場合も全て、Pset<PLとなり、通常運転時は常に切換弁44’は、ロークラッチL/C、オリフィスd1,ロークラッチアキューム300が連通する。
【0121】
一方、アイドルストップ後のエンジン再始動時には、スタータジェネレータ60をONするとともに、ライン圧デューティソレノイド70のデューティ比をMAX指令する。すると、ポンプ22の吐出圧は、正規の最低ライン油圧(3.5kg/cm)を確保できない期間は、ライン圧として出来なりの油圧(ポンプ22が吐出している状態の油圧)であり、Pmfv圧と同じである。よって、この期間は、図22に示すように、スプリング荷重があるため常にPset>PLとなり、切換弁44’はバイパス油路45とロークラッチL/Cを連通する。
【0122】
スタータがONしてからライン圧デューティソレノイド70のデューティ比をMAX指令が出力されている間に油圧が調圧可能なレベルまで上昇すると、その間にポンプ吐出圧が3.5kg/cm以上になれば、Pset<PLとなり、第1切換弁44’は自動的に切り換えられる。このとき、パイロット圧も確保され、第1及び第2シフトソレノイド41,42もONとなる。
【0123】
(時刻t51〜t52〜t53)
時刻t51〜t52〜t53は上述のMAX制御以外は実施の形態4と同様であるため、説明を省略する。
【0124】
(時刻t53)
時刻t53において、目標タービン回転数Nt0に到達すると、MAX制御を終了する。以後は、実施の形態4と同様に、MAP1+エンジン回転数依存制御を実行する。
【0125】
(時刻t54〜t55)
時刻t54〜t55においては実施の形態2の時刻t24〜t25と同様であるため省略する。
【0126】
したがって、エンジン再始動後のロークラッチL/Cは通路抵抗の少ないバイパス油路45を介してライン圧が流入し、十分ポンプ能力が高くなってから、正規の油路に切り換えられるので、エンジン再始動後のエンジントルクが立ち上がる前にロークラッチL/Cの締結を完了させることができる。しかも、エンジン再始動直後からライン圧デューティソレノイド70のデューティ比をMAXにしているので、エンジン再始動後のスロットル開度の如何に関わりなく、十分なロークラッチ締結トルクを確保することができる。
【0127】
以上説明したように、実施の形態5に記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、切換弁44’がスプールバルブ44’fとリターンスプリング44’gとプレッシャモディファイア弁80から構成され、切り換え用ライン圧供給油路102から供給されたライン圧と、リターンスプリング44’g及びプレッシャモディファイア弁80の出力油圧の和との関係によって切り換えている。よって、最初に設定した付勢力から変更不能なリターンスプリング44’fの付勢力のみでなく、電子制御によって変更可能な付勢力を得ることが可能となり、第1切換弁44’の切り換えタイミングの設定自由度を確保することができる。
【0128】
また、プレッシャモディファイア弁80により切換弁44’の切り換えを制御することで、既存の信号油圧を用いて切換弁44’の作動をアシストすることが可能となり、新たな構成を追加することなく上述の作用効果を達成することができる。
【0129】
また、プレッシャモディファイア弁80に対し、エンジン再始動直後から一定時間の間、最大油圧となる指令が出力されることで、十分なライン圧が確保されて初めて第1切換弁44’を切り換えることが可能となり、エンジン再始動後のロークラッチL/Cの締結力を十分確保することができる。
【0130】
尚、実施の形態5では、プレッシャモディファイア弁80によりリターンスプリング44’gに付勢する油圧を供給したが、この構成に限られるものではなく、リターンスプリング44’gに対向する油圧を減圧することで、相対的にリターンスプリングの付勢力を調整する構成としてもよい。
【0131】
以上、実施の形態1〜5について説明してきたが、本願発明は上述の構成に限られるものではなく、自動変速機の前進時の締結要素であればロークラッチに限らず適用することができる。また、上述の各実施の形態では有段式自動変速機の前進締結要素に適用した場合を示したが、無段変速機の前進締結要素に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における自動変速機の変速油圧装置を備えた車両の主要ユニットの構成を示す図である。
【図2】実施の形態における変速機構部である有段変速機の構成を表す概略図である。
【図3】実施の形態における有段変速機の各締結要素の締結表である。
【図4】実施の形態1における油圧回路を表す回路図である。
【図5】実施の形態1における切換弁の構成を表す断面図である。
【図6】実施の形態1におけるアイドルストップ制御を表すフローチャートである。
【図7】実施の形態1の通常制御と締結制御におけるライン圧デューティ比とスロットル開度の関係を表すMAP1である。
【図8】実施の形態1のエンジン回転数とスロットル開度の関係を表すMAP2である。
【図9】実施の形態1におけるアイドルストップ制御を表すタイムチャートである。
【図10】実施の形態2における油圧回路を表す回路図である。
【図11】実施の形態2における切換弁の構成を表す断面図である。
【図12】実施の形態2におけるアイドルストップ制御を表すフローチャートである。
【図13】実施の形態2のスロットル開度と油温と目標タービン回転数の関係を表すMAP3である。
【図14】実施の形態2におけるアイドルストップ制御を表すタイムチャートである。
【図15】実施の形態3におけるアイドルストップ制御を表すフローチャートである。
【図16】実施の形態3におけるアイドルストップ制御を表すタイムチャートである。
【図17】実施の形態4におけるアイドルストップ制御を表すフローチャートである。
【図18】実施の形態4におけるアイドルストップ制御を表すタイムチャートである。
【図19】実施の形態5における油圧回路を表す回路図である。
【図20】実施の形態5における切換弁の構成を表す断面図である。
【図21】実施の形態5のライン圧,ロークラッチアキューム圧,切換弁セット油圧及びプレッシャモディファイア圧とライン圧デューティ比との関係を表す図である。
【図22】実施の形態5の再始動直後の切換弁セット油圧及びライン圧とライン圧デューティ比との関係を表す図である。
【図23】実施の形態5におけるアイドルストップ制御を表すフローチャートである。
【図24】実施の形態5におけるアイドルストップ制御を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
1  アイドルストップスイッチ
2  ブレーキスイッチ
3  舵角センサ
4  油温センサ
5  車速センサ
6  スロットル開度センサ
7  エンジン回転数センサ
8  タービン回転数センサ
10  エンジン
11  燃料供給装置
12  チェーンスプロケット
13  第3切換弁
13a  ポート
13b  ポート
13c  ポート
13d  ポート
13f  スプールバルブ
13g  リターンスプリング
15  第2切換弁
15a  ポート
15f  スプールバルブ
15g  リターンスプリング
20  自動変速機
22  オイルポンプ
23  油圧サーボ
24  変速機構部
30  トルクコンバータ
39  ライン圧油路
40  ライン圧油路
41  第2シフトバルブ
42  第1シフトバルブ
41b,42b  パイロット圧油路
44  第1切換弁
44’  第1切換弁
44a,44’a  ポート
44b,44’b  ポート
44c,44’c  ポート
44d,44’d  ポート
44e,44’e  ポート
44d,44’d  ポート
44f,44’f  スプールバルブ
44g,44’g  スプールバルブ
44i,44’i  受圧部
44’j  受圧部
45  バイパス油路
47  プレッシャレギュレータバルブ
50  コントロールユニット
60  スタータジェネレータ
61  電磁クラッチ
62  チェーンスプロケット
63  チェーン
70  ライン圧デューティソレノイド
80  プレッシャモディファイア弁
80a  出力ポート
80b  スプリング
81  油路
90  アキュームコントロールバルブ
101  ロークラッチ圧供給油路
102  パイロット圧供給油路
105  アキューム油路
213  マニュアルバルブ
300  ロークラッチアキューム室
301,302  アキューム室
d1  オリフィス
G1  遊星ギヤ
G2  遊星ギヤ
G3  遊星ギヤ
H/C  ハイクラッチ
B/B  バンドブレーキ
L/C  ロークラッチ
R/C  リバースクラッチ
IN  入力軸
OUT  出力軸

Claims (6)

  1. 予め設定されたアイドリング停止条件により、エンジンコントロールユニットに対しエンジンのアイドリング作動及び停止信号を出力するアイドルストップ制御手段を有するエンジンと、
    前記エンジンにより駆動するオイルポンプを油圧供給源としてコントロールバルブユニットにより変速制御を行う自動変速機と、
    を備えた車両において、
    前記コントロールバルブユニット内に、前進用締結要素の締結圧を供給する油路であって、背圧が任意に制御可能なアキュムレータ回路とオリフィスを備えた通常油路と、変速段を切り換えるシフトバルブと連通しライン圧を直接供給する通路抵抗の小さなバイパス油路と、前進用締結要素と連通する油路を前記通常油路と前記バイパス油路のどちらか一方に切り換える切換弁を設け、
    前記シフトバルブの前記バイパス油路を接続するポートとして、前記シフトバルブのバルブ位置が、前進用締結要素への油圧供給が行われるバルブ位置及び前記シフトバルブ非作動時のバルブ位置のときは前記バイパス油路にライン圧を直接供給し、前進用締結要素の油圧がドレンされるバルブ位置のときは前記バイパス油路をドレンするインターロック防止用バイパスポートを設けたことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    前記インターロック防止用バイパスポートを、前記前進用締結要素の締結圧を供給する通常油路のポートとしたことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    前記切換弁を制御する切換弁制御手段と、ライン圧又は前進用締結要素の締結圧が最低限の締結力を確保可能な所定油圧以上かどうかを判断する油圧判断手段を設け、
    該切換弁制御手段は、ライン圧又は前進用締結要素の締結圧が所定油圧以下のときは、前記切換弁に対しバイパス油路と前進用締結要素を連通するように切り換える指令を出力することを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  4. 請求項1ないし3に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、前記アキュムレータの背圧を制御する背圧制御手段を設け、
    前記背圧制御手段に、前記前進用締結要素締結完了前の背圧制御指令を出力する背圧指令部を設け、
    アイドルストップ後の再発進時、前記背圧指令部は、検出されたスロットル開度に応じて通常制御よりも低い背圧制御指令を出力するスロットル開度依存制御を行うことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  5. 請求項4に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を設け、
    アイドルストップ後の再発進時、前記締結制御部は、前記スロットル開度依存制御により設定された前記背圧制御指令値に対し、エンジン回転数が高いときは前記背圧制御指令値を大きく補正し、エンジン回転数が低いときは前記背圧制御指令値を小さく補正するエンジン回転数依存制御を行うことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  6. 請求項4または5に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    アイドルストップ後の再発進時、前記締結制御部は、背圧制御指令として最大値を出力する最大値制御を行い、ライン圧又は前進用締結要素の締結圧が所定油圧以上と判断されたときは、前記最大値制御を終了し、背圧制御指令として前記スロットル開度依存制御又は前記エンジン回転数依存制御を行うことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
JP2002280707A 2002-09-26 2002-09-26 自動変速機の変速油圧装置 Expired - Fee Related JP4206126B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002280707A JP4206126B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 自動変速機の変速油圧装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002280707A JP4206126B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 自動変速機の変速油圧装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004116652A true JP2004116652A (ja) 2004-04-15
JP4206126B2 JP4206126B2 (ja) 2009-01-07

Family

ID=32275341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002280707A Expired - Fee Related JP4206126B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 自動変速機の変速油圧装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4206126B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006153246A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Honda Motor Co Ltd 車両の制御装置
WO2009069334A1 (ja) * 2007-11-30 2009-06-04 Aisin Aw Co., Ltd. 車両用駆動装置
CN101828055A (zh) * 2008-04-18 2010-09-08 博格华纳公司 具有简化控制的双离合器变速器
CN102235486A (zh) * 2010-04-26 2011-11-09 加特可株式会社 自动变速器车辆的油压控制装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006153246A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Honda Motor Co Ltd 車両の制御装置
WO2009069334A1 (ja) * 2007-11-30 2009-06-04 Aisin Aw Co., Ltd. 車両用駆動装置
JP2009133428A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Aisin Aw Co Ltd 車両用駆動装置
US8016718B2 (en) 2007-11-30 2011-09-13 Aisin Aw Co., Ltd. Vehicle drive unit
CN101828055A (zh) * 2008-04-18 2010-09-08 博格华纳公司 具有简化控制的双离合器变速器
CN102235486A (zh) * 2010-04-26 2011-11-09 加特可株式会社 自动变速器车辆的油压控制装置
EP2381139A3 (en) * 2010-04-26 2018-01-17 JATCO Ltd Hydraulic pressure control apparatus for vehicle with automatic transmission

Also Published As

Publication number Publication date
JP4206126B2 (ja) 2009-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4400617B2 (ja) パワートレーンの制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
US9945478B2 (en) Control device for continuously variable transmission
JP2004239351A (ja) 自動変速機の変速油圧装置
KR20120117928A (ko) 자동 변속기의 유압 제어 장치
JP4129145B2 (ja) 自動変速機の変速油圧装置
JP3934976B2 (ja) 自動変速機の変速油圧装置
JP4125524B2 (ja) 自動変速機の変速油圧装置
WO2014136465A1 (ja) 油圧供給装置
JP2007170524A (ja) 自動変速機のライン圧制御装置
JP6954743B2 (ja) 車両の制御装置
US7689338B2 (en) Control apparatus for automatic transmission
JP4206126B2 (ja) 自動変速機の変速油圧装置
JP5441671B2 (ja) アイドルストップ車の発進クラッチ制御装置
JP4376562B2 (ja) 自動変速機の変速油圧装置
JP4278912B2 (ja) 自動変速機の変速油圧装置
JP4319128B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP6885210B2 (ja) 車両用制御装置
JP2008050948A (ja) 車両の制御装置
JP4696398B2 (ja) 自動変速機の直結クラッチ制御装置
JP6084154B2 (ja) 車両用変速機の制御装置
JP2001254821A (ja) 車両用自動変速機のクリープ力制御装置
JP7353719B2 (ja) 自動変速機の制御装置
WO2021070760A1 (ja) 自動変速機のロックアップ制御装置及びロックアップ制御方法
JP5025606B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP5181565B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータに実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040819

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20051110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081014

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081018

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141024

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees