JP2004115513A - 抗酸化剤性質を有する製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な抗酸化性を有する製剤を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの下記式Iの化合物を含む製剤。
(式中、R1〜R10は、同一または異なり、H、OR11、直鎖または分枝のC1〜C20アルキル基、直鎖または分枝のC3〜C20アルケニル基、直鎖または分枝のC1〜C20ヒドロキシアルキル基、ならびに/あるいはC3〜C10シクロアルキル基および/またはC3〜C12シクロアルケニル基から選択され、すべてのOR11は、互いに独立して、OH、C1〜C20アルコキシ基、C3〜C20アルケニルオキシ基、直鎖または分枝のC1〜C20ヒドロキシアルコキシ基、ならびに/あるいはC3〜C10シクロアルコキシ基および/またはC3〜C12シクロアルケニルオキシ基、ならびに/あるいはモノおよび/またはオリゴグリコシル基から選択される。)
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも1つの下記式Iの化合物を含む製剤。
(式中、R1〜R10は、同一または異なり、H、OR11、直鎖または分枝のC1〜C20アルキル基、直鎖または分枝のC3〜C20アルケニル基、直鎖または分枝のC1〜C20ヒドロキシアルキル基、ならびに/あるいはC3〜C10シクロアルキル基および/またはC3〜C12シクロアルケニル基から選択され、すべてのOR11は、互いに独立して、OH、C1〜C20アルコキシ基、C3〜C20アルケニルオキシ基、直鎖または分枝のC1〜C20ヒドロキシアルコキシ基、ならびに/あるいはC3〜C10シクロアルコキシ基および/またはC3〜C12シクロアルケニルオキシ基、ならびに/あるいはモノおよび/またはオリゴグリコシル基から選択される。)
【選択図】 なし
Description
本発明は、抗酸化剤性質を有する製剤ならびにその調製および使用法に関する。
本発明による製剤の応用範囲の一例は化粧品である。ケア化粧品の目的は、可能な限り若々しい皮膚の印象を得ることである。基本的には、この目的を達成する様々な方法がある。存在する皮膚損傷、例えば、不規則な色素沈着または皺の発生などは、パウダーまたはクリームで覆うことによって補うことができる。別の手法は、常にある損傷および皮膚の老化につながる環境の影響から皮膚を防御することである。したがって、この考え方は、予防的に介入することにより老化プロセスを遅らせることである。この一例は、すでに述べたUVフィルタであり、特定の波長範囲を吸収する結果として皮膚損傷を防止または少なくとも軽減する。UVフィルタの場合には、損傷事象であるUV放射を皮膚によってさえぎることであるが、別の経路は、損傷事象に対抗する、皮膚の自然防御力を支援したり、機序を修復しようとしたりすることを試みることである。最後に、他の手法は、この低下しつつある防御力を元に戻し、または機能を修復することができる物質を外部から供給することにより、有害な影響に対して老化と共に弱まる皮膚の防御機能を補うものである。例えば、皮膚は、外部または内部からのストレス要因によって生成するフリーラジカルを捕捉する能力を有している。この能力は年をとると共に弱まり、年をとると共に老化プロセスを加速させることになる。
現代社会では、皮膚のある程度の黒化は、魅力的かつ活力およびかっこよさの表現と見なされている。太陽の皮膚に対するこの望ましい作用の他に、日焼けまたは早熟の皮膚老化および皺などの多くの望ましくない副作用が起きる。ここで最も重要なのは、280〜400nmの範囲の波長である。この範囲は、太陽光による紅斑の形成に重要な役割を果たす、280〜320nmの波長を有するUV−B線、および皮膚を黒化させるばかりでなく、老化させ、紅斑性反応の誘発を助け、またはある人々ではこの反応を悪化させ、光毒性もしくは光線アレルギー性反応および刺激性反応を引き起こすことさえある、320〜400nmの波長を有するUV−A線をカバーしている。
皮膚損傷は、太陽光ばかりでなく、寒冷や熱などの他の外部からの影響によっても引き起こされる。さらに、皮膚は自然老化を受け、皺が形成したり、皮膚の弾力性が低下したりする。
化粧品の調製における他の難さは、化粧品製剤中に組み入れようとする活性成分が不安定であることが多く、製剤中で損なわれる可能性のあることである。例えば、この損傷は、大気の酸素との反応または紫外線の吸収によって引き起こされる。例えば、このように損なわれた分子は、色が変化しかつ/または構造変化により活性を失うことがある。
記載された問題点に対処するための知られている方法は、製剤に抗酸化剤を添加することである。
非特許文献1によれば、抗酸化剤は、酸素の作用、とりわけ酸化プロセスによって引き起こされる防御すべき物質の望ましくない変化を抑制または防止する化合物である。応用範囲は、例えばプラスチックおよびゴムにおける老化の防止;脂肪における酸敗の防止、油、牛用飼料、自動車用ガソリンおよびジェット燃料におけるゴム状化(gumming)の防止、変圧器およびタービン油におけるスラッジ生成に対し、ならびに香料における匂いの減退の防止である。とりわけ、抗酸化剤として有効な化合物は、フェノール類、ハイドロキノン類、ピロカテコール類および立体的に込み合った基によって置換されている芳香族アミン類、ならびにそれらの金属錯体類である。Roemppによれば、抗酸化剤の作用は通常、抗酸化剤が自動酸化中に生じるフリーラジカルに対してフリーラジカル捕捉剤として働くことにある。
しかしながら、スキンケア用製剤で使用するのにも適している皮膚忍容性の抗酸化剤への要求が引き続き存在する。
CD Roempp 化学大辞典[CD Roempp Lexicon of Chemistry]−Version 1.0、Stuttgart/New York:Georg Thieme Verlag 1995。
したがって、本発明の目的は、紫外線に対する防御作用を有し、かつ/または体細胞に対する酸化的ストレスに対して防御作用を発揮し、かつ/または皮膚老化に対抗する組成物を提供することである。
驚いたことに、特定のフラボノイドが抗酸化剤として極めて適していることが見いだされた。
したがって、本発明の第1は、式Iの少なくとも1つの化合物を含み、抗酸化性を有する製剤である。
(式中、R1〜R10は、同一または異なり、
H、
OR11、
直鎖または分枝のC1〜C20アルキル基、
直鎖または分枝のC3〜C20アルケニル基、
直鎖または分枝のC1〜C20ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシル基は、アルキル鎖の第一級または第二級炭素原子と結合していてもよく、さらに、アルキル鎖は、酸素によって中断されていてもよい)、ならびに/あるいは、
C3〜C10シクロアルキル基および/またはC3〜C12シクロアルケニル基(環は、nが1〜3である−(CH2)n−基によって架橋していてもよい)から選択され、
OR11は、互いに独立して、
OH、
直鎖または分枝のC1〜C20アルコキシ基、
直鎖または分枝のC3〜C20アルケニルオキシ基、
直鎖または分枝のC1〜C20ヒドロキシアルコキシ基(ヒドロキシル基は、アルキル鎖の第一級または第二級炭素原子と結合していてもよく、さらに、アルキル鎖は、酸素によって中断されていてもよい)、ならびに/あるいは、
C3〜C10シクロアルコキシ基および/またはC3〜C12シクロアルケニルオキシ基(環は、それぞれnが1〜3である−(CH2)n−基によって架橋していてもよい)、ならびに/あるいは、
モノおよび/またはオリゴグリコシル基から選択される。
ただし、R1〜R7からの少なくとも3個の基はOHであり、少なくとも2対の隣接−OH基が分子中で存在するか、
またはR2、R5およびR6はOHであり、基R1、R3、R4およびR7〜R10はHである。)
抗酸化作用を有するフェノールのうち、一部天然に存在するポリフェノールは、薬剤、化粧品または栄養の部門における応用に関して特に興味深い。例えば、主に植物色素として知られているフラボノイドまたはバイオフラボノイドは、抗酸化剤能を有していることが多い。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、I.M.C.M.Rietjens;Current Topics in Biophysics 2000、24(2)、101〜108は、モノおよびジヒドロキシフラボンの置換パターンの影響に関するものである。その中で、ケト官能基に隣接するOH基または3’,4’もしくは6,7もしくは7,8位にOH基を含むジヒドロキシフラボンは抗酸化性を有しているが、場合によっては他のモノおよびジヒドロキシフラボンは抗酸化性を有していないことが観察されている。
クェルセチン(シアニダノール、シアニデノロン(cyanidenolon)1522、メレチン、ソフォレチン(sophoretin)、エリシン(ericin)、3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラボン)は、特に有効な抗酸化剤として言及されることが多い(例えばC.A.Rice−Evans、N.J.Miller、G.Paganga、Trends in Plant Science 1997、2(4)、152〜159)。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、A.E.M.F.Soffers、I.M.C.M.Rietjens;Free Radical Biology & Medicine 2001、31(7)、869〜881では、ヒドロキシフラボンの抗酸化作用のpH依存性について検討されている。クェルセチンは、全pH範囲にわたり検討された構造の中で最も強い活性を示す。
DE 197 55 504 A1には、ジベンゾイルメタンおよびその誘導体のUV誘発性分解の防止にフラボンおよびフラボノイドを使用することが記載されている。
WO 02/00214には、UV誘発性皮膚疾患、特に多形性光皮膚疾患およびその派生型、および/または望ましくない長期のUV照射の影響、特に光老化を全身的に治療および予防するための経口用医薬品を調製するために特定のフラボン誘導体を使用することが記載されている。この場合、好ましいフラボン誘導体は、特にルチン、ナリンギン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、ヘスペレチン、タキシフォリンなどの天然に存在するバイオフラボノイド、および、トロキセルチンおよびモノキセルチン(monoxerutin)などのそれらの誘導体である。
国際特許出願WO 00/61095には、ポリフェノールとビタミンの混合物について記載されている。これらの混合物は、化粧品組成物または皮膚用組成物で使用するのに適しており、ヒドロキシルフリーラジカルやペルオキシドなどのフリーラジカルを捕捉するために最適化されている。この場合、トロキセルチンとコハク酸α−トコフェロールおよびパルミチン酸アスコルビルとの組合せが特に好ましい。
本発明による組成物の利点は、特に抗酸化作用および良好な皮膚耐性である。さらに、ここに記載された化合物は、無色であるか、わずかに着色しているに過ぎず、それゆえ製剤にほんのわずかの変色をもたらすに過ぎないか、一切の変色をもたらさない。本発明に従って用いられる化合物に特有の作用プロフィールは特に有利であり、これは、フリーラジカルを捕捉する高い能力(EC50)についてのDPPHアッセイ(下記参照)、時間遅延作用(TEC50>120分)および中程度から高度の抗フリーラジカル効率(AE)から明らかである。さらに、式Iの化合物は、分子内で抗酸化性とUV−Aおよび/またはUV−B領域におけるUV吸収を同時に実現する。
したがって、本発明はまた、持続性作用を有する抗酸化剤としての、または抗酸化性を有する製剤を調製するための、前述の式Iの化合物の使用法に関する。
通常、この製剤は、局所的に塗布することができる製剤、例えば化粧用もしくは皮膚用製剤、または食品もしくは食品サプリメントである。この場合、製剤は、化粧品としてまたは皮膚用に適した賦形剤、所望の特性プロフィールに応じ、場合により他の好適な成分を含む。
通常、式Iの化合物は、本発明に従い、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは1〜8重量%で用いられる。当業者は、製剤の所期の作用に適切に対応して量を選択する際、困難に遭遇することは全くない。
したがって、基R1〜R4の少なくとも2個の隣接基がOHであり、基R5〜R7の少なくとも2個の隣接基がOHであることを特徴とする式Iの少なくとも1つの化合物を含む製剤も好ましい。
特に好ましい製剤は、基R1〜R4の少なくとも3つの隣接基がOHであり、好ましくは基R1〜R3がOHであることを特徴とする式Iの少なくとも1つの化合物を含む。
式Iの化合物が皮膚上で特に十分に、フリーラジカル捕捉剤としてのプラスの作用を生みだすことができるように、式Iの化合物をより深部の皮膚層に透過させることが好ましい。この目的のためにいくつかの可能性がある。まず、式Iの化合物は、外皮層から表皮層に浸透するために十分な親油性を有することができる。他の可能性として、外皮層を介する式Iの化合物の輸送を可能にする対応する輸送剤、例えばリポソームを製剤中に用意することができる。最後に、式Iの化合物の全身への輸送も考えられる。その場合、経口投与に適するように製剤を設計する。
一般に、式Iの物質は、フリーラジカル捕捉剤として作用する。このタイプのフリーラジカルは、日光によって生成するばかりでなく、むしろ様々な条件の下で生成する。それらの例は、チトクロームオキシダーゼの上流の電子の流れを遮断し、スーパーオキシドフリーラジカルアニオンの生成を引き起こす無酸素症;とりわけ、白血球の膜NADPHオキシダーゼによるスーパーオキシドアニオンの生成に伴うばかりでなく、ヒドロキシルフリーラジカルおよび通常は食作用に関与する他の反応性分子種の生成(鉄(II)イオンの存在下における不均化を介する)に伴う炎症;および一般にヒドロキシルフリーラジカルによって開始され脂質アルコキシフリーラジカルおよびヒドロペルオキシドを生成する脂質の自動酸化である。
式Iの好ましい化合物は、酵素阻害剤としての機能を果たすことも考えられる。それらの化合物は、おそらくヒスチジンデカルボキシラーゼ、プロテインキナーゼ、エラスターゼ、アルドース還元酵素およびヒアルロニダーゼを阻害し、したがって血管鞘の基本物質の完全さが維持されることを可能にする。さらに、それらの化合物は、おそらく非特異的なカテコールO−メチル転移酵素を阻害し、利用可能なカテコールアミンの量および血管強度を増加させるであろう。さらに、それらの化合物は、AMPホスホジエステラーゼを阻害し、血小板凝集を阻害する可能性のある物質をもたらす。
これらの特性のために、本発明の製剤は一般に、免疫防御ならびにDNAおよびRNAの防御のために適している。特に、これらの製剤は、放射、特にUV放射による酸化的攻撃、フリーラジカルおよび損傷に対するDNAおよびRNAの防御に適している。本発明による製剤の他の利点は、細胞防御、特に前述の影響による損傷からランゲルハンス細胞を防御することである。これらの使用法および対応して用いることができる製剤を調製するための式Iの化合物の使用法はすべて、本発明の主題でもあることは明白である。
特に、本発明による好ましい組成物は、分化および細胞増殖に影響を及ぼす角化の欠損に伴う皮膚疾患の治療;特に、尋常性座瘡、面皰性座瘡、多形性座瘡、酒さ性座瘡、結節性座瘡、集簇性座瘡、加齢性座瘡、副作用として発症する座瘡、例えば太陽性座瘡(acne solaris)、薬物性座瘡、またはアクネプロフェッショナリス(acne professionalis)など、の治療;角化の他の欠陥、特に魚鱗癬、魚鱗癬様状態、ダリエ病、手掌足底角化症、白斑(leucoplasia)、白斑様状態、皮膚および粘膜(口腔)のヘルペス(苔癬)の治療;角化の欠損に伴い、炎症性および/または免疫アレルギー性成分を有する他の皮膚疾患、特に、皮膚、粘膜および指および足指の爪に影響を及ぼすすべての形態の乾癬、ならびに乾癬性リウマチ、ならびに湿疹もしくは呼吸性アトピーなどの皮膚アトピーまたは歯肉の肥大の治療(角化の欠損に伴わない一部の炎症に化合物を使用することが可能である);ウイルス起源の可能性のある、尋常性疣贅、扁平疣贅、疣贅状表皮発育異常症、口腔乳頭腫症、開花性乳頭腫症(papillomatosis florida)などの真皮または表皮のすべての良性または悪性の突出物、ならびにUV放射によって引き起こされる可能性のある突出物、特に基底細胞上皮腫および有棘細胞上皮腫の治療;水疱性皮膚炎などの皮膚疾患およびコラーゲンに影響を及ぼす疾患の治療;特定の眼疾患、特に角膜疾患の治療;老化に伴う光誘発性皮膚老化を克服またはそれに対抗すること;色素沈着および光線性角化症を軽減することおよび正常な老化または光誘発性老化に伴うすべての疾患の治療;局所的または全身的に投与されたコルチコステロイド剤によって引き起こされる表皮および/または真皮の萎縮ならびに他のすべてのタイプの皮膚萎縮の創傷/瘢痕の予防または治癒;創傷治癒の欠損の予防または治療;妊娠によって引き起こされる妊娠線の予防もしくは除去または創傷治癒の促進;座瘡における過脂漏症(hyperseborrhoea)または単純性脂漏症などの獣脂産生の欠損に対抗すること;癌様状態または前癌状態、特に前骨髄球性白血病に対抗しまたはそれらを予防すること;関節炎などの炎症の治療;皮膚または身体の他の領域のウイルス性疾患の治療;脱毛症の予防または治療;免疫学的成分による皮膚疾患または身体の他の領域の疾患の治療;動脈硬化症または高血圧症などの心血管疾患およびインスリン非依存性糖尿病の治療;およびUV放射によって引き起こされる皮膚の問題の治療にも適している。
式Iの化合物の抗酸化作用は、例えば、2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)アッセイによって証明することができる。2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジルは、溶液中で安定なフリーラジカルである。不対電子は515nmに強い吸収バンドをもたらし、溶液は暗紫色である。フリーラジカル捕捉剤が存在すると、電子は対となり、吸収は消失し、電子の取り込みを計算に入れながら化学量論的に脱色が進行する。吸光度は光度計で測定する。被験物質の抗フリーラジカル特性は、50%の2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジルがフリーラジカル捕捉剤と反応した濃度を測定することによって決定する。この濃度はEC50で表され、所与の測定条件下における物質の特性と見なすことができる値である。検討物質を標準品(例えばトコフェロール)と比較する。ここのEC50値は、それぞれの化合物のフリーラジカル捕捉能力の尺度である。EC50値が低ければ低いほどフリーラジカル捕捉能力は高い。本発明の目的上、EC50値がトコフェロールの値よりも低い場合に「大きいまたは高いフリーラジカル捕捉能力」という表現を用いる。
抗酸化剤の作用に関する別の重要な側面はこのEC50値に到達する時間である。分の単位で測定されるこの時間からはTEC50値が得られ、これらの抗酸化剤がフリーラジカルを捕捉する速度に関する結論を出すことができる。これらの発明の目的上、60分未満の範囲内でこの値に到達する抗酸化剤は高速であると見なされ、120分以上でEC50値に到達するに過ぎない抗酸化剤は、時間遅延作用を有すると見なされる。
抗フリーラジカル効率(AE)(C.Sanchez−Moreno、J.A.LarrauriおよびF.Saura−Calixto、J.Sci.Food Agric.1998、76(2)、270〜276に記載)は、以下の関係によって前述の量から導かれる。
低いAE(×10−3)は約10までの範囲にあり、中程度のAEは10〜20までの範囲にあり、高いAEは、本発明によれば20以上の値を有する。
本発明によれば、速効性の抗酸化剤と低いまたは時間遅延作用を有する抗酸化剤とを組み合わせることが特に好ましいと思われる。速効性抗酸化剤と時間遅延抗酸化剤との典型的な重量比は、10:1〜1:10までの範囲、好ましくは10:1〜1:1までの範囲であり、皮膚保護製剤の場合には5:1〜2:1の範囲であることが特に好ましい。しかしながら、本発明により同様に好ましい他の製剤では、速効性の抗酸化剤よりも多くの時間遅延抗酸化剤の存在することが作用最適化の目的にとって有利なことがある。その場合、典型的な組成物は、1:1〜1:10までの範囲、好ましくは1:2〜1:8の範囲にある速効性抗酸化剤と時間遅延抗酸化剤の重量比を示す。
このように、製剤が1つ以上の他の抗酸化剤を含む場合には、酸化ストレスに対する、またはフリーラジカルの影響に対する防御作用をさらに改善することができ、当業者は、速効性または時間遅延抗酸化剤を選択する際、困難に遭遇することは全くない。
したがって、本発明の好ましい実施形態では、製剤は、1つ以上の式Iの化合物のほかに1つ以上の他の抗酸化剤を含むことが好ましいことを特徴とする、酸化的ストレスから体細胞を防御するための、特に皮膚老化を軽減するための製剤である。
抗酸化剤として用いることできる専門家の文献で知られている多くの立証済みの物質があり、例えばアミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびそれらの誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロチン(例えばα−カロチン、β−カロチン、リコピン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンならびにそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩、および極めて低い忍容量(例えばpmol〜μmol/kg)のスルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタ−チオニンスルホキシイミン)、および(金属)キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばアスコルビン酸パルミテート、マグネシウムアスコルビン酸ホスフェート、アスコルビン酸アセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(例えばビタミンAパルミテート)、およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸(rutinic acid)およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、クェルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)がある。
同様に、抗酸化剤の混合物も本発明による化粧品組成物中で使用するのに適している。知られており市販されている混合物は、例えば、活性成分としてレシチン、L−(+)−アスコルビン酸パルミテートおよびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、L−(+)−アスコルビン酸パルミテート、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)K LIQUID)、天然源からのトコフェロールエキス、L−(+)−アスコルビン酸パルミテート、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、L−(+)−アスコルビン酸パルミテート、クエン酸およびレシチンを含む混合物(例えばOxynex(登録商標)LM)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、L−(+)−アスコルビン酸パルミテートおよびクエン酸(例えばOxynex(登録商標)2004)を含む混合物である。通常、このタイプの抗酸化剤は、このタイプの組成物中で式Iの化合物と一緒に、1000:1〜1:1000の範囲の比率、好ましくは100:1〜1:100の量で用いられる。
本発明による製剤は、他の成分としてビタミンを含むことができる。本発明による化粧品製剤は、ビタミンA、ビタミンAプロピオネート、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、レチノール、ビタミンB、塩化チアミン塩酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、酢酸トコフェロールE、コハク酸水素トコフェロール、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP活性成分)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB6)、パントテン酸、ビオチン、葉酸およびコバラミン(ビタミンB12)、特に好ましくはビタミンAパルミテート、ビタミンCおよびその誘導体、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、ニコチン酸、パントテン酸およびビオチンから選択されるビタミンおよびビタミン誘導体を含む。この場合、ビタミンは通常、式Iの化合物と一緒に、1000:1〜1:1000の範囲の比率、好ましくは100:1〜1:100の量で用いられる。
一般的に、本発明に従って用いられる式Iの化合物は、UV−Aおよび/またはUV−B領域にUV吸収をも有する。本発明に従って用いられる式Iのフラボノイドには、単独または他のUVフィルタと併用することができる広帯域UVフィルタが含まれる。同様に好ましい式Iの他の化合物は、UV−BとUV−A放射の間の遷移領域に吸収極大を示す。したがって、それらの化合物は、UV−A−IIフィルタとして、市販のUV−BおよびUV−A−Iフィルタの吸収スペクトルを有利に補完する。
さらに、このタイプの好ましい化合物は、製剤中に組み入れる際に利点を有する:
・モノおよび/またはオリゴグリコシル基は、本発明に従って用いられる化合物の水溶性を改善する;
・直鎖または分枝のC1〜C20アルコキシ基、特にエチルヘキシルオキシ基などの長鎖アルコキシ官能基は、化合物の油溶性を高める;
すなわち、置換基の適切な選択により、本発明による化合物の親水性または親油性を制御することができる。
・モノおよび/またはオリゴグリコシル基は、本発明に従って用いられる化合物の水溶性を改善する;
・直鎖または分枝のC1〜C20アルコキシ基、特にエチルヘキシルオキシ基などの長鎖アルコキシ官能基は、化合物の油溶性を高める;
すなわち、置換基の適切な選択により、本発明による化合物の親水性または親油性を制御することができる。
好ましい単糖またはオリゴ糖基はヘキソシル基、特にラムノシル基およびグルコシル基である。しかしながら、他のヘキソシル基、例えば、アロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシルおよびタロシル基も有利に使用することができる。また、ペントシル基を使用することも有利である。グリコシル基は、α−またはβ−グリコシド結合により基本構造に連結することができる。好ましい二糖は、例えば、6−O−(6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシドである。
しかしながら、本発明の同様に好ましい実施形態では、本発明による製剤は、製剤マトリックスに不溶であるか低い溶解性を有する式Iの化合物を含むこともできる。この場合、化合物は、微粉状で化粧品組成物中に懸濁されていることが好ましい。
また、本発明により特に好ましい製剤は、式Iの化合物に加えて純粋なUVフィルタを含む。
UV−Aフィルタとして特に好ましいジベンゾイルメタン誘導体を式Iの化合物と組み合わせて使用すると、さらに利点が生じる。すなわち、UV感受性のジベンゾイルメタン誘導体は、式Iの化合物が存在することによってさらに安定化する。したがって、本発明はさらに、製剤中のジベンゾイルメタン誘導体を安定化するための式Iの化合物の使用法に関する。
基本的に、すべてのUVフィルタは、本発明による式Iの化合物と組み合わせるのに適している。生理学的認容性がすでに立証されているUVフィルタが特に好ましい。UVAとUVBフィルタについてはいずれも、以下のような専門家の文献で知られている多くの証明済み物質がある:
3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファ(例えばEusolex(登録商標)6300)、3−ベンジリデンカンファ(例えばMexoryl(登録商標)SD)、N−{(2および4)−[(2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル}アクリルアミドのポリマー(例えばMexoryl(登録商標)SW)、メチル硫酸N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アニリニウム(例えばMexoryl(登録商標)SK)、(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えばMexoryl(登録商標)SL)などのベンジリデンカンファ誘導体;
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えばEusolex(登録商標)9020)、4−イソプロピルジベンゾイルメタン(例えばEusolex(登録商標)8020)などのベンゾイルまたはジベンゾイルメタン類;
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えばEusolex(登録商標)4360)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩(例えばUvinul(登録商標)MS−40)などのベンゾフェノン類;
メトキシ桂皮酸オクチル(例えばEusolex(登録商標)2292)、4−メトキシ桂皮酸イソペンテニル、例えば異性体の混合物として(例えばNeo Heliopan(登録商標)E 1000)などのメトキシ桂皮酸エステル類;
サリチル酸2−エチルヘキシル(例えばEusolex(登録商標)OS)、サリチル酸4−イソプロピルベンジル(例えばMegasol(登録商標))、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(例えばEusolex(登録商標)HMS)などのサリチル酸誘導体類;
4−アミノ安息香酸、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル(例えばEusolex(登録商標)6007)、エトキシル化4−アミノ安息香酸エチル(例えばUvinul(登録商標)P25)などの4−アミノ安息香酸およびその誘導体類;
2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸ならびにそのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩(例えばEusolex(登録商標)232)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸およびその塩(例えばNeoheliopan(登録商標)AP)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンゾイミダゾール−6−スルホン酸などのフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸類;
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(例えばEusolex(登録商標)OCR)、
3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホン酸およびその塩(例えばMexoryl(登録商標)SX)、
2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えばUvinul(登録商標)T 150)および
2−(4−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(例えばUvinul(登録商標)UVA Plus、BASF)などの他の物質。
3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホン酸およびその塩(例えばMexoryl(登録商標)SX)、
2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えばUvinul(登録商標)T 150)および
2−(4−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(例えばUvinul(登録商標)UVA Plus、BASF)などの他の物質。
一覧で述べた化合物は例に過ぎないと見なすべきである。言うまでもなく、他のUVフィルタを使用することも可能である。
一般に、これらの有機UVフィルタは、0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%で化粧品製剤中に組み入れる。
他の好適な有機UVフィルタとしては、例えば、
2−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えばSilatrizole(登録商標))、
4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸)2−エチルヘキシル(例えばUvasorb(登録商標)HEB)、
α−(トリメチルシリル)−ω−(トリメチルシリルオキシ)ポリ[オキシ(ジメチル[および約6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ]プロペニル]および0.1〜0.4%のメチル水素])シリレン](n=約60)(CAS No.207 574−45−1)、
2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(CAS No.103 597−45−1)、
2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、モノナトリウム塩)(CAS No.180 898−37−7)、および
2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS No.103 597−45−、187 393−00−6)がある。
2−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えばSilatrizole(登録商標))、
4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸)2−エチルヘキシル(例えばUvasorb(登録商標)HEB)、
α−(トリメチルシリル)−ω−(トリメチルシリルオキシ)ポリ[オキシ(ジメチル[および約6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ]プロペニル]および0.1〜0.4%のメチル水素])シリレン](n=約60)(CAS No.207 574−45−1)、
2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(CAS No.103 597−45−1)、
2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、モノナトリウム塩)(CAS No.180 898−37−7)、および
2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS No.103 597−45−、187 393−00−6)がある。
他の好適なUVフィルタは、先願のドイツ特許出願DE10232595.2に対応するメトキシフラボンである。
一般に、有機UVフィルタは、0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%で化粧品製剤中に組み入れる。
考えられる無機UVフィルタは、例えば、コーティングされた二酸化チタン(例えばEusolex(登録商標)T−2000、Eusolex(登録商標)T−AQUA)などの二酸化チタン、酸化亜鉛(例えばSachtotec(登録商標))、酸化鉄および酸化セリウムからなる群から得られるフィルタである。一般に、これらの無機UVフィルタは、0.5〜20重量%、好ましくは2〜10%の量で化粧品製剤中に組み入れる。
UVフィルタ特性を有する好ましい化合物は、3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファ、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸ならびにそのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩である。
UV放射の有害な効果に対する防御作用は、1つ以上の式Iの化合物を他のUVフィルタと組み合わせることによって最適化することができる。
最適化された組成物は、例えば、有機UVフィルタ 4’−メトキシ−6−ヒドロキシフラボンと1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンおよび3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファとの組合せを含む。この組合せは、広帯域の防御をもたらし、二酸化チタン微粒子などの無機UVフィルタの添加によって強化することができる。
また、前記UVフィルタはすべて、カプセル化形態でも用いることができる。特に、カプセル化形態で有機UVフィルタを用いることが有利である。詳細には、以下の利点が生じる:
カプセル壁の親水性は、UVフィルタの溶解性とは関係なく設定することができる。したがって、例えば、疎水性UVフィルタを完全に水性の製剤中に組み入れることが可能である。さらに、疎水性UVフィルタを含む製剤を塗布するときに不快と見なされることが多い油性の印象が押さえられる;
あるUVフィルタ、特にジベンゾイルメタン誘導体は、化粧品製剤中で光安定性の低下を示すに過ぎない。これらのフィルタまたは桂皮酸誘導体などのこれらのフィルタの光安定性を損なう化合物のカプセル化は、製剤全体の光安定性を高めることを可能にする;
有機UVフィルタによる皮膚透過およびヒトの皮膚へ直接塗布したときに伴う可能性のある刺激については文献中で繰り返し論じられている。ここで提案する対応する物質のカプセル化は、この影響を抑制する;
一般に、個々のUVフィルタまたは他の成分のカプセル化は、結晶化プロセス、沈殿および集塊形成などの個々の製剤構成要素のお互いとの相互作用によって引き起こされる製剤上の問題を、相互作用が抑えられることにより避けることを可能にする。
したがって、本発明によれば、1つ以上のUVフィルタをカプセル化形態にすることが好ましい。この場合、カプセルを肉眼で見ることができないほど小さくすることが有利である。前述の効果を得るため、さらに、カプセルを十分に安定にし、カプセル化された活性成分(UVフィルタ)が環境にわずかに放出されるか、あるいはまったく放出されないようにすることがさらに必要である。
好適なカプセルは、無機または有機ポリマーの壁を有することができる。例えば、US6,242,099 B1は、キチン、キチン誘導体またはポリヒドロキシル化ポリアミンの壁を有する好適なカプセルの製造について記載している。本明細書に従って用いることが特に好ましいカプセルは、出願WO 00/09652、WO 00/72806およびWO 00/71084に記載のゾル−ゲル法によって得ることができる。ここでは、やはり壁がシリカゲル(シリカ:不定の酸化水酸化ケイ素)で作られたカプセルが好ましい。対応するカプセルの製造は、例えば、引用特許出願により当業者にはよく知られており、その内容は、本出願の主題にも明確に属している。
本発明による製剤中のカプセルは、カプセル化されたUVフィルタが前述の量で製剤中に存在することを確実にする量で存在することが好ましい。
さらに、本発明による製剤は、他の従来型の皮膚防御またはスキンケア活性成分を含むことができる。原則として、これらの成分は、当業者に知られているいずれの活性成分であってもよい。
特に好ましい活性成分は、ピリミジンカルボン酸および/またはアリールオキシムである。
ピリミジンカルボン酸は好塩性微生物中に存在し、これらの生物体の浸透圧調整で役割を果たしている(E.A.Galinski他、Eur.J.Biochem.、149(1985)135〜139ページ)。ピリミジンカルボン酸のうち、ここでは、エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびそれらの誘導体について特に述べなければならない。これらの化合物は、水溶液および有機溶媒中で酵素および他の生体分子を安定化する。さらに、これらの化合物は、特に塩、極端なpH値、界面活性剤、尿素、塩化グアニジニウムおよび他の化合物などの変性条件に対して酵素を安定化する。
エクトインおよびヒドロキシエクトインなどのエクトイン誘導体は、薬物中で有利に用いることができる。特に、ヒドロキシエクトインは、皮膚疾患治療用の薬物を調製するために用いることができる。通常、ヒドロキシエクトインおよび他のエクトイン誘導体を適用する他の領域は、例えば、トレハロースが添加剤として用いられている領域である。すなわち、ヒドロキシエクトインなどのエクトイン誘導体は、乾燥酵母および細菌細胞中の保護剤として用いることができる。グリコシル化されていない薬剤として活性なペプチドおよびタンパク質、例えばt−PAなどの薬剤製品もエクトインまたはその誘導体により保護することができる。
化粧品用途のうち、老化、乾燥皮膚または炎症を起こした皮膚を手入れするためのエクトインおよびエクトイン誘導体の使用法について特に述べなければならない。すなわち、欧州特許出願EP−A−0 671 161には、特に、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング製品、口紅、ほお紅、化粧、ケアクリームおよび日焼け止め製剤などの化粧品製剤にエクトインおよびヒドロキシエクトインが用いられることが記載されている。
ここでは、下式IIのピリミジンカルボン酸を使用することが好ましい。
(式中、R1は、HまたはC1〜8アルキル基であり、R2はHまたはC1〜4アルキル基であり、R3、R4、R5およびR6は、各々お互いに独立して、H、OH、NH2およびC1〜4アルキルから選択される基である)。R2がメチルまたはエチル基であり、R1またはR5およびR6がHであるピリミジンカルボン酸を使用することが好ましい。ピリミジンカルボン酸のエクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)を使用することが特に好ましい。本発明による製剤は、15重量%までの量でこのタイプのピリミジンカルボン酸を含むことが好ましい。ここでは、式Iの化合物に対し、ピリミジンカルボン酸を100:1〜1:100の比率で用いることが好ましく、1:10〜10:1の範囲の比率であることが特に好ましい。
アリールオキシムのうち、HMLO、LPOまたはF5の別名でも知られる2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシムを用いることが好ましい。化粧品組成物に用いることについてのその適合性は、例えば、DE−A−41 16 123に開示されている。したがって、2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシムを含む製剤は、炎症を伴う皮膚疾患の治療に適している。このタイプの製剤は、例えば、乾癬、様々な形態の湿疹、刺激性および中毒性皮膚炎、UV皮膚炎ならびに皮膚および外皮付属器のその他のアレルギー性および/または炎症性疾患の治療に使用できることが知られている。式Iの化合物の他に、アリールオキシム、好ましくは2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシムをさらに含む本発明による製剤は、驚くべき抗炎症適合性を示す。本明細書の製剤は、アリールオキシム0.01〜10重量%を含むことが好ましく、製剤は、アリールオキシム0.05〜5重量%を含むことが特に好ましい。
製剤中で使用することができるすべての化合物または成分は、知られているか、市販されているか、または知られている方法によって合成することができる。
式Iの1つ以上の化合物は、従来の方法で化粧品または皮膚用製剤に組み入れることができる。好適な製剤は、外用のための製剤であり、例えばクリーム、ローションもしくはジェルまたは皮膚上にスプレーすることができる溶液のような形態である。内服には、カプセル剤、コーティングされた錠剤、散剤、錠剤溶液または水剤などの投与形態が適している。
本発明による製剤の応用形態として挙げることができる例は、水剤、懸濁剤、乳剤、PIT乳剤、ペースト剤、軟膏剤、ジェル剤、クリーム剤、ローション剤、散剤、石鹸、界面活性剤含有クレンジング製剤、油剤、エアゾール剤およびスプレー剤である。他の応用形態の例は、スティック、シャンプーおよびシャワー製剤である。望ましい従来型の賦形剤、助剤および、必要に応じて他の活性成分を製剤に加えることができる。
好ましい助剤は、保存剤、抗酸化剤、安定化剤、可溶化剤、ビタミン、着色剤および臭気改良剤からなる群に由来する。
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびジェル剤は、従来型の賦形剤、例えば、動物および植物脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクならびに酸化亜鉛、またはそれらの物質の混合物を含むことができる。
散剤およびスプレー剤は、従来型の賦形剤、例えばラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはそれらの物質の混合物を含むことができる。スプレー剤は、従来型の噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルをさらに含むことができる。
水剤および乳剤は、溶剤、可溶化剤および乳化剤、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油類、特に綿実油、ピーナッツ油、コムギ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールならびにソルビタンの脂肪酸エステル、またはそれらの物質の混合物などの従来型の賦形剤を含むことができる。
懸濁剤は、液体希釈剤、例えば水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天ならびにトラガカント、またはそれらの物質の混合物などの従来型の賦形剤を含むことができる。
石鹸は、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオン酸塩、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物エキス、グリセロール、糖、またはそれらの物質の混合物などの従来型の賦形剤を含むことができる。
界面活性剤含有クレンジング製品は、脂肪アルコール硫酸エステルの塩、脂肪アルコールエーテル硫酸エステル、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオン酸塩、イミダゾリニウム誘導体、タウリン酸メチル、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテル硫酸エステル、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油および合成油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステル、またはそれらの物質の混合物などの従来型の賦形剤を含むことができる。
フェイスオイルおよびボディオイルは、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーン油などの合成油、植物油および油状植物エキスなどの天然油、パラフィン油もしくはラノリン油、またはそれらの物質の混合物などの従来型の賦形剤を含むことができる。
他の典型的な化粧品応用形態は、口紅、リップケアスティック、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、ほお紅、粉末化粧品、乳剤化粧品およびワックス化粧品、ならびに日焼け止め、プレサンおよびアフターサン製剤でもある。
本発明による好ましい製剤形態には、特に乳剤が含まれる。
本発明による乳剤は有利であり、例えば、前記の脂肪、油、ワックスおよび他の脂肪物質、ならびにこのタイプの製剤の調製に通常使用される水および乳化剤を含む。
脂質相は、以下の物質の群から有利に選択することができる:
鉱油、ミネラルワックス;
カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、さらに、例えばヒマシ油などの天然油;
脂肪、ワックスならびに天然および合成脂肪物質、好ましくは低炭素数を有するアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセロールとの脂肪酸のエステル、または低炭素数を有するアルカン酸または脂肪酸との脂肪アルコールのエステル;
ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびそれらの混合形態などのシリコーン油。
鉱油、ミネラルワックス;
カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、さらに、例えばヒマシ油などの天然油;
脂肪、ワックスならびに天然および合成脂肪物質、好ましくは低炭素数を有するアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセロールとの脂肪酸のエステル、または低炭素数を有するアルカン酸または脂肪酸との脂肪アルコールのエステル;
ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびそれらの混合形態などのシリコーン油。
本発明の目的上、乳剤、オレオゲル(oleogel)または水性懸濁液(hydrodispersion)または脂性懸濁液(lipodispersion)の油相は、3〜30個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝または/非分枝アルカンカルボン酸および3〜30個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝または/非分枝アルコールのエステルからなる群から、または芳香族カルボン酸および3〜30個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝または/非分枝アルコールのエステルからなる群から選択されることが有利である。その場合、このタイプのエステル油は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシルならびにこのタイプのエステルの合成、半合成および天然混合物、例えばホホバ油からなる群から有利に選択することができる。
さらに、油相は、分枝および非分枝炭化水素およびワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテルからなる群、または飽和および不飽和、分枝および非分枝アルコール、および脂肪酸トリグリセリドからなる群、具体的には、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルからなる群から有利に選択することができる。脂肪酸トリグリセリドは、例えば、合成、半合成および天然油、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、ピーナッツ油、菜種油、アーモンド油、パーム油、ココナッツ油、パーム核油などからなる群から有利に選択することができる。
本発明の目的上、このタイプの油およびワックス成分の望ましいどの混合物も有利に用いることができる。また、油相の唯一の脂質成分としてワックス、例えばパルミチン酸セチルを用いることも有利であろう。
油相は、イソステアリン酸2−エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソ−エイコサン、2−エチルヘキシルココエート、安息香酸C12−15アルキル、カプリル/カプリン酸トリグリセリドおよびジカプリルエーテルからなる群から有利に選択される。
安息香酸C12−15アルキルおよびイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物、安息香酸C12−15アルキルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物、ならびに安息香酸C12−15アルキル、イソステアリン酸2−エチルヘシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物が特に有利である。
炭化水素のうち、パラフィン油、スクアランおよびスクアレンを本発明の目的にとって有利に使用することができる。
さらに、油相は、環状または直鎖状シリコーン油の内容物を有し、全体がこのタイプの油からなることも有利であるが、1種以上のシリコーン油に加え、他の油相成分を追加して用いることが好ましい。
本発明に従って用いられるシリコーン油は、シクロメチコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)であることが有利である。しかしながら、本発明の目的上、他のシリコーン油、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサンまたはポリ(メチルフェニルシロキサン)を用いることも有利である。
また、シクロメチコーンおよびイソノナン酸イソトリデシルならびにシクロメチコーンおよびイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物も特に有利である。
本発明による製剤の水相は、低炭素数を有するアルコール、ジオールまたはポリオール、およびそれらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび類縁体製品、さらに低炭素数を有するアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオールまたはグリセロール、ならびに、特に1種以上の増粘剤を含むことが場合により有利であり、増粘剤は、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖およびその誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択されることが有利であり、ポリアクリレートからなる群から選択されることが特に有利であり、いわゆるカルボポール、例えばカルボポール グレード980、981、1382、2984または5984からなる群から各々の場合単独または組み合わせたポリアクリレートが好ましい。
特に、前述の溶媒の混合物が用いられる。アルコール性溶媒の場合には水を他の構成要素にしてもよい。
本発明による乳剤は有利であり、例えば、前記の脂肪、油、ワックスおよび他の脂肪物質、ならびにこのタイプの製剤に通常使用される水および乳化剤を含む。
好ましい実施形態では、本発明による製剤は親水性界面活性剤を含む。
親水性界面活性剤は、アルキルグルコシド、アシルラクチレート、ベタインおよびココナッツアンホアセテート(coconut amphoacetate)からなる群から選択されることが好ましい。
アルキルグルコシド自体は、下記構造式で分類されるアルキルグルコシドからなる群から有利に選択される。
値DPは、本発明に従って用いられるアルキルグルコシドのグルコシル化度を表し、以下のように定義される。
(式中、p1、p2、p3・・・piは、1回、2回、3回・・・i回グルコシル化された生成物の割合を重量パーセントで表している)。本発明によれば、1〜2のグルコシル化度を有する生成物が有利であり、1.1〜1.5が特に有利であり、1.2〜1.4、特に1.3が特に有利である。
値DPは、一般に、アルキルグルコシドは、それらの調製の結果としてモノおよびオリゴグルコシドの混合物の形態であるという事実を考慮に入れている。本発明によれば、通常40〜70重量%という比較的高いモノグルコシドの含量が有利である。
本発明の目的で使用するのに特に有利なアルキルグリコシドは、オクチルグルコピラノシド、ノニルグルコピラノシド、デシルグルコピラノシド、ウンデシルグルコピラノシド、ドデシルグルコピラノシド、テトラデシルグルコピラノシドおよびヘキサデシルグルコピラノシドからなる群から選択される。
同様に、本発明に従って使用される活性成分の有効含有量によって分類される天然もしくは合成原料および助剤または混合物、例えばPlantaren(登録商標)1200(Henkel KGaA)、Oramix(登録商標)NS10(Seppic)を用いることも有利である。
アシルラクチレート自体は、下記構造式で分類される物質からなる群から有利に選択される。
(式中、R1は、1〜30個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基であり、M+は、アルカリ金属イオンからなる群、および1つ以上のアルキルおよび/または1つ以上のヒドロキシアルキル基により置換されたアンモニウムイオンからなる群から選択され、またはアルカリ土類金属イオンの半分の当量に相当する。)
例えば、イソステアリル乳酸ナトリウム、例えばAmerican Ingredients Companyからの製品Pathionic(登録商標)ISLが有利である。
ベタインは、下記構造式で分類される物質からなる群から有利に選択される。
R2は、6〜12個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基であることが特に有利である。
例えば、カプラミドプロピルベタイン(capramidopropylbetaine)、例えばTh.Goldschmidt AGからの製品Tego(登録商標)ベタイン810が有利である。
本発明の目的から有利であるココナッツアンホアセテートは、例えばMiranol Chemical Corp.からMiranol(登録商標)Ultra C32の商品名で市販されているナトリウムココナッツアンホアセテートである。
本発明による製剤は、1つ以上の界面活性剤が、各々の場合組成物の全重量に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の濃度で存在することを特徴とすることが有利である。
使用する場合には、本明細書による化粧品および皮膚用製剤を化粧品として十分な量を常法により皮膚および/または髪に塗布する。
本発明による化粧品および皮膚用製剤は、様々な形態で存在することができる。すなわち、製剤は、例えば溶液、水非含有製剤、油中水(W/O)または水中油(O/W)型のエマルジョンまたはマイクロエマルジョン、例えば水中油中水(W/O/W)型のマルチプルエマルジョン、ゲル、固体スティック、軟膏またはエアゾールであってもよい。また、カプセル化形態のエクトインを、例えばコラーゲンマトリックスおよび他の従来型カプセル化材料、例えばセルロースカプセル化で、ゼラチン、ワックスマトリックスまたはリポソームにカプセル化して投与することも有利である。特に、DE−A 43 08 282に記載のワックスマトリックスは好ましいと証明されている。エマルジョンが好ましい。O/Wエマルジョンは特に好ましい。エマルジョン、W/OエマルジョンおよびO/Wエマルジョンは従来の方法で入手可能である。
使用することができる乳化剤は、例えば、知られているW/OおよびO/W乳化剤である。本発明による好ましいO/Wエマルジョンでは従来型の乳化助剤(co−emulsifier)をさらに用いることが有利である。
本発明によれば有利である乳化助剤は、例えばO/W乳化剤であり、基本的に11〜16のHLB値を有し、特に有利には14.5〜15.5のHLB値を有する物質からなる群からの乳剤であり、O/W乳化剤は飽和基RおよびR’を有している。O/W乳化剤が不飽和基Rおよび/またはR’を有している場合またはイソアルキル誘導体の場合には、このような乳化剤の好ましいHLB値はそれ以上低くても高くてもよい。
エトキシル化ステアリルアルコール、セチルアルコ−ル、セチルステアリルアルコール(セテアリルアルコ−ル)からなる群から脂肪アルコールエトキシレートを選択することが有利である。以下のポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)が特に好ましい。
さらに、脂肪酸エトキシレートは以下の群から選択することが有利である:
ポリエチレングリコール(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレングリコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、ポリエチレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート、ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレングリコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレングリコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレングリコール(25)イソステアレート、ポリエチレングリコール(12)オレエート、ポリエチレングリコール(13)オレエート、ポリエチレングリコール(14)オレエート、ポリエチレングリコール(15)オレエート、ポリエチレングリコール(16)オレエート、ポリエチレングリコール(17)オレエート、ポリエチレングリコール(18)オレエート、ポリエチレングリコール(19)オレエート、ポリエチレングリコール(20)オレエート。
ポリエチレングリコール(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレングリコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、ポリエチレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート、ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレングリコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレングリコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレングリコール(25)イソステアレート、ポリエチレングリコール(12)オレエート、ポリエチレングリコール(13)オレエート、ポリエチレングリコール(14)オレエート、ポリエチレングリコール(15)オレエート、ポリエチレングリコール(16)オレエート、ポリエチレングリコール(17)オレエート、ポリエチレングリコール(18)オレエート、ポリエチレングリコール(19)オレエート、ポリエチレングリコール(20)オレエート。
使用されるエトキシル化アルキルエーテルカルボン酸またはその塩は、ラウレス−11カルボン酸ナトリウムであることが有利である。有利に使用することができるアルキルエーテルサルフェートは、ラウレス−14硫酸ナトリウムである。有利に使用することができるエトキシル化コレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25)ソヤステロール(soyasterol)も功を奏することが立証されている。有利に使用することができるエトキシル化トリグリセリドは、ポリエチレングリコール(60)オオマツヨイグサグリセリドである。
さらに、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルは、ポリエチレングリコール(20)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(21)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(22)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(23)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプレート/カプリネート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレエート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアレート、ポリエチレングリコール(18)グリセリルオレエート/ココエートからなる群から選択することが有利である。
同様に、ソルビタンエステルは、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレエートからなる群から選択することが好ましい。
任意選択のW/O乳化剤であるが本発明の目的に有利であると思われる乳化剤は以下の通りである:
8〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコール、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルコールのモノグリセロールエーテル、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルコールのジグリセロールエーテル、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、および8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のソルビタンエステル。
8〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコール、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルコールのモノグリセロールエーテル、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルコールのジグリセロールエーテル、8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、および8〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のソルビタンエステル。
特に有利なW/O乳化剤は、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノオレエート、ジグリセリルモノステアレート、ジグリセリルモノイソステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノイソオレエート、スクロースジステアレート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジル(arachidyl)アルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス―2)、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノカプリネートおよびグリセリルモノカプリレートである。
本発明による好ましい製剤は、老化プロセスに対し、および酸化的ストレスに対し、すなわち、例えば太陽光照射、熱または他の影響によって生じるフリーラジカルによって引き起こされる損傷に対しヒトの皮膚を防御するのに特に適している。これに関連して、この用途に通常使用される様々な投与形態がある。例えば、ローションもしくはエマルジョンの形態、クリームもしくは乳液の形態(O/W、W/O、O/W/O、W/O/W)、油性−アルコール性、油性−水性もしくは水性−アルコール性ゲルもしくは溶液の形態、固体スティックの形態であっても、またはエアゾールとして製剤化してもよい。
製剤は、このタイプの製剤で通常使用される、例えば増粘剤、軟化剤、保湿剤、界面活性剤、乳化剤、保存剤、消泡剤、芳香、ワックス、ラノリン、噴射剤、組成物自体または皮膚を着色する染料および/または顔料、および化粧品に通常使用される他の成分などの化粧品補助剤を含むことができる。
使用する分散媒または可溶化剤は、油、ワックスもしくは他の脂肪性物質、低級モノアルコールもしくは低級ポリオールまたはそれらの混合物であってもよい。特に好ましいモノアルコールまたはポリオールには、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロールおよびソルビトールが含まれる。
本発明の好ましい実施形態は、式Iの1つ以上の化合物以外に、例えば脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリド、ラノリン、天然および合成油またはワックスならびに水の存在下で乳化剤を含む防御クリームまたは乳液の形態のエマルジョンである。
他の好ましい実施形態は、天然もしくは合成油およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドをベースとする油性ローション、またはエタノールなどの低級アルコール、もしくはプロピレングリコールなどのグリセロール、および/またはグリセロールなどのポリオール、ならびに油、ワックスおよび脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステルをベースとする油性アルコール性ローションである。
また、本発明による製剤は、エタノール、プロピレングリコールもしくはグリセロールなどの1つ以上の低級アルコールもしくはポリオール、および珪土などの増粘剤を含むアルコール性ゲルの形態であってもよい。また、油性アルコール性ゲルは、天然もしくは合成油もしくはワックスを含む。
固体スティックは、天然もしくは合成ワックスおよび油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリンおよび他の脂肪性物質からなる。
エアゾールとして製剤化する場合には、アルカン、フルオロアルカンおよびクロロフルオロアルカンなどの従来型の噴射剤を一般的に使用する。
また、化粧品製剤を用い、変色、褪色または機械的性質の損傷を防ぐために光化学的損傷から髪を守ることができる。この場合、好適な製剤は、リンス用シャンプー、ローション、ジェルまたは乳剤の形態であり、シャンプーする前後、染めもしくは脱色の前後、またはパーマネントウェーブをかける前後に当該製剤を塗布する。髪のスタイリングまたは処置のためにローションもしくはジェルの形態で、ブラッシングまたはブローウェーブ法で整えるためにローションもしくはジェルの形態で、髪用のヘアスプレー、パーマネントウェーブ用組成物、着色料または漂白剤の形態で選択することが可能である。式Iの化合物の他に、光防御特性を有する製剤は、このタイプの組成物で使用される、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、軟化剤、保存剤、泡安定化剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、油、ワックス、アンチグリース剤(antigrease agent)、組成物自体または髪を着色する染料および/または顔料、または髪の手入れに通常用いられる他の成分などの様々な補助剤を含むことができる。
さらに、本発明は、前述の基を有する式Iの少なくとも1つの化合物が化粧品もしくは皮膚用としてまたは食品に適した賦形剤と混合していることを特徴とする製剤を調製するための方法、および抗酸化性を有する製剤を調製するための式Iの化合物の使用法に関する。
本発明による製剤は、当業者によく知られている技法を用いて調製することができる。
混合により、賦形剤中に式Iの化合物を溶解、乳化または分散させることができる。
本発明による好ましい方法では、2−ヒドロキシアセトフェノン化合物をリチウム化合物と、続いてケト化合物と反応させることによって式Iの化合物を調製する。
例えば、M.CushmanおよびD.Nagarathnam(Tetrahedron Letters、31、6497〜6500、1990)ならびにM.Cushman;D.Nagarathnam(Journal of Organic Chemistry、56、4884〜4887、1991)によって記載されているように、均一な反応条件下で大過剰のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを用いてフェノール性ヒドロキシル基を脱プロトンし、対応するケトンのリチウムエノレートを調製する。続いて、塩化アロイルを用いてリチウムエノレートの炭素原子を位置選択的にアシル化すると、β−ジケトン中間体が直接得られ、続いて酸性媒体中で環化する。しかしながら、この方法は、リチウム塩基が大過剰であるという欠点を有し、複数の精製ステップにおいてさえ除去は困難であり、リチウム塩基も高価である。
したがって、国際特許出願00/60889に記載の方法を行うことが特に好ましい。本発明によれば好ましいこの方法では、リチウム化合物のモル当量と金属化される2−ヒドロキシアセトフェノン化合物の官能基のモル当量の比は1〜1.2の範囲で選択される。
驚くべきことに、前述の比が、2−ヒドロキシアセトフェノン化合物のすべてのヒドロキシル基およびカルボニル基の完全な金属化を可能にすることを見いだした。1未満の比は、不完全な金属化と多数の望ましくない副生成物をもたらすであろう。対照的に、1.2を超える比は、リチウム化合物を多量に使用することを意味し、通常は安価でなく、さらに続くステップ、特に精製ステップでリチウム化合物が混入する。
リチウム化合物は無機リチウム化合物から選択されることが好ましい。なぜなら、無機リチウム化合物は、安価にかつたやすく大量に入手できるためである。さらに、無機リチウム化合物は、有機溶媒にやや溶けにくいから不溶であり、過剰に用いた場合に、均一条件下で金属化反応を行った後で反応混合物からそれらを容易に除去できることを意味する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、リチウム化合物と金属化される2−ヒドロキシアセトフェノン化合物の官能基との比は正確に1である。すなわち、溶けたままである可能性のあるリチウム化合物が最終生成物中の不純物として一切存在しないことが達成される。なぜなら、通常リチウム化合物は、結晶化などの精製ステップによっても中間体および最終生成物から除去することができないためである。
金属化は、エーテルを含んだ溶媒中で行うのが有利である。なぜなら、Li溶媒和物の形成によるその極性を介して金属化反応を助け、リチウム塩基の塩基性を高めるためである。
本発明による方法で用いる2−ヒドロキシアセトフェノンは以下の構造を有することが好ましい。
本発明による方法を行うためのケト化合物は以下の構造を有することが好ましい。
(式中、R5〜R7およびR9〜R10は、上記で定義した通りであるか、例えば、保護基の除去、酸化または還元などの化学修飾により上記で定義した基に変換することができる基であり、Ryは、ハライド、アルコキシまたはエステル基であってもよい。)
2−ヒドロキシアセトフェノン化合物のヒドロキシル基は保護されていないことが好ましい。すなわち、保護基の導入および除去のための複雑な反応を回避し、反応が特に簡便に進行することが可能になる。
ケト化合物について言えば、Ryは、塩化物(すなわち、化合物は酸塩化物である)、アルコキシ基(すなわち、化合物はエステルである)、またはエステル基(すなわち、化合物は酸無水物である)である。用いる基質に応じて、異なる基を使用すると、反応時間を変化させ正確に選択することが可能になる。例えば、酸塩化物または酸無水物を用いた反応時間は2〜6時間、通常は4〜5時間である。エステルを用いるかシリル化保護基を用いると、反応時間は8時間を超え、通常は10時間を超え、約16〜20時間であることが多い。
まず、2−ヒドロキシアセトフェノン化合物を、乾燥THFに溶かしたケトンおよびリチウム化合物と低温(−78℃〜−50℃)で縮合させることが好ましく、安定なジケトン中間体が得られる。−50℃以上の温度では、反応がまったく進行しないか、あまりに早く進行して望ましくない副生成物あるいは出発材料の分解を伴うため、−78℃〜−50℃の範囲が好ましい。続いて、酸性条件下、95〜100℃においてジケトンを環化すると、フラボン誘導体が得られる。
本発明による方法で使用する特に好適なリチウム塩基は、以下に列挙するリチウム塩基である:
LiNH2、LiN(CH3)2、LiN(C2H5)2、LiN(CH(CH3)2)2 (LDA)、Me3CLi、PhCH2Li、Ph2CHLi、Ph3CLi、LiCN、LiC(NO3)3、LiC(CN)3、LiN(C6H11)2、LiN(CH2)2、LiCH3、LiC2H5、LiCH(CH3)2、LiC4H9、LiCH2CH(CH3)2、LiC6H13、LiPh、LiCH3COCHCOCH3、LiClO、LiClO4、LiIO4、Li2O、LiOH、LiOCH3、LiOC2H5、LiOC4H9、LiOPh、LiOCOPh、一般式LiOCR=CR’2(RおよびR’は脂肪族または芳香族基)のリチウムエノレート、LiOSi(CH3)3、LiSi(CH3)3、Li2CO3またはリチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(LiTMP)。
LiNH2、LiN(CH3)2、LiN(C2H5)2、LiN(CH(CH3)2)2 (LDA)、Me3CLi、PhCH2Li、Ph2CHLi、Ph3CLi、LiCN、LiC(NO3)3、LiC(CN)3、LiN(C6H11)2、LiN(CH2)2、LiCH3、LiC2H5、LiCH(CH3)2、LiC4H9、LiCH2CH(CH3)2、LiC6H13、LiPh、LiCH3COCHCOCH3、LiClO、LiClO4、LiIO4、Li2O、LiOH、LiOCH3、LiOC2H5、LiOC4H9、LiOPh、LiOCOPh、一般式LiOCR=CR’2(RおよびR’は脂肪族または芳香族基)のリチウムエノレート、LiOSi(CH3)3、LiSi(CH3)3、Li2CO3またはリチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(LiTMP)。
前述のように、これらのうちでも、純粋に無機のリチウム化合物または有機の基が通常無機原子(O、N、Si)を介してリチウム原子と結合しているリチウム化合物が特に好ましい。
前述のように、金属化反応を行うための溶媒は、エーテル溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジブチルエーテルであることが好ましい。しかしながら、メチルエチルケトンなどの他の極性溶媒ばかりでなく、用いるヒドロキシアセトフェノンに応じて、例えばn−ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどの無極性溶媒も同様に使用することができる。
式Iの化合物は製剤に対する安定化作用を有することができることにも注目した。対応する製品で用いた場合、製剤は長期に安定であり、製剤の外観を変化させない。特に、成分、例えばビタミンの有効性は、長期間にわたる塗布または長期保存の場合でさえも保持される。このことは、とりわけ、紫外線の影響に対して皮膚を保護するための組成物の場合には特に有利である。なぜなら、これらの化粧品は、UV照射による特に高度なストレスに曝されるためである。
式Iの化合物のプラスの効果は、化粧品製剤または薬剤製剤で使用するための具体的適応性を生じる。
同様に、式Iの化合物の特性は、食品で使用するのにプラスであると、または食品サプリメントとして、または機能性食品と見なすべきである。食品に提供される他の説明も、食品サプリメントおよび機能性食品に当てはまる。
本発明による式Iの1つ以上の化合物で強化することができる食品には、動物による消費またはヒトによる消費に適したすべての材料、例えばビタミンおよびそれらのプロビタミン、脂肪、ミネラルまたはアミノ酸が含まれる。(食品は、固体ばかりでなく液体、すなわち飲料の形態であってもよい)。したがって、本発明はさらに、ヒトまたは動物の栄養のための食品添加物としての式Iの化合物の使用法、および食品または食品サプリメントであり、対応する賦形剤を含む製剤に関する。
本発明による式Iの1つ以上の化合物で強化することができる食品は、例えば、単一の自然源に由来する食品、例えば糖、無糖ジュース、単一植物種のスカッシュまたはピューレ、例えば、無糖リンゴジュース(例えば、異なるタイプのリンゴジュースの混合物も)、グレープフルーツジュース、オレンジジュース、リンゴの砂糖漬け、アンズスカッシュ、トマトジュース、トマトソース、トマトピューレなどである。本発明による式Iの1つ以上の化合物で強化することができる食品の他の例は、トウモロコシまたは単一植物種のシリアルおよびこのタイプの植物種から製造される材料、例えば穀物シロップ、ライ麦粉、小麦粉またはオート麦ふすまである。このタイプの食品の混合物は、本発明による式Iの1つ以上の化合物で強化するのに適している、例えば総合ビタミン剤、ミネラル混合物または加糖ジュースである。本発明による式Iの1つ以上の化合物で強化することができる食品の他の例として、食品製剤、例えば調製穀類、ビスケット、混合酒、ヨーグルトなどの子供のために特に調製された食品、ダイエット食品、低カロリー食品または動物飼料を挙げることができる。
すなわち、本発明による式Iの1つ以上の化合物で強化することができる食品には、糖質、脂質、タンパク質、無機元素、微量元素、ビタミン、水または植物および動物の活性代謝物の食用に適したすべての組合せが含まれる。
本発明による式Iの1つ以上の化合物で強化することができる食品は、経口により、例えば食事、丸剤、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、水剤または懸濁剤の形態で投与することが好ましい。
式Iの1つ以上の化合物で強化された本発明による食品は、当業者によく知られている技法を用いて調製することができる。
抗酸化剤またはフリーラジカル捕捉剤としての作用により、式Iの化合物は、医薬品成分としても適している。この場合、化合物は、体内でフリーラジカルを捕捉する自然の機序を支えるかそれに置き換わる。式Iの化合物を、ビタミンCなどのフリーラジカル捕捉剤とそれらの作用について比較できる場合もある。式Iの化合物は、例えば、皮膚の炎症およびアレルギーの予防的な治療のため、ならびにある場合には特定タイプの癌を予防するために使用することができる。式Iの化合物は、特に皮膚の炎症、アレルギーおよび刺激作用を治療するための薬物を調製するのに特に適している。さらに、血管強化剤として、毛細血管の強度を増す薬剤として、キュぺロース(cuperose)阻害剤として、化学的、物理的または光線性紅斑阻害剤として、敏感肌を治療する薬剤として、鬱血除去剤として、乾燥剤として、やせ薬として、皺防止剤として、細胞外マトリックスの成分合成の刺激剤として、皮膚の弾力性を改善するための強化剤として、および抗老化剤としての機能を果たす医薬品を調製することが可能である。さらに、これに関連して好ましい式Iの化合物は、抗アレルギーおよび抗炎症および抗刺激作用を示す。したがって、これらの化合物は、炎症またはアレルギー反応を治療するための医薬品を調製するのに適している。
実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、特許請求の範囲に記載される範囲のすべてにわたって実施することが可能であり、本明細書に示す実施例に限定されるものではない。
実施例1
6,3’,4’−トリヒドロキシフラボンの調製
6,3’,4’−トリヒドロキシフラボンの調製
乾燥した微粉の水酸化リチウム(19.7mmol、3当量)を、よく攪拌した2’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン(6.4mmol)の乾燥THF(5ml)溶液にアルゴン雰囲気中−78℃において一度に加える。反応混合物を−78℃において1時間、続いて−10℃において2時間攪拌する。−78℃まで再冷却した後、塩化3’,4−ジメトキシベンゾイル(6.5mmol)のTHF(10ml)溶液を一度に加える。出発材料が消失するまで混合物を−78℃で1時間および室温で4時間攪拌する。反応混合物を氷(150g)および濃HCl(5ml)の混合物上にあけ、ジクロロメタン(3×50ml)で抽出する。乾燥した抽出液から溶媒を除去し、残渣を減圧下で24時間乾燥する。氷酢酸(30ml)および硫酸(0.2ml)を残渣に加え、混合物をアルゴン雰囲気中95〜100℃において30分〜1時間加熱する。酢酸約3分の1を除去し、残渣を水にあける。沈殿した生成物を濾過し、洗浄し、乾燥してメタノールから再結晶する。三臭化ホウ素溶液(9.6ml、32当量)を、良く撹拌した3’,4’−ジメトキシ−6−ヒドロキシフラボン(6.4mmol)のジクロロメタン(100ml)溶液にアルゴン雰囲気中−78℃において加える。すべての三臭化ホウ素溶液を加えたら、反応混合物を室温で24時間撹拌し、続いて氷/水混合物(300ml)に加える。生成物を濾過しエタノール/水から再結晶すると、6,3’,4’−トリヒドロキシフラボンが得られる。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ9.76(非常にbr s,3H,D2Oと交換,C−6,C−3’およびC−4’上のOH)、7.58(d,1H,3J8,7=,H−8)、7.42(d,1H,4J2’,6’=,H−2’)、7.41(dd,1H,3J6’,5’=,4J6’,2’=,H−6’)、7.31(d,1H,4J5,7=,H−5)、7.23(dd,1H,3J7,8=,4J7,5=,H−7)、6.91(d,1H,3J5’,6’=,H−5’)、6.68(s,1H,H−3)。
13C NMR(DMSO−d6,75.47MHz)δ176.63(C−4)、162.76(C−2)、154.61(C−6)、149.14(C−9およびC−3’)、145.61(C−4’)、124.10(C−1’)、122.63(C−7)、122.10(C−10)、119.46(C−6’)、118.55(C−8)、115.88(C−5’)、113.16(C−2’)、107.47(C−5)、103.84(C−3)。
EI−MS m/e(%相対組成):270(100)
元素分析:C15H10O5としての計算値:C,66.67%;H,3.73%;O,29.60%。実測値:C,65.4%;H,3.9%;O,30.1%。
UV−VIS(2−プロパノール、1mg/100ml) λmin=251〜277nm、λmax=339nm。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ9.76(非常にbr s,3H,D2Oと交換,C−6,C−3’およびC−4’上のOH)、7.58(d,1H,3J8,7=,H−8)、7.42(d,1H,4J2’,6’=,H−2’)、7.41(dd,1H,3J6’,5’=,4J6’,2’=,H−6’)、7.31(d,1H,4J5,7=,H−5)、7.23(dd,1H,3J7,8=,4J7,5=,H−7)、6.91(d,1H,3J5’,6’=,H−5’)、6.68(s,1H,H−3)。
13C NMR(DMSO−d6,75.47MHz)δ176.63(C−4)、162.76(C−2)、154.61(C−6)、149.14(C−9およびC−3’)、145.61(C−4’)、124.10(C−1’)、122.63(C−7)、122.10(C−10)、119.46(C−6’)、118.55(C−8)、115.88(C−5’)、113.16(C−2’)、107.47(C−5)、103.84(C−3)。
EI−MS m/e(%相対組成):270(100)
元素分析:C15H10O5としての計算値:C,66.67%;H,3.73%;O,29.60%。実測値:C,65.4%;H,3.9%;O,30.1%。
UV−VIS(2−プロパノール、1mg/100ml) λmin=251〜277nm、λmax=339nm。
実施例2
5,6,7−トリヒドロキシフラボンの調製
5,6,7−トリヒドロキシフラボンの調製
乾燥した微粉の水酸化リチウム(38.7mmol、3当量)を、よく攪拌した2’,4’,5’,6’−テトラヒドロキシアセトフェノン(12.9mmol)の乾燥THF(5ml)溶液にアルゴン雰囲気中−78℃において一度に加える。反応混合物を−78℃において1時間、続いて−10℃において2時間攪拌する。−78℃まで再冷却した後、塩化ベンゾイル(14.2mmol)のTHF(20ml)溶液を一度に加える。出発材料が消失するまで混合物を−78℃で1時間および室温で4時間攪拌する。反応混合物を氷(300g)および濃HCl(10ml)の混合物上にあけ、ジクロロメタン(3×50ml)で抽出する。乾燥した抽出液から溶媒を除去し、残渣を減圧下で24時間乾燥する。氷酢酸(100ml)および硫酸(0.5ml)を残渣に加え、混合物をアルゴン雰囲気中95〜100℃において30分〜1時間加熱する。酢酸約3分の1を除去し、残渣を水にあける。沈殿した生成物を濾過し、洗浄し、乾燥してメタノールから再結晶すると、5,6,7−トリヒドロキシフラボンが得られる。融点256〜271℃。
1H NMR(DMSO−d6,500MHz)δ12.67(s,1H,D2Oと交換,C−5上のOH)、10.54(br s,1H,D2Oと交換,C−7上のOH)、8.80(br s,1H,D2Oと交換,C−6上のOH)、8.05(d,2H,3J2’,3’=3J6’,5’=7.93,H−2’およびH−6’)、7.57(m,3H,H−3’,H−4’およびH−5’)、6.92(s,1H,H−8)、6.64(s,1H,H−3)。
13C NMR(DMSO−d6,62.90MHz)δ182.05(C−4)、162.85(C−2)、153.59(C−7)、149.81(C−9)、146.97(C−5)、131.70(C−4’)、130.92(C−1’)、129.29(C−6)、129.00(C3’およびC−5’)、126.21(C−2’およびC−6’)、104.43(C−8)、104.26(C−10)、93.98(C−3)。
EI−MS m/e(%相対組成):270(100)
UV−VIS(2−プロパノール、1mg/100ml) λmin=276.5nm、λmax=325.5nm。
1H NMR(DMSO−d6,500MHz)δ12.67(s,1H,D2Oと交換,C−5上のOH)、10.54(br s,1H,D2Oと交換,C−7上のOH)、8.80(br s,1H,D2Oと交換,C−6上のOH)、8.05(d,2H,3J2’,3’=3J6’,5’=7.93,H−2’およびH−6’)、7.57(m,3H,H−3’,H−4’およびH−5’)、6.92(s,1H,H−8)、6.64(s,1H,H−3)。
13C NMR(DMSO−d6,62.90MHz)δ182.05(C−4)、162.85(C−2)、153.59(C−7)、149.81(C−9)、146.97(C−5)、131.70(C−4’)、130.92(C−1’)、129.29(C−6)、129.00(C3’およびC−5’)、126.21(C−2’およびC−6’)、104.43(C−8)、104.26(C−10)、93.98(C−3)。
EI−MS m/e(%相対組成):270(100)
UV−VIS(2−プロパノール、1mg/100ml) λmin=276.5nm、λmax=325.5nm。
実施例3
7,8,3’,4’−テトラヒドロキシフラボンの調製
7,8,3’,4’−テトラヒドロキシフラボンの調製
乾燥した微粉の水酸化リチウム(27.3mmol、4当量)を、良く撹拌した2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノン(6.4mmol)の乾燥THF(5ml)溶液にアルゴン雰囲気中−78℃において一度に加える。反応混合物を−78℃において1時間、続いて−10℃において2時間撹拌する。−78℃まで再冷却した後、塩化3’,4’−ジメトキシベンゾイル(6.5mmol)のTHF(10ml)溶液を一度に加える。出発材料が消失するまで混合物を−78℃で1時間および室温で4時間撹拌する。反応混合物を氷(150g)および濃HCl(5ml)の混合物上にあけ、ジクロロメタン(3×50ml)で抽出する。乾燥した抽出液から溶媒を除去し、残渣を減圧下で24時間乾燥する。氷酢酸(30ml)および硫酸(0.2ml)を残渣に加え、混合物をアルゴン雰囲気中95〜100℃において30分〜1時間加熱する。酢酸約3分の1を除去し、残渣を水にあける。沈殿した生成物を濾過し、洗浄し、乾燥してメタノールから再結晶する。三臭化ホウ素溶液(9.6ml、32当量)を、良く撹拌した3’,4’−ジメトキシ−7,8−ジヒドロキシフラボン(6.4mmol)のジクロロメタン(100ml)溶液にアルゴン雰囲気中−78℃において加える。すべての三臭化ホウ素溶液を加えたら、反応混合物を室温で24時間撹拌し、続いて氷/水混合物(300ml)に加える。生成物を濾過しエタノール/水から再結晶すると、7,8,3’,4’−テトラヒドロキシフラボンが得られる。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ9.67(br s,4H,D2Oと交換,C−7,C−8,C−3’およびC−4’上のOH)、7.59(d,1H,4J2’,6’=,H−2’)、7.47(dd,1H,3J6’,5’=,4J6’,2’=,H−6’)、7.39(d,1H,3J6,5=,H−6)、6.93(d,1H,3J5,6=,H−5)、6.90(d,1H,3J5’,6’=,H−5’)、6.61(S,1H,H−3)。
13C NMR(DMSO−d6,75.47MHz)δ176.64(C−4)、162.34(C−2)、150.09(C−7)、149.00(C−3’)、146.61(C−9)、145.52(C−4’)、133.04(C−8)、122.30(C−1’)、118.61(C−5)、116.87(C−10)、115.80(C−6’)、114.87(C−5’)、113.59(C−2’)、113.33(C−6)、103.82(C−3)。
EI−MS m/e(%相対存在量)組成:286(100)
UV−VIS(2−プロパノール、1mg/100ml) λmin=265〜277nm、λmax=343nm。
元素分析:C15H10O6としての計算値:C,62.94%;H,3.52%;O,33.54%。実測値:C,61.0%;H,3.0%;O,28.7%。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ9.67(br s,4H,D2Oと交換,C−7,C−8,C−3’およびC−4’上のOH)、7.59(d,1H,4J2’,6’=,H−2’)、7.47(dd,1H,3J6’,5’=,4J6’,2’=,H−6’)、7.39(d,1H,3J6,5=,H−6)、6.93(d,1H,3J5,6=,H−5)、6.90(d,1H,3J5’,6’=,H−5’)、6.61(S,1H,H−3)。
13C NMR(DMSO−d6,75.47MHz)δ176.64(C−4)、162.34(C−2)、150.09(C−7)、149.00(C−3’)、146.61(C−9)、145.52(C−4’)、133.04(C−8)、122.30(C−1’)、118.61(C−5)、116.87(C−10)、115.80(C−6’)、114.87(C−5’)、113.59(C−2’)、113.33(C−6)、103.82(C−3)。
EI−MS m/e(%相対存在量)組成:286(100)
UV−VIS(2−プロパノール、1mg/100ml) λmin=265〜277nm、λmax=343nm。
元素分析:C15H10O6としての計算値:C,62.94%;H,3.52%;O,33.54%。実測値:C,61.0%;H,3.0%;O,28.7%。
実施例4
抗酸化性
本発明による化合物の抗酸化活性を測定し、クェルセチン(3,5,7,3’,4’−ペンタヒドロキシフラボン)および他の従来型抗酸化剤の活性と比較する。ここでの抗酸化剤活性は、水素または電子供与体として機能することによりフリーラジカルを捕捉することができる能力を意味するものとする。測定にはDPPHアッセイを用いる。
抗酸化性
本発明による化合物の抗酸化活性を測定し、クェルセチン(3,5,7,3’,4’−ペンタヒドロキシフラボン)および他の従来型抗酸化剤の活性と比較する。ここでの抗酸化剤活性は、水素または電子供与体として機能することによりフリーラジカルを捕捉することができる能力を意味するものとする。測定にはDPPHアッセイを用いる。
DPPHアッセイ
2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)のエタノール原液を調製する(DPPH−フリーラジカル0.025g/l)。この溶液の一定量を様々な濃度の被験化合物と混ぜる。いずれの場合にも515nm、25℃および1cmにおいて吸光度を測定する。EC50として、当初のDPPHフリーラジカル濃度の50%が依然として存在する値を測定する。この値が低ければ低いほど、対応する抗酸化性が高い。この値に達するのに必要な時間を値TEC50(分単位)で表す。以下の関係に従い、抗フリーラジカル効率(AE)は、これらから得られる。
2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)のエタノール原液を調製する(DPPH−フリーラジカル0.025g/l)。この溶液の一定量を様々な濃度の被験化合物と混ぜる。いずれの場合にも515nm、25℃および1cmにおいて吸光度を測定する。EC50として、当初のDPPHフリーラジカル濃度の50%が依然として存在する値を測定する。この値が低ければ低いほど、対応する抗酸化性が高い。この値に達するのに必要な時間を値TEC50(分単位)で表す。以下の関係に従い、抗フリーラジカル効率(AE)は、これらから得られる。
ここでの高いAE値はフリーラジカルに対する高い活性を示す。
実施例5
製剤
実施例1〜3による化合物を含む化粧品製剤の配合を以下に例示する。さらに、市販化合物のINCI名を示す。
製剤
実施例1〜3による化合物を含む化粧品製剤の配合を以下に例示する。さらに、市販化合物のINCI名を示す。
UV−Pearl、OMCは、INCI名による製剤である:
水(EUの場合:Aqua)、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、シリカ、PVP、クロルフェネシン、BHT;この製剤は、Merck KGaA、DarmstadtからEusolex(登録商標)UV−Pearl(商標)OMCの名前で市販されている。
各表に示す他のUV−Pearl製品は、表示のUVフィルタで置き換えられたOMCと類似の組成を有している。
水(EUの場合:Aqua)、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、シリカ、PVP、クロルフェネシン、BHT;この製剤は、Merck KGaA、DarmstadtからEusolex(登録商標)UV−Pearl(商標)OMCの名前で市販されている。
各表に示す他のUV−Pearl製品は、表示のUVフィルタで置き換えられたOMCと類似の組成を有している。
Claims (12)
- 式Iの少なくとも1つの化合物を含む抗酸化性を有する製剤。
(ここで、R1〜R10は、同一または異なり、そして、
H、
OR11、
直鎖または分枝のC1〜C20アルキル基、
直鎖または分枝のC3〜C20アルケニル基、
直鎖または分枝のC1〜C20ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシル基は、アルキル鎖中の第一級または第二級炭素原子と結合していてもよく、さらに、アルキル鎖は酸素によって中断されていてもよい)、ならびに/あるいは、
C3〜C10シクロアルキル基および/またはC3〜C12シクロアルケニル基(環は、nが1〜3である−(CH2)n−基によって架橋していてもよい)から選択され、
すべてのOR11は、互いに独立して、
OH、
直鎖または分枝のC1〜C20アルコキシ基、
直鎖または分枝のC3〜C20アルケニルオキシ基、
直鎖または分枝のC1〜C20ヒドロキシアルコキシ基(ヒドロキシル基は、アルキル鎖の第一級または第二級炭素原子と結合していてもよく、さらに、アルキル鎖は酸素によって中断されていてもよい)、
C3〜C10シクロアルコキシ基および/またはC3〜C12シクロアルケニルオキシ基(環はそれぞれ、n=1から3である−(CH2)n−基によって架橋していてもよい)、ならびに/あるいは、
モノおよび/またはオリゴグリコシル基から選択される。
ただし、R1〜R7からの少なくとも3個の基はOHであり、かつ少なくとも2対の隣接−OH基が分子中に存在するか、またはR2、R5およびR6はOHであり、R1、R3、R4およびR7〜R10の各基はHである。) - 基R1〜R4の内少なくとも2個の隣接する基がOHであり、基R5〜R7の内少なくとも2個の隣接する基がOHであることを特徴とする、式Iの少なくとも1つの化合物を含む請求項1に記載の製剤。
- 基R1〜R4の内少なくとも3個の隣接する基がOHであり、好ましくは基R1からR3がOHであることを特徴とする、式Iの少なくとも1つの化合物を含む請求項1または2に記載の製剤。
- 製剤が、0.01〜20重量%の量、好ましくは0.1〜10重量%の量で式Iの1つ以上の化合物を含むことを特徴とする、式Iの少なくとも1つの化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤。
- 好ましくは1つ以上の他の抗酸化剤および/またはビタミン、好ましくはパルミチン酸ビタミンA、ビタミンCおよびその誘導体、DL−α−トコフェロール、酢酸トコフェロールE、ニコチン酸、パントテン酸ならびにビオチンから選択される、を含むことを特徴とする、酸化的ストレスに対して体細胞を守るための、特に皮膚老化を軽減するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製剤。
- 製剤が、少なくとも1つの式Iの化合物の他に、好ましくは3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファ、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸ならびにそのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩からなる群から選択される、1つ以上のUVフィルターを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製剤。
- 製剤が食品または食品サプリメントであり、食品に適した賦形剤および所望ならば他の食品サプリメントを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製剤。
- 請求項1に記載の基を含む式Iの化合物を、化粧品にもしくは皮膚治療用に、または食品に適した賦形剤と混合することを特徴とする、製剤の調製方法。
- 2−ヒドロキシアセトフェノン化合物をリチウム化合物と、続いてケト化合物と反応させることによって、式Iの化合物を調製することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- 変数が請求項1で定義した通りである式1の化合物の、抗酸化性を有する製剤の調製に対する、使用。
- 変数が請求項1で定義した通りである式1の化合物の、持続性作用を有する抗酸化剤としての、使用。
- 変数が請求項1で定義した通りである式1の化合物の、ヒトあるいは動物の栄養のための食品添加物としての、使用法。
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