JP2004115471A - 高純度シクロドデカノンの製造方法 - Google Patents
高純度シクロドデカノンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004115471A JP2004115471A JP2002283502A JP2002283502A JP2004115471A JP 2004115471 A JP2004115471 A JP 2004115471A JP 2002283502 A JP2002283502 A JP 2002283502A JP 2002283502 A JP2002283502 A JP 2002283502A JP 2004115471 A JP2004115471 A JP 2004115471A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cyclododecanone
- epoxycyclododecane
- alkali metal
- ppm
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
【課題】エポキシシクロドデカン(ECD)を触媒の存在下に異性化してシクロドデカノン(CDON)を製造するとき、副生成物を抑制する方法の提供。
【解決手段】ECDをハロゲン化アルカリ金属塩の存在下に異性化してCDONを製造するとき、この異性化反応系中に、アルカリ金属水酸化物を好ましくはECD質量に対し、1〜5000ppm の添加量で存在させる。
【選択図】 なし
【解決手段】ECDをハロゲン化アルカリ金属塩の存在下に異性化してCDONを製造するとき、この異性化反応系中に、アルカリ金属水酸化物を好ましくはECD質量に対し、1〜5000ppm の添加量で存在させる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒の存在下にエポキシシクロドデカンを異性化させて高純度のシクロドデカノンを製造する方法に関する。
シクロドデカノンはポリアミドなど合成樹脂の原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化アルカリ金属塩を触媒として用い、エポキシシクロドデカンを異性化してシクロドデカノンを製造する方法として、いくつかの報告がなされている。
例えば、ドイツ特許(DE)第3744094号明細書には、溶媒としてN−メチルピロリドン又はN,N′−ジメチルエチレン尿素を使用し、塩化リチウム触媒存在化にエポキシシクロドデカンを異性化し94%の収率でシクロドデカノンが得られることが記載されている。
また、ソ連特許(SU)第407874号明細書には無水臭化リチウムを触媒としたエポキシシクロドデカンの異性化反応が開示されている。
さらに、Zh. Org. Khim. (1990), 26 (7), 1497−1500には沃化リチウムを触媒として使用する異性化反応が記載されている。
しかしながら、これらの文献には副生物の生成については全く記載されていない。
エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒により異性化反応を行うと、主生成物のシクロドデカノン以外に副生成物として少量のシクロドデカジエン、シクロドデセノール、シクロウンデカンカルボキシアルデヒドなどが生成する。
これらの副生成物はシクロドデカノンの品質に悪影響を与えるため、できる限り生成量を抑制する必要がある。しかしながら、この副生成物の抑制手段は知られていなかった。
【0003】
【特許文献1】
ドイツ特許第3744094号明細書、第3頁
【特許文献2】
ソ連特許第407874号明細書(第2頁)
【非特許文献1】
Zh. Org. Khim. (1990), 26 (7), 1497−1500
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒の存在下にエポキシシクロドデカンを異性化させシクロドデカノンを製造する方法において、副生成物の生成を抑制し、高純度のシクロドデカノンを工業的に安定に製造することができる方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の高純度シクロドデカノンの製造方法は、エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩の存在下に異性化してシクロドデカノンを製造するに際し、この異性化反応系中にアルカリ金属水酸化物を添加して副生成物の生成を抑制することを特徴とするものである。
本発明の高純度シクロドデカノンの製造方法において前記アルカリ金属水酸化物が、前記異性化反応系中に含まれるエポキシシクロドデカンの質量に対して、1〜5000ppm であることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らは製品としてのシクロドデカノンの品質を悪化せしめる要因を鋭意検討した結果、エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒により異性化反応を行った際に、主生成物のシクロドデカノン以外に副生物として少量のシクロドデカジエン、シクロドデセノール、シクロウンデカンカルボキシアルデヒドなどが生成し、これらの副生物は、シクロドデカノンの品質を低下させるだけでなく、ラウロラクタムを製造する場合にはこの品質をも低下させることが認められた。このように品質の低下をもたらす不純物の生成を防ぐには、エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒の存在下に異性化反応を行うに際して、この異性化反応系中にアルカリ金属水酸化物を存在させることが必要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明方法において出発原料として使用されるエポキシシクロドデカンは、通常、エポキシシクロドデカジエンを、Pt,Pd、及び/又はNiなどを含む水素還元触媒の存在下に、前記エポキシシクロドデカジエンの二重結合に水素添加して製造することができる。
【0008】
本発明方法の異性化反応に用いられる触媒としては、塩化リチウム、臭化リチウム及びヨウ化リチウムなどのハロゲン化金属塩の1種以上からなるものが使用され、好ましくは、ヨウ化リチウムが用いられる。これらのハロゲン化金属塩は、無水物または水和物の状態で使用され、それを固体状態で異性化反応に供してもよいし、エポキシシクロドデカン又はシクロドデカノンに溶解させた状態、あるいは水溶液の状態で反応に供してもよい。また、これらの化合物の2種以上を混合して使用してもよい。
【0009】
前記異性化反応触媒の使用量には、特に制限はなく、溶媒への溶解度など及び反応条件を考慮して設定されるが、好ましくは、原料のエポキシシクロドデカン1モルに対して0.01〜20モル%であり、より好ましくは0.1〜5モル%である。触媒の使用量が0.01モル%未満であると、反応時間が長くなり、工業的に不適切になることがある。一方、触媒使用量が20モル%より多くなると、触媒費用が増大し経済的に不利になることがある。
【0010】
本発明方法において、異性化反応系中に添加されるアルカリ金属水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムから選ばれ、水酸化リチウムを用いることが好ましい。
これらのアルカリ金属水酸化物の添加量には特に制限はないが、使用するエポキシシクロドデカンの質量に対して、1〜5000ppm であることが好ましく、より好ましくは10〜2000ppm であり、さらに好ましくは50〜1000ppm である。添加量が5000ppm より多量になると、高沸点化合物の生成量が増加することがあり、またそれが1ppm 未満であると、副生成物の抑制効果が不十分になることがある。
【0011】
本発明の異性化反応は、反応系に対して不活性なガス雰囲気中で行うことが好ましく、上記不活性ガスとしては窒素、水素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられるが、窒素、ガス及び/又はアルゴンガスを用いることが好ましい。
【0012】
本発明の異性化反応における反応温度は、好ましくは100〜350℃であり、より好ましくは120〜300℃であり、さらに好ましくは150〜250℃である。反応温度が100℃未満であると反応速度が遅く工業的に不適切なことがある。また、350℃を越えると不純物の生成が増加することがある。
【0013】
本発明におけるエポキシシクロドデカンの異性化反応は、通常は無溶媒で実施され、この場合、エポキシシクロドデカンあるいは生成したシクロドデカノンが溶媒としての役割を果たす。しかしながら、無極性溶媒の使用を妨げるものではない。
前記無極性溶媒としては、炭素数6〜12の環状炭化水素、好ましくはベンゼン、トルエン、シクロヘキサン及びシクロドデカンなどを用いることができるが、その使用量はエポキシシクロドデカンの使用量を超えないことが好ましい。
【0014】
本発明で得られたシクロドデカノンは、副生物の量が少ないため、反応系から、ハロゲン化アルカリ金属触媒およびアルカリ金属水酸化物を分離した後、得られた反応生成物をそのままの状態で次工程(例えば、ラウロラクタムの原料としてオキシム化工程)で使用することもできる。
【0015】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。
【0016】
実施例1
撹拌機、温度計、ガス吹き込み口、冷却管、及び滴下ロートを備え、内容積が500mlのフラスコに、エポキシシクロドデカン(以下ECDと記す)100gと、触媒として沃化リチウム1.0g、および副生成物抑制剤として水酸化リチウム1水塩17.5mg(100ppm )を仕込み、アルゴンガスでフラスコ内を置換した後、油浴に浸し、撹拌しながら油浴を常温からゆっくりと昇温し、内温が150℃に到達した後、この温度を60分保持した。次に、内温が170℃になるまで昇温し、この温度で60分間反応させた後、最後に220℃で30分間反応させた。反応終了後、反応系をGC分析した結果、原料のECD転化率は99.9モル%であり、シクロドデカノン(以下CDONと記す)の選択率は99モル%以上であり、反応生成物中の副生物のシクロドデカジエン(以下CDDと記す)の濃度は39ppm であり、シクロウンデカンカルボキシアルデヒド(以下CUAと記す)の濃度は140ppm であり、シクロドデセノール(以下CDELと記す)の濃度は167ppm であった。
【0017】
比較例1
水酸化リチウムの1水塩を加えなかった以外は実施例1と同様に反応した結果、ECD転化率は99.9モル%であり、CDON選択率は99モル%であり、反応生成物中の副生物のCDDの濃度は2,626ppm であり、CUAの濃度は448ppm であり、CDELの濃度は5,429ppm であった。
【0018】
実施例2
水酸化リチウムの1水塩を0.13g(740ppm )使用したこと以外は実施例1と同様に反応した結果、ECD転化率は99.9モル%であり、CDONの選択率は99モル%以上であり、反応生成物中の副生物のCDDの濃度は43ppm であり、CDELの濃度は93ppm であり、CUAは検出されなかった。
【0019】
【発明の効果】
本発明方法は、ハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒の存在下にエポキシシクロドデカンを異性化させシクロドデカノンを製造する方法において、副生物の生成を抑制し、高純度のシクロドデカノンを工業的に安定に製造することを可能にするものであって、実用的にきわめて有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒の存在下にエポキシシクロドデカンを異性化させて高純度のシクロドデカノンを製造する方法に関する。
シクロドデカノンはポリアミドなど合成樹脂の原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化アルカリ金属塩を触媒として用い、エポキシシクロドデカンを異性化してシクロドデカノンを製造する方法として、いくつかの報告がなされている。
例えば、ドイツ特許(DE)第3744094号明細書には、溶媒としてN−メチルピロリドン又はN,N′−ジメチルエチレン尿素を使用し、塩化リチウム触媒存在化にエポキシシクロドデカンを異性化し94%の収率でシクロドデカノンが得られることが記載されている。
また、ソ連特許(SU)第407874号明細書には無水臭化リチウムを触媒としたエポキシシクロドデカンの異性化反応が開示されている。
さらに、Zh. Org. Khim. (1990), 26 (7), 1497−1500には沃化リチウムを触媒として使用する異性化反応が記載されている。
しかしながら、これらの文献には副生物の生成については全く記載されていない。
エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒により異性化反応を行うと、主生成物のシクロドデカノン以外に副生成物として少量のシクロドデカジエン、シクロドデセノール、シクロウンデカンカルボキシアルデヒドなどが生成する。
これらの副生成物はシクロドデカノンの品質に悪影響を与えるため、できる限り生成量を抑制する必要がある。しかしながら、この副生成物の抑制手段は知られていなかった。
【0003】
【特許文献1】
ドイツ特許第3744094号明細書、第3頁
【特許文献2】
ソ連特許第407874号明細書(第2頁)
【非特許文献1】
Zh. Org. Khim. (1990), 26 (7), 1497−1500
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒の存在下にエポキシシクロドデカンを異性化させシクロドデカノンを製造する方法において、副生成物の生成を抑制し、高純度のシクロドデカノンを工業的に安定に製造することができる方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の高純度シクロドデカノンの製造方法は、エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩の存在下に異性化してシクロドデカノンを製造するに際し、この異性化反応系中にアルカリ金属水酸化物を添加して副生成物の生成を抑制することを特徴とするものである。
本発明の高純度シクロドデカノンの製造方法において前記アルカリ金属水酸化物が、前記異性化反応系中に含まれるエポキシシクロドデカンの質量に対して、1〜5000ppm であることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らは製品としてのシクロドデカノンの品質を悪化せしめる要因を鋭意検討した結果、エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒により異性化反応を行った際に、主生成物のシクロドデカノン以外に副生物として少量のシクロドデカジエン、シクロドデセノール、シクロウンデカンカルボキシアルデヒドなどが生成し、これらの副生物は、シクロドデカノンの品質を低下させるだけでなく、ラウロラクタムを製造する場合にはこの品質をも低下させることが認められた。このように品質の低下をもたらす不純物の生成を防ぐには、エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒の存在下に異性化反応を行うに際して、この異性化反応系中にアルカリ金属水酸化物を存在させることが必要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明方法において出発原料として使用されるエポキシシクロドデカンは、通常、エポキシシクロドデカジエンを、Pt,Pd、及び/又はNiなどを含む水素還元触媒の存在下に、前記エポキシシクロドデカジエンの二重結合に水素添加して製造することができる。
【0008】
本発明方法の異性化反応に用いられる触媒としては、塩化リチウム、臭化リチウム及びヨウ化リチウムなどのハロゲン化金属塩の1種以上からなるものが使用され、好ましくは、ヨウ化リチウムが用いられる。これらのハロゲン化金属塩は、無水物または水和物の状態で使用され、それを固体状態で異性化反応に供してもよいし、エポキシシクロドデカン又はシクロドデカノンに溶解させた状態、あるいは水溶液の状態で反応に供してもよい。また、これらの化合物の2種以上を混合して使用してもよい。
【0009】
前記異性化反応触媒の使用量には、特に制限はなく、溶媒への溶解度など及び反応条件を考慮して設定されるが、好ましくは、原料のエポキシシクロドデカン1モルに対して0.01〜20モル%であり、より好ましくは0.1〜5モル%である。触媒の使用量が0.01モル%未満であると、反応時間が長くなり、工業的に不適切になることがある。一方、触媒使用量が20モル%より多くなると、触媒費用が増大し経済的に不利になることがある。
【0010】
本発明方法において、異性化反応系中に添加されるアルカリ金属水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムから選ばれ、水酸化リチウムを用いることが好ましい。
これらのアルカリ金属水酸化物の添加量には特に制限はないが、使用するエポキシシクロドデカンの質量に対して、1〜5000ppm であることが好ましく、より好ましくは10〜2000ppm であり、さらに好ましくは50〜1000ppm である。添加量が5000ppm より多量になると、高沸点化合物の生成量が増加することがあり、またそれが1ppm 未満であると、副生成物の抑制効果が不十分になることがある。
【0011】
本発明の異性化反応は、反応系に対して不活性なガス雰囲気中で行うことが好ましく、上記不活性ガスとしては窒素、水素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられるが、窒素、ガス及び/又はアルゴンガスを用いることが好ましい。
【0012】
本発明の異性化反応における反応温度は、好ましくは100〜350℃であり、より好ましくは120〜300℃であり、さらに好ましくは150〜250℃である。反応温度が100℃未満であると反応速度が遅く工業的に不適切なことがある。また、350℃を越えると不純物の生成が増加することがある。
【0013】
本発明におけるエポキシシクロドデカンの異性化反応は、通常は無溶媒で実施され、この場合、エポキシシクロドデカンあるいは生成したシクロドデカノンが溶媒としての役割を果たす。しかしながら、無極性溶媒の使用を妨げるものではない。
前記無極性溶媒としては、炭素数6〜12の環状炭化水素、好ましくはベンゼン、トルエン、シクロヘキサン及びシクロドデカンなどを用いることができるが、その使用量はエポキシシクロドデカンの使用量を超えないことが好ましい。
【0014】
本発明で得られたシクロドデカノンは、副生物の量が少ないため、反応系から、ハロゲン化アルカリ金属触媒およびアルカリ金属水酸化物を分離した後、得られた反応生成物をそのままの状態で次工程(例えば、ラウロラクタムの原料としてオキシム化工程)で使用することもできる。
【0015】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。
【0016】
実施例1
撹拌機、温度計、ガス吹き込み口、冷却管、及び滴下ロートを備え、内容積が500mlのフラスコに、エポキシシクロドデカン(以下ECDと記す)100gと、触媒として沃化リチウム1.0g、および副生成物抑制剤として水酸化リチウム1水塩17.5mg(100ppm )を仕込み、アルゴンガスでフラスコ内を置換した後、油浴に浸し、撹拌しながら油浴を常温からゆっくりと昇温し、内温が150℃に到達した後、この温度を60分保持した。次に、内温が170℃になるまで昇温し、この温度で60分間反応させた後、最後に220℃で30分間反応させた。反応終了後、反応系をGC分析した結果、原料のECD転化率は99.9モル%であり、シクロドデカノン(以下CDONと記す)の選択率は99モル%以上であり、反応生成物中の副生物のシクロドデカジエン(以下CDDと記す)の濃度は39ppm であり、シクロウンデカンカルボキシアルデヒド(以下CUAと記す)の濃度は140ppm であり、シクロドデセノール(以下CDELと記す)の濃度は167ppm であった。
【0017】
比較例1
水酸化リチウムの1水塩を加えなかった以外は実施例1と同様に反応した結果、ECD転化率は99.9モル%であり、CDON選択率は99モル%であり、反応生成物中の副生物のCDDの濃度は2,626ppm であり、CUAの濃度は448ppm であり、CDELの濃度は5,429ppm であった。
【0018】
実施例2
水酸化リチウムの1水塩を0.13g(740ppm )使用したこと以外は実施例1と同様に反応した結果、ECD転化率は99.9モル%であり、CDONの選択率は99モル%以上であり、反応生成物中の副生物のCDDの濃度は43ppm であり、CDELの濃度は93ppm であり、CUAは検出されなかった。
【0019】
【発明の効果】
本発明方法は、ハロゲン化アルカリ金属塩を含む触媒の存在下にエポキシシクロドデカンを異性化させシクロドデカノンを製造する方法において、副生物の生成を抑制し、高純度のシクロドデカノンを工業的に安定に製造することを可能にするものであって、実用的にきわめて有用である。
Claims (2)
- エポキシシクロドデカンをハロゲン化アルカリ金属塩の存在下に異性化してシクロドデカノンを製造するに際し、この異性化反応系中にアルカリ金属水酸化物を添加して副生成物の生成を抑制することを特徴とする高純度シクロドデカノンの製造方法。
- 前記アルカリ金属水酸化物が、前記異性化反応系中に含まれるエポキシシクロドデカンの質量に対して、1〜5000ppm である、請求項1に記載の高純度シクロドデカノンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283502A JP2004115471A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 高純度シクロドデカノンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283502A JP2004115471A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 高純度シクロドデカノンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004115471A true JP2004115471A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32277350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002283502A Pending JP2004115471A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 高純度シクロドデカノンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004115471A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023500620A (ja) * | 2019-10-29 | 2023-01-10 | ハンワ ソリューションズ コーポレイション | シクロドデカノン及びこの製造方法 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283502A patent/JP2004115471A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023500620A (ja) * | 2019-10-29 | 2023-01-10 | ハンワ ソリューションズ コーポレイション | シクロドデカノン及びこの製造方法 |
JP7378610B2 (ja) | 2019-10-29 | 2023-11-13 | ハンワ ソリューションズ コーポレイション | シクロドデカノン及びこの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007506705A (ja) | ケトンの同時アンモオキシム化 | |
JP4285980B2 (ja) | オキシムの製造方法 | |
JP2008074754A (ja) | トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンの製造方法 | |
US20040002619A1 (en) | Method for producing cyclohexanone oxime | |
US8242311B2 (en) | Process for preparing 2,2-difluoroethylamine and salts thereof proceeding from difluoroacetonitrile | |
US10618873B2 (en) | Method for producing C4-C15 lactams | |
JP2004115471A (ja) | 高純度シクロドデカノンの製造方法 | |
JP4052778B2 (ja) | シクロドデカノン化合物の製造方法 | |
JP3254753B2 (ja) | ε−カプロラクタムの製造法 | |
JP2011021006A (ja) | オキシムの製造方法 | |
JPH06306037A (ja) | 1,4−ジシアノ−2−ブテンの製造方法 | |
JP6003755B2 (ja) | ラクタムの精製方法 | |
JP5585992B2 (ja) | グリニャール反応を利用した求核付加体の製造方法及び求核付加反応剤 | |
JP4104317B2 (ja) | フルオロアルキルアミンの製造方法 | |
JP2001354597A (ja) | シクロプロペン類の製造方法 | |
JPH05186409A (ja) | シクロアルカノンオキシムの熱分解抑制方法 | |
JPH09194433A (ja) | トリシクロデカンカルボン酸エチルエステルの製造法 | |
US10093622B2 (en) | Efficient process for the synthesis of cyclic amides | |
JP5196679B2 (ja) | 高純度ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジ−エキソ−カルボン酸無水物およびその精製方法 | |
JPH07330755A (ja) | ピペロナールの製法 | |
JP3460714B2 (ja) | シクロアルカノンオキシムの熱分解抑制方法 | |
JP2006206476A (ja) | シクロアルカノンオキシムの製造方法 | |
JP2001039904A (ja) | ブロモアルキルナフタレンの製造方法 | |
JP5152699B2 (ja) | カルボン酸クロリド化合物の製造方法 | |
JP4761024B2 (ja) | 脂環式ジアミン化合物の製造方法 |