JP2004115369A - 窒化アルミニウム粉末およびこれを使用した窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム粉末およびこれを使用した窒化アルミニウム焼結体の製造方法 Download PDF

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中村 潤二
Mitsunobu Otaki
大瀧 光信
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大神 隆
Kenji Ichiya
一箭 健治
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Abstract

【目的】 窒化アルミニウム粉末を所定の有機化合物で表面処理することにより、耐水性を有する窒化アルミニウム粉末と、該窒化アルミニウム粉末を原料として熱伝導性に優れた窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供する。
【構成】 カルボキシル基である官能基を1分子中に2基以上有する脂肪族炭化水素の有機化合物で表面処理して親水性物質の被膜を有する窒化アルミニウム粉末と、その粉末を原料として所望形状に成形後焼成して優れた高熱伝導性の焼結体を製造する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
【選択図】   図1

Description

 本発明は、窒化アルミニウム粉末およびこれを使用した窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関し、詳しくは親水性の被膜を有する窒化アルミニウム粉末およびその粉末を所望の形状に成形後焼成して、窒化アルミニウム焼結体を製造する方法に関するものである。
 窒化アルミニウム粉末を主成分とするセラミック焼結体は、優れた熱伝導性と高い電気絶縁性を有しており、半導体素子用の絶縁基板として注目されている。
 窒化アルミニウム粉末は次式に示すように、水と容易に反応する性質がある。
 AlN + 3H2O → Al(OH)3 + NH3
 そのため、上記の優れた特徴である熱伝導性が劣化するという欠点があった。従って、窒化アルミニウム焼結体の製造工程などで使用する分散媒には非水系の有機溶剤が使用されている。しかしながら、非水系の有機溶剤は一般に引火性ならびに毒性を有するため、その取扱い上、安全性の対策が必要である。
 現在、その対策として、飽和もしくは不飽和の高級脂肪酸,高級脂肪族アルコール,高級脂肪族アミン等で表面処理して、窒化アルミニウム粉末の水との反応性を低下させている。また、リン酸で処理する方法も提案されている。
 しかし、このような従来の技術、即ち、
(1) 非水系の有機溶剤を分散媒として使用する方法。
(2) 飽和もしくは不飽和の高級脂肪酸,高級脂肪族アルコール,高級脂肪族アミンで表面処理する方法。
(3) リン酸で表面処理する方法。
等には、次のような欠点がある。
 上記(1)の方法は、製造装置が複雑であり、従って製造コストが増大し、しかも有機溶剤は引火性ならびに毒性を有するため、安全性の対策が必要である。
 上記(2)のような表面処理剤で処理した窒化アルミニウム粉末は、水に分散しないため、さらに熱処理して表面処理剤中の疎水基を分解する必要がある。もしくは、界面活性剤の添加が必要であること。
 上記(3)の方法は、焼成時のリン酸の揮散により焼成炉に悪影響を及ぼし、更にリン酸中の酸素が窒化アルミニウム焼結体の特性である熱伝導率に悪影響を及ぼす。
特開平2−88412号公報 特開昭62−207770号公報
 本発明は、上記のような従来の諸欠点を解消し、窒化アルミニウム粉末を表面処理することにより、水との反応性を劣化させる(以下、耐水性という)と共に耐酸化性を有する親水性の窒化アルミニウム粉末を提供し、該窒化アルミニウム粉末を原料として熱伝導性に優れた窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供するものである。なお、ここにいう親水性とは、通常一般に行われている水系の乾式成形法が可能なことを意味する。
 本発明における第1の発明は、アミノ基およびヒドロキシル基のうち少なくとも1種以上の官能基を1分子中に2基以上有する有機化合物である被膜を表面に有することを特徴とする窒化アルミニウム粉末を提供するものであり、第2の発明は、カルボキシル基である官能基を1分子中に2基以上有する脂肪族炭化水素の有機化合物である被膜を表面に有することを特徴とする窒化アルミニウム粉末を提供するものであり、第3の発明は、1.10−ジアミノデカン,1.12−ジアミノドデカン,1.10−ジヒドロキシデカン,1.12−ジヒドロキシドデカン,ドデカン2酸,ペンタデカン2酸,1.3−ジアミノ−2−プロパノール,12−アミノドデカン酸の中から選ばれる有機化合物である被膜を表面に有することを特徴とする窒化アルミニウム粉末を提供するものである。
 また、第4〜6の発明は、上記した有機化合物である被膜を有する窒化アルミニウム粉末を成形後焼成して焼結体とすることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法である。
 本発明によれば、アミノ基又はヒドロキシル基あるいは脂肪族炭化水素のカルボキシル基のうち少なくとも1種以上の官能基を1分子中に2基以上、好ましくは2〜4基を有する有機化合物である親水性物質で表面処理することにより、耐水性を有する窒化アルミニウム粉末が得られる。
 また、該窒化アルミニウム粉末を原料として成形・焼成して製造した焼結体は、優れた高熱伝導率(150w/mk以上)を有するのである。
 また、本発明により製造した窒化アルミニウム焼結体は、優れた熱伝導率と高い電気絶縁性を有しているので、半導体素子用の絶縁用基板として使用することができるのである。
 本発明は、発明者等が従来技術の諸欠点を解消すべく長期にわたり鋭意研究の結果開発したものであり、即ちアミノ基またはヒドロキシル基の有機化合物として1.10−ジアミノデカン,1.12−ジアミノドデカン,1.3ジアミノ−2−プロパノール,1.10−ジヒドロキシデカン,1.12−ジヒドロキシドデカン等、また脂肪族炭化水素でアミノ基またはカルボキシル基の有機化合物として12−アミノドデカン酸,ドデカン2酸,ペンタデカン2酸等のアミノ基又はヒドロキシル基あるいは脂肪族炭化水素のカルボキシル基のうち少なくとも1種以上の官能基を1分子中に2基以上、好ましくは2〜4基を有する有機化合物で、窒化アルミニウム粉末を表面処理すると、優れた耐水性を持ち、しかも水への分散性の良い窒化アルミニウム粉末が得られるとの知見を得た。
 上記の親水性の官能基が1分子中に1つの場合、例えばステアリン酸等のモノ脂肪酸で表面処理した場合には、一応耐水性は付与されるが、水との親和性が悪くなり、またその窒化アルミニウム粉末で製造した焼結体の熱伝導率も向上しない(後記比較例2)。
 また、本発明の処理粉末を原料として、酸化イットリウム等の焼結助剤と共に焼結すると、高い熱伝導率(150w/mK以上)の窒化アルミニウム焼結体が得られることが分った。
 なお、成形方法としては、通常一般に行なわれている水系の乾式成形法や、鋳込み成形法等が採用できる。得られた成形体は、N2雰囲気中で400〜600℃で脱脂後、N2雰囲気中で1500〜2000℃の温度で焼成することにより焼結体を得ることができる。次に、本発明の実施例を説明する。
実施例−1
 金属窒化法で製造した平均粒径2μmの窒化アルミニウム粉末100gをビーカーに採取し、100mlのイソプロピルアルコール(分散媒)に懸濁させた。次に、表面処理剤として1.10−ジアミノドデカン(試薬)を8.0×10-3mol添加し、マグネチックスターラーで攪拌混合した後、約100℃に保持した乾燥機で乾燥してイソプロピルアルコールを蒸発させ、残分を粉砕機で粉砕して、表面処理された親水性物質の被膜を有する窒化アルミニウム粉末を製造した。
 上記のようにして得られた窒化アルミニウム粉末を75℃の温水中に添加し、マグネチックスターラーで攪拌して、pHの経時変化を調べた結果は図1のAの通りであり、耐水性に優れた窒化アルミニウム粉末であることが分る。
 次に、上記のようにして製造した窒化アルミニウム粉末に焼結助剤(酸化イットリウム)を添加混合し、ペレット成形体を作製し、1850℃で5時間、N2雰囲気中で焼成し、焼結体を製造した。この焼結体は高密度で優れた高熱伝導率(150w/mk以上)を有していた。
実施例−2
 還元法で製造した平均粒径2μmの窒化アルミニウム粉末100gをポリビニール製容器に採取し、100mlのイソプロピルアルコールを分散媒とし、表面処理剤としてドデカン2酸(特級試薬)8.0×10-3molを添加し、更に焼結助剤として酸化イットリウム1.5g、結合剤としてアクリル系バインダー(固形分換算で2重量部)を添加した。
上記混合物を回転数70rpmのボールミルに装入して24時間攪拌,混合および表面処理した。得られたスラリーをホットプレートで乾燥し粉砕した後、水を窒化アルミニウム粉末に対し重量比で1:1になるように添加し、スラリーとした。
 この時のスラリーのpH経時変化は、図1のBに示す通りであり、耐水性に優れた窒化アルミニウム粉末であることが分る。
次に、上記スラリーをスプレードライヤーで脱水・乾燥・造粒した後、成型機により1ton/cm2で所定形状に加圧成形した。この成型体を500℃で5時間脱脂処理した後、焼成炉に装入し、1850℃で5時間、N2雰囲気中で焼成した。
 その結果、得られた窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を測定した結果、150w/mk以上であった。
比較例−1
 上記実施例1と同様な操作で、表面処理剤を全く添加しないで、製造した窒化アルミニウム粉末に水を添加し水スラリーとすると、図1中Dに示すように急激な水との反応が起こり、窒化アルミニウム粉末が得られなかった。従って、焼結体を製造することができなかった。
比較例−2
 上記実施例2と同様な操作で、表面処理剤としてステアリン酸(モノ脂肪酸)を使用して、窒化アルミニウム粉末を製造した。この粉末を上記実施例2で製造した粉末と同様に75℃の温水中に添加し、マグネチックスターラーで攪拌してpHの経時変化を調べた。その結果は図1のCの通りであり、表面処理剤としてドデカン2酸を使用して製造した窒化アルミニウム粉末と比較して、pHの変化が大きく、耐水性が劣り、しかも水への分散性も劣っていた。
 また、上記のようにステアリン酸を表面処理剤として使用して製造した窒化アルミニウム粉末を原料とし、実施例2と同様の操作で窒化アルミニウム焼結体を作製して、その熱伝導率を測定したところ、110w/mkにすぎなかった。
 上記の実施例および比較例で製造した各窒化アルミニウム粉末を、各別個に75℃の温水中に添加し、マグネチックスターラーで攪拌しながらpHの経時変化を求めたのが図1であり、図1中Aは実施例1で製造した窒化アルミニウム粉末の場合で、表面処理剤としての1.10−ジアミノドデカンを窒化アルミニウム100gに対して8.0×10-3molを添加して処理して製造した窒化アルミニウム粉末の場合のpH曲線であり、図中Bは実施例2で製造した窒化アルミニウム粉末の場合で、表面処理剤としてのドデカン2酸を窒化アルミニウム100gに対して8.0×10-3molを添加し処理して製造した窒化アルミニウム粉末の場合のpH曲線である。
 図1中Cは比較例2の場合で、実施例2と同様な操作で表面処理剤としてステアリン酸を使用して製造した窒化アルミニウム粉末の場合のpH曲線であり、図1中Dは比較例1の場合で、実施例1で表面処理剤を使用しないで製造した窒化アルミニウム粉末の場合のpH曲線であるが、水との反応のため途中で測定中断したものである。
各種窒化アルミニウム粉末の温水中でのpHの経時変化を示すグラフである。
符号の説明
A:実施例1で製造した窒化アルミニウム粉末の温水中でのpH経時変化を示すグラフである。
B:実施例2で製造した窒化アルミニウム粉末の温水中でのpH経時変化を示すグラフである。
C:比較例2で製造した窒化アルミニウム粉末の温水中でのpH経時変化を示すグラフである。
D:比較例1で製造した窒化アルミニウム粉末の温水中でのpH経時変化を示すグラフである。

Claims (4)

  1. カルボキシル基である官能基を1分子中に2基以上有する脂肪族炭化水素の有機化合物である被膜を表面に有することを特徴とする窒化アルミニウム粉末。
  2. 1.10−ジアミノデカン,1.12−ジアミノドデカン,1.10−ジヒドロキシデカン,1.12−ジヒドロキシデカン,ドデカン2酸,ペンタデカン2酸,1.3−ジアミノ−2−プロパノール,12−アミノドデカン酸の中から選ばれる有機化合物である被膜を表面に有することを特徴とする窒化アルミニウム粉末。
  3. 請求項1記載の窒化アルミニウム粉末を、成形後焼成して焼結体とすることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  4. 請求項2記載の窒化アルミニウム粉末を、成形後焼成して焼結体とすることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。  
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