JP2004115029A - 湯切り機能付蓋材 - Google Patents
湯切り機能付蓋材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004115029A JP2004115029A JP2002277598A JP2002277598A JP2004115029A JP 2004115029 A JP2004115029 A JP 2004115029A JP 2002277598 A JP2002277598 A JP 2002277598A JP 2002277598 A JP2002277598 A JP 2002277598A JP 2004115029 A JP2004115029 A JP 2004115029A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hot water
- opening
- layer
- lid material
- pull tab
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Package Specialized In Special Use (AREA)
- Closures For Containers (AREA)
Abstract
【解決手段】紙層31とアルミニウム箔19とシーラント層16がでなり、該シーラント層16が容器本体2のフランジ部21にシールされ、外周縁に開封用プルタブ12とそれに対峙する位置に湯切口開口用プルタブ14を有する湯切り機能付蓋材1において、前記湯切口開口用プルタブ14の基部両端から所定の幅Wで平行な2本のミシン目23が、その先端では2本の左右斜歯状切り目24の配列がV字状で刻設され、さらに表面から紙層31を貫通しアルミニウム箔19手前まで刻設されている湯切り機能付蓋材1とするものである。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼きそばなど即席食品の密封包装に使用する容器の蓋材に関するものであり、特に乾燥状態の即席食品を柔らかくほぐすために注入する熱湯を排出するための湯切孔を備えた即席食品容器用湯切孔付蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、焼きそば、スパゲティ、赤飯などを食するに際し、熱湯を注いで所定時間経過した後に、湯切り作業を必要とする即席食品容器が知られ、その即席食品容器等の湯切り機能付蓋材は、例えば、図5の側断面図に示すように、突き破り用孔(77)が穿設された紙層を主体とする表面シート(20)の裏面にアルミニウム箔(19)とシーラント層(16)を積層したものがあるが、この蓋材では、搬送中などで意に反して突き破り用孔(77)が破れたり、また湯切りに際しては、箸などで突き破り用孔(77)からアルミニウム箔(19)とシーラント層(16)を突き破らなければならず、よって箸などを必要とすることや破られた開口部の大きさや形状が一定にならないのでスムーズな湯切りができず、また破りカスが内部の食品等に混入する危惧があるなどの問題点があった。
【0003】
これらの問題を解決するものとして最近開発された湯切り機能付蓋材として、例えば図6(a)の側断面図および図6(b)の上面図に示すような即席食品を密封包装するための湯切り口付剥離性蓋材(3)がある。それは、紙層を主体とする表面シート(20)を外面側にして、その内面側(食品側)に複合シート(10)(内面から例えばシーラント層(16)/アルミニウム箔(19)/接着性樹脂層(15)でなる)を重ね合わせ積層せしめたシート状で円形状の蓋であり、その蓋の外周円弧部分からその内側にかけて一部領域の前記複合シート(10)と表面シート(20)との重ね合わせ内面には、易剥離剤(剥離ニス)を塗布することによって形成された易剥離層(30)による易剥離領域(L1)を備え、それ以外の該複合シート(10)と表面シート(20)との重ねあわせ内面には、接着された状態の接着領域(L2)を備えている。
【0004】
そして、上記易剥離領域(L1)内における複合シート(10)に1箇所乃至複数個所には、内径Rの湯切孔形状の湯切孔形成用ハーフカット(50)が形成され、この湯切孔形成用ハーフカット(50)領域内の複合シート(10)と表面シート(20)の内面には内径rのハーフカット領域内接着部(60)(易剥離層(30)の形成されない部分)が設けられていて、複合シート(10)と表面シート(20)とはハーフカット領域内接着部(60)において互いに接着している。
【0005】
さらに、例えば易剥離領域(L1)と接着領域(L2)の境界線に表面シート面よりミシン目(22)が施され、このミシン目(22)よりやや易剥離領域(L1)側の周縁に表面シート剥離用プルタブ(13)が形成されている湯切り口付剥離性蓋材(3)である。
【0006】
上記のような構造の即席食品容器の湯切り口付剥離性蓋材(3)は、図7の側断面図に示すように、例えば焼きそば等即席食品(図示せず)を入れた容器本体(2)の上端部にあるフランジ部(21)にイージーピール性を有するシーラントで接着シールして容器本体(2)を密封包装することにより即席食品等を密封包装した即席食品用容器となるものである。
【0007】
上記のようにして即席食品を密封包装した即席食品用容器は、図6(b)に示す接着領域(L2)側の蓋材外周にある開封用プルタブ(12)を引っ張り上げて、図7に示す容器本体(2)のフランジ部(21)からイージーピール性を有する接着領域(L2)側の複合シート(10)を部分的に剥がして開口し、その開口部より熱湯を注入した後、蓋材外周にある開封用プルタブを再度フランジ部(21)の外側に折り込むようにして施蓋し、数分間放置して容器(2)の中にある即席食品(図示せず)を柔らかくほぐす。
【0008】
その後、図8の斜視図に示すように、易剥離領域(L1)の外周にある表面シート剥離用プルタブ(13)を引っ張り上げて、ミシン目(22)に沿ってそのミシン目(22)を順順に破りながら易剥離領域(L1)の表面シート(20)を複合シート(10)から剥離するとともに、該表面シート(20)に接着している湯切孔形成用ハーフカット領域内の複合シート(10)を切り離し、表面シート(20)が剥離されて残っている複合シート(10)に内径Rの安定した大きさの湯切孔(70)を形成した後、容器本体(2)を開封用プルタブ(12)側と反対側に傾けて、中にある湯を湯切孔(70)から排出することができるようになっているものもある。
【0009】
このように湯切孔(70)の開口に、箸などを必要とせず、かつ安定して一定の大きさと形状の湯切孔(70)が形成され、よってスムーズな湯切りができ、また破りカス等もでない優れた効果を発揮する即席食品容器用の湯切り口付剥離性蓋材(3)である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記湯切り口付剥離性蓋材(3)とその技術において、図6(a)および図6(b)に示すように、易剥離領域(L1)のための易剥離層(30)の形成に湯切孔形状のパターン塗布を必要とし、そのパターンに合わせた高精度のハーフカット(50)の刻設という高度な技術とそれに要する工程数と材料が嵩み、また、このハーフカット(50)がシーラント層(16)面からアルミニウム箔(19)を貫通して表面シート(20)である紙層手前まで(紙層に僅かに入る)刻設されるので、紙層を必要以上に厚くしなければならず、かつガスバリア層としてのアルミニウム箔(19)は、複数の湯切孔のためのハーフカット(50)で貫通されているので、内容物に対しガスバリア性に劣るという問題点があった。
【0011】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、焼きそばなど乾燥状態の即席食品を柔らかくほぐすために注入する熱湯を排出するための湯切機能を備えた湯切り機能付蓋材において、従来のようなパターン塗布を必要とする易剥離層の形成やそのパターンに合わせた高精度のハーフカットの刻設のような技術とそれら工程数と材料等の削減により製造コストが嵩まず、かつ必要以上に表面シートである紙層を厚くせず、ガスバリア性に優れる湯切り機能付蓋材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、紙層とガスバリア層とシーラント層が積層されてなり、該シーラント層が容器本体のフランジ部にシールされる、該フランジ部と略同形で、外周縁に開封用プルタブを有し、該開封用プルタブと対峙する外周縁に湯切口開口用プルタブを有する湯切り機能付蓋材において、前記湯切口開口用プルタブの基部両端から所定の幅で中心方向に延びる平行な2本のミシン目が刻設され、その先端では2本の左右斜歯状切り目が配列され、お互いに内方に寄って重なりV字状を形成し、該V字状の頂点が蓋材の中心に達しないまで刻設されていることを特徴とする湯切り機能付蓋材としたものである。
【0013】
上記請求項1の発明によれば、上記湯切口開口用プルタブの基部両端から所定の幅で中心方向に延びる平行な2本のミシン目が刻設されているので、湯切口開口用プルタブを摘んで引っ張り上げると、容器のフランジ部から剥離されながら所定の幅で中心方向に延びる平行な2本のミシン目に従って破れ、また、その先端では2本の左右斜歯状切り目が配列され、お互いに内方に寄って重なりV字状を形成して刻設されているので、先端まで容易に破れ易く、その結果所定の幅を有し先端がV字形状の細長の湯切口が一度の操作で容易に形成されて開口し、容器本体内の湯切りが容易にできる、即ち従来のようなパターン塗布を必要とする易剥離層の形成やそのパターンに合わせた高精度のハーフカットの刻設のような技術と、紙層の厚みを必要とせず、よってそれら工程数と材料等の削減により製造コストが嵩まない湯切り機能付蓋材を提供できる。
【0014】
また、請求項2の発明では、上記平行な2本のミシン目は、中心方向に対し下線が垂直のくの字と逆くの字が配列され、もしくは中心方向に対し下線が長い逆Yの字が配列され、もしくは中心方向に対し左右斜歯状切り目が配列されてなることを特徴とする請求項1記載の湯切り機能付蓋材としたものである。
【0015】
上記請求項2の発明によれば、上記平行な2本のミシン目は、中心方向に対し下線が垂直のくの字と逆くの字が配列され、もしくは中心方向に対し下線が長い逆Yの字が配列され、もしくは中心方向に対し左右斜歯状切り目が配列されてなっているので、湯切口開口用プルタブを摘んで引っ張り上げて、開口して細長の湯切口とすると、所定の幅を有する平行な2本のミシン目の部分での湯切口の両辺の内側に上記くの字と逆くの字、もしくは逆Yの字、もしくは左右斜歯状切り目の配列数に相当する突起が形成されるので、湯切りに際し、細長の湯切口であっても内容物(例えば麺等)がこの突起に引っ掛かって排湯と一緒に飛び出るのを防ぐことのできる湯切り機能付蓋材とすることができる。
【0016】
さらにまた、請求項3の発明では、上記平行な2本のミシン目およびその先端の2本の左右斜歯状切り目は、表面から紙層を貫通しガスバリア層手前まで刻設されていることを特徴とする請求項1または2記載の湯切り機能付蓋材としたものである。
【0017】
上記請求項3の発明によれば、上記平行な2本のミシン目およびその先端の2本の左右斜歯状切り目は、表面から紙層を貫通しガスバリア層手前まで刻設されていて、ガスバリア層には刻設されていないので、バリア性に欠けるという問題のない湯切り機能付蓋材とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いながら詳細に説明する。
【0019】
本発明は、図1(a)の上面図およびそのB−B面を表す図2(b)の断面図に示すように、例えば、表面に印刷層(32)とそれを保護する保護層(33)を有する紙層(31)とサンドポリエチレンでなる接着性樹脂層(15)を介してガスバリア性を有するアルミニウム箔(19)が積層され、さらにこのアルミニウム箔(19)面にシーラント層(16)が積層されている湯切り機能付蓋材(1)で、このシーラント層(16)が容器本体(2)のフランジ部(21)にシールされていて、このフランジ部(21)と略同形(円形)で、図1(a)の上面図に示すように外周縁に開封用プルタブ(12)とこれと対峙する位置に湯切口開口用プルタブ(14)を有する湯切り機能付蓋材(1)に関するものである。
【0020】
そこで上記請求項1に係る発明は、図1(a)に示すように、開封用プルタブ(12)と対峙する外周縁に有する湯切口開口用プルタブ(14)の基部両端(14a、14b)から所定の幅(W)で中心方向(P)に延びる平行な2本のミシン目(23)が刻設され、その先端では2本の左右斜歯状切り目(24)の配列でなり、それらがお互いに内方に寄って重なりV字状を形成し、該V字状の頂点(24a)が蓋材の中心近くまで刻設されている湯切り機能付蓋材(1)である。
【0021】
また、上記請求項2に係る発明では、図1(a)に示す上記平行な2本のミシン目(23)は、例えば図2(a)に示すように、左側が中心方向(P)に対し下線が垂直のくの字(23a)の配列と、右側が逆くの字(23b)の配列でなるもの、あるいは図2(b)に示すように、両側が中心方向(P)に対し下線が長い逆Yの字(23c)の配列でなるもの、あるいは図2(c)に示すように、中心方向(P)に対し左側が左上がり斜歯状切り目(23d)の配列でなり、右側が右上がり斜歯状切り目(23e)の配列でなるもの、あるいは図2(d)に示すように、中心方向(P)に対し左側が右上がり斜歯状切り目(23e)の配列でなり、右側が左上がり斜歯状切り目(23d)の配列でなるものとするものである。
【0022】
なお、図1(a)に示すように、外周縁に有する湯切口開口用プルタブ(14)の基部両端(14a、14b)から直接平行な2本のミシン目(23)を刻設したものとしてもよいが、例えば、図2(a)〜(d)に示すように、湯切口開口用プルタブ(14)を大きくして摘まみ易いようにし、この大き目の湯切口開口用プルタブ(14)の基部両端(14a、14b)から内上方に延びる左右斜歯状切り目(25)の配列でなり、それぞれが2本のミシン目(図2(a)では下線が垂直のくの字(23a)、下線が垂直の逆くの字(23b)等)に連結するように刻設することができる。
【0023】
以上のような湯切口開口用プルタブ(14)の基部両端(14a、14b)から延びるミシン目(23)やその先端の左右斜歯状切り目(24)などが刻設された本発明の湯切り機能付蓋材(1)において、湯切口の開口に際し、例えば図2(a)に示すような湯切口開口用プルタブ(14)を摘んで引っ張り上げると、容器のフランジ部(21)から剥離されながらその基部両端(14a、14b)から内上方に延びる左右斜歯状切り目(25)の配列に従って破れ、続いて所定の幅(W)で中心方向(P)に延びる、左側が中心方向(P)に対し下線が垂直のくの字(23a)の配列と右側が逆くの字(23b)の配列でなる平行な2本のミシン目に従って破れ、さらにその先端では2本の左右斜歯状切り目(24)の配列に従ってV字状に破れて、蓋材から分離され、その結果例えば図3(a)の上面図に示すように、平行な左右側辺に複数の突起(72a)を有する細長の湯切口(72)が形成される。
【0024】
また、2本のミシン目が、例えば、図2(c)に示すような中心方向(P)に対し左側が左上がり斜歯状切り目(23d)の配列でなり、右側が右上がり斜歯状切り目(23e)の配列でなる場合の湯切口の形状としては、図3(b)の上面図に示すように、平行な左右側辺にギザギザの連続する多数の突起(72b)を有する細長の湯切口(72)が形成される。
【0025】
このように、図3(a)に示す細長の湯切口(72)の左右側辺に複数の突起(72a)あるいは図3(b)に示すギザギザの連続する多数の突起(72b)の形成によって、湯切り時に内容物である麺がこれらの突起(72a、72b)に引っ掛かり、湯とともに流れ出ることを防止する効果を有するものとすることができる。
【0026】
上記細長の湯切口(72)のサイズとしては、蓋材のサイズにもより、例えば半径70mmの円形の場合、図3(a)に示すように、その幅(W)は、1mm〜6mmの範囲、好ましくは4mm程度であり、例えば麺類の形状(特に太い場合)によっては、さらに大きくすることもできる。また、その長さ(L)は、10mmから蓋材の中心近傍(略70mm)までで、好ましくは60mm程度であり、蓋材の半径(中心点)を越えないようにした方がよい。例えば蓋材の半径(中心点)を越えた長さの湯切口では、湯切り前の開封で開封用プルタブ側から中心近傍まで剥離された場合などでは、湯切り操作に際しこの剥離された部分から熱湯が漏れ、火傷等の危惧があるためである。
【0027】
また、上記請求項3に係る発明では、例えば図1(b)に示すように、平行な2本のミシン目(23)およびその先端の2本の左右斜歯状切り目(図示せず)は、表面から保護層(33)、紙層(31)を貫通して、ガスバリア性を有するアルミニウム箔(19)の手前まで、即ち少なくともこのアルミニウム箔(19)には届かない程度に刻設されている湯切り機能付蓋材(1)とし、図6(a)に示すハーフカット(50)がアルミニウム箔(19)を貫通している従来の湯切り口付剥離性蓋材(3)のように、ガスバリア性に欠けるという問題のない湯切り機能付蓋材(1)とすることができる。
【0028】
以下に、本発明の湯切り機能付蓋材(1)に使用される材料等について説明する。
まず、本発明の湯切り機能付蓋材(1)を構成する紙層(31)としては、その表面が印刷適性に優れている必要があるため、紙が主体となり例えば坪量30〜150g/m2 程度の片面アート紙、両面アート紙が好ましく、他に同程度の厚さのコート紙、上質紙なども用いられ、例えば図5(a)に示す従来の湯切り口付剥離性蓋材(3)の表面シート(20)の紙厚に比べ、略50%程度薄い紙厚の紙層(31)とすることができる。
【0029】
また、本発明の湯切り機能付蓋材(1)を構成するシーラント層(16)としては、例えばヒートシール性に優れる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン樹脂あるいはエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタアクリル酸共重合体(EMAA)等エチレン共重合樹脂のフィルムを用いることもできるが、ヒートシール性とともに開封に際する剥離性とのバランス(イージーピール性)を考慮し、これらポリオレフィン樹脂にポリスチレンやポリブデン等からなる、該ポリオレフィン樹脂に対し不相溶性成分を混合したものとする方がより好適である。また、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/アクリル酸共重合樹脂等からなるホットメルト接着剤を塗布量15〜25g/m2 程度で設けてもよく、これらシーラント層(16)によって容器(2)のフランジ部(21)との充分な密封性(シール性)と剥離開封性(イージーピール性)を可能とすることができる。
【0030】
また、食品等に対する遮光やガスバリアなど保存性を考慮した、ガスバリア層として、特に5〜25μmのアルミニウム箔(19)を使用するのが一般的であり、このアルミニウム箔(19)は、特に本発明の湯切り機能付蓋材(1)のように、開封用プルタブ(12)側から一部(1/3〜1/2程度)を開封剥離し、その剥離された部分から熱湯を注ぐに時に、蓋材が剥離された状態を保持している性質(デッドホールド性という)を有すると、熱湯を安全に確実に注ぎ易くすることができることから好適に使用される材料である。また、その他バリア層として前記デッドホールド性には欠けるが、遮光性のあるチタンホワイトなどを主成分にした白色インキやカーボンブラックなどを主成分とした黒色インキ、この白色インキと黒色インキを混合した灰色インキ、アルミニウムペーストなどを主成分とした灰色インキ等を用いて表面に遮光印刷したもの、あるいは酸化珪素や酸化アルミニウム等を蒸着したセラミック蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いてもよい。
【0031】
また、上記アルミニウム箔(19)を紙層(31)に接着させる接着性樹脂層(15)としては、蓋材の生産性を考慮して、例えば熱溶融押出しによるポリエチレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリプロピレン樹脂等のサンドラミネートが好ましく用いられる。
【0032】
また、印刷層(32)を保護する保護層(33)としては、例えば厚さ12〜25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、厚さ20〜40μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、厚さ15〜25μmの延伸ナイロンフィルム(ONy)などが用いられ、またいずれをも用いなくとも構わない。
【0033】
以上のように本発明の湯切り機能付蓋材(1)は、熱湯を注いで柔らかくほぐし、湯切りしてから食する即席焼きそばなどの容器の蓋として、好適に用いることができ、その使用方法は、例えば図1(a)に示すように、まず開封用プルタブ(12)を引っ張り上げながら、約1/3程度までフランジ部(21)から剥離し、その剥離されて開封された部分から熱湯を注いだ後、開封用プルタブ(12)を再度容器のフランジ部(21)の外側に折り込むようにして施蓋し、数分間放置し、内容物である乾燥焼きそばなどを柔らかくほぐす。
【0034】
その後、図2(a)に示すように、例えば湯切口開口用プルタブ(14)を摘んで引っ張り上げると、その基部両端(14a、14b)より内上方に延びる左右斜歯状切り目(25)の配列に従って破れ、続いて所定の幅(W)で中心方向(P)に延びる、左側が中心方向(P)に対し下線が垂直のくの字(23a)の配列と右側が逆くの字(23b)の配列でなる平行な2本のミシン目に従って破れ、さらにその先端では2本の左右斜歯状切り目(24)の配列に従ってV字状に破れて、蓋材から分離され、その結果例えば図3(a)の上面図に示すように、平行な左右側辺に複数の突起(72a)を有する細長の湯切口(72)が形成され開口する。
【0035】
続いて図4の斜視図に示すように、容器本体(2)を開封用プルタブ(12)を上方にして傾け、上記で開口された湯切口(72)から中にある湯(5)を排出することができ、図6(a)および(b)に示す従来の湯切り口付剥離性蓋材(3)に比べ製造コストが嵩まず、かつガスバリア性に欠けるという問題のない湯切り機能付蓋材(1)とすることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明において、紙層とガスバリア層とシーラント層が積層されてなり、該シーラント層が容器本体のフランジ部にシールされる、該フランジ部と略同形で、外周縁に開封用プルタブを有し、該開封用プルタブと対峙する外周縁に湯切口開口用プルタブを有する湯切り機能付蓋材において、上記湯切口開口用プルタブの基部両端から所定の幅で中心方向に延びる平行な2本のミシン目が刻設されているので、湯切口開口用プルタブを摘んで引っ張り上げると、容器のフランジ部から剥離されながら所定の幅で中心方向に延びる平行な2本のミシン目に従って破れ、また、その先端では2本の左右斜歯状切り目が配列され、お互いに内方に寄って重なりV字状を形成して刻設されているので、先端まで容易に破れ易く、その結果所定の幅を有し先端がV字形状の細長の湯切口が一度の操作で容易に形成されて開口し、容器本体内の湯切りが容易にできる、即ち従来のようなパターン塗布を必要とする易剥離層の形成やそのパターンに合わせた高精度のハーフカットの刻設のような技術と、紙層の厚みを必要とせず、よってそれら工程数と材料等の削減により製造コストが嵩まない湯切り機能付蓋材を提供できる。
【0037】
また、上記請求項2に係る発明においては、上記平行な2本のミシン目は、中心方向に対し下線が垂直のくの字と逆くの字が配列され、もしくは中心方向に対し下線が長い逆Yの字が配列され、もしくは中心方向に対し左右斜歯状切り目が配列されてなっているので、湯切口開口用プルタブを摘んで引っ張り上げて開口し、細長の湯切口とすると、所定の幅を有する平行な2本のミシン目の部分での湯切口の両辺の内側に上記くの字と逆くの字、もしくは逆Yの字、もしくは左右斜歯状切り目の配列数に相当する突起が形成されるので、湯切りに際し、細長の湯切口であっても内容物(例えば麺等)がこの突起に引っ掛かって排湯と一緒に飛び出るのを防ぐことのできる湯切り機能付蓋材とすることができる。
【0038】
さらにまた、上記請求項3に係る発明においては、上記平行な2本のミシン目およびその先端の2本の左右斜歯状切り目は、表面から紙層を貫通しガスバリア層手前まで刻設されていて、少なくともガスバリア層には刻設されていないので、従来の湯切り口付剥離性蓋材のようなバリア性に欠けるという問題のない湯切り機能付蓋材とすることができる。
【0039】
従って本発明は、焼きそばやスパゲッティなど即席食品の密封包装に使用する容器の蓋材で、特に乾燥状態の即席食品を柔らかくほぐすために注入する熱湯を排出するための湯切口を備えた湯切り機能付蓋材として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湯切り機能付蓋材の一実施の形態を説明するもので、
(a)は、その上面図であり、
(b)は、(a)のB−B面を表す断面図である。
【図2】本発明の湯切り機能付蓋材に形成する2本のミシン目の一実施の形状を説明するもので、
(a)は、下線が垂直のくの字と逆くの字の配列でなるミシン目
(b)は、下線が長い逆Yの字の配列でなるミシン目
(c)は、左右斜歯状切り目の配列でなるミシン目
(d)は、他の左右斜歯状切り目の配列でなるミシン目
【図3】本発明の湯切り機能付蓋材の湯切口の形状の事例を説明するもので、
(a)は、くの字と逆くの字の配列でなるミシン目による湯切口
(b)は、左右斜歯状切り目の配列でなるミシン目による湯切口
【図4】本発明の湯切り機能付蓋材を用いた容器の使用状態の一事例を説明するための斜視図である。
【図5】従来の湯切り口付蓋材の一事例を説明する側断面図である。
【図6】従来の一般的な湯切り口付剥離性蓋材の一事例を説明するもので、
(a)は、その側断面図であり、
(b)は、その上面図である。
【図7】従来の一般的な湯切り口付剥離性蓋材を容器と一体化した一事例を説明する側断面図である。
【図8】従来の一般的な湯切り口付剥離性蓋材の表面シートを剥離し、湯切孔を形成した一事例の斜視図である。
【符号の説明】
1‥‥湯切り機能付蓋材
2‥‥容器本体
3‥‥湯切り口付剥離性蓋材
5‥‥湯
10‥‥複合シート
12‥‥開封用プルタブ
13‥‥表面シート剥離用プルタブ
14‥‥湯切口開口用プルタブ
14a、14b‥‥開封用プルタブの基部端
15‥‥接着性樹脂層
16‥‥シーラント層
19‥‥アルミニウム箔
20‥‥表面シート
21‥‥フランジ部
22‥‥ミシン目
23‥‥平行な2本のミシン目
23a‥‥くの字
23b‥‥逆くの字
23c‥‥逆Yの字
23d‥‥左上り斜歯状切り目
23e‥‥右上り斜歯状切り目
24‥‥先端の左右斜歯状切り目
24a‥‥V字状の頂点
25‥‥基部両端から延びる左右斜歯状切り目
30‥‥易剥離層
31‥‥紙層
33‥‥保護層
50‥‥湯切孔形成用ハーフカット
60‥‥ハーフカット領域内接着部
70‥‥湯切孔
72‥‥湯切口
77‥‥突き破り用孔
L‥‥湯切口の長さ
L1‥‥易剥離領域
L2‥‥接着領域
P‥‥中心方向
R‥‥湯切孔形成用ハーフカットの内径
r‥‥ハーフカット領域内接着部の内径
W‥‥平行な2本のミシン目の幅
Claims (3)
- 紙層とガスバリア層とシーラント層が積層されてなり、該シーラント層が容器本体のフランジ部にシールされる、該フランジ部と略同形で、外周縁に開封用プルタブを有し、該開封用プルタブと対峙する外周縁に湯切口開口用プルタブを有する湯切り機能付蓋材において、前記湯切口開口用プルタブの基部両端から所定の幅で中心方向に延びる平行な2本のミシン目が刻設され、その先端では2本の左右斜歯状切り目が配列され、お互いに内方に寄って重なりV字状を形成し、該V字状の頂点が蓋材の中心に達しないまで刻設されていることを特徴とする湯切り機能付蓋材。
- 上記平行な2本のミシン目は、中心方向に対し下線が垂直のくの字と逆くの字が配列され、もしくは中心方向に対し下線が長い逆Yの字が配列され、もしくは中心方向に対し左右斜歯状切り目が配列されてなることを特徴とする請求項1記載の湯切り機能付蓋材。
- 上記平行な2本のミシン目およびその先端の2本の左右斜歯状切り目は、表面から紙層を貫通しガスバリア層手前まで刻設されていることを特徴とする請求項1または2記載の湯切り機能付蓋材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002277598A JP4240969B2 (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | 湯切り機能付蓋材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002277598A JP4240969B2 (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | 湯切り機能付蓋材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004115029A true JP2004115029A (ja) | 2004-04-15 |
JP4240969B2 JP4240969B2 (ja) | 2009-03-18 |
Family
ID=32273153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002277598A Expired - Fee Related JP4240969B2 (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | 湯切り機能付蓋材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4240969B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101213653B1 (ko) * | 2010-04-02 | 2012-12-18 | 홍종찬 | 유제품 및 음료 용기용 리드 |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002277598A patent/JP4240969B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101213653B1 (ko) * | 2010-04-02 | 2012-12-18 | 홍종찬 | 유제품 및 음료 용기용 리드 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4240969B2 (ja) | 2009-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4826358B2 (ja) | 湯切り機能付き蓋材 | |
JP4491930B2 (ja) | 即席食品用容器の蓋材 | |
JP2000219278A (ja) | 湯切り口付剥離性蓋材 | |
JP2007145371A (ja) | 湯切り機能付蓋材 | |
JP2001122320A (ja) | 湯切機能付き即席食品容器用蓋材 | |
JP4774592B2 (ja) | 湯切り機能付蓋材 | |
JP2005104514A (ja) | 排湯機能を有する蓋材 | |
JP4168652B2 (ja) | 湯切り機能付き蓋材 | |
JP4449411B2 (ja) | 湯切り機能を有する蓋材 | |
JP2004106914A (ja) | 湯切り機能付蓋材 | |
JP4240969B2 (ja) | 湯切り機能付蓋材 | |
JP4120330B2 (ja) | 湯切り機能付蓋材 | |
JP4221802B2 (ja) | 即席食品容器の湯切孔付き蓋 | |
JP4609021B2 (ja) | 湯切り機能付蓋材 | |
JP4240952B2 (ja) | 即席食品容器用湯切孔付蓋材 | |
JP2012051642A (ja) | 蓋体 | |
JP4103479B2 (ja) | 即席食品容器用湯切孔付蓋材 | |
JP4957777B2 (ja) | 湯切り機能を有する蓋材 | |
JP4644931B2 (ja) | 湯切り機能付蓋材 | |
JP4161639B2 (ja) | 即席食品容器用湯切孔付蓋材 | |
JP2010089805A (ja) | 蓋材及びその蓋材を用いた容器 | |
JP4483465B2 (ja) | 湯切り機能付き即席食品容器 | |
JP2008094449A (ja) | 湯切り機能を備えた蓋体 | |
JP2004299784A (ja) | シート状蓋体 | |
JP4658543B2 (ja) | 開封保持性及び再封性に優れた容器密封用蓋体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050707 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080327 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080529 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081209 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081222 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |