JP4103479B2 - 即席食品容器用湯切孔付蓋材 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼きそばなど即席食品の密封放送に使用する容器の蓋材に関するものであり、特に乾燥状態の即席食品を柔らかくほぐすために注入する熱湯を排出するための湯切孔を備えた即席食品容器用湯切孔付蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、焼きそば、スパゲティ、赤飯など食するに際し、熱湯を注いで所定時間経過した後に、湯切り作業を必要とする即席食品容器が知られ、その即席食品容器等の湯切り機能付蓋材は、例えば、図4の側断面図に示すように、突き破り用孔(77)が穿設された紙層を主体とする表面シート(20)の裏面にアルミニウム箔(19)とシーラント層(16)を積層したものがあるが、この蓋材では、搬送中などで意に反して突き破り用孔(77)が破れたり、また湯切りに際しては、箸などで突き破り用孔(77)からアルミニウム箔(19)とシーラント層(16)を突き破らなければならず、よって箸などを必要とすることや破られた開口部の大きさや形状が一定にならないのでスムーズな湯切りができず、また破りカスが内部の食品等に混入する危惧があるなどの問題があった。
【0003】
これらの問題を解決するものとして最近開発された湯切り機能付蓋材として、例えば図5(a)の側断面図および図5(b)の上面図に示すような即席食品を密封包装する湯切り口付剥離性蓋材(3)がある。それは、紙層を主体とする表面シート(20)を外面側にして、その内面側(食品側)に複合シート(10)(内面から例えばシーラント層(16)/アルミニウム箔(19)/接着性樹脂層(15)でなる)を重ね合わせ積層せしめたシート状で円形状の蓋であり、その蓋の外周円弧部分からその内側にかけて一部領域の前記複合シート(10)と表面シート(20)との重ね合わせ内面には、易剥離剤(剥離ニス)を塗布することによって形成された易剥離層(30)による易剥離領域(L1)を備え、それ以外の該複合シート(10)と表面シート(20)との重ねあわせ内面には、接着された状態の接着領域(L2)を備えている。
【0004】
そして、上記易剥離領域(L1)内における複合シート(10)に1箇所乃至複数個所には、内径Rの湯切孔形状の湯切孔形成用ハーフカット(50)が形成され、この湯切孔形成用ハーフカット(50)領域内の複合シート(10)と表面シート(20)の内面には内径rのハーフカット領域内接着部(60)(易剥離層(30)の形成されない部分)が設けられていて、複合シート(10)と表面シート(20)とはハーフカット領域内接着部(60)において互いに接着している。
【0005】
さらに例えば易剥離領域(L1)と接着領域(L2)の境界線に表面シート面よりミシン目(22)を施し、このミシン目(22)よりやや易剥離領域(L1)側の周縁に表面シート剥離用プルタブ(13)を形成した湯切り口付剥離性蓋材(3)である。
【0006】
上記のような構造の即席食品容器の湯切り口付剥離性蓋材(3)は、図7の側断面図に示すように、即席食品を入れた容器本体(2)の上端部にあるフランジ部(21)に接着シールして容器本体(2)を密封包装することにより即席食品等を密封包装した即席食品用容器となるものである。
【0007】
上記のようして即席食品を密封包装した即席食品用容器は、図5(b)に示す接着領域(L2)側の蓋材外周にある開封用プルタブ(12)を引っ張り上げて、図6に示す容器本体(2)のフランジ部(21)から接着領域(L2)側の複合シート(10)を部分的に剥がして開口し、その開口部より熱湯を注入した後、蓋材外周にある開封用プルタブを再度フランジ部(21)の外側に折り込むようにして施蓋し、数分間放置して容器(2)の中にある即席食品(図示せず)を柔らかくほぐす。
【0008】
その後、図7の斜視図に示すように、易剥離領域(L1)の外周にある表面シート剥離用プルタブ(13)を引っ張り上げて、ミシン目(22)に沿ってそのミシン目(22)を順順に破りながら易剥離領域(L1)の表面シート(20)を複合シート(10)から剥離するとともに、該表面シート(20)に接着している湯切孔形成用ハーフカット領域内の複合シート(10)を切り離し、表面シート(20)が剥離されて残っている複合シート(10)に内径Rの安定した大きさの湯切孔(70)を形成した後、容器本体(2)を開封用プルタブ(12)側と反対側に傾けて、中にある湯を湯切孔(70)から排出することができるようになっているものもある。
【0009】
このように湯切孔の開口に、箸などを必要とせず、かつ安定して一定の大きさと形状の湯切孔が形成され、よってスムーズな湯切りができ、また破りカス等もでない優れた効果を発揮する即席食品容器用の湯切り口付剥離性蓋材である。
【0010】
さらに本発明者らによる特開2000−229674号公報に提案されているもので、例えば図8の裏面図に示すように、表面シート剥離用プルタブ(13)の基部に、複合シート(10)側からハーフカットによるプルタブ部剥離用ハーフカット(14)がミシン目(22)を横切るかたちで形成され、さらに表面シート剥離用プルタブ(13)の基部近傍にある易剥離領域(L1)と接着領域(L2)の境界線のミシン目(22)には、ノッチ(17)が刻設され、このノッチ(17)は、外周からプルタブ部剥離用ハーフカット(14)に至るまで設けられている即席食品容器用湯切孔付蓋材がある。このようにノッチ(17)とプルタブ部剥離用ハーフカット(14)を設けることによって、表面シート剥離用プルタブ(13)をつまんで易剥離領域(L1)側の表面シート(図示せず)を剥離するに際し、この易剥離領域(L1)側の表面シートは、ノッチ(17)、プルタブ部剥離用ハーフカット(14)、ミシン目(22)と順に接着領域(L2)から切り離され、スムーズに湯切孔形成用ハーフカット(50)による湯切孔の開口ができるようにしたより優れた効果を発揮する即席食品容器用湯切孔付蓋材がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来の即席食品容器用湯切孔付蓋材がシールされ、適用される容器本体として、例えば汎用ポリスチレン中にゴム状弾性体(ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴムなど)が1〜4μmの球状粒子を形成して分散している耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を材料としたもので、そのフランジ部が比較的広い幅(7mm程度)の容器のみであった。
【0012】
しかしながら最近、断熱性に優れかつ材料コストにも優位な発泡ポリスチレンでなる容器本体としたもの、あるいはフランジ部が4mm程度と比較的狭い幅の材料コストにも優位な一般の容器にも、あるいは発泡ポリスチレンでなりかつフランジ部の幅が狭い容器にも適用可能な即席食品容器用湯切孔付蓋材が要望されている。
【0013】
上記要望に対し、上記のように発泡ポリスチレンでなる容器本体の場合、取扱中あるいは輸送中等に破損し易いもので、例えば図9(a)に示すように、容器本体(2)のフランジ部(21)に欠け部(21a)が発生したものについて、表面シート剥離用プルタブ(13)をつかんで表面シート(20)を剥離すると、図9(b)に示すように、この欠け部(21a)がきっかけとなって容器本体(2)のフランジ部(21)を破損せしめ、表面シート(20)の易剥離層(30)からの剥離が正常にできず、よって湯切り機能に欠ける危惧のある蓋材となるという問題点があった。
【0014】
また上記要望に対し、上記のようにフランジ部の幅が狭い容器本体の場合、蓋材のシール時のシール位置のばらつきから、例えば図10(a)に示すように、プルタブ部剥離用ハーフカット(14)の位置が狭いフランジ部(21)の幅(W2)から外側に外れ、表面シート剥離用プルタブ(13)をつかんで表面シート(20)を剥離しようとすると、図10(b)に示すように、例えばフランジ部(21)のシール部(21b)から剥離されずに、複合シート(10)のシーラント層(16)が材破したり、また、例えば図10(c)に示すように、プルタブ部剥離用ハーフカット(14)の位置が狭いフランジ部(21)の幅から内側に外れている場合も同様に、フランジ部(21)のシール部(21b)から剥離されずに、複合シート(10)のシーラント層(16)が材破してしまい、表面シート(20)の易剥離層(30)からの剥離が正常にできず、よって湯切り機能に欠ける危惧のある蓋材となるという問題点があった。
【0015】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、表面シート剥離用プルタブをつかんで易剥離領域の表面シートを剥離し、湯切孔を開口する即席食品容器用湯切孔付蓋材において、シールされる容器本体のフランジ部の幅が狭くとも、容器本体の材料が破損し易い発泡ポリスチレンであっても、あるいは発泡ポリスチレンでフランジ部の幅が狭くとも、表面シート剥離用プルタブをつかんで表面シートを剥離するに際し、表面シートの剥離が容易に正常にでき、湯切孔を開口することができる即席食品容器用湯切孔付蓋材を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、容器本体の開口部を形成するフランジ部にシールされる、該容器本体の開口部と略同じ外形でなる蓋材で、複合シートと表面シートとの層間の所定の形状領域に易剥離剤の塗布による易剥離層を介して積層されている易剥離領域と、それ以外の接着剤層を介して積層されている接着領域とに区画され、該易剥離領域と接着領域との境界線にある表面シートに切離部が刻設され、前記易剥離領域の外周縁で前記切離部の近傍に表面シート剥離用プルタブが設けられ、かつ前記易剥離領域内における複合シートの1乃至複数箇所には湯切孔形成用ハーフカットが刻設されている湯切孔付蓋材において、前記表面シート剥離用プルタブの、かつ前記切離部側の基部を起点としたノッチが積層された複合シートと表面シートとを貫通して刻設され、該ノッチ先端から延びる、前記複合シートにハーフカットによるプルタブ部剥離用ハーフカットが刻設され、該プルタブ部剥離用ハーフカットは、前記ノッチ先端より前記容器本体のシールされる予定のフランジ部に相当する部分を横切ってその内側に入り、再度フランジ部に相当する部分を通って前記切離部と反対側の基部まで形成されていることを特徴とする即席食品容器用湯切孔付蓋材としたものである。
【0017】
上記請求項1の発明によれば、上記表面シート剥離用プルタブの基部(上記切離部側の基部)を起点としたノッチが、積層された複合シートと表面シートとを貫通して刻設されているので、表面シート剥離用プルタブをつかんで表面シートを剥離するに際し、このノッチが剥離のきっかけとなって剥離し易くなり、さらにこのノッチ先端から延びて(一体化されて)、複合シートにハーフカットによるプルタブ部剥離用ハーフカットが刻設されていて、このプルタブ部剥離用ハーフカットは、前記ノッチ先端より容器本体のシールされる予定のフランジ部に相当する部分を横切ってその内側に入り、再度フランジ部に相当する部分を通って前記切離部と反対側の基部まで形成されているので、例え狭い幅のフランジ部の場合でもこのプルタブ部剥離用ハーフカットはフランジ部から外れることがなく、また容器本体の材料が破損し易い発泡スチレンで、フランジ部に欠け部(破損部)があったとしても、ノッチとこれに繋がっているハーフカットがフランジの内側に入った部分で剥離に対する負荷が軽減されるので、表面シートの剥離が容易に正常にでき、湯切孔を開口する即席食品容器用湯切孔付蓋材を提供することができる。
【0018】
また、請求項2の発明では、上記ノッチは、Iの字形状で蓋材の略中心に向かって刻設されていることを特徴とする請求項1記載の即席食品容器用湯切孔付蓋材としたものである。
【0019】
上記請求項2の発明によれば、上記ノッチをIの字形状とし、さらに蓋材の略中心に向かって形成されているので、表面シートの剥離のきっかけとなり易く、表面シート剥離用プルタブをつかんで剥離し易いようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いながら詳細に説明する。
本発明は、例えば図1の正面図に示すように、容器本体の開口部を形成するフランジ部(21)にシールされる蓋材で、このフランジ部(21)と略同じ外形状でなり、表面シート(20)と複合シート(図示せず)が積層されていて、右側約1/3が易剥離領域(L1)で、残りの左側約2/3が接着領域(L2)で区画されていて、易剥離領域(L1)と接着領域(L2)との境界に切離部としてのミシン目(22)が表面シート(20)に刻設されていて、接着領域(L2)の外周縁の略中間に開封用プルタブ(12)が連設され、易剥離領域(L1)の外周縁のミシン目(22)近傍に表面シート剥離用プルタブ(13)が連設されている即席食品容器用湯切孔付蓋材(1)に関するものである。
【0021】
そこで請求項1または2に係る発明では、図2の裏面図に示すように、切離部としてのミシン目(22)側の表面シート剥離用プルタブ(13)の基部(13a)を起点としたI型ノッチ(17)が、積層されている複合シート(10)と表面シート(図示せず)とを貫通して刻設されていて、このI型ノッチ(17)の先端から複合シート(10)にプルタブ部剥離用ハーフカット(14)が刻設されているもので、このプルタブ部剥離用ハーフカット(14)は、I型ノッチ(17)先端よりシールされる予定の前記容器本体のフランジ部(仮定図21として点線で示す)に相当する部分を横切ってその内側に入り、再度フランジ部(21)に相当する部分を通って前記ミシン目(22)と反対側の基部(13b)まで形成されている即席食品容器用湯切孔付蓋材(1)としたものである。
【0022】
本発明に係る即席食品容器用湯切孔付蓋材について、さらに詳しく説明すると、例えば図5(a)の側断面積層図に示すように、紙層を主体とする表面シート(20)を外面側にして、その内面側(食品側)に内面から例えばシーラント層(16)/アルミニウム箔(19)/接着性樹脂層(15)でなる複合シート(10)を重ね合わせ積層せしめたシート状で円形状(四角形状、多角形状であってもよい)の蓋材であり、その蓋の外周縁からその内側にかけて一部領域の複合シート(10)と表面シート(20)との間には、易剥離剤(剥離ニス)の塗布による易剥離層(30)が形成されている易剥離領域(L1)と、それ以外の複合シート(10)と表面シート(20)との重ねあわせでなる接着領域(L2)とを備えている。
【0023】
そして、上記易剥離領域(L1)内における複合シート(10)に1乃至数個所には、内径Rの湯切孔形状の湯切孔形成用ハーフカット(50)が刻設され、この湯切孔形成用ハーフカット(50)領域内の複合シート(10)と表面シート(20)の内面には内径rのハーフカット領域内接着部(60)(易剥離層(30)の形成されない部分)が設けられていて、複合シート(10)と表面シート(20)とはハーフカット領域内接着部(60)において互いに接着している。
【0024】
上記湯切孔形成用ハーフカット(50)の内径Rは、湯が円滑に排出(湯切り)できて、湿潤によってほぐれた即席食品が湯と一緒に排出されずに容器内に止まる程度の孔径であれば、特に限定されるものではないが、例えば5〜7mm程度で、好ましくは5.5〜6.5mmの範囲がよい。また、内径Rの湯切孔形成用ハーフカット(50)の領域内のハーフカット領域内接着部(60)の内径rは、2R/3以下で、1R/3から2R/3の範囲が望ましい。
【0025】
さらに例えば図1に示すように、易剥離領域(L1)と接着領域(L2)の境界に表面シートの表面よりミシン目(22)を施し、このミシン目(22)よりやや易剥離領域(L1)側の周縁に表面シート剥離用プルタブ(13)が形成されている即席食品容器用湯切孔付蓋材(1)である。
【0026】
以上のように、本発明においては、例えば図2に示すミシン目(22)側の表面シート剥離用プルタブ(13)の基部(13a)より中心に向かってI型ノッチ(17)が刻設され、このI型ノッチ(17)の先端から一体化されて複合シート(10)にプルタブ部剥離用ハーフカット(14)がシールされる予定の前記容器本体のフランジ部(21)に相当する部分を横切ってその内側に入り、再度フランジ部(21)に相当する部分を通ってミシン目(22)と反対側の基部(13b)まで形成されているので、図1のB−B面断面を表す図3の側断面図に示すように、表面シート剥離用プルタブ(13)をつかんで易剥離領域の表面シート(20)を剥離するに際し、このI型ノッチが剥離のきっかけとなって剥離し易くなり、さらに例え狭い幅(W2)のフランジ部(21)の場合でもこのプルタブ部剥離用ハーフカット(14)はフランジ部(21)から外れることがなく、また容器本体(2)の材料が破損し易い発泡スチレンで、フランジ部(21)に欠け部(図示せず)があったとしても、ノッチとこれに繋がっているハーフカット(14)がフランジ部(21)の内側に入った部分で剥離に対する負荷が軽減され、表面シート(20)が易剥離層(30)で複合シート(10)から容易に分離され、よって表面シート(20)の剥離が容易に正常にできるようになる。
【0027】
以下に本発明の即席食品容器用湯切孔付蓋材(1)に使用される材料等について説明する。
まず、本発明の即席食品容器用湯切孔付蓋材(1)を構成する表面シート(20)としては、その表面が印刷適性に優れている必要があるため、紙が主体となり例えば坪量50〜150g/m2 程度の片面アート紙、両面アート紙が好ましく、他に同程度の厚さのコート紙、上質紙なども用いられ、場合によっては5〜25μmのポリエチレンテレフタレートや延伸ポリプロピレンフィルム等が紙表面にラミネートされているものを用いることもできる。
【0028】
また、本発明の即席食品容器用湯切孔付蓋材(1)を構成する複合シート(10)のシーラント層(16)としては、例えばヒートシール性に優れる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン樹脂あるいはエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタアクリル酸共重合体(EMAA)等エチレン共重合樹脂のフィルムが好適に用いられ、さらにこれらポリオレフィン樹脂にポリスチレンやポリブデン等からなる、該ポリオレフィン樹脂に対し不相溶性成分を混合したものとすることもできる。また、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/アクリル酸共重合樹脂等からなるホットメルト接着剤を塗布量15〜25g/m2 程度で設けてもよく、これらシーラント層(16)によって容器(2)のフランジ部(21)との充分な密封性と剥離開封性(イージーピール性)を可能とすることができる。
【0029】
また、食品等に対する遮光やガスバリアなど保存性を考慮して、複合シート(10)にバリア層として金属箔、特に5〜20μmのアルミニウム箔(19)を使用するのが一般的であり、このアルミニウム箔(19)は、特に本発明の即席食品容器用湯切孔付蓋材(1)のように、開封用プルタブ(12)側から一部を開封剥離して、熱湯を注ぐに際し、蓋材が剥離された状態を保持している性質(デッドホールド性という)を有すると、熱湯を安全に確実に注ぎ易くすることができることから好適に使用される。また、その他バリア層として遮光性のあるチタンホワイトなどを主成分にした白色インキやカーボンブラックなどを主成分とした黒色インキ、この白色インキと黒色インキを混合した灰色インキ、アルミニウムペーストなどを主成分とした灰色インキ等を用いて表面に遮光印刷したもの、あるいは酸化珪素や酸化アルミニウム等を蒸着したセラミック蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いてもよい。
【0030】
また、上記アルミニウム箔(19)を表面シート(20)の紙層に接着させる接着樹脂層(15)としては、蓋材の生産性を考慮して、例えば熱溶融押出しによるポリエチレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリプロピレン樹脂等のサンドラミネートが好ましく用いられる。
【0031】
また、易剥離層(30)を形成する易剥離剤としては、例えば硝化綿系(ニトロセルロース)樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられ、場合によってはこれら樹脂に相溶性があれば、例えばポリエチレン系ワックス、ポエステル系ワックスなどを混合して易剥離性の調整をすることもでき、これら易剥離剤をグラビア法あるいはスクリーン法によるパートコートによって易剥離層(30)とすることができる。
【0032】
以上のように本発明の即席食品容器用湯切孔付蓋材(1)は、熱湯を注いで柔らかくほぐし、湯切りしてから食する即席焼きそばや即席生麺などの容器の蓋として、好適に用いることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明においては、容器本体の開口部を形成するフランジ部にシールされる、該容器本体の開口部と略同じ外形でなる蓋材で、複合シートと表面シートとの層間の所定の形状領域に易剥離剤の塗布による易剥離層を介して積層されている易剥離領域と、それ以外の接着剤層を介して積層されている接着領域とに区画され、該易剥離領域と接着領域との境界線にある表面シートに切離部が刻設され、前記易剥離領域の外周縁で前記切離部の近傍に表面シート剥離用プルタブが設けられ、かつ前記易剥離領域内における複合シートの1箇所乃至複数箇所には湯切孔形成用ハーフカットが刻設されている湯切孔付蓋材において、前記表面シート剥離用プルタブの基部(上記切離部側の基部)を起点としたノッチが、積層された複合シートと表面シートとを貫通して刻設されているので、表面シート剥離用プルタブをつかんで表面シートを剥離するに際し、このノッチが剥離のきっかけとなって剥離し易くなり、さらにこのノッチ先端から延びて(一体化されて)、複合シートにハーフカットによるプルタブ部剥離用ハーフカットが刻設されていて、このプルタブ部剥離用ハーフカットは、前記ノッチ先端より容器本体のシールされる予定のフランジ部に相当する部分を横切ってその内側に入り、再度フランジ部に相当する部分を通って前記切離部と反対側の基部まで形成されているので、例えコストを考慮した狭い幅のフランジ部の場合でもこのプルタブ部剥離用ハーフカットはフランジ部から外れることがなく、また容器本体の材料がコスト等を考慮した破損し易い発泡スチレンで、例えフランジ部に欠け部(破損部)があったとしても、ノッチとこれに繋がっているハーフカットがフランジの内側に入った部分で剥離に対する負荷が軽減されるので、表面シートの剥離が容易に正常にでき、よって湯切孔を容易に正常に開口できる即席食品容器用湯切孔付蓋材を提供することができる。
【0034】
また、請求項2に係る発明においては、上記ノッチをIの字形状とし、さらに蓋材の略中心に向かって形成されているので、表面シートの剥離のきっかけとなり易く、表面シート剥離用プルタブをつかんでより剥離し易いようにしたものである。
【0035】
従って本発明は、熱湯を注いで柔らかくほぐし、湯切りしてから食する即席焼きそばなどの容器の蓋材として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の即席食品容器用湯切孔付蓋材の一実施の形態を説明するための正面図である。
【図2】本発明の即席食品容器用湯切孔付蓋材の一実施の形態を示すもので、図1の裏面図である。
【図3】本発明の即席食品容器用湯切孔付蓋材の一実施の形態を示すもので、表面シートの剥離状態を説明する図1のB−B面断面部分図である。
【図4】従来の湯切り口付蓋材の一事例を説明する側断面図である。
【図5】従来の一般的な湯切り口付剥離性蓋材の一事例を説明するもので、
(a)は、その側断面図であり、
(b)は、その上面図である。
【図6】従来の湯切り口付剥離性蓋材を容器と一体化した一事例を説明する側断面図である。
【図7】従来の湯切り口付剥離性蓋材の表面シートを剥離し、湯切孔を形成した一事例の斜視図である。
【図8】従来の湯切り口付剥離性蓋材の一事例を説明する裏面図である。
【図9】従来の湯切り口付剥離性蓋材の一事例を説明する側断面部分図で、
(a)は、一事例の容器フランジ部にシールされている状態図であり、
(b)は、その表面シートを剥離した時の状態図である。
【図10】従来の湯切り口付剥離性蓋材の一事例を説明する側断面部分図で、
(a)は、他の事例の容器フランジ部にシールされている状態図であり、
(b)は、その表面シートを剥離した時の状態図である。
(c)は、プルタブ部剥離用ハーフカットが容器フランジ部の内側に形成されている場合の表面シートを剥離した状態図である。
【符号の説明】
1‥‥即席食品容器用湯切孔付蓋材
2‥‥容器本体
3‥‥湯切り口付剥離性蓋材
10‥‥複合シート
12‥‥開封用プルタブ
13‥‥表面シート剥離用プルタブ
13a‥‥表面シート剥離用プルタブのミシン目側の基部
13b‥‥表面シート剥離用プルタブのミシン目側と反対側の基部
14‥‥プルタブ部剥離用ハーフカット
15‥‥接着性樹脂層
16‥‥シーラント層
17‥‥ノッチ
19‥‥アルミニウム箔
20‥‥表面シート
21‥‥フランジ部
21a‥‥フランジ部の欠け部
21b‥‥シール部
22‥‥ミシン目
30‥‥易剥離層
50‥‥湯切孔形成用ハーフカット
60‥‥ハーフカット領域内接着部
70‥‥湯切孔
77‥‥突き破り用孔
L1‥‥易剥離領域
L2‥‥接着領域
R‥‥湯切孔形成用ハーフカットの内径
r‥‥ハーフカット領域内接着部の内径
W2‥‥狭いフランジ部の幅

Claims (2)

  1. 容器本体の開口部を形成するフランジ部にシールされる、該容器本体の開口部と略同じ外形でなる蓋材で、複合シートと表面シートとの層間の所定の形状領域に易剥離剤の塗布による易剥離層を介して積層されている易剥離領域と、それ以外の接着剤層を介して積層されている接着領域とに区画され、該易剥離領域と接着領域との境界線にある表面シートに切離部が刻設され、前記易剥離領域の外周縁で前記切離部の近傍に表面シート剥離用プルタブが設けられ、かつ前記易剥離領域内における複合シートの1乃至複数箇所には湯切孔形成用ハーフカットが刻設されている湯切孔付蓋材において、前記表面シート剥離用プルタブの、かつ前記切離部側の基部を起点としたノッチが積層された複合シートと表面シートとを貫通して刻設され、該ノッチ先端から延びる、前記複合シートにハーフカットによるプルタブ部剥離用ハーフカットが刻設され、該プルタブ部剥離用ハーフカットは、前記ノッチ先端より前記容器本体のシールされる予定のフランジ部に相当する部分を横切ってその内側に入り、再度フランジ部に相当する部分を通って前記切離部と反対側の基部まで形成されていることを特徴とする即席食品容器用湯切孔付蓋材。
  2. 上記ノッチは、Iの字形状で略蓋材の中心に向かって刻設されていることを特徴とする請求項1記載の即席食品容器用湯切孔付蓋材。
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