JP2004114133A - 連続鋳造用組立て鋳型 - Google Patents

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Yasuhiko Kinoshita
木下 康彦
Tsukasa Yamazaki
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Abstract

【課題】本発明は、熱負荷の大きなメニスカス近傍の冷却板の冷却能力を高めるとともに、冷却板の全面に亘って均一な冷却状態を得ることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができるとともに、連続鋳造におけるブレークアウトや鋳片疵の発生を防止して鋳片の歩留を向上させることのできる連続鋳造用組立て鋳型を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の連続鋳造用組立て鋳型は、締結部の間に冷却水の流路となるスリット溝が鋳造方向に多数形成された冷却板と、前記締結部に締結される締結部材を介して前記冷却板に配設固定される冷却板支持パネルと、を備えた連続鋳造用組立て鋳型であって、前記冷却板の高熱負荷区域に形成された前記スリット溝の高熱負荷溝部の幅が、前記冷却板の低熱負荷区域に形成された前記スリット部の低熱負荷溝部の幅より広く形成された構成を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶鋼等の溶融金属を開口した鋳型上部に供給し鋳型壁を介して周囲から冷却して、鋳型下部から連続的に凝固した鋳片を引き抜いて製造する連続鋳造用組立て鋳型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、連続鋳造用組立て鋳型は、平行に配置された一対の長辺鋳型の間に一対の短辺鋳型を直交させて全体を桝型に組んで構成されている。各鋳型は、溶融金属と接触する表面に耐磨耗性等に優れるNi,Cr,Co合金等のメッキ皮膜が形成された銅製や銅合金製等の冷却板と、冷却板をその背面側で支持する冷却板支持パネル(バックアッププレート)と、を備えている。冷却板支持パネルは、冷却板の背面に形成された締結部で締結部材を介して配設固定されている。冷却板支持パネルが配設固定される冷却板の背面にはスリット溝が形成されており、使用状態ではこのスリット溝に所定量の冷却水が流される。この結果、桝型に開口した鋳型上部から供給された溶融金属が冷却板を介して冷却されて、溶融金属が凝固して鋳片が鋳型の下部から連続的に取り出される。
このような連続鋳造用組立て鋳型にあっては、鋳片の品質を高めるとともに鋳造中に凝固シェルが破れるブレークアウト等のトラブルを発生させないために、冷却板の全面を均一に冷却する技術が必要である。
【0003】
冷却板の全面を均一に冷却するための従来の技術としては、例えば、(特許文献1)に「各スリット幅の開口側ピッチを取付ボルト用螺合孔や熱電対取付孔を挟む部分では広くし、螺合孔や取付孔を挟まない部分では狭くして、広い開口ピッチを構成する2本のスリット溝の間は、開口部から溝底部に向かうにつれて互いに内側に近寄るように傾斜した溝に形成し、各スリット溝の溝底部間のピッチを等しくした連続鋳造用モールド壁」が記載されている。
(特許文献2)には「モールド壁の要綱メニスカスの近傍から100mm以内の範囲におけるスリット溝を、取付ボルトの螺合孔周辺で迂回させて配置した連続鋳造用鋳型」が記載されている。
【0004】
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。(1)(特許文献1)に記載の技術では、フライス盤等を用いて冷却板となる銅板を切削加工する際に、銅板を傾けて所定の角度に設定する位置決め操作を何回も繰り返して行わなければならず、多大な生産工数を要し生産性や省力性に欠けるとともに、切削加工精度が出難く取付孔の周囲と他の部分で温度勾配が認められ冷却斑が生じるという問題点を有していた。
(2)冷却板に形成されたスリット溝のピッチを調整して鋳型壁の場所毎に冷却効率を制御するような方法では、単にスリット溝のピッチを変えても冷却板の全面に亘る熱伝達率等の熱特性を均一に調整することが困難である。このため、不均一冷却に伴う鋳片の品質劣化(縦割れ等の割れ疵)や鋳造中に凝固シェルが破れるブレークアウト、冷却板の表面に形成されたメッキ膜の剥離等のトラブルが発生するという問題点を有していた。
(3)(特許文献2)に記載の技術では、螺合孔周辺等の曲りの大きいスラローム型のスリット溝での冷却水の圧力損失が特に大きくなるので、この部分を流れる冷却水の流速が、中央に配置された曲率が小さなスリット溝における冷却水の流速より遅くなって冷却能力が低下し、冷却斑が生じるという問題点を有していた。
【0005】
そこで、本発明者らは鋭意研究し、冷却板の全面をより均一な冷却状態にする連続鋳造用組立て鋳型を出願した(特許文献3)。(特許文献3)には「締結部の周囲に近接迂回して配置されたスリット溝の幅が、締結部間の冷却効率の高い区間に配置されるスリット溝の幅より広く形成され、かつスリット溝の深さが略同一に形成された連続鋳造用組立て鋳型」が記載されている。
【0006】
しかしながら、近年の高温出片や高速鋳造等を実現する高速鋳造技術や、高品質鋳片を鋳造するため鋳型内の溶融金属を電磁力で撹拌しながら鋳造を行う鋳型内電磁撹拌技術等の開発によって、冷却板には局所的に非常に大きな熱負荷がかかる傾向がみられてきた。
図10は鋳型内電磁撹拌を用いた連続鋳造によって損傷を受ける冷却板の部位を示す要部平面模式図であり、図11は鋳型内電磁撹拌を用いた連続鋳造によって損傷を受ける冷却板の部位を示す要部正面模式図である。
図中、40は背面に冷却板支持パネル(図示しない)が配設固定された一対の長辺側の冷却板、41は背面に冷却板支持パネル(図示しない)が配設固定された一対の短辺側の冷却板、42は冷却板40,41が桝型に組み立てられた連続鋳造用組立て鋳型内に供給された溶融金属であり電磁力によって矢印の方向に撹拌されている。43は短辺側の冷却板41沿って流動してきた溶融金属42の撹拌流が冷却板40に衝突し大きな熱負荷が与えられる溶融金属42の液面(メニスカス)近傍の高熱負荷区域、44は高熱負荷区域43に隣接し高熱負荷区域43に衝突した溶融金属42の撹拌流が冷却板40に沿って流動する準高熱荷区域である。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−52537号公報
【特許文献2】
特開平2−59144号公報
【特許文献3】
特願2001−165783号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような近年の連続鋳造技術の開発によって、上記従来の技術は、以下のような課題を有していた。
(1)鋳型内電磁撹拌では電磁力を効率的に伝達するため、冷却板の材質としては電気伝導度の低い合金材料が用いられることが多く、銅製と比較して熱伝導率が低くなるので冷却効率が低下するとともに冷却状態が不均一になり易いことに加え、溶融金属が鋳型内で回転するため、冷却板(特に長辺側の冷却板)の溶融金属の液面(メニスカス)近傍で熱負荷が大きく冷却能力が不足し、冷却板の表面の変形やクラックが発生するという課題を有していた。特に、短辺側の冷却板に沿って流動してきた溶融金属の撹拌流が長辺側の冷却板に衝突する高熱負荷区域では、特に熱負荷が高いため高温になり、メッキ膜の再結晶化による脆化が起こり剥離や脱落が生じ易く、また深いクラックが発生し冷却板の寿命が低下するという課題を有していた。また、準高熱負荷区域でも溶融金属の撹拌流の温度が高いため熱負荷が高くメッキ膜の脆化が起こり易く剥離や脱落し易いという課題を有していた。
(2)長辺側の冷却板のメニスカス近傍では特に表面温度が上昇するため、メニスカス近傍における冷却板の熱膨張量は他の部分より大きく締結部で膨張が拘束され易い。そのため、膨張が拘束された冷却板に応力が発生し変形やクラックが発生し易くなるという課題を有していた。
(3)冷却板は冷却板支持パネルと締結部で締結部材を用いて締結固定されて使用されるので、冷却板の伸びが拘束されて締結部で塑性変形を生じることがあり、表面切削やメッキ等の冷却板のメンテナンスのために冷却板支持パネルから冷却板を取り外したときに、冷却板に反り等の大きな変形が生じたり冷却板と冷却板支持パネルの締結部ピッチが合わなくなり、メンテナンス後に組み立てられなくなることがあるという課題を有していた。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、熱負荷の大きなメニスカス近傍の高熱負荷区域の冷却板の冷却能力を高めるとともに、冷却板の全面に亘って均一な冷却状態を得ることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができるとともに、溶融金属の連続鋳造におけるブレークアウトや鋳片疵の発生を防止して鋳片の歩留を向上させることのできる連続鋳造用組立て鋳型を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために本発明の連続鋳造用組立て鋳型は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の連続鋳造用組立て鋳型は、背面に形成された締結部の間に冷却水の流路となるスリット溝が鋳造方向に多数形成された冷却板と、前記締結部に締結される締結部材を介して前記冷却板に配設固定される冷却板支持パネルと、を備えた連続鋳造用組立て鋳型であって、前記冷却板の高熱負荷区域に形成された前記スリット溝の高熱負荷溝部の幅が、前記冷却板の低熱負荷区域に形成された前記スリット部の低熱負荷溝部の幅より広く形成された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)冷却板の高熱負荷区域に形成されたスリット溝の高熱負荷溝部の幅が低熱負荷区域に形成されたスリット溝の低熱負荷溝部の幅より広く形成されているので、メニスカス近傍等のような熱負荷の大きな高熱負荷区域の冷却板の冷却能力を高めることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができる。
【0011】
ここで、冷却板としては、横幅が100〜3000mm、高さ即ち鋳造方向の長さが700〜1500mmの矩形状に形成されたものが用いられる。冷却板の材質としては、銅製や銅合金製等が用いられる。熱伝導率が大きく、かつフライス加工等でスリット溝を形成するのが容易だからである。
【0012】
高熱負荷区域とは、メニスカス近傍の区域であって、短辺側の冷却板と桝型に組み立てられた長辺側の冷却板の内側隅部の近傍の区域をいう。特に、短辺側の冷却板に沿って流動してきた溶融金属が衝突する長辺側の冷却板の内側隅部の近傍が、高熱負荷区域のなかでも最も熱負荷の高い区域である。具体的には冷却板の高さ方向にあってはメニスカスを基準として−200〜0mm(但し、メニスカスの位置を0、メニスカスから上に向かう方向を正、メニスカスから下に向かう方向を負とする)の区域で、かつ、冷却板の幅方向にあっては短辺側の冷却板と桝型に組み立てられた長辺側の冷却板の内側隅部を基準として0〜300mm(但し、長辺側の冷却板において短辺側の冷却板が当接する内側隅部を0、長辺側の冷却板の幅方向に沿って溶融金属の撹拌流の方向を正、その反対方向を負とする)の区域である。これらの区域から遠ざかるにつれ熱負荷が小さくなる。
低熱負荷区域としては、上記の高熱負荷区域を除く区域が用いられる。
【0013】
スリット溝としては、長手方向と直交する断面が矩形状に形成されたもの、長手方向と直交する断面の全体が矩形状でその溝底部のコーナー部の角を落として丸く凹状に仕上げられたもの等が用いられる。フライス盤等で容易に形成することができるからである。
【0014】
溶融金属や凝固した鋳片と接する冷却板表面からスリット溝の底部までの厚さとしては、冷却板の肉厚に対して1/4〜3/4の範囲で形成されたものが好適に用いられる。即ち、スリット溝は、冷却板の肉厚に対して3/4〜1/4の深さで形成されたものが好適に用いられる。スリット溝の深さが3/4より深くなると冷却板の機械的強度が低下する傾向がみられ、スリット溝の深さが1/4より浅くなると冷却板に形成されるスリット溝の断面積が不足して冷却効率が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0015】
高熱負荷溝部と低熱負荷溝部の深さは略同一に形成されていることが好ましい。これにより、溶融金属と接触する冷却板表面から高熱負荷溝部及び低熱負荷溝部の底部までの距離を略同一にすることができ、冷却板の全面に亘って均一に冷却して溶融金属の連続鋳造におけるブレークアウトや鋳片疵等の発生を防止して鋳片の歩留を向上させることができる。また、冷却板の全面に亘って冷却板の切削代を大きくすることができ冷却板の繰り返し使用回数を増やすことができる。冷却板は表面の全面を切削した後メッキして繰り返し使用されるので、深く形成されたスリット溝が1箇所でもあると、冷却板の切削代が少なくなり繰り返し使用回数が減るからである。
【0016】
スリット溝の幅、即ち開口部の幅としては、3〜20mmに形成されたものが好適に用いられる。スリット溝の幅が3mmより狭くなるにつれ機械加工が困難になるとともに供給される冷却水の圧損が大きくなって冷却水の流速が幅の広いスリット溝と比較して著しく低下する傾向や内壁にスケール等が付着してスリット溝が詰まり易くなる傾向がみられ、スリット溝の幅が20mmより広くなるにつれ複数のスリット溝をこれら相互間の熱特性や流量特性を考慮して冷却板の全体を均一冷却するように適正配置する余地が少なくなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0017】
幅広に形成された高熱負荷溝部とそれより幅狭に形成された低熱負荷溝部とが1本のスリット溝内に形成される場合は、高熱負荷溝部の側壁と低熱負荷溝部の側壁は滑らかな曲面で連続的に接続するのが望ましい。冷却水の圧力損失を小さくするためである。
【0018】
冷却板支持パネルとしては、機械的強度が大きなステンレス製やスチール製等で形成され、冷却板の背面の全体を覆う矩形状に形成されたものが用いられ、スリット溝の開口部を密封して冷却水の流路を形成するとともに、鋳型の長辺側と短辺側とを夫々構成する一対の冷却板を組み上げて全体を支持するものが用いられる。
【0019】
締結部としては、ボルト等の締結部材を螺合するために冷却板の背面の所定位置に形成された螺合孔、螺合孔の周囲に形成された突起部(ボス)を含む取付部、その他のピン孔等が用いられる。
【0020】
請求項2に記載の連続鋳造用組立て鋳型は、背面に形成された締結部の間に冷却水の流路となるスリット溝が鋳造方向に多数形成された冷却板と、前記締結部に締結される締結部材を介して前記冷却板に配設固定される冷却板支持パネルと、を備えた連続鋳造用組立て鋳型であって、前記冷却板の高熱負荷区域の所定部を通過する前記スリット溝の本数が、前記所定部と同一幅の前記冷却板の低熱負荷区域だけを通過する前記スリット溝の本数より多く形成された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)高熱負荷区域の所定部を通過するスリット溝の本数が、高熱負荷区域の所定部と同一幅の低熱負荷区域だけを通過するスリット溝の本数より多く形成されているので、高熱負荷区域を通過するスリット溝の密度を高め冷却能力を高めることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができる。
【0021】
ここで、冷却板、高熱負荷区域、低熱負荷区域、スリット溝、冷却板支持パネル、締結部としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
【0022】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の連続鋳造用組立て鋳型であって、前記高熱負荷溝部が、前記冷却板の背面側に深さ調整部材を備え、前記深さ調整部材における前記高熱負荷溝部の長手方向と直交する断面積が、前記低熱負荷溝部の長手方向と略直交する断面積と略同一に形成された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)高熱負荷溝部の長手方向と直交する断面積が、深さ調整部材によって低熱負荷溝部の長手方向と略直交する断面積と略同一に形成されているので、高熱負荷溝部における流速低下を防ぎ、流速低下による冷却効果の低下を防止できる。また、高熱負荷溝部を流れる冷却水の流速と低熱負荷溝部の冷却水の流速とを略同一にすることができ、冷却板全体の流速が略同一となり、冷却板の全面に亘って均一冷却することができる。
(2)深さ調整部材が高熱負荷溝部の冷却板の背面側に形成されているので、高熱負荷溝部の溝底部と冷却板表面の距離と低熱負荷溝部の溝底部と冷却板表面との距離は略同一に維持したままで冷却水の流域を広げ、広い面積で冷却するとともに冷却水の流速を高熱負荷溝部で低下させることなく、高熱負荷溝部の冷却能力をさらに強化し冷却板表面の温度分布を均一にすることができる。
【0023】
ここで、深さ調整部材としては、板状等に形成され冷却板に形成された高熱負荷溝部の開口側に嵌装されたものが用いられる。深さ調整部材は、冷却板の高熱負荷溝部内若しくは冷却板支持パネルの所定箇所に配設固定することができる。
深さ調整部材の長手方向の端部(冷却水の上流側)は滑らかな曲面を有するテーパー状に形成するのが望ましい。冷却水の圧力損失を小さくするためである。
【0024】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の連続鋳造用組立て鋳型であって、前記高熱負荷区域における前記締結部を除く前記冷却板のスリット溝形成可能域の面積(S1)に対する前記スリット溝形成可能域に形成された前記スリット溝の開口部の総面積(S2)の比率(S2/S1)が、0.5〜0.9である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)スリット溝形成可能域の面積(S1)に対するスリット溝形成可能域に形成されたスリット溝の開口部の総面積(S2)の比率(S2/S1)が0.5〜0.9の範囲に設定されているので、メニスカス近傍等で熱負荷の大きな高熱負荷区域のスリット溝の開口部密度を高め冷却能力を高めることができ、冷却板の冷却能力を高めることができる。
【0025】
ここで、スリット溝形成可能域とは、高熱負荷区域の全部又は一部における締結部を除いた冷却板の面積であって、スリット溝を形成できる冷却板の面積をいう。
高熱負荷区域における締結部を除く冷却板のスリット溝形成可能域の面積(S1)に対するスリット溝形成可能域に形成されたスリット溝の開口部の総面積(S2)の比率(S2/S1)が、0.5より小さくなるにつれ高熱負荷区域における冷却能力が小さくなり冷却板の表面の変形やクラックが発生し易くなる傾向がみられ、0.9より大きくなるにつれスリット溝間の間隔が狭くなり冷却板の背面の機械的強度が小さくなりスリット溝間が切れたり変形し易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0026】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の連続鋳造用組立て鋳型であって、前記冷却板の幅方向における(a)前記冷却板の前記締結部の外縁と前記冷却板支持パネルの冷却板取付部の内縁との間隙である締結部隙間の大きさ、及び/又は、(b)前記締結部材の外縁と前記冷却板支持パネルに形成され前記締結部材が挿通される挿通孔部の内縁との間隙である締結部材隙間の大きさが、前記高熱負荷区域及び前記高熱負荷区域の外側、並びに、冷却板の中心軸に対して前記高熱負荷区域の略左右対象位置の区域及びその外側で前記低熱負荷区域より広く形成された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)メニスカス近傍等の高熱負荷区域における冷却板の表面温度は低熱負荷区域における冷却板の表面温度より上昇するため、高熱負荷区域における冷却板の熱膨張量は低熱負荷区域の冷却板より大きく冷却板の長手方向(幅方向)の外側では熱膨張量が累積されて伸び量が大きくなり、締結部で膨張が拘束され大きな応力が発生し易く塑性変形を生じ易い。しかし、締結部隙間や締結部材隙間の大きさが、低熱負荷区域より高熱負荷区域及び高熱負荷区域の外側で広く形成されているので、冷却板の幅方向の膨張が拘束されないため冷却板に発生する応力が小さく、冷却板の変形やクラックの発生を抑制することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における連続鋳造用組立て鋳型の要部断面図であり、図2は実施の形態1における連続鋳造用組立て鋳型の冷却板を背面側(スリット溝側)からみた要部正面図である。
図1において、1は実施の形態1における連続鋳造用組立て鋳型、2は連続鋳造用組立て鋳型1を構成して長辺側に配置される銅製等で形成された冷却板、3は短辺側に配置される銅製等で形成された冷却板である。連続鋳造用組立て鋳型1は長辺側の冷却板2と短辺側の冷却板3とを互いに直交させて桝型に組み立てることにより構成されている。4,5は冷却板2,3の背面に各々配設された冷却板支持パネル、6,7,8,9,10,11は冷却板2の背面に等間隔で形成された締結部、6a〜11aは締結部6〜11の螺合孔、6b〜11bは締結部6〜11の突起部(ボス)、6c〜11cは冷却板支持パネル4を挿通し螺合孔6a〜11aに螺合して冷却板支持パネル4を冷却板2の背面に配設固定するボルト等の締結部材、12,13,14,15,16,17,18は冷却板2の背面に等間隔で形成された締結部6〜11の間に鋳造方向に複数形成され内部を冷却水が流れるスリット溝、19は冷却板3の背面の鋳造方向に形成され内部を冷却水が流れるスリット溝、20は冷却板3の端面近傍にスリット溝19を囲んで配設され冷却水がスリット溝19と冷却板支持パネル5との間から漏れるのを防ぐOリング等のシール部である。シール部20は冷却板2と冷却板支持パネル4との間にも図示していないが同様に配設されており、冷却水が漏れるのを防止している。21は溶鋼等の溶融金属、矢印で示したものは電磁力によって撹拌される溶融金属21の回転方向、Aは短辺側の冷却板3と桝型に組み立てられ溶融金属21が供給された長辺側の冷却板2の内側隅部である。図1において溶融金属21は時計回りに回転しているので、短辺側の冷却板3に沿って流動してきた溶融金属21の撹拌流がAの近傍の冷却板2に衝突し、Aの近傍の冷却板2には大きな熱負荷が与えられている。
【0028】
図2において、6´〜11´,6″〜11″は締結部6〜11の鋳造方向の下方に等間隔で各々形成された締結部である。スリット溝12〜18は冷却板2に形成された締結部6〜11,6´〜11´,6″〜11″の間の鋳造方向に所定の曲率を有するスラローム状に形成されている。スリット溝12〜18にはスリット溝12〜18の下端部に対応する冷却板支持パネル4の所定部に形成された冷却水供給口(図示しない)から冷却水が供給され、スリット溝12〜18の上端部に対応する冷却板支持パネル4の所定部に形成された冷却水排出口(図示しない)から冷却を終えた冷却水が排出されて冷却板2を冷却することができるようになっている。
22は連続鋳造用組立て鋳型1に供給された溶融金属21の液面であるメニスカス、22a(太線で方形状に囲まれた区域)はメニスカス22の近傍で、かつ、A(長辺側の冷却板2において短辺側の冷却板3が当接する内側隅部)の近傍の熱負荷の大きな高熱負荷区域である。高熱負荷区域22aは、具体的には、冷却板2の高さ方向にあってはメニスカス22を基準として−200〜0mm(但し、メニスカス22の位置を0、メニスカス22から上に向かう方向を正、メニスカス22から下に向かう方向を負とする)の区域で、かつ、冷却板2の幅方向にあってはAを基準として0〜300mm(但し、Aを0、溶融金属21の回転方向を正、その反対方向を負とする)の区域である。高熱負荷区域22aの外側の区域は、熱負荷の小さな低熱負荷区域を示している。高熱負荷区域22aにおける締結部8´〜10´を除く冷却板2の面積がスリット溝を形成することができるスリット溝形成可能域である。
スリット溝12〜18の内、スリット溝12,17,18は冷却板2の低熱負荷区域だけを通過するスリット溝であり、スリット溝14〜16は冷却板2の高熱負荷区域を通過するスリット溝であり、スリット溝13は高熱負荷区域22aの外側に形成され高熱負荷区域22aに隣接するスリット溝である。14a〜16aは高熱負荷区域22aに形成されたスリット溝14〜16の高熱負荷溝部、13aは高熱負荷区域22aに形成されたスリット溝14に隣接して形成されたスリット溝13の予備高熱負荷溝部、13b〜16bは低熱負荷区域に形成されたスリット溝13〜16の低熱負荷溝部である。高熱負荷溝部14a〜16a及び予備高熱負荷溝部13aの幅は低熱負荷溝部13b〜16bの幅より広く形成されており、高熱負荷溝部14a〜16aの側壁と低熱負荷溝部14b〜16bの側壁、及び予備高熱負荷溝部13aの側壁と低熱負荷溝部13bの側壁とは所定の曲率を有する滑らかな曲面状で連続的に接続されている。また、低熱負荷区域だけを通過するスリット溝12,17,18の幅は、低熱負荷溝部13b〜16bの幅と同一幅に形成されている。また、高熱負荷溝部14a〜16aを有するスリット溝14〜16及び予備高熱負荷溝部13aを有するスリット溝13の深さは、スリット溝12,17,18の深さと略同一に形成されている(図1参照)。
本実施の形態においては、高熱負荷溝部14a〜16a及び予備高熱負荷溝部13aの幅は10mm、低熱負荷溝部13b〜16b及び低熱負荷区域だけを通過するスリット溝12,17,18の幅の幅は5mmに形成されている。また、低熱負荷区域だけを通過するスリット溝12,17,18の本数は各々4本であり、高熱負荷区域22aを通過するスリット溝14,15は、それより多い各々5本形成されている。高熱負荷区域22aを通過するスリット溝16の本数は4本であるが、幅広の高熱負荷溝部15aが形成されている。なお、スリット溝12〜18が形成されている締結部間は同一幅で形成されている。さらに、高熱負荷区域22aにおける締結部8´〜10´を除く冷却板2の面積であるスリット溝形成可能域の面積(S1)(太線で方形状に囲まれた高熱負荷区域22aの面積から締結部8´〜10´を除いた面積)に対するスリット溝形成可能域におけるスリット溝14〜16の開口部の総面積(S2)の比率(S2/S1)は、0.5〜0.9に形成されている。
【0029】
以上のように、実施の形態1における連続鋳造用組立て鋳型は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)冷却板の高熱負荷区域に形成されたスリット溝の高熱負荷溝部の幅が低熱負荷区域に形成されたスリット溝の低熱負荷溝部の幅より広く形成されているので、メニスカス近傍等のような熱負荷の大きな高熱負荷区域の冷却板の冷却能力を高めることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができる。
(2)高熱負荷溝部及び低熱負荷溝部の深さが略同一に形成されているので、溶融金属と接触する冷却板表面から高熱負荷溝部及び低熱負荷溝部の底部までの距離を略同一にすることができ、冷却板の全面に亘って均一に冷却して溶融金属の連続鋳造におけるブレークアウトや鋳片疵等の発生を防止して鋳片の歩留を向上させることができる。また、冷却板の全面に亘って冷却板の切削代を大きくすることができ冷却板の繰り返し使用回数を増やすことができる。冷却板は表面の全面を切削した後メッキして繰り返し使用されるので、深く形成されたスリット溝が1箇所でもあると、冷却板の切削代が少なくなり繰り返し使用回数が減るからである。
(3)高熱負荷区域を通過するスリット溝の本数が、高熱負荷区域と同一幅の低熱負荷区域だけを通過するスリット溝の本数より多く形成されているので、高熱負荷区域を通過するスリット溝の密度を高め冷却能力を高めることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができる。
(4)スリット溝形成可能域の面積(S1)に対するスリット溝形成可能域に形成されたスリット溝の開口部の総面積(S2)の比率(S2/S1)が0.5〜0.9の範囲に設定されているので、メニスカス近傍等で熱負荷の大きな高熱負荷区域のスリット溝の開口部密度を高め冷却能力を高めることができ、冷却板の冷却能力を高めることができる。
(5)高熱負荷区域に隣接して予備高熱負荷溝部を有するスリット溝が形成されているので、高熱負荷区域から低熱負荷区域にかけて熱負荷が除々に小さくなるにつれて冷却板の冷却能力を除々に小さくすることができ、冷却板表面の幅方向の温度勾配を小さくでき冷却斑が生じ難いので鋳片を均一に凝固させることができ鋳片の品質低下を防止することができる。また、短辺側の冷却板の位置が変化する幅可変の組立て鋳型において、鋳造頻度の高い幅寸法の鋳片だけでなく、それより幅の広い鋳片を製造する際にも鋳片の幅方向に亘って冷却斑の少ない冷却状態を得ることができる。
【0030】
なお、高熱負荷区域22aは、最も鋳造頻度の高い幅寸法の鋳片を鋳造するときの短辺側の冷却板の位置に対応させておくことが好ましい。熱負荷の大きな部分の冷却能力を高めて冷却板の表面の変形やクラックの発生を効果的に防止できるからである。
【0031】
(実施の形態2)
図3は実施の形態3における連続鋳造用組立て鋳型の要部断面図であり、図4(a)は図3のB−B線における要部断面図、図4(b)は図3のC−C線における要部断面図である。
図中、2は冷却板、4は冷却板支持パネル、14は高熱負荷区域を通過するスリット溝、14aはスリット溝14の高熱負荷溝部、14bはスリット溝14の低熱負荷溝部であり、これらは実施の形態1で説明したものと同様のものなので説明を省略する。
23は長手方向の端部がテーパー状に形成されて冷却板2の背面側の高熱負荷溝部14aの開口部に配設固定され高熱負荷溝部14aの深さを調整する深さ調整部材である。深さ調整部材23が配設固定された高熱負荷溝部14aの長手方向と直交する断面積は低熱負荷溝部14bの長手方向と直交する断面積と略同一に形成されている(図4(a)、図4(b)参照)。24はスリット溝14の上端部に対応する冷却板支持パネル4の所定部に形成された冷却水排出口、25は冷却板支持パネル4に形成された溝部に配設され冷却板3の背面に当接して冷却水がスリット溝14や冷却水排出口24から漏れるのを防ぐOリング等のシール部である。冷却水はスリット溝14の低熱負荷溝部14bから高熱負荷溝部14aに流れ冷却水排出口25から排出される。
【0032】
以上のように、実施の形態2における連続鋳造用組立て鋳型は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)高熱負荷溝部の長手方向と直交する断面積が、深さ調整部材によって低熱負荷溝部の長手方向と略直交する断面積と略同一に形成されているので、高熱負荷溝部における流速低下を防ぎ、流速低下による冷却効果の低下を防止できる。また、高熱負荷溝部を流れる冷却水の流速と低熱負荷溝部の冷却水の流速とを略同一にすることができ、冷却板全体の流速が略同一となり、冷却板の全面に亘って均一冷却することができる。
(2)深さ調整部材が高熱負荷溝部の冷却板の背面側に形成されているので、高熱負荷溝部の溝底部と冷却板表面の距離と低熱負荷溝部の溝底部と冷却板表面との距離は略同一に維持したままで冷却水の流域を広げ、広い面積で冷却するとともに冷却水の流速を高熱負荷溝部で低下させることなく、高熱負荷溝部の冷却能力をさらに強化し冷却板表面の温度分布を均一にすることができる。
(3)深さ調整部材の長手方向の端部、特に冷却水の上流側の端部がテーパー状に形成されているので、冷却水がスムーズに流れ圧力損失を防止することができ高熱負荷溝部の冷却能力を安定に維持することができる。
【0033】
(実施の形態3)
図5は実施の形態3における連続鋳造用組立て鋳型の幅方向と平行方向の締結部の要部断面図であり、図6は実施の形態3における連続鋳造用組立て鋳型の冷却板の模式図である。
図5において、2は冷却板、4は冷却板支持パネル、11は締結部、11aは締結部11の螺合孔、11bは締結部11の突起部(ボス)、11cは締結部材、17,18はスリット溝であり、これらは実施の形態1で説明したものと同様のものなので説明を省略する。
26は冷却板支持パネル4に形成され締結部材11cの軸部が挿通される挿通孔部、26aは冷却板支持パネル4に形成され冷却板2の締結部11の突起部11bが収装される冷却板取付部、27は締結部材11cの軸部が挿通され締結部材11cが螺合孔11aに螺合することによって冷却板支持パネル4を押圧する押圧部材、28は押圧部材27の内周部と締結部材11cとの間に配設され冷却水が漏れるのを防止するOリング等のシール部、29は押圧部材27の底部と冷却板支持パネル4との間に配設され冷却水が漏れるのを防止するOリング等のシール部、W1は冷却板2の締結部11の突起部11bの外縁と冷却板支持パネル4の冷却板取付部26aの内縁との間隙である締結部隙間、W2は締結部材11cの外縁と冷却板支持パネル4に形成され締結部材11cが挿通される挿通孔部26の内縁との間隙である締結部材隙間である。
図6において、30はメニスカス近傍の区域であって長辺側の冷却板2において短辺側の冷却板3が当接する内側隅部Aの内側の区域である高熱負荷区域、31は冷却板2の幅方向における高熱負荷区域30の外側の区域、32は冷却板の中心軸に対して高熱負荷区域30の略左右対象位置の区域、33は冷却板2の幅方向における区域32の外側の区域、33aは熱負荷の小さな低熱負荷区域である。
実施の形態3においては、冷却板2の幅方向における締結部隙間W1の大きさ、及び/又は、締結部材隙間W2の大きさが、高熱負荷区域30及びその外側の区域31、並びに、冷却板の中心軸に対して高熱負荷区域30の略左右対象位置の区域32及びその外側の区域33で、それ以外の低熱負荷区域より広く形成されている。
【0034】
以上のように、実施の形態3における連続鋳造用組立て鋳型は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)メニスカス近傍等の高熱負荷区域における冷却板の表面温度は低熱負荷区域における冷却板の表面温度より上昇するため、高熱負荷区域における冷却板の熱膨張量は低熱負荷区域の冷却板より大きく冷却板の長手方向(幅方向)の外側では熱膨張量が累積されて伸び量が大きくなり、締結部で膨張が拘束され易く塑性変形を生じ易い。しかし、締結部隙間や締結部材隙間の大きさが、低熱負荷区域より高熱負荷区域及び高熱負荷区域の外側で広く形成されているので、冷却板の幅方向の膨張が拘束されないため冷却板に発生する応力が小さく、冷却板の変形やクラックの発生を抑制することができる。
【0035】
なお、締結部隙間W1を大きくするためには、(a)冷却板2の締結部11の突起部11bの外径を小さくする、及び/又は(b)冷却板支持パネル4の冷却板取付部26aの内径を大きくすることにより行うことができる。締結部11の機械的強度を低下させないために、冷却板取付部26aの内径を大きくするのが好ましい。
また、締結部材隙間W2を大きくするためには、(a)締結部材11cの軸部の外径を小さくする、及び/又は、(b)冷却板支持パネル4に形成され締結部材11cが挿通される挿通孔部26の内径を大きくすることにより行うことができる。締結部材11cの機械的強度が問題になる場合には、挿通孔部26の内径を大きくするのが好ましい。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
幅方向の間隔(中心間)が70mm、上下方向の間隔(中心間)が115mmに形成された締結部間に、幅9mm若しくは10mmの高熱負荷溝部を有するスラローム状スリット溝を4本形成した実施例1のスリットデザインモデルを作成した。なお、冷却板の厚さは25mm、スリット溝の深さは12mm若しくは13mm、高熱負荷溝部におけるスリット溝間の最小間隔は8mm、高熱負荷溝部におけるスリット溝間の最大間隔(中心間)は17.5mm、締結部の外径は28mm若しくは30mm、冷却板の上端と締結部(中心)までの距離は45mmとした。また、高熱負荷溝部の開口部には端部がテーパー状に形成されて長さが77mm、厚さが6.5mmの深さ調整部材を配設固定し、高熱負荷溝部における長手方向と直交する断面積を低熱負荷部における長手方向と直交する断面積と略同一の約60mmにした。
(実施例2)
実施例1と同様の間隔で形成された締結部間に、幅5mmのスラローム状スリット溝を5本形成した実施例2のスリットデザインモデルを作成した。なお、スリット溝間の最小間隔は3.75mm、スリット溝間の最大間隔(中心間)は14mmとしたが、冷却板の厚さ、スリット溝の深さ、締結部の外径、冷却板の上端と締結部(中心)までの距離は、実施例1と同様にした。
(実施例3)
実施例1と同様の間隔で形成された締結部間に、幅9mm若しくは10mmの高熱負荷溝部を有するスラローム状スリット溝を5本形成した実施例3のスリットデザインモデルを作成した。なお、高熱負荷溝部におけるスリット溝間の最小間隔は4.4mm、高熱負荷溝部におけるスリット溝間の最大間隔(中心間)は14.4mmとしたが、冷却板の厚さ、スリット溝の深さ、締結部の外径、冷却板の上端と締結部(中心)までの距離は、実施例1と同様にした。また、高熱負荷溝部の開口部には長さが77mm、厚さが6.5mm、端部がテーパー状に形成された深さ調整部材を配設固定し、高熱負荷溝部における長手方向と直交する断面積と低熱負荷部における長手方向と直交する断面積とを略同一の約60mmにした。
(比較例1)
実施例1と同様の間隔で形成された締結部間に、幅5mmのスラローム状スリット溝を4本形成した比較例1のスリットデザインモデルを作成した。なお、スリット溝間の最小間隔は6.7mm、スリット溝間の最大間隔(中心間)は17.5mmとしたが、冷却板の厚さ、スリット溝の深さ、締結部の外径、冷却板の上端と締結部(中心)までの距離は、実施例1と同様にした。
【0037】
(冷却効果の比較実験)
実施例1乃至3、比較例1の各スリットデザインモデルにおいて、溶融金属の鋳造速度Vc=1.4m/min、長辺側の冷却板1枚あたりのスリット溝に流す冷却水の流量を3800L/min、冷却板の熱伝導率185kcal/m・h・℃とし、冷却板へ熱負荷Q=320×10kcal/m・hを与えた場合の熱解析を行い、その冷却効果を比較した。
図7は締結部の中心からの冷却板の幅方向の距離とメニスカスにおける冷却板表面の温度との関係を示す図である。
図7によれば、実施例1乃至3では、比較例1と比較して約10〜35℃の著しい冷却効果が得られることが明らかになった。特に、高熱負荷溝部を有するスリット溝を5本形成した実施例3において、著しい冷却効果が得られた。
以上のように本実施例によれば、メニスカス近傍等のような熱負荷の大きな高熱負荷区域の冷却板の冷却能力を高めることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができることが明らかになった。
【0038】
(実施例4)
冷却板の中心軸から幅方向の外側315mmまでの範囲における締結部隙間W1及び締結部材隙間W2の大きさを2.25mm、冷却板の中心軸から幅方向の外側315〜1000mmでメニスカス近傍の範囲における締結部隙間W1及び締結部材隙間W2の大きさを3.25mmとした実施例4の冷却板のデザインモデルを作成した。
(比較例2)
全ての締結部における締結部隙間W1及び締結部材隙間W2の大きさを2.25mmとした比較例2の冷却板のデザインモデルを作成した。
(熱膨張量の計算)
実施例4と比較例2のように締結部隙間を形成した冷却板の熱膨張量の計算を行った。図8は熱膨張量を計算した冷却板の右半分側のスリットデザインを示す模式図である。なお、図8に示す冷却板は中心線を対称軸として左右対称となるように形成されている。
図中、34は実施例1に記載したものと同様の厚さ25mmの冷却板、35はメニスカス、36は実施例1に記載したものと同様のスリット溝の幅が5mmの4本のスラローム状スリット溝が形成された区域、37は実施例2に記載したものと同様のスリット溝の幅が5mmの5本のスラローム状スリット溝が形成された区域、38は実施例3に記載したものと同様のスリット溝の幅が9mm若しくは10mmの5本のスラローム状スリット溝が形成された区域、39は比較例1に記載したものと同様のスリット溝の幅が5mmの4本のスラローム状スリット溝が形成された区域である。区域39に形成された4本のスリット溝と区域36に形成された4本のスリット溝は各々接続されている。また、区域37に形成された5本のスリット溝と区域38に形成された5本のスリット溝は各々接続されており、冷却水は冷却板34の下方から上方へ向かって各スリット溝を流れている。
【0039】
以上のようにスリットデザインが形成された冷却板において、実施例1乃至3及び比較例1の熱解析の前提条件を基に冷却板の温度分布を計算し、これに冷却板の線熱膨張率1.65×10−51/℃、ヤング率12000kg/mm、ポアソン比0.3として構造解析を行って、実施例4及び比較例1の冷却板の幅方向の熱膨張量を計算した。
図9は冷却板の中心軸からの幅方向における距離と熱膨張量との関係を示す図である。
図9から明らかなように、冷却板の中心軸からの距離が600mmを超えると熱膨張量が2.25mmを超えるため、比較例2の冷却板では締結部で伸びが拘束され応力(塑性歪み)が増加していると推察される。しかしながら、実施例4の冷却板では、締結部隙間W1及び締結部材隙間W2の大きさが冷却板の熱膨張量より大きく形成されているので、締結部で伸びが拘束されず応力(塑性歪み)の増加はみられないと推察される。
以上のように本実施例によれば、冷却板の幅方向の膨張が拘束されないため冷却板に発生する応力が小さく、冷却板の変形やクラックの発生を抑制することができることが明らかになった。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明の連続鋳造用組立て鋳型によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)冷却板の高熱負荷区域に形成されたスリット溝の高熱負荷溝部の幅が低熱負荷区域に形成されたスリット溝の低熱負荷溝部の幅より広く形成されているので、メニスカス近傍等のような熱負荷の大きな高熱負荷区域の冷却板の冷却能力を高めることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができる連続鋳造用組立て鋳型を提供することができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、
(1)高熱負荷区域を通過するスリット溝の本数が、高熱負荷区域と同一幅の低熱負荷区域だけを通過するスリット溝の本数より多く形成されているので、高熱負荷区域を通過するスリット溝の密度を高め冷却能力を高めることができ、冷却板の表面の変形やクラックの発生を防止し冷却板の長寿命化を図ることができる連続鋳造用組立て鋳型を提供することができる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)高熱負荷溝部の長手方向と直交する断面積が、深さ調整部材によって低熱負荷溝部の長手方向と略直交する断面積と略同一に形成されているので、高熱負荷溝部における流速低下を防ぎ、流速低下による冷却効果の低下を防止できる連続鋳造用組立て鋳型を提供することができる。また、高熱負荷溝部を流れる冷却水の流速と低熱負荷溝部の冷却水の流速とを略同一にすることができ、冷却板全体の流速が略同一となり、冷却板の全面に亘って均一冷却することができる連続鋳造用組立て鋳型を提供することができる。
(2)深さ調整部材が高熱負荷溝部の冷却板の背面側に形成されているので、高熱負荷溝部の溝底部と冷却板表面の距離と低熱負荷溝部の溝底部と冷却板表面との距離は略同一に維持したままで冷却水の流域を広げ、広い面積で冷却するとともに冷却水の流速を高熱負荷溝部で低下させることなく、高熱負荷溝部の冷却能力をさらに強化し冷却板表面の温度分布を均一にすることができる連続鋳造用組立て鋳型を提供することができる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)スリット溝形成可能域の面積(S1)に対するスリット溝形成可能域に形成されたスリット溝の開口部の総面積(S2)の比率(S2/S1)が0.5〜0.9の範囲に設定されているので、メニスカス近傍等で熱負荷の大きな高熱負荷区域のスリット溝の開口部密度を高め冷却能力を高めることができ、冷却板の冷却能力を高めることができる連続鋳造用組立て鋳型を提供することができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)メニスカス近傍等の高熱負荷区域における冷却板の表面温度は低熱負荷区域における冷却板の表面温度より上昇するため、高熱負荷区域における冷却板の熱膨張量は低熱負荷区域の冷却板より大きく冷却板の長手方向(幅方向)の外側では熱膨張量が累積されて伸び量が大きくなり、締結部で膨張が拘束され易く塑性変形を生じ易い。しかし、締結部隙間や締結部材隙間の大きさが、低熱負荷区域より高熱負荷区域及び高熱負荷区域の外側で広く形成されているので、冷却板の幅方向の膨張が拘束されないため冷却板に発生する応力が小さく、冷却板の変形やクラックの発生を抑制することができる連続鋳造用組立て鋳型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における連続鋳造用組立て鋳型の要部断面図
【図2】実施の形態1における連続鋳造用組立て鋳型の冷却板を背面側(スリット溝側)からみた要部正面図
【図3】実施の形態3における連続鋳造用組立て鋳型の要部断面図
【図4】(a)図3のB−B線における要部断面図
(b)図3のC−C線における要部断面図
【図5】実施の形態3における連続鋳造用組立て鋳型の幅方向と平行方向の締結部の要部断面図
【図6】実施の形態3における連続鋳造用組立て鋳型の冷却板の模式図
【図7】締結部の中心からの冷却板の幅方向の距離とメニスカス上の冷却板表面の温度との関係を示す図
【図8】熱膨張量を計算した冷却板の右半分側のスリットデザインを示す模式図
【図9】冷却板の中心軸からの幅方向における距離と熱膨張量との関係を示す図
【図10】
鋳型内電磁撹拌を用いた連続鋳造によって損傷を受ける冷却板の部位を示す要部平面模式図
【図11】
鋳型内電磁撹拌を用いた連続鋳造によって損傷を受ける冷却板の部位を示す要部正面模式図
【符号の説明】
1 連続鋳造用組立て鋳型
2,3 冷却板
4,5 冷却板支持パネル
6,7,8,9,10,11,6´,7´,8´,9´,10´,11´,6″,7″,8″,9″,10″,11″ 締結部
6a,7a,8a,9a,10a,11a 螺合孔
6b,7b,8b,9b,10b,11b 突起部
6c,7c,8c,9c,10c,11c 締結部材
12,13,14,15,16,17,18,19 スリット溝
13a 予備高熱負荷溝部
14a,15a,16a 高熱負荷溝部
13b,14b,15b,16b 低熱負荷溝部
20 シール部
21 溶融金属
22 メニスカス
22a 高熱負荷区域
23 深さ調整部材
24 冷却水排出口
25 シール部
26 挿通孔部
26a 冷却板取付部
27 押圧部材
28,29 シール部
30 高熱負荷区域
31 高熱負荷区域の外側の区域
32 高熱負荷区域の略左右対象位置の区域
33 高熱負荷区域の略左右対象位置の区域の外側の区域
33a 低熱負荷区域
34 冷却板
35 メニスカス
36,37,38,39 スリット溝が形成された区域
40,41 冷却板
42 溶融金属
43 高熱負荷区域
44 準高熱負荷区域

Claims (5)

  1. 背面に形成された締結部の間に冷却水の流路となるスリット溝が鋳造方向に多数形成された冷却板と、前記締結部に締結される締結部材を介して前記冷却板に配設固定される冷却板支持パネルと、を備えた連続鋳造用組立て鋳型であって、
    前記冷却板の高熱負荷区域に形成された前記スリット溝の高熱負荷溝部の幅が、前記冷却板の低熱負荷区域に形成された前記スリット部の低熱負荷溝部の幅より広く形成されていることを特徴とする連続鋳造用組立て鋳型。
  2. 背面に形成された締結部の間に冷却水の流路となるスリット溝が鋳造方向に多数形成された冷却板と、前記締結部に締結される締結部材を介して前記冷却板に配設固定される冷却板支持パネルと、を備えた連続鋳造用組立て鋳型であって、
    前記冷却板の高熱負荷区域の所定部を通過する前記スリット溝の本数が、前記所定部と同一幅の前記冷却板の低熱負荷区域だけを通過する前記スリット溝の本数より多く形成されていることを特徴とする連続鋳造用組立て鋳型。
  3. 前記高熱負荷溝部が、前記冷却板の背面側に深さ調整部材を備え、前記深さ調整部材における前記高熱負荷溝部の長手方向と直交する断面積が、前記低熱負荷溝部の長手方向と略直交する断面積と略同一に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用組立て鋳型。
  4. 前記高熱負荷区域における前記締結部を除く前記冷却板のスリット溝形成可能域の面積(S1)に対する前記スリット溝形成可能域に形成された前記スリット溝の開口部の総面積(S2)の比率(S2/S1)が、0.5〜0.9であることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の連続鋳造用組立て鋳型。
  5. 前記冷却板の幅方向における(a)前記冷却板の前記締結部の外縁と前記冷却板支持パネルの冷却板取付部の内縁との間隙である締結部隙間の大きさ、及び/又は、(b)前記締結部材の外縁と前記冷却板支持パネルに形成され前記締結部材が挿通される挿通孔部の内縁との間隙である締結部材隙間の大きさが、前記高熱負荷区域及びその外側、並びに、前記冷却板の中心軸に対して前記高熱負荷区域の略左右対象位置の区域及びその外側で前記低熱負荷区域より広く形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の連続鋳造用組立て鋳型。
JP2002284052A 2002-09-27 2002-09-27 連続鋳造用組立て鋳型 Withdrawn JP2004114133A (ja)

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