JP2004113023A - パイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】単体で持ち運ぶのに十分な本体強度を有し、使用済みか否かを一目で判断することができるパイプを提供する。
【解決手段】一端に吸気孔1を有し、他端が開放する筒状のパイプ本体2と、このパイプ本体2の他端に軸方向相対移動可能に嵌合させられた吸い口3と、上記パイプ本体2の内部に保持された1または複数個の香料封入カプセル4と、を備えたパイプXであって、上記香料封入カプセル4は、上記パイプ本体2と上記吸い口3とをパイプ全長が短縮するように相対移動させることにより加わる外力によって圧し潰すことができるように構成されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、香料を吸引することにより、その香料に応じた様々なアロマ効果が得られ、また禁煙時などにおいて、タバコの代用品としても好適なパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のパイプは、たとえば特許文献1に開示されており、同文献に開示されたパイプを本願の図12に示す。このパイプは、香料封入カプセル101を側面から挟むように保持する圧潰板102を内設した円筒型の本体部103と、この本体部103を一端の開口部から挿入保持することができ、かつ、液吸収剤104およびフィルタ105を内蔵した吸い口部106と、を備えている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−121832号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記パイプは、使用に際し、本体部103の一部を指で挟んで変形させるという操作をすることにより、圧潰板102を介して香料封入カプセル101を圧し潰すようになっている。このような操作の後、本体部103は元の形に復帰する。そのため、香料封入カプセル101を圧し潰す操作の前後で、上記パイプの外観に大きな変化がなく、香料封入カプセル101が確実に圧し潰されているか否かを判別しづらい。このように、上記パイプは、使用済みか否かの判断が困難であるし、また、使用者による押し潰し操作力によっては、香料封入カプセルが確実に圧し潰されない場合も生じていた。さらには、本体部103の少なくとも一部は、指で押すことにより容易に変形しうるようにしておく必要があり、上記パイプを単体で持ち運ぶ際の強度面に不安があった。
【0005】
本願発明は、このような事情のもとで考えだされたものであって、単体で持ち運ぶのに十分な本体強度を有し、使用に際して香料封入カプセルを確実に潰すことができ、しかも、使用済みか否かを一目で判別することができるパイプを提供することを課題としている。
【0006】
【発明の開示】
本願発明では、上記した課題を解決すべく、次の技術的手段を講じている。
【0007】
すなわち、本願発明により提供されるパイプは、一端に吸気孔を有し、他端が開放する筒状のパイプ本体と、このパイプ本体の他端に軸方向相対移動可能に嵌合させられた吸い口と、上記パイプ本体の内部に保持された1または複数個の香料封入カプセルと、を備えたパイプであって、上記香料封入カプセルは、上記パイプ本体と上記吸い口とをパイプ全長が短縮するように相対移動させることにより加わる外力によって圧し潰されることを特徴とする。
【0008】
このパイプにおいては、香料封入カプセルに力を加えるために、パイプの全長を短縮するようにパイプ本体と吸い口とを相対移動させるので、香料封入カプセルが潰された後では、パイプの全長は短くなる。そのため、香料封入カプセルが潰されたか否かの判断を一目ですることができるので、使用済みか否かを容易に判別することができる。また、パイプ本体と吸い口とを相対移動することにより香料封入カプセルに力を加えるので、香料封入カプセルを潰すためにパイプ本体の形状を変える必要がない。そのため、パイプを単体で持ち運ぶのに十分な強度をパイプ本体に持たせることができる。さらには、使用に際してパイプ本体と吸い口との間に与える相対移動長さを規定しておくことにより、香料封入カプセルを確実に潰すことができる。
【0009】
好ましい実施の形態においては、上記パイプ本体の内部には、上記パイプ本体と一体的な第1の圧潰部材と、上記吸い口と一体的な第2の圧潰部材とが配置されており、上記香料封入カプセルは、上記第1の圧潰部材と上記第2の圧潰部材との間に配置されている。
【0010】
このように構成することにより、使用に際して上記パイプ本体と上記吸い口との間に与えられる相対移動がそのまま第1の圧潰部材と第2の圧潰部材との間の相対移動として反映されるので、これら第1の圧潰部材と第2の圧潰部材との間に配置された香料封入カプセルは、確実に潰される。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記第1の圧潰部材と上記第2の圧潰部材の一方は、上記パイプ本体の軸心に沿って延びる針状の部材であり、他方は、ピストン状の部材である一方、上記香料封入カプセルは、上記パイプ本体の内径と同等かやや小径の略球状をしている。
【0012】
このような構成によれば、香料封入カプセルは、パイプ本体内でその断面方向の移動を規制され、かつ、ピストン状の圧潰部材によってパイプの軸線方向の移動を規制された状態において、針状の圧潰部材による圧潰力を受けることになる。したがって、香料封入カプセルは、これが略球状をしているにもかかわらず、針状の圧潰部材に突き破られるようにして、確実に潰される。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記ピストン状の圧潰部材には、上記針状の圧潰部材の先端を受け入れる凹部が形成されている。
【0014】
このように構成することにより、針状の圧潰部材の先端は最終的にピストン状の圧潰部材の上記凹部に入り込むことになる。したがって、これら圧潰部材間に挟圧された香料封入カプセルは、最終的に上記針状の圧潰部材が貫通させられることになり、より確実に潰されることになる。
【0015】
好ましい実施の形態においては、上記針状の圧潰部材には、この針状の圧潰部材の撓み変形を防止するリング状ガイド部材が套嵌されている。
【0016】
このように構成することにより、針状の圧潰部材を細状としても、この針状の圧潰部材はリング状ガイド部材によって撓みが防止されるので、この針状の圧潰部材によって確実に香料封入カプセルを突き破るようにして潰すことができる。また、このように針状の圧潰部材をより細状とすることができれば、上記のようにして香料封入カプセルを潰すためにパイプ本体と吸い口とを相対移動させる力が小さくてすみ、使用勝手がより向上する。
【0017】
好ましい実施の形態においては、上記第2の圧潰部材は、パイプ本体の軸心に沿って延びるロッドを介して上記吸い口に一体的に連結されており、上記ロッドを取り囲むようにしてフィルタが装填されている。
【0018】
このフィルタには、香料封入カプセルを圧し潰すことにより流出した液状香料が吸い口の方へ流れ出ることを防ぐ機能を持たせることができる。そのため、上記液状香料が吸い口を伝って直接口に触れるのを防ぐことができるので、香味をより安全、かつ快適に楽しむことができる。また、このフィルタは、上記液状香料の保持材的な役割をも果たすので、香味成分の効力持続時間を延長させる効果も期待できる。
【0019】
好ましい実施の形態においては、上記第1の圧潰部材は、パイプ本体の軸心に沿って延びるロッドを介して上記パイプ本体の適部と一体的に連結されており、上記ロッドを取り囲むようにしてフィルタが設けられている。
【0020】
このフィルタには、香料封入カプセルを圧し潰すことにより流出した液状香料が吸気孔から外部に流れ出ることを防ぐ機能を持たせることができる。そのため、香料を無駄にすることがなく、より経済的となる。また、液状香料がパイプ本体の外部に流れ出て手や衣服などを汚すといったことを防ぐこともできる。また、このフィルタは、上記液状香料の保持材的な役割をも果たすので、香味成分の効力持続時間を延長させる効果も期待できる。
【0021】
好ましい実施の形態においては、上記パイプ本体は、少なくとも上記香料封入カプセルが配置されている部位が透明とされている。
【0022】
このように構成することにより、香料封入カプセルの状態を外部から一目で確認することができる。これにより、パイプが使用済であるか否かをより確実、かつ容易に判別することができる。また、香料封入カプセルの色彩を異ならせることにより、香料の種類を視覚的に確認できるようにすることができる。さらには、使用に際して香料封入カプセルが圧し潰され、かつ内部の液状香料が広がる動的な状況を視覚的に確認できるという楽しさも生じる。
【0023】
好ましい実施形態においては、上記香料封入カプセルは、香料を含む液状香料を略球状の皮膜内に封入したものである。
【0024】
香料封入カプセルとして、液状香料を被膜内に封入したことにより、液状香料の揮発を長時間防ぐことができる。そのため、製造されてから長時間経過したパイプでも、製造直後と同様な香りを楽しむことができる。
【0025】
本願発明の好ましい実施形態においては、上記皮膜は、ゼラチンによって形成されている。
【0026】
上記被膜としてゼラチンを用いたことの利点としては、
(1)ゾル・ゲル変化することができる。
(2) 皮膜形成機能を有し、その皮膜が機械的強度に優れる。
(3) 毒性がなく、容易に崩壊される。
(4) 入手が容易で、安価である。
などが挙げられる。
【0027】
好ましい実施の形態においては、上記パイプ本体と上記吸い口とは、パイプの使用前状態においては所定の伸長状態において節度感をもって係止されている。
【0028】
このような構成を有していることにより、ある一定の外力を加えない限り、パイプ本体と吸い口とは、パイプ全長が短縮するように相対移動を始めることはない。そのため、たとえばパイプを持ち運ぶ際などに誤って香料封入カプセルを圧し潰してしまうといった事態の発生を抑制することができ、ユーザー側の取り扱い易さが向上する。
【0029】
本願発明のその他の利点および特徴については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図1ないし図11を参照して具体的に説明する。
【0031】
図1および図2は、本願発明に係るパイプXの第1の実施形態の全体構成を示している。本実施形態のパイプXは、一端に吸気孔1を有し、他端が開放する筒状のパイプ本体2と、このパイプ本体2の他端に軸方向相対移動可能に嵌合させられた吸い口3と、パイプ本体2の内部に保持された香料封入カプセル4とを備えている。なお、図2(a)は、香料封入カプセル4を圧し潰す前の状態を、図2(b)は、香料封入カプセル4を圧し潰した後の状態を、それぞれ示している。
【0032】
パイプ本体2は、たとえば透明樹脂によって形成された所定長さの筒状を呈しており、先端側には閉じた壁20が設けられ、基端側は開口している。先端側の壁20には、パイプ本体2への外部空気の流入量を規制するための吸気孔1が形成されている。すなわち、吸い口3からパイプ本体内部の空気を吸い出す際、パイプ本体内部が減圧されるのに伴い、吸気孔1を通じてパイプ本体外部からパイプ本体内部へ空気が流入するが、吸入孔1の大きさあるいは数を所定のように設定することにより、この吸入孔1による圧力損失、吸い口3、あるいはパイプ本体2内の部材による圧損が総合して、たばこを吸う場合と同程度の圧力損失となるようにしている。この実施形態では、図3に良く表れているように、この吸気孔1はパイプ本体2の軸から等距離で、吸気孔1どうしは等間隔かつ同形状に3つ形成されているが、この吸気孔1の形成位置、数および形状はこれらに限られない。
【0033】
吸い口3は、図4および図5によく表れているように、パイプ本体2の開口部に挿入嵌合する筒部34の外周に、軸方向に離れて形成された係合部30,31を有している。係合部30,31には、パイプ本体2の基端側開口部の内周に形成された係合突起21が係合する。また、この吸い口3は、パイプ本体2との嵌合状態において、パイプ本体2と連通してその内部の空気を吸い出すための軸方向貫通状の吸引孔32を有している。なお、この吸い口3には、保護キャップ5を着脱可能に装着できるようになっており、そのために、この吸い口3の基端部外面には、図2(a)に表れているように、保護キャップ5の内面に形成されている係合突起50が係合する係合部33が設けられている。
【0034】
パイプ本体2と吸い口3とは、吸い口3の筒部34がパイプ本体の基端側開口部に挿入嵌合された状態において、軸方向に相対移動可能である。この実施形態では、上記したように、パイプ本体2の基端開口の内周に形成した係合突起21が吸い口3の筒部34に形成した係合部30に係合するとき、パイプXはその伸長状態において節度感をもって保持される(図2(a))。また、パイプ本体2の上記係合突起21が吸い口3の筒部34の係合部31に係合するとき、パイプは全長が所定長さ短縮された状態において節度感をもって保持される(図2(b))。
【0035】
パイプ本体2の内部には、パイプが伸長状態から短縮状態とされたときに加わる外力によって圧し潰される香料封入カプセル4が保持される。図2(a)に表れているように、本実施形態では、パイプ本体2の内径とほぼ同じか、あるいはやや小径の外径を有する球形もしくは略球形の香料封入カプセル4が2つ保持されている。この香料封入カプセル4は、より具体的には、ゼラチンなどでできた皮膜の内部に液状香料が封入されたものを用いることができる。この香料封入カプセル4の数は、封入される液状香料の濃度、あるいは、設定される香味の持続時間に応じて適当に増減することができる。
【0036】
この実施形態では、図2(a)に表れているように、上記香料封入カプセル4は、パイプ本体2と一体的な第1の圧潰部材6と、吸い口3と一体的な第2の圧潰部材7との間に配置されている。
【0037】
図6(a),(b)に示したように、第1の圧潰部材6は、より具体的には、パイプ本体2の先端部からパイプ本体2の軸心に沿って基端側に延出する針状の形態を有しており、パイプ本体2の先端部において内周に形成した複数のリブ状支持部61(図8、図9参照)に根元部が保持されるロッド部62を介して、このロッド部62よりも小径の針状に形成されている。上記支持部61がリブ状を呈しているのは、パイプ本体内での空気流通路を確保するためである。
【0038】
この実施形態ではまた、上記の針状の圧潰部材6に、リング状ガイド部材63が套嵌されている。このガイド部材63は、この第1の圧潰部材6が後に詳述する第2の圧潰部材7と協働して上記の香料封入カプセル4を圧し潰す作用をする際に、この針状の圧潰部材6が撓んでしまうことを防止する。上記したように、ロッド部62に対して針状の圧潰部材6が小径であるが故にこれらの境界に段部64が形成されるが、この段部64は、上記のガイド部材63が所定以上にパイプの先端側に移動しないようにするストッパとしての役割をはたす。したがって、このリング状ガイド部材63は、上記の段部64に当接した状態においては、上記した針状の圧潰部材6と協働して、香料封入カプセル4を圧し潰す作用を助ける役割をもはたす。なお、図6(b)に良く表れているように、このリング状ガイド部材63の外周には、切り込み63aが設けられており、したがって、パイプ本体2内での空気流通がこのリング状ガイド部材63によって阻害されることはない。また、上記ロッド部62の周囲には、フィルタ8を装填しておくのが好ましい。
【0039】
一方、図7(a)〜(c)に示したように、第2の圧潰部材7は、吸い口3に連結されてパイプ本体2の軸心方向に延出するロッド部71の先端に設けられたピストン状を呈している。ロッド部71の基端側には、図7(c)に良く表れているように断面十字状をした挿入部72が形成されており、この挿入部72が吸い口3の貫通孔32の先端側に圧入される。このロッド部71の先端側には、小径部73が形成されており、この小径部73に、リング状のピストン部材74が外嵌されて、第2の圧潰部材7が構成されている。ロッド部71の先端小径部73の端面には、上記した針状の第1圧潰部材6の先端部が嵌まり込む凹部75が形成されている。上記リング状ピストン部材74の外周には、切り込み74aが設けられており、それ故に、空気流通が阻害されることはない。上記ロッド部の基端側挿入部72が断面十字状を呈しているのもまた、空気流通路を確保するためである。また、上記ロッド部71の周囲には、フィルタ9を装填しておくのが好ましい。
【0040】
なお、図8〜10に表れているように、パイプ本体2の内周には、パイプ本体の軸方向に延びる凸条22が周方向に複数箇所形成されている。上記したように、パイプ本体2の内壁と上記ロッド部71との間にフィルタ9が装填されるのが望ましいが、その場合、このような凸条22を形成しておくと、フィルタ9をパイプ本体の内壁から部分的に浮き上がらせることができ、フィルタそれ自体の嵩密度、あるいは、液状香料がしみ込んだ状態でのフィルタの通気性との関係で、必要以上に圧力損失が大きくなるのを防止することができる。
【0041】
次に、上記の構成をもつパイプの作用あるいは使用方法を説明する。
【0042】
図2(a)に示されるように、このパイプXの使用前の状態においては、吸い口3の係合部30がパイプ本体2の係合突起21に係合していて、パイプXは、伸長状態において節度感をもって保持される。したがって、このパイプXを携行する場合等において、不用意にパイプ本体2と吸い口3とが相対移動してしまうことはない。
【0043】
使用にあたっては、保護キャップ5が装着された状態において、吸い口3をパイプ本体2の方向に押し込む。そうすると、上記係合部30と係合突起21との係合が解除され、吸い口3とパイプ本体2とは、スムーズにパイプが短縮するように相対移動する。この過程において、後記するように、第1の圧潰部材6と第2の圧潰部材7との協働作用によってそれらの間に配置されている香料封止カプセル4が潰されるが、吸い口3をある程度押し込んだ状態において、図2(b)に示されるように、係合部31と係合突起21とが相互係合して、パイプの短縮状態が保持される。これにより、不用意に吸い口3とパイプ本体2とが相互伸長するといったことは防止される。このように、使用後のパイプXは、使用前に比べて、全長が短縮状態となるという外形的に明確な変化があるので、使用済であるか否かを容易に判別することができる。
【0044】
ピストン状の第2の圧潰部材7と針状の第1の圧潰部材6とが相互に近接する過程において、針状の第1の圧潰部材6は、球状の香料封入カプセル4を突き刺すようにして潰してゆく。針状の第1の圧潰部材6は、リング状ガイド部材63が套嵌されているので、撓み変形が防止され、また、香料封入カプセル4はパイプ本体2の内壁によってその断面方向の移動が阻止されているので、このカプセル4が球状をしているにもかかわらず、上記針状の第1の圧潰部材6により、その表面の定点を確実に突き破ることができる。いったん皮膜の一部が破けると、そこから内部の液状香料が流出するので、このカプセル4をさらに圧縮するのにそれほど力はいらない。図1〜10に示す実施形態では、上記針状の第1の圧潰部材6によって表面が突き破られたカプセル4は、段部64によって移動が阻止されたリング状ガイド部材63による押圧力により、内部の液状香料を絞り出すようにしてさらに潰される。こうして1つ目の香料封入カプセル4が潰された後、同様にして2つ目の香料封入カプセル4も潰される。ついには、図2(b)に示されるように、針状の第1の圧潰部材6の先端が第2の圧潰部材7の凹部75に入り込み、かつ、リング状ガイド部材63とピストン状の第2の圧潰部材7とが密接する状態となるので、潰された香料封入カプセル4内の液状香料は、無駄になることなく、ほぼ完全にパイプ本体2内に絞り出される。
【0045】
上記のようにしてパイプ本体2内に流出した液状香料は、各フィルタ8,9にしみ込んで保持され、不用意に外部に漏れ出ることはなく、また、香味が長時間持続させられる。
【0046】
また、パイプ本体2は、透明の樹脂で形成されているので、その内部の香料封入カプセル4の状態を外部から一目で確認することができる。これにより、パイプXが使用済であるか否かを、より確実かつ容易に判別することができる。また、香料封入カプセルの色彩を異ならせることにより、香料の種類を視覚的に確認できるようにすることもできる。さらには、使用に際して香料封入カプセル4が上記のようにして圧し潰され、かつ内部の液状香料が広がるといった動的な状況を視覚的に確認できるという楽しさも生じる。
【0047】
もちろん、この発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内で種々の変形が可能である。
【0048】
たとえば、図11(a)に示すように、第2の圧潰部材7として、針状の圧潰部材を用いることにより、第1の圧潰部材6と第2の圧潰部材7との位置を置きかえた構成としても、上記と同様の作用効果を期待することができる。
【0049】
また、図11(b)に示すように、第1圧潰部材6のロット部62を短くし、フィルタ8を取り除くことにより、パイプXの全長を短縮してもよい。これにより、パイプXの軽量化やコストダウンを図ることができる。
【0050】
さらには、図11(c)に示すように、第1圧潰部材6も第2圧潰部材7と同様、ピストン状の形状にしてもよい。これにより、パイプXの内部構造を簡略化することができ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るパイプの一例を示す全体図である。
【図2】(a)は、本願発明に係るパイプの一例を示す断面図である。
(b)は、本願発明に係るパイプの一例を示す断面図である。
【図3】図2(a)(b)のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】吸い口の一例を示す全体図である。
【図5】図4(a)のV−V線に沿う断面図である。
【図6】(a)は、針状圧潰部材の一例を示す断面図である。
(b)は、図6(a)のVIb−VIb線に沿う断面図である。
【図7】(a)は、ロッドと一体化されたピストン状圧潰部材の一例を示す断面図である。
(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線に沿う断面図である。
(c)は、図7(a)のVIIb−VIIb線に沿う断面図である。
【図8】パイプ本体の一例を示す断面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿う断面図である。
【図11】(a)は、本願発明に係るパイプの他の例を示す断面図である。
(b)は、本願発明に係るパイプの他の例を示す断面図である。
(c)は、本願発明に係るパイプの他の例を示す断面図である。
【図12】従来のパイプの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
X   パイプ
1   吸気孔
2   パイプ本体
3   吸い口
4   香料封入カプセル
6   第1の圧潰部材(第1圧潰部材)
7   第2の圧潰部材(第2圧潰部材)
8   フィルタ
9   フィルタ
63  リング状ガイド部材
75  凹部

Claims (11)

  1. 一端に吸気孔を有し、他端が開放する筒状のパイプ本体と、
    このパイプ本体の他端に軸方向相対移動可能に嵌合させられた吸い口と、
    上記パイプ本体の内部に保持された1または複数個の香料封入カプセルと、
    を備えたパイプであって、
    上記香料封入カプセルは、上記パイプ本体と上記吸い口とをパイプ全長が短縮するように相対移動させることにより加わる外力によって圧し潰されることを特徴とする、パイプ。
  2. 上記パイプ本体の内部には、上記パイプ本体と一体的な第1の圧潰部材と、上記吸い口と一体的な第2の圧潰部材とが配置されており、上記香料封入カプセルは、上記第1の圧潰部材と上記第2の圧潰部材との間に配置されている、請求項1に記載のパイプ。
  3. 上記第1の圧潰部材と上記第2の圧潰部材の一方は、上記パイプ本体の軸心に沿って延びる針状の部材であり、他方は、ピストン状の部材である一方、上記香料封入カプセルは、上記パイプ本体の内径と同等かやや小径の略球状をしている、請求項2に記載のパイプ。
  4. 上記ピストン状の圧潰部材には、上記針状の圧潰部材の先端を受け入れる凹部が形成されている、請求項3に記載のパイプ。
  5. 上記針状の圧潰部材には、この針状の圧潰部材の撓み変形を防止するリング状ガイド部材が套嵌されている、請求項3または4に記載のパイプ。
  6. 上記第2の圧潰部材は、パイプ本体の軸心に沿って延びるロッドを介して上記吸い口に一体的に連結されており、上記ロッドを取り囲むようにしてフィルタが装填されている、請求項3ないし5のいずれかに記載のパイプ。
  7. 上記第1の圧潰部材は、パイプ本体の軸心に沿って延びるロッドを介して上記パイプ本体の適部と一体的に連結されており、上記ロッドを取り囲むようにしてフィルタが設けられている、請求項3ないし6のいずれかに記載のパイプ。
  8. 上記パイプ本体は、少なくとも上記香料封入カプセルが配置されている部位が透明とされている、請求項1ないし7のいずれかに記載のパイプ。
  9. 上記香料封入カプセルは、香料を含む液状香味成分を略球状の皮膜内に封入したものである、請求項1ないし8のいずれかに記載のパイプ。
  10. 上記皮膜は、ゼラチンによって形成されている、請求項9に記載のパイプ。
  11. 上記パイプ本体と上記吸い口とは、パイプの使用前の状態においては所定の伸長状態において節度感をもって係止されている、請求項1ないし10のいずれかに記載のパイプ。
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