JP2004112925A - スイッチング電源回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】他励のフルブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して、部分共振電圧回路を組み合わせた複合共振形コンバータにおいて、1つのコントロールIC2により出力される第1のドライブ(ハイサイド用)信号を利用して、スイッチング素子Q1,Q4をスイッチング駆動する。また、第2のドライブ(ローサイド用)信号を利用して、スイッチング素子Q2,Q3をスイッチング駆動するように構成する。そのうえで、AC150V以下ではフルブリッジ結合によるスイッチング動作で、AC150V以上ではハーフブリッジ結合によるスイッチング動作となるように切り換え制御を行う構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に電源として備えられるスイッチング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源回路として、例えばフライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知られている。これらのスイッチングコンバータはスイッチング動作波形が矩形波状であることから、スイッチングノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、電力変換効率の向上にも限界があることが分かっている。
そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバータによるスイッチング電源回路が各種提案されている。共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数により構成することができるというメリットも有している。
【0003】
またスイッチング電源回路としては、例えば日本や米国等の交流入力電圧AC100V系の地域と欧州等のAC200V系の地域に対応するように、例えば約AC85V〜288Vの交流入力電圧範囲に対応するようにされた、いわゆるワイドレンジ対応の電源回路が知られている。また、一次側のスイッチングコンバータとしては、電流共振形が採用されている。
【0004】
図7の回路図は、先に本出願人が提案した発明に基づいて構成することのできるワイドレンジ対応のスイッチング電源回路の一構成例を示している。
この図に示す電源回路においては、ワイドレンジ対応の構成として、スイッチングコンバータに対する直流入力電圧である整流平滑電圧Eiについて、商用交流電源AC(交流入力電圧VAC)がAC100V系とAC200V系の場合とで、レベルが切り換わるように構成されている。
【0005】
この場合の整流回路系は、商用交流電源AC(交流入力電圧VAC)に対して接続されるブリッジ整流回路Diと、直列接続された2本の平滑コンデンサCi1−Ci2を図のようにして接続して成る。整流平滑電圧Eiは、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端電圧として得られる。
また、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子と、平滑コンデンサCi1−Ci2の接続点との間には、リレースイッチSを挿入している。このリレースイッチSは、整流回路切換モジュール5に接続されたリレーRLの駆動状態に応じて、オン/オフされる。
【0006】
整流回路切換モジュール5は、リレーRLを駆動することで、上記整流回路系の動作をAC100V系とAC200V系とで切り換えるために設けられる。このために、入力端子T1には、分圧抵抗R50,R51,R52,R53により、ブリッジ整流回路Diの整流出力を分圧して得られる電圧レベルが入力されるようになっている。また、リレー駆動端子T2,T3間に対してリレーRLが接続される。なお、この場合のリレー駆動端子T2には、例えばここでは図示しない、スタンバイ電源部からの5Vの電圧が供給されるようになっている。リレーRLは、自身の導通状態に応じて、リレースイッチSをオン/オフ制御する。なお、ここでは、リレーRLが導通状態ではリレースイッチSがオン、リレーRLが非導通状態ではリレースイッチSがオフとなるようにされている。
【0007】
上記した構成による整流回路の切り換え動作は次のようになる。
整流回路切換モジュール5では、入力端子T1に入力される整流平滑電圧Eiの分圧レベルと所定の基準電圧とを比較する。上記分圧レベルは、交流入力電圧VAC=150V以上であるときには上記基準電圧以上となり、交流入力電圧VACが150V以下であるときには上記基準電圧以下となる。つまり、上記基準電圧は、交流入力電圧VAC=150Vに対応したレベルとなっている。
そして、整流回路切換モジュール5では、分圧レベルが基準電圧以下であるときには、リレーRLをオンとし、基準電圧以上であるときには、リレーRLをオフとする。
【0008】
ここで、例えば商用交流電源がAC200V系であるのに対応して、交流入力電圧VAC=150V以上に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが発生したとする。
この場合には、分圧レベルが上記基準電圧以上となるので、整流回路切換モジュール5は、リレーRLをオフとする。これに応じて、リレースイッチSもオフ(オープン)となる。
リレースイッチSがオフの状態では、交流入力電圧VACが正/負となる各期間において、交流入力電圧VACをブリッジ整流回路Diにより整流して平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路に整流電流を充電する動作が得られる。つまり、通常のブリッジ整流回路を備えた全波整流回路による整流動作が得られる。これにより、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端電圧として、交流入力電圧VACの等倍に対応する整流平滑電圧Eiが得られる。
【0009】
これに対して、商用交流電源がAC100V系であるのに対応して、交流入力電圧VAC=150V以下に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが発生したとする。
この場合には、分圧レベルが上記基準電圧以下となって、整流回路切換モジュール5はリレーRLをオンとするので、リレースイッチSはオン(クローズ)となるように制御される。
リレースイッチSがオンの状態では、交流入力電圧VACが正の期間では、ブリッジ整流回路Diによる整流出力が、平滑コンデンサCi1のみに充電される整流電流経路が形成される。一方、交流入力電圧VACが負の期間では、ブリッジ整流回路Diによる整流出力が、平滑コンデンサCi2のみに充電される整流電流経路が形成される。
このようにして整流動作が行われる結果、平滑コンデンサCi1,Ci2の各両端電圧として、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルが生じることになる。従って、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端電圧である整流平滑電圧Eiとしては、交流入力電圧VACの2倍に対応するレベルが得られる。つまり、いわゆる倍電圧整流回路が形成されるものである。
【0010】
このようにして、図7に示す回路では、商用交流電源AC100V系の場合には、倍電圧整流動作により、交流入力電圧VACの2倍に対応する整流平滑電圧Eiを生成し、商用交流電源AC200V系の場合には、通常の全波整流動作により、交流入力電圧VACの等倍に対応する整流平滑電圧Eiを生成する。つまり、商用交流電源AC100V系の場合と、AC200V系の場合とで、結果的に同等レベルの整流平滑電圧Eiが得られるようにしており、これによって、ワイドレンジ対応としているものである。そして、この整流平滑電圧Eiは、後段の電流共振形コンバータに対して、直流入力電圧として入力される。
【0011】
上記直流入力電圧を入力してスイッチングする電流共振形コンバータとしては、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1(ハイサイド),Q2(ローサイド)をハーフブリッジ結合により接続している。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、図示する方向により、それぞれダンパーダイオードDD1,DD2を並列に接続している。
【0012】
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
【0013】
この電源回路においては、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するために、例えば汎用のICによる発振・ドライブ・保護回路6が設けられる。この発振・ドライブ・保護回路6は、発振回路、駆動回路、及び保護回路を有している。そして、発振回路及び駆動回路によって、所要の周波数によるドライブ信号(ゲート電圧)をスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対して印加する。これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行う。
また、発振・ドライブ・保護回路6の保護回路は、例えば当該電源回路における過電流、過電圧の状態を検出して、回路が保護されるようにしてスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作を制御する。
【0014】
また、この発振・ドライブ・保護回路6は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に対してタップ出力を設けることで形成した三次巻線N3に対して、整流ダイオードD3及びコンデンサC3から成る整流回路によって得られた低圧の直流電圧を入力して動作電源としている。また、起動時においては、起動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiを入力することで起動するようになっている。
【0015】
絶縁コンバータトランスPITはスイッチング素子Q1 、Q2のスイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁トランスPITの一次巻線N1の巻始め端部は、一次側並列共振コンデンサC1の直列接続を介して、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が伝達されるようになっている。
また、一次巻線N1の巻終わり端部は、一次側アースに接続される。
ここで、上記直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータトランスPITのリーケージインダクタンスL1によっては、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成する。
【0016】
上記説明によると、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(L1−C1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路とが組み合わされた形式を採っていることになる。本明細書では、このようなスイッチングコンバータについて、複合共振形コンバータということにする。
【0017】
ここでの図示による説明は省略するが、絶縁コンバータトランスPITの構造としては、例えばフェライト材によるE型コアを組み合わせたEE型コアを備える。そして、一次側と二次側とで巻装部位を分割したうえで、一次巻線N1(三次巻線N3)の組と、次に説明する二次巻線N2,N2Aを、EE型コアの中央磁脚に対して巻装している。
そして、EE型コアの中央磁脚に対しては1.0mm〜1.5mmのギャップを形成するようにしている。これによって、0.7〜0.8程度の結合係数による疎結合の状態を得るようにしている。
【0018】
絶縁コンバータトランスPITの二次側には、二次巻線N2と、この二次巻線N2よりも少ない巻き数による二次巻線N2Aが巻装されている。これらの二次側巻線には、一次巻線N1に伝達されたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起される。
【0019】
二次巻線N2に対しては、図示するようにしてセンタータップを設けて二次側アースに接続した上で、図示するようにして整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コンデンサCO1から成る両波整流回路を接続している。これにより、平滑コンデンサCO1の両端電圧として二次側直流出力電圧EO1が得られる。この二次側直流出力電圧EO1は、図示しない負荷側に供給されるとともに、次に説明する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
【0020】
また、二次巻線N2Aも、センタータップを二次側アースに接続した上で、整流ダイオードDO3,DO4、及び平滑コンデンサCO2から成る両波整流回路を接続している。これにより、平滑コンデンサCO2の両端電圧として二次側直流出力電圧EO2が得られる。また、二次側直流出力電圧EO2は、制御回路1のための動作電源としても供給される。
【0021】
制御回路1は、二次側直流出力電圧EO1のレベル変化に応じた検出出力を発振・ドライブ・保護回路6に供給する。発振・ドライブ・保護回路6では、入力された制御回路1の検出出力に応じてスイッチング周波数が可変されるようにして、スイッチング素子Q1,Q2を駆動する。このようにしてスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変されることで、二次側直流出力電圧のレベルが安定化されることになる。
【0022】
続いて、上記図7に示した基本構成を基として、テレビジョン受像機の電源を構成した場合の回路例を、図8及び図9に示す。なお、実際には、図8及び図9に示される各回路を組み合わせて1つの回路が形成される。そして、図8及び図9との各回路間の接続関係は、各図において、▲1▼〜▲7▼で示すラインを対応させることで示している。
【0023】
先ず、図8においては、商用交流電源ACのラインに対して、ノイズ除去のためのフィルタブロック11が接続され、この後段に、AC整流部12が設けられる。AC整流部12は、例えば主として、リレースイッチS11,S12、ブリッジ整流回路Di、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路などを備え、これらの部品素子を図示するようにして接続して形成される。
このAC整流部12には、これら2つのリレースイッチS11,S12が連係して動作することで、図7に示したリレースイッチSとしての機能が得られる。リレースイッチS11,S12は、それぞれリレーRL1,RL2により、端子t3に対して端子t1,t2の何れかが選択されるようにして択一的に切り換えが行われる。そして、リレースイッチS11は全波整流動作に対応し、リレースイッチS12が倍電圧整流動作に対応する。
【0024】
つまり、商用交流電源ACがAC200V系であるのに応じて、リレースイッチS11が端子t2、リレースイッチS12が端子t1に切り換わるに制御されると、通常の全波整流回路系が形成される。逆に、AC100V系の商用交流電源ACに応じて、リレースイッチS11が端子t1、リレースイッチS12が端子t2に切り換わっている状態では、倍電圧整流動作が得られる。
また、リレースイッチS11、リレースイッチS12を、共に端子t1に切り換えるように制御した状態では、AC整流部12に対して商用交流電源ACを供給しないことになるから、メインコンバータ13は動作しない。つまり、メイン電源をオフとする。
なお、リレースイッチS11,S12を切り換えるためのリレーRL1,RL2の駆動制御動作については後述する。
【0025】
そして、上記全波整流動作又は倍電圧整流動作に応じて、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路には整流平滑電圧Eiが得られ、後段のメインコンバータ13に対して直流入力電圧として入力される。このメインコンバータ13が、図7に示したスイッチング素子Q1,Q2を備えて成るハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータを備えた電源回路に相当することになる。
【0026】
なお、平滑コンデンサCi1,Ci2の各両端に対して並列に接続されるダイオードD50,D50は、整流ダイオードの二次不良対策のために備えられるもので、平滑コンデンサCi1,Ci2に逆電圧が印加されるのを防ぐ。
また、同じく平滑コンデンサCi1,Ci2の各両端に対して並列に接続される抵抗Ri,Riはバランス抵抗である。また、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端に対して並列に接続されるバリスタBLは、倍電圧整流回路側のリレー回路の溶着や、Vcc浮きなどの対策のために挿入されているものである。
【0027】
また、スタンバイコンバータ14は、商用交流電源ACを、整流ダイオードDi2−Di2及び平滑コンデンサCi3から成る半波整流回路により整流を行って得られた整流平滑電圧Ei3を入力して定常的に動作する。このスタンバイコンバータ14により得られる直流電源電圧は、例えばスタンバイ時におけるマイクロコンピュータのための動作電源として供給される。
【0028】
また、デガウス部15は、デガウスコイルDGC、正極性サーミスタPS1,PS2、及びリレースイッチS13を図示するようにして接続して形成される。このデガウス部15は、周知のようにして、デガウスコイルDGCに電流を流すことで、表示デバイスである陰極線管の消磁を行うための回路部である。このデガウス部25は、例えばテレビジョン受像機が備えるマイクロコンピュータが、リレーを駆動して、リレースイッチS13のオン/オフ制御を行うことで、その動作のオン/オフも制御される。
【0029】
図9に示す回路部は、パワーオン部16、リレードライブ部17、基準電圧部18、スタンバイ検出部19、メイン検出部20から成る。
パワーオン部16は、例えばマイクロコンピュータからのオン/オフコントロール信号P−ONに応じて、メイン電源部(メインコンバータ13)についてのオン/オフコントロールをするための回路部位とされる。
【0030】
リレードライブ部17は、リレーRL1,RL2を駆動して、リレースイッチS11,S12の切り換えを制御するための回路部である。このリレードライブ部17は、後述するスタンバイ検出部16及びメイン検出部17による検出出力に応じて、リレーRL1,RL2を駆動するように動作する。
【0031】
基準電圧部18は、スタンバイコンバータ14(STBY)の一次側から供給される電源電圧Vccを入力して、この場合には、例えば5Vにより安定化された所定レベルの基準電圧Vrefを出力する。
【0032】
スタンバイ検出部19は、スタンバイコンバータ14側の整流ダイオードDi2の整流出力電圧を入力して、この整流出力電圧レベルに基づいて、商用交流電源ACがAC100系とAC200V系の何れであるのかを検出する。
このために、スタンバイ検出部19には検出電圧入力ラインLn1,Ln2が設けられる。
検出電圧入力ラインLn1は、破線で示す分圧抵抗部Aにより、スタンバイコンバータ14側の整流ダイオードDi2のカソードとGND間の電位を分圧して得た分圧電位を検出電圧として、コンパレータIC21に内蔵されるコンパレータCmp1の反転入力(4番端子)に供給している。コンパレータCmp1の非反転入力(5番端子)には、抵抗を介して所定レベルとされた基準電圧Vrefが入力される。なお、この検出電圧入力ラインLn1の分圧点に対しては、破線により回路部Cとして示すように、ダイオードと抵抗を並列接続した回路が挿入される。この回路部Cは、例えば商用交流電源AC200V系の条件でのランダムオン/オフ試験に際して、オン→オフ→オンのタイミングによってオフからオンに遷移するときに、一時的に倍電圧整流動作により起動してしまうことを防止する目的で挿入される。
【0033】
検出電圧入力ラインLn2も、破線で示す分圧抵抗部Bにより、整流ダイオードDi2のカソードとGND間の電位を分圧している。この分圧抵抗は、分圧抵抗部Aと同じ抵抗値が選定される。そして分圧して得た分圧電位を検出電圧として、コンパレータIC21のコンパレータCmp2の反転入力(6番端子)に供給する。コンパレータCmp1の非反転入力(7番端子)には、抵抗を介して基準電圧Vrefが入力される。
また、破線により示す回路部Dを成すコンデンサの各々は、GNDとコンパレータCmp1,Cmp2の各入力との間に挿入されるものであるが、これらのコンデンサは。メインコンバータ13のスイッチングノイズを除去するために挿入されている。
このようにして、スタンバイ検出部19において、実際には[検出ラインLn1,コンパレータCmp1][検出ラインLn2,コンパレータCmp2]による2系統の検出回路系が備えられる。
【0034】
ここで、上記したコンパレータの動作について、コンパレータCmp2を例に説明しておく。
コンパレータCmp2は、非反転入力(7番端子)に入力される、例えば5Vの基準電圧Vrefと、検出ラインLn2から反転入力(6番端子)に入力される検出電圧のレベルを比較する。そして、検出電圧が基準電圧Vref以下の場合には、出力(1番端子)はオープンとなり、基準電圧Vref以上の場合には所定のLowレベルにより吸い込みを行うことになる。また、コンパレータCmp2がLowレベルを出力したときには、1番端子と7番端子の間に挿入されたダイオードが導通して、非反転入力(7番端子)に入力されるべき基準電圧Vrefが抵抗により分圧されて、5Vよりも低下する。これにより、コンパレータCmp2の動作はヒステリシス特性を有するようにされている。他方のコンパレータCmp1も、その動作は同様のものとなる。
【0035】
そして、上記検出ラインLn1,Ln2の分圧点から得られる検出電圧と基準電圧Vrefとの関係としては、交流入力電圧VAC=150V以下(AC100V系とされる)の場合に、検出電圧が基準電圧Vref以下となり、交流入力電圧VAC=150V以上(AC200V系)の場合に、検出電圧が基準電圧Vref以上となるようにされている。
【0036】
メイン検出部20は、メインコンバータ13に対応して設けられるAC整流部12の整流出力電圧レベルに基づいて、商用交流電源ACがAC100系とAC200V系の何れであるのかを検出する。
そして、メイン検出部20においても、2系統の検出ラインLn3,Ln4が設けられる。検出ラインLn3,L4は、図示するようにして、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子とGND間に対して並列に分圧抵抗を接続して形成される。
検出ラインLn3の分圧点は、コンパレータCmp3の反転入力(10番端子)に接続される。コンパレータCmp3の非反転入力(11番端子)は基準電圧Vrefが入力される。
一方の検出ラインLn4の分圧点は、コンパレータCmp4の反転入力(8番端子)に接続される。コンパレータCmp3の非反転入力(9番端子)は基準電圧Vrefが入力される。
ここでのコンパレータCmp3,Cmp4の動作は、上記したコンパレータCmp1と同様となる。
【0037】
このようにして、メイン検出部20においても、[検出ラインLn3,コンパレータCmp3][検出ラインLn4,コンパレータCmp4]による2系統の検出回路系を有している。
但し、メイン検出部20において、倍電圧/全波整流回路の切り換えに用いられるのは、[検出ラインLn3,コンパレータCmp3]による検出回路系のみであり、他方の[検出ラインLn4,コンパレータCmp4]による検出回路系は、プロテクト動作に用いられる。このため、検出ラインLn3,Ln4における分圧抵抗値は、それぞれの役割に応じて異なる値が選定されている。
【0038】
従って、図8及び図9に示す回路では、スタンバイ検出部19内の検出回路系[検出ラインLn1,コンパレータCmp1][検出ラインLn2,コンパレータCmp2]と、メイン検出部20内の検出回路系[検出ラインLn3,コンパレータCmp3]の3つの検出回路系が、倍電圧/全波整流回路の切り換えに対応して備えられていることになる。
そして、これに応じて、上記3つの各検出回路系のコンパレータCmp1,Cmp2,Cmp3の各出力(1番端子、2番端子、13番端子)は、共に、リレードライブ回路17の動作をコントロールするコントロールラインCntに対して接続されている。
【0039】
上記のようにして、コントロールラインCntに対しては、各コンパレータCmp1,Cmp2,Cmp3の出力が接続されている。これにより、コントロールラインCntには、コンパレータCmp1,Cmp2,Cmp3が全てオープンとなっている状態では、このオープン出力に対応した所定レベルの正極性の電位が得られる。一方、コンパレータCmp1,Cmp2,Cmp3のうち、何れか1つでもLowに引き込むと、このLowレベルに対応した負極性の電位が生じる。
【0040】
また、リレードライブ回路17においては、上記したコントロールラインCntの電位変化に応じて、図8に示すリレーRL1、RL2の導通/非導通を制御するように駆動する。なお、このリレードライブ回路17において、ダイオードに対してツェナーダイオードが直列に接続されているのは、リレーをオフすべきときにおいて、より速い反応によりオフに切り換わる動作が得られるようにするためである。
【0041】
上記したコントロールラインCntに、正極性の電位が得られているときには、リレードライブ回路17内のトランジスタQがオフ状態にあるので、リレーRL1は非導通であるのに対して、リレーRL2は導通状態となる。このため、リレースイッチS11は端子t1、リレースイッチS12は、端子t2に接続されるようにコントロールされる。これによって、AC整流部12は、倍電圧整流回路が形成される。
コントロールラインCntに正極性の電位が得られているときとは、商用交流電源AC100V系(交流入力電圧VAC=150V以下)の状態が検出されている場合であり、適正に倍電圧整流動作が得られていることになる。
【0042】
これに対して、商用交流電源AC200V系(交流入力電圧VAC=150V以上)であることを検出して、コントロールラインCntに負極性の電位が得られているときには、リレードライブ回路17内のトランジスタQがオンとなる。これにより、上記とは逆に、リレーRL1が導通し、リレーRL2は非導通の状態に切り換わる。この結果、リレースイッチS11は端子t2、リレースイッチS12は、端子t1に接続されるように切り換わることとなって、AC整流部12としては全波整流回路が形成されることになる。
このようにして、実際にテレビジョン受像機に適用されるワイドレンジ対応の電源回路としても、AC100V系に対応しては倍電圧整流動作となり、AC200V系では全波整流動作となるように切り換えが行われる。
【0043】
ところで、上記のようにして、スタンバイ検出部19内の検出回路系[検出ラインLn1,コンパレータCmp1][検出ラインLn2,コンパレータCmp2]と、メイン検出部20内の検出回路系[検出ラインLn3,コンパレータCmp3]の3系統の検出回路系により、AC整流部12の整流動作の切り換え制御を行うようにしているのは、次のようなことによる。
先ず、スタンバイ検出部19において、ランダムオン/オフ対策にも対応する検出回路系[検出ラインLn1,コンパレータCmp1]は、次のような役割を有する。
上記したコントロールラインCntの電位の変化と、各コンパレータCmp1,Cmp2,Cmp3の出力との関係から分かるように、AC100V系に対応して倍電圧整流動作に切り換わるためには、3つの検出回路系における全てのコンパレータCmp1,Cmp2,Cmp3の出力がオープンとなっていることが必要であり、いずれか1つでもLow出力であると、コントロールラインCntの電位も負極性となって全波整流動作に切り換わる。
そして、検出回路系[検出ラインLn1,コンパレータCmp1]は、交流入力電圧VACのレベルが、AC200V系からAC100V系に低下したときに対応して、AC整流部12の整流動作を全波整流動作から倍電圧整流動作に切り換えるのにあたり、この動作の切り換え制御を実質的に支配して行っている。つまり、全波整流動作から倍電圧整流動作への切り換えは、この検出回路系[検出ラインLn1,コンパレータCmp1]が主導する。
【0044】
全波整流動作と倍電圧整流動作を切り換える回路構成を採る場合において、例えば商用交流電源がAC200V系のときに、瞬間停電などによって検出電圧が低下してAC100V系であると誤検出して倍電圧整流動作に切り換わると、直流入力電圧用の平滑コンデンサ(Ci1,Ci2)や半導体のスイッチング素子に耐圧以上の電圧が印加して破壊してしまうことが考えられる。
そこで、例えば図8及び図9に示す回路では、上記のようにして、3つの検出回路系における全てのコンパレータCmp1,Cmp2,Cmp3の出力がオープンとなったときのみ、AC100V系に対応して倍電圧整流動作に切り換わるようにし、さらには、ランダムオン/オフ対策の検出回路系[検出ラインLn1,コンパレータCmp1]が、倍電圧整流動作への切り換え制御の主導をとるようにされる。このようにすれば、例えば上記したように、AC200V系時において倍電圧整流動作に切り換わる誤動作が生じることがない。
【0045】
残る2つの検出回路系である、スタンバイ検出部19内の検出回路系[検出ラインLn2,コンパレータCmp2]と、メイン検出部20内の検出回路系[検出ラインLn3,コンパレータCmp3]は、逆に、交流入力電圧VACのレベルが、AC100V系からAC200V系に上昇したときに主導して動作する。
ここで、上記2つの検出回路系のうち、スタンバイ検出部19内の検出回路系[検出ラインLn2,コンパレータCmp2]は、メイン電源起動前のスタンバイ時において検出できるという点が利点となる。ただし、スタンバイコンバータ14の整流回路は半波であるから、検出できる半波と検出できない半波とが存在する。このため、検出動作に遅れが生じる可能性はある。しかしながら、検出できる方の半波が早いタイミングで現れれば、3つの検出回路系のうち、最も早い検出動作が行える。
そして、メイン検出部20内の検出回路系[検出ラインLn3,コンパレータCmp3]は、上記のようにして、スタンバイ検出部19内の検出回路系[検出ラインLn2,コンパレータCmp2]による検出タイミングが検出できない半波の期間となって、検出動作が遅れた場合を補償するために必要となるものである。
つまり、検出回路系[検出ラインLn3,コンパレータCmp3]は、メインコンバータ13に対応するAC整流部12から整流出力を入力しているから、スタンバイ時に検出を行うことはできない。しかしながら、AC整流部12からは、両波を検出できるから、スタンバイ検出部19側では検出できない半波の期間においても、検出を行うことができるものである。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの説明から理解されるように、上記図7に示した電源回路と、この図7の構成を基とした図8及び図9に示した回路においては、電磁リレーによって全波整流動作と倍電圧整流動作を切り換えるように構成している。そして、この構成のために、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を得るための平滑コンデンサとしては、平滑コンデンサCi1,Ci2の2本が必要とされる。
つまりは、整流動作の切り換えのために、少なくとも、平滑コンデンサを2本に増加し、所要数の電磁リレーを追加することになる。このため、それだけ部品点数が増加してコストアップとなると共に、電源回路基板のマウント面積も拡大して大型化してしまう。特に、これら平滑コンデンサや電磁リレーは、電源回路を形成する部品のうちでも大型であるから、基板サイズは相当に大きくなってしまう。
【0047】
また、全波整流動作と倍電圧整流動作を切り換えるための実際の回路としては、誤動作が生じないようにするために、例えば図8及び図9により説明したようにして、メインコンバータ13の直流入力電圧だけではなく、スタンバイコンバータ14の直流入力電圧も検出する構成を採る必要がある。このためには、例えば、図9に示したように、通常はコンパレータIC21を実装することになるが、これにより、例えばICの外付け部品や周辺回路の部品点数が増加して、上記したコストアップ、及び回路基板サイズの大型化がさらに助長されてしまうことになる。
また、このような場合において、例えば製造時における部品管理や作業効率を向上させるために、図7の整流回路切換モジュール5としても示すように、整流動作切り換えのための回路系をモジュールとして組んでユニット化することがある。しかしながら、このようにしてユニット化した場合には、ピン端子を追加するなど、さらに多くの部品が必要になるので、さらに高コスト化してしまう。
【0048】
また、誤動作防止を目的としてスタンバイコンバータの直流入力電圧を検出するということは、整流動作切り換えのための回路を備えるワイドレンジ対応の電源回路としては、メイン電源の他にスタンバイ電源を備える電子機器でなければ、実際に使用することができないということになる。つまり、電源を実装可能な電子機器の種類が、スタンバイ電源を備えたものに限定されるわけであり、それだけ利用範囲が狭くなっているという問題も有している。
【0049】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮してスイッチング電源回路として次のように構成する。
つまり、入力された商用交流電源の等倍に対応するレベルの整流平滑電圧を生成する整流平滑電圧生成手段を備える。
また、整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチング動作を行うものとされ、ハイサイドのスイッチング素子と、ローサイドのスイッチング素子とをハーフブリッジ結合して形成される第1のハーフブリッジ回路と、第2のハーフブリッジ回路を備え、これら第1のハーフブリッジ回路と第2のハーフブリッジ回路とを、直流入力電圧と一次側アース間に対して並列に接続することで形成される、フルブリッジ結合のスイッチング手段を備える。
また、スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段を備える。
また、少なくとも、スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、この一次巻線に得られたスイッチング出力としての交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスと、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路を備える。
また、各ハーフブリッジ回路を形成する2つのスイッチング素子のうち、一方のスイッチング素子に対して並列接続された部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、各スイッチング素子がターンオン及びターンオフするタイミングに応じてのみ電圧共振動作が得られる一次側部分電圧共振回路を備える。
また、絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチング駆動手段を制御して、スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段を備える。
さらに、商用交流電源のレベルに応じて、スイッチング手段のスイッチング動作を、フルブリッジ結合されたスイッチング素子によりオン/オフ動作を行うフルブリッジ動作と、ハーフブリッジ結合されたスイッチング素子によりオン/オフ動作を行うハーフブリッジ動作とに切り換える切換制御手段を備える。
そして、スイッチング駆動手段は、各スイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号として、互いに180°の位相差を有するとされる波形による、所要の周波数に応じた第1のドライブ信号と第2のドライブ信号を生成して出力するドライブ信号生成回路と、第1のドライブ信号に基づいて、上記第1のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子と第2のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子が同じオン/オフタイミングとなるようにスイッチング駆動する第1の駆動回路と、第2のドライブ信号に基づいて、第1のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子と第2のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子が同じオン/オフタイミングとなるようにスイッチング駆動する第2の駆動回路とを備える。
【0050】
上記構成によると、本発明のスイッチング電源回路は、一次側スイッチングコンバータとして、フルブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して、部分共振電圧回路を組み合わせた構成を採っていることになる。
そのうえで、スイッチング素子をスイッチング駆動するのにあたっては、1つのドライブ信号生成回路により、互いに180°の位相差を有するとされる第1のドライブ信号と第2のドライブ信号とを生成するようにされる。
そして、第1のドライブ信号に基づいては、一方の同じオン/オフタイミングの組となるべき、第1のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子と、第2のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子とをスイッチング駆動するようにされる。
また、第2のドライブ信号に基づいては、他方の同じオン/オフタイミングの組となるべき、第1のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子と、第2のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子とをスイッチング駆動するようにされる。
このような構成によれば、1つの第1のドライブ信号を基として、一方の同じオン/オフタイミングの組となるべき2本のスイッチング素子を駆動することが可能となっている。また、同じく、1つの第2のドライブ信号を基として、他方の同じオン/オフタイミングの組となるべき2本のスイッチング素子を駆動することが可能となっている。
そして、この構成に対して、本実施の形態では、商用交流電源を整流平滑化してスイッチングコンバータへの直流入力電圧(整流平滑電圧)を供給する整流平滑手段を、商用交流電源の等倍に対応する整流平滑電圧を生成する全波整流回路としたうえで、商用交流電源のレベルに応じて、スイッチング動作をフルブリッジ動作とハーフブリッジ動作とで切り換えるように構成される。
これにより、例えばワイドレンジ対応の電源回路を構成するのにあたっては、直流入力電圧(整流平滑電圧)を生成する整流回路系(整流平滑手段)として、異なる商用交流電源の公称レベルに応じて、倍電圧整流動作と全波整流動作とに切り換える必要はないこととなる。
【0051】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。この図1に示す電源回路は、一次側に対して、4石のスイッチング素子を備えたフルブリッジ結合方式の電流共振形コンバータが備えられる。そして、後述するようにして、商用交流電源がAC100V系とAC200V系の場合とで、スイッチング動作について、フルブリッジ結合方式とハーフブリッジ結合方式との間で切り換えが行われるようにすることで、ワイドレンジ対応としている。
また、スイッチング駆動方式としては他励式を採る。そして、この電流共振形コンバータのスイッチング素子がターンオン/ターンオフする時にのみ電圧共振する部分電圧共振回路が組み合わされている。
【0052】
図1に示す回路において、商用交流電源ACに対しては、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiとから成る全波整流回路が備えられる。この場合、平滑コンデンサCiの両端には、交流入力電圧VACの等倍に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが得られる。この整流平滑電圧Eiは、直流入力電圧として後段の電流共振形コンバータに対して入力される。
このようにして、本実施の形態としての図1に示す電源回路では、例えば先に図7に示したようにして、整流動作を切り換えるための回路系は備えられていないことが分かる。
【0053】
この図に示す電流共振形コンバータは、フルブリッジ結合方式とされることに対応して4石のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4を備える。また、この場合には他励式とされることに対応して、これらスイッチング素子Q1〜Q4には、電圧駆動タイプであるMOS−FETを選定している。
【0054】
スイッチング素子Q1のドレインは、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)のラインと接続される。スイッチング素子Q1のソースは、スイッチング素子Q2のドレインと接続される。スイッチング素子Q2のソースは一次側アースに対して接続される。
つまり、スイッチングQ1,Q2は、スイッチング素子Q1がハイサイドで、スイッチング素子Q2がローサイドとなるように、ハーフブリッジ結合されるようにして直列に接続され、これにより、1組のハーフブリッジ回路(第1のハーフブリッジ回路)を形成している。
【0055】
同様にして、スイッチング素子Q3のドレインは、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)のラインと接続され、ソースは、スイッチング素子Q4のドレインと接続される。スイッチング素子Q4のソースは一次側アースに対して接続される。つまり、スイッチングQ3,Q4については、スイッチング素子Q3がハイサイドで、スイッチング素子Q4がローサイドとなるようにしてハーフブリッジ結合して接続され、もう1組のハーフブリッジ回路(第2のハーフブリッジ回路)を形成する。
このような接続態様に依れば、スイッチング素子[Q1,Q2]の組と、スイッチング素子[Q3,Q4]の組とによる2組のハーフブリッジ回路が、直流入力電圧(Ei)のラインと一次側アース間に対して並列に挿入されていることになる。これにより、フルブリッジ結合方式としてのスイッチング回路系が形成されることになる。
【0056】
また、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間には、クランプダイオードDD1が並列に接続される。クランプダイオードDD1のアノード、カソードは、それぞれ、スイッチング素子Q1のソース、ドレインに対して接続される。このクランプダイオードDD1は、スイッチング素子Q1と共に1組のスイッチング回路を形成し、スイッチング素子Q1がターンオンするときの逆方向電流を流す経路を形成する。
同様の接続態様により、スイッチング素子Q2,Q3,Q4に対しても、それぞれ、クランプダイオードDD2,DD3,DD4が並列に接続される。
【0057】
また、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間には、ゲート−ソース間抵抗R12が接続される。同様に、スイッチング素子Q2,Q3,Q4に対しても、ゲート−ソース間抵抗R22,R32,R42が接続される。
【0058】
また、各ハーフブリッジ回路におけるローサイドのスイッチング素子Q2,Q4のドレイン−ソース間に対しては、それぞれ並列に、部分共振コンデンサCp1,Cp2が接続されている。
部分共振コンデンサCp1,Cp2のキャパシタンスと、後述する絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の漏洩インダクタンス成分L1によっては、それぞれ並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。
そして、このようにして、部分電圧共振回路が形成されることによっては、スイッチング素子Q1〜Q4がターンオン/ターンオフする短期間にのみ電圧共振する部分電圧共振動作が得られる。
なお、これらスイッチング素子Q1〜Q4についてのスイッチング駆動回路系の構成については後述する。
【0059】
絶縁コンバータトランスPITはスイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング出力を二次側に伝送する。
絶縁コンバータトランスPITの構造としては、ここでの図示は省略するが、例えばEE型コアに対して、一次巻線N1及び二次巻線N2を、一次側と二次側とに対応して形成された分割領域の各々に巻装して構成される。また、この場合の絶縁コンバータトランスPITにおいては、図示するように、一次側に三次巻線N3も巻装される。
【0060】
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端は、直列共振コンデンサC1を介してスイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインの接続点(スイッチング出力点)に接続される。また一次巻線N1の他端は、スイッチング素子Q3のソースとスイッチング素子Q4のドレインの接続点(スイッチング出力点)に接続される。
【0061】
そして、上記直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、一次巻線N1のインダクタンス成分L1を含む絶縁コンバータトランスPITの漏洩インダクタンス成分(L1)によっては一次側直列共振回路が形成される。
フルブリッジ結合方式では、後述するようにして、スイッチング素子[Q1,Q4]の組と、スイッチング素子[Q2,Q3]の組が交互にオン/オフするタイミングでスイッチング動作するが、上記のようにして一次巻線N1−直列共振コンデンサC1から成る一次側直列共振回路が、スイッチング出力点と接続されていることで、この一次側直列共振回路には、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング出力が伝達されることになる。そして、このスイッチング出力に応じて一次側直列共振回路が共振動作を行うことで、電流共振形としての動作が得られる。そして、一次巻線N1には、この電流共振形としての動作に応じて、共振波形に近い一次巻線電流I1が得られることとなる。
【0062】
このようにして、本実施の形態のスイッチングコンバータとしては、電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振動作とが複合的に得られていることになる。つまり、複合共振形コンバータとしての構成が採られている。
【0063】
また、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2には、上記一次巻線N1に伝達されるスイッチング出力に応じて励起された交番電圧が発生する。
この場合、二次巻線N2に対しては、センタータップが設けられている。このセンタータップは二次側アースに接続される。そのうえで、図示するようにして、二次巻線N2に対して、2本の整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コンデンサCoを接続することで、両波整流回路が形成される。この両波整流回路が、二次巻線N2に励起された交番電圧を入力して整流動作を行うことによって、平滑コンデンサCOの両端電圧として、二次側直流出力電圧EOが得られる。
二次側直流出力電圧EOは、図示しない負荷に対して供給される。さらに、この二次側直流出力電圧EOは、図示するように制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
【0064】
絶縁コンバータトランスPITの一次側に巻装される三次巻線N3に対しては、図示するようにして、ダイオードD4及びコンデンサC4から成る半波整流回路が接続される。この半波整流回路によって得られた低圧の直流電圧は、後述するコントロールIC2の電源入力端子Vccに対して、動作電源として供給される。
【0065】
制御回路1は、例えば二次側の直流出力電圧EOのレベルに応じてそのレベルが可変される電流又は電圧を制御出力として得る。この制御出力は、コントロールIC2の制御端子Vcに対して出力される。
コントロールIC2では、後述するようにして発振信号を生成するとともに、この発振信号を利用して、スイッチング素子を他励式により駆動するためのハイサイド用とローサイド用のドライブ信号を出力する。そして、このドライブ信号によって、スイッチング素子Q1〜Q4が所要のスイッチングタイミングによりスイッチング駆動されることになる。
そして、コントロールIC2では、制御端子Vcに入力された制御出力レベルに応じて、内部で生成する発振信号の周波数を可変するように動作する。これによって、ドライブ信号の周波数が制御出力レベルに応じて可変されることになる。つまり、コントロールIC2では、制御端子Vcに入力された制御出力レベルに応じて、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング周波数を可変制御するように動作する。
スイッチング周波数が可変されることによっては、直列共振回路における共振インピーダンスが変化することになる。このようにして共振インピーダンスが変化することによっては、一次側の直列共振回路の一次巻線N1に供給される電流量が変化して二次側に伝送される電力も変化することになる。これにより、二次側出力電圧が変化することとなって定電圧制御が図られることになる。
【0066】
続いては、図1に示す電源回路における、スイッチング素子Q1〜Q4をスイッチング駆動するためのスイッチング駆動回路系について説明する。本実施の形態のスイッチング駆動回路系は、主として、1つのコントロールIC2と、2組のドライブトランスCDT−1,CDT−2を備えて構成される。
コントロールIC2は、電流共振形コンバータを他励式により駆動するための発振回路、制御回路、及び保護回路等を備えて構成されるもので、内部にバイポーラトランジスタを備えたアナログIC(Integrated Circuit)とされる。
【0067】
このコントロールIC2は、前述もしたように、電源入力端子Vccに入力された直流電圧により動作する。また、このコントロールIC2は、アース端子Eにより一次側アースに接地させるようにしている。
【0068】
そして、コントロールICにおいては、スイッチング素子に対してドライブ信号(ゲート電圧)を出力するための端子として、2つのドライブ信号出力端子VGH,VGLが備えられる。
ドライブ信号出力端子VGHからは、ハイサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号(第1のドライブ信号)が出力され、ドライブ信号出力端子VGLからは、ローサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号(第2のドライブ信号)が出力される。
そして、この場合には、ドライブ信号出力端子VGHは、ゲート抵抗R11を介してハイサイドのスイッチング素子Q1のゲートと接続される。また、分岐して、コンデンサC3B−R3Bの直列接続を介してドライブトランスCDT−2の一次巻線N21の一端に接続される。一次巻線N21の他端は、ブートストラップ用の端子Vsに対して接続される。
これにより、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるドライブ信号は、スイッチング素子Q1のゲートに対して出力されると共に、CDT−2の一次巻線N21にも出力されることになる。
【0069】
また、ドライブ信号出力端子VGLは、ゲート抵抗R21を介してハイサイドのスイッチング素子Q2のゲートと接続される。また、分岐して、コンデンサC3A−R3Aの直列接続を介して、ドライブトランスCDT−1の一次巻線N11の一端に接続される。一次巻線N11の他端は、一次側アースに対して接続される。これにより、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるドライブ信号は、スイッチング素子Q2のゲートに対して出力されると共に、CDT−1の一次巻線N11にも出力されることになる。
【0070】
また、この場合には、1組のブートストラップ回路が設けられる。このブートストラップ回路は、図示するようにして、コンデンサCBS,ダイオードDBS、及びコンデンサCbを備えている。コンデンサCBSの負極端子は、一次側アースに接続され、正極端子は、ダイオードDBSのアノードと、コントロールIC2の端子Vc2との接続点に接続される。
また、ダイオードDBSのカソードは、端子VBと接続されると共に、コンデンサCbを介して端子Vsに対して接続される。端子Vsは、ゲート−ソース間抵抗R12を介してスイッチング素子Q1のゲートに対して接続されている。このようにしてブートストラップ回路が設けられることで、後述するようにして、ハイサイドのスイッチング素子Q1に対して印加されるドライブ信号(ゲート電圧VGH1)は、スイッチング素子Q1を適正にドライブ可能なレベルとなるように、レベルシフトが行われることになる。
【0071】
ドライブトランスCDT−1は、スイッチング素子Q3をスイッチング駆動するために設けられるもので、図示するようにして、一次巻線N11と二次巻線N12とが巻装される。
先の説明によると、一次巻線N11には、コントロールIC2のドライブ信号出力端子VGLから出力されるドライブ信号が伝送されてくることになる。そして、ドライブトランスCDT−1においては、この一次巻線N11に得られたドライブ信号を、トランス結合を介して、二次巻線N12に励起させるようにして伝達することになる。
【0072】
二次巻線N12の一端は、ゲート抵抗R31を介して、スイッチング素子Q3のゲートに接続され、他端は、スイッチング素子Q3のソースと、スイッチング素子Q4のドレインとの接続点に対して接続される。
【0073】
このようなドライブトランスCDT−1の二次側における接続形態によると、コントロールIC2のドライブ信号出力端子VGLから出力されるドライブ信号として、ドライブトランスCDT−1の一次巻線N11に出力されたドライブ信号は、ドライブトランスCDT−1のトランス結合を介して、スイッチング素子Q3のゲートに印加されることになる。
そして、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるドライブ信号は、先にも述べたように、ドライブトランスを介することなくスイッチング素子Q2のゲートにも印加される。
従って、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるドライブ信号は、スイッチング素子Q2,Q3に対して共通に出力されるということがいえる。つまり、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるドライブ信号に基づいてスイッチング素子を駆動する駆動回路系(第2の駆動回路)としては、スイッチング素子Q2,Q3を駆動する構成を採っているものである。
【0074】
一方、ドライブトランスCDT−2は、スイッチング素子Q4をスイッチング駆動するために設けられるもので、一次巻線N21と二次巻線N22とが巻装される。
前述したように、ドライブトランスCDT−2の一次巻線N21には、コントロールIC2のドライブ信号出力端子VGHから出力されるドライブ信号が伝送される。ドライブトランスCDT−2においては、この一次巻線N21に得られたドライブ信号を、トランス結合を介して二次巻線N22に伝達する。
二次巻線N22の一端は、ゲート抵抗R41を介して、スイッチング素子Q4のゲートに接続され、他端は、一次側アースに対して接続される。
【0075】
このようなドライブトランスCDT−2の二次側における接続形態によれば、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるドライブ信号は、ドライブトランスCDT−2のトランス結合を介して一次側から二次側に伝送され、スイッチング素子Q4のゲートに印加される構成が採られていることになる。
また、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるドライブ信号は、ドライブトランスを介することなく、スイッチング素子Q1のゲートにも印加されるから、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるドライブ信号は、スイッチング素子Q1,Q4に対して共通に出力されていることとなる。つまり、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるドライブ信号に基づいてスイッチング素子を駆動する駆動回路系(第1の駆動回路)としては、スイッチング素子Q1,Q4を駆動する構成となっている。
【0076】
ここで、上記ドライブトランスCDT−1,CDT−2の構造例について、図3及び図4を参照して説明しておく。
先ず図3に示すドライブトランスCDT(CDT−1,CDT−2)は、フェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアを備える。
そして、一次側と二次側の巻装部について相互に独立するようにして分割した形状により、例えば樹脂などによって形成される、ボビンBが備えられる。このボビンBの一方の巻装部に対して一次巻線(N11,N21)が巻装される。また、他方の巻装部に対して二次巻線(N12,N22)が巻装される。このようにして一次巻線及び二次巻線が巻装されたボビンBを上記EE型コア(CR1,CR2)に取り付けることで、一次側巻線及び二次側巻線とがそれぞれ異なる巻装領域により、EE型コアの中央磁脚に巻装される状態となる。このようにしてドライブトランスCDT全体としての構造が得られる。
また、この場合のEE型コアにおいては、中央磁脚に対してはギャップは形成しないものとしている。これによって、所要の結合係数による密結合の状態が得られるようにしている。
【0077】
また、ドライブトランスCDT(CDT−1,CDT−2)としては、図4に示すようにして、U型コアを用いた構造とすることもできる。
この図4に示すドライブトランスCDTは、2つのU型コアCR11,CR12を組み合わせてU−U型コアを形成する。この際、U型コアCR11,CR12の各磁脚が対向する面に対しては、ギャップを形成せずに、そのまま磁脚の対向面どうしを接触させている。
そして、ボビンBに対して、図示するようにして一次巻線(N11,N21)と、二次巻線(N12,N22)とを互いに分割された巻装部に巻装した上で、上記のようにして形成されるU−U型コアの一方の磁脚に対して、取り付けるようにされる。
【0078】
続いて、先に図1により説明したスイッチング駆動回路系の構成による、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング駆動動作について説明する。
本実施の形態では、後述するようにして、交流入力電圧VAC(商用交流電源AC)のレベルに応じて、フルブリッジ結合方式によるスイッチング動作と、ハーフブリッジ結合方式によるスイッチング動作とで切り換えが行われる。しかしここでは、基本的な動作として、フルブリッジ結合方式の場合に対応して、スイッチング素子Q1〜Q4の全てをスイッチング駆動するときの動作について説明する。
【0079】
コントロールIC2では、内部の発振回路により所要の周波数の発振信号を生成する。なお、この発振回路は、後述するようにして制御回路1から端子Vcに入力される制御出力のレベルに応じて、発振信号の周波数を可変するようにされている。
そして、コントロールIC2では、上記発振回路にて生成された発振信号を利用して、ハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号を生成する。そして、ハイサイド用のドライブ信号をドライブ信号出力端子VGHから出力し、ローサイド用のドライブ信号をドライブ信号出力端子VGLから出力するようにされる。
【0080】
上記のようにしてドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力されるドライブ信号による、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング駆動タイミングについて、図5を参照して説明する。図5には、スイッチング素子Q1〜Q4の各ゲート−ソース間電圧が示されている。
ここで先ず、図5(a)と図5(b)を参照して、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号と、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号との関係に応じた、スイッチング素子Q1、Q2のスイッチングタイミングについて説明しておく。
【0081】
スイッチング素子Q1に対しては、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号がゲート抵抗R11を介して印加される。これによって、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧VGH1としては、このハイサイド用のドライブ信号に対応した波形が得られることになる。
つまり、図5(a)に示すようにして、1スイッチング周期内において、正極性による矩形波のパルスが発生する期間と、0Vとなる期間が得られることになる。
そして、この図5(a)に示されるゲート−ソース間電圧VGH1によって、スイッチング素子Q1は、先ず、1スイッチング周期内において、正極性の矩形波パルスが得られるタイミングでオン状態となるようにされる。つまり、スイッチング素子Q1がオンとなるには、ゲート閾値電圧(≒5V)以上の適切なレベルの電圧が印加されることが必要である。上記正極性のパルスとしてのゲート−ソース間電圧VGH1は10Vと成るように設定されているから、この正極性のパルスが印加される期間に対応してオンとなる状態が得られることになる。そして、ゲート−ソース間電圧VGH1が0Vでゲート閾値電圧以下となると、オフ状態に切り換わることになる。このようなタイミングにより、スイッチング素子Q1は、オン/オフするようにしてスイッチング動作を行うことになる。
【0082】
一方、スイッチング素子Q2に対しては、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号が、ゲート抵抗R21を介して印加されるようになっている。このドライブ信号に応じては、図5(b)に示す波形によるスイッチング素子Q2のゲート−ソース間電圧VGL1が得られる。
つまり、ゲート−ソース間電圧VGL1は、図5(a)に示したスイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧VGH1と同じ波形とされたうえで、タイミングとしては、ゲート−ソース間電圧VGH1に対して180°の位相差を有した波形が得られているものである。このことから、スイッチング素子Q2は、スイッチング素子Q1と交互にオン/オフするタイミングによりスイッチング駆動されることになる。
また、図5(a)(b)によると、スイッチング素子Q1がターンオフしてスイッチング素子Q2がターンオンするまでの間と、スイッチング素子Q2がターンオフして、スイッチング素子Q1がターンオンするまでの間には期間tdが形成されるようになっている。
【0083】
この期間tdは、スイッチング素子Q1(Q4),Q2(Q3)が共にオフとなるデッドタイムである。このデッドタイムとしての期間tdは、部分電圧共振動作として、スイッチング素子Q1〜Q4がターンオン/ターンオフするタイミングでの短時間において、部分共振コンデンサCp1,Cp2における充放電の動作が確実に得られるようにすることを目的として形成している。そして、このような期間tdとしての時間長は、例えばコントロールIC2側で設定することができるようになっており、コントロールIC2では、設定された時間長による期間tdが形成されるように、ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力すべきドライブ信号についてのパルス幅のデューティ比を可変する。
【0084】
続いては、スイッチング動作として、上記したスイッチング素子Q1,Q2のオン/オフタイミングの関係が得られていることを前提として、スイッチング素子Q3,Q4のオン/オフタイミングについて説明する。
先の説明によると、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q1のゲートに印加されると共に、ドライブトランスCDT−2のトランス結合を介するようにして、スイッチング素子Q4に対しても印加されることになる。
そして、上記ハイサイド用のドライブ信号が、ドライブトランスCDT−2のトランス結合を介して一次側から二次側に伝送されることによっては、二次側で得られるドライブ信号は、0レベルを基準に正/負に反転する波形となって得られる。これに応じて、ドライブトランスCDT−2の二次巻線側からドライブ信号が印加されるスイッチング素子Q4のゲート−ソース間電圧VGH2は、図5(c)に示すものとなる。
【0085】
つまり、1スイッチング周期内において、正極性の+10Vの矩形波パルスが得られる期間と、負極性による−10Vの矩形波パルスとなる期間が得られる。ここで、正極性の+10Vの矩形波パルスが得られる期間は、図5(a)のゲート−ソース間電圧VGH1が正極性の矩形パルスが得られる期間と同一となる。また、負極性による−10Vの矩形波パルスとなる期間は、図5(a)のゲート−ソース間電圧VGH1が0レベルとなる期間と同一となる。
そして、このような波形のゲート−ソース間電圧VGH2が得られることによっては、スイッチング素子Q4は、1スイッチング周期内において、正極性の矩形パルスが得られている期間においてオン状態となるようにされる。一方、負極性の矩形パルスが得られている期間においてオフ状態となるようにされる。従って、スイッチング素子Q4のオン/オフタイミングは、図5(a)のゲート−ソース間電圧VGH1に対応するスイッチング素子Q1と同様となる。つまり、スイッチング素子Q1,Q4は、同じタイミングでオン/オフするようにスイッチング駆動される。
【0086】
また、スイッチング素子Q3については、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号(ゲート電圧)が、ドライブトランスCDT−1を介するようにして印加されていることになる。
このローサイド用のドライブ信号についても、ドライブトランスCDT−1のトランス結合を介して一次側から二次側に伝送されることで、0レベルを基準に正/負に反転する波形の信号となって二次側で得られることになる。このため、スイッチング素子Q3のゲート−ソース間電圧VGL2は、図5(d)に示すようにして、1スイッチング周期内において、正極性の+10Vの矩形波パルスとなる期間と、負極性による−10Vの矩形波パルスとなる波形が得られる。これに応じて、スイッチング素子Q3は、1スイッチング周期内において、正極性の矩形パルスが得られている期間においてオン状態となり、負極性の矩形パルスが得られている期間においてオフ状態となるようにスイッチング動作を行うことになる。
そして、このオン/オフタイミングは、図5(b)のゲート−ソース間電圧VGL1に対応するスイッチング素子Q2と同様となるものであり、従って、スイッチング素子Q3は、スイッチング素子Q2と同じタイミングでオン/オフするようにスイッチング駆動されることになる。
【0087】
このようにして、図1に示す電源回路では、フルブリッジ結合方式により、スイッチング素子[Q1,Q4]の組と、スイッチング素子[Q2,Q3]の組とが交互にオン/オフするようにしてスイッチング駆動させることができる。
このときのスイッチング動作として、スイッチング素子[Q1,Q4]の組がオンとなっているときには、出力として、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース→直列共振コンデンサC1→一次巻線N1→スイッチング素子Q4のドレイン−ソース→一次側アースの経路で電流が流れる。
また、スイッチング素子[Q2,Q3]の組がオンとなっているときには、出力として、スイッチング素子Q3のドレイン−ソース→一次巻線N1→直列共振コンデンサC1→スイッチング素子Q2のドレイン−ソース→一次側アースの経路で電流が流れる。そして、この動作が繰り返されるのに応じて、一次側直列共振回路(C1−N1)では共振動作が得られることになり、絶縁コンバータトランスの一次側巻線N1に共振電流波形に近いドライブ電流を供給することになる。
【0088】
また、上記のようにしてスイッチング素子[Q1,Q4]の組がターンオフ/ターンオンするタイミングでは、スイッチング素子Q4に対して接続された並列共振コンデンサCp2が、自身のキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス成分L1によって並列共振回路を形成し、電圧共振動作を行う。つまり、スイッチング素子[Q1,Q4]の組のターンオフ/ターンオン時にのみ電圧共振となる部分電圧共振動作が得られる。
同様にして、スイッチング素子[Q2,Q3]の組がターンオフ/ターンオンするタイミングでは、スイッチング素子Q2に対して接続された並列共振コンデンサCp1のキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス成分L1によって並列共振回路が形成される。そして、スイッチング素子[Q2,Q3]の組のターンオフ/ターンオン時において部分電圧共振動作が得られる。
【0089】
このようにして、本実施の形態では、スイッチング素子[Q1,Q4][Q2,Q3]の各組(スイッチング回路)が交互にオン/オフするフルブリッジ結合方式の電流共振形コンバータと、部分電圧共振回路(Cp1,Cp2,N1)が組み合わされたコンバータが形成されているものである。
【0090】
ところで、図示による説明は省略するが、例えば先行技術として、他励式によりフルブリッジ結合方式よる4石のスイッチング素子を、スイッチング周波数制御方式によりスイッチング駆動するのにあたっては、3つのICが必要となる。つまり、電流共振形コンバータ用の汎用のドライブICとしては、ハイサイドとローサイドの2つで一組のスイッチング素子を駆動する構成を採っている。つまり、1つのドライブICは、1組のハーフブリッジ結合された2本のスイッチング素子から成るスイッチング回路を駆動する構成を採っているものである。従って、フルブリッジ結合方式に対応して、2組のハーフブリッジ回路を駆動する場合には、2組のドライブICが必要とされることになる。
そのうえで、2組のドライブICが、スイッチング周波数制御を伴うスイッチング駆動を、同期して行うことができるようにする必要から、これらのドライブICとは別に、スイッチング周波数制御によるドライブが可能なコントロールICが必要となるものである。このようにして、最低限3つのICが必要となる。
【0091】
これに対して、図1に示したスイッチング素子の駆動回路系の構成とすれば、スイッチング駆動のためのICとしては、コントロールIC2の1つのみとすることができる。これにより、ICの数が削減され、さらにはこれに伴って、ICの外付け部品の点数も削減される分、回路規模が縮小され、また、コストも削減されることになる。
【0092】
ただし、図1に示す電源回路では、ドライブトランスCDT−1,CDT−2と、これらのドライブトランスにドライブ信号を入力するためのコンデンサC3A,抵抗R3A、及びコンデンサC3B,抵抗R3Bが新たに追加されることになる。しかしながら、これらの部品点数と、上記したコントロールIC2の外付け部品を合計しても15点程度であり、図1に示す電源回路の部品点数は、先行技術による他励式フルブリッジ結合方式の電源回路に対して大幅に削減されている。また、ドライブトランスCDT−1,CDT−2も非常に小さいサイズであることから、スイッチング駆動用のICが複数備えられることと比較すれば、図1に示す電源回路は、先行技術と比較してはるかに小さい回路規模となる。また、他励式フルブリッジ結合方式の電源回路としてのコストダウンも有効に図られていることになる。
また、スイッチング駆動用のICの数が削減されることによっては、それだけ消費電力も低減されることになる。
また、図1に示す電源回路では、スイッチング素子Q3,Q4については、図5(c)(d)にも示したように、オフ時には、負極性に反転した−10Vのゲート−ソース間電圧VGH2,VGL2が印加される。これによって、スイッチング素子Q3,Q4については、ターンオフ時における下降時間が短縮されて、その分、この下降時間に依る電力損失が低減することにもなる。これにより、電力変換効率が向上することになり、また、スイッチング素子Q3,Q4における発熱も低下する。
このようにして、本実施の形態の電源回路は、他励式フルブリッジ結合方式の電源回路として見た場合にも、上記のような利点を有している。
【0093】
そして、図1に示す本実施の形態の電源回路は、上記した他励式フルブリッジ結合方式の構成の下で、以降説明するようにして、AC100V系ではフルブリッジ結合方式によるスイッチング動作(フルブリッジ動作)となり、AC200V系ではハーフブリッジ結合方式によるスイッチング動作(ハーフブリッジ動作)となるように、スイッチング動作を切り換える構成を採る。
【0094】
図1に示す電源回路においては、平滑コンデンサCiに対して並列に、分圧抵抗R4、R5、R6を直列接続した分圧ラインが接続される。そして、この分圧ラインにおける分圧抵抗R5,R6の接続点(分圧点)に対して、ツェナーダイオードZD1のカソードが接続される。ツェナーダイオードZD1のアノードは、NPN型のトランジスタQ5のベースに接続される。また、ツェナーダイオードZD1のアノードと一次側アース間には、図示するように抵抗R7及びコンデンサC5が並列に接続される。
トランジスタQ5のコレクタは、ドライブトランスCDT−1の一次巻線N11と、抵抗R3Aの接続点に対して接続され、エミッタは一次側アースに接地される。
上記した回路構成により、AC100V系と200V系とに応じて、スイッチング動作をフルブリッジ動作とハーフブリッジ動作とで切り換える、切り換え制御回路が備えられる。
【0095】
上記切り換え制御回路の動作は次のようになる。
ここで、分圧ライン(抵抗R4−R5−R6)の抵抗値による分圧比は、次のように設定されている。つまり、分圧ライン(抵抗R4−R5−R6)の分圧点の電位について、交流入力電圧VAC=150V以下に対応する整流平滑電圧Eiのレベルでは、ツェナーダイオードZD1の逆方向電圧以下となり、交流入力電圧VAC=150V以上に対応する整流平滑電圧Eiのレベルでは、ツェナーダイオードZD1の逆方向電圧以上となるようにされている。ここで、交流入力電圧VAC=150V以下の状態は、AC100V系の商用交流電源が入力されている状態に対応する。また、交流入力電圧VAC=150V以上の状態は、AC200V系の商用交流電源が入力されている状態に対応する。
【0096】
上記のようにして分圧ライン(抵抗R4−R5−R6)の分圧比が設定されていることで、交流入力電圧VAC=150V以下の状態では、ツェナーダイオードZD1は非導通の状態となる。従って、トランジスタQ5のベースにはベース電流が供給されないので、トランジスタQ5はオフ状態となる。この場合には、ドライブトランスCDT−1の一次巻線N11には、コントロールIC2のドライブ信号出力端子VGLからコンデンサC3A−抵抗R3Bを介してドライブ信号が供給されることになる。
これにより、例えば先に図5を参照して説明したように、4つのスイッチング素子Q1〜Q4がスイッチング駆動される状態が得られる。つまり、フルブリッジ動作が得られる。
【0097】
これに対して、交流入力電圧VAC=150V以上となる状態では、ツェナーダイオードZD1が導通状態となって、トランジスタQ5のベースにベース電流が供給されることとなる。これにより、トランジスタQ5はオン状態となる。
トランジスタQ5がオン状態となると、ドライブ信号出力端子VGLからコンデンサC3A−抵抗R3Bを介して供給されるドライブ信号は、トランジスタQ5のコレクタ−エミッタを介して一次側アースに接地される。従って、ドライブトランスCDT−1の一次巻線N11にはドライブ信号は供給されないこととなる。
これにより、ドライブトランスCDT−1の二次側のスイッチング素子Q3は、スイッチング動作を停止させた状態となり、残るスイッチング素子Q1,Q2,Q4がスイッチング動作する状態が得られる。
なお、このときのオン/オフタイミングは、図5により説明したものとなる。つまり、スイッチング素子[Q1,Q4]の組が同じタイミングでオン/オフするのに対し、この場合には、スイッチング素子Q2のみが、スイッチング素子[Q1,Q4]の組に対して交互となるタイミングでオン/オフすることになる。
【0098】
このようにして、3つのスイッチング素子Q1,Q2,Q4がスイッチング動作を行うということは、スイッチング素子Q1に対して、スイッチング素子[Q2,Q4]の組が交互となるタイミングでオン/オフする、ハーフブリッジ動作が得られているということがいえる。
【0099】
ここで、図6の波形図により、上記したAC100V系のスイッチング動作と、AC200V系のスイッチング動作とを比較して示す。
先ず図6(a)〜(e)には、AC100V系の場合の動作が示されている。図6(a)(b)には、スイッチング素子Q1,Q4の各ドレイン−ソース間電圧VQ1,VQ4と、スイッチング出力電流IQ1,IQ4が示されている。図6(a)に示すドレイン−ソース間電圧VQ1,VQ4は、スイッチング素子Q1,Q4がオンとなる期間に対応しては0レベルで、オフとなる期間に対応しては、整流平滑電圧Eiのレベルでクランプされた波形が得られる。
また、図6(b)に示すスイッチング出力電流IQ1,IQ4は、スイッチング素子Q1,Q4がオンとなる期間に対応しては、図示するようにして、ターンオンから一定期間においてクランプダイオードDD1,DD4を介して負極性に流れ、残る期間においてはドレイン→ソースを介して正極性により流れる波形が得られる。また、オフとなる期間に対応しては0レベルとなる。
【0100】
一方、図6(c)(d)には、スイッチング素子Q2,Q3の各ドレイン−ソース間電圧VQ2,VQ3と、スイッチング出力電流IQ2,IQ3が示されている。これら図6(c)(d)に示す各波形は、上記スイッチング素子Q1,Q4に対応する図6(a)(b)の各波形に対して、ほぼ180°の位相を有するようにされたうえで、同一の波形の変化パターンとなっている。
【0101】
これらの波形から、スイッチング動作としては、スイッチング素子[Q1,Q4]の組が同じタイミングでオン/オフし、スイッチング素子[Q2,Q3]の組も同じタイミングでオン/オフすることが分かる。かつ、スイッチング素子[Q1,Q4]の組と、スイッチング素子[Q2,Q3]の組との間で、交互にオン/オフするタイミングとなっていることがわかる。つまり、フルブリッジ動作としてのスイッチング動作となっている。
【0102】
そして、上記したスイッチング動作によって、スイッチング素子[Q1,Q4]の組と、スイッチング素子[Q2,Q3]の組の各スイッチング出力が、直列共振コンデンサC1−一次巻線N1から成る直列共振回路に伝達される。これにより、この直列共振回路図には、6(e)に示すスイッチング出力電流I1が得られる。このスイッチング出力電流I1の波形は、図6(b)に示すスイッチング出力電流IQ1,IQ4と、図6(d)に示すスイッチング出力電流IQ2,IQ3とが合成されることで得られる。
【0103】
これに対して、AC200V系の場合の動作は、図6(f)〜図6(j)に示される。
なお、図6(f)(g)(k)において、▲1▼は、これまで説明してきた、第1の実施の形態(図1)に対応することを示す。▲2▼は、後述する第2の実施の形態に対応することを示す。
【0104】
この第1の実施の形態に対応しては、図6(f)(g)は、それぞれスイッチング素子Q1,Q4の各ドレイン−ソース間電圧VQ1,VQ4と、スイッチング出力電流IQ1,IQ4を示す。つまり、スイッチング素子Q1,Q4が同じオン/オフタイミングによりスイッチング動作を行っていることが分かる。
【0105】
これに対して、図6(h)(i)は、スイッチング素子Q2のみについての、ドレイン−ソース間電圧VQ2と、スイッチング出力電流IQ2を示すものとなっている。そして、図6(k)に示すようにして、スイッチング素子Q3のスイッチング出力電流IQ3は、スイッチング素子Q2のスイッチング出力電流IQ2がオン/オフに応じた波形変化であるのに対して、0レベルのままとなっている。これは、スイッチング素子Q3がオフ状態となっていることを示している。
ここで、上記図6(f)(h)にも示されるように、スイッチング素子がオフとなる期間では、その両端電圧(ドレイン−ソース間電圧)として整流平滑電圧Eiのレベルが得られる。そして、この図6(f)(h)の波形と、AC100V系時のドレイン−ソース間電圧を示す図6(a)(c)の波形を比較して分かるように、AC200V系時の整流平滑電圧Eiのレベルは、AC100V系のときのほぼ2倍に上昇している。つまり、整流平滑電圧Eiを生成する整流回路系としては、AC100V系時とAC200V系時とに関わらず、全波整流動作(等倍電圧整流動作)を行っていることで、上記のようなレベル変化が得られているものである。
【0106】
また、この場合における、スイッチング出力電流I1としては、図6(j)に示すようにして、図6(g)に示すスイッチング出力電流IQ1,IQ4と、図6(i)に示すスイッチング出力電流IQ2とが合成されて得られる波形となる。
【0107】
このようにして、AC200V系のときには、ハイサイドのスイッチング素子Q1と同じオン/オフタイミングでスイッチング素子Q4がオン/オフするようにされたうえで、ローサイドとしてのスイッチング素子Q2が、スイッチング素子Q1とは交互となるタイミングでオン/オフする動作となっている。つまりは、ハーフブリッジ動作としてのスイッチング動作が得られるものである。
【0108】
なお、図1に示す電源回路のAC−DC電力変換効率(ηAC−DC)については、負荷電力Po=300Wの条件で実験したところ、次のような結果が得られた。
先ず、AC100V系に対応して交流入力電圧VAC=100Vを入力して、フルブリッジ動作とさせた場合には、ηAC−DC=90.9%が得られた。また、AC200V系に対応して交流入力電圧VAC=230Vを入力して、ハーフブリッジ動作とさせた場合には、ηAC−DC=92.8%が得られた。
また、上記実験結果を得るのにあたっては、要部の構成部品について次のように選定した。
先ず、絶縁コンバータトランスPITについては、EER−40型のコアを用い、中央磁脚にはギャップ長Gap=1mmのギャップを形成した。
また、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1については30Tの巻数とし、二次巻線N2については、センタータップを境界に、23T+23Tの巻数とした。
さらに、一次側直列共振コンデンサC1=0.033μF、部分電圧共振コンデンサCp1=Cp2=680pFを選定した。
【0109】
これまでの説明から理解されるように、本実施の形態の電源回路においては、ワイドレンジ対応とするのにあたり、先ずは、4本のスイッチング素子Q1〜Q4を備えた、他励フルブリッジ結合方式による電流共振形コンバータを形成する。そのうえで、AC100V系ではフルブリッジ動作、AC200V系ではハーフブリッジ動作となるように、スイッチング動作の切り換えを行うように構成している。
これによって、商用交流電源ACから直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)を生成する整流回路系としては、通常の全波整流回路とすることができる。つまり、図7及び図8、図9に示した回路のように、整流動作の切り換えを行う構成を採る必要はない。
従って、図1に示す電源回路では、直流入力電圧用の平滑コンデンサは1本でよいことになる。また、電磁リレーも不要となるから、ワイドレンジ対応の電源回路として、コストダウンと、回路基板の小型/軽量化を図ることが可能となる。
【0110】
また、本実施の形態の構成であれば、例えば瞬間停電などによって、公称AC220V又は240Vの商用交流電源が150V以下に低下して誤動作したとしても、スイッチング動作がハーフブリッジ動作からフルブリッジ動作となるだけである。つまり、図7及び図8、図9に示した回路のような、倍電圧整流動作への切り換わりによる直流入力電圧レベルの上昇は生じないから、平滑コンデンサCiや、スイッチング素子が耐圧オーバーとなることはない。
従って、本実施の形態では、実際に図1に示す回路を電子機器に搭載する場合においても、図8、図9に示した回路のように、コンパレータIC及びその周辺回路から成る、整流動作切り換えのための複雑な回路構成を採る必要はない。これによっても、低コスト化及び回路基板の小型/軽量化が有効に図られる。
【0111】
そして、上記のように、コンパレータIC等を備えた整流動作切り換えのための回路系が省略されることによっては、ワイドレンジ対応のためにスタンバイ電源側の直流入力電圧を検出する必要もなくなる。従って、本実施の形態の電源回路は、スタンバイ電源を備えない電子機器に対しても採用することが可能となるものである。
【0112】
続いては、第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路について説明する。
図2は、第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示している。なお、この図において図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この図2に示す回路においては、先ず、一次巻線N1の一端が直列共振コンデンサC1を介して、スイッチング素子Q1,Q2から成るハーフブリッジ回路のスイッチング出力点(スイッチング素子Q1,Q2の接続点)と接続される。これに対して、一次巻線N1の他端は、リレースイッチS1の端子t1と接続される。このリレースイッチは、端子t1に対して端子t2又は端子t3が択一的に選択されるようにして、リレーRL3によって切り換えが行われる。
このリレースイッチS1の端子t2は一次側アースと接続される。端子T3は、スイッチング素子Q3,Q4から成るハーフブリッジ回路のスイッチング出力点(スイッチング素子Q3,Q4の接続点)と接続される。
【0113】
リレーRL3は、図示するようにして、三次巻線N3、ダイオードD4、及びコンデンサC4から成る半波整流回路により得られる低圧直流電圧のラインと、トランジスタQ10のコレクタとの間に挿入される。なお、リレーRL3に対しては保護用のダイオードDLが図示する方向により並列に接続される。
トランジスタQ10のエミッタは、一次側アースに接続される。ベースは、トランジスタQ5と同様にして、ツェナーダイオードZD1のアノードと接続される。
【0114】
ここで、AC100V系に対応して150V以下の交流入力電圧VACが入力される状態においては、ツェナーダイオードZD1は非導通である。これにより、トランジスタQ5はオフ状態となるから、スイッチング素子Q3は、スイッチング動作を行うことになる。
また、この場合においては、ツェナーダイオードZD1は非導通であることで、トランジスタQ10もオフ状態となるので、リレーRL3も非導通の状態となる。リレーRL3が非導通である場合、リレースイッチS1は、端子t1に対して端子t3が接続されるように制御される。
このときの回路の形成状態、及びスイッチング動作は、AC100V系のときの図1に示した回路と同じとなる。つまり、図6(a)〜(e)の波形図によって示されるスイッチング動作である、フルブリッジ動作が得られることになる。
【0115】
これに対して、AC200V系に対応して150V以上の交流入力電圧VACが入力されたときには次のようになる。
この場合、ツェナーダイオードZD1は導通する状態となる。これにより、トランジスタQ5はオン状態となってスイッチング素子Q3は、スイッチング動作を行わないことになる。
また、ツェナーダイオードZD1が導通することで、トランジスタQ10もオン状態となってリレーRL3も導通することになるが、これによって、リレースイッチS1は、端子t1が端子t2に接続されるようにして切り換えられる。これによっては、直列共振回路(C1//N1)の一端が、スイッチング素子Q1,Q2から成るハーフブリッジ回路のスイッチング出力点に対して接続され、他端は、一次側アースに接地された状態が得られることになる。このようにして、リレースイッチS1の切り換えが行われることによって、スイッチング素子Q4のドレインは、直列共振回路(C1//N1)に対しては接続されない状態となる。そして、スイッチング素子Q4は、そのハイサイドに接続されたスイッチング素子Q3が上記のようにしてスイッチング動作を停止することに伴って、自身のスイッチング動作も停止されることになる。
【0116】
このようにして形成される回路は、2本のスイッチング素子を備えたハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータと等価となる。
つまり、このときの図2に示す回路の動作としては、図6(f)(g)に示すタイミングでスイッチング素子Q1がオン/オフすると共に、図6(h)(i)に示すようにして、スイッチング素子Q2が、スイッチング素子Q1に対して交互となるタイミングでオン/オフするスイッチング動作が得られる。
このとき、スイッチング素子Q3,Q4は、図6(k)のスイッチング出力電流IQ3,IQ4として示すようにして定常的に0レベルとなっている。つまり、上記したように、スイッチング素子Q3,Q4はオフ状態を維持している。
このようにして、この第2の実施の形態では、AC200系のときには、スイッチング動作として、スイッチング素子Q1〜Q4のうち、一方のハーフブリッジ回路を形成するスイッチング素子Q1,Q2によるハーフブリッジ動作が得られることになる。
【0117】
そして、このような第2の実施の形態としての構成を採ることによっても、先の第1の実施の形態と同様にして、整流回路系としては、整流動作の切り換えが不要となって、通常の全波整流回路でよいこととなる。また、瞬間停電などにより検出電圧が低下したときに直流入力電圧が上昇して、平滑コンデンサやスイッチング素子が耐圧オーバーとなることはない。また、スタンバイ電源を備えない電子機器にも搭載可能な電源回路となる。
なお、図2に示す電源回路では、一次巻線N1の端部の接続を切り換えるために電磁リレー回路(リレーRL3、リレースイッチS1)が追加されるが、例えば図8及び図9に示したように、先行技術としての電源回路を実際の電子機器に搭載するには、2つの電磁リレーが必要となる。これに対して、第2の実施の形態では、1つでよいことから、例えば先行技術と比較すれば、低コスト化及び基板の小型軽量化の効果は充分に得られているものである。
【0118】
また、この図2に示す電源回路についての、負荷電力Po=300Wの条件におけるAC−DC電力変換効率(ηAC−DC)は、交流入力電圧VAC=100V(AC100V系)を入力して、フルブリッジ動作とさせた場合には、ηAC−DC=92.0%となった。また、交流入力電圧VAC=230V(AC200V)を入力してハーフブリッジ動作とさせた場合には、ηAC−DC=95.3%となった。この実験結果を得るにあたって、例えば絶縁コンバータトランスPIT、一次側直列共振コンデンサC1、部分電圧共振コンデンサCp1,Cp2については、図1に示した電源回路と同様の選定を行った。
【0119】
なお、本発明としては上記した実施の形態としての構成に限定される必要はない。
先ず、第1の実施の形態においては、スイッチング素子Q3,Q4から成るハーフブリッジ回路におけるハイサイドのスイッチング素子Q3のスイッチング動作を停止させることでハーフブリッジ動作を得るようにしている。しかしながら、これに代えて、スイッチング素子Q1,Q2から成るハーフブリッジ回路におけるハイサイドのスイッチング素子Q1のスイッチング動作を停止させるようにしても、同様にして残る3石のスイッチング素子によるハーフブリッジ動作が得られるものである。
また、第2の実施の形態においても、スイッチング素子Q3,Q4から成るハーフブリッジ回路に代えて、スイッチング素子Q1,Q2から成るハーフブリッジ回路のスイッチング動作を停止させて、スイッチング動作をハーフブリッジ動作とするようにしてもよいものである。
つまり、本発明としての第1と第2のハーフブリッジ回路の関係は、相対的なものである。例えばスイッチング素子Q1,Q2の組を第1のハーフブリッジ回路であるとすれば、スイッチング素子Q3,Q4の組が第2のハーフブリッジ回路となる。逆に、スイッチング素子Q3,Q4の組を第1のハーフブリッジ回路であるとすれば、スイッチング素子Q1,Q2の組が第2のハーフブリッジ回路となる。
【0120】
また、例えばスイッチング素子としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他励式に使用可能な素子であれば、また、先に説明した各部品素子の定数なども、実際の条件等に応じて変更されて構わない。また、例えば絶縁コンバータトランスPITの二次側において二次側直流出力電圧を生成するための回路構成としても、適宜変更されて構わない。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したようにして本発明は、直流入力電圧を入力してスイッチングを行う一次側スイッチングコンバータとして、フルブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して、部分共振電圧回路を組み合わせた構成を採っている。
そして、スイッチング素子をスイッチング駆動するのにあたり、1つのドライブ信号生成回路により、互いに180°の位相差を有するとされるハイサイド用の第1のドライブ信号と、ローサイド用の第2のドライブ信号とを生成するようにされる。
そして、第1のドライブ信号を利用して、一方の同じオン/オフタイミングの組となるべき、第1のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子と、第2のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子とをスイッチング駆動するようにしている。また、第2のドライブ信号を利用して、他方の同じオン/オフタイミングの組となるべき、第1のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子と、第2のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子とをスイッチング駆動するようにしている。
そのうえで、商用交流電源のレベルに応じて、フルブリッジ動作とハーフブリッジ動作とで切り換えが行われるように構成している。これに応じて、商用交流電源を整流平滑化して直流入力電圧(整流平滑電圧)を生成する整流回路としては、商用交流電源の等倍レベルの直流入力電圧を生成する全波整流回路として形成している。
【0122】
このような構成であれば、ワイドレンジ対応の電源回路としては、これまでのようにして、直流入力電圧(整流平滑電圧)を生成する整流回路について、商用交流電源レベルに応じて倍電圧整流動作と全波整流動作とで切り換えを行う構成を採る必要はないということになる。
これによって、直流入力電圧生成のための整流回路を形成する平滑コンデンサは、例えば2本から1本に削減される。また、整流動作を切り換えるための電磁リレーも省略される。これによって、これまでよりも大幅なコストダウンと、回路基板の小型/軽量化が図られる。
【0123】
また、本発明の構成であれば、瞬間停電などによって商用交流電源レベルが、AC200V系からAC100V系に対応するレベルに低下したとしても、スイッチング動作がハーフブリッジ動作からフルブリッジ動作に切り換わるだけであり、整流動作が切り換わることはないから、平滑コンデンサやスイッチング素子の破壊は生じない。つまり、これまでの電源回路のように、上記瞬間停電などによる整流回路の切り換えについての誤動作が生じないようにするための複雑な検出回路系を備える必要もないから、この点でも、コストダウン及び回路基板の小型/軽量化が促進される。
【0124】
また、上記したように、整流回路の切り換えについての誤動作対策を考慮した検出回路系が不要となることによっては、スタンバイ電源の入力電圧を検出する必要も無くなる。従って、本発明は、スタンバイ電源を備えない電子機器にも搭載することが可能となるものであり、それだけ、ワイドレンジ対応の電源回路として、電子機器への使用範囲が拡大するという効果も得られることになる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。
【図2】第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。
【図3】実施の形態の電源回路に備えられるドライブトランスの構造例を示す断面図である。
【図4】実施の形態の電源回路に備えられるドライブトランスの構造例を示す断面図である。
【図5】実施の形態の電源回路におけるスイッチング素子のゲート−ソース間電圧を示す波形図である。
【図6】実施の形態の電源回路のスイッチング動作を、AC100V系時とAC200V系時とで比較して示す波形図である。
【図7】先行技術としての電源回路の構成例を示す回路図である。
【図8】先行技術の電源回路としてテレビジョン受像機に搭載される場合の構成例を示す回路図である。
【図9】先行技術の電源回路としてテレビジョン受像機に搭載される場合の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 制御回路、2 コントロールIC、Di ブリッジ整流回路、Ci 平滑コンデンサ、Q1〜Q4 スイッチング素子、CDT−1,CDT−2 ドライブトランス、PIT 絶縁コンバータトランス、C1 一次側直列共振コンデンサ、Cp1,Cp2 部分共振コンデンサ、N1 一次巻線(絶縁コンバータトランス)、N11,N21 一次巻線(ドライブトランス)、N12,N22 二次巻線(ドライブトランス)、C3A,C3B コンデンサ、R3A,R3B 抵抗、R11,R21,R31,R41 ゲート抵抗、R12,R22,R32,R42 ゲート−ソース間抵抗、R4,R5,R6 分圧抵抗、ZD1 ツェナーダイオード、Q5,Q10 トランジスタ、RL3 リレー、S1 リレースイッチ
Claims (3)
- 入力された商用交流電源の等倍に対応するレベルの整流平滑電圧を生成する整流平滑電圧生成手段と、
上記整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチング動作を行うものとされ、ハイサイドのスイッチング素子と、ローサイドのスイッチング素子とをハーフブリッジ結合して形成される第1のハーフブリッジ回路と、第2のハーフブリッジ回路を備え、これら第1のハーフブリッジ回路と第2のハーフブリッジ回路とを、直流入力電圧と一次側アース間に対して並列に接続することで形成される、フルブリッジ結合のスイッチング手段と、
上記各スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、
少なくとも、上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、該一次巻線に得られたスイッチング出力としての交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスと、
少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、
上記各ハーフブリッジ回路を形成する2つのスイッチング素子のうち、一方のスイッチング素子に対して並列接続された部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、上記各スイッチング素子がターンオン及びターンオフするタイミングに応じてのみ電圧共振動作が得られる一次側部分電圧共振回路と、
上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、
上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチング駆動手段を制御して、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段と、
上記商用交流電源のレベルに応じて、上記スイッチング手段のスイッチング動作を、フルブリッジ結合されたスイッチング素子によりオン/オフ動作を行うフルブリッジ動作と、ハーフブリッジ結合されたスイッチング素子によりオン/オフ動作を行うハーフブリッジ動作とに切り換える切換制御手段とを備え、
上記スイッチング駆動手段は、
上記各スイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号として、互いに180°の位相差を有するとされる波形による、所要の周波数に応じた第1のドライブ信号と第2のドライブ信号を生成して出力するドライブ信号生成回路と、
上記第1のドライブ信号に基づいて、上記第1のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子と、上記第2のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子が同じオン/オフタイミングとなるようにスイッチング駆動する、第1の駆動回路と、
上記第2のドライブ信号に基づいて、上記第1のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子と、上記第2のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子が同じオン/オフタイミングとなるようにスイッチング駆動する、第2の駆動回路とを備える、
ことを特徴とするスイッチング電源回路。 - 上記切換制御手段は、
上記第2の駆動回路から上記第2のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子に対して供給されるドライブ信号を停止させることによって、上記第1のハーフブリッジ回路と、上記第2のハーフブリッジ回路のローサイドのスイッチング素子によるスイッチング動作となるように制御することで、上記ハーフブリッジ動作とするように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。 - 上記切換制御手段は、
上記第2の駆動回路から上記第2のハーフブリッジ回路のハイサイドのスイッチング素子に対して供給されるべきドライブ信号を停止させると共に、上記第1のハーフブリッジ回路のスイッチング出力のみが上記一次側直列共振回路に対して供給されるように回路の切り換えを行って、上記第1のハーフブリッジ回路によるスイッチング動作となるように制御することで、上記ハーフブリッジ動作とするように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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