JP2004111978A - 耐故障性レーザダイオードパッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】 短絡故障および開路故障に耐性があるレーザダイオードパッケージを提供する。
【解決手段】 レーザダイオードパッケージ10は、レーザダイオードバー12と、順方向バイアスされるダイオード14と、ヒートシンク18と、可溶性リンク86を有する蓋16とを含む。レーザダイオードバー12および順方向バイアスされるダイオード14は、ヒートシンク18と蓋16との間に電気的に並列に接続される。対応するレーザダイオードバー12に開路故障が生じたときに、順方向バイアスされるダイオード14に電流が流れ、開路故障によってアレイ42の動作が完全に停止するのを防ぐ。蓋16上に可溶性リンク86が用いられる場合には、レーザダイオードバー12内の損傷を受けた活性領域90に短絡が生じ、他の活性領域90よりも多くの電流が流れるのを防ぐ。
【選択図】 図1

Description

 本発明は一般にはレーザダイオードに関し、詳細には、突発性短絡(ショート)故障に耐えることができるとともに、突発性開路(オープン)故障に耐えることができるパッケージに関する。
 半導体レーザダイオードは数多くの利点を有する。半導体レーザダイオードは、そのアクティブ(活性)領域の幅が通常はサブミクロンから数ミクロンであり、その高さが通常は1ミリメートルの数分の一以下であるという点で小型である。それらの活性領域の長さは通常約1ミリメートル未満である。1つの方向に放射を生成する内部反射表面は、レーザダイオードが形成される基板をへき開することにより形成され、それゆえ、高い機械的な安定性を有する。レーザダイオードは通常いくつかのエミッタを有し、それぞれ対応する活性領域と位置合わせされる。
 半導体レーザダイオードを用いる場合、高い効率を実現することができ、いくつかのパルス接合型レーザダイオードは50%に近い外部量子効率を有する。半導体レーザは、用いられる半導体合金に応じて、約20〜約0.7ミクロン(μm)の波長の放射を生成する。たとえば、アルミニウムをドープしたガリウムヒ素(AlGaAs)から形成されるレーザダイオードは、ネオジムドープ・イットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG)ならびに他の結晶およびガラスから形成される一般的な固体レーザロッドおよびスラブの吸収スペクトルに近い約0.8μm(〜800nm)で放射する。こうして、半導体レーザダイオードは、大型の固体レーザシステムに代わるポンピング源として用いることができる。
 半導体レーザダイオードを広く用いることは、破壊的な故障を引き起こすようになる熱に関連する問題によって制限されている。これらの問題は、レーザダイオードの単位面積当たりの熱散逸(消費)が大きく、結果として、活性領域内の温度が上昇し、熱サイクルによって応力が誘発されることに関連する。レーザダイオードの効率および耐用年数は活性領域内の動作温度が上昇するのに応じて減少する。
 特に、1つよりも多いエミッタを含むレーザダイオードバーは突然の短絡故障を受けやすい。この短絡故障は、エミッタの出力ファセットのうちの1つが光エネルギーを吸収し始めるときに、あるいはエミッタから熱が十分に散逸されないときに始まる。温度が上昇するとき、エミッタはさらに効率が低下し、さらに多くの熱を吸収し、それによりさらに温度が上昇し、最終的には熱暴走状態が生じるようになる。その温度は、レーザダイオードバーの材料が、関連する活性領域のエリアにおいて溶融するようになるレベルに達する場合がある。一旦、溶融が生じたなら、活性領域内のP−N接合の電流および電圧特性は局部的に破壊され、それにより、活性領域は単なる抵抗として動作し始める。P−N接合が局部的に破壊されると、通常は全ての活性領域の中で均等に分散されることになる電流が損傷を受けたエリアに集中し、活性領域の残りの部分から、利用可能な電流のうちのある量あるいは全てを奪ってしまう。損傷を受けた領域(複数であり得る)が大きい場合には、利用可能な全ての電流が損傷を受けた領域内に流れ、レーザダイオードバー上の損傷を受けていない活性領域の残りの部分およびそれらに関連するエミッタが機能しなくなる可能性がある。こうして、損傷を受けたレーザダイオードバーを含むアレイは、電流を流し続けることができても、放射の量が低く不十分であるか、全く放射しなくなるであろう。
 さらに、レーザダイオードバーは突然の開路故障も受けやすい。この故障モードは短絡故障として開始する場合がある。熱が十分に除去されないエミッタによって、レーザダイオードバー全体が加熱されるようになる。その熱によって、レーザダイオードと隣接するヒートシンクとの間の半田付けされた電気的接続が溶融するようになり、バーが隣接するヒートシンクから剥離する。一旦、その分離が生じると、電気的接続が存在しない状態になり、それにより開路が生じる。これは、ダイオードバーがヒートシンクとしての固体フォイルあるいは帯(リボン)状フォイルと密接するダイオードパッケージにおいてよく起こる故障モードである。フォイルとレーザダイオードバーとの間の半田付け結合の破壊によって、必然的にパッケージは開路状態になる。
 短絡故障および開路故障の影響を受けにくいレーザダイオードパッケージが必要とされている。
 本発明は、レーザダイオードバーと、順方向バイアスされたダイオード(以降、順方向バイアスダイオード)と、ヒートシンクと、複数のヒュージブル(可溶性)リンクを有する蓋とを含むレーザダイオードパッケージを提供することにより、短絡故障および開路故障を改善する。ヒートシンクはレーザダイオードバーと順方向バイアスダイオードとに電気的に接続され、レーザダイオードバーのエミッタは、順方向バイアスダイオードから離れて放射するように位置合わせされる。ヒートシンクの反対側では、蓋の可溶性リンクがレーザダイオードバーと電気的に接触し、蓋の本体は順方向バイアスダイオードと電気的に接触する。したがって、レーザダイオードバーおよび順方向バイアスダイオードは、ヒートシンクと蓋との間で電気的に並列になる。
 個々のレーザダイオードパッケージはレーザダイオードアレイに統合されることができる。したがって、第1のパッケージのヒートシンクが、第2の隣接するパッケージの蓋と電気的に接触するように配置される。数多くの個々のパッケージがそのようにして統合され、結果としてマルチバー・レーザダイオードアレイを形成することができる。
 可溶性リンクを有する蓋によって短絡故障が避けられる。なぜなら、対応する活性領域に関連付けられ、その活性領域のための電流を流すリンクの各々は、電流レベルが大きくなりすぎるときに、典型的な電気のヒューズのように破壊されるためである。こうして、損傷を受けた活性領域への電気経路が破壊され、電流が損傷を受けていない活性領域内に流れるようになる。
 パッケージがレーザダイオードアレイとして形成されるとき、順方向バイアスダイオードによって開路故障が避けられる。レーザダイオードバーが半田の溶融に起因してレーザダイオードパッケージの残りの部分から電気的に切断された場合には、代わりの電流経路を提供する順方向バイアスダイオードが作動される。これにより、レーザダイオードアレイは、そのレーザダイオードバーのうちの1つが隣接するヒートシンクから電気的に切断されている場合であっても、機能し続けることができるようになる。
 レーザダイオードパッケージは、開路故障あるいは短絡故障の可能性を低減するためのこれら2つの機構の各機構を有することができるが、レーザダイオードパッケージは、これら2つの故障防止機構のうちの1つだけからでも利益を受けることができる。したがって、本発明によるレーザダイオードパッケージは、可溶性リンクを有する蓋のみ、あるいは順方向バイアスダイオードのみを含むこともできる。
 本発明の上記の概要は、本発明の各実施形態、すなわち全ての態様を表すことを意図していない。この目的は、図面および以下に記載される詳細な説明によって達成されるであろう。
 本発明の上記の利点および他の利点は、図面を参照しながら以下に記載される詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
 本発明は種々の変更形態および代替形態が可能であるが、図面には例示のために特定の実施形態を示しており、それについて本明細書において以下に詳細に説明することになる。しかしながら、本発明は、開示される特定の形態に限定されることを意図していないことは理解されたい。本発明は、特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神および範囲の中に入る全ての変更形態、同等の形態あるいは代替形態を網羅するものである。
 図1には、レーザダイオードバー12と、順方向バイアスダイオード14と、蓋16と、ヒートシンク18とを含むレーザダイオードパッケージ10の側面図が示される。レーザダイオードバー12は、第1の半田層22aを介してヒートシンク18に取り付けられる。順方向バイアスダイオード14は、第2の半田層22bを介してヒートシンク18に取り付けられる。蓋16は、第3および第4の半田層24aおよび24bでそれぞれ、レーザダイオードバー12および順方向バイアスダイオード14の両方に取り付けられる。
 レーザダイオードパッケージ10のヒートシンク18は通常は、銅のような電気的および熱的に伝導性の材料から形成される。電気的な伝導性は、レーザダイオードバー12の中に電流を流し、光エネルギーを生成するために必要とされる。熱的な伝導性は、レーザダイオードバー12から強い熱を逃がし、レーザダイオードバー12を適度な動作温度に保持するために必要とされる。熱は、最終的な熱蓄積器(たとえば、動作流体が流れる熱交換器)に直接的にあるいは間接的に結合されるヒートシンク18の下端30から伝導される。
 蓋16は、パッケージ10の背面となる簡単なフォイルであることができる。別法では、蓋16を、最終的な熱蓄積器に熱を伝導する熱経路として実効的に用いることができる。この場合には、蓋16は基本的にヒートシンク18と同じように機能し、構成されることができる。
 レーザダイオードパッケージ10のヒートシンク18および蓋16は、それらの外側表面上に半田層のための材料を有するようにして(すなわち、予めスズめっきされて)製造することができる。そのような構造が、1999年3月29日に出願され、その全体が参照により本明細書に援用される、「Laser Diode Packaging」というタイトルの米国特許出願第09/280,783号に記載される。結果として、第1および第2の半田層22aおよび22b、ならびに第3および第4の半田層24aおよび24bは、蓋16およびヒートシンク18上にそれぞれ存在する単一の半田層によって作ることができる。これにより、レーザダイオードバー12および順方向バイアスダイオード14との境界を形成するために個々の半田層を正確に配置することが不要になるが、そのような方法論であっても所望の機能が実行されるであろう。さらに、蓋16およびヒートシンク18全体を予めスズめっきすることにより、蓋16およびヒートシンク18は、予め塗布された半田層26および27をそれぞれ有することができ、それによりパッケージ10が隣接するパッケージに半田付けできるようになる。
 レーザダイオードバー12は、放射表面28と、放射表面28の反対側にある反射表面32とを有する。レーザダイオードバー12の活性領域29は、レーザダイオードバー12内の入力電気エネルギーから光子(フォトン)が生成される領域であり、通常はヒートシンク18の近くに配置される。光子は活性領域29の中を伝搬し、反射表面32から反射し、放射表面28から放射される。放射表面28は、ヒートシンク18の端面33と概ね水平に(すなわち、同一平面上に)配置されることが好ましい。好ましい実施形態では、放射表面28は、ヒートシンク18の上面31の約1ミル(すなわち、±0.001インチ)以内に配置される。
 図2は、図1のパッケージ10の等価回路を概略的に示しており、レーザダイオードバー12がヒートシンク18と蓋16との間で順方向バイアスダイオード14と電気的に並列に接続される。レーザダイオードバー12と並列に順方向バイアスダイオード14を設けることにより、開路故障を避けることができる。詳細には、順方向バイアスダイオード14は、レーザダイオードバー12のターンオン電圧よりも高い、通常は1Vの数分の一だけ高いターンオン電圧を有する。一実施形態では、順方向バイアスダイオード14は約2.8Vのターンオン電圧を有し、一方、レーザダイオードバー12は約1.6Vのターンオン電圧を有する。正常な動作時に、その等価回路では、全電流がレーザダイオードバー12の中を流れる。開路故障中には、蓋16とレーザダイオードバー12との間の第3の半田層24a、あるいはヒートシンク18とレーザダイオードバー12との間の第1の半田層22aが除去された後に、電気的なギャップが生じる。レーザダイオードバー12に隣接する電気的ギャップにかかる電圧が生成され始める。順方向バイアスダイオード14はレーザダイオードバー12と電気的に並列に接続されるので、順方向バイアスダイオード14にかかる電圧も上昇し始める。最終的に、順方向バイアスダイオード14にかかる電圧が順方向バイアスダイオード14のためのターンオン電圧に達し、順方向バイアスダイオード14が作動されるようになる。順方向バイアスダイオード14が作動されるとき、レーザダイオードバー12は放射を生成しないが、電流はヒートシンク18から蓋16に再び流れるようになる。
 図3Aおよび図3Bは、順方向バイアスダイオード14のための1つの実現可能な構成のそれぞれ概略的な断面図および結果として生成される回路を示す。この構成では、順方向バイアスダイオード14は、その外側表面上にエピタキシャル層34を成長させた、ガリウムヒ素(ヒ化ガリウム)基板32から形成される。基板32はn+型基板であることが好ましい。エピタキシャル層34は、基板32上に、積重(スタック)されたダイオードドーピングプロファイルを提供し、レーザダイオードバー12のターンオン電圧よりも高いターンオン電圧を有する2つの積重された接合ダイオードが形成される。エピタキシャル層34の等価回路40が2つの直列ダイオードとして図3Bに示される。このようにして構成される順方向バイアスダイオード14は、700nm以上の波長で放射するレーザダイオードバーを開路故障から保護することになる。
 図3Aおよび図3Bには示していないが、順方向バイアスダイオード14は、その表面上に金属被覆を含み、それによりヒートシンク18および蓋16の半田層22bおよび24bと電気的に接続されるようにしている。順方向バイアスダイオード14は、電気的な機能に加えて、ヒートシンク18と蓋16との間の正確なスペーサとしての役割も果たす。こうして、一旦、エピタキシャル層34が基板32上に成長し、金属被覆が施されたなら、ウェーハは適当な寸法に正確にスクライビングされ、へき開される。図3Aおよび図3Bの実施形態はガリウムヒ素から形成される基板32とともに記載しているが、シリコンを用いることもできる。
 図4は、順方向バイアスダイオードで保護された3つの積重されたレーザダイオードパッケージ44、46および48から構成されるレーザダイオードアレイ42の側面図を示す。上側レーザダイオードパッケージ44のヒートシンク52は、中間レーザダイオードパッケージ46の蓋54に半田付けされる。同様に、中間レーザダイオードパッケージ46のヒートシンク56は下側レーザダイオードパッケージ48の蓋58に半田付けされる。
 正常な条件下では、レーザダイオードパッケージ44、46および48は電気的に直列に接続されるので、レーザダイオードパッケージ44、46および48内の各レーザダイオードバーの中には等しい電流が流れる。しかしながら、図4は、中間レーザダイオードバー60が開路故障を受けており、その半田層が溶融され、レーザダイオードバー58が蓋54から剥離されるようになることを示す。従来技術のシステムによれば、一旦、開路故障が生じたなら、レーザダイオードアレイ42の中を流れる電流が止められ、レーザダイオードアレイ42全体が機能しなくなるであろう。本発明では、損傷を受けたレーザダイオードバー60において開路故障が生じた後に、レーザダイオードパッケージ46内の順方向バイアスダイオード64の電圧降下が起こり始める。ターンオン電圧に到達するとき、順方向バイアスダイオード64によって、その中に電流が流れるようになり、その電流が、上側レーザダイオードパッケージ44および下側レーザダイオードパッケージ48の損傷を受けていないレーザダイオードバーの中にも流れるようになる。結果として、開路状態が存在する場合でも、レーザダイオードアレイ42は、損傷を受けたレーザダイオードバー60を除く全てのバーから放射し続ける。
 図5および図6は、ヒートシンク83と、可溶性リンク86を有する蓋84との間に結合されるレーザダイオードバー82を特徴とするレーザダイオードパッケージ80の平面図および側面図を示す。蓋84は金属フォイルから形成され、可溶性リンク86はエッチングあるいは機械的なスタンピングを用いて作成される。レーザダイオードバー82は、レーザダイオードバー82の長さに沿ってエネルギーを放射する活性領域90を有する。各活性領域90は、レーザダイオードバー82の放射表面上に配置される対応するエミッタ92を有する。活性領域90間のエリア内よりも多くの導電性材料を活性領域90内に配設することにより、活性領域90に電力が誘導される。
 ヒートシンク83と蓋84との下部の間にスペーサ88を配置することができる。スペーサ88は単にヒートシンク83と蓋84との間に適当な空間を保持するためのものであるか、あるいはスペーサ88として、図1〜図4に関して先に記載された目的を果たすために用いられる順方向バイアスダイオードを用いることができる。
 以下に可溶性リンク86の有用性が図7A〜図7Cを参照して記載するが、それらの図面は全て、レーザダイオードバー82から光が放射されることになる、パッケージ80の端部を見た端面図である。先に述べたように、短絡故障は、誤動作し、レーザダイオードバー82を構成する材料が局部的に溶融された活性領域90のうちの1つあるいは複数の領域によって引き起こされる。結果的に低抵抗になることにより、損傷を受けた活性領域は、レーザダイオードバー82の他の活性領域90内に流れる電流よりも多くの電流を流すようになる。
 図7Aは、11個の活性領域90それぞれに概ね等しい割合で電流が流れる、正常な動作状態を示す。11個のみの活性領域90が示されるが、本発明は活性領域90が11個よりも多いレーザダイオードバー82にも、少ないレーザダイオードバー82にも適用することができる。可溶性リンク86はレーザダイオードバー82に半田付けされるので、概ね等しい割合の電流が各可溶性リンク86の中に流れる。図に示されるように、各活性領域90は、1つの対応する可溶性リンク86を有する。しかしながら、別の実施形態では、各可溶性リンク86は一群の活性領域90のための1つの電流経路を形成することもできる。
 図7Bは遷移状態を示しており、損傷を受けた2つの活性領域90aおよび90bの中に異常に高い比率の電流が流れ始めている。損傷を受けた活性領域90aおよび90bが十分に大きい場合には、利用可能な全ての電流が、それらの損傷を受けた活性領域90aおよび90bの中に流れることになり、レーザダイオードバー82上のエミッタ92の残りの部分は機能しなくなるであろう。こうして、これら2つの活性領域90aおよび90bに関連する可溶性リンク86aおよび86bでは、それらが対応しきれない電流レベルに達し始める。可溶性リンク86は、ある過大な量の電流がその中に流れる場合には、壊れるように設計されている。したがって、可溶性リンク86は、所定の電流レベルで破壊される壊れやすい構造体である。
 図7Cは図7Bの後の状態を示しており、可溶性リンク86aおよび86bが破壊され、それにより損傷を受けた活性領域90aおよび90bの中に電流が流れるのが阻止される。その場合に、電流は他の機能している可溶性リンク86の中を流れ続け、それにより、レーザダイオードバー82の活性領域90の残りの部分は機能し続け、その対応するエミッタ92は適当なエネルギーを放射する。
 可溶性リンク86は、結果として、半田層の溶融を引き起こす可能性がある極端な熱の集中に起因して開路故障につながるようになる短絡故障を防ぐ。それゆえ、短絡故障を防ぐことは、開路故障に対する予防措置でもある。こうして、ある意味では、可溶性リンク86は開路故障も抑制することになる。
 蓋84、それにリンク86は、Indalloy(商標)#117、Indalloy(商標)#158あるいはIndalloy(商標)#281のような可融性の合金から形成されることが好ましい。既知の断面積の場合に、これらの可融性の合金は、既知の電流が既知の量の熱を生成するように、単位長さ当たりある一定の抵抗率を有する。電流が所定の値よりも大きくなるとき、結果として生成される熱によって、リンク86がリンク86の溶融温度よりも高い温度まで上昇するようになり、リンク86の一部が溶融し、リンク86がもはやレーザダイオード82に電気的に接続されないようになる。たとえば、1つのリンク86の中の電流が正常な動作電流の3倍を超える場合には、その電流量は、リンク86を溶融させるだけの十分な熱を生成する。
 本発明を1つあるいは複数の特定の実施形態を参照しながら記載したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して数多くの変更が可能であることは当業者には理解されよう。これらの各実施形態およびその明らかな変形形態は、特許請求の範囲において規定される本発明の精神および範囲内に入るものと考える。
順方向バイアスダイオードによって保護されたレーザダイオードパッケージの側面図である。 順方向バイアスダイオードに並列なレーザダイオードバーを示す概略的な等価回路図である。 図3Aは、ガリウムヒ素基板上に成長させたエピタキシャル層からなる順方向バイアスダイオードの概略図である。図3Bは、図3Aのエピタキシャル構造による概略的な等価回路図である。 1つのレーザダイオードにおいて開路が生じるが、順方向バイアスダイオードが起動されている、レーザダイオードアレイとして配列された3つのレーザダイオードバーパッケージの側面図である。 可溶性リンクを有する蓋を備えたレーザダイオードパッケージの側面図である。 蓋上にある可溶性リンクをそれぞれ示す、パッケージの蓋側からの図5のレーザダイオードパッケージの平面図である。 図7Aは、構成要素である活性領域の中に均等に分布する電流を示す、レーザダイオードの放射側からの図5のレーザダイオードパッケージの端面図である。図7Bは、2つの損傷を受けた活性領域内に過大な電流が流れ、それにより短絡故障が生じていることを示す図5のレーザダイオードパッケージの端面図である。図7Cは、図7Bの2つの損傷を受けた活性領域に対応する2つの可溶性リンクが除去され、それにより構成要素である活性領域の中で再び電流が均等に分布するようになることを示す図5のレーザダイオードパッケージの端面図である。

Claims (12)

  1.  レーザダイオードパッケージであって、
     ヒートシンクと、
     蓋と、
     前記ヒートシンクと前記蓋との間に配置されるレーザダイオードバーと、
     前記ヒートシンクと前記蓋との間に配置される順方向バイアスされるダイオードとを備え、前記順方向バイアスされるダイオードは、前記レーザダイオードバーの開路故障に応答して、正常時に前記レーザダイオードバーを流れる電流と同じ方向に電流を流すことが可能なレーザダイオードパッケージ。
  2.  前記順方向バイアスされるダイオードは、前記ヒートシンクと前記蓋との間の正確なスペーサとして機能する請求項1に記載のレーザダイオードパッケージ。
  3.  前記順方向バイアスされるダイオードのためのターンオン電圧は、前記レーザダイオードバーのターンオン電圧よりも1V未満だけ高い請求項1に記載のレーザダイオードパッケージ。
  4.  前記ヒートシンク上に連続した半田層をさらに含み、該半田層は前記順方向バイアスされるダイオードおよび前記レーザダイオードバーに前記ヒートシンクを結合する請求項1に記載のレーザダイオードパッケージ。
  5.  前記順方向バイアスされるダイオードは半導体材料から作られる請求項1に記載のレーザダイオードパッケージ。
  6.  前記半導体材料はエピタキシャル層を有する基板を含み、結果として2つの直列なダイオードからなる等価回路を形成する請求項5に記載のレーザダイオードパッケージ。
  7.  前記パッケージから熱を受け取るための最終的な熱蓄積器をさらに含み、前記蓋および前記ヒートシンクは概ね同じ高さであり、両方とも前記最終的な熱蓄積器に結合される請求項1に記載のレーザダイオードパッケージ。
  8.  前記蓋は複数の可溶性リンクを有し、前記レーザダイオードは複数の活性領域を有し、該活性領域は各々前記可溶性リンクのうちの1つに関連付けられ、該可溶性リンクは前記レーザダイオードバーに電気的に接続され、その中に所定の量の電流が流れるのに応答して破壊される可溶性の材料から形成される請求項1に記載のレーザダイオードパッケージ。
  9.  請求項1に従って作られる複数のレーザダイオードパッケージを備えるレーザダイオードアレイであって、1つのパッケージの少なくとも1つのヒートシンクが別のパッケージの蓋に電気的に接触するレーザダイオードアレイ。
  10.  電気的に直列に接続される複数のレーザダイオードを有するレーザダイオードアレイ内の開路故障の影響を抑制するための方法であって、
     複数の順方向バイアスされるダイオードを設け、該順方向バイアスされるダイオードは各々前記レーザダイオードのうちの対応するものと電気的に並列であり、
     前記レーザダイオードの前記対応するレーザダイオードの電圧降下が所定の値よりも大きいことに応答して、前記順方向バイアスされるダイオードのうちの1つを作動させる、
    ことを含む方法。
  11.  前記所定の値は、正常な動作条件下にある前記レーザダイオードの前記対応するものの
    ためのターンオン電圧の約1V以内にある請求項10に記載の方法。
  12.  レーザダイオードパッケージであって、
     電気エネルギーが光エネルギーに変換される複数の活性領域を含むレーザダイオードバーと、
     前記複数の活性領域の各々に対する電流経路であって、該電流経路は各々前記活性領域のうちの関連するものに前記電気エネルギーを供給し、前記電流経路は各々、電流が所定の値を超えるのに応答して溶融するように構成される可溶性の領域を含む、電流経路と、を備えたレーザダイオードパッケージ。
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