JP2023179042A - サブマウント及びこれを備えたレーザモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】サブマウントと支持部品との間の金属はんだにボイドが生じるのを抑制し、レーザダイオードバーの高出力化や高信頼性化を可能とするサブマウントを提供する。【解決手段】サブマウント20は、複数のエミッタ11を有するレーザダイオードバー10を支持する。サブマウント20は、表面20aと裏面20bと側面20c1~20c4とを有している。表面20aには、レーザダイオードバー実装領域21が設けられ、裏面20bは表面20aと対向している。側面20c1~20c4は、表面20aと裏面20bとにそれぞれ連続している。サブマウント20の裏面20bには、少なくとも1本の溝22が形成されている。平面視で、溝22は、レーザダイオードバー実装領域21からサブマウント20の前方側面20c1に達している。前方側面20c1で溝22の端部が開放されている。【選択図】図1B

Description

本開示は、サブマウント及びこれを備えたレーザモジュールに関する。
近年、銅、金、樹脂など種々の材料において、レーザ加工への期待が高まっている。例えば、自動車産業では、電動化、小型化、高剛性化、デザイン自由度向上、及び生産性向上などが求められ、レーザ加工への期待は高い。生産性の高い加工を実現するには、高効率で高出力のレーザ光が得られるレーザ光源が要求されている。この要求に好適なレーザ光源として、半導体レーザ素子が知られている。特に、レーザ光の出力を高めるためには、レーザ光を出射するエミッタを複数有するレーザダイオードバーを搭載したレーザモジュールが有用である。
ところで、単一エミッタ、複数エミッタに限らず、広義の半導体レーザ素子は、通常サブマウントに実装されて使用される。サブマウントは、通常、板状の部品であり、半導体レーザ素子を機械的に支持するとともに、動作中に半導体レーザ素子で発生した熱を外部に放出しつつ熱応力緩衝材としての役割を有している。なお、半導体レーザ素子とサブマウントとは、放熱性を最大限に高めるために、金属はんだを用いて接合されるのが一般的である。
しかし、金属はんだの溶融後に、金属はんだの余剰分が半導体レーザ素子の光出射端面に付着してしまい、その結果、レーザ光の出射を阻害することがある。これを防止するため、例えば、特許文献1には、半導体レーザ素子が実装されるサブマウントの実装面に、実装面から内部に延びる案内部を形成したサブマウントの構成が提案されている。案内部は、実装面の所定の位置に溝を形成した後、金属を埋め込んで形成される。金属はんだの溶融時に、余剰はんだは、案内部に沿って実装面から離れるようにサブマウントの側面に沿って流れるため、前述した光出射端面への付着が防止される。
特許第4088867号公報
ところで、半導体レーザ素子の光出力が、増加するのに伴い、当然ながら、レーザダイオードバーを使ったレーザモジュールが、発生する熱量も増えてきている。一般的には、レーザモジュールに投入した電力の30%程度しか、発光には寄与せず、70%はエミッタ周辺での発熱となっている。したがって、レーザダイオードバーを実装したサブマウントをさらに冷却する必要があるため、多くの場合は、内部に冷却機構を有する冷却器等にサブマウントが実装される。この際、サブマウントと冷却器との熱的接触を確実にするため、サブマウントとレーザ素子同様に、サブマウントと冷却器も、金属はんだを用いて接合することが多い。また、サブマウントを介して、サブマウントの支持部品とレーザダイオードバーとの電気的導通を図る場合も、サブマウントの支持部品とサブマウントとを金属はんだを用いて接合する。
これらの構成で、レーザダイオードバーを、金属はんだ接合する場合、そのサブマウントのサイズは、単一のエミッタを有する半導体レーザ素子場合に比べて、当然ながら、大きくなる。サブマウントのサイズが大きくなると、接合条件等によっては、支持部品とサブマウントとの間の金属はんだに空気だまり(以降、ボイドと表記する)が生じる。ボイドは、その内部に熱をため込むため、レーザダイオードバーからの放熱が悪化することがある。このようなことが起こると、レーザダイオードバーの光出力や信頼性が低下してしまうおそれがあった。これが、レーザダイオードバーで高い出力を実現する大きな課題の1つとなっている。
本開示は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、支持部品とサブマウントとの間の金属はんだにボイドが生じるのを抑制し、レーザダイオードバーの高出力化や高信頼性化を可能とするサブマウント、及びこれを備えたレーザモジュールを提供することにある。
上記目的を達成するため、本開示に係るサブマウントは、複数のエミッタを有するレーザダイオードバーを支持するための板状のサブマウントであって、前記レーザダイオードバーが実装される実装領域が設けられた表面と、前記表面と対向する裏面と、前記表面と前記裏面とに連続する側面と、を有し、前記裏面には、少なくとも1本の溝が形成されており、平面視で、前記溝は、前記実装領域から前記側面または前記サブマウントの側辺部に達するとともに、前記側面または前記側辺部で前記溝の端部が開放されていることを特徴とする。
本開示に係るレーザモジュールは、前記サブマウントと、前記サブマウントの前記実装領域に実装される前記レーザダイオードバーと、前記サブマウントが実装される支持部品と、を少なくとも備え、前記レーザダイオードバーは、少なくとも2個以上のエミッタを有し、前記実装領域と前記レーザダイオードバーとが第1の金属はんだにより接合されており、前記サブマウントの前記裏面と前記支持部品とが第2の金属はんだにより接合されていることを特徴とする。
本開示によれば、サブマウントと支持部品との間の金属はんだにボイドが生じるのを抑制できるため、サブマウントに実装されたレーザダイオードバーの高出力化や高い信頼性を実現することが可能となる。
実施形態に係るレーザモジュールの斜視図である。 図1AのIB-IB線での断面図である。 レーザダイオードバーが実装されたサブマウントの斜視図である。 サブマウントを下方から見た斜視図である。 第2の金属はんだにボイドが生じた場合のレーザモジュールの断面模式図である。 第2の金属はんだの内部にボイドが生じる過程を説明するための模式図である。 レーザモジュールの組立工程を説明する模式図である。 図5AのVB-VB線での断面図である。 図5Aの続きの工程を説明する模式図である。 図6AのVIB-VIB線での断面図である。 図6Aの続きの工程を説明する模式図である。 図7AのVIIB-VIIB線での断面図である。 図7Aの続きの工程を説明する模式図である。 図8AのVIIIB-VIIIB線での断面図である。 変形例1に係るレーザダイオードバーが実装されたサブマウントの斜視図である。 変形例2に係るサブマウントの断面模式図である。 変形例3に係るレーザダイオードバーが実装されたサブマウントの断面模式図である。 変形例4に係る第1のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第2のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第3のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第4のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第5のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第6のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第7のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第8のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第9のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第10のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第11のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第12のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第13のサブマウントを裏面から見た模式図である。 変形例4に係る第14のサブマウントを裏面から見た模式図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態)
[レーザモジュール及びサブマウントの構成]
図1Aは、本実施形態に係るレーザモジュールの斜視図を示し、図1Bは、図1AのIB-IB線での断面図を示す。図2Aは、レーザダイオードバーが実装されたサブマウントの斜視図を示し、図2Bは、サブマウントを下方から見た斜視図を示す。なお、レーザダイオードバー10の形状を分かりやすくするため、図1A,1B及び図2Aにおいて、p側電極14(図11参照)の図示を省略している。また、図2Aにおいて、第1の金属はんだ60の図示を省略している。また、説明の便宜上、図1A,1B及び図2Aに示すエミッタ11や分離溝12の形状、さらに、これらの個数は実際のものとは異なっている。
なお、以降の説明において、レーザダイオードバー10におけるエミッタ11の配列方向をX方向と呼び、サブマウント20の厚さ方向をY方向と呼ぶ。Y方向は、レーザダイオードバー10とサブマウント20と冷却器40とが積み重ねられた方向でもある。X方向及びY方向とそれぞれ直交する方向をZ方向と呼ぶ。Z方向は、エミッタ11の長手方向であり、複数のエミッタ11のそれぞれから出射されるレーザ光の光軸方向でもある。
なお、Y方向において、レーザダイオードバー10が配置された側を上または上方と呼び、冷却器40が配置された側を下または下方と呼ぶ。Z方向において、エミッタ11におけるレーザ光が出射される端面が配置された側を前または前方と呼び、当該端面と対向する端面が配置された側を後または後方と呼ぶ。また、レーザモジュール100及びこれを構成する各部品をY方向から見た場合を平面視と呼ぶ。
なお、本願明細書において、「直交」または「平行」とは、レーザモジュール100を構成する各部品の製造公差や部品間の組立公差を含んで直交している、または平行であるという意味であり、比較対象同士が厳密に直交している、または平行であることまでを意味するものではない。
図1に示すように、レーザモジュール100は、冷却器40とサブマウント20とレーザダイオードバー10とが下からこの順に積み重ねられて構成されている。
なお、サブマウント20において、レーザダイオードバー10が実装される面を表面20aと呼び、当該表面20aとY方向に対向する面を裏面20bと呼ぶ。また、表面20aと裏面20bとに連続し、表面20a及び裏面20bのそれぞれの法線と交差する法線を有する面を側面と呼ぶ。本実施形態に示すサブマウント20は、4つの側面20c1~20c4を有している。Z方向で前方に位置する側面を前方側面20c1と呼び、前方側面20c1とZ方向に対向する側面を後方側面20c3と呼ぶことがある。
同様に、冷却器40において、サブマウント20が実装される面を表面と呼び、当該表面とY方向に対向する面を裏面と呼ぶ。
冷却器40は、内部に冷却水路41を有する部品であり、表面に第2の金属層50が形成されている。冷却器40自体は、例えば、絶縁性のセラミック等で構成される。ただし、ステンレス等の金属で構成されていてもよい。ただし、第2の金属層50を除く冷却器40とサブマウント20とは電気的に絶縁される。また、冷却水路41を流れる冷却水と冷却器40との電気的絶縁は確保する必要がある。レーザモジュール100の動作時は、図示しない循環機構により冷却水路41に冷却水を循環させている。つまり、冷却水路41は、レーザダイオードバー10が実装されたサブマウント20を冷却するための冷却機構の一部をなしている。なお、冷却器40の裏面や側面に冷却水配管を接触させて冷却器40を冷却するようにしてもよい。その場合は、内部の冷却水路41は省略される。
図1Bに示すように、第2の金属層50に対して、第2の金属はんだ(金属はんだ)70を介してサブマウント20が接合されている。第2の金属はんだ70は、銀(Ag)とスズ(Sn)と銅(Cu)とを含む合金はんだである。第2の金属層50は、冷却器40の表面に対して、第2の密着層51と第2の拡散防止層52と第2の接合層53とがこの順に積層された構造の導電膜である。冷却器40の材質にもよるが、第2の密着層51は、例えば、チタン(Ti)やニッケル(Ni)からなる。第2の拡散防止層52は白金(Pt)からなる。第2の接合層53は、金(Au)または金合金からなる。
サブマウント20は、平面視で長方形の板状の導電部材であり、例えば、ダイヤモンドと金属との複合体からなる。ただし、サブマウント20の材質は特にこれに限られず、例えば、銅とタングステン(W)との複合体であってもよい。また、サブマウント20は、レーザダイオードバー10に応力を加えないため、レーザダイオードバー10を構成する主たる半導体材料と線膨張係数が近く、また、ヤング率が高いことが好ましい。
図1B及び図2A,2Bに示すように、サブマウント20の表面20aは第1の金属層30で覆われている。また、サブマウント20の裏面20bには溝22が形成されており、溝22の内壁面を除いた裏面20bの全体が第1の金属層30で覆われている。第1の金属層30は、サブマウント20の表面20aまたは裏面20bに対して第1の密着層31と第1の拡散防止層32と第1の接合層33とがこの順に積層された構造の導電膜である。第1の密着層31、第1の拡散防止層32及び第1の接合層33のそれぞれの材質は、第2の金属層50に含まれる第2の密着層51、第2の拡散防止層52及び第2の接合層53のそれぞれの材質と同様である。
なお、図2Aに示す例では、サブマウント20の表面20aの全体に第1の金属層30が形成されているが、レーザダイオードバー10が実装されるレーザダイオードバー実装領域21(図2A参照)のみに第1の金属層30が形成されていてもよい。レーザダイオードバー実装領域21は、平面視でレーザダイオードバー10よりも一回り大きなサイズであればよい。また、レーザダイオードバー実装領域21は、サブマウント20の表面20aのうち前方側面20c1に達する位置に設けられる。
溝22は、平面視で、レーザダイオードバー実装領域21からサブマウント20の前方側面20c1に達するように形成されている。つまり、サブマウント20の前方側面20c1で溝22の端部が開放されている。溝22の深さや幅は適宜変更されうる。これについては後で述べる。
レーザダイオードバー10は、複数のエミッタ11を有し、平面視で長方形の部材であり、長辺がX方向で、短辺がZ方向である。また複数のエミッタ11のそれぞれは分離溝12で分離されている。
図1Bに示すように、レーザダイオードバー10の下面にn側電極13が形成されている。また、図示しないが、複数のエミッタ11のそれぞれの上面にp側電極14(図11参照)が形成されている。なお、p側電極14は、エミッタ11の上面にオーミック接触するオーミック電極と、オーミック電極の上面を含むエミッタ11の上面と分離溝12とを覆い、外部と接続するためのボンディング電極(いずれも図示せず)と、を含んでいる。本実施形態に示すレーザダイオードバー10は、エミッタ11の発光点がサブマウント20から遠い上面側にある、いわゆるジャンクションアップタイプであるが、特にこれに限定されない。後で示すジャンクションダウンタイプ(図11参照)であってもよい。
なお、本実施形態のレーザダイオードバー10における各エミッタ11からは、青色の波長域のレーザ光がそれぞれ出射される。なお、「青色の波長域」とは、350nm以上、450nm以下の波長範囲をいう。また、レーザダイオードバー10を構成する主たる半導体材料は窒化物半導体(GaN系半導体)である。ただし、レーザダイオードバー10の構成は、これに特に限定されない。例えば、レーザダイオードバー10を構成する主たる半導体材料がGaAs系半導体やInP系半導体であってもよい。また、各エミッタ11から、赤外の波長域、例えば、960nm程度の波長のレーザ光がそれぞれ出射されてもよい。
レーザダイオードバー10は、第1の金属はんだ60と第1の金属層30とを介してサブマウント20と電気的に接続される。さらに、レーザダイオードバー10は、サブマウント20と第1の金属層30とを介して、冷却器40の表面に設けられた第2の金属層50に電気的に接続される。例えば、第2の金属層50の表面に外部電源(図示せず)との接続電極を設けることで、第2の金属はんだ70と第1の金属はんだ60とサブマウント20と第1の金属層30とを介して、レーザダイオードバー10を外部電源に電気的に接続できる。なお、第2の金属層50を一種の電気配線として使用する場合、電気抵抗を所定値以下にするために、第2の接合層53のX方向の幅やY方向の厚さを適切に設定する必要がある。
[本開示に至った知見]
図3は、第2の金属はんだにボイドが生じた場合のレーザモジュールの部分断面模式図を示し、図4は、第2の金属はんだの内部にボイドが生じる過程を説明するための模式図を示す。
レーザモジュール100の組立条件によっては、図3に示すように、第2の金属はんだ70の内部に複数のボイド72が生じる場合がある。本願発明者等は、ボイド72の発生メカニズムとボイド72が存在することによるレーザモジュール100への影響を検討した。以下に説明する。
第2の金属はんだ70の内部にボイド72が発生する理由として、まず、レーザダイオードバー10のサイズが単一のエミッタ11を有する半導体レーザ素子に比べて非常に大きいことが挙げられる。通常の半導体レーザ素子は、例えば、0.数mm×0.数mm程度のサイズであるが、数十個のエミッタ11を有するレーザダイオードバー10のサイズは、十数mm×数mm程度になる。このことに伴い、レーザダイオードバー10を支持するサブマウント20のサイズも大きくなり、第2の金属はんだ70の面積も大きくなる。
単一のエミッタ11を有する半導体レーザ素子を実装したサブマウント20と冷却器40とを第2の金属はんだ70を介して接合した場合、第2の金属はんだ70はサブマウント20によって下方に加圧される。第2の金属はんだ70とサブマウント20との間にボイド72があったとしても、接合時の加圧によって、ボイド72内の空気は第2の金属はんだ70の側面から外部に押し出されてしまう。
一方、レーザダイオードバー10を実装したサブマウント20と冷却器40とを第2の金属はんだ70を用いて接合した場合、前述したボイド72内の空気が、接合時の加圧によって押し出し切れずに、第2の金属はんだ70の内部に残留し、最終的にボイド72が形成すると推定された。
第2の金属はんだ70とサブマウント20との間にボイド72が生じる理由は、例えば、第2の金属はんだ70の厚さむらや冷却器40の表面の凹凸等が挙げられる。また、組立時には、サブマウント20を第2の金属はんだ70に接触させる前に、第2の金属はんだ70を含めて冷却器40が予め加熱される。このときの加熱温度が冷却器40の表面内で不均一であると、図4に示すように、第2の金属はんだ70に未溶融部71が生じることがある。この状態で第2の金属はんだ70とサブマウント20の裏面20bとが接触し、その後で未溶融部71が溶融すると、未溶融部71が存在した部分が第2の金属はんだ70の内部に空隙となって残ることがあり、最終的にボイド72が形成すると推定された。なお、前述した温度の不均一性は、冷却器40やサブマウント20の材質の不均一性によっても生じうる。
また、ボイド72のサイズが大きい場合やボイド72の数が多い場合、レーザダイオードバー10の複数のエミッタ11のうち、いくつかのエミッタ11が発光しない現象が観測された。詳細に解析すると、ボイド72の上方に位置するエミッタ11が発光していないことが分かった。ボイド72の存在により、動作中にエミッタ11で発生した熱が、サブマウント20を介して冷却器40に逃げにくくなる。このため、レーザダイオードバー10の温度が局所的に上昇して、ボイド72の上方に位置するエミッタ11が故障したものと推定された。
以上説明した通り、第2の金属はんだ70の内部にボイド72が存在すると、レーザダイオードバー10の動作に悪影響を与えることが分かった。そこで、本願発明者等は、第2の金属はんだ70と接触するサブマウント20の裏面20bに側面20c1~20c4のいずれかに達する溝22を設けることで、この不具合を解消できることを見出した。以下、さらに説明する。
[レーザモジュールの組立方法]
図5Aは、レーザモジュールの組立工程を説明する模式図を示し、図5Bは、図5AのVB-VB線での断面図を示す。図6Aは、図5Aの続きの工程を説明する模式図を示し、図6Bは、図6AのVIA-VIA線での断面図を示す。図7Aは、図6Aの続きの工程を説明する模式図を示し、図7Bは、図7AのVIIB-VIIB線での断面図を示す。図8Aは、図7Aの続きの工程を説明する模式図を示し、図8Bは、図8AのVIIIB-VIIIB線での断面図を示す。
なお、説明の便宜上、図5A~図8Bにおいて、レーザダイオードバー10と第1の金属層30と第1の金属はんだ60と第2の金属層50の図示を省略している。また、冷却器40に設けられた冷却水路41の図示を省略している。
まず、図5Aに示すように、表面の所定の領域に第2の金属はんだ70が配置された冷却器40を加熱し、第2の金属はんだ70を溶融させる。このとき、加熱温度が冷却器40の表面内で不均一であると、第2の金属はんだ70に未溶融部71が発生する。
次に、図6Aに示すように、レーザダイオードバー10が実装されたサブマウント20を第2の金属はんだ70に接触させる。このとき、第2の金属はんだ70の厚さに所定以上のむらがあると、図6Bに示すように、サブマウント20の裏面20bと第2の金属はんだ70との間にボイド72が生じる。また、サブマウント20の裏面20bが第2の金属はんだ70に接触した状態で、未溶融部71が溶融すると、前述したように、サブマウント20の裏面20bと第2の金属はんだ70との間にボイド72が生じる。
次に、図7Aに示すように、サブマウント20を下方に向けて加圧した状態で、図6Aに示す状態を保持する。あるいは、第2の金属はんだ70に接触した状態で、サブマウント20をX方向及びZ方向に揺動させてもよい。このとき、第2の金属はんだ70は加熱により軟化もしくは液化している。このため、前述したボイド72内の空気は、サブマウント20からの加圧力やサブマウント20の揺動により、第2の金属はんだ70の内部を移動することができる。また、溝22の内部は第2の金属はんだ70で埋め込まれていない。よって、ボイド72内の空気が移動して溝22の内壁面に達すると、溝22を通って溝22の端部に達する。溝22の一端は、サブマウント20の前方側面20c1で開放されているため、溝22を通った空気は第2の金属はんだ70の外部に排出される。その結果、図8Aに示すように、第2の金属はんだ70の内部にボイド72が発生するのが抑制される。
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係るサブマウント20は、板状であって、複数のエミッタ11を有するレーザダイオードバー10を支持する。
サブマウント20は、表面20aと裏面20bと側面20c1~20c4とを有している。表面20aには、レーザダイオードバー10が実装されるレーザダイオードバー実装領域21が設けられている。裏面20bは表面20aとY方向に対応している。側面20c1~20c4は、表面20aと裏面20bとにそれぞれ連続している。
サブマウント20の裏面20bには、少なくとも1本の溝22が形成されている。平面視で、溝22は、レーザダイオードバー実装領域21から前方側面20c1に達している。前方側面20c1で溝22の端部が開放されている。
サブマウント20をこのように構成することで、第2の金属はんだ70によりサブマウント20を冷却器40に接続する場合、第2の金属はんだ70の内部にボイド72が発生するのを抑制できる。このことにより、第2の金属はんだ70を介したサブマウント20から冷却器40への熱排出がスムーズに行われる。その結果、レーザダイオードバー10のエミッタ11、動作時に発生する熱の影響により故障して非発光状態となるのを抑制できる。つまり、レーザダイオードバー10の光出力低下を抑制できる。
また、第2の金属はんだ70の内部にボイド72がある場合、ボイド72の上方に位置するエミッタ11が、動作初期には発光可能である場合もある。しかし、長時間使用時には、それまでにエミッタ11で発生した熱がレーザダイオードバー10に蓄積されて、レーザダイオードバー10の温度が局所的に大幅に上昇するおそれもある。この場合、レーザモジュール100の動作中に、エミッタ11が発光状態から急に非発光状態となることがある。
本実施形態によれば、ボイド72の発生を抑制し、サブマウント20から冷却器40への熱排出がスムーズに行われるため、長時間使用時のレーザモジュール100、具体的にはレーザダイオードバー10の各エミッタ11の動作信頼性が低下するのを抑制できる。
サブマウント20の裏面20bと冷却器40とが第2の金属はんだ70により接合される場合、溝22の内壁面は、サブマウント20の裏面20bのうち、溝22の内壁面を除いた領域よりも第2の金属はんだ70に対する濡れ性が低いことが好ましい。
前述したように、溝22は、第2の金属はんだ70の内部に残留した空気を外部に逃がすための通路として機能する必要がある。よって、溝22の内部が、第2の金属はんだ70で完全に埋め込まれないようにする必要がある。サブマウント20の裏面20bにおいて、溝22の内壁面を当該内壁面以外の領域よりも第2の金属はんだ70に対する濡れ性が低くなるようにすることで、サブマウント20の前方側面20c1までの空気の通路が確保される。
例えば、サブマウント20の裏面20bのうち、溝22の内壁面を除いた領域が、第1の金属層30で覆われているのが好ましい。このようにすることで、第1の金属層30で覆われた領域における第2の金属はんだ70に対する濡れ性を溝22の内壁面における当該濡れ性よりも高くできる。その結果、溝22の内部が、第2の金属はんだ70で完全に埋め込まれるのを防止できる。また、サブマウント20の裏面20bに第1の金属層30を設けることで、第2の金属はんだ70を介して、サブマウント20を冷却器40に確実に接合できる。
第1の金属層30は、サブマウント20の裏面20bから第1の密着層31と第1の拡散防止層32と第1の接合層33とがこの順に積層されていることが好ましい。第1の密着層31を設けることで、第1の拡散防止層32と第1の接合層33がサブマウント20に確実に密着される。第1の拡散防止層32を設けることで、第2の金属はんだ70を構成する物質がサブマウント20に拡散されるのを防止できる。第1の接合層33を設けることで、第2の金属はんだ70と第1の接合層33とが反応して、第2の金属はんだ70を介して、サブマウント20を冷却器40に確実に接合できる。
なお、第1の金属層30は、サブマウント20の表面20aのうち、少なくともレーザダイオードバー実装領域21に設けられるのが好ましい。このようにすることで、第1の金属はんだ60を介して、レーザダイオードバー10をサブマウント20に確実に接合できる。また、第1の密着層31を設けることで、第1の拡散防止層32と第1の接合層33がサブマウント20に確実に密着される。第1の拡散防止層32を設けることで、第1の金属はんだ60を構成する物質がサブマウント20やレーザダイオードバー10に拡散されるのを防止できる。このことにより、レーザダイオードバー10の各エミッタ11が故障したり、使用時の信頼性が低下したりするのを抑制できる。第1の接合層33を設けることで、第1の金属はんだ60と第1の接合層33とが反応して、第1の金属はんだ60を介して、レーザダイオードバー10をサブマウント20に確実に接合できる。
本実施形態に係るレーザモジュール100は、サブマウント20と、レーザダイオードバー10と、冷却器40と、を少なくとも備えている。レーザダイオードバー10は、少なくとも2個以上のエミッタ11を有している。冷却器40は、サブマウント20の支持部品である。また、冷却器40は、レーザダイオードバー10が実装されたサブマウント20を冷却する冷却機構として冷却水路41を内部に有している。
レーザダイオードバー10は、サブマウント20のレーザダイオードバー実装領域21に実装される。レーザダイオードバー10が実装されたサブマウント20が、冷却器40に実装される。
サブマウント20のレーザダイオードバー実装領域21とレーザダイオードバー10とが第1の金属はんだ60により接合されており、サブマウント20の裏面20bと冷却器40の表面とが第2の金属はんだ70により接合されている。
本実施形態によれば、動作中にレーザダイオードバー10で発生した熱が、サブマウント20を介して冷却器40に排出されるとともに、冷却水を介して速やかにレーザモジュール100の外部に排出される。このことにより、レーザダイオードバー10の温度上昇に起因して、各エミッタ11から出射されるレーザ光の出力が低下するのを抑制でき、レーザダイオードバー10全体で高出力のレーザ光を得ることができる。
また、本実施形態によれば、サブマウント20と冷却器40とを接合する第2の金属はんだ70の内部にボイド72が発生するのを抑制できる。このことにより、第2の金属はんだ70を介したサブマウント20から冷却器40への熱排出がスムーズに行われる。さらに、レーザダイオードバー10のエミッタ11、動作時に発生する熱の影響により故障して非発光状態となるのを抑制できる。つまり、レーザダイオードバー10の光出力低下を抑制できる。また、長時間使用時にもレーザ光の出力を安定化でき、レーザモジュール100の動作信頼性が確保される。
第2の金属はんだ70の融点は、第1の金属はんだ60の融点と異なっているのが好ましい。本実施形態の場合は、第2の金属はんだ70の融点は、第1の金属はんだ60の融点よりも低いことが好ましい。
レーザダイオードバー10をサブマウント20に実装する場合、レーザダイオードバー実装領域21に対して位置合わせを行った上で両者が接合される。同様に、冷却器40の所定の位置に対して位置合わせを行った上でサブマウント20が冷却器40に接合される。このようにすることで、レーザモジュール100の設置位置を基準として、レーザ光の出射方向や出射位置が定められる。
3つの部材、レーザダイオードバー10とサブマウント20と冷却器40とを同時に位置合わせして、かつ実装することは困難であるから、レーザダイオードバー10をサブマウント20に実装した後、サブマウント20が冷却器40に実装される。この場合、サブマウント20と冷却器40との接合時に、レーザダイオードバー10とサブマウント20とを接合する第1の金属はんだ60が溶融・軟化しないように、第2の金属はんだ70の融点を第1の金属はんだ60の融点よりも低くする必要がある。この条件を満たすために、例えば、第1の金属はんだ60を、金とスズとを含む合金とし、第2の金属はんだ70を、銀とスズと銅とを含む合金とするのが好ましい。
なお、実装の順番を逆にする場合は、第1の金属はんだ60の融点を第2の金属はんだ70の融点よりも低くするのが好ましいことは言うまでもない。その場合、第1の金属はんだ60を、銀とスズと銅とを含む合金とし、第2の金属はんだ70を、金とスズとを含む合金とするのが好ましい。
<変形例1>
図9は、変形例1に係るレーザダイオードバーが実装されたサブマウントの斜視図を示す。なお、説明の便宜上、図9及び以降に示す各図面において、実施形態と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図2A,2Bに示すように、実施形態に示すサブマウント20に形成された溝22の長手方向は、エミッタ11の長手方向に一致している。ただし、後で述べるように、溝22の延長方向は特にこれに限定されない。
また、溝22は、第2の金属はんだ70の内部に残留した空気を外部に逃がすための通路としての機能を果たせればよく、溝22の幅や深さに関しては特に大きな制約を設ける必要は無い。例えば、溝22の幅が、互いに隣り合うエミッタ11の間を分離する分離溝12の幅と同じであってもよい。なお、溝22の幅や深さがある程度変化しても、レーザダイオードバー10で発生した熱を放熱する性能はほとんど変わらない。
また、レーザダイオードバー10の動作中、X方向に沿って中央に配置されたエミッタ11は、両端近傍に位置するエミッタ11よりもサブマウント20に熱が逃げにくく、エミッタ11の内部に熱が溜まりやすい。つまり、動作中の発熱により故障して非発光状態となる確率は、中央に配置されたエミッタ11の方が、両端近傍に位置するエミッタ11よりも高くなる。
一方、レーザダイオードバー10に含まれるエミッタ11の個数がある程度多ければ、例えば、図9に示すように、レーザダイオードバー10の中央領域10a、さらに言うと、平面視で、溝22と重なる部分を含む所定の領域において、エミッタ11を設けないようにしてもよい。このようにすることで、レーザダイオードバー10の動作時に、中央領域10aでの発熱量を低減でき、中央領域10aに位置するエミッタ11が故障して非発光状態となるのを抑制できる。その結果、レーザダイオードバー10から出射されるレーザ光を高出力に保ちつつ、動作信頼性が低下するのを抑制できる。なお、中央領域10aにおいて、エミッタ11を設けないことで、レーザダイオードバー10から出射されるレーザ光のトータルの出力は低下する。よって、レーザ光のトータルの出力の低下度合いと長時間使用時の出力の低下度合いとに鑑みて、エミッタ11の非形成領域を決める必要がある。なお、図9では、レーザダイオードバー10の中央領域10aにエミッタ11が形成されない連続した領域を設けた例を示した。しかし、特にこれに限られず、レーザダイオードバー10の中央領域10aでは、エミッタ11を間引いて、数個毎にエミッタ11を設けるようにしてもよい。つまり、中央領域10aにおけるエミッタ11の配置密度が、両端部におけるエミッタ11の配置密度よりも低くなるように、レーザダイオードバー10が形成されていてもよい。言い換えると、平面視で溝22と重なる部分を含む所定の領域におけるエミッタ11の配置密度が、前述の所定の領域よりも端部に近い領域におけるエミッタ11の配置密度よりも低くなるように、レーザダイオードバー10が形成されていてもよい。
<変形例2>
図10は、変形例2に係るサブマウントの断面模式図を示し、図10に示す本変形例の溝22は、内壁面が被膜23で覆われている点で、図1Bや図2Bに示す実施形態の溝22と異なる。
図10に示す被膜23は、単層膜かまたは積層膜である。被膜23が単層膜の場合、当該単層膜は、酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化シリコン及びグラファイトシートのうちのいずれかからなる。被膜23が積層膜の場合、当該積層膜は、酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化シリコン及びグラファイトシートのうちの少なくとも2種を含む。
図10に示すように、溝22の内壁面を被膜23で覆うことにより、溝22の内壁面における第2の金属はんだ70に対する濡れ性を、サブマウント20の裏面20bのうち、溝22の内壁面を除いた領域よりも確実に低下させることができる。このことにより、サブマウント20と冷却器40の接合時に、溝22の内部が第2の金属はんだ70で埋め込まれるのを防止し、第2の金属はんだ70の内部に残留した空気を、溝22を通じて第2の金属はんだ70の外部に逃がすことができる。このことにより、サブマウント20から冷却器40への熱排出がスムーズに行われるため、長時間使用時のレーザモジュール100、具体的にはレーザダイオードバー10の各エミッタ11の動作信頼性が低下するのを抑制できる。
<変形例3>
図11は、変形例3に係るレーザダイオードバーが実装されたサブマウントの断面模式図を示す。
本変形例に示すレーザダイオードバー10は、エミッタ11の発光点がサブマウント20に近い下面側にある、いわゆるジャンクションダウンタイプである点で、図1A,1Bや図2Aに示すレーザダイオードバー10と異なる。また、図11に示すように、本変形例では、分離溝12が第1の金属はんだ60の表面に対向するように、レーザダイオードバー10がサブマウント20に実装されている。
サブマウント20冷却器40との接合時に、第2の金属はんだ70の内部にボイド72が発生しうることは既に述べた。同様に、レーザダイオードバー10とサブマウント20との接合時に、第1の金属はんだ60の内部にも同様のボイドは発生しうる。
一方、本変形例に示すように、分離溝12が第1の金属はんだ60の表面に対向するように、レーザダイオードバー10を第1の金属はんだ60に接触させると、各分離溝12が、第1の金属はんだ60の内部に残留した空気を外部に逃がすための通路として機能しうる。つまり、サブマウント20に形成された溝22と同様の機能を奏しうる。このことにより、第1の金属はんだ60の内部にボイドが発生するのを防止できる。さらに、レーザダイオードバー10からサブマウント20への熱排出がスムーズに行われるため、長時間使用時のレーザモジュール100、具体的にはレーザダイオードバー10の各エミッタ11の動作信頼性が低下するのを抑制できる。
なお、第1の金属はんだ60を介して、レーザダイオードバー10とサブマウント20とを確実に電気的に接続するため、エミッタ11と分離溝12とを覆うように、p側電極14がレーザダイオードバー10に形成されている。このため、いくつかの分離溝12の内部が、第1の金属はんだ60で埋め込まれる場合がある。そのため、サブマウント20に形成された溝22に比べて、第1の金属はんだ60の内部から空気を外部に逃がす機能は、分離溝12において若干低下することがある。
<変形例4>
図12A~12Kは、変形例4に係る第1~第11のサブマウントを裏面から見た模式図を示し、図13A~13Cは、第12~第14のサブマウントを裏面から見た模式図を示す。
前述したように、溝22は、第2の金属はんだ70の内部に残留した空気を外部に逃がすための通路として機能すればよく、そのために、平面視で、溝22が、レーザダイオードバー実装領域21からサブマウント20の4つの側面20c1~20c4のいずれかに達しており、当該側面で溝22の端部が開放されていればよい。このことが実現できていれば、また、溝22の形状や幅や深さに関しては特に大きな制約は設けられない。前述したように、溝22の形状や幅や深さがある程度変化しても、レーザダイオードバー10で発生した熱を放熱する性能はほとんど変わらない。
例えば、溝22の幅や深さが、レーザダイオードバー10の分離溝12の幅や深さと同程度であってもよい。ただし、分離溝12の幅は10μm程度であることが多く、溝22の幅や深さは、この値よりも広いかあるいは深いことが好ましい。また、溝22の幅や深さが溝22の長手方向に変化していてもよい。その場合、溝22における最も狭い部分の幅が、10μmよりも広いことが好ましい。また、溝22における最も浅い部分の深さが、10μmよりも深いことが好ましい。
また、図12Aに示すように、溝22の端部が、X方向及びZ方向のそれぞれと平行な側面20c4に達して、側面20c4で溝22の端部が開放されていてもよい。また、図12Bに示すように、X方向及びZ方向のそれぞれと平行で、かつX方向に対向する2つの側面20c2,20c4のそれぞれに溝22の端部が達していてもよい。また、図12Cに示すように、溝22が、十字形状であり、サブマウント20の4つの側面20c1~20c4のそれぞれに溝22の端部が達していてもよい。
また、図12Dに示すように、平面視で、溝22がT字形状であってもよいし、図12Eに示すように、レーザダイオードバー実装領域21の内側で、溝22が開ループ状になっていてもよい。図12Fに示すように、溝22が、サブマウント20の後方側面20c3に達していてもよい。溝22の一端が、サブマウント20の4つの側面20c1~20c4のいずれかに達して、溝22の一端が開放されていればよい。
また、溝22の本数が複数であってもよい。例えば、図12Gに示すように、Z方向に延びて、溝22の一端がそれぞれサブマウント20の前方側面20c1に達する3本の溝22が設けられていてもよい。図12Hに示すように、2本の溝22のそれぞれの一端が、平面視で、レーザダイオードバー実装領域21から2つの側面20c2,20c4のそれぞれに達していてもよい。また、図12Iに示すように、サブマウント20の裏面20bにくし形の溝22が設けられていてもよい。いずれの場合も、複数の溝22のそれぞれにおいて、一端がサブマウント20の4つの側面20c1~20c4のいずれかに達して、溝22の一端が開放されていればよい。
また、図12Jに示すように、溝22の一端がサブマウント20の側辺部20d2に達して、側辺部20d2で溝22の一端が開放されていてもよい。また、図12Kに示すように、レーザダイオードバー実装領域21からサブマウント20の後方側面20c3に達する溝22の途中が広がった形状になっていてもよい。この場合は、溝22の途中で楕円形状に広がっている。なお、本願明細書において、「側辺部」とは、隣接する側面が交わる辺を含む所定の領域を言う。
また、サブマウント20の形状自体も、特に長方形に限定されない。例えば、平面視で、正方形であってもよい。また、サブマウント20が、平面視で円形や半円形であってもよい。あるいは、図13Aに示すように、サブマウント20が、平面視で楕円形であってもよい。この場合も、溝22の一端は、サブマウント20の側面20c1に達した箇所で開放されている。なお、サブマウント20が、平面視で半楕円形であってもよい。
また、サブマウント20が、平面視でn角形(nは3以上の整数)であってもよい。例えば、図13Bに示すように、サブマウント20が、3つの側面20c1~20c3と3つの側辺部20d1~20d3とを有する三角形であってもよいし、図13Cに示すように、8つの側面20c1~20c8と8つの側辺部20d1~20d8とを有する八角形であってもよい。この場合、溝22の一端は、サブマウント20の側面20c1~20c8かまたは側辺部20d1~20d8のいずれかに達して、当該側面または側辺部で、溝22の一端が開放されていればよい。
(その他の実施形態)
実施形態及び変形例1~4に示す各構成要素を適宜組み合わせて、新たな実施形態とすることができる。例えば、変形例4に示す複数の種類の溝22に対して、それらの内壁面を変形例2に示す被膜23で覆うようにしてもよい。
また、実施形態では、サブマウント20が第2の金属はんだ70を介して冷却器40に実装され、冷却器40が内部に冷却水路41を有している例を示したが、サブマウント20が実装される部品は、サブマウント20を機械的に支持する支持部品であればよく、冷却器40以外であってもよい。ただし、レーザダイオードバー10で発生した熱をサブマウント20を介して外部に排出可能とする放熱部品であることが好ましいことは言うまでもない。例えば、所定の体積または表面積を有するヒートシンクであってもよい。その場合、内部に冷却水路41等の冷却機構が設けられていなくてもよい。
本開示のサブマウントは、サブマウントと支持部品との間の金属はんだにボイドが生じるのを抑制できるため、サブマウントに実装されたレーザダイオードバーの高出力化や高信頼性化を実現する上で有用である。
10 レーザダイオードバー
11 エミッタ
12 分離溝
13 n側電極
14 p側電極
20 サブマウント
20a 表面
20b 裏面
20c1~20c8 側面
20d1~20d8 側辺部
21 レーザダイオードバー実装領域
22 溝
30 第1の金属層
31 第1の密着層
32 第1の拡散防止層
33 第1の接合層
23 被膜
40 冷却器(支持部品)
41 冷却水路
50 第2の金属層
51 第2の密着層
52 第2の拡散防止層
53 第2の接合層
60 第1の金属はんだ
70 第2の金属はんだ(金属はんだ)
71 未溶融部
72 ボイド
100 レーザモジュール

Claims (15)

  1. 複数のエミッタを有するレーザダイオードバーを支持するための板状のサブマウントであって、
    前記レーザダイオードバーが実装される実装領域が設けられた表面と、
    前記表面と対向する裏面と、
    前記表面と前記裏面とに連続する側面と、を有し、
    前記裏面には、少なくとも1本の溝が形成されており、
    平面視で、前記溝は、前記実装領域から前記側面または前記サブマウントの側辺部に達するとともに、前記側面または前記側辺部で前記溝の端部が開放されていることを特徴とするサブマウント。
  2. 請求項1に記載のサブマウントにおいて、
    前記溝における最も狭い部分の幅が、10μmよりも広いことを特徴とするサブマウント。
  3. 請求項1に記載のサブマウントにおいて、
    前記溝における最も浅い部分の深さが、10μmよりも深いことを特徴とするサブマウント。
  4. 請求項1に記載のサブマウントにおいて、
    前記サブマウントの前記裏面と支持部品とが金属はんだにより接合される場合、
    前記溝の内壁面は、前記裏面のうち前記溝の内壁面を除いた領域よりも前記金属はんだに対する濡れ性が低いことを特徴とするサブマウント。
  5. 請求項4に記載のサブマウントにおいて、
    前記溝の内壁面は、被膜で覆われており、
    前記被膜は、単層膜かまたは積層膜であり、
    前記単層膜は、酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化シリコン及びグラファイトシートのうちのいずれかからなり、
    前記積層膜は、酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化シリコン及びグラファイトシートのうちの少なくとも2種を含むことを特徴とするサブマウント。
  6. 請求項4に記載のサブマウントにおいて、
    前記裏面のうち前記溝の内壁面を除いた領域が、第1の金属層で覆われていることを特徴とするサブマウント。
  7. 請求項6に記載のサブマウントにおいて、
    前記第1の金属層は、前記裏面から第1の密着層と第1の拡散防止層と第1の接合層とがこの順に積層されていることを特徴とするサブマウント。
  8. 請求項7に記載のサブマウントにおいて、
    前記サブマウントの前記表面のうち、少なくとも前記実装領域は、前記第1の金属層で覆われており、
    前記第1の金属層は、前記表面から前記第1の密着層と前記第1の拡散防止層と前記第1の接合層とがこの順に積層されていることを特徴とするサブマウント。
  9. 請求項4に記載のサブマウントにおいて、
    前記金属はんだは、銀とスズと銅とを含む合金であることを特徴とするサブマウント。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のサブマウントと、
    前記サブマウントの前記実装領域に実装される前記レーザダイオードバーと、
    前記サブマウントが実装される支持部品と、を少なくとも備え、
    前記レーザダイオードバーは、少なくとも2個以上のエミッタを有し、
    前記実装領域と前記レーザダイオードバーとが第1の金属はんだにより接合されており、
    前記サブマウントの前記裏面と前記支持部品とが第2の金属はんだにより接合されていることを特徴とするレーザモジュール。
  11. 請求項10に記載のレーザモジュールにおいて、
    前記第2の金属はんだの融点は、前記第1の金属はんだの融点と異なることを特徴とするレーザモジュール。
  12. 請求項11に記載のレーザモジュールにおいて、
    前記第1の金属はんだは、金とスズとを含む合金であり、
    前記第2の金属はんだは、銀とスズと銅とを含む合金であることを特徴とするレーザモジュール。
  13. 請求項10に記載のレーザモジュールにおいて、
    前記支持部品は、前記レーザダイオードバーが実装された前記サブマウントを冷却する冷却機構を有していることを特徴とするレーザモジュール。
  14. 請求項10に記載のレーザモジュールにおいて、
    前記溝の長手方向が、前記エミッタの長手方向に一致しており、
    前記溝の幅は、互いに隣り合う前記エミッタの間を分離する分離溝の幅と同じであることを特徴とするレーザモジュール。
  15. 請求項10に記載のレーザモジュールにおいて、
    前記レーザダイオードバーは、平面視で、前記溝と重なる部分を含む所定の領域において前記エミッタが設けられていないことを特徴とするレーザモジュール。
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