JP2004111813A - 半導体薄膜の製造方法、半導体装置の製造方法及び半導体装置、薄膜トランジスタの製造方法及び薄膜トランジスタ、集積回路、電気光学装置、電子機器 - Google Patents
半導体薄膜の製造方法、半導体装置の製造方法及び半導体装置、薄膜トランジスタの製造方法及び薄膜トランジスタ、集積回路、電気光学装置、電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明に係る半導体装置は、基板上に、第1絶縁膜と、熱伝導性材料からなる冷却膜と、第2絶縁膜と、略単結晶珪素膜とをこの順で有し、前記第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔が前記冷却膜上に設けられるとともに当該貫通孔内が前記冷却膜の表面まで前記略単結晶珪素膜の一部により埋め込まれ、前記略単結晶珪素膜を半導体薄膜として用いてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体薄膜の製造方法に関する。特に非晶質珪素膜にレーザ照射を行うことにより略単結晶珪素膜を製造する製造方法に関する。また、これを用いた半導体装置の製造方法、並びに薄膜トランジスタの製造方法、そして、これらの方法を用いて製造された半導体装置、及びこの半導体装置を用いた薄膜トランジスタ、集積回路、電気光学装置、及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
非晶質珪素薄膜トランジスタ(a−Si TFT)を汎用ガラス基板に低温で製造する方法として下記非特許文献1及び非特許文献2の欄に示した文献には、基板上の絶縁膜に孔をあけて、この絶縁膜上及び孔内に非晶質珪素膜を形成した後、この非晶質珪素膜にレーザ光を照射して、前記孔の底部内の非晶質珪素を非溶融状態に保持しながら、その他の部分の非晶質珪素膜を溶融状態にすることにより、非溶融状態に保持された非晶質珪素を結晶核とした結晶成長を生じさせて、非晶質珪素膜の面内における前記孔を中心とした領域を略単結晶珪素膜とする方法が開示されている。
【0003】
【非特許文献1】
「Single Crystal Thin Film Transistors」(IBM TECHNICAL DISCLOSURE BULLETIN Aug.1993 pp257−258)
【非特許文献2】
「Advanced Excimer −Laser Crystallization Techniques of Si Thin−Film For Location Control of Large Grain on Glass」(R.Ishihara等proc.SPIE 2001.vol.4295 p14〜23)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記両文献に記載された方法では、孔の底部内の非晶質珪素膜を核として結晶成長をさせるため、孔の底部だけを結晶化させない状態を確実に作り出さなければならない。このため、孔の大きさや、ショット回数や出力等のレーザ照射条件を厳密に制御しなければならないが、孔の径は非常に微小であるため孔の大きさを確実に制御することは困難であり、高価で精密な露光装置及びエッチング装置が不可欠とされていた。また、微細な孔に対してレーザ照射条件を厳密に制御することは孔の大きさにばらつきなどもあり非常に困難であるという問題があった。
【0005】
したがって、本発明は上述した従来の実情に鑑みて創案されたものであり、半導体薄膜である略単結晶珪素膜を簡便且つ確実に形成可能な半導体薄膜の製造方法、及びこれを用いた半導体装置の製造方法、並びに薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、この方法を用いて作製された半導体装置、及びこの半導体装置を用いた薄膜トランジスタ、集積回路、電気光学装置、及び電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成する本発明に係る半導体薄膜の製造方法は、基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、第1絶縁膜上に熱伝導性材料からなる冷却膜を形成する工程と、冷却膜上及び第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔を冷却膜上に形成する工程と、貫通孔内と第2絶縁膜上に非晶質珪素を堆積して非晶質珪素膜を形成する工程と、非晶質珪素膜にレーザを照射して非晶質珪素膜を溶融状態とすることにより冷却膜の表面から非晶質珪素膜の貫通孔を中心とした領域を略単結晶状態の珪素膜に変化させる工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
この半導体薄膜の製造方法によれば、レーザ照射により非晶質珪素膜を溶融状態とした際、レーザの大半は非晶質珪素膜で吸収され、一部が冷却膜にまで到達し、当該冷却膜に吸収される。そして、冷却膜は、吸収したレーザ光のエネルギーにより温められ温度が上昇する。ここで、非晶質珪素膜よりも光吸収係数が大きい材料により形成されている冷却膜は、効率的にレーザ光のエネルギーを吸収し、温度が上昇する。
【0009】
また、冷却膜は高い熱伝導性を有し放熱特性に優れた材料により構成されているため、蓄えられた熱を外部に放出し、これにより、まず冷却膜の直上に設けられた貫通孔内の非晶質珪素が温められて溶融状態とされ、さらに、第2絶縁膜上の非晶質珪素膜も同様に温められて溶融状態とされる。すなわち、レーザ照射が行われた際、非晶質珪素膜は、レーザ光から直接吸収したエネルギーと、レーザ光のエネルギーを吸収して温められた冷却膜から放出された熱エネルギーとにより温められて溶融状態とされる。
【0010】
また、レーザ照射後は、高い熱伝導性を有し放熱特性に優れた材料により形成された冷却膜がまず熱を失って温度が低下し、これにより当該冷却膜の直上に設けられた貫通孔内の溶融状態にある珪素を冷却する。すなわち、溶融状態の珪素は貫通孔の底部で冷却膜と接しているため、この接触部分が冷却される。その結果、溶融状態の珪素の凝固が、冷却膜により冷却された貫通孔の底部、すなわち冷却膜と溶融状態の珪素との接触部分で始まり、冷却膜と溶融状態の珪素との接触部分に核となる結晶粒を形成することができる。そして、この結晶粒を核として結晶成長させることにより、貫通孔の底部、すなわち冷却膜の表面から貫通孔を介して非晶質珪素膜の面内の貫通孔を中心とした領域までを略単結晶珪素膜に変化させることができ、略単結晶珪素膜を簡便且つ確実に連続形成することができる。このようにして作製された略単結晶珪素膜は、膜質のばらつきがなく、均一な特性を有する。
【0011】
そして、略単結晶珪素膜は、内部に欠陥が少ないため半導体の電気特性の点で、エネルギーバンド図における禁制帯中央部付近の捕獲準位密度を少なくさせる効果を有する。また、略単結晶珪素膜には結晶粒界がない、もしくは少ないため、多結晶珪素膜と比較して電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁が大きく低減されている。そして、この略単結晶珪素膜を半導体薄膜に用いて半導体装置を構成することにより、オフ電流や移動度に優れ、高速動作に対応可能な半導体装置を容易に実現可能である。したがって、この半導体薄膜の製造方法によれば、半導体装置に用いて好適な良好な品質を有する半導体薄膜を作製することができる。
【0012】
また、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、第1絶縁膜上に珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜を形成する工程と、冷却膜上及び第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔を冷却膜上に形成する工程と、貫通孔内と第2絶縁膜上に非晶質珪素を堆積して非晶質珪素膜を形成する工程と、非晶質珪素膜にレーザを照射して非晶質珪素膜を溶融状態とすることにより冷却膜の表面から非晶質珪素膜の前記貫通孔を中心とした領域を略単結晶状態の珪素膜に変化させる工程と、略単結晶珪素膜を半導体薄膜として用いて半導体装置を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
この半導体装置の製造方法によれば、前記の半導体薄膜の製造方法を用いるため、レーザ照射により非晶質珪素膜を溶融状態とした後、冷却膜と溶融状態の珪素との接触部分に核となる結晶粒を形成することができる。そして、この結晶粒を核として結晶成長させることにより、貫通孔の底部、すなわち冷却膜の表面から貫通孔を介して非晶質珪素膜の面内の貫通孔を中心とした領域までを略単結晶珪素膜に変化させることができ、略単結晶珪素膜を簡便且つ確実に連続形成することができる。そして、上述した利点を有する略単結晶珪素膜を半導体薄膜として半導体装置を形成するため、オフ電流や移動度に優れ、高速動作に対応可能な半導体装置を容易に実現することができる。
【0014】
また、本発明に係る半導体装置は、基板上に、第1絶縁膜と、珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜と、第2絶縁膜と、略単結晶珪素膜とをこの順で有し、第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔が冷却膜上に設けられるとともに当該貫通孔内が前記冷却膜の表面まで略単結晶珪素膜の一部により埋め込まれ、略単結晶珪素膜を半導体薄膜として用いてなることを特徴とする。
【0015】
この半導体装置によれば、前記の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置に用いて好適な良好な品質を有する略単結晶珪素膜を用いて形成されているため、オフ電流や移動度に優れ、高速動作に対応可能な半導体装置を実現することができる。
【0016】
また、本発明に係る半導体装置は、冷却膜が、珪素、第1絶縁層及び第2絶縁層よりも熱伝導性が高いことを特徴とする。これにより、レーザ照射後、冷却膜は効率的に放熱を行い、溶融状態の珪素などよりも早く温度が低下する。したがって、確実に溶融状態の珪素を冷却することができ、結晶成長の核となる結晶粒を形成することができ、良好な品質の略単結晶珪素膜が得られるため、オフ電流や移動度に優れ、高速動作に対応可能な半導体装置を実現することができる。
【0017】
また、本発明に係る半導体装置は、冷却膜が金属材料からなることを特徴とする。熱伝導特性に優れ、放熱特性の良好な金属材料により冷却膜を形成することにより、レーザ照射後に効果的に溶融状態の珪素を冷却することができ、結晶成長の核となる結晶粒を確実に形成できる。したがって、良好な品質の略単結晶珪素膜を確実に得ることができ、オフ電流や移動度に優れ、高速動作に対応可能な半導体装置を実現することができる。
【0018】
また、本発明に係る半導体装置は、金属材料がCr,Ni,Taのいずれかであることを特徴とする。これらの材料を用いることにより、特に効果的にレーザ照射後の溶融状態の珪素を冷却することができ、より確実に核となる結晶粒を形成できる。
【0019】
また、本発明に係る半導体装置は、冷却膜が導電性を有することを特徴とする。これにより、冷却膜に半導体装置の回路上の機能を持たせることができ、半導体装置構造の自由度を大きくすることができる。
【0020】
また、本発明に係る半導体装置は、冷却膜が、非晶質珪素膜よりも光吸収係数が大きいことを特徴とする。これにより、レーザ照射の際、レーザ光のエネルギーを効率よく吸収することが可能となり、より早く冷却膜の温度を上昇させることができ、確実に非晶質珪素膜を溶融させることができるため、良好な品質の略単結晶珪素膜を確実に得ることができる。
【0021】
また、本発明に係る半導体装置は、冷却膜が半導体装置の配線として用いられることを特徴とする。これにより、従来、配線を配していた領域に新たな配線等を容易に設けることが可能となり、半導体装置構造の自由度を大きくすることができる。
【0022】
また、本発明に係る半導体装置は、略単結晶珪素膜の面内の前記貫通孔を含まない領域を半導体薄膜として用いてなることを特徴とする。これにより、略単結晶珪素膜の歪みや欠陥を避けて半導体装置を形成することができ、より特性の優れた半導体装置を得ることが可能となる。
【0023】
また、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法は、ソース・ドレイン領域に規定されたチャンネル領域を有する薄膜トランジスタの製造方法であって、基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、第1絶縁膜上に珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜を形成する工程と、冷却膜上及び第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔を冷却膜上に形成する工程と、貫通孔内と第2絶縁膜上に非晶質珪素を堆積して非晶質珪素膜を形成する工程と、非晶質珪素膜にレーザを照射して非晶質珪素膜を溶融状態とすることにより冷却膜の表面から非晶質珪素膜の貫通孔を中心とした領域を略単結晶状態の珪素膜に変化させる工程と、略単結晶珪素膜を前記チャンネル領域及びソース・ドレイン領域として用いて薄膜トランジスタを形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
この薄膜トランジスタの製造方法によれば、レーザ照射により非晶質珪素膜を溶融状態とした後、冷却膜と溶融状態の珪素との接触部分に核となる結晶粒を形成することができる。そして、この結晶粒を核として結晶成長させることにより、貫通孔の底部、すなわち冷却膜の表面から貫通孔を介して非晶質珪素膜の面内の貫通孔を中心とした領域までを略単結晶珪素膜に変化させることができ、略単結晶珪素膜を簡便且つ確実に連続形成することができる。そして、上述した利点を有する略単結晶珪素膜を薄膜トランジスタの能動層、すなわちソース/ドレイン領域やチャンネル領域に用いて薄膜トランジスタを形成するため、オフ電流や移動度に優れ、高速動作に対応可能な薄膜トランジスタを容易に実現することができる。
【0025】
また、本発明に係る薄膜トランジスタは、ソース・ドレイン領域に規定されたチャンネル領域を有する薄膜トランジスタであって、基板上に、第1絶縁膜と、珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜と、第2絶縁膜と、略単結晶珪素膜とをこの順で有し、第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔が冷却膜上に設けられるとともに当該貫通孔内が冷却膜の表面まで略単結晶珪素膜の一部により埋め込まれ、略単結晶珪素膜をチャンネル領域及びソース・ドレイン領域として用いてなることを特徴とする。
【0026】
この薄膜トランジスタによれば、前記の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置に用いて好適な良好な品質を有する略単結晶珪素膜を用いて形成されているため、オフ電流や移動度に優れ、高速動作に対応可能な薄膜トランジスタを実現することができる。
【0027】
また、本発明に係る薄膜トランジスタは、ソース・ドレイン領域がコンタクトホールを介して電極に接続され、当該電極と冷却膜とが同一材料により第1絶縁膜上に形成されていることを特徴とする。これにより、従来電極が配されていた領域に新たな配線等を容易に設けることが可能であり、半導体装置構造の自由度を大きくすることができる。また、冷却膜と電極とを同時に形成することができるため、従来の薄膜トランジスタの製造プロセスと同じ露光回数で高品質な略単結晶珪素膜を作製することが可能であり、良好な特性を有する薄膜トランジスタが容易に実現できる。
【0028】
また、本発明に係る薄膜トランジスタは、貫通孔の直径がコンタクトホールの直径よりも小とされることを特徴とする。これにより、非晶質珪素膜に対するレーザ照射後に結晶成長の核となる結晶粒が複数箇所で形成されることを防止して核となる結晶粒を貫通孔のみに形成することが可能となり、略単結晶珪素膜を確実に連続形成することができるため、良好な特性を有する薄膜トランジスタが実現可能である。
【0029】
また、本発明に係る薄膜トランジスタは、冷却膜が貫通孔を介してソース・ドレイン領域に接続され、電極として用いられることを特徴とする。冷却膜が電極としての機能を兼ねることにより、従来電極が配されていた領域に新たな配線等を容易に設けることが可能であり、半導体装置構造の自由度を大きくすることができる。また、電極形成プロセスを省略することが可能となるため、薄膜トランジスタの製造プロセスを簡略化することが可能である。
【0030】
また、本発明に係る薄膜トランジスタは、貫通孔が各薄膜トランジスタにつき1個のみ設けられていることを特徴とする。これにより、非晶質珪素膜に対するレーザ照射後に結晶成長の核となる結晶粒が各薄膜トランジスタにつき複数箇所で発生することを防止して核となる結晶粒の発生部位を一カ所のみとすることが可能となり、略単結晶珪素膜を確実に連続形成することができるため、良好な特性を有する薄膜トランジスタが実現可能である。
【0031】
また、本発明に係る薄膜トランジスタは、貫通孔が複数の薄膜トランジスタにつき1個のみ設けられていることを特徴とする。これにより、非晶質珪素膜に対するレーザ照射後に結晶成長の核となる結晶粒が各薄膜トランジスタにつき複数箇所で発生することを防止して核となる結晶粒の発生部位を一カ所のみとすることが可能となり、略単結晶珪素膜を確実に連続形成することができるため、良好な特性を有する薄膜トランジスタが実現可能である。また、貫通孔の形成個数を減らすことができるため、簡略な製造プロセスにより良好な特性を有する薄膜トランジスタを容易に得ることができる。
【0032】
また、本発明に係る集積回路は、請求項3乃至請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする。この集積回路においては、前記の半導体装置の製造方法で製造された半導体装置を備えるため、高速動作に対応可能な集積回路を実現することができる。ここで、本明細書において「集積回路」とは、一定の機能を奏するように半導体装置及び関連する配線等が集積配置された回路(チップ)をいう。
【0033】
また、本発明に係る電気光学装置は、複数の走査線と、複数のデータ線と、走査線とデータ線の交差に対応して配置された画素電極及びスイッチング素子と、電気光学素子とを有し、画素電極を制御することにより電気光学素子を駆動する電気光学装置であって、スイッチング素子が、請求項3乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする。この電気光学装置においては、前記の半導体装置の製造方法で製造された半導体装置を備えるため、高速動作に対応可能な電気光学装置を実現することができる。
【0034】
ここで、本明細書において「電気光学装置」とは、前記の本発明に係る半導体装置と、電気的作用によって発光する素子または外部からの光の状態を変化させる電気光学素子を備えた装置一般をいい、自ら光を発するものと外部からの光の通過を制御するものとの両者を含むものである。このような電気光学装置としては、例えば電気光学素子として液晶素子、電気泳動素子が分散した分散媒を有する電気泳動素子、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、電界の印加により発生した電子を発光板に当てて発光させる電子放出素子などを備えたアクティブマトリクス型の表示装置等が挙げられる。
【0035】
また、本発明に係る電子機器は、請求項3乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする。この電子機器においては、前記の半導体装置の製造方法で製造された半導体装置を備えるため、高速動作に対応可能な電子機器を実現することができる。
【0036】
ここで、本明細書において「電子機器」とは、本発明に係る半導体装置を備え、一定の機能を奏する電子機器一般をいい、例えば前記の電気光学装置を備えて構成されるものである。このような電子機器としては特に構成の限定はなく、例えば、ICカード、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどが挙げられる。
【0037】
なお、本発明において「略単結晶」とは、結晶粒が単一である場合のみならず、これに近い状態も含むものである。具体的には、複数の結晶が組み合わさっていても、その結晶の大きさが大きく、且つその数が少ないものとされ、半導体薄膜の性質の観点からはほぼ単結晶により形成された半導体薄膜と同等の性質を備えている場合も含むものである。
【0038】
また、本発明において、「貫通孔」とは、絶縁膜を貫通して設けられ、当該絶縁膜の挟む上下の層をつなぐ通路をいうものであり、その断面形状は問わない。すなわち、円柱状や角柱状等種々の形状を採用することが可能である。また、「貫通孔」は、必ずしも全ての部分において同一径を有する柱状とされることを要せず、断面の径が部分ごとに異なる形状であってもよい。
【0039】
また、本発明において「連続形成」とは、界面を生ずることなく結晶が成長することをいう。また、界面が生じても、その数が少ないものとされ、半導体薄膜の性質の観点からは界面がなく形成された半導体薄膜とほぼ同等の性質を備えている場合も含むものである。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0041】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、本発明に係る半導体薄膜の製造方法について説明する。
図1に、絶縁膜上に本発明を適用して半導体薄膜が形成された状態を示す。図1においては、ガラス基板1上に第1絶縁膜2が形成され、当該第1絶縁膜2上に冷却膜3が形成されている。そして、冷却膜3及び第1絶縁膜2上に第2絶縁膜4が形成され、その上に半導体薄膜である略単結晶珪素膜6が形成されている。また、冷却膜3上の第2絶縁膜4には、厚み方向に当該第2絶縁膜4を貫通する貫通孔Hが設けられている。
【0042】
この略単結晶珪素膜6は、内部に欠陥が少ないため、半導体の電気特性の点で、エネルギーバンド図における禁制帯中央部付近の捕獲準位密度を少なくさせる効果がある。また、この略単結晶珪素膜6には結晶粒界がない、もしくは少ないため、多結晶珪素膜と比較して電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁が大きく低減されている。
【0043】
このため、この略単結晶珪素膜6を半導体薄膜として用いて半導体装置を構成することにより、オフ電流が小さく、また移動度が大きい高速動作に対応可能な半導体装置を構成することができる。例えば、この略単結晶珪素膜6を薄膜トランジスタの能動層、すなわちソース/ドレイン領域やチャンネル領域に用いることにより、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい良好な特性を有する薄膜トランジスタを容易に実現することが可能である。
【0044】
図2は、上述した半導体薄膜の製造方法を示している。半導体薄膜を作製するには、まず、図2(a)に示すように、ガラス基板1上に第1絶縁膜2として酸化珪素膜を例えば200nmの膜厚で形成する。ここで、ガラス基板1上への酸化珪素膜の形成方法としては、例えば、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)、低圧化学気相堆積法(LPCVD法)、スパッタリング法などの気相堆積法を用いることができる。
【0045】
次に、図2(b)に示すように、第1絶縁膜2である酸化珪素膜上の所定の位置に略平板状の冷却膜3を形成する。冷却膜3は、例えばタンタル,ニッケル,クロムなどの金属薄膜をスパッタリング法により第1絶縁膜2である酸化珪素膜上に形成した後、島状にパターニングすることにより形成することができる。
【0046】
冷却膜3は、後述するレーザ照射を施した際に、非晶質珪素や第2絶縁膜4である酸化珪素よりも熱特性に優れた材料により形成される。具体的には、珪素や第2絶縁膜4である酸化珪素よりも比熱が小さく、また熱伝導性が高い、良好な放熱特性を有する材料により形成される。また、非晶質珪素膜や絶縁膜よりも光吸収係数が大きく、後述するようにレーザ照射を行った非晶質珪素膜や絶縁膜よりも早く温度上昇するものが好ましい。
【0047】
このような材料で冷却膜3を形成すると、比熱が小さいことにより、冷却膜3は、後述するレーザ照射を行った際、レーザの照射中は非晶質珪素や絶縁膜である酸化珪素よりも少ないエネルギーで早く温度上昇し、また、レーザ照射後は、その高い放熱特性により非晶質珪素や絶縁膜である酸化珪素よりも早く冷却される。
【0048】
このような材料としては、金属材料が好適であり、金属材料としては、例えば珪素よりも融点の高いタンタル(Ta),ニッケル(Ni),クロム(Cr)などが好ましい。珪素よりも融点が高い材料を用いることにより、レーザ照射を行った際に非晶質珪素とともに冷却膜3が溶融してしまうことを防止することができる。
【0049】
なお、冷却膜3を構成する材料は、これらの金属材料に限定されるものではなく、本発明における冷却膜3としての機能を効果的に発揮するものはいずれも使用可能である。ただし、後述するように冷却膜3に半導体装置の回路上の機能を持たせる場合には、冷却膜3は導電性を有する材料により形成することが必要であり、この場合は、金属材料が好適である。
【0050】
また、冷却膜3の厚みは、冷却膜3としての機能を十分に発揮できる厚みであれば特に限定されることはなく、冷却膜3の構成材料や貫通孔Hの大きさ等の諸条件により適宜変更可能であり、例えば500nm以下程度とされる。そして、冷却膜3の形状も冷却膜3としての機能を十分に発揮できる厚みであれば特に限定されることはなく、円柱状や角柱状等種々の形状を採用することが可能である。
【0051】
次に、冷却膜3及び酸化珪素膜上に第2絶縁膜4として酸化珪素膜を例えば200nmの膜厚で形成する。ここで、ガラス基板上への酸化珪素膜の形成方法としては、例えば、PECVD法、LPCVD法、スパッタリング法などの気相堆積法を用いることができる。
【0052】
そして、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行うことにより、図2(c)に示すように断面が例えば0.5μmの略円形である貫通孔Hを第2絶縁膜4である酸化珪素膜の面内の冷却膜3上に形成する。なお、酸化珪素膜のエッチングは、例えばCF4ガスとH2ガスのプラズマを用いた反応性イオンエッチングにより行うことができる。
【0053】
次に、図2(d)に示すように、例えばLPCVD法により、貫通孔H内を埋め込むようにして、第2絶縁膜4上に非晶質珪素を堆積して、膜厚が50nm〜250nm程度の非晶質珪素膜5を形成する。LPCVD法を用いて酸化珪素膜上に非晶質珪素を堆積することにより、貫通孔H内に非晶質珪素を確実に埋め込みつつ、高純度の非晶質珪素膜5を酸化第2絶縁膜4上に容易に形成することができる。
【0054】
次に、図2(e)に示すように、第2絶縁膜4上に形成された非晶質珪素膜5にレーザ照射R1を行う。レーザ照射R1は、例えばXeClパルスエキシマレーザ光(波長308nm、パルス幅30nsec)を用い、エネルギー密度は、非晶質珪素膜の膜厚50nm〜250nmに対応するように0.4J/cm2〜1.5J/cm2程度として行う。
【0055】
ここで、照射されたXeClパルスエキシマレーザ光(以下、単にレーザ光と呼ぶ場合がある。)は、非晶質珪素膜5の表面近傍でほとんどが吸収される。これは、XeClパルスエキシマレーザ光の波長(308nm)における非晶質珪素の吸収係数が0.139nm−1と大きいためである。そして、非晶質珪素膜5は吸収したレーザ光のエネルギーにより温められ、溶融状態となる。
【0056】
また、第2絶縁膜4である酸化珪素膜は、前記レーザ光に対して略透明な特性を有し、このレーザ光のエネルギーを吸収しないため、レーザ照射によって溶融することはない。
【0057】
そして、レーザ光の一部は、冷却膜3にまで到達し、当該冷却膜3に吸収される。そして、冷却膜3は、吸収したレーザ光のエネルギーにより温められ温度が上昇する。このとき、冷却膜3は非晶質珪素膜5よりも光吸収係数が大きい材料により形成されているため、レーザ光のエネルギーを非晶質珪素膜5よりも効率的に吸収することができ、非晶質珪素膜5よりも早く熱を蓄え、温度が上昇する。
【0058】
また、冷却膜3は熱伝導性及び放熱特性に優れた材料により構成されているため、蓄えられた熱を外部に放出する。そして、この冷却膜3からの放熱により、まず冷却膜3の直上に設けられた貫通孔H内の非晶質珪素が温められて溶融状態とされる。さらに、その熱が第2絶縁膜4上の非晶質珪素膜5に伝わることにより当該非晶質珪素膜5も同様に温められて溶融状態とされる。
【0059】
すなわち、レーザ照射R1が行われた際、非晶質珪素膜5は、レーザ光から直接吸収したエネルギーと、レーザ光のエネルギーを吸収して温められた冷却膜3から放出された熱エネルギーとにより温められて溶融状態とされる。
【0060】
そして、レーザ照射R1後は、冷却膜3がまず熱を失い、温度が低下する。冷却膜3は、高い熱伝導性を有し放熱特性に優れた材料により形成されており、また、溶融状態の珪素よりも体積が極めて小さく形成されているため、効率良く速やかに周囲に熱を放出することができ、溶融状態の珪素よりも早く温度が低下する。
【0061】
すると、冷却膜3の直上に設けられた貫通孔H内の溶融状態にある珪素が、温度の低下した冷却膜3により冷却される。すなわち、溶融状態の珪素は、貫通孔Hの底部で冷却膜3と接しているため、この部分から冷却される。
【0062】
その結果、溶融状態の珪素の凝固が、冷却膜3により冷却された貫通孔Hの底部、すなわち冷却膜3と溶融状態の珪素との接触部分で始まり、珪素の凝固は図2(f)に示すように貫通孔Hを通って、溶融状態の非晶質珪素膜5に至る。すなわち、冷却膜3と溶融状態の珪素との接触部分に核となる結晶粒が発生し、この結晶粒を核とした結晶成長が生じることにより非晶質珪素膜5の面内の貫通孔Hを中心とした領域が略単結晶珪素膜6に変化する。以上のようにして図1に示すような略単結晶珪素膜6を連続形成することができる。
【0063】
上述した方法においては、非晶質珪素膜5をレーザ照射R1により溶融状態とした後、冷却膜3により当該溶融状態となった貫通孔Hの底部の珪素を冷却する。これにより、貫通孔Hの底部に意図的に核となる結晶粒を形成し、この結晶粒から結晶成長させることにより、溶融状態の珪素を略単結晶珪素膜6に変化させる。
【0064】
すなわち、この方法では、従来のように貫通孔Hの大きさやレーザ照射条件を厳密に制御しなくても、冷却膜3で溶融状態となった貫通孔Hの底部の珪素を冷却することにより、貫通孔Hの底部に意図的に核となる結晶粒を形成し、この結晶粒から略単結晶成長させることができる。
【0065】
このため、非晶質珪素膜5の溶融条件の自由度が大きくなり、製造工程における制約が大きく緩和される。すなわち、従来ほど貫通孔Hの大きさやレーザ照射条件を厳密に制御する必要がなく、貫通孔Hの大きさの設計の自由度が大きくなり、高価で精密な露光装置及びエッチング装置を用いる必要がない。また、非晶質珪素膜5の加熱条件、すなわち、レーザ照射条件の自由度を大きくすることができ、効率良く略単結晶珪素膜6を作製することができる。したがって、従来の方法よりも容易に、且つ確実に略単結晶珪素膜6を形成することが可能である。
【0066】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、本発明に係る半導体装置及びその製造方法について、薄膜トランジスタを例に説明する。
図3(a)は、本発明を適用して作製した半導体装置である薄膜トランジスタの構成を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)においてA‐A‘線で切断した縦断面図である。
【0067】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、図3(b)に示すように、ガラス基板1上に第1絶縁膜2が形成され、当該第1絶縁膜2上の所定の位置に冷却膜3が形成されている。そして、冷却膜3及び第1絶縁膜2上に、冷却膜3上に第2絶縁膜4が形成され、その上に半導体薄膜である略単結晶珪素膜6が形成されている。また、冷却膜3上の第2絶縁膜4には、厚み方向に当該第2絶縁膜4を貫通する貫通孔Hが設けられている。
【0068】
また、図3(b)に示すように、パターニングされた略単結晶珪素膜6の一部がソース/ドレイン領域6′とされ、当該ソース/ドレイン領域6′に挟まれた部分がチャンネル領域6″とされている。そして、チャンネル領域の上部には、酸化珪素膜10を介してゲート電極11が形成され、さらに酸化珪素膜12が形成されている。
【0069】
一方、ソース/ドレイン領域6′の上部には、酸化珪素膜10及び酸化珪素膜12を介してソース/ドレイン電極13が形成されている。なお、ソース/ドレイン電極13は、コンタクトホールCを介してソース/ドレイン領域6′と接続されている。
【0070】
上述したように本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、略単結晶珪素膜6を半導体薄膜として用いて薄膜トランジスタを形成している。この略単結晶珪素膜6は、内部に欠陥が少ないため、半導体の電気特性の点で、エネルギーバンド図における禁制帯中央部付近の捕獲準位密度を少なくさせる効果がある。また、この略単結晶珪素膜6には結晶粒界がない、もしくは少ないため、多結晶珪素膜と比較して電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁が大きく低減されている。
【0071】
このため、この略単結晶珪素膜6を半導体薄膜として用いて半導体装置を構成することにより、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい高速動作に対応可能な半導体装置を構成することができる。したがって、この略単結晶珪素膜6を薄膜トランジスタの能動層、すなわちソース/ドレイン領域やチャンネル領域に用いて構成した本実施の形態にかかる薄膜トランジスタにおいては、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい良好な特性を有する薄膜トランジスタが実現されている。
【0072】
また、この薄膜トランジスタは、放熱特性に優れた冷却膜3を備えているため、動作中に発生した熱を当該冷却膜3から効果的に放出できるという効果も備えている。これにより、薄膜トランジスタの温度上昇が効果的に抑制され、例えば大電流駆動や高駆動周波数用などの発熱量が多い回路に用いた場合においても温度上昇が効果的に抑制され、正常に動作する。
【0073】
図4は、上述した薄膜トランジスタの作製方法を示している。このような薄膜トランジスタを作製するには、まず、図4(a)に示すように第2の絶縁膜上に略単結晶珪素膜6を形成する。なお、略単結晶珪素膜6を形成するまでの工程は、第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態における説明を参照することとし、ここでは詳細な説明は省略する。
【0074】
次に、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行うことにより、略単結晶珪素膜6を含む非晶質珪素膜5をパターニングし、図4(b)に示すように薄膜トランジスタ用の半導体薄膜を形成する。
【0075】
次に、図4(c)に示すように、電子サイクロトロン共鳴PECVD法(ECR‐CVD法)、平行平板PECVD法、またはLPCVD法など方法により、略単結晶珪素膜6上に酸化珪素膜10を形成する。なお、この酸化珪素膜10は、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として機能するものである。
【0076】
次に、図4(d)に示すように、タンタルまたはアルミニウムなどの金属薄膜をスパッタリング法により形成した後、パターニングすることにより、ゲート電極11を形成する。そして、このゲート電極11をマスクとして用いて、ドナーまたはアクセプターとなる不純物イオンのイオン注入IPを行うことにより、ソース/ドレイン領域6′とチャンネル領域6″とをゲート電極11に対して自己整合的に形成する。nMOSトランジスタを作製する場合には、不純物イオンとしてリン(P)を例えば1×1016cm2の濃度でソース/ドレイン領域に打ち込む。
【0077】
その後、ソース/ドレイン領域6′に打ち込まれた不純物元素の活性化を行う。不純物元素の活性化は、例えば照射エネルギー密度200mJ/cm2〜400mJ/cm2程度でのXeClエキシマレーザの照射や、250℃から450℃程度の温度の熱処理により行うことができる。
【0078】
次に、図4(e)に示すように、PECVD法などにより、例えば膜厚が略500nmの酸化珪素膜12を、酸化珪素膜10及びゲート電極11上に形成する。そして、ソース/ドレイン領域6′に至るコンタクトホールCを酸化珪素膜12、10に開口し、スパッタリング法などによりコンタクトホールC内及び酸化珪素膜12上のコンタクトホールCの周縁部に例えばアルミニウムを堆積し、パターニングすることによりソース/ドレイン電極13を形成する。このようにして薄膜トランジスタが完成する。
【0079】
上述した薄膜トランジスタの製造方法においては、第1の実施の形態で説明した方法を用いて略単結晶珪素膜6を作製するため、従来の方法よりも容易に、且つ確実に略単結晶珪素膜6を形成することが可能である。そして、この略単結晶珪素膜6を能動層として用いて薄膜トランジスタを作製するため、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい良好な特性を有する薄膜トランジスタを容易に、且つ確実に作製することができる。
【0080】
なお、上述した薄膜トランジスタの製造方法においては、形成する貫通孔Hは、1個の薄膜トランジスタにつき、1個のみとした場合について説明した。これにより、非晶質珪素膜5に対するレーザ照射後に、結晶成長の核となる結晶粒が1個の薄膜トランジスタにつき複数箇所で発生することを防止できる。すなわち、核となる結晶粒の発生部位を一カ所のみとすることが可能となり、略単結晶珪素膜6を確実に連続形成することができるため、良好な特性を有する薄膜トランジスタを作製することができる。
【0081】
また、複数個の薄膜トランジスタを作製する際には、隣接する数個の薄膜トランジスタにつき、1個の貫通孔Hを設けて略単結晶珪素膜6を作製することも可能である。この場合も、非晶質珪素膜に対するレーザ照射後に結晶成長の核となる結晶粒が各薄膜トランジスタにつき複数箇所で発生することを防止できる。すなわち、核となる結晶粒の発生部位を一カ所のみとすることが可能となり、略単結晶珪素膜を確実に連続形成することができるため、良好な特性を有する薄膜トランジスタを作製することができる。また、貫通孔の形成個数を減らすことができるため、簡略な製造プロセスにより良好な特性を有する薄膜トランジスタを容易に得ることができる。したがって、この場合には、貫通孔Hの形成数は、作製する薄膜トランジスタの数量よりも少ない数となる。
【0082】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、第2の実施の形態の変形例であり、略単結晶珪素膜6の面内の貫通孔Hが存在しない領域の一部をソース/ドレイン領域とし、当該ソース/ドレイン領域に挟まれた部分をチャンネル領域として構成した半導体装置について説明する。
【0083】
図5(a)は、本発明を適用して作製した半導体装置である薄膜トランジスタの構成を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)においてB‐B′線で切断した縦断面図であり、図5(c)は図5(a)においてC‐C′線で切断した縦断面図である。
【0084】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、図5(b)および同図(c)に示すように、ガラス基板1上に第1絶縁膜2が形成され、当該第1絶縁膜2上の所定の位置に冷却膜3が形成されている。そして、冷却膜3及び第1絶縁膜2上に、冷却膜3上に第2絶縁膜4が形成され、その上に半導体薄膜である略単結晶珪素膜6が形成されている。また、冷却膜3上の第2絶縁膜4には、厚み方向に当該第2絶縁膜4を貫通する貫通孔Hが設けられている。
【0085】
また、図5(b)に示すように、パターニングされた略単結晶珪素膜6における貫通孔Hが存在しない領域の一部がソース/ドレイン領域6′とされ、当該ソース/ドレイン領域6′に挟まれた部分がチャンネル領域6″とされている。すなわち、本発明においては、チャンネル領域6″は第2の実施の形態のように略単結晶珪素膜6における貫通孔Hの上部に割り当てられる必要はなく、貫通孔Hの存在する位置から外れた領域、すなわち貫通孔Hが存在しない領域にチャンネル領域6″を割り当てて半導体装置を構成することができる。
【0086】
そして、チャンネル領域6″の上部には、酸化珪素膜10を介してゲート電極11が形成され、さらに酸化珪素膜12が形成されている。一方、ソース/ドレイン領域6′の上部には、酸化珪素膜10及び酸化珪素膜12を介してソース/ドレイン電極13が形成されている。なお、ソース/ドレイン電極13は、コンタクトホールCを介してソース/ドレイン領域6′と接続されている。
【0087】
上述したように本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、略単結晶珪素膜6を半導体薄膜として用いて薄膜トランジスタを形成している。この略単結晶珪素膜6は、内部に欠陥が少ないため、半導体の電気特性の点で、エネルギーバンド図における禁制帯中央部付近の捕獲準位密度を少なくさせる効果がある。また、この略単結晶珪素膜6には結晶粒界がない、もしくは少ないため、多結晶珪素膜と比較して電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁が大きく低減されている。
【0088】
このため、この略単結晶珪素膜6を半導体薄膜として用いて半導体装置を構成することにより、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい高速動作に対応可能な半導体装置を構成することができる。
【0089】
したがって、この略単結晶珪素膜6を薄膜トランジスタの能動層、すなわちソース/ドレイン領域6′やチャンネル領域6″に用いて構成した本実施の形態にかかる薄膜トランジスタにおいては、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい良好な特性を有する薄膜トランジスタが実現されている。
【0090】
そして、本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、図5(a)及び同図(b)に示すように略単結晶珪素膜6の面内における貫通孔Hの存在する領域ではなく、略単結晶珪素膜6の面内における貫通孔Hを含まない領域をチャンネル領域6″及びソース/ドレイン領域6′として用いて、薄膜トランジスタを形成している。
【0091】
第1の実施の形態で説明したように溶融状態の珪素を貫通孔Hの底部から結晶成長させた場合、貫通孔Hの上部において結晶の成長方向が上方から横方向に変化する。このため、略単結晶珪素膜6の面内において貫通孔Hの部分には歪や欠陥が生じやすい。そして、略単結晶珪素膜6の面内において歪や欠陥が生じた領域をチャンネル領域6″及びソース/ドレイン領域6′として用いて薄膜トランジスタを形成した場合には、オフ電流やサブスレショールドスィング値が大きくなったり、移動度が小さくなるなど、薄膜トランジスタの性能が低下してしまう虞がある。
【0092】
しかしながら、本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、パターニングされた略単結晶珪素膜6の面内における貫通孔Hの存在する領域ではなく、略単結晶珪素膜6の面内における貫通孔Hを含まない領域を能動層、すなわちチャンネル領域6″及びソース/ドレイン領域6′として用いている。このため、上述したような問題が生じることがなく、略単結晶珪素膜6の面内における貫通孔Hの存在する領域を能動層として用いた場合と比較して、よりオフ電流が小さく、移動度の大きく、さらに急峻な閾値特性を有する、すなわちサブスレショールドスィング値が小さい優れた性能を備えた薄膜トランジスタを実現することができる。
【0093】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、第2の実施の形態の他の変形例について説明する。
図6(a)は、本発明を適用して作製した半導体装置である薄膜トランジスタの構成を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)においてD‐D′線で切断した縦断面図である。
【0094】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、図6(b)に示すように、ガラス基板1上に第1絶縁膜2が形成され、当該第1絶縁膜2上の所定の位置に冷却膜3が形成されている。そして、冷却膜3及び第1絶縁膜2上に、冷却膜3上に第2絶縁膜4が形成され、その上に半導体薄膜である略単結晶珪素膜6が形成されている。また、冷却膜3上の第2絶縁膜4には、厚み方向に当該第2絶縁膜4を貫通する貫通孔Hが設けられている。
【0095】
また、図6(b)に示すように、パターニングされた略単結晶珪素膜6における一部の領域がソース/ドレイン領域6′とされ、当該ソース/ドレイン領域6′に挟まれた部分がチャンネル領域6″とされている。ここで、ソース/ドレイン領域6′の一方は、貫通孔Hの上部に割り当てられている。すなわち、本発明においては、チャンネル領域6″は前記の実施の形態のように略単結晶珪素膜6における貫通孔Hの上部に割り当てられる必要はなく、貫通孔Hの存在する位置から外れた領域、すなわち貫通孔Hが存在しない領域にチャンネル領域6″を割り当てて半導体装置を構成することができる。
【0096】
そして、チャンネル領域6″の上部には、酸化珪素膜10を介してゲート電極11が形成され、さらに酸化珪素膜12が形成されている。一方、ソース/ドレイン領域6′の上部には、酸化珪素膜10及び酸化珪素膜12を介してソース/ドレイン電極13が形成されている。なお、ソース/ドレイン電極13は、コンタクトホールCを介してソース/ドレイン領域6′と接続されている。
【0097】
上述したように本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、第2の実施の形態と同様に略単結晶珪素膜6を半導体薄膜、すなわち薄膜トランジスタの能動層に用いて薄膜トランジスタを形成している。これにより、本実施の形態にかかる薄膜トランジスタにおいては、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい良好な特性を有する薄膜トランジスタが実現されている。
【0098】
そして、本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、図6(a)及び同図(b)に示すように略単結晶珪素膜6の面内における貫通孔Hの存在する領域ではなく、略単結晶珪素膜6の面内における貫通孔Hを含まない領域をチャンネル領域6″として用いて、薄膜トランジスタを形成している。
【0099】
これにより、略単結晶珪素膜6の面内における貫通孔Hの存在する領域をチャンネル領域6″として用いた場合と比較して、よりオフ電流が小さく、移動度の大きく、さらに急峻な閾値特性を有する、すなわちサブスレショールドスィング値が小さい優れた性能を備えた薄膜トランジスタを実現することができる。
【0100】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、第2の実施の形態の他の変形例であり、冷却膜3を略単結晶珪素膜6の作製手段として用いるのみならず、冷却膜3に他の機能を持たせた例について説明する。
【0101】
図7(a)は、第5の実施の形態に係る半導体装置である薄膜トランジスタの構成を示す平面図であり、図7(b)は図7(a)においてE‐E′線で切断した縦断面図である。
【0102】
この薄膜トランジスタの基本的な構造及びその構造による効果は、図3(a)及び同図(b)に示した第2の実施の形態に係る薄膜トランジスタと同様であるため、前記の説明を参照することとして詳細な説明は省略し、第2の実施の形態と異なる点について説明する。
【0103】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタが第2の実施の形態に係る薄膜トランジスタと異なる点は、冷却膜3′が遮光性を有する材料により構成され、回路上の機能を兼ねた構成、具体的には遮光膜としての機能を兼ねた構成とされている点である。
【0104】
従来の冷却膜3′を有しない薄膜トランジスタにおいては、支持基板側からの投射光、戻り光等の入射光が略単結晶珪素膜6からなる活性層内へ進入してしまうため、電子・正孔の対生成が行われて拡散電流が光リーク電流として観測されてしまう。したがって、このような冷却膜3′を有しない薄膜トランジスタを例えば液晶表示装置の液晶駆動用に適用した場合には、光リーク電流の存在がコントラスト低下につながり、画質の劣化を招く原因となってしまう。
【0105】
しかしながら、この薄膜トランジスタにおいては、冷却膜3′が遮光性を有する材料により構成され、遮光膜としての機能を有するため、略単結晶珪素膜6からなる活性層内へ入射する入射光L、すなわち支持基板側からの投射光や戻り光等を冷却膜3′により遮光し、大幅に減少させることができる。その結果、光リーク電流の発生を大幅に抑制することが可能となり、例えばこの薄膜トランジスタを液晶表示装置の液晶駆動用に適用した場合においても、光リーク電流に起因したコントラスト低下を抑制することができる。したがって、画質の劣化を効果的に抑制することができ、画質を向上させることが可能である。
【0106】
また、このように冷却膜3′により動作中における遮光機能を高めることにより、入射光による薄膜トランジスタの温度上昇を抑制することが可能となる。
【0107】
したがって、上述したようにこの薄膜トランジスタは、放熱機能及び遮光機能の両者に優れるため、例えば大電流駆動や高駆動周波数用などの発熱量が多い回路に用いた場合においても温度上昇が効果的に抑制され、正常に動作する。
【0108】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態は第2の実施の形態の他の変形例であり、冷却膜3を略単結晶珪素膜6の作製手段として用いるのみならず、回路上の機能を持たせた例について説明する。
【0109】
図8(a)は、本発明を適用して作製した半導体装置である薄膜トランジスタの構成を示す平面図であり、図8(b)は図8(a)においてF‐F′線で切断した縦断面図である。
【0110】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタの基本的な構造およびそれによる効果は上述した第4の実施の形態と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略し、第4の実施の形態と異なる点について説明する。
【0111】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタが、第4の実施の形態に係る薄膜トランジスタと異なる点は、冷却膜3が回路上の機能を兼ねた構成、具体的にはソース/ドレイン電極(配線)の機能を兼ねた構成とされていることである。したがって、図8(b)に示すように、この薄膜トランジスタにおいてはソース/ドレイン電極(配線)の一方、例えばソース電極(配線)が酸化珪素膜12上に形成されていない。そして、貫通孔Hが設けられている側のソース/ドレイン領域6′(ソース領域)は、貫通孔Hを介してソース/ドレイン電極(配線)の機能を兼ねた冷却膜3と接続されている。すなわち、この場合、貫通孔Hはソース電極(配線)側のコンタクトホールCの機能を兼ねている。
【0112】
このような構成とすることにより、酸化珪素膜12上のソース/ドレイン電極(配線)が形成されていない領域に新たな配線等を容易に設けることが可能となり、半導体装置構造の自由度が大きくなり、また配線等の数が増加した場合等においてもその製造プロセスも容易なものとなる。
【0113】
また、本実施の形態のように、冷却膜3にソース/ドレイン電極(配線)の機能を持たせる場合には、冷却膜3は導電性を有する材料により形成することが必要である。したがって、冷却膜3を形成する材料としては、金属材料が好ましく、例えばTa,Ni,Crなど用いることができる。
【0114】
そして、冷却膜3の厚みは、冷却膜3としての機能を十分に発揮できるとともに、電極(配線)としての機能を十分に発揮可能な厚みであれば特に限定されることはなく、冷却膜3の構成材料や貫通孔Hの大きさ等の諸条件により適宜変更可能であり、例えば500nm以下程度とされる。
【0115】
このような薄膜トランジスタは、次のようにして作製することができる。なお、基本的な製造工程は、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様なため、前記の説明を参照することとして詳細な説明は省略する。
【0116】
まず、第1の実施の形態と同様にして、ガラス基板1上に第1絶縁膜2として酸化珪素膜を形成し、当該第1絶縁膜2上の所定の位置に冷却膜3を形成する。このとき、冷却膜3は、導電性を有する材料、例えばタンタル,ニッケル,クロムなどの金属薄膜をスパッタリング法により第1絶縁膜2である酸化珪素膜上に形成した後、パターニングすることにより形成することができる。
【0117】
また、本実施の形態においては、冷却膜3はソース/ドレイン電極(配線)の機能を兼ねたものとされるため、冷却膜3のパターニング形状はソース/ドレイン電極(配線)として設計された形状とする。
【0118】
そして、第1の実施の形態と同様にしてパターニングされた冷却膜3の所定の位置に第2絶縁膜4として酸化珪素膜を形成し、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行うことにより貫通孔Hを第2絶縁膜4である酸化珪素膜の面内の冷却膜3上に形成する。
【0119】
この後、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様にして略単結晶珪素膜6を形成し、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行うことによりパターニングして、図8(c)に示すように薄膜トランジスタ用の半導体薄膜を形成する。このとき、貫通孔Hが存在する領域をソース/ドレイン領域6′の一部に割り当てるように略単結晶珪素膜6のパターニングを行う。
【0120】
そして、第2の実施の形態と同様にして、酸化珪素膜10、ゲート電極11、酸化珪素膜12、コンタクトホールC、ソース/ドレイン電極13を順次形成する。ここで、この薄膜トランジスタにおいては、ソース/ドレイン電極(配線)としての機能を兼ねた冷却膜3が既に第1絶縁膜2上に形成されているため、酸化珪素膜12上には、冷却膜3と接続されていないソース/ドレイン領域に接続するソース/ドレイン電極(配線)のみを形成すればよい。以上のようにして、図8(b)に示す薄膜トランジスタが完成する。
【0121】
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態では、冷却膜3を略単結晶珪素膜6の作製手段として用いるのみならず、冷却膜3にCMOS構造の薄膜トランジスタの回路上の機能を持たせた例について説明する。
【0122】
図9は、本発明を適用して作製した半導体装置であるCMOS構造の薄膜トランジスタの構成を示す平面図である。このCMOSトランジスタは、PチャンネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタと呼ぶ。)PM1と、NチャンネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと呼ぶ。)NM1とにより構成されている。そして、ゲート電極11が共通接続され、PMOSトランジスタのソースとNMOSトランジスタのドレインとが接続されている。
【0123】
また、PMOSトランジスタPM1のドレインにはソース/ドレイン電極13が接続され、NMOSトランジスタNM1のソース領域は、電源線を兼ねる貫通孔Hを介して冷却膜3に接続している。
【0124】
すなわち、このCMOSトランジスタでは、第6の実施の形態と同様に冷却膜3が回路上の機能を兼ねており、具体的にはCMOSトランジスタの電源線の機能を兼ねている。したがって、冷却膜3の形状は図9に示すように電源線として設計された形状とされている。
【0125】
このような構成とすることにより、通常、電源線が設けられる領域に新たな配線等を容易に設けることが可能となり、半導体装置構造の自由度が大きくなり、また配線等の数が増加した場合等においてもその製造プロセスも容易なものとなる。
【0126】
また、本実施の形態のように、冷却膜3に電源線の機能を持たせる場合には、冷却膜3は導電性を有する材料により形成することが必要である。したがって、冷却膜3を形成する材料としては、金属材料が好ましく、例えばTa,Ni,Crなど用いることができる。
【0127】
そして、冷却膜3の厚みは、冷却膜3としての機能を十分に発揮できるとともに、電源線としての機能を十分に発揮可能な厚みであれば特に限定されることはなく、冷却膜3の構成材料や貫通孔Hの大きさ等の諸条件により適宜変更可能であり、例えば500nm以下程度とされる。
【0128】
このようなCMOSトランジスタは、第6の実施の形態と略同様にして作製される。すなわち、貫通孔Hを用いて略単結晶珪素膜6を形成し、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行うことによりパターニングして、PMOSトランジスタPM1用およびNMOSトランジスタNM1用の半導体薄膜を形成する。このとき、貫通孔Hが存在する領域をNMOSトランジスタソース/ドレイン領域6′の一部に割り当てるように略単結晶珪素膜6のパターニングを行う。以降は、ゲート電極11を共通接続し、PMOSトランジスタのソースとNMOSトランジスタのドレインとを接続すること以外は、第6の実施の形態と同様の工程によりCMOSトランジスタが完成する。
【0129】
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態では、第4の実施の形態をさらに変化させた例について説明する。
図10(a)は、本発明を適用して作製した半導体装置である薄膜トランジスタの構成を示す平面図であり、図10(b)は図10(a)においてG‐G′線で切断した縦断面図である。
【0130】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、図10(b)に示すように、ガラス基板1上に第1絶縁膜2が形成され、当該第1絶縁膜2上の所定の位置に冷却膜3及びソース/ドレイン電極(配線)13′が形成されている。ここで、冷却膜3とソース/ドレイン電極(配線)13′とは同じ材料により形成されている。
【0131】
そして、冷却膜3、ソース/ドレイン電極(配線)13′及び第1絶縁膜2上に、冷却膜3上に貫通孔Hを有するように、且つソース/ドレイン電極(配線)13′上にコンタクトホールC′を有するように第2絶縁膜4が形成され、その上に半導体薄膜である略単結晶珪素膜6が形成されている。
【0132】
また、図10(b)に示すように、パターニングされた略単結晶珪素膜6における一部の領域がソース/ドレイン領域6′とされ、当該ソース/ドレイン領域6′に挟まれた部分がチャンネル領域6″とされている。なお、ソース/ドレイン電極(配線)13′は、コンタクトホールC′を介してソース/ドレイン領域6′と接続されている。そして、チャンネル領域6″の上部には、酸化珪素膜10を介してゲート電極11が形成され、さらに酸化珪素膜12が形成されている。
【0133】
以上のような薄膜トランジスタにおいては、酸化珪素膜12上の領域にソース/ドレイン電極(配線)が形成されていないため、新たな配線等を容易に設けることが可能であり、半導体装置構造の自由度の大きなものとされている。
【0134】
また、このような構成とすることにより、冷却膜3とソース/ドレイン電極(配線)13′とを同時に形成することができるため、従来の薄膜トランジスタの製造プロセスと同じ露光回数で高品質な略単結晶珪素膜6を作製することが可能とされており、良好な特性を有する薄膜トランジスタが容易に実現されている。
【0135】
図11は、上述した薄膜トランジスタの作製方法を示している。このような薄膜トランジスタを作製するには、まず、ガラス基板1上に第1絶縁膜2として酸化珪素膜を形成し、当該第1絶縁膜上の所定の位置に、図11(a)に示すように冷却膜3及びソース/ドレイン電極(配線)13′を同じ材料により同時に形成する。
【0136】
ここで、この薄膜トランジスタにおいては、冷却膜3及びソース/ドレイン電極(配線)13′を同時に形成するため、冷却膜3の形成によりプロセスが増加することがなく、従来の薄膜トランジスタの製造プロセスと同じ露光回数で薄膜トランジスタを作製することができる。
【0137】
また、冷却膜3及びソース/ドレイン電極(配線)13′とは同じ材料により形成するため、これらの材料には冷却膜3としての機能とソース/ドレイン電極(配線)13′としての機能を満たす材料を用いる。したがって、このような材料としては導電性を有する金属材料が好ましく、例えばTa,Ni,Crなど用いることができる。
【0138】
そして、冷却膜3及びソース/ドレイン電極(配線)13′の厚みは、それぞれの機能を十分に発揮できる厚みであれば特に限定されることはなく、構成材料や薄膜トランジスタの仕様等の諸条件により適宜変更可能であり、例えば500nm以下程度とされる。
【0139】
次に、冷却膜3、ソース/ドレイン電極(配線)13′及び第1絶縁膜2上に第2絶縁膜4として酸化珪素膜を形成する。そして、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行うことにより、図11(b)に示すように断面が直径略0.1μmの略円形である貫通孔Hを第2絶縁膜4である酸化珪素膜の面内の冷却膜3上に形成する。また、断面が直径略2μmの略円形であるコンタクトホールC′を第2絶縁膜4である酸化珪素膜の面内の冷却膜3上に形成する。
【0140】
ここで、後の略単結晶珪素膜6を形成する際に、結晶粒界がない、もしくは少ない良好な品質の略単結晶珪素膜6を形成するためには、結晶基点となる核の発生部は1カ所とすることが必要である。すなわち、1つの薄膜トランジスタにおいては、結晶基点となる核の発生部は1カ所のみとする必要がある。そこで、貫通孔Hの直径d1は、コンタクトホールC′の直径d2よりも小さくなるように設定する。
【0141】
例えば、2つのコンタクトホールC′の直径d2が貫通孔Hの直径d1よりも小さい場合には、2つのコンタクトホールC′内の溶融状態の珪素が冷却膜3と同じ特性を有するソース/ドレイン電極(配線)13′により、貫通孔H内の溶融状態の珪素が冷却膜3により冷却されるよりも早く冷却されてしまう。その結果、2つのコンタクトホールC′の底部に結晶基点となる核が発生してしまい、良好な品質の略単結晶珪素膜6を得ることができない。
【0142】
そこで、貫通孔Hの直径d1は、コンタクトホールC′の直径d2よりも小さくなるように設定することにより、後の略単結晶珪素膜6の形成時に、2つのコンタクトホールC′内の溶融状態の珪素が冷却膜3と同じ特性を有するソース/ドレイン電極(配線)13′により冷却されるよりも早く、冷却膜3が貫通孔H内の溶融状態の珪素を冷却することができる。その結果、結晶基点となる核の発生部を貫通孔Hのみとすることができるため、良好な品質の略単結晶珪素膜6を確実に得ることができる。
【0143】
コンタクトホールC′の直径は、薄膜トランジスタのサイズ、用途等にもよるが、例えばドレインにつながるコンタクトホールC′の直径は2μm程度とされ、貫通孔Hの直径は、0.1μm〜0.2μm程度とされ、薄膜トランジスタのサイズには依らない。
【0144】
なお、前記においては、貫通孔H及びコンタクトホールC′の断面が略円形である場合について説明したが、例えばこれらの断面が円形以外である場合には、断面積を考慮して検討を行うことにより略単結晶珪素膜6形成時の結晶基点となる核の発生部を1カ所に限定することができ、良好な品質の略単結晶珪素膜6を得ることができる。
【0145】
次に、図11(c)に示すように、貫通孔H内を埋め込むようにして、第2絶縁膜4上に非晶質珪素を堆積して、膜厚が50nm〜250nm程度の非晶質珪素膜5を形成する。そして、第2絶縁膜4上に形成された非晶質珪素膜5にレーザ照射R1を行う。レーザ照射R1は、例えばXeClパルスエキシマレーザ光(波長308nm、パルス幅30nsec)を用い、エネルギー密度は、非晶質珪素膜の膜厚50nm〜250nmに対応するように0.4J/cm2〜1.5J/cm2程度として行う。
【0146】
その結果、非晶質珪素膜5が一度溶融状態とされ、さらに当該溶融状態の珪素の凝固が貫通孔Hの底部、すなわち冷却膜3と溶融状態の珪素との接触部分に核となる結晶粒が発生する。そして、この結晶粒を核とした結晶成長が生じることにより非晶質珪素膜5の面内の貫通孔Hを中心とした領域が略単結晶珪素膜6に変化する。
【0147】
次に、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行うことにより、略単結晶珪素膜6を含む非晶質珪素膜5をパターニングし、図11(d)に示すように薄膜トランジスタ用の半導体薄膜を形成する。
【0148】
次に、略単結晶珪素膜6上に酸化珪素膜10を形成し、タンタルまたはアルミニウムなどの金属薄膜をスパッタリング法により形成した後、パターニングすることにより、図10(e)に示すように、ゲート電極11を形成する。そして、このゲート電極11をマスクとして用いて、ドナーまたはアクセプターとなる不純物イオンのイオン注入IPを行うことにより、ソース/ドレイン領域6′とチャンネル領域6″とをゲート電極11に対して自己整合的に形成する。
【0149】
その後、ソース/ドレイン領域6′に打ち込まれた不純物元素の活性化を行う。不純物元素の活性化は、例えば照射エネルギー密度200mJ/cm2〜400mJ/cm2程度でのXeClエキシマレーザの照射や、250℃から450℃程度の温度の熱処理により行うことができる。
【0150】
そして、PECVD法などにより酸化珪素膜12を、酸化珪素膜10及びゲート電極11上に形成することにより。図10(b)に示すような薄膜トランジスタが完成する。
【0151】
以上のような薄膜トランジスタの製造方法においては、冷却膜3とソース/ドレイン電極(配線)13′とを同時に形成するため、冷却膜3の形成によりプロセスが増加することがなく、従来の薄膜トランジスタの製造プロセスと同じ露光回数で高品質な略単結晶珪素膜6を作製することが可能であり、良好な特性を有する薄膜トランジスタを容易に実現することが可能である。
【0152】
また、この薄膜トランジスタの製造方法においては、酸化珪素膜12上の領域にソース/ドレイン電極(配線)を形成しないため、この領域に新たな配線等を容易に設けることが可能となる。したがって、半導体装置構造の自由度を大きくすることができる。
【0153】
上述したように本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、第2の実施の形態と同様に略単結晶珪素膜6を半導体薄膜、すなわち薄膜トランジスタの能動層に用いて薄膜トランジスタを形成している。これにより、本実施の形態にかかる薄膜トランジスタにおいては、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい良好な特性を有する薄膜トランジスタが実現されている。
【0154】
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態では、本発明に係る集積回路及び電気光学装置について説明する。
【0155】
図12は、本発明に係る電気光学装置の具体例である電気光学表示装置20の集積回路構成を示したものであり、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を備えて構成されるものである。図12に示す電気光学表示装置20においては、各画素領域に電界発光効果により発光可能な発光層OELDと、それを駆動するために電荷を溜める保持容量Cを備え、さらにスイッチング素子として上述した第2の実施の形態において作製された半導体装置である薄膜トランジスタT1〜T4を備えて構成されている。
【0156】
ドライバ領域21からは、走査線Vsel及び発光制御線Vgpが各画素領域Gに供給されている。また、ドライバ領域22からは、データ線Idata及び電源線Vddが各画素領域Gに供給されている。そして、走査線Vselとデータ線Idataとを制御することにより、各画素領域Gに対する電流プログラムが行われ、発光部OELDによる発光が制御可能となっている。
【0157】
以上のような電気光学表示装置20は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を備えている。そして、この半導体装置によれば、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい高速動作に対応可能な半導体装置が実現されている。したがって、電気光学装置20においては、高品質な電気光学装置が実現されている。
【0158】
なお、前記において説明した駆動回路は、発光要素に電界発光素子を使用する場合の回路の一例であり、他の回路構成とすることも可能である。また、発光要素には電界発光素子以外にも液晶表示素子を用いることも可能であり、この場合は液晶表示素子に対応して回路構成を変更すればよい。
【0159】
(第10の実施の形態)
第10の実施の形態では、本発明に係る電子機器について説明する。図13(a)〜図13(f)は、本発明に係る電子機器の具体例を示したものであり、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を備えて構成されるものである。
【0160】
図13(a)は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置が搭載された携帯電話30であり、当該携帯電話30は、電気光学装置(表示パネル)31、音声出力部32、音声入力部33、操作部34、及びアンテナ部35を備えて構成されている。携帯電話30においては、本発明に係る半導体装置の製造方法は、例えば表示パネルや、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
【0161】
図13(b)は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置が搭載されたビデオカメラ40であり、当該ビデオカメラ40は、電気光学装置(表示パネル)41、操作部42、音声入力部43、及び受像部44を備えて構成されている。ビデオカメラ40においては、本発明に係る半導体装置の製造方法は、例えば表示パネルや、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
【0162】
図13(c)は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置が搭載された携帯型パーソナルコンピュータ50であり、当該携帯型パーソナルコンピュータ50は、電気光学装置(表示パネル)51、操作部52、及びカメラ部53を備えて構成されている。携帯型パーソナルコンピュータ50においては、本発明に係る半導体装置の製造方法は、例えば表示パネルや、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
【0163】
図13(d)は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置が搭載されたヘッドマウントディスプレイ60であり、当該ヘッドマウントディスプレイ60は、電気光学装置(表示パネル)61、光学系収納部62、及びバンド部63を備えて構成されている。ヘッドマウントディスプレイ60においては、本発明に係る半導体装置の製造方法は、例えば表示パネルや、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
【0164】
図13(e)は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置が搭載されたリア型プロジェクター70であり、当該リア型プロジェクター70は、電気光学装置(光変調器)71、光源72、光学系73、ミラー74、ミラー75、及びスクリーン77を筐体内76に備えて構成されている。リア型プロジェクター70においては、本発明に係る半導体装置の製造方法は、例えば光変調器や、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
【0165】
図13(f)は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置が搭載されたフロント型プロジェクター80であり、当該フロント型プロジェクター80は、電気光学装置(画像表示源)81及び光学系82を筐体内83に備えて構成されており、画像をスクリーン84に表示可能とされている。フロント型プロジェクター80においては、本発明に係る半導体装置の製造方法は、例えば画像表示源や、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置の製造に適用される。
【0166】
以上のような電子機器は、本発明に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を備えている。そして、この半導体装置によれば、オフ電流値が小さく、また移動度が大きい高速動作に対応可能な半導体装置が実現されている。したがって、本発明に係る電子機器においては、高品質な電子機器が実現されている。
【0167】
なお、本発明に係る半導体装置の製造方法は、前記の電子機器に限らず、あらゆる電子機器の製造に適用可能である。例えば、前記の他にも、腕時計、ICカード、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどの製造にも適用可能であり、高品質な電子機器が実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る半導体薄膜を示す縦断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造工程を示す縦断面図である。
【図3】第2の実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を示す図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−A′線における断面図である。
【図4】第2の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。
【図5】第3の実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を示す図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のB−B′線における断面図、図5(c)は図3(a)のC−C′線における断面図である。
【図6】第4の実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を示す図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のD−D′線における断面図である。
【図7】第5の実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を示す図であり、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)のE−E′線における断面図である。
【図8】第6の実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を示す図であり、図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のF−F′線における断面図、図8(c)は略単結晶珪素膜を形成した状態を示す断面図である。
【図9】第7の実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を示す平面図である。
【図10】第8の実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を示す図であり、図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)のG−G′線における断面図である。
【図11】第8の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。
【図12】第9の実施の形態における電気光学装置の構成図である。
【図13】第10の実施の形態における電気機器の例を示す図であり、(a)は携帯電話、(b)はビデオカメラ、(c)、携帯型パーソナルコンピュータ、(d)はヘッドマウントディスプレイ、(e)はリア型プロジェクター、(f)はフロント型プロジェクターである。
【符号の説明】
1 ガラス基板、2 第1絶縁膜、3 冷却膜、4 第2絶縁膜、5 非晶質珪素膜、6 略単結晶珪素膜、6′ ソース/ドレイン領域、6″ チャンネル領域、10 酸化珪素膜、11 ゲート電極、12 酸化珪素膜、13 ソース/ドレイン電極
Claims (20)
- 基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上に珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜を形成する工程と、
少なくとも前記冷却膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔を前記冷却膜上に形成する工程と、
前記貫通孔内と前記第2絶縁膜上に非晶質珪素を堆積して非晶質珪素膜を形成する工程と、
前記非晶質珪素膜にレーザを照射して前記非晶質珪素膜を溶融状態とすることにより前記冷却膜の表面から前記非晶質珪素膜の前記貫通孔を中心とした領域を略単結晶状態の珪素膜に変化させる工程とを含むことを特徴とする半導体薄膜の製造方法。 - 基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上に珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜を形成する工程と、
少なくとも前記冷却膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔を前記冷却膜上に形成する工程と、
前記貫通孔内と前記第2絶縁膜上に非晶質珪素を堆積して非晶質珪素膜を形成する工程と、
前記非晶質珪素膜にレーザを照射して前記非晶質珪素膜を溶融状態とすることにより前記冷却膜の表面から前記非晶質珪素膜の前記貫通孔を中心とした領域を略単結晶状態の珪素膜に変化させる工程と、
前記略単結晶珪素膜を半導体薄膜として用いて半導体装置を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 基板上に、第1絶縁膜と、珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜と、第2絶縁膜と、略単結晶珪素膜とをこの順で有し、
前記第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔が前記冷却膜上に設けられるとともに当該貫通孔内が前記冷却膜の表面まで前記略単結晶珪素膜の一部により埋め込まれ、
前記略単結晶珪素膜を半導体薄膜として用いてなることを特徴とする半導体装置。 - 前記冷却膜は、珪素、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層よりも熱伝導性が高いことを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
- 前記冷却膜は金属材料からなることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
- 前記金属材料はCr,Ni,Taのいずれかであることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
- 前記冷却膜が導電性を有することを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
- 前記冷却膜は、前記非晶質珪素膜よりも光吸収係数が大きいことを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
- 前記冷却膜は半導体装置の配線として用いられることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
- 前記略単結晶珪素膜の面内の前記貫通孔を含まない領域を半導体薄膜として用いてなることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
- ソース・ドレイン領域に規定されたチャンネル領域を有する薄膜トランジスタの製造方法であって、
基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上に珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜を形成する工程と、
少なくとも前記冷却膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔を前記冷却膜上に形成する工程と、
前記貫通孔内と前記第2絶縁膜上に非晶質珪素を堆積して非晶質珪素膜を形成する工程と、
前記非晶質珪素膜にレーザを照射して前記非晶質珪素膜を溶融状態とすることにより前記冷却膜の表面から前記非晶質珪素膜の前記貫通孔を中心とした領域を略単結晶状態の珪素膜に変化させる工程と、
前記略単結晶珪素膜を前記チャンネル領域及び前記ソース・ドレイン領域として用いて薄膜トランジスタを形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - ソース・ドレイン領域に規定されたチャンネル領域を有する薄膜トランジスタであって、
基板上に、第1絶縁膜と、珪素よりも比熱の小さい熱伝導性材料からなる冷却膜と、第2絶縁膜と、略単結晶珪素膜とをこの順で有し、
前記第2絶縁膜を厚み方向に貫通する貫通孔が前記冷却膜上に設けられるとともに当該貫通孔内が前記冷却膜の表面まで前記略単結晶珪素膜の一部により埋め込まれ、
前記略単結晶珪素膜を前記チャンネル領域及び前記ソース・ドレイン領域として用いてなることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 前記ソース・ドレイン領域はコンタクトホールを介して電極に接続され、当該電極と前記冷却膜とが同一材料により前記第1絶縁膜上に形成されていることを特徴とする請求項12記載の薄膜トランジスタ。
- 前記貫通孔の直径は、前記コンタクトホールの直径よりも小とされることを特徴とする請求項13記載の薄膜トランジスタ。
- 前記冷却膜は、前記貫通孔を介して前記ソース・ドレイン領域に接続され、電極として用いられることを特徴とする請求項12記載の薄膜トランジスタ。
- 前記貫通孔は、各薄膜トランジスタにつき1個のみ設けられていることを特徴とする請求項12記載の薄膜トランジスタ。
- 前記貫通孔は、隣接する複数の薄膜トランジスタにつき1個のみ設けられていることを特徴とする請求項12記載の薄膜トランジスタ。
- 請求項3乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする集積回路。
- 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線の交差に対応して配置された画素電極及びスイッチング素子と、電気光学素子とを有し、前記画素電極を制御することにより前記電気光学素子を駆動する電気光学装置であって、
前記スイッチング素子が、請求項3乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項3乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする電子機器。
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