JP2004111610A - 基板処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属汚染物質除去のための作業時間を短縮する。
【解決手段】金属汚染物質の量を計測する計測装置30がウエハ1を処理する処理室21を排気する排気管25に設置されており、計測装置30は水晶振動子32を利用した微小重量計によって構成されている。
【効果】金属汚染物質量を計測装置によって計測することにより、金属汚染物質除去ステップの終了のタイミングを定量的に決定できるので、金属汚染物質除去ステップ時間を短縮でき、その終了を確認するための手間を低減でき、ICの製造方法のコストを低減できる。計測装置を排気管に設置することで、計測装置を低温雰囲気に置くことができ、計測装置からの処理室の汚染も回避できる。
【選択図】 図1
【解決手段】金属汚染物質の量を計測する計測装置30がウエハ1を処理する処理室21を排気する排気管25に設置されており、計測装置30は水晶振動子32を利用した微小重量計によって構成されている。
【効果】金属汚染物質量を計測装置によって計測することにより、金属汚染物質除去ステップの終了のタイミングを定量的に決定できるので、金属汚染物質除去ステップ時間を短縮でき、その終了を確認するための手間を低減でき、ICの製造方法のコストを低減できる。計測装置を排気管に設置することで、計測装置を低温雰囲気に置くことができ、計測装置からの処理室の汚染も回避できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関し、特に、金属汚染の原因物質(以下、金属汚染物質という。)の除去技術に係り、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、半導体素子を含む半導体集積回路が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したり不純物を拡散したりする工程に使用されるバッチ式縦形拡散・CVD装置に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICの製造方法においてウエハに絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したり不純物を拡散したりする工程には、バッチ式縦形拡散・CVD装置(以下、CVD装置という。)が広く使用されている。従来のこの種のCVD装置においてプロセスチューブの交換や処理室の内部部品の交換等によって発生した金属汚染物質は、次の方法によって除去されている。第一は、塩化水素やジクロロエチレン等の反応性ガスを流すことにより金属汚染物質の塩化物を生成して、これをヒータの加熱によって昇華させて除去する方法である。第二は、ヒータの加熱状態で不活性ガスを真空パージすることにより、金属汚染物質が無くなるのを待つ方法である。
【0003】
従来のICの製造方法においては、これらの金属汚染物質除去方法によって金属汚染物質の低減を図りつつ、適当なタイミングを見計らってウエハを処理室に搬入し、処理室内において一定時間保持後に搬出したウエハの金属汚染物質の量を専用の分析装置によって分析することにより、処理室の汚染量を評価することが実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属汚染物質除去方法の実施後に処理室に搬入したウエハを介して処理室の金属汚染量を専用の分析装置により評価する方法においては、次のような問題点がある。専用の分析装置を用意する必要がある。その分析装置による分析の結果を得る迄に時間がかかる。ウエハの搬入のタイミングが作業者の恣意に任されるために、金属汚染物質の量の評価に必要な時間が最適ではない。金属汚染物質の量の評価のためのウエハの搬入回数が増加すると、製造コストに悪影響が及ぶ。
【0005】
ところで、即時性をもって処理室内の金属汚染の状況を知るための一つの方法としては、処理室自体に分析装置を設置して金属汚染物質の量を計測する方法が、考えられる。しかしながら、この直接計測方法においては、分析装置を高温に耐える構造に構成する必要があり、また、分析装置自体から発生する物質による金属汚染の防止について配慮する必要があるという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、前記した従来の金属汚染物質除去技術の問題点を解決し、金属汚染物質除去の作業時間を短縮することができる基板処理装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板処理装置は、基板を処理する処理室と、この処理室内を排気する排気管とを備えており、前記排気管には特定物質の量を計測する計測装置が設置されていることを特徴とする。
【0008】
前記した手段によれば、処理室内を排気する排気管に設置された計測装置によって例えば金属汚染物質の量を計測することにより、金属汚染物質除去の終点を自動的に評価することができるので、その作業時間を短縮することができる。また、特定物質の量を計測する計測装置を排気管に設置することにより、計測装置を比較的に低温雰囲気に置くことができ、かつまた、計測装置自体からの処理室の汚染も回避することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0010】
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、図1に示されているように、CVD装置(バッチ式縦形拡散・CVD装置)として構成されており、CVD装置10は気密室構造に構築された筐体11を備えている。筐体11の正面の下部にはウエハローディングポート12が設定されており、ウエハローディングポート12には複数枚のウエハ1を収納したキャリア2が供給されるようになっている。ウエハローディングポート12の後方の空間には待機室13が設定されており、待機室13の前側の空間にはウエハ移載装置14が設置されている。ウエハ移載装置14はウエハローディングポート12とボート17との間でウエハ1を搬送してキャリア2およびボート17に受け渡すように構成されている。待機室13の後部空間にはボートエレベータ15が垂直に設置されており、ボートエレベータ15はボート17を支持したシールキャップ16を垂直方向に昇降させるように構成されている。すなわち、シールキャップ16の上にはボート17が垂直に立脚されており、ボート17は多数枚のウエハ1を中心を揃えて水平に配置した状態で保持するように構成されている。
【0011】
待機室13の上にはプロセスチューブ設置室20が構築されており、プロセスチューブ設置室20には処理室21を形成するプロセスチューブ22がマニホールド23を介して垂直に立脚され待機室13の上に設置されている。マニホールド23には処理室21に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管24と、処理室21を真空排気するための排気管25が接続されている。プロセスチューブ22の外側にはヒータユニット26が同心円に配されて筐体11に支持されており、ヒータユニット26は処理室21を全体にわたって均一または所定の温度分布に加熱するように構成されている。
【0012】
図1に示されているように、排気管25の途中には特定物質としての金属汚染物質の量を計測する金属汚染物質量計測装置(以下、計測装置という。)30が設置されており、この計測装置30は水晶振動子を利用した微小重量計によって構成されている。すなわち、計測装置30は水晶振動子32の表面に物質が付着してその表面に重量変化が生じた場合に振動周波数が当該重量に応じて変化する現象を利用して、金属汚染物質量を計測するようになっている。計測装置30はセラミック等の絶縁材料が使用されて形成された支持台31を備えており、支持台31は排気管25の途中に挿入されている。支持台31には水晶振動子(quartzcrystal microbalance ) 32が支持されており、水晶振動子32には安定化電源37が接続された発振回路33が排気管25を貫通して接続されている。発振回路33には振動数検出器34が接続されており、振動数検出器34の出力側には金属汚染物質量演算器(以下、演算器という。)35が接続されている。演算器35の出力側にはブザーやランプおよびプリンタ等の出力装置36が接続されている。
【0013】
ところで、、水晶振動子はその物理特性により温度によっても振動周波数が変化することが知られている。そこで、本実施の形態においては、水晶振動子32の周辺の温度を計測する熱電対等の測温素子38が設置されており、測温素子38の出力器39は演算器35に接続されている。また、計測装置30の排気管25の外部には計測装置30の周辺を冷却して過飽和状態を作り出すための冷却器40が設置されている。
【0014】
以下、前記構成に係るCVD装置による本発明の一実施の形態であるICの製造方法における成膜工程を説明する。
【0015】
図1に示されているように、ウエハローディングポート12のキャリア2に収納された複数枚のウエハ1は、ウエハ移載装置14によってボート17に移載されて装填(チャージング)される。
【0016】
指定された枚数のウエハ1がボート17に装填されると、ボート17はボートエレベータ15によって上昇されてプロセスチューブ22の処理室21に搬入(ボートローディング)される。ボート17が上限に達すると、ボート17を保持したシールキャップ16の上面の周辺部がプロセスチューブ22をシール状態に閉塞するため、処理室21は気密に閉じられた状態になる。
【0017】
次いで、プロセスチューブ22の処理室21が気密に閉じられた状態で、所定の真空度に排気管25によって真空排気され、ヒータユニット26によって所定の温度に加熱され、所定の原料ガスがガス導入管24によって所定の流量だけ供給される。これにより、所定のCVD膜がウエハ1に形成される。
【0018】
そして、予め設定された処理時間が経過すると、ボート17がボートエレベータ15によって下降されることにより、処理済みウエハ1を保持したボート17が待機室13における元の待機位置に搬出(ボートアンローディング)される。
【0019】
待機室13に搬出されたボート17の処理済みウエハ1は、ボート17からウエハ移載装置14によってピックアップされてウエハローディングポート12に搬送され、ウエハローディングポート12に移載された空のキャリア2に収納される。以降、前述した作用が繰り返されてウエハ1がCVD装置10によってバッチ処理されて行く。
【0020】
以上の成膜処理において、原料ガスは流れて行く間にウエハ1だけでなく、処理室21やボート17および排気管25等の表面に接触するために、これらの表面にも成膜や反応副生成物が堆積することになる。これらの堆積物(以下、堆積膜という。)は成膜工程が繰り返されることにより累積して行くので、当該累積した堆積膜の厚さは成膜のバッチ処理の回数が増えるに従って増加して行くことになる。そして、この累積した堆積膜は厚さがある値に達すると、剥離し易くなるためにパーティクルの発生が急激に増加する。そこで、ICの製造方法における成膜工程においては、累積した堆積膜の厚さがある値に達すると、プロセスチューブ22およびボート17のクリーニング作業が実施される。一般に、このプロセスチューブ22およびボート17のクリーニング作業はエッチングによって実施されるために、プロセスチューブ22およびボート17は消耗して行き、更新が必要になる。
【0021】
このようなクリーニング作業や更新に際してのプロセスチューブ22およびボート17の交換等によって金属汚染物質が発生する。本実施の形態においては、発生した金属汚染物質は次の方法(金属汚染物質除去ステップ)によって除去される。
【0022】
新規のプロセスチューブ22およびボート17がCVD装置10に設置されると、ウエハ1が装填されない状態でボート17が処理室21に挿入され、処理室21がシールキャップ16によって気密封止される。次いで、処理室21が除去する金属汚染物質の蒸気圧に対応する所定の圧力に排気管25によって排気されながら、金属汚染物質を除去するためのガスがガス導入管24によって所定の流量だけ供給されるとともに、ヒータユニット26によって所定の温度に加熱される。この際、鉄や銅およびニッケル等の高蒸気圧の金属汚染物質を除去する場合には、塩化水素やジクロロエチレン等が供給される。この場合には金属汚染物質の塩化物が生成されることになる。クロム等の低蒸気圧の金属汚染物質を除去する場合には、窒素ガス等の不活性ガスが供給される。
【0023】
新規のプロセスチューブ22およびボート17から発生した金属汚染物質は、供給されたガスと共に排気管25から排気される。排気管25を流通する排気ガス中の金属汚染物質の量の変化は、排気管25の途中に設置された計測装置30によって計測される。そして、排気ガス中の金属汚染物質の量が予め設定された値を下回った時に金属汚染物質除去作業が完了とされ、ガスの供給やヒータユニット26の加熱および排気管25の排気が停止される。
【0024】
その後に、ボート17がボートエレベータ15によって下降されることにより、ボート17が待機室13における元の待機位置に抜き出される。なお、新規のボート17に装填したウエハ1について専用の分析装置による評価を念のために実施することが望ましい。
【0025】
次に、金属汚染物質除去ステップにおける計測装置30の作用および効果を説明する。
水晶振動子32の振動数変化量は次式(1)によって与えられる。(1)式中、Δfは振動数変化量、fは基本周波数、Vは音波速度、Sは電極面積、ρqは水晶の密度、Δmは重量変化量である。
Δf=−(2×f2 /V×S×ρq)×Δm・・・(1)
重量変化量Δmは排気ガス中の金属汚染物質が水晶振動子32の表面に付着することで変化するため、金属汚染物質の重量変化量はΔmを演算することにより求めることができる。また、金属汚染物質が計測装置30の水晶振動子32に付着すると、基本周波数fは減少する。そして、金属汚染物質の濃度が高いほど水晶振動子32の表面に付着する金属汚染物質の付着レートが高いため、低濃度の金属汚染物質の汚染環境下では振動数変化量Δfは小さいが、高濃度の金属汚染物質の汚染環境下では振動数変化量Δfは大きくなる。したがって、振動数変化量Δfの値を演算することにより、金属汚染物質の量を求めることができる。なお、水晶振動子32の温度を測温素子38によって測定し、この測定値を演算器35に入力することにより、演算器35の演算結果が補償される。
【0026】
ところで、f=30MHz、V=3320m/s、S=1×10−4m2 、ρq=2.2×106 g/m3 、であると、1Hz当たりの重量変化量(Δm/Δf)は、408pg/Hz、となる。金属汚染物質として鉄を計測する場合には塩化鉄として計測する。蒸気圧の高いFeCl3 (分子数は162.2)について考えると、最小感度(1Hz当たりの感度)として与えられるのは、
408×10−12 ( g)÷162.2=2.5×10−12 (mol)=1.5×1012molecules
である。これは、FeCl3 分子が1.5×1012個以上で検出可能になることを示している。
FeCl3 の密度は2.8g/ccであることから、
2.8÷162.2=1.73×10−2(mol/cc)
1.73×10−2×6.02×1023=1.04×1022(molecules/cc)
となる。検出限界値は1.5×1012moleculesであるから、実質感度は、
1.5×1012÷1.04×1022=1.44×10−10
となる。したがって、0.14ppb、が計測限界になる。
FeCl3 の蒸気圧は、319℃で760mmHg、200℃では1.86mmHgである。したがって、200℃で計測する場合には、0.24%の濃度となるので、充分な感度を有することになる。また、1ppmの濃度となる60℃前後でも感度的には問題なく使用することができる。
【0027】
ちなみに、各金属の蒸気圧(mmHg)と温度(℃)との関係が図2に示されているようにそれぞれ異なるため、処理室21に供給するガスの種類やヒータユニット26の設定温度を適宜に設定することにより、排気管25を流れる排気ガス中の金属の種類を計測装置30の計測データを利用して同定(特定)することも可能である。
【0028】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0029】
1) 金属汚染物質量を計測する計測装置を設置することにより、金属汚染物質除去ステップの終了のタイミングを定量的に決定することができるので、金属汚染物質除去ステップの作業時間を最適値に制御することができ、その作業時間を短縮することができる。
【0030】
2) 金属汚染物質除去ステップの終了を適正に決定することにより、その確認(評価)するために使用するウエハの枚数を低減することができる。金属汚染物質除去ステップの終了を確認するためのウエハの分析の回数を低減させることにより、それに浪費される手間を低減することができるので、ICの製造方法のコストを低減することができる。
【0031】
3) 金属汚染物質量を計測する計測装置を排気管に設置することにより、計測装置を低温雰囲気に置くことができるので、計測装置を高温に耐える構造に構成しなくても済む。また、計測装置は処理室の下流側に位置することになるので、計測装置自体から発生する金属汚染物質による処理室の金属汚染も防止することができる。
【0032】
4) 計測装置を水晶振動子を利用した微小重量計を使用して構成することにより、計測装置のコストを低減することができるので、CVD装置のイニシャルコストおよびランニングコストの増加を抑制することができる。また、大気圧プロセスにおいても簡単に使用することができるので、この計測装置による金属汚染物質除去方法(ステップ)の適用範囲を拡大することができる。
【0033】
5) 金属汚染物質量を計測する計測装置をCVD装置の排気管に設置することにより、処理室やボートおよび排気管等に付着する堆積膜(例えば、ポリシリコン)の厚さや反応副生成物(例えば、NH4 Cl)の量を計測することができるので、CVD装置のメンテナンスのタイミングを警報したりすることにより適正化を図ることができる。
【0034】
6) 計測装置に水晶振動子の温度を測定する測温素子を付帯し、この測温素子の測定値を演算器に入力して演算結果を補償することにより、温度変化による水晶振動子の振動周波数の変動を補償することができるので、計測装置の計測精度を温度変化にかかわらず適正に維持することができる。
【0035】
図3は第二の実施の形態に係る計測装置を示す模式図である。
【0036】
本実施の形態が前記実施の形態と異なる点は、金属汚染物質が吸着しないようにカバー41が被せられた水晶振動子42が測温素子の代わりに設置されており、この水晶振動子42の周波数の変化から温度依存変化量を計測して温度補償するように構成されている点である。
【0037】
本実施の形態によれば、測温素子を使用しなくとも、計測装置の計測精度を温度変化に対応して適正に維持することができる。
【0038】
図4は第三の実施の形態に係る計測装置を示す模式図である。
【0039】
本実施の形態が前記実施の形態と異なる点は、計測装置30Aが四重極型質量分析装置(q−pole mass spectrometer)43を備えている点である。すなわち、排気管25の途中にはサンプリング管44が接続されており、サンプリング管44にはオリフィス45、四重極型質量分析装置43およびターボ分子ポンプ(TMP)46が上流側から順に設置されている。
【0040】
本実施の形態においては、イニシャルコストが水晶振動子を有する微小重量計を使用した場合に比べて大きくなるものの、高感度で、しかも、排気ガス中の金属の種類の同定が広い範囲で可能かつ正確な計測装置を構成することができる。
【0041】
図5は本発明の他の実施の形態に係る枚葉式ホットウオール形CVD装置を示す側面断面図である。
【0042】
図5に示された枚葉式ホットウオール形CVD装置50は処理室51を形成するプロセスチューブ52を備えており、プロセスチューブ52は水平に横置きされている。処理室51には二枚のウエハ1を保持する保持台53が設置されている。プロセスチューブ52には処理室51に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管54と、処理室21を真空排気するための排気管55が接続されている。プロセスチューブ52の外側には処理室21を全体にわたって均一または所定の温度分布に加熱するヒータユニット56が敷設されている。排気管55の途中には水晶振動子32を利用した微小重量計からなる計測装置30が設置されている。
【0043】
本実施の形態においても、計測装置30によって金属汚染物質除去ステップの終了のタイミングを定量的に決定することができるので、前記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
なお、図5に想像線で示されているように、排気管55の途中に接続したサンプリング管44にオリフィス45、四重極型質量分析装置43およびターボ分子ポンプ46を上流側から順に設置した計測装置30Aを採用してもよい。
【0045】
図6は本発明の他の実施の形態に係る枚葉式コールドウオール形CVD装置を示す側面断面図である。
【0046】
図6に示された枚葉式コールドウオール形CVD装置60は処理室61を形成する円筒形状のプロセスチューブ62を備えており、プロセスチューブ62は筒心線が垂直になるように設置されている。処理室61には一枚のウエハ1を保持するサセプタ63が設置されており、サセプタ63にはサセプタ63上のウエハ1を加熱するヒータユニット66が敷設されている。プロセスチューブ62の上部には処理室61に原料ガスやパージガス等をシャワー状に吹き出すガスヘッド64が設置されており、プロセスチューブ62の下部には処理室61を真空排気するための排気管65が接続されている。排気管65の途中には水晶振動子32を利用した微小重量計からなる計測装置30が設置されている。
【0047】
本実施の形態においても、計測装置30によって金属汚染物質除去ステップの終了のタイミングを定量的に決定することができるので、前記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
なお、図6に想像線で示されているように、排気管55の途中に接続したサンプリング管44にオリフィス45、四重極型質量分析装置43およびターボ分子ポンプ46を上流側から順に設置した計測装置30Aを採用してもよい。
【0049】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0050】
例えば、バッチ式縦形CVD装置および枚葉式CVD装置に限らず、バッチ式縦形拡散装置や枚葉式拡散装置、アニール装置、その他の熱処理装置(furnace )等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、処理室のクリーニング時間を最適に設定し、金属汚染物質による汚染の評価の自動化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるCVD装置を示す側面断面図である。
【図2】金属の蒸気圧と温度との関係を示すグラフである。
【図3】第二の実施の形態に係る計測装置を示す模式図である。
【図4】第三の実施の形態に係る計測装置を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施の形態である枚葉式ホットウオール形CVD装置を示す側面断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である枚葉式コールドウオール形CVD装置を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1…ウエハ(基板)、2…ウエハキャリア、10…CVD装置(基板処理装置)、11…筐体、12…ウエハローディングポート、13…待機室、14…ウエハ移載装置、15…ボートエレベータ、16…シールキャップ、17…ボート、20…プロセスチューブ設置室、21…処理室、22…プロセスチューブ、23…マニホールド、24…ガス導入管、25…排気管、26…ヒータユニット、30…計測装置(特定物質量計測装置)、31…支持台、32…水晶振動子、33…発振回路、34…振動数検出器、35…金属汚染物質量演算器、36…出力装置、37…安定化電源、38…測温素子、39…出力器、40…冷却器、41…カバー、42…水晶振動子、30A…四重極型質量分析装置を使用した計測装置、43…四重極型質量分析装置、44…サンプリング管、45…オリフィス、46…ターボ分子ポンプ、50…枚葉式ホットウオール形CVD装置(基板処理装置)、51…処理室、52…プロセスチューブ、53…保持台、54…ガス導入管、55…排気管、56…ヒータユニット、60…枚葉式コールドウオール形CVD装置(基板処理装置)、61…処理室、62…プロセスチューブ、63…サセプタ、64…ガスヘッド、65…排気管、66…ヒータユニット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関し、特に、金属汚染の原因物質(以下、金属汚染物質という。)の除去技術に係り、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、半導体素子を含む半導体集積回路が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したり不純物を拡散したりする工程に使用されるバッチ式縦形拡散・CVD装置に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICの製造方法においてウエハに絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したり不純物を拡散したりする工程には、バッチ式縦形拡散・CVD装置(以下、CVD装置という。)が広く使用されている。従来のこの種のCVD装置においてプロセスチューブの交換や処理室の内部部品の交換等によって発生した金属汚染物質は、次の方法によって除去されている。第一は、塩化水素やジクロロエチレン等の反応性ガスを流すことにより金属汚染物質の塩化物を生成して、これをヒータの加熱によって昇華させて除去する方法である。第二は、ヒータの加熱状態で不活性ガスを真空パージすることにより、金属汚染物質が無くなるのを待つ方法である。
【0003】
従来のICの製造方法においては、これらの金属汚染物質除去方法によって金属汚染物質の低減を図りつつ、適当なタイミングを見計らってウエハを処理室に搬入し、処理室内において一定時間保持後に搬出したウエハの金属汚染物質の量を専用の分析装置によって分析することにより、処理室の汚染量を評価することが実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属汚染物質除去方法の実施後に処理室に搬入したウエハを介して処理室の金属汚染量を専用の分析装置により評価する方法においては、次のような問題点がある。専用の分析装置を用意する必要がある。その分析装置による分析の結果を得る迄に時間がかかる。ウエハの搬入のタイミングが作業者の恣意に任されるために、金属汚染物質の量の評価に必要な時間が最適ではない。金属汚染物質の量の評価のためのウエハの搬入回数が増加すると、製造コストに悪影響が及ぶ。
【0005】
ところで、即時性をもって処理室内の金属汚染の状況を知るための一つの方法としては、処理室自体に分析装置を設置して金属汚染物質の量を計測する方法が、考えられる。しかしながら、この直接計測方法においては、分析装置を高温に耐える構造に構成する必要があり、また、分析装置自体から発生する物質による金属汚染の防止について配慮する必要があるという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、前記した従来の金属汚染物質除去技術の問題点を解決し、金属汚染物質除去の作業時間を短縮することができる基板処理装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板処理装置は、基板を処理する処理室と、この処理室内を排気する排気管とを備えており、前記排気管には特定物質の量を計測する計測装置が設置されていることを特徴とする。
【0008】
前記した手段によれば、処理室内を排気する排気管に設置された計測装置によって例えば金属汚染物質の量を計測することにより、金属汚染物質除去の終点を自動的に評価することができるので、その作業時間を短縮することができる。また、特定物質の量を計測する計測装置を排気管に設置することにより、計測装置を比較的に低温雰囲気に置くことができ、かつまた、計測装置自体からの処理室の汚染も回避することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0010】
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、図1に示されているように、CVD装置(バッチ式縦形拡散・CVD装置)として構成されており、CVD装置10は気密室構造に構築された筐体11を備えている。筐体11の正面の下部にはウエハローディングポート12が設定されており、ウエハローディングポート12には複数枚のウエハ1を収納したキャリア2が供給されるようになっている。ウエハローディングポート12の後方の空間には待機室13が設定されており、待機室13の前側の空間にはウエハ移載装置14が設置されている。ウエハ移載装置14はウエハローディングポート12とボート17との間でウエハ1を搬送してキャリア2およびボート17に受け渡すように構成されている。待機室13の後部空間にはボートエレベータ15が垂直に設置されており、ボートエレベータ15はボート17を支持したシールキャップ16を垂直方向に昇降させるように構成されている。すなわち、シールキャップ16の上にはボート17が垂直に立脚されており、ボート17は多数枚のウエハ1を中心を揃えて水平に配置した状態で保持するように構成されている。
【0011】
待機室13の上にはプロセスチューブ設置室20が構築されており、プロセスチューブ設置室20には処理室21を形成するプロセスチューブ22がマニホールド23を介して垂直に立脚され待機室13の上に設置されている。マニホールド23には処理室21に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管24と、処理室21を真空排気するための排気管25が接続されている。プロセスチューブ22の外側にはヒータユニット26が同心円に配されて筐体11に支持されており、ヒータユニット26は処理室21を全体にわたって均一または所定の温度分布に加熱するように構成されている。
【0012】
図1に示されているように、排気管25の途中には特定物質としての金属汚染物質の量を計測する金属汚染物質量計測装置(以下、計測装置という。)30が設置されており、この計測装置30は水晶振動子を利用した微小重量計によって構成されている。すなわち、計測装置30は水晶振動子32の表面に物質が付着してその表面に重量変化が生じた場合に振動周波数が当該重量に応じて変化する現象を利用して、金属汚染物質量を計測するようになっている。計測装置30はセラミック等の絶縁材料が使用されて形成された支持台31を備えており、支持台31は排気管25の途中に挿入されている。支持台31には水晶振動子(quartzcrystal microbalance ) 32が支持されており、水晶振動子32には安定化電源37が接続された発振回路33が排気管25を貫通して接続されている。発振回路33には振動数検出器34が接続されており、振動数検出器34の出力側には金属汚染物質量演算器(以下、演算器という。)35が接続されている。演算器35の出力側にはブザーやランプおよびプリンタ等の出力装置36が接続されている。
【0013】
ところで、、水晶振動子はその物理特性により温度によっても振動周波数が変化することが知られている。そこで、本実施の形態においては、水晶振動子32の周辺の温度を計測する熱電対等の測温素子38が設置されており、測温素子38の出力器39は演算器35に接続されている。また、計測装置30の排気管25の外部には計測装置30の周辺を冷却して過飽和状態を作り出すための冷却器40が設置されている。
【0014】
以下、前記構成に係るCVD装置による本発明の一実施の形態であるICの製造方法における成膜工程を説明する。
【0015】
図1に示されているように、ウエハローディングポート12のキャリア2に収納された複数枚のウエハ1は、ウエハ移載装置14によってボート17に移載されて装填(チャージング)される。
【0016】
指定された枚数のウエハ1がボート17に装填されると、ボート17はボートエレベータ15によって上昇されてプロセスチューブ22の処理室21に搬入(ボートローディング)される。ボート17が上限に達すると、ボート17を保持したシールキャップ16の上面の周辺部がプロセスチューブ22をシール状態に閉塞するため、処理室21は気密に閉じられた状態になる。
【0017】
次いで、プロセスチューブ22の処理室21が気密に閉じられた状態で、所定の真空度に排気管25によって真空排気され、ヒータユニット26によって所定の温度に加熱され、所定の原料ガスがガス導入管24によって所定の流量だけ供給される。これにより、所定のCVD膜がウエハ1に形成される。
【0018】
そして、予め設定された処理時間が経過すると、ボート17がボートエレベータ15によって下降されることにより、処理済みウエハ1を保持したボート17が待機室13における元の待機位置に搬出(ボートアンローディング)される。
【0019】
待機室13に搬出されたボート17の処理済みウエハ1は、ボート17からウエハ移載装置14によってピックアップされてウエハローディングポート12に搬送され、ウエハローディングポート12に移載された空のキャリア2に収納される。以降、前述した作用が繰り返されてウエハ1がCVD装置10によってバッチ処理されて行く。
【0020】
以上の成膜処理において、原料ガスは流れて行く間にウエハ1だけでなく、処理室21やボート17および排気管25等の表面に接触するために、これらの表面にも成膜や反応副生成物が堆積することになる。これらの堆積物(以下、堆積膜という。)は成膜工程が繰り返されることにより累積して行くので、当該累積した堆積膜の厚さは成膜のバッチ処理の回数が増えるに従って増加して行くことになる。そして、この累積した堆積膜は厚さがある値に達すると、剥離し易くなるためにパーティクルの発生が急激に増加する。そこで、ICの製造方法における成膜工程においては、累積した堆積膜の厚さがある値に達すると、プロセスチューブ22およびボート17のクリーニング作業が実施される。一般に、このプロセスチューブ22およびボート17のクリーニング作業はエッチングによって実施されるために、プロセスチューブ22およびボート17は消耗して行き、更新が必要になる。
【0021】
このようなクリーニング作業や更新に際してのプロセスチューブ22およびボート17の交換等によって金属汚染物質が発生する。本実施の形態においては、発生した金属汚染物質は次の方法(金属汚染物質除去ステップ)によって除去される。
【0022】
新規のプロセスチューブ22およびボート17がCVD装置10に設置されると、ウエハ1が装填されない状態でボート17が処理室21に挿入され、処理室21がシールキャップ16によって気密封止される。次いで、処理室21が除去する金属汚染物質の蒸気圧に対応する所定の圧力に排気管25によって排気されながら、金属汚染物質を除去するためのガスがガス導入管24によって所定の流量だけ供給されるとともに、ヒータユニット26によって所定の温度に加熱される。この際、鉄や銅およびニッケル等の高蒸気圧の金属汚染物質を除去する場合には、塩化水素やジクロロエチレン等が供給される。この場合には金属汚染物質の塩化物が生成されることになる。クロム等の低蒸気圧の金属汚染物質を除去する場合には、窒素ガス等の不活性ガスが供給される。
【0023】
新規のプロセスチューブ22およびボート17から発生した金属汚染物質は、供給されたガスと共に排気管25から排気される。排気管25を流通する排気ガス中の金属汚染物質の量の変化は、排気管25の途中に設置された計測装置30によって計測される。そして、排気ガス中の金属汚染物質の量が予め設定された値を下回った時に金属汚染物質除去作業が完了とされ、ガスの供給やヒータユニット26の加熱および排気管25の排気が停止される。
【0024】
その後に、ボート17がボートエレベータ15によって下降されることにより、ボート17が待機室13における元の待機位置に抜き出される。なお、新規のボート17に装填したウエハ1について専用の分析装置による評価を念のために実施することが望ましい。
【0025】
次に、金属汚染物質除去ステップにおける計測装置30の作用および効果を説明する。
水晶振動子32の振動数変化量は次式(1)によって与えられる。(1)式中、Δfは振動数変化量、fは基本周波数、Vは音波速度、Sは電極面積、ρqは水晶の密度、Δmは重量変化量である。
Δf=−(2×f2 /V×S×ρq)×Δm・・・(1)
重量変化量Δmは排気ガス中の金属汚染物質が水晶振動子32の表面に付着することで変化するため、金属汚染物質の重量変化量はΔmを演算することにより求めることができる。また、金属汚染物質が計測装置30の水晶振動子32に付着すると、基本周波数fは減少する。そして、金属汚染物質の濃度が高いほど水晶振動子32の表面に付着する金属汚染物質の付着レートが高いため、低濃度の金属汚染物質の汚染環境下では振動数変化量Δfは小さいが、高濃度の金属汚染物質の汚染環境下では振動数変化量Δfは大きくなる。したがって、振動数変化量Δfの値を演算することにより、金属汚染物質の量を求めることができる。なお、水晶振動子32の温度を測温素子38によって測定し、この測定値を演算器35に入力することにより、演算器35の演算結果が補償される。
【0026】
ところで、f=30MHz、V=3320m/s、S=1×10−4m2 、ρq=2.2×106 g/m3 、であると、1Hz当たりの重量変化量(Δm/Δf)は、408pg/Hz、となる。金属汚染物質として鉄を計測する場合には塩化鉄として計測する。蒸気圧の高いFeCl3 (分子数は162.2)について考えると、最小感度(1Hz当たりの感度)として与えられるのは、
408×10−12 ( g)÷162.2=2.5×10−12 (mol)=1.5×1012molecules
である。これは、FeCl3 分子が1.5×1012個以上で検出可能になることを示している。
FeCl3 の密度は2.8g/ccであることから、
2.8÷162.2=1.73×10−2(mol/cc)
1.73×10−2×6.02×1023=1.04×1022(molecules/cc)
となる。検出限界値は1.5×1012moleculesであるから、実質感度は、
1.5×1012÷1.04×1022=1.44×10−10
となる。したがって、0.14ppb、が計測限界になる。
FeCl3 の蒸気圧は、319℃で760mmHg、200℃では1.86mmHgである。したがって、200℃で計測する場合には、0.24%の濃度となるので、充分な感度を有することになる。また、1ppmの濃度となる60℃前後でも感度的には問題なく使用することができる。
【0027】
ちなみに、各金属の蒸気圧(mmHg)と温度(℃)との関係が図2に示されているようにそれぞれ異なるため、処理室21に供給するガスの種類やヒータユニット26の設定温度を適宜に設定することにより、排気管25を流れる排気ガス中の金属の種類を計測装置30の計測データを利用して同定(特定)することも可能である。
【0028】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0029】
1) 金属汚染物質量を計測する計測装置を設置することにより、金属汚染物質除去ステップの終了のタイミングを定量的に決定することができるので、金属汚染物質除去ステップの作業時間を最適値に制御することができ、その作業時間を短縮することができる。
【0030】
2) 金属汚染物質除去ステップの終了を適正に決定することにより、その確認(評価)するために使用するウエハの枚数を低減することができる。金属汚染物質除去ステップの終了を確認するためのウエハの分析の回数を低減させることにより、それに浪費される手間を低減することができるので、ICの製造方法のコストを低減することができる。
【0031】
3) 金属汚染物質量を計測する計測装置を排気管に設置することにより、計測装置を低温雰囲気に置くことができるので、計測装置を高温に耐える構造に構成しなくても済む。また、計測装置は処理室の下流側に位置することになるので、計測装置自体から発生する金属汚染物質による処理室の金属汚染も防止することができる。
【0032】
4) 計測装置を水晶振動子を利用した微小重量計を使用して構成することにより、計測装置のコストを低減することができるので、CVD装置のイニシャルコストおよびランニングコストの増加を抑制することができる。また、大気圧プロセスにおいても簡単に使用することができるので、この計測装置による金属汚染物質除去方法(ステップ)の適用範囲を拡大することができる。
【0033】
5) 金属汚染物質量を計測する計測装置をCVD装置の排気管に設置することにより、処理室やボートおよび排気管等に付着する堆積膜(例えば、ポリシリコン)の厚さや反応副生成物(例えば、NH4 Cl)の量を計測することができるので、CVD装置のメンテナンスのタイミングを警報したりすることにより適正化を図ることができる。
【0034】
6) 計測装置に水晶振動子の温度を測定する測温素子を付帯し、この測温素子の測定値を演算器に入力して演算結果を補償することにより、温度変化による水晶振動子の振動周波数の変動を補償することができるので、計測装置の計測精度を温度変化にかかわらず適正に維持することができる。
【0035】
図3は第二の実施の形態に係る計測装置を示す模式図である。
【0036】
本実施の形態が前記実施の形態と異なる点は、金属汚染物質が吸着しないようにカバー41が被せられた水晶振動子42が測温素子の代わりに設置されており、この水晶振動子42の周波数の変化から温度依存変化量を計測して温度補償するように構成されている点である。
【0037】
本実施の形態によれば、測温素子を使用しなくとも、計測装置の計測精度を温度変化に対応して適正に維持することができる。
【0038】
図4は第三の実施の形態に係る計測装置を示す模式図である。
【0039】
本実施の形態が前記実施の形態と異なる点は、計測装置30Aが四重極型質量分析装置(q−pole mass spectrometer)43を備えている点である。すなわち、排気管25の途中にはサンプリング管44が接続されており、サンプリング管44にはオリフィス45、四重極型質量分析装置43およびターボ分子ポンプ(TMP)46が上流側から順に設置されている。
【0040】
本実施の形態においては、イニシャルコストが水晶振動子を有する微小重量計を使用した場合に比べて大きくなるものの、高感度で、しかも、排気ガス中の金属の種類の同定が広い範囲で可能かつ正確な計測装置を構成することができる。
【0041】
図5は本発明の他の実施の形態に係る枚葉式ホットウオール形CVD装置を示す側面断面図である。
【0042】
図5に示された枚葉式ホットウオール形CVD装置50は処理室51を形成するプロセスチューブ52を備えており、プロセスチューブ52は水平に横置きされている。処理室51には二枚のウエハ1を保持する保持台53が設置されている。プロセスチューブ52には処理室51に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管54と、処理室21を真空排気するための排気管55が接続されている。プロセスチューブ52の外側には処理室21を全体にわたって均一または所定の温度分布に加熱するヒータユニット56が敷設されている。排気管55の途中には水晶振動子32を利用した微小重量計からなる計測装置30が設置されている。
【0043】
本実施の形態においても、計測装置30によって金属汚染物質除去ステップの終了のタイミングを定量的に決定することができるので、前記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
なお、図5に想像線で示されているように、排気管55の途中に接続したサンプリング管44にオリフィス45、四重極型質量分析装置43およびターボ分子ポンプ46を上流側から順に設置した計測装置30Aを採用してもよい。
【0045】
図6は本発明の他の実施の形態に係る枚葉式コールドウオール形CVD装置を示す側面断面図である。
【0046】
図6に示された枚葉式コールドウオール形CVD装置60は処理室61を形成する円筒形状のプロセスチューブ62を備えており、プロセスチューブ62は筒心線が垂直になるように設置されている。処理室61には一枚のウエハ1を保持するサセプタ63が設置されており、サセプタ63にはサセプタ63上のウエハ1を加熱するヒータユニット66が敷設されている。プロセスチューブ62の上部には処理室61に原料ガスやパージガス等をシャワー状に吹き出すガスヘッド64が設置されており、プロセスチューブ62の下部には処理室61を真空排気するための排気管65が接続されている。排気管65の途中には水晶振動子32を利用した微小重量計からなる計測装置30が設置されている。
【0047】
本実施の形態においても、計測装置30によって金属汚染物質除去ステップの終了のタイミングを定量的に決定することができるので、前記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
なお、図6に想像線で示されているように、排気管55の途中に接続したサンプリング管44にオリフィス45、四重極型質量分析装置43およびターボ分子ポンプ46を上流側から順に設置した計測装置30Aを採用してもよい。
【0049】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0050】
例えば、バッチ式縦形CVD装置および枚葉式CVD装置に限らず、バッチ式縦形拡散装置や枚葉式拡散装置、アニール装置、その他の熱処理装置(furnace )等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、処理室のクリーニング時間を最適に設定し、金属汚染物質による汚染の評価の自動化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるCVD装置を示す側面断面図である。
【図2】金属の蒸気圧と温度との関係を示すグラフである。
【図3】第二の実施の形態に係る計測装置を示す模式図である。
【図4】第三の実施の形態に係る計測装置を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施の形態である枚葉式ホットウオール形CVD装置を示す側面断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である枚葉式コールドウオール形CVD装置を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1…ウエハ(基板)、2…ウエハキャリア、10…CVD装置(基板処理装置)、11…筐体、12…ウエハローディングポート、13…待機室、14…ウエハ移載装置、15…ボートエレベータ、16…シールキャップ、17…ボート、20…プロセスチューブ設置室、21…処理室、22…プロセスチューブ、23…マニホールド、24…ガス導入管、25…排気管、26…ヒータユニット、30…計測装置(特定物質量計測装置)、31…支持台、32…水晶振動子、33…発振回路、34…振動数検出器、35…金属汚染物質量演算器、36…出力装置、37…安定化電源、38…測温素子、39…出力器、40…冷却器、41…カバー、42…水晶振動子、30A…四重極型質量分析装置を使用した計測装置、43…四重極型質量分析装置、44…サンプリング管、45…オリフィス、46…ターボ分子ポンプ、50…枚葉式ホットウオール形CVD装置(基板処理装置)、51…処理室、52…プロセスチューブ、53…保持台、54…ガス導入管、55…排気管、56…ヒータユニット、60…枚葉式コールドウオール形CVD装置(基板処理装置)、61…処理室、62…プロセスチューブ、63…サセプタ、64…ガスヘッド、65…排気管、66…ヒータユニット。
Claims (3)
- 基板を処理する処理室と、この処理室内を排気する排気管とを備えており、前記排気管には特定物質の量を計測する計測装置が設置されていることを特徴とする基板処理装置。
- 前記計測装置は、水晶振動子を利用した微小重量計または四重極型質量分析装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
- 基板を処理室内に搬入するステップと、処理室内で基板を処理するステップと、処理室内を排気する排気管に設置された計測装置によって特定物質の量を計測するステップとを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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JP2002271364A JP2004111610A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 基板処理装置および半導体装置の製造方法 |
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