JP2004111556A - 固体撮像素子収納用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁基体の上面の所定位置に固体撮像素子を正確に位置決めして搭載できるとともに、絶縁基体および枠体から成るパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することがないものとすること。
【解決手段】複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体1と、その上面の凹部の底面に設けられた固体撮像素子6の搭載部1aと、上記凹部の周囲から絶縁基体1の下面の外周部にかけて導出され、固体撮像素子6に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体3と、絶縁基体1の上面の外周部に設けられ、外面が絶縁基体1の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体2とを具備し、4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体2の上面の外周部から搭載部1aが形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠き8が形成されているとともに切欠き8の底面の略全面に金属層8aが形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体1と、その上面の凹部の底面に設けられた固体撮像素子6の搭載部1aと、上記凹部の周囲から絶縁基体1の下面の外周部にかけて導出され、固体撮像素子6に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体3と、絶縁基体1の上面の外周部に設けられ、外面が絶縁基体1の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体2とを具備し、4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体2の上面の外周部から搭載部1aが形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠き8が形成されているとともに切欠き8の底面の略全面に金属層8aが形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子を収容するための固体撮像素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体撮像素子を収容するための固体撮像素子収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)は、図3の断面図および図4の蓋体を除いた平面図で示すように、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスから成り、その上面の中央部に形成された固体撮像素子16を搭載する搭載部11aおよび搭載部11aの周辺から下面外周部に導出された複数のメタライズ配線導体13を有する略四角形の絶縁基体11と、絶縁基体11の上面の外周部に搭載部11aを取り囲むように設けられた枠体12と、複数のメタライズ配線導体13に銀ろう等のろう材を介してそれぞれ接合された外部リード端子14と、ガラスやサファイア等の透光性材料から成る略平板状の蓋体15とから構成されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0003】
そして、固体撮像素子収納用パッケージは、絶縁基体11の搭載部11aに、上面に撮像部が形成された固体撮像素子16を接着剤を介して接着固定し、固体撮像素子16の上面の電極とメタライズ配線導体13とをボンディングワイヤ17を介して電気的に接続し、しかる後、枠体12の上面(封止面12a)に蓋体15をエポキシ樹脂等の封止材を介して接合し、絶縁基体11、枠体12および蓋体15から成る容器内部に固体撮像素子16を気密に収容することによって製品としての固体撮像装置となる。
【0004】
この固体撮像装置は、絶縁基体11の下面の中央部をカメラ内の光学系に対する位置決め面に当接し接合した状態でカメラ内に実装され、カメラ内の光学系を介して撮像部に結像させた被写体の映像を電気信号に変換することによって、被写体の電子的な画像を得ることができる。
【0005】
また、固体撮像素子16の中心(撮像部)をカメラ内の光学系の光軸に合わせる必要があるが、固体撮像素子16はパッケージ内に収納されているため、パッケージの外形を基準にしてまたはパッケージに設けたマーク等を基準にして、光軸に対して固体撮像素子16を位置決めするようにしている。この場合、パッケージの外形やマークを基準にして容易に位置決めできるように、パッケージ内の中央部、即ち絶縁基体11の上面の中央部に固体撮像素子16を搭載しておく必要がある。
【0006】
そこで、従来、絶縁基体11の外周縁の複数箇所に、その積層方向すなわち絶縁基体11の下方から照明光を照射して、光学顕微鏡で測定される陰影の境界線の座標から絶縁基体11の中心座標を求め、その位置にロボットハンド等により固体撮像素子16を搭載する方法、または固体撮像素子16を機器に組み込むときの基準となる位置決め穴を絶縁基体11の外周部に設け、この位置決め穴を基準にして枠状のセラミック基板の開口内に位置決め用の突起を形成し、この突起に固体撮像素子16を突き当てて位置決めする方法などが採られている(例えば、下記の特許文献2参照)。
【0007】
また、他の従来例として、上記絶縁基体11に相応するセラミック積層体を構成する複数枚のセラミック基板のうち、最上層のものを除く2層目以降のセラミック積層体の外周面に複数本の溝を形成することにより、最上層のセラミック基板のみについて、その外周縁の陰影の境界線を光学顕微鏡で複数箇所測定し、その測定データに基づいてセラミック積層体の所定位置に固体撮像素子16を組み込む方法が提案されている(例えば、下記の特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平13−339004号公報
【特許文献2】
特開昭63−155648号公報
【特許文献3】
特開平13−77337号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の固体撮像素子収納用パッケージによれば、絶縁基体11の外周縁の座標を測定する方法の場合、絶縁基体11の焼成工程で20%程度熱収縮して絶縁基体11の各絶縁層の積層ずれが生じ、絶縁層間に段差が生じ易い。この場合、光学顕微鏡で測定される陰影の境界線の全てが必ずしも同一層のものではなくなり、算出される中心座標には少なからず誤差が含まれる。したがって、算出された中心座標を基準にして固体撮像素子16を位置決めすると、所期の目的を達成することが困難となる。
【0010】
また、上記特許文献2記載の方法では、まず位置決め穴を設ける段階で誤差が伴い、さらに位置決め穴を基準に突起を形成しているため、突起の位置には二重の誤差が含まれることになる。しかも、位置決め穴や突起は焼成前のセラミック基板に形成されるため、焼成後にはそれぞれの位置が不規則に変動してしまい、やはり固体撮像素子16を正確に位置決めする方法としては不充分である。
【0011】
また、上記特許文献3記載の方法では、セラミック積層体を成す複数枚のセラミック基板のうち、最上層のセラミック基板のみについて外周縁の陰影の境界線を光学顕微鏡で測定するため、その陰影の境界線から算出された測定データに積層ずれによる誤差が発生することはなく、かつ位置決め穴を設ける必要もないためパッケージを小さくすることができる。しかしながら、この方法では、絶縁基体11の下方から照明光を照射して、その照明光の陰影の境界線を光学顕微鏡で測定するため、陰影の境界線の明暗の差が小さく識別しづらく誤差が大きくなる。
【0012】
したがって、光学顕微鏡で測定される陰影の境界線から算出された中心座標を基準にして固体撮像素子16を位置決めすると、搭載部の所定位置に搭載できず所期の目的を達成することができない。また、最上層のセラミック基板が2層目以降のセラミック積層体の外周面より突出しているため、パッケージに固体撮像素子16を搭載する際やパッケージの搬送中に、セラミック積層体の最上層に外力が加わったりセラミック積層体同士が衝突することにより、最上層の突出部に欠けや割れが発生してしまうという問題点を有していた。
【0013】
従って、本発明は上記従来の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、固体撮像素子を搭載部の所定位置に正確に位置決めして搭載できるとともに絶縁基体および枠体から成るパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することがない固体撮像素子収納用パッケージを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体撮像素子収納用パッケージは、複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体と、該絶縁基体の上面に形成された凹部の底面に設けられた固体撮像素子の搭載部と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲から前記絶縁基体の下面の外周部にかけて導出されるとともに前記固体撮像素子に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体と、前記絶縁基体の上面の外周部に前記凹部を取り囲むようにして設けられ、外面が前記絶縁基体の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体とを具備している固体撮像素子収納用パッケージであって、前記絶縁基体の側面および前記枠体の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、前記枠体の上面の外周部から前記搭載部が形成された前記絶縁層の上面の外周部にかけて切欠きが形成されているとともに該切欠きの底面の略全面に金属層が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の固体撮像素子収納用パッケージは、絶縁基体の側面および枠体の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体の上面の外周部から搭載部が形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠きが形成されているとともに切欠きの底面の略全面に金属層が形成されていることから、パッケージ側面と金属層との境界線が照明光の下で明るく輝き、その境界線を光学顕微鏡で容易に識別できる。また、隣接する2つのパッケージ側面は互いに直交しているため、2つの切欠きの境界線を測定することにより、固体撮像素子を搭載するための中心座標を正確に算出できる。さらに、金属層と搭載部が同じ絶縁層上に形成されていることから、絶縁層の積層ずれによる金属層と搭載部との位置ずれが発生することもなく、算出された中心座標を用いて固体撮像素子を搭載部の所定位置に正確に位置決めし搭載することができる。さらに、枠体と絶縁基体から成るパッケージ側面は、突出する部位もなく平坦であり、そのため枠体や絶縁基体に外力が加わったり、パッケージ同士がパッケージ側面で衝突したとしてもそれらのパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の固体撮像素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。
【0017】
図1,図2は本発明の固体撮像素子収納用パッケージについて実施の形態の一例を示し、図1はパッケージの断面図、図2はパッケージの平面図である。これらの図において、1は絶縁基体、2は枠体、3はメタライズ配線導体、4は外部リード端子、5は蓋体、8は切欠き、8aは金属層であり、これらで固体撮像素子6を収納搭載するためのパッケージが基本的に構成されている。
【0018】
本発明のパッケージは、複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体1と、絶縁基体1の上面に形成された凹部の底面に設けられた固体撮像素子6の搭載部1aと、絶縁基体1の上面の凹部の周囲から絶縁基体1の下面の外周部にかけて導出されるとともに固体撮像素子6に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体3と、絶縁基体1の上面の外周部に凹部を取り囲むようにして設けられ、外面が絶縁基体1の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体2とを具備し、絶縁基体1の側面および枠体2の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体2の上面の外周部から搭載部1aが形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠き8が形成されているとともに切欠き8の底面の略全面に金属層8aが形成されている。
【0019】
本発明の絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)等の電気絶縁材料から成る略直方体状で、その上面中央部に固体撮像素子6が搭載される搭載部1aを有している。そして、搭載部1aには固体撮像素子6がエポキシ樹脂等の樹脂接着剤を介して接着固定される。この絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスから成る。酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、以下のようにして作製される。まず、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤,分散剤等を添加混合して泥漿物を作り、この泥漿物を従来周知のドクタブレード法等のシート成形法によりシート状のセラミックグリーンシートと成し、しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに複数枚を積層して絶縁基体1に対応した形状の生セラミック成形体を得、これを約1600℃の高温で焼成することによって作製される。
【0020】
また、絶縁基体1の上面から下面にかけて固体撮像素子6の上面の電極が電気的に接続されるメタライズ配線導体3が設けられ、絶縁基体1の上面の外周部には、凹部および搭載部1aを取り囲むように、蓋体5を上面に接合するための枠体2が設けられている。そして、メタライズ配線導体3は、搭載部1aに搭載される固体撮像素子6の各電極を外部電気回路に電気的に接続するための導電路として機能し、メタライズ配線導体3の絶縁基体1の下面の外周部に導出された部位には外部リード端子4が銀ろう等のろう材を介して接合されており、メタライズ配線導体3の搭載部1aの周辺の部位には固体撮像素子6の各電極がボンディングワイヤ7を介して電気的に接続される。
【0021】
なお、メタライズ配線導体3は、タングステンやモリブデン等の高融点金属粉末のメタライズ導体から成り、その露出表面には1〜10μm程度の厚みのニッケルメッキ層および0.1〜3μm程度の厚みの金メッキ層が順次被着されている。これらのメッキ層によりメタライズ配線導体3の露出表面の酸化腐蝕が防止されるとともに、メタライズ配線導体3とボンディングワイヤ7との接続を強固かつ容易なものとすることができる。
【0022】
このメタライズ配線導体3は、例えばタングステンから成る場合、タングステン粉末に適当な有機バインダ,溶剤等を添加混合して得たメタライズペーストを、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布し、このセラミックグリーンシートを焼成することによって絶縁基体1の上下面および内部に被着形成される。
【0023】
また、メタライズ配線導体3にろう付けされる外部リード端子4は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属から成り、絶縁基体1の下面の外周部に導出されたメタライズ配線導体3にろう付けされることによって、絶縁基体1の下面に取着されている。
【0024】
なお、メタライズ配線導体3の絶縁基体1の下面の外周部に導出された部位には、外部リード端子4以外に導体バンプ、半田バンプ、半田ボール等を接合してもよい。
【0025】
そして、絶縁基体1の上面の外周部には凹部および搭載部1aを取り囲むように枠体2が設けられ、枠体2の上面は蓋体5が接合されてパッケージを封止する封止面2aとなっている。この封止面2aには、ガラスやサファイア等の透光性材料から成る略四角平板状の蓋体5が、エポキシ樹脂等の樹脂から成る封止材を介して接合され、これにより絶縁基体1、枠体2および蓋体5から成る容器内部に固体撮像素子6が気密に封止される。
【0026】
枠体2は、その内側において、固体撮像素子6の搭載部1aや固体撮像素子6の電極に接続されるメタライズ配線導体3の部位が露出するとともに蓋体5で気密封止される内部空間を形成するために、絶縁基体1と同じセラミックグリーンシートの中央部に打ち抜き加工を施すことによって、セラミックグリーンシートの中央部に貫通した開口が形成される。このセラミックグリーンシートを絶縁基体1となるセラミックグリーンシート上に積層し、一緒に焼成することによって、枠体2および絶縁基体1が形成される。
【0027】
そして、本発明においては、絶縁基体1の側面および枠体2の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体2の上面の外周部から搭載部1aが形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠き8が形成されているとともに切欠き8の底面の略全面に金属層8aが形成されている。これにより、パッケージ側面と金属層8aとの境界線が照明光の下で明るく輝き、その境界線を光学顕微鏡で容易に識別できる。また、また、隣接する2つのパッケージ側面は互いに直交しているため、2つの切欠き8の境界線を測定することにより、固体撮像素子6を搭載するための中心座標を正確に算出できる。さらに、金属層8aと搭載部1aが同じ絶縁層上に形成されていることから、絶縁層の積層ずれによる金属層8aと搭載部1aとの位置ずれが発生することもなく、算出された中心座標を用いて固体撮像素子6を搭載部1aの所定位置に正確に位置決めし搭載することができる。さらに、枠体2と絶縁基体1から成るパッケージ側面は、突出する部位もなく平坦であり、そのため枠体2や絶縁基体1に外力が加わったり、パッケージ同士がパッケージ側面で衝突したとしてもそれらのパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することはない。
【0028】
切欠き8は、絶縁基体1や枠体2となる同じセラミックグリーンシートに、絶縁基体1および枠体2のそれぞれの開口の打ち抜きと同時に打ち抜かれて形成される。その後、セラミックグリーンシートを積層して焼成することによって、枠体2と絶縁基体1から成るパッケージ側面に切欠き8が形成されることとなる。
【0029】
この切欠き8は、図2に示すように、そのパッケージ側面に沿った方向の長さWが0.2〜5.0mmであることが好ましい。Wが0.2mm未満の場合、境界線の輝度が小さくなってしまい光学顕微鏡で識別するのが困難となる。5.0mmを超えると、パッケージが大型化することとなる。
【0030】
金属層8aは、タングステンやモリブデン等の高融点金属粉末のメタライズ導体の露出表面に1〜10μm程度の厚みのニッケルメッキ層と0.1〜3μm程度の厚みの金メッキ層が順次被着されて成る。これらのメッキ層により、メタライズ導体の露出表面が酸化腐蝕されるのを防止できるとともに、金属層8aに切欠き8の底面におけるパッケージ側面との境界線を明確に識別できる輝度をもたせることができる。
【0031】
なお、メタライズ導体は、例えばタングステン粉末から成る場合、タングステン粉末に適当な有機バインダ,溶剤等を添加混合して得たメタライズペーストを固体撮像素子6が搭載される絶縁層用のセラミックグリーンシートに従来周知のスクリーン印刷法で所定パターンに印刷塗布される。そして、このグリーンシートを他の絶縁層となるセラミックグリーンシートに積層させた後、切欠き8の上記境界線となるメタライズ導体を基準に、枠体2および絶縁基体1となるように所定寸法に切断することで枠体2および絶縁基体1のパッケージ側面が形成される。そして、切欠き8の底面に形成された金属層8aの上記境界線と搭載部1aとの位置関係が精度の高いものとなる。
【0032】
また、金属層8aは、切欠き8の底面のパッケージ側面側の端部に、切欠き8の底面の露出部が略一定幅で形成されるように設けられることが好ましい。この場合、上記露出部が照明光に対してより明確な金属層8aとの境界線となり、搭載部1aの中心を容易に算出できる。即ち、上記露出部がないと、金属層8aに対してパッケージ側面は直交しているため、上方からみた場合パッケージ側面が認識しづらいものとなり、金属層8aと背景との境界線を認識することとなり易い。すると、背景の色や明るさによっては金属層8aと背景との境界線が不明確になることもあり得るからである。
【0033】
さらに、隣接する2つのパッケージ側面にそれぞれ形成された2つの切欠き8は、隣接する2つのパッケージ側面の角から略同じ距離に位置していることが好ましい。この場合、金属層8aのパッケージ側面側の縁を延長させて交差した交差点が隣接する2つのパッケージ側面の角となるが、その角を光学顕微鏡やコンピュータ装置の画面上で特定することが容易になる。
【0034】
かくして、本発明の固体撮像素子収納用パッケージは、絶縁基体1の上面の搭載部1aの所定位置に固体撮像素子6を樹脂接着剤等で載置固定するとともに、固体撮像素子6の上面の各電極をメタライズ配線導体3にボンディングワイヤ7を介して電気的に接続し、次に絶縁基体1の上面の外周部に設置された枠体2の上面に透光性材料から成る蓋体5を封止材を介して接合させることにより、絶縁基体1と枠体2と蓋体5とから成る容器内部に固体撮像素子6を気密に封止して固体撮像装置となる。そして、例えば、固体撮像装置の絶縁基体1の下面をカメラ内の光学系に対する基準面に当接させてカメラ内に実装することにより、固体撮像素子6の撮像部に被写体の映像を正確に結像させ、それにより正確かつ鮮明な被写体の電子的画像を得ることが可能となる。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0036】
【発明の効果】
本発明の固体撮像素子収納用パッケージは、複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体と、絶縁基体の上面に形成された凹部の底面に設けられた固体撮像素子の搭載部と、絶縁基体の上面の凹部の周囲から絶縁基体の下面の外周部にかけて導出されるとともに固体撮像素子に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体と、絶縁基体の上面の外周部に凹部を取り囲むようにして設けられ、外面が絶縁基体の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体とを具備し、絶縁基体の側面および枠体の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体の上面の外周部から搭載部が形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠きが形成されているとともに切欠きの底面の略全面に金属層が形成されていることにより、パッケージ側面と金属層との境界線が照明光の下で明るく輝き、その境界線を光学顕微鏡で容易に識別できる。また、隣接する2つのパッケージ側面は互いに直交しているため、2つの切欠きの境界線を測定することにより、固体撮像素子を搭載するための中心座標を正確に算出できる。さらに、金属層と搭載部が同じ絶縁層上に形成されていることから、絶縁層の積層ずれによる金属層と搭載部との位置ずれが発生することもなく、算出された中心座標を用いて固体撮像素子を搭載部の所定位置に正確に位置決めし搭載することができる。さらに、枠体と絶縁基体から成るパッケージ側面は、突出する部位もなく平坦であり、そのため枠体や絶縁基体に外力が加わったり、パッケージ同士がパッケージ側面で衝突したとしてもそれらのパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体撮像素子収納用パッケージについて実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の固体撮像素子収納用パッケージの平面図である。
【図3】従来の固体撮像素子収納用パッケージの一例を示す断面図である。
【図4】図3の固体撮像素子収納用パッケージの平面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基体
1a:搭載部
2:枠体
3:メタライズ配線導体
4:外部リード端子
5:蓋体
6:固体撮像素子
7:ボンディングワイヤ
8:切欠き
8a:金属層
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子を収容するための固体撮像素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体撮像素子を収容するための固体撮像素子収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)は、図3の断面図および図4の蓋体を除いた平面図で示すように、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスから成り、その上面の中央部に形成された固体撮像素子16を搭載する搭載部11aおよび搭載部11aの周辺から下面外周部に導出された複数のメタライズ配線導体13を有する略四角形の絶縁基体11と、絶縁基体11の上面の外周部に搭載部11aを取り囲むように設けられた枠体12と、複数のメタライズ配線導体13に銀ろう等のろう材を介してそれぞれ接合された外部リード端子14と、ガラスやサファイア等の透光性材料から成る略平板状の蓋体15とから構成されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0003】
そして、固体撮像素子収納用パッケージは、絶縁基体11の搭載部11aに、上面に撮像部が形成された固体撮像素子16を接着剤を介して接着固定し、固体撮像素子16の上面の電極とメタライズ配線導体13とをボンディングワイヤ17を介して電気的に接続し、しかる後、枠体12の上面(封止面12a)に蓋体15をエポキシ樹脂等の封止材を介して接合し、絶縁基体11、枠体12および蓋体15から成る容器内部に固体撮像素子16を気密に収容することによって製品としての固体撮像装置となる。
【0004】
この固体撮像装置は、絶縁基体11の下面の中央部をカメラ内の光学系に対する位置決め面に当接し接合した状態でカメラ内に実装され、カメラ内の光学系を介して撮像部に結像させた被写体の映像を電気信号に変換することによって、被写体の電子的な画像を得ることができる。
【0005】
また、固体撮像素子16の中心(撮像部)をカメラ内の光学系の光軸に合わせる必要があるが、固体撮像素子16はパッケージ内に収納されているため、パッケージの外形を基準にしてまたはパッケージに設けたマーク等を基準にして、光軸に対して固体撮像素子16を位置決めするようにしている。この場合、パッケージの外形やマークを基準にして容易に位置決めできるように、パッケージ内の中央部、即ち絶縁基体11の上面の中央部に固体撮像素子16を搭載しておく必要がある。
【0006】
そこで、従来、絶縁基体11の外周縁の複数箇所に、その積層方向すなわち絶縁基体11の下方から照明光を照射して、光学顕微鏡で測定される陰影の境界線の座標から絶縁基体11の中心座標を求め、その位置にロボットハンド等により固体撮像素子16を搭載する方法、または固体撮像素子16を機器に組み込むときの基準となる位置決め穴を絶縁基体11の外周部に設け、この位置決め穴を基準にして枠状のセラミック基板の開口内に位置決め用の突起を形成し、この突起に固体撮像素子16を突き当てて位置決めする方法などが採られている(例えば、下記の特許文献2参照)。
【0007】
また、他の従来例として、上記絶縁基体11に相応するセラミック積層体を構成する複数枚のセラミック基板のうち、最上層のものを除く2層目以降のセラミック積層体の外周面に複数本の溝を形成することにより、最上層のセラミック基板のみについて、その外周縁の陰影の境界線を光学顕微鏡で複数箇所測定し、その測定データに基づいてセラミック積層体の所定位置に固体撮像素子16を組み込む方法が提案されている(例えば、下記の特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平13−339004号公報
【特許文献2】
特開昭63−155648号公報
【特許文献3】
特開平13−77337号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の固体撮像素子収納用パッケージによれば、絶縁基体11の外周縁の座標を測定する方法の場合、絶縁基体11の焼成工程で20%程度熱収縮して絶縁基体11の各絶縁層の積層ずれが生じ、絶縁層間に段差が生じ易い。この場合、光学顕微鏡で測定される陰影の境界線の全てが必ずしも同一層のものではなくなり、算出される中心座標には少なからず誤差が含まれる。したがって、算出された中心座標を基準にして固体撮像素子16を位置決めすると、所期の目的を達成することが困難となる。
【0010】
また、上記特許文献2記載の方法では、まず位置決め穴を設ける段階で誤差が伴い、さらに位置決め穴を基準に突起を形成しているため、突起の位置には二重の誤差が含まれることになる。しかも、位置決め穴や突起は焼成前のセラミック基板に形成されるため、焼成後にはそれぞれの位置が不規則に変動してしまい、やはり固体撮像素子16を正確に位置決めする方法としては不充分である。
【0011】
また、上記特許文献3記載の方法では、セラミック積層体を成す複数枚のセラミック基板のうち、最上層のセラミック基板のみについて外周縁の陰影の境界線を光学顕微鏡で測定するため、その陰影の境界線から算出された測定データに積層ずれによる誤差が発生することはなく、かつ位置決め穴を設ける必要もないためパッケージを小さくすることができる。しかしながら、この方法では、絶縁基体11の下方から照明光を照射して、その照明光の陰影の境界線を光学顕微鏡で測定するため、陰影の境界線の明暗の差が小さく識別しづらく誤差が大きくなる。
【0012】
したがって、光学顕微鏡で測定される陰影の境界線から算出された中心座標を基準にして固体撮像素子16を位置決めすると、搭載部の所定位置に搭載できず所期の目的を達成することができない。また、最上層のセラミック基板が2層目以降のセラミック積層体の外周面より突出しているため、パッケージに固体撮像素子16を搭載する際やパッケージの搬送中に、セラミック積層体の最上層に外力が加わったりセラミック積層体同士が衝突することにより、最上層の突出部に欠けや割れが発生してしまうという問題点を有していた。
【0013】
従って、本発明は上記従来の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、固体撮像素子を搭載部の所定位置に正確に位置決めして搭載できるとともに絶縁基体および枠体から成るパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することがない固体撮像素子収納用パッケージを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体撮像素子収納用パッケージは、複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体と、該絶縁基体の上面に形成された凹部の底面に設けられた固体撮像素子の搭載部と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲から前記絶縁基体の下面の外周部にかけて導出されるとともに前記固体撮像素子に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体と、前記絶縁基体の上面の外周部に前記凹部を取り囲むようにして設けられ、外面が前記絶縁基体の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体とを具備している固体撮像素子収納用パッケージであって、前記絶縁基体の側面および前記枠体の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、前記枠体の上面の外周部から前記搭載部が形成された前記絶縁層の上面の外周部にかけて切欠きが形成されているとともに該切欠きの底面の略全面に金属層が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の固体撮像素子収納用パッケージは、絶縁基体の側面および枠体の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体の上面の外周部から搭載部が形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠きが形成されているとともに切欠きの底面の略全面に金属層が形成されていることから、パッケージ側面と金属層との境界線が照明光の下で明るく輝き、その境界線を光学顕微鏡で容易に識別できる。また、隣接する2つのパッケージ側面は互いに直交しているため、2つの切欠きの境界線を測定することにより、固体撮像素子を搭載するための中心座標を正確に算出できる。さらに、金属層と搭載部が同じ絶縁層上に形成されていることから、絶縁層の積層ずれによる金属層と搭載部との位置ずれが発生することもなく、算出された中心座標を用いて固体撮像素子を搭載部の所定位置に正確に位置決めし搭載することができる。さらに、枠体と絶縁基体から成るパッケージ側面は、突出する部位もなく平坦であり、そのため枠体や絶縁基体に外力が加わったり、パッケージ同士がパッケージ側面で衝突したとしてもそれらのパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の固体撮像素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。
【0017】
図1,図2は本発明の固体撮像素子収納用パッケージについて実施の形態の一例を示し、図1はパッケージの断面図、図2はパッケージの平面図である。これらの図において、1は絶縁基体、2は枠体、3はメタライズ配線導体、4は外部リード端子、5は蓋体、8は切欠き、8aは金属層であり、これらで固体撮像素子6を収納搭載するためのパッケージが基本的に構成されている。
【0018】
本発明のパッケージは、複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体1と、絶縁基体1の上面に形成された凹部の底面に設けられた固体撮像素子6の搭載部1aと、絶縁基体1の上面の凹部の周囲から絶縁基体1の下面の外周部にかけて導出されるとともに固体撮像素子6に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体3と、絶縁基体1の上面の外周部に凹部を取り囲むようにして設けられ、外面が絶縁基体1の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体2とを具備し、絶縁基体1の側面および枠体2の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体2の上面の外周部から搭載部1aが形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠き8が形成されているとともに切欠き8の底面の略全面に金属層8aが形成されている。
【0019】
本発明の絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)等の電気絶縁材料から成る略直方体状で、その上面中央部に固体撮像素子6が搭載される搭載部1aを有している。そして、搭載部1aには固体撮像素子6がエポキシ樹脂等の樹脂接着剤を介して接着固定される。この絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスから成る。酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、以下のようにして作製される。まず、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤,分散剤等を添加混合して泥漿物を作り、この泥漿物を従来周知のドクタブレード法等のシート成形法によりシート状のセラミックグリーンシートと成し、しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに複数枚を積層して絶縁基体1に対応した形状の生セラミック成形体を得、これを約1600℃の高温で焼成することによって作製される。
【0020】
また、絶縁基体1の上面から下面にかけて固体撮像素子6の上面の電極が電気的に接続されるメタライズ配線導体3が設けられ、絶縁基体1の上面の外周部には、凹部および搭載部1aを取り囲むように、蓋体5を上面に接合するための枠体2が設けられている。そして、メタライズ配線導体3は、搭載部1aに搭載される固体撮像素子6の各電極を外部電気回路に電気的に接続するための導電路として機能し、メタライズ配線導体3の絶縁基体1の下面の外周部に導出された部位には外部リード端子4が銀ろう等のろう材を介して接合されており、メタライズ配線導体3の搭載部1aの周辺の部位には固体撮像素子6の各電極がボンディングワイヤ7を介して電気的に接続される。
【0021】
なお、メタライズ配線導体3は、タングステンやモリブデン等の高融点金属粉末のメタライズ導体から成り、その露出表面には1〜10μm程度の厚みのニッケルメッキ層および0.1〜3μm程度の厚みの金メッキ層が順次被着されている。これらのメッキ層によりメタライズ配線導体3の露出表面の酸化腐蝕が防止されるとともに、メタライズ配線導体3とボンディングワイヤ7との接続を強固かつ容易なものとすることができる。
【0022】
このメタライズ配線導体3は、例えばタングステンから成る場合、タングステン粉末に適当な有機バインダ,溶剤等を添加混合して得たメタライズペーストを、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布し、このセラミックグリーンシートを焼成することによって絶縁基体1の上下面および内部に被着形成される。
【0023】
また、メタライズ配線導体3にろう付けされる外部リード端子4は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属から成り、絶縁基体1の下面の外周部に導出されたメタライズ配線導体3にろう付けされることによって、絶縁基体1の下面に取着されている。
【0024】
なお、メタライズ配線導体3の絶縁基体1の下面の外周部に導出された部位には、外部リード端子4以外に導体バンプ、半田バンプ、半田ボール等を接合してもよい。
【0025】
そして、絶縁基体1の上面の外周部には凹部および搭載部1aを取り囲むように枠体2が設けられ、枠体2の上面は蓋体5が接合されてパッケージを封止する封止面2aとなっている。この封止面2aには、ガラスやサファイア等の透光性材料から成る略四角平板状の蓋体5が、エポキシ樹脂等の樹脂から成る封止材を介して接合され、これにより絶縁基体1、枠体2および蓋体5から成る容器内部に固体撮像素子6が気密に封止される。
【0026】
枠体2は、その内側において、固体撮像素子6の搭載部1aや固体撮像素子6の電極に接続されるメタライズ配線導体3の部位が露出するとともに蓋体5で気密封止される内部空間を形成するために、絶縁基体1と同じセラミックグリーンシートの中央部に打ち抜き加工を施すことによって、セラミックグリーンシートの中央部に貫通した開口が形成される。このセラミックグリーンシートを絶縁基体1となるセラミックグリーンシート上に積層し、一緒に焼成することによって、枠体2および絶縁基体1が形成される。
【0027】
そして、本発明においては、絶縁基体1の側面および枠体2の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体2の上面の外周部から搭載部1aが形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠き8が形成されているとともに切欠き8の底面の略全面に金属層8aが形成されている。これにより、パッケージ側面と金属層8aとの境界線が照明光の下で明るく輝き、その境界線を光学顕微鏡で容易に識別できる。また、また、隣接する2つのパッケージ側面は互いに直交しているため、2つの切欠き8の境界線を測定することにより、固体撮像素子6を搭載するための中心座標を正確に算出できる。さらに、金属層8aと搭載部1aが同じ絶縁層上に形成されていることから、絶縁層の積層ずれによる金属層8aと搭載部1aとの位置ずれが発生することもなく、算出された中心座標を用いて固体撮像素子6を搭載部1aの所定位置に正確に位置決めし搭載することができる。さらに、枠体2と絶縁基体1から成るパッケージ側面は、突出する部位もなく平坦であり、そのため枠体2や絶縁基体1に外力が加わったり、パッケージ同士がパッケージ側面で衝突したとしてもそれらのパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することはない。
【0028】
切欠き8は、絶縁基体1や枠体2となる同じセラミックグリーンシートに、絶縁基体1および枠体2のそれぞれの開口の打ち抜きと同時に打ち抜かれて形成される。その後、セラミックグリーンシートを積層して焼成することによって、枠体2と絶縁基体1から成るパッケージ側面に切欠き8が形成されることとなる。
【0029】
この切欠き8は、図2に示すように、そのパッケージ側面に沿った方向の長さWが0.2〜5.0mmであることが好ましい。Wが0.2mm未満の場合、境界線の輝度が小さくなってしまい光学顕微鏡で識別するのが困難となる。5.0mmを超えると、パッケージが大型化することとなる。
【0030】
金属層8aは、タングステンやモリブデン等の高融点金属粉末のメタライズ導体の露出表面に1〜10μm程度の厚みのニッケルメッキ層と0.1〜3μm程度の厚みの金メッキ層が順次被着されて成る。これらのメッキ層により、メタライズ導体の露出表面が酸化腐蝕されるのを防止できるとともに、金属層8aに切欠き8の底面におけるパッケージ側面との境界線を明確に識別できる輝度をもたせることができる。
【0031】
なお、メタライズ導体は、例えばタングステン粉末から成る場合、タングステン粉末に適当な有機バインダ,溶剤等を添加混合して得たメタライズペーストを固体撮像素子6が搭載される絶縁層用のセラミックグリーンシートに従来周知のスクリーン印刷法で所定パターンに印刷塗布される。そして、このグリーンシートを他の絶縁層となるセラミックグリーンシートに積層させた後、切欠き8の上記境界線となるメタライズ導体を基準に、枠体2および絶縁基体1となるように所定寸法に切断することで枠体2および絶縁基体1のパッケージ側面が形成される。そして、切欠き8の底面に形成された金属層8aの上記境界線と搭載部1aとの位置関係が精度の高いものとなる。
【0032】
また、金属層8aは、切欠き8の底面のパッケージ側面側の端部に、切欠き8の底面の露出部が略一定幅で形成されるように設けられることが好ましい。この場合、上記露出部が照明光に対してより明確な金属層8aとの境界線となり、搭載部1aの中心を容易に算出できる。即ち、上記露出部がないと、金属層8aに対してパッケージ側面は直交しているため、上方からみた場合パッケージ側面が認識しづらいものとなり、金属層8aと背景との境界線を認識することとなり易い。すると、背景の色や明るさによっては金属層8aと背景との境界線が不明確になることもあり得るからである。
【0033】
さらに、隣接する2つのパッケージ側面にそれぞれ形成された2つの切欠き8は、隣接する2つのパッケージ側面の角から略同じ距離に位置していることが好ましい。この場合、金属層8aのパッケージ側面側の縁を延長させて交差した交差点が隣接する2つのパッケージ側面の角となるが、その角を光学顕微鏡やコンピュータ装置の画面上で特定することが容易になる。
【0034】
かくして、本発明の固体撮像素子収納用パッケージは、絶縁基体1の上面の搭載部1aの所定位置に固体撮像素子6を樹脂接着剤等で載置固定するとともに、固体撮像素子6の上面の各電極をメタライズ配線導体3にボンディングワイヤ7を介して電気的に接続し、次に絶縁基体1の上面の外周部に設置された枠体2の上面に透光性材料から成る蓋体5を封止材を介して接合させることにより、絶縁基体1と枠体2と蓋体5とから成る容器内部に固体撮像素子6を気密に封止して固体撮像装置となる。そして、例えば、固体撮像装置の絶縁基体1の下面をカメラ内の光学系に対する基準面に当接させてカメラ内に実装することにより、固体撮像素子6の撮像部に被写体の映像を正確に結像させ、それにより正確かつ鮮明な被写体の電子的画像を得ることが可能となる。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0036】
【発明の効果】
本発明の固体撮像素子収納用パッケージは、複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体と、絶縁基体の上面に形成された凹部の底面に設けられた固体撮像素子の搭載部と、絶縁基体の上面の凹部の周囲から絶縁基体の下面の外周部にかけて導出されるとともに固体撮像素子に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体と、絶縁基体の上面の外周部に凹部を取り囲むようにして設けられ、外面が絶縁基体の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体とを具備し、絶縁基体の側面および枠体の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、枠体の上面の外周部から搭載部が形成された絶縁層の上面の外周部にかけて切欠きが形成されているとともに切欠きの底面の略全面に金属層が形成されていることにより、パッケージ側面と金属層との境界線が照明光の下で明るく輝き、その境界線を光学顕微鏡で容易に識別できる。また、隣接する2つのパッケージ側面は互いに直交しているため、2つの切欠きの境界線を測定することにより、固体撮像素子を搭載するための中心座標を正確に算出できる。さらに、金属層と搭載部が同じ絶縁層上に形成されていることから、絶縁層の積層ずれによる金属層と搭載部との位置ずれが発生することもなく、算出された中心座標を用いて固体撮像素子を搭載部の所定位置に正確に位置決めし搭載することができる。さらに、枠体と絶縁基体から成るパッケージ側面は、突出する部位もなく平坦であり、そのため枠体や絶縁基体に外力が加わったり、パッケージ同士がパッケージ側面で衝突したとしてもそれらのパッケージ側面に欠けや割れ等が発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体撮像素子収納用パッケージについて実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の固体撮像素子収納用パッケージの平面図である。
【図3】従来の固体撮像素子収納用パッケージの一例を示す断面図である。
【図4】図3の固体撮像素子収納用パッケージの平面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基体
1a:搭載部
2:枠体
3:メタライズ配線導体
4:外部リード端子
5:蓋体
6:固体撮像素子
7:ボンディングワイヤ
8:切欠き
8a:金属層
Claims (1)
- 複数の絶縁層が積層されて成る略直方体状の絶縁基体と、該絶縁基体の上面に形成された凹部の底面に設けられた固体撮像素子の搭載部と、前記絶縁基体の上面の前記凹部の周囲から前記絶縁基体の下面の外周部にかけて導出されるとともに前記固体撮像素子に電気的に接続された複数のメタライズ配線導体と、前記絶縁基体の上面の外周部に前記凹部を取り囲むようにして設けられ、外面が前記絶縁基体の側面に略全周にわたって略面一とされた枠体とを具備している固体撮像素子収納用パッケージであって、前記絶縁基体の側面および前記枠体の外面から成る4つのパッケージ側面のうち隣接する2つのパッケージ側面に、前記枠体の上面の外周部から前記搭載部が形成された前記絶縁層の上面の外周部にかけて切欠きが形成されているとともに該切欠きの底面の略全面に金属層が形成されていることを特徴とする固体撮像素子収納用パッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002270439A JP2004111556A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 固体撮像素子収納用パッケージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270439A JP2004111556A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 固体撮像素子収納用パッケージ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004111556A true JP2004111556A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32268071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002270439A Withdrawn JP2004111556A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 固体撮像素子収納用パッケージ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004111556A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015142030A (ja) * | 2014-01-29 | 2015-08-03 | 京セラ株式会社 | 電子素子搭載用基板及び電子装置 |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002270439A patent/JP2004111556A/ja not_active Withdrawn
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JP2015142030A (ja) * | 2014-01-29 | 2015-08-03 | 京セラ株式会社 | 電子素子搭載用基板及び電子装置 |
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