JP2004111459A - チップ状電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板11と、この基板11の端面に設けられた端面電極層15とを備え、前記端面電極層15を導電性粒子と樹脂の混合材料により構成するとともに、前記導電性粒子としてカーボンを、前記樹脂としてエポキシ樹脂を用いたものである。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に利用されるチップ状電子部品に関するもので、特に微細なチップ状電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の軽薄短小化に対する要求がますます増大していく中、回路基板の配線密度を高めるため、電子部品には非常に小型のチップ状電子部品が多く用いられるようになってきた。特に近年では長さ1.0mm×幅0.5mm×厚み0.25mmという非常に小型のチップ状電子部品が主流となりつつある。
【0003】
次に、従来のチップ状電子部品について、角形チップ抵抗器を一例として説明する。
【0004】
図3は従来のチップ抵抗器の構造を示す斜視図、図4は同チップ抵抗器の断面図である。
【0005】
図3、図4において、1は96アルミナ基板からなる基板、2は基板1の上面の両端部に形成された一対の上面電極層で、この一対の上面電極層2は銀系サーメット厚膜電極により構成されている。3は前記一対の上面電極層2に電気的に接続されるように形成された抵抗体層で、この抵抗体層3はルテニウム系厚膜抵抗により構成されている。4は抵抗体層3を完全に覆うように形成された保護層で、この保護層4はエポキシ系樹脂により構成されている。5は前記基板1の両端面に一対の上面電極層2と電気的に接続するように設けられた一対の端面電極層で、この一対の端面電極層5は導電性粒子と樹脂の混合材料により構成されている。6,7は端面電極層5と上面電極層2の露出部を覆うように設けられたニッケルめっき層およびはんだめっき層で、このニッケルめっき層6およびはんだめっき層7ははんだ付け性を確保するために設けられるもので、これらにより外部電極を形成している。
【0006】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−283004号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したチップ抵抗器に代表されるチップ状電子部品をガラスエポキシ基板などに実装を行った場合、はんだを溶融させるためにチップ状電子部品は250℃程度の温度雰囲気下に数秒間さらされる。この場合、上記したチップ抵抗器に代表されるチップ状電子部品では、導電性粒子と樹脂の混合材料により構成された端面電極層5の上に形成されているニッケルめっき層6やはんだめっき層7に穴が空いたり、はんだが飛び散るなどの不具合が生じた。特に、近年の高密度実装化に伴ってチップ状電子部品間の実装間隔が狭まるにつれ、上記問題により導通不良などが多く発生するようになった。
【0009】
そこで、本発明者らは上記の課題を解決するために種々検討を重ねた。その結果、ニッケルめっき層6やはんだめっき層7に穴が空いたり、はんだが飛び散るのは、端面電極層5から発生するガスが影響していることを見出した。この場合の発生ガスとしては残存水分や加熱分解ガスなどが原因として考えられるが、その特定は困難であり、複数の因子が混在していると考えられる。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、はんだ溶融時の加熱において、ニッケルめっき層やはんだめっき層に穴が空いたり、はんだが飛び散るなどの不具合が生じることはなく、量産性に優れているチップ状電子部品を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、基板と、この基板の端面に設けられた端面電極層とを備え、前記端面電極層を導電性粒子と樹脂の混合材料により構成するとともに、前記導電性粒子としてカーボンを、前記樹脂としてエポキシ樹脂を用いたもので、この構成によれば、前記樹脂としてエポキシ樹脂を用いているため、200℃まで加熱した際に0.1%以上の重量減少を生じることはなく、その結果、このチップ状電子部品を実装基板に実装する際のはんだ溶融工程においても、ニッケルめっき層やはんだめっき層に穴が空いたり、はんだが飛び散るなどの不具合が生じることはなくなり、またこの不具合が減少することにより、部品交換などの工程が不必要となるため、量産性を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、基板と、この基板の端面に設けられた端面電極層とを備え、前記端面電極層を導電性粒子と樹脂の混合材料により構成するとともに、前記導電性粒子としてカーボンと銀の混合粉末を、前記樹脂としてエポキシ樹脂を用いたもので、この構成によれば、前記樹脂としてエポキシ樹脂を用いているため、200℃まで加熱した際に0.1%以上の重量減少を生じることはなく、その結果、このチップ状電子部品を実装基板に実装する際のはんだ溶融工程においても、ニッケルめっき層やはんだめっき層に穴が空いたり、はんだが飛び散るなどの不具合が生じることはなくなり、またこの不具合が減少することにより、部品交換などの工程が不必要となるため、量産性を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明における樹脂として、分子量1000〜30000のエポキシ樹脂を用いたもので、この構成によれば、チップ状電子部品を形成した際に、チップ状電子部品の基板エッジ部の被覆性が高くなるため、基板エッジ部での端面電極切れ等の不具合が発生しにくくなり、その結果、この不具合が減少することにより、部品交換などの工程が不必要となるため、量産性を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0015】
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における樹脂として、分子量1000〜30000のエポキシ樹脂を用いたもので、この構成によれば、チップ状電子部品を形成した際に、チップ状電子部品の基板エッジ部の被覆性が高くなるため、基板エッジ部での端面電極切れ等の不具合が発生しにくくなり、その結果、この不具合が減少することにより、部品交換などの工程が不必要となるため、量産性を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0016】
本発明の請求項5に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明における樹脂として、沸点が200℃以上の溶剤により溶解するエポキシ樹脂を用いたもので、この構成によれば、導電性粒子と樹脂の混合材料中の溶剤の揮発が少なくなり、混合材料の粘性が安定するため、安定した形状で塗布することが可能となり、これにより、チップ状電子部品の寸法精度を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0017】
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における樹脂として、沸点が200℃以上の溶剤により溶解するエポキシ樹脂を用いたもので、この構成によれば、導電性粒子と樹脂の混合材料中の溶剤の揮発が少なくなり、混合材料の粘性が安定するため、安定した形状で塗布することが可能となり、これにより、チップ状電子部品の寸法精度を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0018】
本発明の請求項7に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明における端面電極層の面積抵抗値(膜厚10μm換算値)を1500Ω以下としたもので、この構成によれば、端面電極層を形成した後に電気めっき工法により形成するニッケルめっき層を安定した均一な膜として形成できるという作用効果が得られるものである。
【0019】
本発明の請求項8に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における端面電極層の面積抵抗値(膜厚10μm換算値)を1500Ω以下としたもので、この構成によれば、端面電極層を形成した後に電気めっき工法により形成するニッケルめっき層を安定した均一な膜として形成できるという作用効果が得られるものである。
【0020】
本発明の請求項9に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明における樹脂として、溶剤含有率が60%以上であるエポキシ樹脂を用いたもので、この構成によれば、カーボンとエポキシ樹脂の混合材料を基板の端面に塗布して硬化させた場合、混合材料の体積が小さくなって、塗布時の形状バラツキを軽減できるため、チップ状電子部品の寸法精度を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0021】
本発明の請求項10に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における樹脂として、溶剤含有率が60%以上であるエポキシ樹脂を用いたもので、この構成によれば、カーボンと銀とエポキシ樹脂の混合材料を基板の端面に塗布して硬化させた場合、混合材料の体積が小さくなって、塗布時の形状バラツキを軽減できるため、チップ状電子部品の寸法精度を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0022】
本発明の請求項11に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における銀として、フレーク状の銀を用いたもので、この構成によれば、銀の混合比率を少なくしても、端面電極層の面積抵抗値を低く抑えることができるため、端面電極層を形成した後に電気めっき工法により形成するニッケルめっき層を安定した均一な膜として形成できるという作用効果が得られるとともに、混合材料のコストも低く抑えることができるという作用効果が得られるものである。
【0023】
本発明の請求項12に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明におけるカーボンとして、1g当たりの表面積が1000平方メートル以上のカーボンを用いたもので、この構成によれば、端面電極層を構成する導電性粒子と樹脂の混合材料に添加する溶剤量を多くしても、溶剤がカーボンの表面に濡れていることになり、これにより、混合材料の塗布・硬化時に発生する混合材料中の樹脂成分の基板上へのしみだし現象を抑制できるという作用効果が得られるものである。
【0024】
本発明の請求項13に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明におけるカーボンとして、1g当たりの表面積が1000平方メートル以上のカーボンを用いたもので、この構成によれば、端面電極層を構成する導電性粒子と樹脂の混合材料に添加する溶剤量を多くしても、溶剤がカーボンの表面に濡れていることになり、これにより、混合材料の塗布・硬化時に発生する混合材料中の樹脂成分の基板上へのしみだし現象を抑制できるという作用効果が得られるものである。
【0025】
本発明の請求項14に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明におけるカーボンとエポキシ樹脂の配合比率(体積比)を1:9〜3:7としたもので、この構成によれば、端面電極層の面積抵抗値(膜厚10μm換算値)を1500Ω以下とすることができ、これにより、端面電極層を形成した後に電気めっき工法により形成するニッケルめっき層を安定した均一な膜として形成できるという作用効果が得られるとともに、端面電極層の電極強度も高くできるという相反する作用効果が得られるものである。
【0026】
本発明の請求項15に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における導電性粒子とエポキシ樹脂の配合比率(体積比)を15:85〜25:75とし、かつカーボンと銀の配合比率(体積比)を5:15〜15:5としたもので、この構成によれば、端面電極層の面積抵抗値(膜厚50μm換算値)を1500Ω以下とすることができ、これにより、端面電極層を形成した後に電気めっき工法により形成するニッケルめっき層を安定した均一な膜として形成できるという作用効果が得られるとともに、端面電極層の電極強度も高くできるという相反する作用効果が得られるものである。
【0027】
本発明の請求項16に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明における混合材料として、導電性粒子と樹脂にカップリング剤を加えた混合材料を用いたもので、この構成によれば、基板と端面電極層の密着力を向上させることができるため、端面電極層の電極強度を高くできるという作用効果が得られるものである。
【0028】
本発明の請求項17に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における混合材料として、導電性粒子と樹脂にカップリング剤を加えた混合材料を用いたもので、この構成によれば、基板と端面電極層の密着力を向上させることができるため、端面電極層の電極強度を高くできるという作用効果が得られるものである。
【0029】
本発明の請求項18に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明における端面電極層を、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が1000Pa・s以上となる混合材料を塗布し、かつ硬化させて形成したもので、この構成によれば、混合材料の塗布直後で、かつ硬化前における混合材料の基板上への流れを抑えることができるため、端面電極層の寸法精度を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0030】
本発明の請求項19に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における端面電極層を、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が1000Pa・s以上となる混合材料を塗布し、かつ硬化させて形成したもので、この構成によれば、混合材料の塗布直後で、かつ硬化前における混合材料の基板上への流れを抑えることができるため、端面電極層の寸法精度を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0031】
本発明の請求項20に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発明における混合材料中の溶剤の体積含有率を70%以上としたもので、この構成によれば、カーボンとエポキシ樹脂の混合材料を基板の端面に塗布して硬化させた場合、混合材料の体積が小さくなって、塗布時の形状ばらつきを軽減できるため、チップ状電子部品の寸法精度を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0032】
本発明の請求項21に記載の発明は、特に、請求項2に記載の発明における混合材料中の溶剤の体積含有率を70%以上としたもので、この構成によれば、カーボンと銀とエポキシ樹脂の混合材料を基板の端面に塗布して硬化させた場合、混合材料の体積が小さくなって、塗布時の形状ばらつきを軽減できるため、チップ状電子部品の寸法精度を向上させることができるという作用効果が得られるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の斜視図、図2は同チップ抵抗器の断面図である。
【0035】
図1、図2において、11は96アルミナ基板からなる基板、12は基板11の上面の両端部に形成された一対の上面電極層で、この一対の上面電極層12は銀系サーメット厚膜電極により構成されている。13は前記一対の上面電極層12に電気的に接続されるように形成された抵抗体層で、この抵抗体層13はルテニウム系厚膜抵抗により構成されている。14は抵抗体層13を完全に覆うように形成された保護層で、この保護層14はエポキシ系樹脂により構成されている。15は前記基板11の両端面に一対の上面電極層12と電気的に接続されるように設けられた一対の端面電極層で、この一対の端面電極層15は導電性粒子と樹脂の混合材料により構成されている。16,17は端面電極層15と上面電極層12の露出部を覆うように設けられたニッケルめっき層およびはんだめっき層で、このニッケルめっき層16およびはんだめっき層17ははんだ付け性を確保するために設けられるもので、これらにより外部電極を形成している。
【0036】
次に、上記構成におけるチップ抵抗器の製造方法について説明する。
【0037】
まず、耐熱性および絶縁性に優れた96アルミナ基板からなるシート状の基板を受け入れる。このシート状の基板には、短冊状および個片状に分割するために、予め分割のための溝(グリーンシート時に金型成形)が形成されている。
【0038】
次に、シート状の基板の上面にサーメット厚膜銀ペーストをスクリーン印刷して乾燥させ、そしてベルト式連続焼成炉により850℃の温度で、ピーク時間6分、IN−OUT時間45分のプロファイルによって焼成することにより、上面電極層12を形成する。
【0039】
次に、上面電極層12に電気的に接続されるようにシート状の基板の上面に、酸化ルテニウムを主成分とする厚膜抵抗ペーストをスクリーン印刷して乾燥させ、そしてベルト式連続焼成炉により850℃の温度で、ピーク時間6分、IN−OUT時間45分のプロファイルによって焼成することにより、抵抗体層13を形成する。
【0040】
次に、上面電極層12間の抵抗体層13の抵抗値を揃えるために、レーザー光によって、抵抗体層13の一部を切除して抵抗値修正(Lカット、30mm/秒、12KHz、5W)を行う。
【0041】
次に、少なくとも抵抗体層13を完全に覆うように、エポキシ系樹脂ペーストをスクリーン印刷し、ベルト式連続硬化炉により200℃の温度で、ピーク時間30分、IN−OUT時間50分の硬化プロファイルによって硬化させることにより、保護層14を形成する。
【0042】
次に、端面電極層15を形成するための準備工程として、シート状の基板を短冊状に分割し、端面電極層15を形成する端面部を露出させる。
【0043】
次に、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定する。
【0044】
次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量800のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率55%)を9:91の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率65%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0045】
最後に、電解めっきの準備工程として、短冊状基板を個片状に分割し、そしてこの個片状基板上の露出した上面電極層12と端面電極層15の上にニッケルめっき層16とはんだめっき層17をバレル方式の電解めっきにより形成することにより、チップ抵抗器を製造するものである。
【0046】
上記した本発明の実施の形態1におけるチップ抵抗器の端面電極層15は200℃加熱時の重量減少率が0.08%となり、かつはんだ爆ぜ発生率も0%となる。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0047】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における角形チップ抵抗器について説明する。
【0048】
本発明の実施の形態2における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0049】
以下、本発明の実施の形態2における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0050】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0051】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量1000のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率60%)を9:91の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率70%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0052】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0053】
上記した本発明の実施の形態2においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂の分子量を1000(1000〜30000の範囲であれば良い)としているため、エポキシ樹脂中の溶剤含有率を60%(60%以上であれば良い)にすることができ、これにより、本発明の実施の形態1と比較して、基板エッジ部の被覆性が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0054】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における角形チップ抵抗器について説明する。
【0055】
本発明の実施の形態3における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0056】
以下、本発明の実施の形態3における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0057】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0058】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率66%)を9:91の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0059】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0060】
上記した本発明の実施の形態3においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂の分子量を12500(1000〜30000の範囲であれば良い)としているため、エポキシ樹脂中の溶剤含有率を66%(60%以上であれば良い)にすることができ、これにより、本発明の実施の形態1と比較して、基板エッジ部の被覆性が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0061】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における角形チップ抵抗器について説明する。
【0062】
本発明の実施の形態4における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0063】
以下、本発明の実施の形態4における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0064】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0065】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量30000のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率75%)を9:91の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率84%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0066】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0067】
上記した本発明の実施の形態4においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂の分子量を30000(1000〜30000の範囲であれば良い)としているため、エポキシ樹脂中の溶剤含有率を75%(60%以上であれば良い)にすることができ、これにより、本発明の実施の形態1と比較して、基板エッジ部の被覆性が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0068】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5における角形チップ抵抗器について説明する。
【0069】
本発明の実施の形態5における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0070】
以下、本発明の実施の形態5における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0071】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0072】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量32000のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率80%)を9:91の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率89%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0073】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0074】
上記した本発明の実施の形態5においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂の分子量を32000(1000〜30000の範囲であれば良い)としているため、エポキシ樹脂中の溶剤含有率を80%(60%以上であれば良い)にすることができるが、エポキシ樹脂の分子量が32000という具合に大きすぎるため、基板エッジ部の膜厚が全体に薄くなるのもので、これは、本発明の実施の形態1と同様、基板エッジ部の被覆性はあまり芳しくないものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0075】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6における角形チップ抵抗器について説明する。
【0076】
本発明の実施の形態6における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0077】
以下、本発明の実施の形態6における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0078】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0079】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約202℃のエチルカルビトールの含有率66%)を9:91の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0080】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0081】
上記した本発明の実施の形態6においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂内の溶剤を沸点が約202℃のエチルカルビトール(沸点は200℃以上の溶剤であれば良い)としているため、端面電極中の溶剤の揮発が少なくなり、これにより、端面電極ペーストの作業中の粘性変化を小さくすることができるため、本発明の実施の形態1〜5と比較して、安定した形状で塗布が可能になるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0082】
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7における角形チップ抵抗器について説明する。
【0083】
本発明の実施の形態7における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0084】
以下、本発明の実施の形態7における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0085】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0086】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を9:91の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0087】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0088】
上記した本発明の実施の形態7においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂内の溶剤を沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテート(沸点は200℃以上の溶剤であれば良い)としているため、端面電極中の溶剤の揮発が少なくなり、これにより、端面電極ペーストの作業中の粘度変化を小さくすることができるため、本発明の実施の形態1〜5と比較して、安定した形状で塗布が可能になるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0089】
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8における角形チップ抵抗器について説明する。
【0090】
本発明の実施の形態8における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0091】
以下、本発明の実施の形態8における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0092】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0093】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を10:90の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0094】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0095】
上記した本発明の実施の形態8においては、カーボンとエポキシ樹脂の配合比率を10:90としているため、端面電極層15の面積抵抗値が約1500Ω/□となり、本発明の実施の形態1〜7と比較して、端面電極層形成後の電気めっき工法により形成するニッケルめっき層を安定した均一な膜とすることができるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0096】
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9における角形チップ抵抗器について説明する。
【0097】
本発明の実施の形態9における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0098】
以下、本発明の実施の形態9における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0099】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0100】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を15:85の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0101】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0102】
上記した本発明の実施の形態9においては、カーボンとエポキシ樹脂の配合比率を15:85としているため、端面電極層15の面積抵抗値が約1000Ω/□となり、本発明の実施の形態1〜7と比較して、端面電極層形成後の電気めっき工法により形成するニッケルめっき層を安定した均一な膜とすることができるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0103】
(実施の形態10)
次に、本発明の実施の形態10における角形チップ抵抗器について説明する。
【0104】
本発明の実施の形態10における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0105】
以下、本発明の実施の形態10における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0106】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0107】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が1000平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を15:85の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が1000Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率77%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0108】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0109】
上記した本発明の実施の形態10においては、カーボン1g当たりの表面積を1000平方メートル(1000平方メートル以上であれば良い)としているため、0.006(l/s)のズリ速度での粘度が1000Pa・s(1000Pa・s以上であれば良い)となり、これにより、本発明の実施の形態1〜9と比較して、基板上への流れを小さく抑えることができるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0110】
(実施の形態11)
次に、本発明の実施の形態11における角形チップ抵抗器について説明する。
【0111】
本発明の実施の形態11における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0112】
以下、本発明の実施の形態11における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0113】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0114】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が2000平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を15:85の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が2000Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率80%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0115】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0116】
上記した本発明の実施の形態11においては、カーボン1g当たりの表面積を2000平方メートル(1000平方メートル以上であれば良い)としているため、0.006(l/s)のズリ速度での粘度が2000Pa・s(1000Pa・s以上であれば良い)となり、これにより、本発明の実施の形態1〜9と比較して、基板上への流れを小さく抑えることができるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0117】
(実施の形態12)
次に、本発明の実施の形態12における角形チップ抵抗器について説明する。
【0118】
本発明の実施の形態12における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0119】
以下、本発明の実施の形態12における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0120】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0121】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が2000平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を15:85の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が2000Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加し、さらにシラン系のカップリング剤を約1%添加した混合材料(溶剤の体積含有率80%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0122】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0123】
上記した本発明の実施の形態12においては、本発明の実施の形態10,11と比較して、さらに、シランカップリング剤を1%添加しているため、基板と混合材料との密着力が向上し、これにより、電極強度を250Nに向上させることができるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0124】
(実施の形態13)
次に、本発明の実施の形態13における角形チップ抵抗器について説明する。
【0125】
本発明の実施の形態13における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0126】
以下、本発明の実施の形態13における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0127】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0128】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が2000平方メートルのカーボン粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を21:79の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が2000Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率80%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0129】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0130】
上記した本発明の実施の形態13においては、カーボン粉末とエポキシ樹脂を21:79で混合しているため、本発明の実施の形態10,11と比較して、面積抵抗値は300Ω/□と小さくなっているが、エポキシ樹脂量が減っているため、電極強度は180Nとなるものである。その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0131】
(実施の形態14)
次に、本発明の実施の形態14における角形チップ抵抗器について説明する。
【0132】
本発明の実施の形態14における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0133】
以下、本発明の実施の形態14における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0134】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0135】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末と球状の銀粉末と分子量1000のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率55%)を5:15:80の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率60%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0136】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0137】
上記した本発明の実施の形態14においては、カーボン粉末と球状の銀粉末とエポキシ樹脂を5:15:80の比率で混合しているため、本発明の他の実施の形態よりも材料コストが高くなる。しかし、球状粉末を採用しているため、端面電極を塗布形成した直後のペースト膜は均一な灰色の塗膜を呈することになり、これにより、端面電極の形成不具合が検出し易いという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0138】
(実施の形態15)
次に、本発明の実施の形態15における角形チップ抵抗器について説明する。
【0139】
本発明の実施の形態15における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0140】
以下、本発明の実施の形態15における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0141】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0142】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量1000のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率55%)を11:3:86の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率65%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0143】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0144】
上記した本発明の実施の形態15においては、カーボン粉末とフレーク状の銀粉末とエポキシ樹脂を11:3:86の比率で混合しているため、本発明の実施の形態14と比較して、材料コストを低減できるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0145】
(実施の形態16)
次に、本発明の実施の形態16における角形チップ抵抗器について説明する。
【0146】
本発明の実施の形態16における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0147】
以下、本発明の実施の形態16における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0148】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0149】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量1000のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率60%)を11:3:86の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率70%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0150】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0151】
上記した本発明の実施の形態16においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂の分子量を1000(1000〜30000の範囲であれば良い)としているため、溶剤含有率を60%(60%以上であれば良い)にすることができ、これにより、本発明の実施の形態15と比較して、基板エッジ部の被覆性が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0152】
(実施の形態17)
次に、本発明の実施の形態17における角形チップ抵抗器について説明する。
【0153】
本発明の実施の形態17における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0154】
以下、本発明の実施の形態17における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0155】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0156】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率66%)を11:3:86の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0157】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0158】
上記した本発明の実施の形態17においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂の分子量を12500(1000〜30000の範囲であれば良い)としているため、エポキシ樹脂中の溶剤含有率を66%(60%以上であれば良い)にすることができ、これにより、本発明の実施の形態15と比較して、基板エッジ部の被覆性が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0159】
(実施の形態18)
次に、本発明の実施の形態18における角形チップ抵抗器について説明する。
【0160】
本発明の実施の形態18における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0161】
以下、本発明の実施の形態18における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0162】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0163】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量30000のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率66%)を11:3:86の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率84%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0164】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0165】
上記した本発明の実施の形態18においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂の分子量を30000(1000〜30000の範囲であれば良い)としているため、エポキシ樹脂中の溶剤含有率を75%(60%以上であれば良い)にすることができ、これにより、本発明の実施の形態15と比較して、基板エッジ部の被覆性が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0166】
(実施の形態19)
次に、本発明の実施の形態19における角形チップ抵抗器について説明する。
【0167】
本発明の実施の形態19における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0168】
以下、本発明の実施の形態19における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0169】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0170】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量32000のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約194℃のメチルカルビトールの含有率66%)を11:3:86の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率89%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0171】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0172】
上記した本発明の実施の形態19においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂の分子量を32000(1000〜30000の範囲であれば良い)としているため、エポキシ樹脂中の溶剤含有率を80%(60%以上であれば良い)にすることができるが、エポキシ樹脂の分子量が32000という具合に大きすぎるため、基板エッジ部の膜厚が全体に薄くなるもので、これは、本発明の実施の形態15と同様、基板エッジ部の被覆性はあまり芳しくないものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0173】
(実施の形態20)
次に、本発明の実施の形態20における角形チップ抵抗器について説明する。
【0174】
本発明の実施の形態20における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0175】
以下、本発明の実施の形態20における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0176】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0177】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約202℃のエチルカルビトールの含有率66%)を11:3:86の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0178】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0179】
上記した本発明の実施の形態20においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂内の溶剤を沸点が約202℃のエチルカルビトール(沸点は200℃以上の溶剤であれば良い)としているため、端面電極中の溶剤の揮発が少なくなり、これにより、端面電極ペーストの作業中の粘性変化を小さくすることができるため、本発明の実施の形態16〜19と比較して、安定した形状で塗布が可能になるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0180】
(実施の形態21)
次に、本発明の実施の形態21における角形チップ抵抗器について説明する。
【0181】
本発明の実施の形態21における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0182】
以下、本発明の実施の形態21における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0183】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0184】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を11:3:86の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0185】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0186】
上記した本発明の実施の形態21においては、端面電極層15を構成するエポキシ樹脂内の溶剤を沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテート(沸点は200℃以上の溶剤であれば良い)としているため、端面電極中の溶剤の揮発が少なくなり、これにより、端面電極ペーストの作業中の粘性変化を小さくすることができるため、本発明の実施の形態16〜19と比較して、安定した形状で塗布が可能になるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0187】
(実施の形態22)
次に、本発明の実施の形態22における角形チップ抵抗器について説明する。
【0188】
本発明の実施の形態22における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0189】
以下、本発明の実施の形態22における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0190】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0191】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を11:4:85の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の側面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0192】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0193】
上記した本発明の実施の形態22においては、カーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を11:4:85の比率で混合しているため、本発明の実施の形態20,21と比較して、面積抵抗値が1500Ω/□と低くなり、これにより、めっき付着性が向上するとともに、電極強度が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0194】
(実施の形態23)
次に、本発明の実施の形態23における角形チップ抵抗器について説明する。
【0195】
本発明の実施の形態23における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0196】
以下、本発明の実施の形態23における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0197】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0198】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を5:15:80の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の側面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0199】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0200】
上記した本発明の実施の形態23においては、カーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を5:15:80の比率で混合しているため、本発明の実施の形態20,21と比較して、面積抵抗値が200Ω/□と低くなり、これにより、めっき付着性が向上するとともに、電極強度が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0201】
(実施の形態24)
次に、本発明の実施の形態24における角形チップ抵抗器について説明する。
【0202】
本発明の実施の形態24における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0203】
以下、本発明の実施の形態24における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0204】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0205】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が800平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を7:18:75の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が800Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率74%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の側面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0206】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0207】
上記した本発明の実施の形態24においては、カーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を7:18:75の比率で混合しているため、本発明の実施の形態20,21と比較して、面積抵抗値が100Ω/□と低くなり、これにより、めっき付着性が向上するとともに、電極強度が向上するという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0208】
(実施の形態25)
次に、本発明の実施の形態25における角形チップ抵抗器について説明する。
【0209】
本発明の実施の形態25における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0210】
以下、本発明の実施の形態25における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0211】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0212】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が1000平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を5:15:80の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が1000Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率77%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0213】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0214】
上記した本発明の実施の形態25においては、カーボン1g当たりの表面積を1000平方メートル(1000平方メートル以上であれば良い)としているため、0.006(l/s)のズリ速度での粘度が1000Pa・s(1000Pa・s以上であれば良い)となり、これにより、本発明の実施の形態22〜24と比較して、基板上への流れを小さく抑えることができるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0215】
(実施の形態26)
次に、本発明の実施の形態26における角形チップ抵抗器について説明する。
【0216】
本発明の実施の形態26における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0217】
以下、本発明の実施の形態26における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0218】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0219】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が2000平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を5:15:80の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が2000Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加した混合材料(溶剤の体積含有率80%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0220】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0221】
上記した本発明の実施の形態26においては、カーボン1g当たりの表面積を2000平方メートル(1000平方メートル以上であれば良い)としているため、0.006(l/s)のズリ速度での粘度が2000Pa・s(1000Pa・s以上であれば良い)となり、これにより、本発明の実施の形態22〜24と比較して、基板上への流れを小さく抑えることができるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、後述する(表1)にまとめている。
【0222】
(実施の形態27)
次に、本発明の実施の形態27における角形チップ抵抗器について説明する。
【0223】
本発明の実施の形態27における角形チップ抵抗器の構造は図1および図2に示した本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器と同じであるが、端面電極層15に用いる端面電極ペーストの配合および製造方法が異なっているものである。
【0224】
以下、本発明の実施の形態27における角形チップ抵抗器の製造工程について説明する。
【0225】
短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定するまでの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0226】
すなわち、短冊状基板を凹凸状の保持治具を用いて端面電極形成面が水平になるように固定した後、次に、少なくとも上面電極層12を覆うように、1g当たりの表面積が2000平方メートルのカーボン粉末とフレーク状の銀粉末と分子量12500のエポキシ樹脂(溶剤である沸点が約247℃のブチルカルビトールアセテートの含有率66%)を5:15:80の比率で混合するとともに、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が2000Pa・sとなるように適量のブチルカルビトールアセテートを添加し、さらにシラン系カップリング剤を1%添加した混合材料(溶剤の体積含有率80%)を3本ロールミルで混練した端面電極ペーストをあらかじめ約50μmの膜厚で均一にステンレスローラー上に形成し、そしてこのステンレスローラーを回転させるとともに凹凸状の保持治具を移動させることにより、ステンレスローラー上の端面電極ペーストを短冊状基板の端面電極形成面に接触させて塗布し、画像認識装置を用いて、塗布状態を確認する。そして短冊状基板の端面電極形成面全体にくまなく端面電極ペーストが塗布されていることが確認できた物は、ベルト式連続遠赤外線硬化炉により、ピーク時間160℃−30分、IN−OUT時間40分の温度プロファイルによって熱処理を行うことにより、端面部の厚みが約5〜10μmの端面電極層15を形成した。
【0227】
最後の電解めっきの工程は、本発明の実施の形態1と全く同じである。
【0228】
上記した本発明の実施の形態27においては、本発明の実施の形態25,26と比較して、さらに、シランカップリング剤を1%添加しているため、基板と混合材料との密着力が向上し、これにより、電極強度を250Nに向上させることができるという効果が得られるものである。また、その他の特性に関しては、下記の(表1)にまとめている。
【0229】
【表1】
【0230】
(表1)から明らかなように、本発明の実施の形態1〜27においては、本発明の主目的である200℃まで加熱した際の重量減少はいずれも0.1%以下であり、はんだ爆ぜ不具合はいずれもn=1000個中0個であった。
【0231】
比較例として、本発明の実施の形態1におけるエポキシ樹脂をエポキシ変性フェノール樹脂に置き換えて角形チップ抵抗器を作製した。この比較例においては、200℃まで加熱した際の重量減少率が約0.3%となり、比較例のはんだ爆ぜ不具合はn=1000個中12個であった。
【0232】
なお、上記本発明の実施の形態1〜27においては、チップ状電子部品の一例として、角形チップ抵抗器により説明したが、これに限定されるものではなく、これ以外の端面電極を有するチップ状電子部品に適用した場合でも、上記本発明の実施の形態1〜27と同様の効果が得られるものである。
【0233】
【発明の効果】
以上のように本発明のチップ状電子部品は、基板と、この基板の端面に設けられた端面電極とを備え、前記端面電極を導電性粒子と樹脂の混合材料により構成するとともに、前記導電性粒子としてカーボンを、前記樹脂としてエポキシ樹脂を用いているため、200℃まで加熱した際に0.1%以上の重量減少を生じることはなく、その結果、このチップ状電子部品を実装基板に実装する際のはんだ溶融工程においても、ニッケルめっき層やはんだめっき層に穴が空いたり、はんだが飛び散るなどの不具合が生じることはなくなり、またこの不具合が減少することにより、部品交換などの工程が不必要となるため、量産性を向上させることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における角形チップ抵抗器の斜視図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】従来のチップ抵抗器の斜視図
【図4】図3におけるB−B線断面図
【符号の説明】
11 基板
12 上面電極層
13 抵抗体層
14 保護層
15 端面電極層
16 ニッケルめっき層
17 はんだめっき層
Claims (21)
- 基板と、この基板の端面に設けられた端面電極層とを備え、前記端面電極層を導電性粒子と樹脂の混合材料により構成するとともに、前記導電性粒子としてカーボンを、前記樹脂としてエポキシ樹脂を用いたチップ状電子部品。
- 基板と、この基板の端面に設けられた端面電極層とを備え、前記端面電極層を導電性粒子と樹脂の混合材料により構成するとともに、前記導電性粒子としてカーボンと銀の混合粉末を、前記樹脂としてエポキシ樹脂を用いたチップ状電子部品。
- 樹脂として、分子量1000〜30000のエポキシ樹脂を用いた請求項1記載のチップ状電子部品。
- 樹脂として、分子量1000〜30000のエポキシ樹脂を用いた請求項2記載のチップ状電子部品。
- 樹脂として、沸点が200℃以上の溶剤により溶解するエポキシ樹脂を用いた請求項1記載のチップ状電子部品。
- 樹脂として、沸点が200℃以上の溶剤により溶解するエポキシ樹脂を用いた請求項2記載のチップ状電子部品。
- 端面電極層の面積抵抗値(膜厚10μm換算値)を1500Ω以下とした請求項1記載のチップ状電子部品。
- 端面電極層の面積抵抗値(膜厚10μm換算値)を1500Ω以下とした請求項2記載のチップ状電子部品。
- 樹脂として、溶剤含有率が60%以上であるエポキシ樹脂を用いた請求項1記載のチップ状電子部品。
- 樹脂として、溶剤含有率が60%以上であるエポキシ樹脂を用いた請求項2記載のチップ状電子部品。
- 銀として、フレーク状の銀を用いた請求項2記載のチップ状電子部品。
- カーボンとして、1g当たりの表面積が1000平方メートル以上のカーボンを用いた請求項1記載のチップ状電子部品。
- カーボンとして、1g当たりの表面積が1000平方メートル以上のカーボンを用いた請求項2記載のチップ状電子部品。
- カーボンとエポキシ樹脂の配合比率(体積比)を1:9〜3:7とした請求項1記載のチップ状電子部品。
- 導電性粒子とエポキシ樹脂の配合比率(体積比)を15:85〜25:75とし、かつカーボンと銀の配合比率(体積比)を5:15〜15:5とした請求項2記載のチップ状電子部品。
- 混合材料として、導電性粒子と樹脂にカップリング剤を加えた混合材料を用いた請求項1記載のチップ状電子部品。
- 混合材料として、導電性粒子と樹脂にカップリング剤を加えた混合材料を用いた請求項2記載のチップ状電子部品。
- 端面電極層を、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が1000Pa・s以上となる混合材料を塗布硬化させて形成した請求項1記載のチップ状電子部品。
- 端面電極層を、0.006(l/s)のズリ速度の粘度が1000Pa・s以上となる混合材料を塗布硬化させて形成した請求項2記載のチップ状電子部品。
- 混合材料中の溶剤の体積含有率を70%以上とした請求項1記載のチップ状電子部品。
- 混合材料中の溶剤の体積含有率を70%以上とした請求項2記載のチップ状電子部品。
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2002
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WO2007032201A1 (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | チップ状電子部品 |
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