JP2004109733A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】両面に未定着画像を担持した記録媒体をスムーズに定着装置まで搬送する。
【解決手段】加圧ローラ32と加熱ローラ33間に加圧ベルト35を架設し、加圧ベルト35を介して加圧ローラ32に定着ローラ30を当接させ、定着ローラ30を回転させるとともにおよび加圧ベルト35を循環移動させ、中間転写ベルト10によって搬送される両面に未定着のトナー像を担持した用紙を加圧ベルト35に当接させ、用紙を加圧ベルト35とともに定着ローラ30と加圧ローラ32とのニップに搬送させることにより、用紙の両面にトナー像を定着させる画像形成装置であって、中間転写ベルト10による用紙搬送方向と加圧ベルト35における加熱ローラ33から加圧ローラ32に向かうベルト方向との角度が60度以下となるように加圧ベルト35を設置する。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面印刷を可能にした電子写真方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用紙の表裏両面に画像を記録させる方式として、一度定着装置を通過させた用紙を反転させ、再度用紙の別の面にトナーを転写させ定着させる方式が一般的に使用されている。しかし、この方式は、用紙の搬送方向切り換えや、一度用紙が定着装置を通り加熱・加圧されることによって用紙にカールが発生するため、搬送の信頼性確保に多くの課題を有している。
【0003】
このような不具合を改善する方式として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この方式は、記録媒体(用紙)の両面にトナー像を形成した後、1回で定着を行うものである。詳細には、感光体上に形成した第1画像を第1の転写手段で転写ベルトに転写し、次に感光体上に形成した第2画像を第1の転写手段で転写紙の一面に転写する。その後転写ベルト上の第1画像を第2の転写手段で転写紙の他面に転写することで転写紙の両面に画像を転写し、定着するものである。
【0004】
しかし、特許文献1のような方式においては、用紙の両面にトナー像が形成されているため、定着手段に用紙をガイドするような部材を設けることは困難である。したがって、未定着像の搬送乱れを発生させないように用紙を確実に定着手段に搬送する必要がある。
【0005】
未定着像の搬送乱れを防止するものとして特許文献2に開示された技術が提案されている。特許文献2によれば、用紙の両面にトナー像を転写した後、定着装置に用紙を搬送するが、その搬送路に拍車を設置して、未定着の画像の乱れを防止している。
【0006】
【特許文献1】
特開平1―209470号公報
【特許文献2】
特開平10−142869号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載のものは、未定着のトナーを保持した用紙を定着装置まで搬送する拍車が、経時的にトナーで汚れ、画像にそのトナーが移り、その結果として、画像品質を劣化させる恐れがある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決し、両面に未定着画像を担持した記録媒体をスムーズに定着装置まで搬送することを実現した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、電子写真プロセスによって形成されたトナー像を表面に担持する第1像担持体と、この第1像担持体から転移したトナー像を担持する第2像担持体と、前記第1像担持体から前記第2像担持体側にトナー像を転移させるとともに、前記第1像担持体と前記第2像担持体との間に搬送された記録媒体の表面に前記第1像担持体のトナー像を転写させる第1転写手段と、前記第2像担持体によって搬送される記録媒体の裏面に前記第2像担持体のトナー像を転写させる第2転写手段と、この第2転写手段に対して記録媒体搬送方向下流側に設けられ、トナー像を記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、前記定着手段に、内部に加熱源を有する定着ローラと、この定着ローラを加圧する加圧ローラと、前記第2像担持体における記録媒体と分離する部位に対して前記定着ローラと前記加圧ローラとのニップ位置とは反対側に設けられた支持体と、この支持体と前記加圧ローラとによって架設され、循環移動するベルト部材とを設け、このベルト部材における前記支持体から前記加圧ローラに向かう部位の移動方向と前記第2の像担持体の記録媒体搬送方向との角度を60度以下に設定し、前記第2の像担持体からの記録媒体を前記ベルト部材に当接させて前記定着ローラと前記加圧ローラとのニップ部に記録媒体をガイドさせることを特徴とする。このように構成したことにより、記録媒体をスムーズに定着手段に受け渡すことが可能となり、品質の良い画像および良好な搬送性を得ることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記角度を30度に設定したことを特徴とするこのように構成したことにより、記録媒体をスムーズに定着手段に受け渡すことが可能となり、品質の良い画像および良好な搬送性を得ることができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記第2像担持体による記録媒体の搬送速度と前記ベルト部材の搬送速度とを等速または記録媒体の搬送速度を若干早くしたことを特徴とする。このように構成したことにより、記録媒体とベルト部材とに相対的な速度差の発生にともなう画像ずれ等の異常画像の発生を抑えることが可能になり、品質の良い画像を得ることができる。
【0012】
請求項4、請求項1,2または3に係る発明において、前記ベルト部材と用紙との間に電位差を発生させ、静電気力によって前記ベルト部材に用紙を吸着させる手段を設けたことを特徴とする。このように構成したことにより、搬送されてくる記録媒体が静電気力によってベルト部材に吸着され、その結果、記録媒体がベルト部材上でずれないようにすることができる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記ベルト部材を帯電させる手段を設けたことを特徴とする。このように構成したことにより、搬送されてくる記録媒体が静電気力によってベルト部材に確実に吸着させることができる。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、記録媒体上に画像を形成しているトナーとは逆極性の電荷を前記ベルト部材表面に帯電させることを特徴とする。このように構成したことにより、トナーと同極性の電荷をベルト部材表面に帯電させた場合には電荷の反発により「トナー散り」等の画像の乱れが発生するが、逆極性の場合には画像の乱れは発生しない。その結果、品質の良い画像を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態を説明するための画像形成装置の内部構成を示す側面図であり、1は第1像担持体であるドラム状の感光体、2は感光体1の表面をクリーニングするクリーニング装置、3は感光体1の表面を均一に帯電させる帯電装置、4は感光体1の表面に画像情報に基づいて変調されたレーザ光を照射する露光装置、5は感光体1にトナーを供給する現像装置、6はローラ体からなる第1の転写装置、7はチャージャからなる第2の転写装置、8は定着装置を示す。
【0017】
感光体1は矢印の方向に回転可能に支持される。感光体1の外周部には、感光体1の回転方向に、クリーニング装置2、帯電装置3、現像装置5、転写装置6の順で配備されている。帯電装置3と現像装置5の間には、露光装置4より発せられるレーザ光は感光体1における帯電装置3と現像装置5との間の面を走査する。感光体1、クリーニング装置2、帯電装置3、現像装置5はユニット化されており、プロセスカートリッジとして寿命到来時に交換できるように構成されている。
【0018】
10は第2の像担持体である中間転写ベルトを示し、この中間転写ベルト10は、耐熱性を有し、かつトナーを転写可能とする抵抗値を有する部材、例えばポリイミドのような部材によって構成されており、表面粗さは3.4μmである。中間転写ベルト10は、回転ローラ11,12,13,14によって四角形状に支持、張架されており、回転ローラ11,12,13,14によって感光体1の回転方向に沿って循環移動可能である。なお、各回転ローラは循環移動方向に回転ローラ11,12,13,14の順で配置されているものとする。
【0019】
中間転写ベルト10の内周部には、第1の転写装置6、裏当てローラ15、冷却装置16等が配備されている。ここで、中間転写ベルト10において回転ローラ11,12間でかつ回転ローラ12寄りに感光体1が当接しており、中間転写ベルト10を介して感光体1に第1の転写装置6が対向配置されている。また、中間転写ベルト10の外周部には、第2の転写装置7、中間転写ベルトクリーニング装置17が配備されており、第2の転写装置7は回転ローラ11,12間でかつ第1の転写装置6に対して中間転写ベルト10の移動方向下流側に設置されている。この第2の転写装置7が対向する中間転写ベルト10の部位の内側に裏当てローラ15が配設されている。中間転写ベルトクリーニング装置17はさらに下流側で回転ローラ13付近に配置されている。
【0020】
定着装置8にはヒータ等の熱源を内蔵したローラ等が備えられており、回転ローラ11付近の中間転写ベルト10に近接して配置されている。ここで、中間転写ベルト10が定着装置8に近接しているため、感光体1から中間転写ベルト10に転移した残留トナーは溶融した状態になる可能性もあることから、中間転写ベルトクリーニング装置17としては、ローラクリーニング方式が採用されている。中間転写ベルトクリーニング装置17の内部には、中間転写ベルト10上のトナーを回収するクリーニングローラ17a、クリーニングローラ17a表面のトナーを掻き落とすブレード17b、回収したトナーを内部に搬送するトナー搬送手段17c等が備えられており、クリーニングローラ17aは中間転写ベルト10に対し接離できる構成になっている。なお、実施形態においてはクリーニングローラ17aとして表面粗さ5μmの金属ローラを使用している。
【0021】
20は用紙を収納する給紙カセット、21は給紙カセット20の用紙を搬送する給紙ローラ、22は用紙を感光体1と第1の転写装置6との間にタイミングを取りながら送り出すレジストローラを示す。装置本体の下部には、給紙カセット20が給紙方向に対して直角で、手前側に引き出せるように配備されている。給紙ローラ21が回転することにより、給紙カセット20に収納された用紙は、最上のものから1枚ずつ送り出され、レジストローラ22に至る。
【0022】
23はガイド、24は排紙ローラ、25は、装置本体の上部に形成され、記録済みの用紙をスタックする排紙スタック部を示す。定着装置8を通過した用紙はガイド23によって排紙ローラ24に導かれ、排紙ローラ24によって排紙スタック部25に排出される。装置本体内部には、画像形成装置の各種の制御を行う電装・制御装置E1、E2が収納されている。さらに、装置本体内の温度過昇防止のために稼働するファンF1が設けられている。
【0023】
図2は定着装置の概略構成を示す説明図であり、30は定着ローラ、31は定着ローラ30内に配置された加熱ヒータ、32は定着ローラ30を加圧する加圧ローラ、33は加熱ローラ、34は加熱ローラ33内に配置された加熱ヒータ、35は加圧ベルト、36はバイアス印加ローラを示す。
【0024】
定着ローラ30および加熱ローラ33は、それぞれ内蔵された加熱ヒータ31,34をオン・オフすることにより適当な温度になるように制御される。そして、トナー像を担持した用紙は、まず、加熱ローラ33によって加熱された加圧ベルト35の熱によって、裏面にトナー像が仮定着され、さらに、定着ローラ30と加圧ローラ32間を通過する際に加圧・加熱されることによりトナー像が用紙に定着される。加圧ローラ32と加熱ローラ33間には加圧ベルト35が掛けられており、加圧ベルト35は、加熱ローラ33によって適正な張力が与えられている。さらに、加圧ベルト35は加熱ローラ33によって加熱される。
【0025】
加圧ベルト35表面にはバイアス印加ローラ36が当接しており、必要時に直流・交流等のバイアス印加を行う。バイアス印加を行うためには加圧ベルト35のベース層は導電性材質で表層は非導電性材質であることが望ましい。具体的には、ベース層をNiあるいは導電性ポリイミドとし、表層をシリコンゴムとする。なお、このシリコンゴムの表層にさらにフッ素系樹脂による層を形成しても良い。
【0026】
加圧ベルト35の循環移動速度は中間転写ベルト10の循環移動速度と略等しくなるように設定されており、加圧ベルト35において加圧ベルト35の加熱ローラ33から加圧ローラ32に向かうベルト方向に対して中間転写ベルト10の搬送方向が角度を持つように加圧ローラ32,加熱ローラ33および加圧ベルト35が配置されている。ここで前記角度としては、実験の結果、60度以下の角度の場合に適正な搬送性が得られるようになり、特に30〜60度の範囲が望ましく、30度程度が最も望ましい。
【0027】
次に、画像形成動作について説明する。まず、用紙の両面に画像を記録する場合について説明する。
【0028】
露光装置4のレーザ光源(図示せず)からのレーザ光が、帯電装置3で一様に帯電された感光体1上に照射されることにより、書き込み情報に対応した静電潜像が感光体1表面に形成される。感光体1上の静電潜像に現像装置5から供給されるトナーが選択的に付着することによって現像され、トナーによる顕像(以下、トナー像と称する)が感光体1表面に形成・保持される。感光体1上のトナー像は、中間転写ベルト10の内周側にある第1の転写装置6により、感光体1に同期して循環移動する中間転写ベルト10表面に転写される。転写後に感光体1表面は、クリーニング装置2によってクリーニングされ、残存するトナーを除去して次の作像サイクルに備える。中間転写ベルト10上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト10とともに矢印の方向に移動する。このトナー像が乱されないよう第2の転写装置7および中間転写ベルトクリーニング装置17は非作動状態(電気入力断或いは中間転写ベルト10から離間した状態)を保持するように制御される。中間転写ベルト10が所定のところまで移動すると、感光体1においては用紙の表面に記録されるべきトナー像が前述したようなプロセスで形成され始め、給紙カセット20からの給紙が開始される。ここで、中間転写ベルト10から用紙に転写されるトナー像は、感光体1表面で正像になり、感光体1から用紙に直接転写されるトナー像は、感光体1表面で逆像になるように露光される。このような頁揃えのための作像順は、画像データをメモリに貯蔵する公知の技術で実現できる。また正、逆像に切り換える露光も公知の画像処理技術によって実現可能である。
【0029】
トナー像形成時において、給紙カセット20内の最上部に在る用紙が給紙ローラ21が矢印方向に回転することで引き出され、レジストローラ22のニップ部に搬送された時点で用紙搬送が一時停止される。一方、感光体1のトナー像の先端と、中間転写ベルト10のトナー像の先端とが同期するように感光体1および中間転写ベルト10が回転しており、各トナー像が中間転写ベルト10と感光体1の間に移動するタイミングを取って用紙がレジストローラ22から送り出される。
【0030】
レジストローラ22を経て中間転写ベルト10と感光体1の間に送られる用紙にまず感光体1表面のトナー像が、第1の転写装置6により転写される。感光体1から用紙の表面にトナー像が転写されている間、用紙の裏面は中間転写ベルト10の上に乗っているトナー像とともに移動する。用紙が第2の転写装置7の領域を通過するときには、第2の転写装置7に電圧が印加され、中間転写ベルト10上のトナー像は用紙の裏面に転写される。第1の転写装置6と第2の転写装置7の作用で両面にトナー像が転写された用紙は、その後、図1に示すように、中間転写ベルト10から離れ、定着装置8に送られる。
【0031】
定着装置8においては、バイアス印加ローラ36にバイアスが印加されており、加圧ベルト35の表面は用紙上のトナーの帯電極性に対して逆極性の電荷を帯電させた状態になっている。また、加熱ヒータ31,34を制御することにより、定着ローラ30および加熱ローラ33が定着可能な温度範囲になるように維持される。
【0032】
中間転写ベルト10によって搬送される未定着画像の用紙は、矢印方向に回転している加圧ベルト35に当接する。この時、加圧ベルト35と用紙との間に静電気力が作用して加圧ベルト35に用紙が吸着するようになり、この状態で用紙は、加圧ベルト35に沿ってほぼ同速度で搬送され、定着ローラ30と加圧ローラ32間のニップにおいて加熱・加圧されて定着される。
【0033】
なお、中間転写ベルト10の線速度と加圧ベルト35の線速度は用紙の種類(剛性、表面性等)・画像の種類によって変更できるように制御しても良い。また、中間転写ベルト10の線速度と加圧ベルト35の線速度は、上述したように同速度であることが理想的である。しかし、現実的には各種部品の製造誤差や回転伝達系の搬送精度等の理由により、中間転写ベルト10による用紙の搬送速度と加圧ベルト35による用紙の搬送速度を同速度にすることは困難である。そこで、中間転写ベルト10による用紙の搬送速度が加圧ベルト35による用紙の搬送速度よりも若干速く(最大5%)なるように設定する。すなわち、加圧ベルト35の搬送速度の方が早い場合には、定着ローラ30によって用紙を引っ張る力が発生するため画像乱れの原因となる。しかし、用紙の搬送速度の方が早い場合には、定着ローラ30と中間転写ベルト10との間に弛みが生ずるが、ここで、用紙は加圧ベルト35に引かれるために弛みが吸収されるようになり、用紙の後端が感光体1と中間転写ベルト10との間を通過した際に用紙が中間転写ベルト10上を搬送方向に対して逆方向に滑ることが防止され、加圧ベルト35とともに用紙が移動するため、安定した定着動作を得ることが可能になる。
【0034】
また、定着ローラ30と加圧ベルト35の表面材質を適当に選択し、定着ローラ30と加圧ベルト35の接触回転により加圧ベルト35表面に電荷を乗せることによって、搬送されてくる用紙を加圧ベルト35に吸着させるように構成しても、品質の良い画像と良好な搬送性を得ることが可能となる。さらに、用紙側を除電し加圧ベルト35を帯電させても用紙を加圧ベルト35に吸着させることは可能であり、要は静電気力によって用紙を加圧ベルト35に吸着させることが可能であれば手段は問わない。
【0035】
感光体1からトナー像を中間転写ベルト10に転写させる際にはクリーニング装置2が中間転写ベルト10から離間した位置にあるが、用紙にトナー像を転写する際には、中間転写ベルト10から離れていた中間転写ベルトクリーニング装置17が、中間転写ベルト10から用紙に画像が転写された後に接触する。そして、用紙に転写した後の残留トナーはクリーニングローラ17aの表面に移され、ブレード17bによって掻き取られる。掻き取られたトナーはトナー搬送手段17cにより、不図示の収納部に集められる。中間転写ベルトクリーニング装置17を通過した中間転写ベルト10の領域は、冷却装置16によって冷却される。冷却装置16としては、各種放熱方式が採用できる。空気を流通させる方式では、中間転写ベルト10上に保持されたトナー像を乱すことがないように、用紙に転写した後に空気を流通させるように構成すると良い。さらには、冷却装置16としてヒートパイプ(パイプの一部を加熱または冷却した場合に、パイプ全体がどの部位においても同じ温度になるという機能を有する)を採用し、中間転写ベルト10のループ内面にヒートパイプを直接接触させて熱を奪うように構成しても良い。
【0036】
次に、用紙の片面に画像を記録する場合について説明する。
【0037】
紙の片面(表面のみ)に画像を記録する場合には、上述した用紙の両面に画像を記録する場合のプロセスにおいて、中間転写ベルト10にトナーを転写する工程を省略し、感光体1の表面に形成されたトナー像を用紙に直接転写する。そして、図1において、感光体1上に形成されたトナー像との位置合わせのため同期をとって、用紙は感光体1と中間転写ベルト10の間に送られ、第1の転写装置6によって用紙にトナーが感光体1から転写される。この時、第2の転写装置7は作動することなく、用紙は中間転写ベルト10とともに移動し、その後用紙は中間転写ベルト10から離れて定着装置8によってトナーが定着される。この時、定着装置8においては、加熱ヒータ34による加熱は停止される。また、バイアス印加ローラ36によるバイアス印加を行った方が用紙の搬送性が向上するが、省電力のために停止しても良い。その後ガイド23、排紙ローラ24を経て矢印の方向に排出され、画像面が下になった状態(フェースダウン)で排紙スタック部25に載置される。
【0038】
また、裏面のみに画像を記録し、画像面が上になった状態(フェースアップ)で排紙スタック部25にスタックさせる場合には、上述した用紙の両面に画像を記録する場合のプロセスにおいて、中間転写ベルト10に転写するトナー像を感光体1に形成した後の、感光体1に用紙表面に直接転写するトナー像を形成する工程が省略される。それ以外は、用紙の両面に画像を記録する場合のプロセスと同じである。
【0039】
以上、説明したように構成された第1実施形態によれば、中間転写ベルト10を加圧ベルト35を有する定着装置8に近づけ、中間転写ベルト10による用紙搬送方向が、加圧ベルト35に対して60度以下の角度になるように、加圧ベルト35を配置したことにより、加圧ベルト35に接触した用紙を加圧ベルト35とともに定着ニップに向けて良好に搬送することができる。また、加圧ベルト35の表面に電荷を帯電させ、用紙を加圧ベルト35表面に吸着させることにより、両面にトナー像を有する用紙の定着を画像の乱れなく行うことが可能となり、しかも品質の良い画像と良好な搬送性を得ることが可能となる。さらに、加圧ベルト35による用紙の搬送速度を中間転写ベルト10による用紙の搬送速度と同速度にあるいは中間転写ベルト10による用紙の搬送速度を若干早くすることにより、用紙搬送中に加圧ベルト35と用紙とが相対的に移動することが防止され、用紙の定着を画像の乱れなく行い、品質の良い画像と良好な搬送性を得ることが可能となる。
【0040】
上述した実施形態は、モノクロの画像形成装置であるが、本発明はカラーの画像形成装置にも適用可能である。
【0041】
図3は本発明の第2実施形態を説明するためのカラーの画像形成装置の内部構成を示す側面図である。図3に示すプリンタ100は、装置内のほぼ中央に4つの感光体ドラム51を並設した、いわゆるタンデム型のカラープリンタである。各感光体ドラム51の周囲には、図4に示すように、クリーニング装置52,除電装置53,帯電装置54,現像装置55が配設され、作像ユニットを構成している。各作像ユニットの構成は同じであり、扱うトナーの色が異なるのみである。4つの作像ユニットの下方には、第1中間転写ベルト60が設けられており、上記4つの感光体ドラム51は第1中間転写ベルト60の上辺に沿って接触並置されている。また、作像ユニットの上方には露光装置58が配設されている。
【0042】
各作像ユニットにおける現像装置55は、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのトナーをそれぞれ収納しており、感光体ドラム51上に形成された静電潜像に各色トナーを付与する。帯電装置54と現像装置55の間は書き込み位置となっており、露光装置58より発せられるレーザ光Lが感光体ドラム51に照射される。なお、露光装置58は公知のレーザ方式であり、第2実施形態では、色分解され、現像するトナーの色に対応した光情報を、一様に帯電された感光体ドラム51表面に潜像として照射する。LEDアレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。また、第1中間転写ベルト60を挟んで感光体ドラム51と対向するように、転写ローラ56が配設されている。57は裏当てローラを示す。感光体ドラム51上に形成されたトナー像は、転写ローラ56の作用により第1中間転写ベルト60に転写(1次転写)される。
【0043】
フルカラー画像の形成にあたり、4つの作像ユニットにて感光体ドラム51上に形成されたシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各色トナー像は順次第1中間転写ベルト60上に重ね転写され、第1中間転写ベルト60上にフルカラー画像が形成される。モノクロ画像を形成する場合は、ブラックトナーを扱う作像ユニットのみでトナー像を形成し、第1中間転写ベルト60上にモノクロ画像を転写する。
【0044】
第1中間転写ベルト60は4個の回転ローラ61,62,63,64に張架・支持され、図示矢印の如く図中時計回りに回動可能になっている。第1中間転写ベルト60のベルトループ内において、回転ローラ64の右方には裏当てローラ65が設けられている。その裏当てローラ65に対向するように、ベルトループの外側にベルトクリーニング装置66が配置されている。
【0045】
プリンタ本体の下部位置には、2段の給紙装置(給紙カセット)80,80が設けられている。各カセット内に収納された用紙の最上位の用紙が、給紙ローラ81により1枚ずつ給紙され、レジストローラ対82に送られる。
【0046】
第1中間転写ベルト60の左方には第2中間転写ベルト70が配置されている。第2中間転写ベルト70は図示矢印の如く図中反時計回りに回動可能に、回転ローラ71,72,73および転写ローラ74,75に張架・支持されている。転写ローラ74は、第1中間転写ベルト60の回転ローラ63と対向する位置に設けられている。回転ローラ71と転写ローラ75との間における第1中間転写ベルト60の表面に転写チャージャ77が対向配置されている。
【0047】
第1中間転写ベルト60と第2中間転写ベルト70とは、回転ローラ63,64及び転写ローラ74,75の部位にて接触し、所定の転写ニップを形成する。このニップ部における第1中間転写ベルト60と第2中間転写ベルト70の接触が解除できるように、回転ローラ61の軸心を回動中心として第2中間転写ベルト70が揺動可能に構成されている。第1中間転写ベルト60と第2中間転写ベルト70の接触と離間とは、図示しないスプリングとソレノイド等の機構により行われる。
【0048】
そして、第2中間転写ベルト70のループ外側の下方位置に、ベルトクリーニング装置76が配置されている。クリーニング装置76は、内部にクリーニングブレードを備え、第2中間転写ベルト70表面に残留する不要のトナーや紙粉を拭い去る。
【0049】
第2中間転写ベルト70の上方には定着装置90が設けられている。この定着装置は図2に示す定着装置8と基本構成が同一であり、定着ローラ,加圧ローラ,加熱ローラおよび加圧ベルトを備えている。定着後の用紙は、排出ローラ91により、排紙トレイ92に排紙されスタックされる。
【0050】
次に、両面プリントについて説明する。
【0051】
用紙両面に画像を得る場合は、まず作像ユニットで作成した第1面(裏面)画像を感光体ドラム51から第1中間転写ベルト60を介して第2中間転写ベルト70に転写し、第2中間転写ベルト70上に担持して1周させる。このとき、作像ユニットでは第2面(表面)画像が形成され、第1中間転写ベルト60に転写される。第1面画像と第2面画像の位置が用紙上で正規なものとなるようなタイミングにて画像形成されることは言うまでもない。
【0052】
レジストローラ対82より送出した用紙の片面(図3において、下方から上方に搬送される用紙の左側の面)に対して、第1中間転写ベルト60から第2面画像を転写する。この第2面画像の転写は第2中間転写ベルト70のベルトループ内に配置した転写ローラ75の作用による。また、第2中間転写ベルト70に担持されて1周してきた第1面画像を用紙の別面(図3において、下方から上方に搬送される用紙の右側の面)に転写する。この第1面画像の転写は第1中間転写ベルト60のベルトループ内に配置した転写ローラ56の作用による。また、転写チャージャ77によって第2中間転写ベルト70上のトナー像が用紙側に静電力によって移動するような電界を形成して、第2中間転写ベルト70上のトナー像を確実に転写させる。このようにして用紙両面に画像を転写された用紙は定着装置90に送られ、図2を用いて前述したように、用紙先端を加圧ベルトに当接させ、加圧ベルトとともに用紙を定着ローラに搬送して、定着ローラと加圧ローラとによって加圧・加熱することにより、トナー像が用紙上に定着される。
【0053】
このように構成したことにより、両面にカラーのトナー像を担持した用紙をスムーズに定着装置90に受け渡すことが可能となり、品質の良い画像および良好な搬送性を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上、説明したように構成された本発明によれば、記録媒体をスムーズに定着手段に受け渡すことが可能となり、品質の良い画像および良好な搬送性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための画像形成装置の内部構成を示す側面図
【図2】定着装置の概略構成を示す説明図
【図3】本発明の第2実施形態を説明するための画像形成装置の内部構成を示す側面図
【図4】図3における感光体ドラム周辺の構成を示す説明図
【符号の説明】
1 感光体
2,52,66,76 クリーニング装置
3,54 帯電装置
4,58 露光装置
5,55 現像装置
6 第1の転写装置
7 第2の転写装置
8,90 定着装置
10,60 中間転写ベルト
11,12,13,14,61,62,63,64,71,72,73 回転ローラ
15,57,65 裏当てローラ
16 冷却手段
17 中間転写ベルトクリーニング装置
20,80 給紙カセット
21,81 給紙ローラ
22 レジストローラ
23 ガイド
24 排紙ローラ
25 排紙スタック部
30 定着ローラ
31 加熱ヒータ
32 加圧ローラ
33 加熱ローラ
34 加熱ヒータ
35 加圧ベルト
36 バイアス印加ローラ
51 感光体ドラム
56,74,75 転写ローラ
70 第2中間転写ベルト
77 転写チャージャ

Claims (6)

  1. 電子写真プロセスによって形成されたトナー像を表面に担持する第1像担持体と、この第1像担持体から転移したトナー像を担持する第2像担持体と、前記第1像担持体から前記第2像担持体側にトナー像を転移させるとともに、前記第1像担持体と前記第2像担持体との間に搬送された記録媒体の表面に前記第1像担持体のトナー像を転写させる第1転写手段と、前記第2像担持体によって搬送される記録媒体の裏面に前記第2像担持体のトナー像を転写させる第2転写手段と、この第2転写手段に対して記録媒体搬送方向下流側に設けられ、トナー像を記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、
    前記定着手段に、内部に加熱源を有する定着ローラと、この定着ローラを加圧する加圧ローラと、前記第2像担持体における記録媒体と分離する部位に対して前記定着ローラと前記加圧ローラとのニップ位置とは反対側に設けられた支持体と、この支持体と前記加圧ローラとによって架設され、循環移動するベルト部材とを設け、このベルト部材における前記支持体から前記加圧ローラに向かう部位の移動方向と前記第2の像担持体の記録媒体搬送方向との角度を60度以下に設定し、前記第2の像担持体からの記録媒体を前記ベルト部材に当接させて前記定着ローラと前記加圧ローラとのニップ部に記録媒体をガイドさせることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記角度を30度に設定したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記第2像担持体による記録媒体の搬送速度と前記ベルト部材の搬送速度とを等速または記録媒体の搬送速度を若干早くしたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記ベルト部材と用紙との間に電位差を発生させ、静電気力によって前記ベルト部材に用紙を吸着させる手段を設けたことを特徴とする請求項1,2または3記載の画像形成装置。
  5. 前記ベルト部材を帯電させる手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 記録媒体上に画像を形成しているトナーとは逆極性の電荷を前記ベルト部材表面に帯電させることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
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