JP2004109462A - 光走査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの光走査装置で複数の被走査面を同時に光走査する画像形成装置が実用化されている。各々の光ビームを各被走査面に導光するための光路分離を折返しミラーで実施しているが、光ビーム間隔が大きく、装置が大型化しやすい。これは、主走査方向のビームの収束位置を光走査装置の偏向面に合わせているため、折り返しミラー位置では光束が広がっているからである。
【解決手段】ポリゴンミラーから出た光は、第1折り返しミラーM1の近傍で主走査方向に収束し、折り返し後は発散光になるように調整する。光束が隣接するミラーの近くを通過するとき光束が細くなっているので、相互のビーム間隔pを小さくすることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】ポリゴンミラーから出た光は、第1折り返しミラーM1の近傍で主走査方向に収束し、折り返し後は発散光になるように調整する。光束が隣接するミラーの近くを通過するとき光束が細くなっているので、相互のビーム間隔pを小さくすることができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光源からの光ビームを回転多面鏡等の光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームをfθ機能を有する光学素子により被走査面に向けて集光させることにより、被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットにより被走査面を光走査する光走査装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関連して広く知られている。
【0003】
近来、光走査装置も単一の被走査面を光走査するもののみならず、複数の被走査面を同時に光走査するものが実用化され、又、複数の被走査面を光走査するのに、発光源から各被走査面に至る光路を形成する光学素子の一部を共通化する、ということが行われるようになってきている(例えば、特許文献1ないし4 参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2001−4948号公報(第2頁 請求項1、図2)
【特許文献2】
特開2001−10107号公報(第2頁 請求項6、図2)
【特許文献3】
特開2001−33720号公報(第5頁、図2)
【特許文献4】
特開2001−343603号公報(第2頁 請求項1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光学素子の一部を共通化する上記技術において、各々の光ビームを各被走査面に導光するための光路分離が課題となる。光路分離を折返しミラー等で実施するには、折返しミラーでの光ビームの間隔がある程度離れている必要があるが、この間隔が大きくなりすぎると共通化された光学素子が大型化するという問題が発生する。このことにより、コストの増大を招き、光学素子を樹脂成形した場合には光学面の転写精度が悪化し、光学性能の劣化を引き起こす。
【0006】
本発明の目的は上記問題点を解決することであり、光学素子の一部を共通化した光走査装置において、該光学素子の大型化を回避し、環境変動等に強い光走査装置を提供すること、更にはそのような光走査装置を用いた画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、複数の発光源から放射された光ビームが、共通な光学系を経由した後、各々異なる被走査面上に走査線を形成する光走査装置であって、各々の光ビームの光路を分離するための光路分離手段を有し、各々の光ビームは該光路分離手段近傍で副走査方向に関して収束していることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1に記載の光走査装置において、前記共通な光学系には少なくとも光偏向器を含み、該光偏向器を等角速度的に偏向させることで被走査面上に走査線を形成することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明では、請求項1または2に記載の光走査装置において、前記共通な光学系には、fθ機能を有する光学素子を少なくとも1つ有することを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3に記載の光走査装置において、前記光学素子は、副走査方向には弱いパワーしか有さないことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明では、請求項3または4に記載の光走査装置において、各々の光ビームは、前記光学素子に対して副走査方向に関しほぼ垂直に入射することを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記各々異なる被走査面上に形成される走査線の本数が複数である、マルチビーム光走査装置であることを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光走査装置を用い、前記被走査面を感光性の像担持体とした画像形成装置を特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に実施の形態に従って本発明を説明する。
図1は本発明を適用するカラー画像形成装置の光路を説明するための図である。
同図において符号1は発光源、2はカップリングレンズ、3はアパーチャ、4はシリンドリカルレンズ、5はポリゴンミラー、6は折り返しミラー、7は第1走査レンズ、8は第2走査レンズ、9は被走査面をそれぞれ示す。なお、図は1つの被走査面に対する光路の様子を平面的に表したものであり、実際の光学系では光路を立体的に折り曲げる折り返しミラーが使われるが図では省略している。
【0011】
発光源1から出た光束は、カップリングレンズ2、アパーチャ3を経て平行光束に整形され、シリンドリカルレンズ4によって副走査方向に関して収束され、必要があれば折り返しミラー6を経てポリゴンミラー5面に至る。
ポリゴンミラー5は等角速度回転しており、任意の1面に光束が当たり始めると、その反射光は第1走査レンズ7と第2走査レンズ8によって被走査面9に結像される。ポリゴンミラー5の回転に伴って、結像点は被走査面上を一方向に走査され、走査線を形成する。
【0012】
図2は、黒を含む4色カラー画像形成装置の、ポリゴンミラー5以降の光学系の配置を示す断面図である。
同図において、符号Mは折り返しミラー、A、B、C、Dは4色を区別した任意の色を示す。MA1はカラーAの第1折り返しミラー、MA2はカラーAの第2折り返しミラーをそれぞれ示す。その他の色も同様である。
【0013】
4つの発光源1−1、1−2、1−3、1−4から放射された4本の光ビームが同一の光偏向器であるポリゴンミラー5により偏向される。ポリゴンミラー5に偏向された4つの光ビームは、共通の第1走査レンズ7を通過したのち、それぞれ光路分離手段としての折返しミラーMA1〜MD1により光路を分離され、かつ折り曲げられる。
【0014】
図3は従来行われていた光学系の構成を説明するための部分図である。
同図において符号Pはビーム間隔を示す。図は光束がポリゴンミラーを出たところから示してあるが、第1走査レンズは省略してある。
従来の光走査装置では、光偏向器の偏向反射面近傍で副走査方向に光ビームを収束させている。従って、光偏向器で反射された後の光ビームは副走査方向については徐々に発散したビーム形状となる。このような通常の光走査装置では、図3にあるように折返しミラーMA1〜MD1に入射する光ビームが或る拡がりを持つため、光ビームの間隔Pを広くとらなければならず、第1走査レンズ7やポリゴンミラー5が大型化してしまう。
【0015】
図4は本発明を実施した場合の光学系の構成を説明するための部分図である。
同図において符号pはビーム間隔を示す。図の表し方は図3と同様である。
図4に示すように各々の光ビームを、第1折返しミラーMA1〜MD1近傍で副走査方向に収束させることでこの問題を解決する。光偏向器の偏向反射面近傍の代わりに、第1折返しミラーMA1〜MD1近傍で副走査方向に収束させるには、シリンドリカルレンズ4のパワーを図3の場合より弱くすればよい。ただし、目標とする収束点、すなわち、第1折り返しミラーの位置が光ビームの高さ方向の位置によって異なるので、それに対応させてパワーを選ぶことになる。このようにすると、光ビームの間隔pを前記Pに比べて小さくすることができ、コンパクトな構成の光路分離手段で各光ビームを分離することが可能となる。
【0016】
なお、収束位置をミラーの「近傍」としたのは、収束点が厳密にミラーの反射点に一致していなければならない、というわけではなく、また、ポリゴンミラーの回転による偏向位置によっても変動があるのと、光学系等の製造誤差によってもずれが発生するためである。
【0017】
また、第1折返しミラーMA1〜MD1に入射する各光ビームの副走査方向の間隔を狭く設定することが可能となるので、光偏向器と第1走査レンズの副走査方向の高さも低くして設計できる。光偏向器の副走査方向の高さを低くできれば、反射面1面あたりの面積が減少するため風損が減少し、回転時の光偏向器に対する負荷が低減され、より安定して高速回転を実現できる。また、第1走査レンズも小型化が可能となり成形時間の短縮化、低コスト化に非常に有利である。
【0018】
第1走査レンズについては副走査方向には弱いパワーのみを有するようにして構成することが好ましい。つまり主走査方向にのみパワーを有するシリンダータイプのレンズであることが最も好ましいことになる。
光走査装置をカラー画像形成装置に適用する場合、最も考慮すべき課題は環境変動による各色のずれである。この色ずれは画像の著しい劣化を招くが、これを効果的に抑えるために、本発明では、熱の発生源として作用する光偏向器に、最も近い第1走査レンズの副走査方向は弱いパワーに抑える。具体的にはその焦点距離が、第1走査レンズから被走査面までの距離以上であればよい。このようにすると、環境変動で第1走査レンズが影響を受けたとしても副走査方向の変動は殆どないため色ずれを発生しにくくすることが可能となる。
【0019】
更に、この第1走査レンズに入射する光ビームは、入射面に対して副走査方向に関してはほぼ垂直になるようにすることが好ましい。レンズに対して斜めに光ビームが入射するとどうしても走査線曲がりを発生させてしまい、これを補正するためには、それ以降の光学素子の形状に自由曲面等を採用しなければならず、その要求精度などを鑑みるとコスト的にも不利になるし、高性能を維持することが飛躍的に難しくなる。
【0020】
光路分離手段としての第1折返しミラーMA1〜MD1により折り返された各光ビームは、そのあとに配置された第2折返しミラーMA2〜MD2により反射されたあと、各光ビームごとに第2走査レンズ8A〜8Dを通過し、被走査面の実体をなす感光体9A〜9Dに入射し、感光面上に光スポットを形成する。
そしてポリゴンミラー5の回転に伴い各光スポットは対応する感光体上で変位して光走査、すなわち主走査を行う。感光体9A〜9Dは矢印方向へ等速回転する。感光体のこの回転により副走査が行われる。
【0021】
図5は4つの光ビームをポリゴンミラー5に入射させるための光路図である。
図6は階段状折り返しミラーの構成を示す図である。
4つの光ビームをポリゴンミラー5に入射させるには、図6に示すような階段状の折返しミラー6を用い、図5に示すように各光源を配置すると良い。階段状の折り返しミラー6の反射面6−2、6−3、6−4の各高さは、前記光ビームの間隔pに等しくなるようにする。
【0022】
光源1−1からの光束は階段状ミラー6の上を素通りして直接ポリゴンミラー5に入射させる。光源1−2からの光束は、階段状折り返しミラー6の最上部の反射面6−2によって反射させる。反射後の光路は光源1−1の光路と平面図上では一致させるようにする。光源1−3、光源1−4も反射面6−3、6−4を経由する以外は同様である。
【0023】
4つの光源1−1、1−2、1−3、1−4は、階段状折り返しミラー6の高さ方向に関して、折り返し後のビーム間隔がpになるように、高さを違えて設置してある。一般に、光源および光路中の光学系の上下方向の大きさは、ビーム間隔pよりも大きいので、複数の光源を直接重ねたのではビーム間隔を所望のpにすることができない。よって、図5のような構成にすることによって、平面的には場所をとるが、ビーム間隔はpに揃えることができる。
【0024】
各光源として、個別に制御可能な複数のビームを出射できる光源にすることで、一つの感光体上を複数の走査線が走査する、いわゆるマルチビーム光走査装置を実現できるため、更なる高速化を実現することができる。
【0025】
図7は、本発明をカラーレーザプリンタに適用した構成を説明する図である。
同図において、符号10は給紙カセット、11は転写シート、12は搬送ベルト、13は感光体、14は帯電チャージャ、15は現像装置、16は転写チャージャ、17はクリーニング装置、19はレジストローラ対、20はベルト帯電チャージャ、21は分離チャージャ、22は除電チャージャ、23はベルトクリーナ、24は定着装置、25は排紙ローラ対、26は排紙トレイ、27は光偏光器としてのポリゴンミラー、28、29は走査レンズ、Mは折り返しミラーをそれぞれ示す。折り返しミラーの表示方法は図2に準ずる。ただし、色を特定せず一般的に言うときは、第1折り返しミラーをM1,第2折り返しミラーをM2というときがある。
【0026】
装置内下部に給紙カセット10が配置され、その上部に給紙カセット10から給紙されるシート状記録媒体である転写紙Sを搬送する搬送ベルト12が設けられている。搬送ベルト12の上には4個の感光媒体13Y、13M、13C、13Kが図の如く搬送ベルト12の周面上に沿って配置される。
以下の説明において、添え字Y、M、C、Kはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒に関連することを示す。感光媒体13Y、13M、13C、13Kはいずれも光導電性の感光体(以下、感光体13Y〜13Kと呼ぶ)である。
【0027】
感光体13Y〜13Kは同一径に形成され、各感光体の周囲には画像形成プロセスに従うプロセス手段が順に配設されている。感光体13Yを例にとれば、帯電手段14Y、現像装置15Y、転写チャージャ16Y、クリーニング装置、17Y等が配設されている。
【0028】
感光体13Y〜13Kは転写紙Sの搬送路の上流側から下流側へ向かって、即ち、図の右側から左側へ向かって等間隔に配設されている。搬送ベルト12の周囲には、感光体13Kの上流側にレジストローラ19とチャージャ20が設けられ、感光体13Kの下流側には分離手段21、除電手段22、ベルトクリーナ23が設けられている。転写紙搬送路の終端は排出ローラ25であり、画像形成装置の天板を兼ねた排紙トレイ26上に転写紙を排出するようになっている。
【0029】
図示されていないが、4個の発光源が設けられ、これら4個の発光源から4本の光ビームが放射される。この場合はシングルビーム方式の書込となる。一方これを4群と見て、1群あたり複数の光ビームを含んでいるとするとマルチビーム方式の書込となる。
【0030】
感光体13Y〜13Kの配列の上部には、ポリゴンミラー27が配設されている。ポリゴンミラー27により偏向された4本の光ビームは、共通の走査レンズ28を通過した後、第1の折返しミラー M1により光路分離され、第2の折返しミラー M2により、光走査すべき感光体13Y〜13Kに導光され、それぞれが被走査面側の走査レンズ29Y〜29Kを通過し、感光体13Y〜13Kに光スポットを形成して光走査を行う。
【0031】
例えば、複数色モード、たとえばフルカラーモードを実行する場合は、感光体13Y〜13Kの個々に対し、光走査を含む画像形成プロセスが実行される。1例として感光体13Yに対する画像形成を説明すると、この感光体13Yを光走査するべき光ビームは、イエロー画像情報により変調される。
感光体13Yは時計方向へ等速回転しつつ、帯電手段14Yにより均一帯電され、上記光ビームにより光走査されて「イエロー画像」を書き込まれ、イエロー画像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置15Yにより現像されて「イエロートナー画像」として可視化される。このようにして感光体13Y上にイエロートナー画像が形成される。
【0032】
同様にして、感光体13M上にはマゼンタトナー画像、感光体13C上にはシアントナー画像、感光体13K上には黒トナー画像がそれぞれ形成される。これら各色トナー画像を転写されるべき転写紙11はカセット10から給紙され、レジストローラ19によりタイミングを計って搬送ベルト12上に乗せ掛けられる。このとき、ベルト帯電チャージャ20が転写紙11に向かって放電し、転写紙11を搬送ベルト12に静電吸着させる。
【0033】
搬送ベルト12に吸着された転写紙11は、搬送ベルトの反時計回りの回転に従って搬送され、転写チャージャ16Yによりイエロートナー画像を感光体13Yから、転写チャージャ16Mによりマゼンタトナー画像を感光体13Mから、転写チャージャ16Cによりシアントナー画像を感光体13Cから、転写チャージャ16Kにより黒トナー画像を感光体13Kからそれぞれ転写される。各色トナー画像は、転写紙11上で互いに重ね合わせられカラー画像を形成する。
ついで、分離チャージャ21が転写紙11を除電すると、転写紙11は自身の腰の強さにより搬送ベルト12から分離し、定着装置24でカラー画像を定着させた後、排紙ローラ対25により排紙トレイ26に排出される。
【0034】
上記構成において、ポリゴンミラー27で偏向されて共通の走査レンズ28を通った光ビームは、第1の折り返しミラーM1の近傍で収束するように、調整されている。そのため、ビーム間隔はかなり小さく設定することができる。ビームの収束位置は、必ずしも折り返しミラーの位置が最適というわけではない。むしろ、当該ミラーに当たる直前にあるミラーの位置、たとえば、折り返しミラーMY1に入るビームであれば、ミラーMM1に一番近いところで収束する方がビーム間隔をより小さくすることができる。
【0035】
図8はビームの収束位置を直前のミラー近傍に設定した例を示す光路図である。
隣接するビーム用のミラーで光束を阻止されないところまでビーム間隔を小さくすることができる。
【0036】
さらに、ポリゴンミラー27から第1折り返しミラーM1までの光学系を考えると、光束の発散角が一定であると仮定した場合、全体として、最もビーム間隔を小さくできるのは、ポリゴンミラー27の偏向面の位置と、第1折り返しミラーM1の位置とで光束の広がりがほぼ同程度になるときである。その場合収束点はポリゴンミラー27と第1折り返しミラーM1のほぼ中間点になる。したがって、ここで、ミラーの近傍というのは、上記中間点付近までを含むものとする。
【0037】
図9はポリゴンミラーの偏向面の位置と、最も遠い折り返しミラーの反射面の位置とにおける光束の広がりをほぼ等しくした例を示す光路図である。
同図のように構成すると、ポリゴンミラーの偏向面の位置における光束の広がりそのものを小さくすることができるので、ビーム間隔を小さくすることが可能である。ただし、実際には折り返しミラーを、光束丁度の大きさに合わせることができず、余裕を持たせることと、取り付け枠の大きさ等を考慮すると、偏向面の位置における光束の大きさより、反射面の位置における光束の方を小さくした方が有利である。すなわち、収束点は上記中間点よりも折り返しミラー側に近づけた方がよい。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ビーム間隔を小さくすることによって装置全体を小型化できる。
請求項2に記載の発明によれば、光偏向器を共通化することで熱の発生源を抑え光走査装置内の環境変動を低減でき、併せて、装置の小型化にもきよできる。
【0039】
請求項3に記載の発明によれば、各ビームで共通に用いられる光学系を多くすることでより一層小型化ができる。
請求項4に記載の発明によれば、環境変動に強い光走査装置を提供できる。
【0040】
請求項5に記載の発明によれば、色ずれを抑えた光走査装置を提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、高速書込可能な光走査装置を提供できる。
請求項7に記載の発明によれば、上記光走査装置を搭載した画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するカラー画像形成装置の光路を説明するための図である。
【図2】黒を含む4色カラー画像形成装置の、ポリゴンミラー5以降の光学系の配置を示す断面図である。
【図3】従来行われていた光学系の構成を説明するための部分図である。
【図4】本発明を実施した場合の光学系の構成を説明するための部分図である。
【図5】4つの光ビームをポリゴンミラー5に入射させるための光路図である。
【図6】階段状折り返しミラーの構成を示す図である。
【図7】本発明をカラーレーザプリンタに適用した構成を説明する図である。
【図8】ビームの収束位置を直前のミラー近傍に設定した例を示す光路図である。
【図9】ポリゴンミラーの偏向面の位置と、最も遠い折り返しミラーの反射面の位置とにおける光束の広がりをほぼ等しくした例を示す光路図である。
【符号の説明】
1 発光源
2 カップリングレンズ
3 アパーチャ
4 シリンドリカルレンズ
5 ポリゴンミラー
6 折り返しミラー
7 第1走査レンズ
8 第2走査レンズ
9 被走査面
10 給紙カセット
11 転写シート
12 搬送ベルト
13 感光体
14 帯電チャージャ
15 現像装置
16 転写チャージャ
17 クリーニング装置
19 レジストローラ対
20 ベルト帯電チャージャ
21 分離チャージャ
22 除電チャージャ
23 ベルトクリーナ
24 定着装置
25 排紙ローラ対
26 排紙トレイ
27 ポリゴンミラー
28 走査レンズ
29 走査レンズ
【産業上の利用分野】
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光源からの光ビームを回転多面鏡等の光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームをfθ機能を有する光学素子により被走査面に向けて集光させることにより、被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットにより被走査面を光走査する光走査装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関連して広く知られている。
【0003】
近来、光走査装置も単一の被走査面を光走査するもののみならず、複数の被走査面を同時に光走査するものが実用化され、又、複数の被走査面を光走査するのに、発光源から各被走査面に至る光路を形成する光学素子の一部を共通化する、ということが行われるようになってきている(例えば、特許文献1ないし4 参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2001−4948号公報(第2頁 請求項1、図2)
【特許文献2】
特開2001−10107号公報(第2頁 請求項6、図2)
【特許文献3】
特開2001−33720号公報(第5頁、図2)
【特許文献4】
特開2001−343603号公報(第2頁 請求項1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光学素子の一部を共通化する上記技術において、各々の光ビームを各被走査面に導光するための光路分離が課題となる。光路分離を折返しミラー等で実施するには、折返しミラーでの光ビームの間隔がある程度離れている必要があるが、この間隔が大きくなりすぎると共通化された光学素子が大型化するという問題が発生する。このことにより、コストの増大を招き、光学素子を樹脂成形した場合には光学面の転写精度が悪化し、光学性能の劣化を引き起こす。
【0006】
本発明の目的は上記問題点を解決することであり、光学素子の一部を共通化した光走査装置において、該光学素子の大型化を回避し、環境変動等に強い光走査装置を提供すること、更にはそのような光走査装置を用いた画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、複数の発光源から放射された光ビームが、共通な光学系を経由した後、各々異なる被走査面上に走査線を形成する光走査装置であって、各々の光ビームの光路を分離するための光路分離手段を有し、各々の光ビームは該光路分離手段近傍で副走査方向に関して収束していることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1に記載の光走査装置において、前記共通な光学系には少なくとも光偏向器を含み、該光偏向器を等角速度的に偏向させることで被走査面上に走査線を形成することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明では、請求項1または2に記載の光走査装置において、前記共通な光学系には、fθ機能を有する光学素子を少なくとも1つ有することを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3に記載の光走査装置において、前記光学素子は、副走査方向には弱いパワーしか有さないことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明では、請求項3または4に記載の光走査装置において、各々の光ビームは、前記光学素子に対して副走査方向に関しほぼ垂直に入射することを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記各々異なる被走査面上に形成される走査線の本数が複数である、マルチビーム光走査装置であることを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光走査装置を用い、前記被走査面を感光性の像担持体とした画像形成装置を特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に実施の形態に従って本発明を説明する。
図1は本発明を適用するカラー画像形成装置の光路を説明するための図である。
同図において符号1は発光源、2はカップリングレンズ、3はアパーチャ、4はシリンドリカルレンズ、5はポリゴンミラー、6は折り返しミラー、7は第1走査レンズ、8は第2走査レンズ、9は被走査面をそれぞれ示す。なお、図は1つの被走査面に対する光路の様子を平面的に表したものであり、実際の光学系では光路を立体的に折り曲げる折り返しミラーが使われるが図では省略している。
【0011】
発光源1から出た光束は、カップリングレンズ2、アパーチャ3を経て平行光束に整形され、シリンドリカルレンズ4によって副走査方向に関して収束され、必要があれば折り返しミラー6を経てポリゴンミラー5面に至る。
ポリゴンミラー5は等角速度回転しており、任意の1面に光束が当たり始めると、その反射光は第1走査レンズ7と第2走査レンズ8によって被走査面9に結像される。ポリゴンミラー5の回転に伴って、結像点は被走査面上を一方向に走査され、走査線を形成する。
【0012】
図2は、黒を含む4色カラー画像形成装置の、ポリゴンミラー5以降の光学系の配置を示す断面図である。
同図において、符号Mは折り返しミラー、A、B、C、Dは4色を区別した任意の色を示す。MA1はカラーAの第1折り返しミラー、MA2はカラーAの第2折り返しミラーをそれぞれ示す。その他の色も同様である。
【0013】
4つの発光源1−1、1−2、1−3、1−4から放射された4本の光ビームが同一の光偏向器であるポリゴンミラー5により偏向される。ポリゴンミラー5に偏向された4つの光ビームは、共通の第1走査レンズ7を通過したのち、それぞれ光路分離手段としての折返しミラーMA1〜MD1により光路を分離され、かつ折り曲げられる。
【0014】
図3は従来行われていた光学系の構成を説明するための部分図である。
同図において符号Pはビーム間隔を示す。図は光束がポリゴンミラーを出たところから示してあるが、第1走査レンズは省略してある。
従来の光走査装置では、光偏向器の偏向反射面近傍で副走査方向に光ビームを収束させている。従って、光偏向器で反射された後の光ビームは副走査方向については徐々に発散したビーム形状となる。このような通常の光走査装置では、図3にあるように折返しミラーMA1〜MD1に入射する光ビームが或る拡がりを持つため、光ビームの間隔Pを広くとらなければならず、第1走査レンズ7やポリゴンミラー5が大型化してしまう。
【0015】
図4は本発明を実施した場合の光学系の構成を説明するための部分図である。
同図において符号pはビーム間隔を示す。図の表し方は図3と同様である。
図4に示すように各々の光ビームを、第1折返しミラーMA1〜MD1近傍で副走査方向に収束させることでこの問題を解決する。光偏向器の偏向反射面近傍の代わりに、第1折返しミラーMA1〜MD1近傍で副走査方向に収束させるには、シリンドリカルレンズ4のパワーを図3の場合より弱くすればよい。ただし、目標とする収束点、すなわち、第1折り返しミラーの位置が光ビームの高さ方向の位置によって異なるので、それに対応させてパワーを選ぶことになる。このようにすると、光ビームの間隔pを前記Pに比べて小さくすることができ、コンパクトな構成の光路分離手段で各光ビームを分離することが可能となる。
【0016】
なお、収束位置をミラーの「近傍」としたのは、収束点が厳密にミラーの反射点に一致していなければならない、というわけではなく、また、ポリゴンミラーの回転による偏向位置によっても変動があるのと、光学系等の製造誤差によってもずれが発生するためである。
【0017】
また、第1折返しミラーMA1〜MD1に入射する各光ビームの副走査方向の間隔を狭く設定することが可能となるので、光偏向器と第1走査レンズの副走査方向の高さも低くして設計できる。光偏向器の副走査方向の高さを低くできれば、反射面1面あたりの面積が減少するため風損が減少し、回転時の光偏向器に対する負荷が低減され、より安定して高速回転を実現できる。また、第1走査レンズも小型化が可能となり成形時間の短縮化、低コスト化に非常に有利である。
【0018】
第1走査レンズについては副走査方向には弱いパワーのみを有するようにして構成することが好ましい。つまり主走査方向にのみパワーを有するシリンダータイプのレンズであることが最も好ましいことになる。
光走査装置をカラー画像形成装置に適用する場合、最も考慮すべき課題は環境変動による各色のずれである。この色ずれは画像の著しい劣化を招くが、これを効果的に抑えるために、本発明では、熱の発生源として作用する光偏向器に、最も近い第1走査レンズの副走査方向は弱いパワーに抑える。具体的にはその焦点距離が、第1走査レンズから被走査面までの距離以上であればよい。このようにすると、環境変動で第1走査レンズが影響を受けたとしても副走査方向の変動は殆どないため色ずれを発生しにくくすることが可能となる。
【0019】
更に、この第1走査レンズに入射する光ビームは、入射面に対して副走査方向に関してはほぼ垂直になるようにすることが好ましい。レンズに対して斜めに光ビームが入射するとどうしても走査線曲がりを発生させてしまい、これを補正するためには、それ以降の光学素子の形状に自由曲面等を採用しなければならず、その要求精度などを鑑みるとコスト的にも不利になるし、高性能を維持することが飛躍的に難しくなる。
【0020】
光路分離手段としての第1折返しミラーMA1〜MD1により折り返された各光ビームは、そのあとに配置された第2折返しミラーMA2〜MD2により反射されたあと、各光ビームごとに第2走査レンズ8A〜8Dを通過し、被走査面の実体をなす感光体9A〜9Dに入射し、感光面上に光スポットを形成する。
そしてポリゴンミラー5の回転に伴い各光スポットは対応する感光体上で変位して光走査、すなわち主走査を行う。感光体9A〜9Dは矢印方向へ等速回転する。感光体のこの回転により副走査が行われる。
【0021】
図5は4つの光ビームをポリゴンミラー5に入射させるための光路図である。
図6は階段状折り返しミラーの構成を示す図である。
4つの光ビームをポリゴンミラー5に入射させるには、図6に示すような階段状の折返しミラー6を用い、図5に示すように各光源を配置すると良い。階段状の折り返しミラー6の反射面6−2、6−3、6−4の各高さは、前記光ビームの間隔pに等しくなるようにする。
【0022】
光源1−1からの光束は階段状ミラー6の上を素通りして直接ポリゴンミラー5に入射させる。光源1−2からの光束は、階段状折り返しミラー6の最上部の反射面6−2によって反射させる。反射後の光路は光源1−1の光路と平面図上では一致させるようにする。光源1−3、光源1−4も反射面6−3、6−4を経由する以外は同様である。
【0023】
4つの光源1−1、1−2、1−3、1−4は、階段状折り返しミラー6の高さ方向に関して、折り返し後のビーム間隔がpになるように、高さを違えて設置してある。一般に、光源および光路中の光学系の上下方向の大きさは、ビーム間隔pよりも大きいので、複数の光源を直接重ねたのではビーム間隔を所望のpにすることができない。よって、図5のような構成にすることによって、平面的には場所をとるが、ビーム間隔はpに揃えることができる。
【0024】
各光源として、個別に制御可能な複数のビームを出射できる光源にすることで、一つの感光体上を複数の走査線が走査する、いわゆるマルチビーム光走査装置を実現できるため、更なる高速化を実現することができる。
【0025】
図7は、本発明をカラーレーザプリンタに適用した構成を説明する図である。
同図において、符号10は給紙カセット、11は転写シート、12は搬送ベルト、13は感光体、14は帯電チャージャ、15は現像装置、16は転写チャージャ、17はクリーニング装置、19はレジストローラ対、20はベルト帯電チャージャ、21は分離チャージャ、22は除電チャージャ、23はベルトクリーナ、24は定着装置、25は排紙ローラ対、26は排紙トレイ、27は光偏光器としてのポリゴンミラー、28、29は走査レンズ、Mは折り返しミラーをそれぞれ示す。折り返しミラーの表示方法は図2に準ずる。ただし、色を特定せず一般的に言うときは、第1折り返しミラーをM1,第2折り返しミラーをM2というときがある。
【0026】
装置内下部に給紙カセット10が配置され、その上部に給紙カセット10から給紙されるシート状記録媒体である転写紙Sを搬送する搬送ベルト12が設けられている。搬送ベルト12の上には4個の感光媒体13Y、13M、13C、13Kが図の如く搬送ベルト12の周面上に沿って配置される。
以下の説明において、添え字Y、M、C、Kはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒に関連することを示す。感光媒体13Y、13M、13C、13Kはいずれも光導電性の感光体(以下、感光体13Y〜13Kと呼ぶ)である。
【0027】
感光体13Y〜13Kは同一径に形成され、各感光体の周囲には画像形成プロセスに従うプロセス手段が順に配設されている。感光体13Yを例にとれば、帯電手段14Y、現像装置15Y、転写チャージャ16Y、クリーニング装置、17Y等が配設されている。
【0028】
感光体13Y〜13Kは転写紙Sの搬送路の上流側から下流側へ向かって、即ち、図の右側から左側へ向かって等間隔に配設されている。搬送ベルト12の周囲には、感光体13Kの上流側にレジストローラ19とチャージャ20が設けられ、感光体13Kの下流側には分離手段21、除電手段22、ベルトクリーナ23が設けられている。転写紙搬送路の終端は排出ローラ25であり、画像形成装置の天板を兼ねた排紙トレイ26上に転写紙を排出するようになっている。
【0029】
図示されていないが、4個の発光源が設けられ、これら4個の発光源から4本の光ビームが放射される。この場合はシングルビーム方式の書込となる。一方これを4群と見て、1群あたり複数の光ビームを含んでいるとするとマルチビーム方式の書込となる。
【0030】
感光体13Y〜13Kの配列の上部には、ポリゴンミラー27が配設されている。ポリゴンミラー27により偏向された4本の光ビームは、共通の走査レンズ28を通過した後、第1の折返しミラー M1により光路分離され、第2の折返しミラー M2により、光走査すべき感光体13Y〜13Kに導光され、それぞれが被走査面側の走査レンズ29Y〜29Kを通過し、感光体13Y〜13Kに光スポットを形成して光走査を行う。
【0031】
例えば、複数色モード、たとえばフルカラーモードを実行する場合は、感光体13Y〜13Kの個々に対し、光走査を含む画像形成プロセスが実行される。1例として感光体13Yに対する画像形成を説明すると、この感光体13Yを光走査するべき光ビームは、イエロー画像情報により変調される。
感光体13Yは時計方向へ等速回転しつつ、帯電手段14Yにより均一帯電され、上記光ビームにより光走査されて「イエロー画像」を書き込まれ、イエロー画像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置15Yにより現像されて「イエロートナー画像」として可視化される。このようにして感光体13Y上にイエロートナー画像が形成される。
【0032】
同様にして、感光体13M上にはマゼンタトナー画像、感光体13C上にはシアントナー画像、感光体13K上には黒トナー画像がそれぞれ形成される。これら各色トナー画像を転写されるべき転写紙11はカセット10から給紙され、レジストローラ19によりタイミングを計って搬送ベルト12上に乗せ掛けられる。このとき、ベルト帯電チャージャ20が転写紙11に向かって放電し、転写紙11を搬送ベルト12に静電吸着させる。
【0033】
搬送ベルト12に吸着された転写紙11は、搬送ベルトの反時計回りの回転に従って搬送され、転写チャージャ16Yによりイエロートナー画像を感光体13Yから、転写チャージャ16Mによりマゼンタトナー画像を感光体13Mから、転写チャージャ16Cによりシアントナー画像を感光体13Cから、転写チャージャ16Kにより黒トナー画像を感光体13Kからそれぞれ転写される。各色トナー画像は、転写紙11上で互いに重ね合わせられカラー画像を形成する。
ついで、分離チャージャ21が転写紙11を除電すると、転写紙11は自身の腰の強さにより搬送ベルト12から分離し、定着装置24でカラー画像を定着させた後、排紙ローラ対25により排紙トレイ26に排出される。
【0034】
上記構成において、ポリゴンミラー27で偏向されて共通の走査レンズ28を通った光ビームは、第1の折り返しミラーM1の近傍で収束するように、調整されている。そのため、ビーム間隔はかなり小さく設定することができる。ビームの収束位置は、必ずしも折り返しミラーの位置が最適というわけではない。むしろ、当該ミラーに当たる直前にあるミラーの位置、たとえば、折り返しミラーMY1に入るビームであれば、ミラーMM1に一番近いところで収束する方がビーム間隔をより小さくすることができる。
【0035】
図8はビームの収束位置を直前のミラー近傍に設定した例を示す光路図である。
隣接するビーム用のミラーで光束を阻止されないところまでビーム間隔を小さくすることができる。
【0036】
さらに、ポリゴンミラー27から第1折り返しミラーM1までの光学系を考えると、光束の発散角が一定であると仮定した場合、全体として、最もビーム間隔を小さくできるのは、ポリゴンミラー27の偏向面の位置と、第1折り返しミラーM1の位置とで光束の広がりがほぼ同程度になるときである。その場合収束点はポリゴンミラー27と第1折り返しミラーM1のほぼ中間点になる。したがって、ここで、ミラーの近傍というのは、上記中間点付近までを含むものとする。
【0037】
図9はポリゴンミラーの偏向面の位置と、最も遠い折り返しミラーの反射面の位置とにおける光束の広がりをほぼ等しくした例を示す光路図である。
同図のように構成すると、ポリゴンミラーの偏向面の位置における光束の広がりそのものを小さくすることができるので、ビーム間隔を小さくすることが可能である。ただし、実際には折り返しミラーを、光束丁度の大きさに合わせることができず、余裕を持たせることと、取り付け枠の大きさ等を考慮すると、偏向面の位置における光束の大きさより、反射面の位置における光束の方を小さくした方が有利である。すなわち、収束点は上記中間点よりも折り返しミラー側に近づけた方がよい。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ビーム間隔を小さくすることによって装置全体を小型化できる。
請求項2に記載の発明によれば、光偏向器を共通化することで熱の発生源を抑え光走査装置内の環境変動を低減でき、併せて、装置の小型化にもきよできる。
【0039】
請求項3に記載の発明によれば、各ビームで共通に用いられる光学系を多くすることでより一層小型化ができる。
請求項4に記載の発明によれば、環境変動に強い光走査装置を提供できる。
【0040】
請求項5に記載の発明によれば、色ずれを抑えた光走査装置を提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、高速書込可能な光走査装置を提供できる。
請求項7に記載の発明によれば、上記光走査装置を搭載した画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するカラー画像形成装置の光路を説明するための図である。
【図2】黒を含む4色カラー画像形成装置の、ポリゴンミラー5以降の光学系の配置を示す断面図である。
【図3】従来行われていた光学系の構成を説明するための部分図である。
【図4】本発明を実施した場合の光学系の構成を説明するための部分図である。
【図5】4つの光ビームをポリゴンミラー5に入射させるための光路図である。
【図6】階段状折り返しミラーの構成を示す図である。
【図7】本発明をカラーレーザプリンタに適用した構成を説明する図である。
【図8】ビームの収束位置を直前のミラー近傍に設定した例を示す光路図である。
【図9】ポリゴンミラーの偏向面の位置と、最も遠い折り返しミラーの反射面の位置とにおける光束の広がりをほぼ等しくした例を示す光路図である。
【符号の説明】
1 発光源
2 カップリングレンズ
3 アパーチャ
4 シリンドリカルレンズ
5 ポリゴンミラー
6 折り返しミラー
7 第1走査レンズ
8 第2走査レンズ
9 被走査面
10 給紙カセット
11 転写シート
12 搬送ベルト
13 感光体
14 帯電チャージャ
15 現像装置
16 転写チャージャ
17 クリーニング装置
19 レジストローラ対
20 ベルト帯電チャージャ
21 分離チャージャ
22 除電チャージャ
23 ベルトクリーナ
24 定着装置
25 排紙ローラ対
26 排紙トレイ
27 ポリゴンミラー
28 走査レンズ
29 走査レンズ
Claims (7)
- 複数の発光源から放射された光ビームが、共通な光学系を経由した後、各々異なる被走査面上に走査線を形成する光走査装置であって、各光ビームの光路を分離するための光路分離手段を有し、各光ビームは該光路分離手段近傍で副走査方向に関して収束していることを特徴とする光走査装置。
- 請求項1に記載の光走査装置において、前記共通な光学系には少なくとも光偏向器を含み、該光偏向器を等角速度的に偏向させることで被走査面上に走査線を形成することを特徴とする光走査装置。
- 請求項1または2に記載の光走査装置において、前記共通な光学系には、fθ機能を有する光学素子を少なくとも1つ有することを特徴とする光走査装置。
- 請求項3に記載の光走査装置において、前記共通な光学系としての光学素子は、副走査方向には弱いパワーしか有さないことを特徴とする光走査装置。
- 請求項3または4に記載の光走査装置において、各光ビームは、前記光学素子に対して副走査方向に関しほぼ垂直に入射することを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記各々異なる被走査面上に形成される走査線の本数が複数である、マルチビーム光走査装置であることを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光走査装置を用い、前記被走査面を感光性の像担持体としたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002271668A JP2004109462A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 光走査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002271668A Pending JP2004109462A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 光走査装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009003124A (ja) * | 2007-06-20 | 2009-01-08 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 光走査装置 |
JP2016065997A (ja) * | 2014-09-25 | 2016-04-28 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置 |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271668A patent/JP2004109462A/ja active Pending
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