JP2004109454A - ベルト定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力を軽減し、蛇行防止部材の剥がれを防止し、定着ベルトの寿命向上を図ることができるベルト定着装置を提供する。
【解決手段】定着ベルトの両端部に、定着ベルトの蛇行を防止するための蛇行防止部材を内側に突出して設け、蛇行防止部材に逆テーパ面を形成し、ベルトローラに逆テーパ面に当接するテーパ面を形成する。逆テーパ面を蛇行防止部材の内側方向を向くように形成し、テーパ面をベルトローラの外側方向を向くように形成する。加圧ローラと対向する側に、ベルトローラとの間で定着ベルトを挟圧する補助ローラを配設する。ベルトローラに、その軸方向に直交し、かつテーパ面に続く垂直当接面を形成し、蛇行防止部材に、垂直当接面に当接する当たり面を形成する。ローラ面の面粗さよりテーパ面の面粗さを粗く形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】定着ベルトの両端部に、定着ベルトの蛇行を防止するための蛇行防止部材を内側に突出して設け、蛇行防止部材に逆テーパ面を形成し、ベルトローラに逆テーパ面に当接するテーパ面を形成する。逆テーパ面を蛇行防止部材の内側方向を向くように形成し、テーパ面をベルトローラの外側方向を向くように形成する。加圧ローラと対向する側に、ベルトローラとの間で定着ベルトを挟圧する補助ローラを配設する。ベルトローラに、その軸方向に直交し、かつテーパ面に続く垂直当接面を形成し、蛇行防止部材に、垂直当接面に当接する当たり面を形成する。ローラ面の面粗さよりテーパ面の面粗さを粗く形成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを用いた画像形成装置としての複写機および印刷機などに適用されるベルト定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、画像形成装置に適用される定着装置には、熱ローラ定着方式が採用されてきた(例えば、特許文献1。)。熱ローラ定着方式は、表面が非粘着性の定着ローラ(ベルトローラ)と、この定着ローラに対向する加圧ローラとの間に、トナー画像が転写された記録紙(記録媒体)を通過させて画像を定着(融着)させる方式である。
【0003】
近年、画像形成装置はカラー化の傾向にあって、その割合は高まりつつあると言える。カラー画像形成装置は、4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナー(着色粉末)を溶融して紙に定着させるものであり、中間色を作り出す際には、定着部において均一にトナーを溶融して加圧する機能を必要とする。このため、カラー画像形成装置は、白黒画像形成装置に用いる定着ローラを使用することはできず、シリコーンゴムなどの耐熱性のあるゴム部材で弾性層を形成した定着ローラが用いられている。
【0004】
しかし、カラー画像形成装置の定着ローラは、白黒画像形成装置の定着ローラと比較しても熱容量が大きいため、定着に必要な温度に昇温するのに時間がかかり、また、定着ローラを所定温度に維持する消費電力も大きくなるという問題がある。
【0005】
そこで、これらの問題を解決するためにベルト定着方式を採用した定着装置の開発が盛んに行われている(例えば、特許文献2。)。ベルト定着方式は、加熱された無端状の定着ベルトを駆動するベルトローラと、ベルトローラに対向して配置される加圧ローラとの間に定着ベルトを挟み、この定着ベルトからの熱を記録紙に伝え、未定着トナー画像をベルト面で加熱し、記録紙に完全な画像を定着させる方式である。
【0006】
定着ベルトは、主にポリイミドなどの耐熱性の樹脂フィルムから基体が形成され、その上に弾性層としてのシリコーンゴムが形成されたものが一般的である。最近では、シリコーンゴム上にPTFEやPFAなどの離型層を被覆したものもある。
【0007】
しかしながら、ベルト定着方式には、定着ベルトが蛇行するという問題がある。蛇行は、ローラの傾きやローラの膨潤などにより生じる現象であり、定着ベルトがベルトローラの軸方向(定着ベルトの幅方向)にずれながら曲がりくねって動く現象である。蛇行が生じると、ベルトローラの端部に定着ベルトが擦れて、定着ベルトが損傷したり、記録紙の搬送性が悪くなり記録紙に皺が発生したり、記録紙の紙づまりが発生したりすることがある。
【0008】
このような問題の解決を図るために、寄り止め用の蛇行防止部材を無端ベルトの端部に接着したベルト定着装置がある(図6)。図示するように、蛇行防止部材46は、弾性体としてのゴムなどでできた部材を接着により取り付けたもので、この蛇行防止部材46がベルトローラ47の端部48に引っかかり、ストッパーとして機能することにより蛇行が防止されるようになっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−221865号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−89593号公報(第4頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のベルト定着装置44では、解決すべき以下の問題点がある。
【0011】
蛇行防止部材46は、定着ベルト45の端部48に接着されているだけであり、耐久性が低く、定着ベルト45に横方向(剪断方向)からの力が作用すると、剥がれる場合がある。蛇行防止部材46の接着力は、力の作用方向に対する異方性を有していて、接着面49に対して縦方向(引張方向又は圧縮方向)の力に対しては強い性質があるものの、接着面49に対して横方向の力に対しては弱い性質があるためである。
【0012】
このため、定着用ベルト45が蛇行し、横方向の力が作用すると、蛇行防止部材46と定着ベルト45の接着面49に剪断力が作用して、蛇行防止部材46が接着面49から剥がれたり、破壊したりすることがある。
【0013】
本発明は、上記した点に鑑み、蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力を軽減し、蛇行防止部材の剥がれを防止し、定着ベルトの寿命向上を図ることができるベルト定着装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、トナー画像を定着させる定着ベルトと、該定着ベルトを駆動させるベルトローラと、該ベルトローラとの間で該定着ベルトを挟圧する加圧ローラとを備え、該トナー画像が形成されたシート状の記録媒体を該定着ベルトと該加圧ローラとの間に通すことにより、トナーを該記録媒体に融着する画像形成装置のベルト定着装置において、前記定着ベルトの両端部には、該定着ベルトの蛇行を防止するための蛇行防止部材が内側に突出して設けられ、該蛇行防止部材には逆テーパ面が形成され、前記ベルトローラには逆テーパ面に当接するテーパ面が形成されたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、トナー画像が形成されたシート状の記録媒体が、ベルトローラにより回転駆動される定着ベルトと加圧ローラとの間に通されると、トナーが加熱・加圧されて記録媒体上で融着し、完全な画像が形成される。
そして、定着ベルトが横ずれした際に、蛇行防止部材の逆テーパ面とベルトローラのテーパとが当接することで、横方向の動きが規制されて蛇行が防止される。このとき、蛇行防止部材に作用する力が、テーパ面における摩擦力と垂直抗力とに分解されて、蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力が減少する。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のベルト定着装置において、前記逆テーパ面が前記蛇行防止部材の内側方向を向いて形成され、前記テーパ面が前記ベルトローラの外側方向を向いて形成されたことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、定着ベルトが横ずれした際に、逆テーパ面とテーパ面とが互いに当接し、逆テーパ面がテーパ面から外側方向の抗力を受け、定着ベルトに引張力が作用する。このため、定着ベルトにキンクなどが入りずらくなり、定着ベルトの寿命が向上する。
【0018】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のベルト定着装置において、前記加圧ローラと対向する側に位置し、前記ベルトローラとの間で前記定着ベルトを挟圧する補助ローラが配設されたことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、定着ベルトに横ずれが生じて、蛇行防止部材の逆テーパ面が抗力を受けた際に、その抗力の垂直方向分力が定着ベルトを補助ローラに押し付ける方向に作用し、定着ベルトが補助ローラに押し返されて、定着ベルトの変形が防止される。
【0020】
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のベルト定着装置において、前記ベルトローラには、その軸方向に直交し、かつ前記テーパ面に続く垂直当接面が形成され、前記蛇行防止部材には、該垂直当接面に当接する当たり面が形成されたことを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、定着ベルトが横ずれした際に、垂直当接面と当たり面とが互いに当接することで、定着ベルトがベルトローラに引っかかり、蛇行が確実に防止される。
【0022】
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載のベルト定着装置において、前記テーパ面の面粗さが、前記無端ベルトが巻かれる前記ベルトローラのローラ面の面粗さより粗く形成されたことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、蛇行防止部材とベルトローラとが当接した際の摩擦力が大きくなり、定着ベルトの横ずれが規制されて、蛇行が防止される。また、蛇行防止部材の接着面に作用するせん断力も減少し、蛇行防止部材の剥がれや損傷が防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1には本発明に係るベルト定着装置の全体構成を示す。このベルト定着装置10は、画像形成装置としてのコピー機(複写機)や、ファクシミリや、プリンター(印刷機)等に適用されるものである。画像形成装置は、電子写真プロセスにより、記録媒体としての記録紙にトナー画像を形成する装置である。記録紙は、普通紙や厚紙などに限られず、OHPシートなどの特殊シートであってもよい。
【0025】
先ず、図1に示すベルト定着装置10の概略構成を説明してから、特許請求の範囲の請求項1〜5に対応する第1〜第3の実施形態について説明していくこととする。
【0026】
図1に示すように、ベルト定着装置10は、記録紙(記録媒体)12に画像を定着させるための定着ベルト17と、中央に加熱源を有する加熱ローラ20と、モータ等の駆動源により回転駆動されるベルトローラ25と、ベルトローラ25との間で定着ベルト17を挟圧する加圧ローラ30とを備えている。
【0027】
加熱ローラ20は、中空パイプ状の芯金21と、加熱源としてハロゲンヒータ22とを備えている。芯金21は、熱伝導率の良好なアルミニウム合金製である。アルミニウム合金を構成材料とすることで、加熱ローラ20の温度分布が一様になり温度むらが防止される。加熱ローラ20の外面にはアルマイト処理により酸化アルミニウム層が形成されていて、定着ベルト17との摩擦による摩耗が軽減されている。
【0028】
芯金21を中空パイプ状としたのは、加熱ローラ20を低熱容量化して、所定の温度に昇温するまでの立ち上がり時間を短くするためである。なお、芯金21はアルミニウム合金製に限らずに、銅合金製やステンレス鋼製にすることもできる。
【0029】
加熱ローラ20は、加熱源としてのハロゲンヒータ22により所定の温度に加熱されるようになっている。加熱ローラ20の温度は、温度検知手段としてのサーミスタにより測定され、そのときの測定温度に応じてハロゲンヒータ22が図示しないコントローラでオン−オフ制御されるようになっている。ハロゲンヒータ22には700W程度のものが用いられ、加熱ローラ20の温度はコントローラにより160℃程度に温度制御される。
【0030】
加熱ローラ20は、その両端が図示しないばねにより支持されていて、加熱ローラ20に巻かれる定着ベルト17が、0.1〜0.3N(1〜3kgf)程度の力で引っ張られている。
【0031】
図2に示すように、定着ベルト17は、耐熱性(200℃以上)の高いPI(ポリイミド)を基体17aとし、シリコーンゴム(ゴム硬度は25°程度)を弾性層17bとし、フッ素樹脂を離型層17cとする、3層構造を成している。
【0032】
基体17aは、50〜90μmの厚みに形成され、弾性層17bのシリコーンゴムは200〜300μmの厚みに形成されている。弾性体としてのシリコーンゴムを用いたのは、膜厚のばらつきや当りの不均一さを吸収し、均一に記録紙12に画像を定着させるためである。
【0033】
離型層17cは、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)や、PFA(四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)や、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂)などのフッ素系樹脂、またはこれらの樹脂の混合物、耐熱性樹脂にこれらフッ素系樹脂を分散させたものなどが10〜30μm程度の厚みに形成されている。この離型層17cを厚くしすぎるとシリコーンゴムの持つ弾性が失われ画像に光沢ムラなどが生じる関係から、このような寸法に設定されている。
【0034】
なお、定着ベルト17は、高耐熱性で定着性に優れるものであれば、ポリイミド製に限らず、ポリアミド製やニッケル製やステンレス鋼製やゴム製などにすることもできる。
【0035】
定着ベルト17は、記録紙12に画像を定着させるための無端形状の平形ベルトであり、加熱ローラ20とベルトローラ25とに所定の張力で架設されている。すなわち、定着ベルト17の一方は加熱ローラ20に巻掛けられ、他方はベルトローラ25に巻掛けられ、両方のローラ20,25に張架されている。
【0036】
定着ベルト17は、所定の巻き付け角で、加熱ローラ20に巻き付いているため、加熱ローラ20からの熱が伝導されやすいようになっている。巻き付け角が大きい程、熱が定着ベルト17に伝わりやすくなり、定着ベルト17のすべりも減少する。定着ベルト17は、加圧ローラ30と同程度の温度になるように温度制御されている。
【0037】
ベルトローラ25は、ローラ部26と、軸部28とからなっている。ローラ部26と軸部28とは一体に形成されていて、軸部28が駆動源としての図示しないモータにより回転駆動されることで、ローラ部26が時計方向に回転駆動されるようになっている。
【0038】
ローラ部26は、金属製の筒体に弾性層としてシリコーンゴムが被覆されたものであり、胴体部のローラ面26aには定着ベルト17が巻き付き、両端部27,27のテーパ面27a,27aには蛇行防止部材38が接触するようになっている。シリコーンゴムの厚みは、5〜10mmに形成されている。
【0039】
なお、シリコーンゴム上にはPFA等のフッ素系樹脂を被覆することもできる。PFAは、フッ素ゴムやフッ素ラテックスなどと比較して耐摩耗性が高く、定着ベルト17の端部がベルトローラ25の表面に接触した際に擦過痕が生じないからである。PFAには導電性タイプのものを使用し、導電性シリコーンゴムに導電性PFAを被覆することにより定着ベルト17の帯電量が減少し、定着ベルト17に対する記録紙12の粘着を防止することができる。
【0040】
加圧ローラ30は、中空パイプ状の芯金31と、加熱源としてのハロゲンヒータ32とを備えている。芯金31は、鉄やアルミニウム合金などの熱伝導性の良い金属を構成材料としている。芯金31には、シリコーンゴムが被覆され、さらにその上に非粘着性の離型層としてのPFAなどのフッ素系樹脂が被覆されている。シリコーンゴム層の厚みは1mm程度に形成されている。シリコーンゴム層が厚過ぎると、定着ベルト17に対する加圧力が低下し、トナー13画像の定着性が低下するからである。
【0041】
加圧ローラ30の内側には、加熱源としてハロゲンヒータ32が配設されている。ハロゲンヒータ32は、図示しないサーミスタにより測定された加圧ローラ30の温度が、所定の温度になるように、図示しないコントローラによりオン−オフ制御されている。
【0042】
この加圧ローラ30は、図示しないばねなどの弾性体によりベルトローラ25を加圧する向きに付勢されていて、ベルトローラ25に接する位置で、加熱ローラ20寄りに配設されている。このように加圧ローラ30の位置をずらすことで、ニップ部(定着部)33の接触領域を長くすることができ、定着性が向上する。また、定着ベルト17が内側に押されることで、ベルトローラ25及び加熱ローラ20に対する定着ベルト17の巻き付け角も大きくなり、定着ベルト17のすべりが防止されるようにもなっている。殊に、ベルトローラ25と加熱ローラ20との軸間距離が短い程、上記の効果が高まる。
【0043】
ベルトローラ25は、図示されていないモータ等の駆動源によって回転駆動され、ベルトローラ25の回転によって定着ベルト17が時計方向に回転する。そして、定着ベルト17が回転することにより、加圧ローラ30が反時計方向に、加熱ローラ20が時計方向にそれぞれ従動回転する。これらの回転により、加熱ローラ20の下側からガイド板14に沿って供給された記録紙12が、トナー13画像が定着ベルト17に接する向きで、ベルトローラ25と加圧ローラ30とで形成されるニップ部33を通過することにより、トナー13が熱と圧力により溶融し、記録紙12に完全な画像が定着されるようになっている。
【0044】
以下に、各請求項ごとの実施形態を説明する。
図3には、請求項1及び請求項2に係る発明の第1の実施形態を示す。図示するように、本実施形態のベルト定着装置10は、定着ベルト17の両端部18(一方のみ図示する)に設けられた蛇行防止部材38に逆テーパ面38aを形成し、蛇行防止部材38が当接するベルトローラ25の両端部27(一方の端部のみ図示する)にテーパ面27aを形成したことを特徴とする。
【0045】
定着ベルト17がベルトローラ25により駆動されて回転を続けると、定着ベルト17のトルクむら等により、定着ベルト17が横ずれ(図中、矢印mの向き)して蛇行を生ずることがある。このような蛇行を防止するために、定着ベルト17の両端部17には蛇行防止部材38が接着されている。
【0046】
蛇行防止部材38は、定着ベルト17の内側に突出していて、両端部に設けられているから、定着ベルト17の左右方向の横ずれが防止されるようになっている。蛇行防止部材38は、定着ベルト17の周方向に連続的に一体形成されているが、所定の間隔を開けて断続的に形成してもよい。
【0047】
蛇行防止部材38には、内側方向を向く逆テーパ面38aが形成されている。ベルトローラ25には、外側方向を向くテーパ面27aが形成されている。このように、逆テーパ面38aを内向きに形成し、テーパ面27aを外向きに形成したことが本発明の第2の特徴である。
【0048】
定着ベルト17の幅は、ベルトローラ25のローラ部26より長く形成されていて、蛇行防止部材38はベルトローラ25の両端部27の外側に位置している。このため、ベルトローラ25は両側の蛇行防止部材38に挟まれる格好になり、回転中に定着ベルト17が横ずれすると、逆テーパ面38aがテーパ面27aに当接し、蛇行防止部材38には内側から外側に向かって横向きの力Fが作用し、定着ベルト17の蛇行が防止されるようになっている。
【0049】
蛇行防止部材38に働く横向きの力Fによって、定着ベルト17には引張力が作用する。このため、材質的に引張りに強く、圧縮に弱い定着ベルト17の損傷が防止され、例えば、キンク等の発生が防止されて、定着ベルト17の寿命が向上する。
【0050】
また、蛇行防止部材38に働く横向きの力Fは、逆テーパ面38aによって摩擦力a1と垂直抗力a2とに分解され、さらに、垂直抗力a2は水平方向分力と垂直方向分力とに分解される。そして、水平方向分力は蛇行防止部材38の接着面39に剪断力を作用させる。この剪断力は、従来のベルト定着装置44の蛇行防止部材46に作用する剪断力と比較して小さな値となるため、蛇行防止部材38と定着ベルト17の接着強度が剪断方向に弱くても、蛇行防止部材38が定着ベルト17から剥がれたり、損傷したりすることが防止される。
【0051】
この第1の実施形態によれば、定着ベルト17が横ずれした際に、蛇行防止部材38の逆テーパ面38aとベルトローラ25のテーパ面27aとが当接することで、蛇行が防止される。また、蛇行防止部材38に作用する横向きの力Fが逆テーパ面38aにおいて摩擦力a1と垂直抗力a2とに分解されることで、蛇行防止部材38と定着ベルト17の接着面39に作用する剪断力が小さくなり、蛇行防止部材38が定着ベルト17から剥がれることが防止される。
【0052】
さらにまた、定着ベルト17が横ずれした際に、逆テーパ面38aとテーパ面27aとが互いに当接し、蛇行防止部材38が内側から外側に向かう方向に力を受けることで、定着ベルト17には引張力が作用する。このため、圧縮力に弱い定着ベルト17の損傷が防止され、定着ベルト17の長寿命化を図ることができる。
【0053】
図4には、請求項3に係る発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態と前記実施形態の同一構成部分については同一符号を付して説明する。本実施形態のベルト定着装置10は、ベルトローラ25の外側で加圧ローラ30と対向する側に、ベルトローラ25との間で定着ベルト17を挟圧する補助ローラ35が配設されたことを特徴とする。
【0054】
補助ローラ35は、その中心に挿通された軸36の回りを回動自在に回転する。この補助ローラ35は、軸36の両側に2つ(1つしか図示せず)設けられていて、蛇行防止部材38に対向する位置にある。補助ローラ35は、ばね等の弾性体により定着ベルト17を付勢していて、定着ベルト17とともに回転する。補助ローラ35の回転方向は、定着ベルト17の回転する方向の反対方向となる。
【0055】
定着ベルト17が横ずれした場合は、蛇行防止部材38に図示する矢印の横向きの力Fが働き、定着ベルト17がベルトローラ25から離れる方向に変形しようとする。しかし、定着ベルト17は補助ローラ35に押し返されるため、変形できず、定着ベルト17の損傷が防止される。
【0056】
この第2の実施形態によれば、定着ベルト17に横ずれが生じて、蛇行防止部材38がベルトローラ25から力を受けた際に、定着ベルト17が補助ローラ35に押し返されることで、定着ベルト17の変形が防止される。このため、定着ベルト17の損傷が防止され、長寿命化が図られる。
【0057】
図5には、請求項4に係る発明の第3の実施形態を示す。
本実施形態と前記実施形態の同一構成部分については同一符号を付して説明する。本実施形態のベルト定着装置10は、ベルトローラ25のテーパ面27aに続く裾側の縁部に垂直当接面27bが形成され、蛇行防止部材38にこの垂直当接面27bに当接する当たり面38bが形成されたことを特徴とする。
【0058】
ベルトローラ25の垂直当接面27bは、テーパ面27aとローラ面26aとを連ねる連設面であり、蛇行防止部材38の当たり面38bは、逆テーパ面38aに続く垂直面である。図示する矢印mの向きに定着ベルト17が横ずれした場合は、ベルトローラ25の垂直当接面27bに蛇行防止部材38の当たり面38bが当接することで、定着ベルト17の蛇行が防止されるようになっている。
【0059】
蛇行防止部材38は、ベルトローラ25の垂直当接面27bとテーパ面27aの2面で拘束されている。定着ベルト17が横ずれした際は、テーパ面27aに蛇行防止部材38の逆テーパ面38aが接触し、続いて垂直当接面27bに蛇行防止部材38の当たり面38bが接触する。先に、垂直当接面27bと当たり面38bとが接触すると、テーパ面27aと逆テーパ面38aとが接触できないからである。
【0060】
テーパ面27aと逆テーパ面38aとが接触することで、ベルトローラ25に巻かれた定着ベルト17の厚み方向の位置が規制され、垂直当接面27bと当たり面38bとが接触することで、定着ベルト17の幅方向の位置が規制される。このため、定着ベルト17に横ずれが生じても、蛇行が確実に防止されるとともに、定着ベルト17の安定した回転が維持されるようになっている。
【0061】
この第3の実施形態によれば、定着ベルト17に横ずれが生じた場合に、垂直当接面27bと当たり面38bとが互いに当接することで、定着ベルト17の蛇行が確実に防止される。
【0062】
請求項5に係る発明は、第1〜第3の実施形態のベルト定着装置10に適用できるものである。この発明は、ベルトローラ25のローラ面26aの面粗さより、テーパ面27aの面粗さを粗く形成したことを特徴とするものである。
【0063】
テーパ面27aの面粗さを粗くするには、梨地状の凹凸面を有するPFAなどのフッ素系樹脂を被覆することが有効である。この場合、ローラ面26aには、他の合成樹脂などを被覆して平滑面となるようにする。
【0064】
上記構成によれば、定着ベルト17の横ずれにより蛇行防止部材38とベルトローラ25とが当接した際に、摩擦力a1が大きくなることでその分だけ垂直抗力a2が小さくなり、蛇行防止部材38の接着面39に作用する剪断力が減少し、蛇行防止部材38の剥がれや損傷が防止される。
【0065】
なお、前記の実施形態から把握できる請求項記載以外の技術思想について、以下にその効果とともに記載する。
蛇行防止部材38を、ベルトローラ25のテーパ面27aと、このテーパ面27aに続く垂直当接面27bの2面とで同時に拘束することを特徴する。
このようにすれば、定着ベルト17に蛇行が生じた際に、定着ベルト17はその厚み方向と幅方向の2方向に同時に位置決めされ、定着ベルト17の蛇行が確実に防止される。
【0066】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、定着ベルトの両端部には、逆テーパ面を有する蛇行防止部材が設けられているから、定着ベルトが横ずれした際に、蛇行防止部材の逆テーパ面がベルトローラのテーパ面に当接することで、定着ベルトの蛇行が規制される。蛇行防止部材がベルトローラから受ける力は、蛇行防止部材の逆テーパ面によってテーパ面に沿う方向の摩擦力と垂直抗力とに分解されるから、蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力が減少する。
従って、蛇行防止部材が接着面から剥がれることを防止でき、定着ベルトの長寿命化を図ることができ、ベルト定着装置の性能を高めることができる。
【0067】
また、請求項2記載の発明によれば、逆テーパ面が定着ベルトの内向きに形成され、テーパ面がベルトローラの外向きに形成されているから、定着ベルトが横ずれした際に、逆テーパ面がテーパ面に当接して抗力を受け、定着ベルトには引張力が作用する。
従って、圧縮に弱い定着ベルトに圧縮力が作用せず、キンクなどが入りずらくなり、定着ベルトの寿命が向上する。
【0068】
また、請求項3記載の発明によれば、ベルトローラとの間で定着ベルトを挟圧する補助ローラが配設されているから、定着ベルトに横ずれが生じて、蛇行防止部材の逆テーパ面に垂直抗力が働いた際に、その垂直抗力の垂直方向分力が定着ベルトを補助ローラに押し付ける方向に作用することで、定着ベルトの変形が防止される。
従って、蛇行防止部材の剥がれや定着ベルトの損傷を防止することができ、定着ベルトの長寿命化を図ることができる。
【0069】
また、請求項4記載の発明によれば、ベルトローラには垂直当接面が形成され、蛇行防止部材には当たり面が形成されているから、定着ベルトに横ずれが生じた場合に、垂直当接面と当たり面とが互いに当接することで、定着ベルトの横方向のすべりが防止される。
従って、定着ベルトの蛇行を確実に防止することができる。
【0070】
また、請求項5記載の発明によれば、ベルトローラのテーパ面の面粗さが粗く形成されているから、蛇行防止部材とベルトローラとが当接した際の摩擦力が大きくなり、その分だけ蛇行防止部材に垂直抗力が小さくなり、これによって蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力が小さくなる。
従って、蛇行防止部材の剥がれや損傷が防止され、定着ベルトの長寿命化が図られ、ベルト定着装置の性能が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト定着装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す定着ベルトの断面図である。
【図3】図1に示すベルト定着装置の第1の実施形態を示す図である。
【図4】図1に示すベルト定着装置の第2の実施形態を示す図である。
【図5】図1に示すベルト定着装置の第3の実施形態を示す図である。
【図6】従来のベルト定着装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ベルト定着装置
12 記録紙(記録媒体)
17 定着ベルト
20 加熱ローラ
25 ベルトローラ
27a テーパ面
27b 垂直当接面
30 加圧ローラ
35 補助ローラ
38 蛇行防止部材
38a 逆テーパ面
38b 当たり面
39 接着面
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを用いた画像形成装置としての複写機および印刷機などに適用されるベルト定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、画像形成装置に適用される定着装置には、熱ローラ定着方式が採用されてきた(例えば、特許文献1。)。熱ローラ定着方式は、表面が非粘着性の定着ローラ(ベルトローラ)と、この定着ローラに対向する加圧ローラとの間に、トナー画像が転写された記録紙(記録媒体)を通過させて画像を定着(融着)させる方式である。
【0003】
近年、画像形成装置はカラー化の傾向にあって、その割合は高まりつつあると言える。カラー画像形成装置は、4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナー(着色粉末)を溶融して紙に定着させるものであり、中間色を作り出す際には、定着部において均一にトナーを溶融して加圧する機能を必要とする。このため、カラー画像形成装置は、白黒画像形成装置に用いる定着ローラを使用することはできず、シリコーンゴムなどの耐熱性のあるゴム部材で弾性層を形成した定着ローラが用いられている。
【0004】
しかし、カラー画像形成装置の定着ローラは、白黒画像形成装置の定着ローラと比較しても熱容量が大きいため、定着に必要な温度に昇温するのに時間がかかり、また、定着ローラを所定温度に維持する消費電力も大きくなるという問題がある。
【0005】
そこで、これらの問題を解決するためにベルト定着方式を採用した定着装置の開発が盛んに行われている(例えば、特許文献2。)。ベルト定着方式は、加熱された無端状の定着ベルトを駆動するベルトローラと、ベルトローラに対向して配置される加圧ローラとの間に定着ベルトを挟み、この定着ベルトからの熱を記録紙に伝え、未定着トナー画像をベルト面で加熱し、記録紙に完全な画像を定着させる方式である。
【0006】
定着ベルトは、主にポリイミドなどの耐熱性の樹脂フィルムから基体が形成され、その上に弾性層としてのシリコーンゴムが形成されたものが一般的である。最近では、シリコーンゴム上にPTFEやPFAなどの離型層を被覆したものもある。
【0007】
しかしながら、ベルト定着方式には、定着ベルトが蛇行するという問題がある。蛇行は、ローラの傾きやローラの膨潤などにより生じる現象であり、定着ベルトがベルトローラの軸方向(定着ベルトの幅方向)にずれながら曲がりくねって動く現象である。蛇行が生じると、ベルトローラの端部に定着ベルトが擦れて、定着ベルトが損傷したり、記録紙の搬送性が悪くなり記録紙に皺が発生したり、記録紙の紙づまりが発生したりすることがある。
【0008】
このような問題の解決を図るために、寄り止め用の蛇行防止部材を無端ベルトの端部に接着したベルト定着装置がある(図6)。図示するように、蛇行防止部材46は、弾性体としてのゴムなどでできた部材を接着により取り付けたもので、この蛇行防止部材46がベルトローラ47の端部48に引っかかり、ストッパーとして機能することにより蛇行が防止されるようになっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−221865号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−89593号公報(第4頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のベルト定着装置44では、解決すべき以下の問題点がある。
【0011】
蛇行防止部材46は、定着ベルト45の端部48に接着されているだけであり、耐久性が低く、定着ベルト45に横方向(剪断方向)からの力が作用すると、剥がれる場合がある。蛇行防止部材46の接着力は、力の作用方向に対する異方性を有していて、接着面49に対して縦方向(引張方向又は圧縮方向)の力に対しては強い性質があるものの、接着面49に対して横方向の力に対しては弱い性質があるためである。
【0012】
このため、定着用ベルト45が蛇行し、横方向の力が作用すると、蛇行防止部材46と定着ベルト45の接着面49に剪断力が作用して、蛇行防止部材46が接着面49から剥がれたり、破壊したりすることがある。
【0013】
本発明は、上記した点に鑑み、蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力を軽減し、蛇行防止部材の剥がれを防止し、定着ベルトの寿命向上を図ることができるベルト定着装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、トナー画像を定着させる定着ベルトと、該定着ベルトを駆動させるベルトローラと、該ベルトローラとの間で該定着ベルトを挟圧する加圧ローラとを備え、該トナー画像が形成されたシート状の記録媒体を該定着ベルトと該加圧ローラとの間に通すことにより、トナーを該記録媒体に融着する画像形成装置のベルト定着装置において、前記定着ベルトの両端部には、該定着ベルトの蛇行を防止するための蛇行防止部材が内側に突出して設けられ、該蛇行防止部材には逆テーパ面が形成され、前記ベルトローラには逆テーパ面に当接するテーパ面が形成されたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、トナー画像が形成されたシート状の記録媒体が、ベルトローラにより回転駆動される定着ベルトと加圧ローラとの間に通されると、トナーが加熱・加圧されて記録媒体上で融着し、完全な画像が形成される。
そして、定着ベルトが横ずれした際に、蛇行防止部材の逆テーパ面とベルトローラのテーパとが当接することで、横方向の動きが規制されて蛇行が防止される。このとき、蛇行防止部材に作用する力が、テーパ面における摩擦力と垂直抗力とに分解されて、蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力が減少する。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のベルト定着装置において、前記逆テーパ面が前記蛇行防止部材の内側方向を向いて形成され、前記テーパ面が前記ベルトローラの外側方向を向いて形成されたことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、定着ベルトが横ずれした際に、逆テーパ面とテーパ面とが互いに当接し、逆テーパ面がテーパ面から外側方向の抗力を受け、定着ベルトに引張力が作用する。このため、定着ベルトにキンクなどが入りずらくなり、定着ベルトの寿命が向上する。
【0018】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のベルト定着装置において、前記加圧ローラと対向する側に位置し、前記ベルトローラとの間で前記定着ベルトを挟圧する補助ローラが配設されたことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、定着ベルトに横ずれが生じて、蛇行防止部材の逆テーパ面が抗力を受けた際に、その抗力の垂直方向分力が定着ベルトを補助ローラに押し付ける方向に作用し、定着ベルトが補助ローラに押し返されて、定着ベルトの変形が防止される。
【0020】
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のベルト定着装置において、前記ベルトローラには、その軸方向に直交し、かつ前記テーパ面に続く垂直当接面が形成され、前記蛇行防止部材には、該垂直当接面に当接する当たり面が形成されたことを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、定着ベルトが横ずれした際に、垂直当接面と当たり面とが互いに当接することで、定着ベルトがベルトローラに引っかかり、蛇行が確実に防止される。
【0022】
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載のベルト定着装置において、前記テーパ面の面粗さが、前記無端ベルトが巻かれる前記ベルトローラのローラ面の面粗さより粗く形成されたことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、蛇行防止部材とベルトローラとが当接した際の摩擦力が大きくなり、定着ベルトの横ずれが規制されて、蛇行が防止される。また、蛇行防止部材の接着面に作用するせん断力も減少し、蛇行防止部材の剥がれや損傷が防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1には本発明に係るベルト定着装置の全体構成を示す。このベルト定着装置10は、画像形成装置としてのコピー機(複写機)や、ファクシミリや、プリンター(印刷機)等に適用されるものである。画像形成装置は、電子写真プロセスにより、記録媒体としての記録紙にトナー画像を形成する装置である。記録紙は、普通紙や厚紙などに限られず、OHPシートなどの特殊シートであってもよい。
【0025】
先ず、図1に示すベルト定着装置10の概略構成を説明してから、特許請求の範囲の請求項1〜5に対応する第1〜第3の実施形態について説明していくこととする。
【0026】
図1に示すように、ベルト定着装置10は、記録紙(記録媒体)12に画像を定着させるための定着ベルト17と、中央に加熱源を有する加熱ローラ20と、モータ等の駆動源により回転駆動されるベルトローラ25と、ベルトローラ25との間で定着ベルト17を挟圧する加圧ローラ30とを備えている。
【0027】
加熱ローラ20は、中空パイプ状の芯金21と、加熱源としてハロゲンヒータ22とを備えている。芯金21は、熱伝導率の良好なアルミニウム合金製である。アルミニウム合金を構成材料とすることで、加熱ローラ20の温度分布が一様になり温度むらが防止される。加熱ローラ20の外面にはアルマイト処理により酸化アルミニウム層が形成されていて、定着ベルト17との摩擦による摩耗が軽減されている。
【0028】
芯金21を中空パイプ状としたのは、加熱ローラ20を低熱容量化して、所定の温度に昇温するまでの立ち上がり時間を短くするためである。なお、芯金21はアルミニウム合金製に限らずに、銅合金製やステンレス鋼製にすることもできる。
【0029】
加熱ローラ20は、加熱源としてのハロゲンヒータ22により所定の温度に加熱されるようになっている。加熱ローラ20の温度は、温度検知手段としてのサーミスタにより測定され、そのときの測定温度に応じてハロゲンヒータ22が図示しないコントローラでオン−オフ制御されるようになっている。ハロゲンヒータ22には700W程度のものが用いられ、加熱ローラ20の温度はコントローラにより160℃程度に温度制御される。
【0030】
加熱ローラ20は、その両端が図示しないばねにより支持されていて、加熱ローラ20に巻かれる定着ベルト17が、0.1〜0.3N(1〜3kgf)程度の力で引っ張られている。
【0031】
図2に示すように、定着ベルト17は、耐熱性(200℃以上)の高いPI(ポリイミド)を基体17aとし、シリコーンゴム(ゴム硬度は25°程度)を弾性層17bとし、フッ素樹脂を離型層17cとする、3層構造を成している。
【0032】
基体17aは、50〜90μmの厚みに形成され、弾性層17bのシリコーンゴムは200〜300μmの厚みに形成されている。弾性体としてのシリコーンゴムを用いたのは、膜厚のばらつきや当りの不均一さを吸収し、均一に記録紙12に画像を定着させるためである。
【0033】
離型層17cは、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)や、PFA(四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)や、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂)などのフッ素系樹脂、またはこれらの樹脂の混合物、耐熱性樹脂にこれらフッ素系樹脂を分散させたものなどが10〜30μm程度の厚みに形成されている。この離型層17cを厚くしすぎるとシリコーンゴムの持つ弾性が失われ画像に光沢ムラなどが生じる関係から、このような寸法に設定されている。
【0034】
なお、定着ベルト17は、高耐熱性で定着性に優れるものであれば、ポリイミド製に限らず、ポリアミド製やニッケル製やステンレス鋼製やゴム製などにすることもできる。
【0035】
定着ベルト17は、記録紙12に画像を定着させるための無端形状の平形ベルトであり、加熱ローラ20とベルトローラ25とに所定の張力で架設されている。すなわち、定着ベルト17の一方は加熱ローラ20に巻掛けられ、他方はベルトローラ25に巻掛けられ、両方のローラ20,25に張架されている。
【0036】
定着ベルト17は、所定の巻き付け角で、加熱ローラ20に巻き付いているため、加熱ローラ20からの熱が伝導されやすいようになっている。巻き付け角が大きい程、熱が定着ベルト17に伝わりやすくなり、定着ベルト17のすべりも減少する。定着ベルト17は、加圧ローラ30と同程度の温度になるように温度制御されている。
【0037】
ベルトローラ25は、ローラ部26と、軸部28とからなっている。ローラ部26と軸部28とは一体に形成されていて、軸部28が駆動源としての図示しないモータにより回転駆動されることで、ローラ部26が時計方向に回転駆動されるようになっている。
【0038】
ローラ部26は、金属製の筒体に弾性層としてシリコーンゴムが被覆されたものであり、胴体部のローラ面26aには定着ベルト17が巻き付き、両端部27,27のテーパ面27a,27aには蛇行防止部材38が接触するようになっている。シリコーンゴムの厚みは、5〜10mmに形成されている。
【0039】
なお、シリコーンゴム上にはPFA等のフッ素系樹脂を被覆することもできる。PFAは、フッ素ゴムやフッ素ラテックスなどと比較して耐摩耗性が高く、定着ベルト17の端部がベルトローラ25の表面に接触した際に擦過痕が生じないからである。PFAには導電性タイプのものを使用し、導電性シリコーンゴムに導電性PFAを被覆することにより定着ベルト17の帯電量が減少し、定着ベルト17に対する記録紙12の粘着を防止することができる。
【0040】
加圧ローラ30は、中空パイプ状の芯金31と、加熱源としてのハロゲンヒータ32とを備えている。芯金31は、鉄やアルミニウム合金などの熱伝導性の良い金属を構成材料としている。芯金31には、シリコーンゴムが被覆され、さらにその上に非粘着性の離型層としてのPFAなどのフッ素系樹脂が被覆されている。シリコーンゴム層の厚みは1mm程度に形成されている。シリコーンゴム層が厚過ぎると、定着ベルト17に対する加圧力が低下し、トナー13画像の定着性が低下するからである。
【0041】
加圧ローラ30の内側には、加熱源としてハロゲンヒータ32が配設されている。ハロゲンヒータ32は、図示しないサーミスタにより測定された加圧ローラ30の温度が、所定の温度になるように、図示しないコントローラによりオン−オフ制御されている。
【0042】
この加圧ローラ30は、図示しないばねなどの弾性体によりベルトローラ25を加圧する向きに付勢されていて、ベルトローラ25に接する位置で、加熱ローラ20寄りに配設されている。このように加圧ローラ30の位置をずらすことで、ニップ部(定着部)33の接触領域を長くすることができ、定着性が向上する。また、定着ベルト17が内側に押されることで、ベルトローラ25及び加熱ローラ20に対する定着ベルト17の巻き付け角も大きくなり、定着ベルト17のすべりが防止されるようにもなっている。殊に、ベルトローラ25と加熱ローラ20との軸間距離が短い程、上記の効果が高まる。
【0043】
ベルトローラ25は、図示されていないモータ等の駆動源によって回転駆動され、ベルトローラ25の回転によって定着ベルト17が時計方向に回転する。そして、定着ベルト17が回転することにより、加圧ローラ30が反時計方向に、加熱ローラ20が時計方向にそれぞれ従動回転する。これらの回転により、加熱ローラ20の下側からガイド板14に沿って供給された記録紙12が、トナー13画像が定着ベルト17に接する向きで、ベルトローラ25と加圧ローラ30とで形成されるニップ部33を通過することにより、トナー13が熱と圧力により溶融し、記録紙12に完全な画像が定着されるようになっている。
【0044】
以下に、各請求項ごとの実施形態を説明する。
図3には、請求項1及び請求項2に係る発明の第1の実施形態を示す。図示するように、本実施形態のベルト定着装置10は、定着ベルト17の両端部18(一方のみ図示する)に設けられた蛇行防止部材38に逆テーパ面38aを形成し、蛇行防止部材38が当接するベルトローラ25の両端部27(一方の端部のみ図示する)にテーパ面27aを形成したことを特徴とする。
【0045】
定着ベルト17がベルトローラ25により駆動されて回転を続けると、定着ベルト17のトルクむら等により、定着ベルト17が横ずれ(図中、矢印mの向き)して蛇行を生ずることがある。このような蛇行を防止するために、定着ベルト17の両端部17には蛇行防止部材38が接着されている。
【0046】
蛇行防止部材38は、定着ベルト17の内側に突出していて、両端部に設けられているから、定着ベルト17の左右方向の横ずれが防止されるようになっている。蛇行防止部材38は、定着ベルト17の周方向に連続的に一体形成されているが、所定の間隔を開けて断続的に形成してもよい。
【0047】
蛇行防止部材38には、内側方向を向く逆テーパ面38aが形成されている。ベルトローラ25には、外側方向を向くテーパ面27aが形成されている。このように、逆テーパ面38aを内向きに形成し、テーパ面27aを外向きに形成したことが本発明の第2の特徴である。
【0048】
定着ベルト17の幅は、ベルトローラ25のローラ部26より長く形成されていて、蛇行防止部材38はベルトローラ25の両端部27の外側に位置している。このため、ベルトローラ25は両側の蛇行防止部材38に挟まれる格好になり、回転中に定着ベルト17が横ずれすると、逆テーパ面38aがテーパ面27aに当接し、蛇行防止部材38には内側から外側に向かって横向きの力Fが作用し、定着ベルト17の蛇行が防止されるようになっている。
【0049】
蛇行防止部材38に働く横向きの力Fによって、定着ベルト17には引張力が作用する。このため、材質的に引張りに強く、圧縮に弱い定着ベルト17の損傷が防止され、例えば、キンク等の発生が防止されて、定着ベルト17の寿命が向上する。
【0050】
また、蛇行防止部材38に働く横向きの力Fは、逆テーパ面38aによって摩擦力a1と垂直抗力a2とに分解され、さらに、垂直抗力a2は水平方向分力と垂直方向分力とに分解される。そして、水平方向分力は蛇行防止部材38の接着面39に剪断力を作用させる。この剪断力は、従来のベルト定着装置44の蛇行防止部材46に作用する剪断力と比較して小さな値となるため、蛇行防止部材38と定着ベルト17の接着強度が剪断方向に弱くても、蛇行防止部材38が定着ベルト17から剥がれたり、損傷したりすることが防止される。
【0051】
この第1の実施形態によれば、定着ベルト17が横ずれした際に、蛇行防止部材38の逆テーパ面38aとベルトローラ25のテーパ面27aとが当接することで、蛇行が防止される。また、蛇行防止部材38に作用する横向きの力Fが逆テーパ面38aにおいて摩擦力a1と垂直抗力a2とに分解されることで、蛇行防止部材38と定着ベルト17の接着面39に作用する剪断力が小さくなり、蛇行防止部材38が定着ベルト17から剥がれることが防止される。
【0052】
さらにまた、定着ベルト17が横ずれした際に、逆テーパ面38aとテーパ面27aとが互いに当接し、蛇行防止部材38が内側から外側に向かう方向に力を受けることで、定着ベルト17には引張力が作用する。このため、圧縮力に弱い定着ベルト17の損傷が防止され、定着ベルト17の長寿命化を図ることができる。
【0053】
図4には、請求項3に係る発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態と前記実施形態の同一構成部分については同一符号を付して説明する。本実施形態のベルト定着装置10は、ベルトローラ25の外側で加圧ローラ30と対向する側に、ベルトローラ25との間で定着ベルト17を挟圧する補助ローラ35が配設されたことを特徴とする。
【0054】
補助ローラ35は、その中心に挿通された軸36の回りを回動自在に回転する。この補助ローラ35は、軸36の両側に2つ(1つしか図示せず)設けられていて、蛇行防止部材38に対向する位置にある。補助ローラ35は、ばね等の弾性体により定着ベルト17を付勢していて、定着ベルト17とともに回転する。補助ローラ35の回転方向は、定着ベルト17の回転する方向の反対方向となる。
【0055】
定着ベルト17が横ずれした場合は、蛇行防止部材38に図示する矢印の横向きの力Fが働き、定着ベルト17がベルトローラ25から離れる方向に変形しようとする。しかし、定着ベルト17は補助ローラ35に押し返されるため、変形できず、定着ベルト17の損傷が防止される。
【0056】
この第2の実施形態によれば、定着ベルト17に横ずれが生じて、蛇行防止部材38がベルトローラ25から力を受けた際に、定着ベルト17が補助ローラ35に押し返されることで、定着ベルト17の変形が防止される。このため、定着ベルト17の損傷が防止され、長寿命化が図られる。
【0057】
図5には、請求項4に係る発明の第3の実施形態を示す。
本実施形態と前記実施形態の同一構成部分については同一符号を付して説明する。本実施形態のベルト定着装置10は、ベルトローラ25のテーパ面27aに続く裾側の縁部に垂直当接面27bが形成され、蛇行防止部材38にこの垂直当接面27bに当接する当たり面38bが形成されたことを特徴とする。
【0058】
ベルトローラ25の垂直当接面27bは、テーパ面27aとローラ面26aとを連ねる連設面であり、蛇行防止部材38の当たり面38bは、逆テーパ面38aに続く垂直面である。図示する矢印mの向きに定着ベルト17が横ずれした場合は、ベルトローラ25の垂直当接面27bに蛇行防止部材38の当たり面38bが当接することで、定着ベルト17の蛇行が防止されるようになっている。
【0059】
蛇行防止部材38は、ベルトローラ25の垂直当接面27bとテーパ面27aの2面で拘束されている。定着ベルト17が横ずれした際は、テーパ面27aに蛇行防止部材38の逆テーパ面38aが接触し、続いて垂直当接面27bに蛇行防止部材38の当たり面38bが接触する。先に、垂直当接面27bと当たり面38bとが接触すると、テーパ面27aと逆テーパ面38aとが接触できないからである。
【0060】
テーパ面27aと逆テーパ面38aとが接触することで、ベルトローラ25に巻かれた定着ベルト17の厚み方向の位置が規制され、垂直当接面27bと当たり面38bとが接触することで、定着ベルト17の幅方向の位置が規制される。このため、定着ベルト17に横ずれが生じても、蛇行が確実に防止されるとともに、定着ベルト17の安定した回転が維持されるようになっている。
【0061】
この第3の実施形態によれば、定着ベルト17に横ずれが生じた場合に、垂直当接面27bと当たり面38bとが互いに当接することで、定着ベルト17の蛇行が確実に防止される。
【0062】
請求項5に係る発明は、第1〜第3の実施形態のベルト定着装置10に適用できるものである。この発明は、ベルトローラ25のローラ面26aの面粗さより、テーパ面27aの面粗さを粗く形成したことを特徴とするものである。
【0063】
テーパ面27aの面粗さを粗くするには、梨地状の凹凸面を有するPFAなどのフッ素系樹脂を被覆することが有効である。この場合、ローラ面26aには、他の合成樹脂などを被覆して平滑面となるようにする。
【0064】
上記構成によれば、定着ベルト17の横ずれにより蛇行防止部材38とベルトローラ25とが当接した際に、摩擦力a1が大きくなることでその分だけ垂直抗力a2が小さくなり、蛇行防止部材38の接着面39に作用する剪断力が減少し、蛇行防止部材38の剥がれや損傷が防止される。
【0065】
なお、前記の実施形態から把握できる請求項記載以外の技術思想について、以下にその効果とともに記載する。
蛇行防止部材38を、ベルトローラ25のテーパ面27aと、このテーパ面27aに続く垂直当接面27bの2面とで同時に拘束することを特徴する。
このようにすれば、定着ベルト17に蛇行が生じた際に、定着ベルト17はその厚み方向と幅方向の2方向に同時に位置決めされ、定着ベルト17の蛇行が確実に防止される。
【0066】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、定着ベルトの両端部には、逆テーパ面を有する蛇行防止部材が設けられているから、定着ベルトが横ずれした際に、蛇行防止部材の逆テーパ面がベルトローラのテーパ面に当接することで、定着ベルトの蛇行が規制される。蛇行防止部材がベルトローラから受ける力は、蛇行防止部材の逆テーパ面によってテーパ面に沿う方向の摩擦力と垂直抗力とに分解されるから、蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力が減少する。
従って、蛇行防止部材が接着面から剥がれることを防止でき、定着ベルトの長寿命化を図ることができ、ベルト定着装置の性能を高めることができる。
【0067】
また、請求項2記載の発明によれば、逆テーパ面が定着ベルトの内向きに形成され、テーパ面がベルトローラの外向きに形成されているから、定着ベルトが横ずれした際に、逆テーパ面がテーパ面に当接して抗力を受け、定着ベルトには引張力が作用する。
従って、圧縮に弱い定着ベルトに圧縮力が作用せず、キンクなどが入りずらくなり、定着ベルトの寿命が向上する。
【0068】
また、請求項3記載の発明によれば、ベルトローラとの間で定着ベルトを挟圧する補助ローラが配設されているから、定着ベルトに横ずれが生じて、蛇行防止部材の逆テーパ面に垂直抗力が働いた際に、その垂直抗力の垂直方向分力が定着ベルトを補助ローラに押し付ける方向に作用することで、定着ベルトの変形が防止される。
従って、蛇行防止部材の剥がれや定着ベルトの損傷を防止することができ、定着ベルトの長寿命化を図ることができる。
【0069】
また、請求項4記載の発明によれば、ベルトローラには垂直当接面が形成され、蛇行防止部材には当たり面が形成されているから、定着ベルトに横ずれが生じた場合に、垂直当接面と当たり面とが互いに当接することで、定着ベルトの横方向のすべりが防止される。
従って、定着ベルトの蛇行を確実に防止することができる。
【0070】
また、請求項5記載の発明によれば、ベルトローラのテーパ面の面粗さが粗く形成されているから、蛇行防止部材とベルトローラとが当接した際の摩擦力が大きくなり、その分だけ蛇行防止部材に垂直抗力が小さくなり、これによって蛇行防止部材の接着面に作用する剪断力が小さくなる。
従って、蛇行防止部材の剥がれや損傷が防止され、定着ベルトの長寿命化が図られ、ベルト定着装置の性能が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト定着装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す定着ベルトの断面図である。
【図3】図1に示すベルト定着装置の第1の実施形態を示す図である。
【図4】図1に示すベルト定着装置の第2の実施形態を示す図である。
【図5】図1に示すベルト定着装置の第3の実施形態を示す図である。
【図6】従来のベルト定着装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ベルト定着装置
12 記録紙(記録媒体)
17 定着ベルト
20 加熱ローラ
25 ベルトローラ
27a テーパ面
27b 垂直当接面
30 加圧ローラ
35 補助ローラ
38 蛇行防止部材
38a 逆テーパ面
38b 当たり面
39 接着面
Claims (5)
- トナー画像を定着させる定着ベルトと、該定着ベルトを駆動させるベルトローラと、該ベルトローラとの間で該定着ベルトを挟圧する加圧ローラとを備え、該トナー画像が形成されたシート状の記録媒体を該定着ベルトと該加圧ローラとの間に通すことにより、トナーを該記録媒体に融着する画像形成装置のベルト定着装置において、
前記定着ベルトの両端部には、該定着ベルトの蛇行を防止するための蛇行防止部材が内側に突出して設けられ、該蛇行防止部材には逆テーパ面が形成され、前記ベルトローラには逆テーパ面に当接するテーパ面が形成されたことを特徴とするベルト定着装置。 - 前記逆テーパ面が前記蛇行防止部材の内側方向を向いて形成され、前記テーパ面が前記ベルトローラの外側方向を向いて形成されたことを特徴とする請求項1記載のベルト定着装置。
- 前記加圧ローラと対向する側に、前記ベルトローラとの間で前記定着ベルトを挟圧する補助ローラが配設されたことを特徴とする請求項1又は2記載のベルト定着装置。
- 前記ベルトローラには、その軸方向に直交し、かつ前記テーパ面に続く垂直当接面が形成され、前記蛇行防止部材には、該垂直当接面に当接する当たり面が形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のベルト定着装置。
- 前記テーパ面の面粗さが、前記無端ベルトが巻かれる前記ベルトローラのローラ面の面粗さより粗く形成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のベルト定着装置。
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-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271553A patent/JP2004109454A/ja not_active Withdrawn
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