JP2004108989A - 光学素子の透過率を測定する装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の照度のレーザー光に対する前記被検物の透過率を測定するための装置であって、レーザー光の光軸上に被検物を配置及び退避させるための駆動手段と、前記レーザー光の光量を測定する測定手段と、前記レーザー光が前記被検物に照射される照度を、透過率の測定において、前記所定の照度と前記所定の照度よりも小さい照度との間で可変的に調節する手段とを有し、前記レーザー光の光軸上から被検物を退避させた状態の前記測定手段の第1の測定結果と、前記レーザー光の光軸上に被検物を配置した状態の前記測定手段の第2の測定結果を利用して前記被検物の透過率を測定することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、被検物の透過率を測定する装置及び方法に係り、特に、パルスレーザー光に対する被検物の透過率を測定する装置及び方法に関する。本発明は、例えば、エキシマレーザー光に対する被検物の透過率を測定する装置及び方法に好適である。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子を製造するためのリソグラフィ工程においては、レチクル上のパターン像を投影光学系を介してウェハ上に露光する露光装置が用いられている。近年、半導体集積回路の線幅の微細化が益々要求され、そのために、露光光源の露光波長を短波長化が進んでいる。例えば、波長248nmのKrFエキシマレーザーを露光装置光源として採用した露光装置がすでに開発され、さらに短い波長である波長193nmのArFエキシマレーザー、波長157nmのF2レーザーも用いられている。
【0003】
これら短波長化に伴い、投影系及び照明系に使用可能な光学材料も石英ガラスやフッ化カルシウム(CaF2)結晶などに限られるようになった。いずれも各露光波長に対し高い初期透過率を有すると同時に、エキシマレーザー光照射時において透過率劣化がないことが要求される。光学部材の初期透過率は分光器によって測定される。一方、光学部材の透過率はエキシマレーザー光照射により劣化する為、この劣化量は実際にエキシマレーザー光を照射し所定の照度における透過率をもとめ初期透過率からの差を評価している。
特に、露光装置の透過率性能を保証するためには、投影系及び照明系の各部に応じたエキシマレーザーの照度0.1〜30mJ/cm2相当にて透過率及び各照度に対する透過率劣化量を評価することが必須となる。
【0004】
従来、エキシマレーザー光に対する光学素子の透過率測定装置として、図2に示す装置がある。かかる装置は、評価する光学素子に露光波長のエキシマレーザー光を照射し、その透過率を直接測定するものである。ArFエキシマレーザー光源1からのレーザー光は、N2パージされたチャンバー2内に導光され、開口絞り3及び均一光学系4を経て所望の均一なビーム径に成形され、照度調整光学系5で所望の照度に調整される。レーザー光は、その後、CaF2ビームスプリッター6aを通過し、その反射光はND7aを透過した後でレーザー光量をモニターするためフォトダイオードで構成されるディテクター21aに受光される。一方、ビームスプリッター6aを透過したレーザー光はステージ20上に搭載された光学素子サンプル(被検物Φ30厚み30mm)10を透過し、CaF2ビームスプリッター6bを介してND7bを透過した後、ディテクター21bで受光される。8はストッパーである。ステージ20の制御、ディテクター21a及び21bからの出力はコントローラー22にて処理される。
【0005】
今、ArFエキシマレーザーからのレーザー光を周波数500Hz、エネルギー15mJにて発振し、被検物10上に照度30mJ/cm2で照射する。光学素子サンプル10をステージ20にてレーザー光軸から退避させた時のディテクター21a及び21bの出力A0及びB0を測定し、コントローラー22が(B0/A0)を算出する。次に、被検物10をステージ20にてレーザー光軸上に移動し、この時のディテクター21a及び21bの出力As及びBsを測定し、コントローラー22が(Bs/As)を算出する。次いで、コントローラー22が、これらから、(Bs/As)/(B0/A0)を算出することによって、被検物10の透過率を算出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成によって、光学素子サンプル(被検物)10としてCaF2結晶を測定した結果を図3に示す。同図では、横軸を照射パルス数、縦軸に透過率測定値をとっている。
【0007】
ここで、図2に示す測定機から得た初期透過率が、別途分光器にて測定した透過率と一致しないという問題が発生した。即ち、上記測定機から得た初期透過率は90.51%であったのに対し、照射前に分光器にて測定した透過率は91.31%であり、初期における透過率測定値に信頼性がないことが判明した。同時に、所定の照度30mJ/cm2照射時の初期照度が正しくない為、照度30mJ/cm2照射時の劣化量が正確に評価できなくなる。
【0008】
以下、本発明者がこの原因を鋭意検討した結果を、図5及び図6を参照して説明する。エキシマレーザーのようなパルスレーザー光の場合、1パルスのエネルギー変動は10%程度あるため、平均化が必要である。ここで、数M〜数100Mパルス分のデータを取り込む際、制御系の処理速度の制限から取り込むパルス間隔を間引きしている。ここでは1000パルス中100パルスの出力をモニターし、平均値を1データとしている。
【0009】
図5は、1データ毎の透過率を模式的に示している。初期透過率として算出される量は上記の通り、1000パルス照射時の平均化された透過率Tである。ここで、照度30mJ/cm2にて照射した場合、CaF2のように初期数100パルス程度で透過率変化が生じる。このため、平均化により初期透過率が低く算出されてしまう。つまり図6に示すように、初期1000パルス照射時の1データ内において照射パルス毎に透過率が劣化する。これを平均化すると1〜100パルスの間は分光器が示す透過率であっても、その後の劣化した透過率との平均をとるため、結果的に分光器が示す透過率より図2に示す装置を使用した初期透過率Tが低く算出してしまう。
【0010】
そこで、初期透過率を正確に測定可能とし、所定の照度(ここでは30mJ/cm2)における透過率劣化量を正確に測定可能な透過率測定装置及び方法を提供することを本発明の例示的な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面としての透過率測定装置は、所定の照度のレーザー光に対する前記被検物の透過率劣化量を測定するための装置であって、レーザー光の光軸上に被検物を配置及び退避させるための駆動手段と、前記レーザー光の光量を測定する測定手段と、前記レーザー光の光軸上から被検物を退避させた状態の前記測定手段の第1の測定結果と、前記レーザー光の光軸上に被検物を配置した状態の前記測定手段の第2の測定結果を利用して前記被検物の透過率を測定する手段と、前記レーザー光が前記被検物に照射される照度を、前記所定の照度よりも小さい照度との間で可変的に調節する手段とを有し、前記透過率の測定において、前記所定の照度よりも小さい照度での透過率を前記被検物の初期透過率とし、前記所定の照度での透過率との差から、前記被検物の透過率劣化量を測定することを特徴とする。かかる透過率測定装置によれば、調節手段が照度を調節するので所定の照度で劣化する前の前記被検物の透過率を測定することができる。前記照度調節手段は、例えば、中性濃度フィルタ、前記レーザー光の出力の制御、前記レーザー光と前記被検物との間に配置された開口絞りなどを含む。
【0012】
レーザー光の光軸上から被検物を退避させた状態と前記レーザー光の光軸上に被検物を配置した状態で前記レーザー光の光量を測定し、それぞれの測定結果を利用して、所定の照度の前記レーザー光に対する前記被検物の透過率を測定する方法であって、前記所定の照度よりも小さい照度で前記レーザー光を前記被検物に照射した状態における前記レーザー光の光量測定結果を利用して、前記被検物の前記レーザー光に対する初期透過率を算出するステップと、前記所定の照度で前記レーザー光を前記被検物に照射した状態における前記レーザー光の光量測定結果を利用して、前記被検物の前記レーザー光に対する前記透過率を算出するステップとを有することを特徴とする。かかる透過率測定方法も上述の透過率測定装置と同様の作用を奏することができる。前記初期透過率算出ステップは、前記レーザー光の照度を前記所定の照度よりも小さい照度に調節するのに、例えば、中性濃度フィルタ、前記レーザー光の出力の制御、開口絞りの径の調節を利用する。
【0013】
上述の透過率測定装置又は方法が測定した透過率が所定値以上の前記被検物から製造される光学素子も本発明の一側面を構成する。かかる光学素子は、例えば、レンズ、回折格子、光学膜体及びそれらの複合体の一つである。かかる光学素子は透過率を高精度に測定されているため、光学特性の信頼度が高い。
【0014】
更に、本発明の別の側面としての露光装置は、紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を露光体として利用し、当該露光光を、上記の光学素子を含む光学系を介して被処理体に照射して当該被処理体を露光する。かかる露光装置は、紫外光、遠紫外光及び真空紫外光における光学特性の信頼度が高い部材を有し、高精度(高解像度)な露光を実現する。かかる露光装置を用いて前記マスクの前記パターンを被処理体に投影露光するステップと、前記投影露光された被露光体に所定のプロセスを行うステップとを有するデバイス製造方法も本発明の別の側面を構成する。デバイス製造方法の請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にもその効力が及ぶ。かかるデバイスは、LSIやVSLIなどの半導体チップ、CCD、LCD、磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0015】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下の添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態の透過率測定装置のブロック図である。ArFエキシマレーザー光源1からのレーザー光は、N2パージされたチャンバー2内に導光され、開口絞り3及び均一光学系4を経て所望の均一なビーム径に成形され、照度調整光学系5で所望の照度に調整される。レーザー光は、その後、CaF2ビームスプリッター6aを通過し、その反射光はND7aを透過した後でレーザー光量をモニターするためフォトダイオードで構成されるディテクター21aに受光される。一方、ビームスプリッター6aを透過したレーザー光はステージ20上に搭載された光学素子サンプル(被検物Φ30厚み30mm)10を透過し、CaF2ビームスプリッター6bを介してND7bを透過した後、ディテクター21bで受光される。8はストッパーである。ステージ20及び後述するステージ23の制御、ディテクター21a及び21bからの出力はコントローラー22にて処理される。
【0017】
光学素子サンプル10をステージ20にてレーザー光軸から退避させた時のディテクター21a及び21bの出力A0及びB0を測定し、コントローラー22が(B0/A0)を算出する。次に、被検物10をステージ20にてレーザー光軸上に移動し、この時のディテクター21a及び21bの出力As及びBsを測定し、コントローラー22が(Bs/As)を算出する。次いで、コントローラー22が、これらから、(Bs/As)/(B0/A0)を算出することによって、被検物10の透過率を算出する。また、前述のとおり、パルス光の1パルスのエネルギー変動に対応するため、1000パルス中100パルスの出力を平均しそれを1データとしている。
【0018】
今、ArFエキシマレーザーからのレーザー光を周波数500Hz、エネルギー15mJにて発振し、光学素子サンプル(被検物)上に照度30mJ/cm2で照射するように設定する。ここで、11に示す中性濃度フィルタND1(透過率10%)と12の中性濃度フィルタND2(透過率50%)がステージ23上に配置される。ステージ23は、例えば、図1に示す紙面の上下方向に移動可能であり、ND1とND2のいずれか一方を光軸上に配置したり、いずれも光軸上に配置しなかったりすることができる。初期照射時にレーザー光軸上に移動し、ND1のときレーザー光の照度を3mJ/cm2に設定し、ND2のときレーザー光の照度を15mJ/cm2に設定する。更に、ND1とND2をレーザー光軸上から退避させると、レーザー光の照度は30mJ/cm2に設定される。このように、ステージ23は、レーザー光の照度を可変的に調節することができる。
【0019】
直線的に移動するステージ23の代わりに回転移動するターレットにND1及びND2を搭載してもよい。この場合、ターレットが回転すると、ある回転位置ではND1のみが光軸上に配置され、別の位置ではND2のみが光軸上に配置され、更に別の位置ではどちらも光軸から退避する。ステージ23に関する説明は図7を参照して後述されるステージ24にも当てはまる。
【0020】
本実施形態による透過率測定結果を図4に示す。照度3mJ/cm2の時に得られた初期透過率91.34%は別途分光器にて測定した透過率91.33%とほぼ一致した。これは、上述したように、CaF2は初期数100パルス程度で劣化するので照度を十分の一にして1000パルス照射の時の劣化を100パルス照射の時の劣化に一致させたためである。また、照度15mJ/cm2、及び、照度30mJ/cm2のレーザー光を照射した時の透過率から、それぞれの劣化量を算出することができた。なお、図1に示す構成において、照度調節光学系5は、レーザー光の照度を微調節することはできるが任意の照度に調節することはできない。
【0021】
初期透過率の測定において設定される照度は、本実施形態のように所望の照度の10分の1に限定されない。但し、所望の照度が30mJ/cm2で被検物がCaF2の場合には、最初の1000パルスを最初の100パルスと同視できる構成が好ましいため、所望の照度の10分の1以下が好ましい。換言すれば、初期透過率の測定において設定される照度は、被検物の種類(例えば、石英ガラスやフッ化カルシウム等)、使用されるレーザーの種類(例えば、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー等)、所望の照度(例えば、露光装置で要求される照度)によって変更される。但し、被検物の劣化がない状態で初期透過率を測定するために、初期透過率の測定で設定される照度は所望の照度よりも小さい。
【0022】
照度の調節は、第1の実施形態のようにNDを使用するものに限定されない。例えば、第2の実施形態においては、コントローラー22を使用して、レーザー光源1の出力エネルギーを1〜15mJと可変にすることにより、光学素子サンプルへの照射照度を2〜30mJ/cm2に設定することが可能である。
【0023】
図7に、本発明の第3の実施形態を示す。上述したNDの代わりに開口絞り15及び16をステージ24上に配置してある。開口絞り15及び16の径を変更することにより光学素子サンプル10への照射照度を3及び15mJ/cm2に設定することが可能である。
【0024】
以下、図8を参照して、本発明の一側面である露光装置100について説明する。露光装置200は、回路パターンが形成されたマスク又はレチクル(本出願ではこれらの用語を交換可能に使用する)120を照明する照明装置110と、プレートを支持するステージ145と、照明されたマスクパターンから生じる回折光をプレート140に投影する投影光学系130とを有する。露光装置100は、例えば、ステップアンドリピート方式やステップアンドスキャン方式でマスク320に形成された回路パターンをプレート340に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィ工程に好適である。ここで、「ステップアンドスキャン方式」は、マスクに対してウェハを連続的にスキャンしてマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次のショットの露光領域に移動する露光方法である。「ステップアンドリピート方式」は、ウェハのショットの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットを露光領域に移動する露光方法である。
【0025】
照明装置110は、転写用の回路パターンが形成されたマスク120を照明し、光源部112と照明光学系114とを有する。
【0026】
光源部112は照明光を発光する光源で、例えば、上述の透過率測定装置で使用されたレーザー光源1と同一の光源であり、例えば、波長約248nmのArFエキシマレーザーや波長約157nmのF2エキシマレーザーである。照明光学系114は、マスク120を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、ライトインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系114は、軸上光、軸外光を問わず使用することができる。ライトインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。かかる照明光学系114のレンズなどの光学部材に、本発明の透過率測定装置が測定した透過率が所定値以上の被検物から製造された光学素子を使用することができる。
【0027】
マスク120は、転写されるべき回路パターン(又は像)を形成し、図示しないマスクステージに支持及び駆動される。マスク120から発せられた回折光は投影光学系130を通りプレート140上に投影される。プレート140は、ウェハや液晶基板などの被処理体であり、フォトレジストが塗布されている。スキャナーの場合は、マスク120とプレート140を走査することによりマスク120のパターンをプレート140上に転写する。ステッパーの場合は、マスク120とプレート140を静止させた状態で露光が行われる。
【0028】
投影光学系130は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方法の分散が生じるように構成したりする。かかる投影光学系130のレンズなどの光学部材に、本発明の透過率測定装置が測定した透過率が所定値以上の被検体から製造された光学素子を使用することができる。
【0029】
ステージ145は、プレート140を支持する。ステージ145は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ145は、リニアモーターを利用してXY方向にプレート140を移動することができる。
【0030】
露光において、光源部112から発せられた光束は、照明光学系114によりマスク120を、例えば、ケーラー照明する。マスク120を通過してマスクパターンを反映する光は投影光学系130によりプレート140に結像される。露光装置100が使用する照明光学系114及び投影光学系130は、本発明の透過率測定装置によって測定された光学素子を含んで紫外光、遠赤外光及び真空紫外光を高い透過率で透過するので、高いスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0031】
次に、図9及び図10を参照して、上述の露光装置100を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図9は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0032】
図10は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)ではウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置100によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0033】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明は、エキシマレーザー光に対する光学素子の透過率測定において、レーザー光の初期照射照度を低く設定し透過率を算出し、その後所望の照度に設定し、透過率を算出することにより、各照度における透過率を正確に算出することが可能になった。また、所望のレーザー光照度に対する透過率から透過率劣化量を算出することも可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の透過率測定装置のブロック図である。
【図2】従来の透過率測定装置のブロック図である。
【図3】図2に示す透過率測定装置によって得られた被検物の透過率の測定結果を示すグラフである。
【図4】図1に示す透過率測定装置によって得られた被検物の透過率の測定結果を示すグラフである。
【図5】図2に示す透過率測定装置の問題点を模式的に示す図である。
【図6】図2に示す透過率測定装置の問題点を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の透過率測定装置のブロック図である。
【図8】本発明の一側面である分割手段を有する露光装置の一部を示す概略側面図である。
【図9】デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。
【図10】図9に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
1 ArFエキシマレーザー光源
2 チャンバー
3、15、16 開口絞り
4 均一光学系
5 照度調整光学系
6 ビームスプリッター
7、11、12 ND
8 ストッパー
10 光学素子サンプル(被検物)
21a、21b ディテクター
22 コントローラー
20、23、24 ステージ
Claims (12)
- 所定の照度のレーザー光に対する前記被検物の透過率劣化量を測定するための装置であって、
レーザー光の光軸上に被検物を配置及び退避させるための駆動手段と、
前記レーザー光の光量を測定する測定手段と、
前記レーザー光の光軸上から被検物を退避させた状態の前記測定手段の第1の測定結果と、前記レーザー光の光軸上に被検物を配置した状態の前記測定手段の第2の測定結果を利用して前記被検物の透過率を測定する手段と、
前記レーザー光が前記被検物に照射される照度を、前記所定の照度よりも小さい照度との間で可変的に調節する手段とを有し、
前記透過率の測定において、前記所定の照度よりも小さい照度での透過率を前記被検物の初期透過率とし、前記所定の照度での透過率との差から、前記被検物の透過率劣化量を測定することを特徴とする装置。 - 前記照度調節手段は、中性濃度フィルタを含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 前記照度調節手段は、前記レーザー光の出力を制御することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
- 前記照度調節手段は、前記レーザー光と前記被検物との間に配置された開口絞りを含むことを特徴とする請求項1記載の測定装置。
- レーザー光の光軸上から被検物を退避させた状態と前記レーザー光の光軸上に被検物を配置した状態で前記レーザー光の光量を測定し、それぞれの測定結果を利用して、所定の照度の前記レーザー光に対する前記被検物の透過率を測定する方法であって、
前記所定の照度よりも小さい照度で前記レーザー光を前記被検物に照射した状態における前記レーザー光の光量測定結果を利用して、前記被検物の前記レーザー光に対する初期透過率を算出するステップと、
前記所定の照度で前記レーザー光を前記被検物に照射した状態における前記レーザー光の光量測定結果を利用して、前記被検物の前記レーザー光に対する前記透過率を算出するステップとを有することを特徴とする方法。 - 前記初期透過率算出ステップは、前記レーザー光の照度を前記所定の照度よりも小さい照度に調節するのに中性濃度フィルタを使用することを特徴とする請求項5記載の方法。
- 前記初期透過率算出ステップは、前記レーザー光の照度を前記所定の照度よりも小さい照度に調節するのに前記レーザー光の出力を制御することを特徴とする請求項5記載の方法。
- 前記初期透過率算出ステップは、前記レーザー光の照度を前記所定の照度よりも小さい照度に調節するのに開口絞りの径を調節することを特徴とする請求項5記載の方法。
- 請求項1乃至4のうちのいずれか一項の透過率測定装置又は請求項5乃至8のうちのいずれか一項の透過率測定方法が測定した透過率が所定値以上の前記被検物から製造される光学素子。
- レンズ、回折格子、光学膜体及びそれらの複合体の一つである請求項9記載の光学素子。
- 紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を露光体として利用し、当該露光光を、請求項10記載の光学素子を含む光学系を介して被処理体に照射して当該被露光体を露光する露光装置。
- 請求項11記載の露光装置を用いて前記マスクの前記パターンを被処理体に投影露光するステップと、
前記投影露光された被露光体に所定のプロセスを行うステップとを有するデバイス製造方法。
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