JP2004107818A - ポリアミド繊維及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脂肪族ジアミン構成単位とジカルボン酸単位の60〜100モル%が芳香族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位とからなるポリアミド原糸を加熱延伸する際に赤外線光束を照射して加熱することを特徴とする、ポリアミド繊維の製造方法に関する発明である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪族ジアミン構成単位と芳香族ジカルボン酸単位を主とするジカルボン酸構成単位とからなるポリアミド原糸を加熱延伸して得られるポリアミド繊維、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、産業資材用途に広く使用されている繊維の素材としてはPET等のポリエステル系素材とナイロン6やナイロン6−6に代表される脂肪族ナイロン系素材とがその大半を占めている。これらポリエステルや脂肪族ナイロン等の汎用素材よりなる繊維は強度3.5cN/dtex以上という優れた物性を有しており、それぞれの特徴を生かせるさまざまな分野で使用されている。例えばポリエステルは、その耐光性、低吸水性、高弾性率を生かして資材ロープ、抄紙用メッシュキャンバス等に使用され、一方脂肪族ナイロンは、その高い強度、耐摩耗性、耐疲労性を生かして各種水産資材用途や工業用ブラシ用途等に使用されている。このような汎用素材であるポリエステルや脂肪族ナイロンの繊維としての研究は長年にわたって行われており、特に「生産性」と「強度」を向上させる手法が検討されてきた。例えば、高速紡糸によって生産性よくPET繊維を作る方法(例えば、特許文献1参照)、高速紡糸での紡糸線上に加熱筒を設けることで生産性良く高強度PET繊維を得る方法(例えば、特許文献2参照)、紡糸原糸を不活性ガス中で加熱後延伸することにより高強度脂肪族ナイロン繊維を得る方法(例えば、特許文献3参照)、紡糸原糸をレーザーを用いて加熱延伸することにより高強度なPET繊維やナイロン繊維を生産性よく得る方法(例えば、特許文献4参照)等、「生産性」と「強度」を向上させるさまざまな紡糸方法や延伸方法が提案されている。
【0003】
これらポリエステル繊維や脂肪族ナイロン繊維は、これまでに開発された紡糸方法や延伸方法によりその繊維強度はかなりのレベルに達しているものの、一般に耐熱性がそれほど高くなく、特にポリマーのガラス転移温度がいずれも90℃以下であるため、糸に応力がかかる用途での使用温度は90℃程度が上限であるという問題点があった。また、ポリエステルはアルカリに対する耐薬品性は低く、一方脂肪族ナイロンは酸に対する耐薬品性は低いという問題点があった。
【0004】
これらに対して、脂肪族ジアミン構成単位と芳香族ジカルボン酸を主とするジカルボン酸構成単位とからなるポリアミド繊維(以下、脂肪族ジアミン構成単位と芳香族ジカルボン酸を主とするジカルボン酸構成単位とからなるポリアミドを「半芳香族ポリアミド」ということがある。)(例えば、特許文献5参照)は、低吸水性であるために寸法安定性に優れ、酸やアルカリに対する優れた耐薬品性を有し、さらに120℃を超える高いガラス転移温度を有するので高温下(高温湿熱下)で負荷のかかる用途でも使用可能であるため、耐薬品性や耐熱性の必要とされる各種産業資材用途に好適である。しかしながら、当該公報(特許文献5)に開示された方法で得られた繊維は6cN/dtex以上という優れた強度を有してはいるものの、得られる繊維はその最大延伸倍率の0.90〜0.95倍という非常に高い延伸倍率で延伸されており、その結果、伸度は5%程度まで低下している。このような低い伸度では、繊維を工業用ブラシやベルトキャンバス用途等のような糸加工時に激しい屈曲を受けるような装置で加工する際、糸折れや糸切れ等が発生するために実用に適さない。上記したような産業資材用途に繊維を好適に使用するには高い強度に加えて高い伸度を有すること、すなわちタフネス(本発明において、「タフネス=強度×伸度」と定義する)」が高いことが重要である。上記したような産業資材用途に繊維を好適に使用するために必要な伸度は通常15%以上と考えられるが、本発明者らが特許文献5に示された紡糸手法、および加熱浴、加熱蒸気吹き付け、ローラーヒーター、接触式プレートヒーター、又は非接触式プレートヒーターを用いた延伸手法により、延伸倍率を低下させることによって伸度15%以上を有する半芳香族ポリアミド繊維を作製したところ、得られた繊維の強度は3.5cN/dtexを大きく下回るものであり、この延伸手法により得られた繊維のタフネスはかなり低いものであった。
【0005】
上記したように、特許文献5に開示されている方法で作製した伸度15%以上を有する半芳香族ポリアミド繊維の強度が低いのは、一般的に伸度を大きくした際に強度は低下する関係であるのに加え、半芳香族ポリアミドのガラス転移温度が120℃以上と高いために、従来より繊維の延伸手法として汎用的に使用されている加熱浴、加熱蒸気吹き付け、ローラーヒーター、接触式プレートヒーター、又は非接触式プレートヒーターでは、延伸に必要な熱量を速やかに原糸(本発明において原糸とは加熱延伸前の糸をいう)に与えることができず、その結果繊維の内外層で受け取る熱量の違いが大きくなって生じる温度むらがそのまま延伸後の繊維の内外層延伸むらにつながってしまうことが繊維強度の低くなる原因の一つと推測される。このため,耐薬品性や耐熱性に優れた半芳香族ポリアミド繊維を得られるものの、従来の延伸方法により延伸を行なったときには熱量不足・繊維内外層で熱量不均一であるために繊維の強度が高くなるような繊維構造がとれず、この結果、一般的な産業資材用途に必要な伸度15%以上を確保した場合に3.5cN/dtexを下回る低強度にとどまってしまう低タフネスな繊維となることが従来の問題点であった。
【0006】
【特許文献1】
特公昭31−6767号公報(第2〜4頁)
【特許文献2】
特公昭55−11767号公報(第2頁 第3〜4欄)
【特許文献3】
特開平9−31748号公報(第5頁 〔0036〕)
【特許文献4】
WO−00−73556号公報(第8〜10頁)
【特許文献5】
特開平9−13222号公報(第2〜3頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決し、高い強度、高い伸度、耐熱性、耐薬品性を有するポリアミド繊維、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、脂肪族ジアミン構成単位と芳香族ジカルボン酸単位を主とするジカルボン酸構成単位とからなるポリアミド原糸を加熱延伸する際に赤外線光束を照射して加熱延伸することにより、上記課題を解決でき、高強度なポリアミド繊維が得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、脂肪族ジアミン構成単位とジカルボン酸単位の60〜100モル%が芳香族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位とからなるポリアミド原糸を赤外線光束照射により加熱軟化させて延伸して得られる、引っ張り強度が3.5cN/dtex以上であり、かつ伸度が15%以上であるポリアミド繊維に関する発明である。
【0010】
また、本発明は、脂肪族ジアミン構成単位とジカルボン酸単位の60〜100モル%が芳香族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位とからなるポリアミド原糸を加熱延伸する際に赤外線光束を照射して加熱することを特徴とする、ポリアミド繊維の製造方法に関する発明である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明では、耐熱性、耐薬品性に優れるポリアミド繊維を得るために、脂肪族ジアミン構成単位とジカルボン酸単位の60〜100モル%が芳香族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位からなる半芳香族ポリアミドを使用する。
【0012】
本発明の半芳香族ポリアミドにおいて、ジアミン構成単位は、ポリアミド繊維の耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性、紡糸性等の観点から脂肪族ジアミン単位である。脂肪族ジアミン単位は、炭素数4〜12の直鎖または分岐アルキレンジアミン単位が好ましい。
このようなアルキレンジアミン単位としては、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等の直鎖脂肪族ジアミン単位;2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の分岐脂肪族ジアミン単位が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらのなかでも、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−オクタンジアミン、1,10−ドデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン単位が好ましく使用できる。さらに、1,9−ノナンジアミン単位、及び1,9−ノナンジアミン単位40〜99モル%と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位1〜60モル%とからなる混合単位がポリアミド繊維の融点、低吸水性、ガラス転移温度などの観点から特に好ましい。
【0013】
また、本発明において、半芳香族ポリアミドを構成するジカルボン酸構成単位は、耐熱性、耐薬品性等の観点から芳香族ジカルボン酸単位を少なくとも60モル%以上含むジカルボン酸単位である。芳香族ジカルボン酸単位としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などからなる単位を例示することができるが、これらのなかでも半芳香族ポリアミド繊維の結晶性、融点、ガラス転移温度などの物性の観点からテレフタル酸単位、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位が好ましく、更に結晶性、融点、入手の容易性などの観点からテレフタル酸単位が特に好ましい。
【0014】
半芳香族ポリアミドにおけるジアミン構成単位とジカルボン酸構成単位の組み合わせとしては、(1)1,9−ノナンジアミン単位とテレフタル酸単位、及び(2)1,9−ノナンジアミン単位40〜99モル%と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位1〜60モロ%とからなるジアミン単位とテレフタル酸単位である場合が当該半芳香族ポリアミド繊維の結晶性、融点、ガラス転移温度、低吸水性などの観点から特に好ましい。
【0015】
本発明の半芳香族ポリアミドの製造法は特に制限はされず、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の製造方法を用いることができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固層重合法、溶融押出機重合法などの方法が挙げられる。
【0016】
本発明に用いられる半芳香族ポリアミドに、本発明の効果を損なわない範囲内で、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステルエーテルケトン、フッ素樹脂等の熱可塑性ポリマーを添加してもよい。また酸化チタンやカオリン、シリカ、酸化バリウム等の無機物、カーボンブラック、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、各種添加剤を添加しても良い。
【0017】
本発明の半芳香族ポリアミド原糸は、通常の溶融紡糸にて簡便に得ることができる。溶融紡糸は通常、溶融押し出し機を用いて行うが、スクリュー型押し出し機を使用するのが好ましい。上記半芳香族ポリアミドは、一般的に好ましくは融点から最高360℃までの温度範囲で溶融し、30分以内の溶融滞留時間で口金ノズルより紡出することにより繊維(原糸)を得ることができる。
【0018】
本発明において、半芳香族ポリアミド原糸を加熱延伸する際の加熱手段に主なエネルギー源として赤外線光束を用いることが必要である。
なお、本発明において、加熱延伸する上記半芳香族ポリアミド原糸には単一の繊維(モノフィラメント)、及び繊維束(マルチフィラメント)状のものも含まれる。
【0019】
このように半芳香族ポリアミド原糸を延伸する際の加熱エネルギー源として赤外線光束を用いる場合には、驚くべきことに延伸糸のタフネス(以下、タフネスとは「強度×伸度」を意味する。)が大幅に上昇する。これは特許文献4に記載されたような脂肪族ナイロン原糸を延伸する際のエネルギー源として赤外線光束を用いた場合にはみられない特異な現象であり、予期せぬことであった。
【0020】
赤外線光束をポリアミド原糸(以下、延伸前のポリアミド原糸が加熱延伸されてポリアミド繊維になるまでの間の繊維、及び繊維束を糸条ということがある。)に照射する以前に、糸条を軟化温度以下の温度まで予熱することにより、照射する赤外線光束の出力を小さくすることができる。糸条の予熱方法としては、第1引き取りローラーを加熱する方法、液体もしくは気体の熱媒を用いる方法、熱板等の接触による方法等がある。また、別の光源もしくは光路を経た赤外線光束を照射することによって、糸条を予熱することも可能である。すなわち、第1の赤外線光束照射によって糸条を予熱した後、更に第2の赤外線光束を照射することによって、第2の照射位置近傍に延伸点の位置を固定することができる。
【0021】
糸条を加熱する際の糸送り速度は毎分0.5m以上であり、また糸条に対する赤外線光束の照射時間が0.1秒を超えないことが好適である。この場合、当該照射時間には、予熱のための赤外光束の照射時間は含まれない。
【0022】
本発明における赤外線とは、波長範囲0.7μm〜100μmの電磁波をいう。
強力な赤外線光束を直接もしくは光学系を介して糸条に照射することによって、急速かつ均一な昇温が可能となる。ここで光学系とは集光のためのレンズ、反射鏡、もしくは光ファイバー等の導波路を意味する。このような加熱方式とすることによって、主に熱伝達に依存していた従来の方法に比べて熱エネルギーを糸条の微小空間に集中でき、急速かつ均一な加熱によって延伸点の位置を精密に固定することが可能である。
【0023】
赤外線の光源としては、高温の発熱体を利用した連続スペクトル光源、レーザー発振を利用したコヒーレント光源を使用することができるが、本発明における延伸点位置の精密固定のためには、レーザー発振を利用したコヒーレント光源を使用することが好適である。これは、光源の平行性が高いために集光や平行光束の形成が容易であること、および大きな出力が得られることが主な理由である。レーザー発振を利用した光源には、気体、固体、半導体、色素、エキシマー、自由電子を放出源としたものがある。
【0024】
このうち、発振波長が赤外線領域であり、大きな出力が得られるレーザー光源としては、二酸化炭素気体を放出源とする発振波長9〜12μmのもの、Nd3+を微量加えたイットリウムアルミニウムガーネット(3Y2O3・5Al2O3)を放出源とする発振波長0.9〜1.2μmのもの等が挙げられる。このうち、二酸化炭素気体を放出源とする発振波長9〜12μmのレーザー光源は、多くの合成繊維材料が強い吸収を示す波長帯であるため、赤外線エネルギーの吸収効率が高く、本発明の実施に有効である。またこの光源は、出力に比して安価でかつ安定した性能が保持できるため、好適である。この光源は、封入型の比較的低出力のものでも数十ワット、高出力のものでは数百ワットから1キロワットを超えるものまでが製造されており、このレーザー光源を本発明の実施に用いることができる。レーザー発振の発振形式としては、連続発振することが好ましいが、連続発振でなくても、糸条の走行速度に対して充分高周波で発振するようにすればよい。また、主たる加熱のための光源の強度プロフィールは、できるだけガウス分布に近いものが好ましい。
【0025】
赤外線を集光するためには、赤外線を反射する反射鏡を利用する方法や、赤外線の屈折を利用して赤外線を集光するレンズを用いる方法、内部反射によりエネルギーを微少空間に集中する光ファイバー等の導波路を用いる方法がある。反射鏡の材質としては赤外線に対して反射率の高い物質が適しており、屈折用のレンズもしくは導波路の材質としては赤外線を透過する物質である必要がある。前者の例としては金属の鏡面を挙げることができ、後者の例としては、必要とする波長範囲にも依存するが、波長が9〜12μm程度ならばセレン化亜鉛、ケイ素、ゲルマニウム、カルコゲナイドガラスなど、波長が0.9〜1.2μm程度ならば石英やフッ化リチウム、フッ化バリウム、フッ化物ガラスなどが挙げられる。
【0026】
糸条に赤外線を照射する位置での光束の形状を円形にする場合は、反射鏡もしくはレンズの表面形状はほぼ球面もしくは放物面のものを用いれば良く、直線状の形状にする場合はシリンダーレンズやシリンダーミラーを用いれば良い。両者を併用すれば、任意の縦横比をもつ楕円形断面をもつ光束が得られる。また、導波路を用いる場合は、糸条近傍に設置した導波路の出射口サイズを変えることにより、照射部位でのエネルギー分布を制御することができる。照射部位における光束の糸条に平行な方向へのサイズを制御することにより、糸条に移動する熱エネルギーのプロフィールを制御することができる。また、照射部位における光束の糸条に垂直な方向へのサイズを制御することにより、照射幅を制御することができる。前者は糸条の加熱プロフィールの制御に有効である。また、照射サイズは糸条と赤外線光軸のなす角を変えることによっても調整できる。
【0027】
焦点に近い側の方が糸条に与えられる赤外線熱エネルギー量が多いので、糸条と赤外線光軸のなす角度を変えることにより、糸条に移動する熱エネルギーのプロフィールを制御するのに利用することができる。また、この操作により、第1引き取りローラーの近傍での照射も容易になる。また、糸条と遮光板との間に反射鏡、レンズ系もしくは光ファイバー等の導波路を設置することにより、光源と反対方向から同時に赤外線を照射することもできる。材料の赤外線吸収率が小さい場合、もしくは逆に赤外線吸収率が大きすぎて光源側の温度が高くなる場合などに特に有効である。反射鏡等を用いることにより、糸条に吸収される放射エネルギーの割合を高められるだけに留まらず、周囲から均等に加熱できるため、糸条の断面内温度をより均一にすることができる。
【0028】
図1にレーザー光源とレンズを用いた延伸装置の一例を示し、図2には赤外線光束の伝播・集光方式として光導波路と略回転楕円型反射鏡を用いた延伸装置の一例を示す。糸条は第1引き取りローラー7から第2引き取りローラー8に向かって走行する。図1ではレンズ2によりレーザー光源1から発せられた赤外線を焦点3に集光しているが、集光方式には反射鏡もしくは光ファイバー等の導波路を使っても良い。また図2で示される装置を用いることにより、図1に示すものよりも集光効率が高いだけでなく、周囲から均等に加熱できるために、糸条の断面内温度をより均一にすることができる。繊維自体の直径および繊維のぶれ範囲5を考慮し、糸条4の位置は焦点3から離してある。この図では糸条の位置は焦点の後方だが、前方であってもかまわない。遮光板6は糸条に吸収されなかった赤外線を吸収するために設けてあり、空冷もしくは水冷されている。材料としては煉瓦等の耐熱素材、もしくは表面を祖面化し、耐熱塗料を塗布した金属等が適している。
【0029】
上記赤外線光束を用いた延伸は紡糸に引き続いて連続的に行われてもよく、また紡糸した糸を一旦巻き取ってから行なってもよい。
【0030】
上記延伸により得られる半芳香族ポリアミド繊維の引っ張り強度は、3.5cN/dtex以上、好ましくは、5cN/dtex以上である。また通常、ポリアミドの引っ張り強度は高くても8cN/dtex程度以下である。尚、ここで繊維の引っ張り強度は、JIS L1013に基づき測定された標準時(湿潤時ではない。)の引っ張り強度をいう。
一方、上記延伸により得られる半芳香族ポリアミド繊維の伸度は、15%以上である。通常、ポリアミドの伸度は高くても40%程度以下である。尚、ここで繊維の伸度は、JIS L1013に基づき測定された標準時(湿潤時ではない。)の伸度をいう。
また、本発明の半芳香族ポリアミド繊維のガラス転移温度は、120℃以上である。
【0031】
また本発明における赤外線光束を用いた延伸に引き続いて半芳香族ポリアミド繊維を乾熱炉、加熱蒸気吹き付け、熱溶媒等を用いる公知の熱処理法で熱処理してもよい。熱処理時の糸の状態は収縮、定長、緊張いずれでもよい。
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお本実施例等において、ポリアミド、ポリエステルの極限粘度[η]、得られた繊維の繊維強伸度、耐薬品性、吸水率、ガラス転移温度は下記の方法により測定または評価した。
【0032】
(1)極限粘度[η](ポリアミド樹脂)
濃硫酸中、30℃にて、それぞれ0.05、0.1、0.2、0.4g/dlの濃度の試料の固有粘度(ηinh)を測定し、これを濃度0に外挿した値を極限粘度[η]とした。
ηinh=[ln(t1/t0)]/c
〔式中、ηinhは固有粘度(dl/g)、t0は溶媒の流下時間(秒)、t1は試料溶液の流下時間(秒)、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)を表す。〕
(2)極限粘度[η](ポリエチレンテレフタレート樹脂)
フェノール/テトラクロロエタン=1:1(重量比)の混合溶媒中、30℃にて、0.05、0.1、0.2、0.4g/dlの濃度の試料の固有粘度(ηinh)を測定し、これを濃度0に外挿した値を極限粘度[η]とした。
ηinh=[ln(t1/t0)]/c
〔式中、ηinhは固有粘度(dl/g)、t0は溶媒の流下時間(秒)、t1は試料溶液の流下時間(秒)、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)を表す。〕
【0033】
(3)繊維の引っ張り強度、伸度
JIS L1013に準じて測定した。
(4)耐薬品性
延伸糸を、70℃の各種薬品(10%塩酸、10%硫酸、10%水酸化ナトリウム水溶液、10%アンモニア水溶液)中に、下記の表2に記載した時間浸漬した。処理前後の強度を測定し、引っ張り強度の保持率(%)を求めた。
【0034】
(5)吸水率
延伸糸約2gを真空乾燥機にて乾燥(60℃で6時間)した後に、調湿されたデシケーター(95%RH)中に1週間放置した。調湿前後の重量変化を測定し、下式により吸水率を算出した。吸水率(%)=[(w−w1)/w1]×100〔式中、wは調湿後の試料重量(g)、w1は絶乾時の試料重量(g)を表す。〕
(6)ガラス転移温度
下記の実施例で得られた原糸を用い、示差走査型熱分析(パーキンエルマー社製:PYLIS−1型)を使用して10℃/分の速度で1次昇温過程を測定し、ガラス転移温度を測定した。
【0035】
実施例1
ジアミン単位が1,9−ノナンジアミン85モル%と、2−メチル−1,8−オクタンジアミン15モル%からなり、ジカルボン酸単位がテレフタル酸からなる半芳香族ポリアミド([η]=1.2dl/g)を使用し、押し出し機を用いて紡糸温度320℃で吐出速度と巻き取り速度の比(ドラフト比)が8前後となる条件で紡糸することにより、モノフィラメント原糸を製造した。得られたモノフィラメント原糸を一旦巻き取った後、二酸化炭素気体を放出源とするレーザー発振光源を熱源とし、延伸倍率5.0倍、糸送り速度4m/分にて延伸を行なった。光源の波長は10.6μm、ビーム径5.0mm、ビーム広がり角1.0mradであり、ビームをレンズで集光した。糸条は焦点の後方に位置させ、レーザーの光軸と垂直方向に走行させた。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0036】
実施例2
延伸倍率を5.5倍とした以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0037】
実施例3
延伸倍率を6.0倍とした以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0038】
実施例4
糸送り速度を1m/分として延伸した以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0039】
実施例5
糸送り速度を10m/分として延伸した以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0040】
実施例6
ジアミン単位が1,9−ノナンジアミン50モル%と、2−メチル−1,8−オクタンジアミン50モル%で、ジカルボン酸単位がテレフタル酸である半芳香族ポリアミド([η]=1.4dl/g)を使用した以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0041】
比較例1
延伸の熱源として200℃のホットプレートを用いた以外は実施例1と同様にしてモノフィラメント原糸を作成し、延伸倍率5.5倍で延伸を試みたもののホットプレート上で糸が破断し、延伸糸は得られなかった。
【0042】
比較例2
延伸の熱源として200℃のホットプレートを用い、糸送り速度を1m/分として延伸した以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0043】
比較例3
延伸の熱源として200℃のホットローラーを用いて延伸した以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0044】
比較例4
ナイロン6−6樹脂([η]=1.4dl/g)のポリマーを使用し、延伸の熱源として120℃のホットローラーを用いて延伸した以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0045】
比較例5
ナイロン6−6樹脂([η]=1.4dl/g)のポリマーを使用した以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0046】
比較例6
ポリエチレンテレフタレート樹脂([η]=0.65dl/g)のポリマーを使用した以外は実施例1と同様にして延伸糸を作成した。得られた延伸糸の引っ張り強度、伸度、吸水率、ガラス転移温度等を測定した結果を表1に、耐薬品性を測定した結果を表2に示す。
【0047】
【発明の効果】
本発明における赤外線光束を用いて加熱、延伸して得られた延伸半芳香族ポリアミド繊維は、延伸の熱源としてホットプレート等を用いた場合に比べて引っ張り強度と伸度に格段に優れており、脂肪族ナイロンやポリエステル繊維に比べて、低吸水性で且つ優れた耐薬品性と耐熱性を有していることから、各種産業資材用途に広く使用することが可能である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザー光源とレンズを用いた延伸装置である。
【図2】赤外線光束の伝播・集光方式として光電波路と略回転楕円型反射鏡を用いた延伸装置である。
【符号の説明】
1・・・レーザー光源
2・・・レンズ
3・・・焦点
4・・・糸条
5・・・繊維自体の直径および繊維のぶれ範囲
6・・・遮光板
7・・・第1引き取りローラー
8・・・第2引き取りローラー
Claims (10)
- 脂肪族ジアミン構成単位とジカルボン酸単位の60〜100モル%が芳香族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位とからなるポリアミド原糸を赤外線光束照射により加熱軟化させて延伸して得られる、引っ張り強度が3.5cN/dtex以上であり、かつ伸度が15%以上であるポリアミド繊維。
- 脂肪族ジアミン構成単位が炭素数4〜12の直鎖または分岐アルキレンジアミン単位である請求項1に記載のポリアミド繊維。
- 炭素数4〜12の直鎖または分岐アルキレンジアミン単位の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン単位である請求項2に記載のポリアミド繊維。
- 炭素数4〜12の直鎖または分岐アルキレンジアミン単位が1,9−ノナンジアミン単位40〜99モル%と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位1〜60モル%とからなる請求項2に記載のポリアミド繊維。
- 芳香族ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリアミド繊維。
- 赤外線光束照射が、レーザーによるコヒーレント光源を用いた照射であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリアミド繊維。
- 脂肪族ジアミン構成単位とジカルボン酸単位の60〜100モル%が芳香族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位とからなるポリアミド原糸を加熱延伸する際に赤外線光束を照射して加熱することを特徴とする、引っ張り強度が3.5cN/dtex以上であり、かつ伸度が15%以上であるポリアミド繊維の製造方法。
- 赤外線光束の照射が、レーザーによるコヒーレント光源を用いた照射であることを特徴とする請求項7に記載のポリアミド繊維の製造方法。
- ポリアミド原糸を予熱後、赤外線光束の照射により加熱することを特徴とする請求項7又は8に記載のポリアミド繊維の製造方法。
- 予熱方法が、引き取りローラーによる加熱、熱媒による加熱、熱板による加熱、又は赤外線光束の照射から選ばれたいずれか1種である請求項9に記載のポリアミド繊維の製造方法。
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- 2002-09-18 JP JP2002271188A patent/JP2004107818A/ja active Pending
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