JP2004107629A - Method for casting film from solution - Google Patents

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for casting a film from solution, capable of improving the absolute filtration accuracy of a cellulose acylate solution without decreasing the hole diameter of a filtering material and increasing the amount of the filtration treatment. <P>SOLUTION: This method for casting the film from the solution is provided by firstly introducing dope stock solution before filtration firstly into a body feed tank 28 and adding a filtering aid from a filtering aid tank 37 for dispersing. As the filtering aid, an aid having ≥50 % SiO<SB>2</SB>and a cellulose-based aid are mixed and used. The dope stock solution dispersed with the filtering aid is introduced to a filter 30 and filtered while forming a cake on the surface of the filtering material. After the filtration, a cleaning solution is supplied as circulating from a cleaning solution tank 38 and the cake is discharged as slurry. The filtering aid is separated from the slurry in a separating device 44, and the filtering aid is fired in a firing device 48. Regenerated filtering aid is sent to the filtering aid tank 37. After the cleaning treatment, a pre-coating liquid dispersed with the filtering aid is supplied to the filter 30 to form a pre-coat layer on the surface of the filtering material. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は溶液製膜方法に係り、特に液晶表示装置や写真感光材料に使用されるセルロースアシレートフィルムを製造する溶液製膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレートフィルムの製造工程では、まず、セルロースエステルフレークと溶剤とを分散、攪拌することによってセルロースアシレート溶液を調製する。そして、このセルロースアシレート溶液を濾過処理し、異物を取り除くことによって、製膜後のフィルムの欠陥のおそれを排除する。次に、濾過処理したセルロースアシレート溶液を共流延などによって製膜、乾燥する。これにより、セルロースアシレートフィルムが製造される。
【0003】
上述したセルロースアシレート溶液の濾過処理は、ドープ中の未溶解物、不溶解物などの異物を除去し、製膜したフィルムの欠陥発生を防止することを目的として行われる。濾過処理用の濾材としては、濾紙、濾布、焼結金属などが使用されるが、どの濾材においても濾材孔がやがて閉塞していき、濾過処理の後半で急激な差圧上昇を引き起こすという問題がある。このため、濾材に洗浄溶液を定期的に通過させ、濾材を洗浄して再生させることが必要になる。
【0004】
ところで、現在の濾過処理は、絶対濾過精度が0.01mm程度の濾材を使用しているが、今後は、要求される濾過精度が高まると予想される。特に、近年の液晶ディスプレイ用のセルロースアシレートフィルムは、写真用セルロースアシレートフィルムに比べて高品質が要求されており、絶対濾過精度の向上が余儀なくされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、絶対濾過精度の向上を目的として濾材の孔径を小さくしたのでは、濾材がすぐに閉塞してしまい、濾過寿命が非常に短くなる。また、近年はセルロースアシレートフィルムの製造工程が高速化されており、これも濾過閉塞の時間を短くする原因となる。濾材閉塞の時間が短くなると、洗浄頻度が高まるため、作業者の負担が増加する。
【0006】
また、濾材の孔径を小さくした際には、高い濾過圧力が必要になるという問題や、濾過処理に長時間を要して生産性が低下するという問題も発生する。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、濾材の孔径を小さくすることなく、セルロースアシレート溶液の絶対濾過精度を向上させることができるとともに濾過処理量を増加させることのできる溶液製膜方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、セルロースアシレート溶液を調製して濾過処理した後、製膜してセルロースアシレートフィルムを製造する溶液製膜方法において、前記濾過処理は、濾過助剤を用いることを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、濾過助剤を用いてセルロースアシレート溶液の濾過処理を行うので、濾材の目詰まりを抑制できる。したがって、濾過処理の後半の急激な圧力上昇を抑制でき、濾過寿命を延長させることができる。また、濾過助剤を用いた濾過処理は、セルロースアシレート溶液中に含まれる異物と濾過助剤との間に形成される物理的な隙間によるふるい効果、或いは濾過助剤との相互作用による吸着効果によって、高い濾過精度を達成することができる。さらに、濾過助剤を用いた濾過処理は、逆洗あるいは濾材の回転によってケークを剥離させ、系を閉じたままの洗浄が可能であるので、作業者の負担を減少させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、濾過助剤の組成の50%以上をSiO2 とした。SiO2 は、セルロースアシレート溶液中の不溶解物を吸着するので、不純物を少なくすることができる。したがって、製膜後のフィルムの品質を向上させることができる。なお、SiO2 の割合は、70%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、濾過助剤としてセルロース系助剤を用いたので、セルロースアシレート溶液中の不溶解物を吸着することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、セルロース系助剤と、SiO2 が50%以上の助剤との混合物を用いた。このような混合系は、ケーク層を頑丈にすることができる。なお、SiO2 が70%以上の助剤を用いることがより好ましく、90%以上の助剤を用いることがさらに好ましい。
【0013】
請求項5に記載の発明によれば、複数の混合物から成る濾過助剤を用いた。このように、粒径の異なる混合物の使用は、ケークの濾過寿命を延ばすことができる。なお、粒径の大きな助剤を上流側に配置し、粒径の小さな助剤を下流側に配置するようにすれば、濾過効率を向上させることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、濾過助剤の平均粒径を1〜150μmに規定した。濾過助剤の平均粒径がこの範囲より小さいと、ケーク層が緻密化して、濾過抵抗が大きくなる。このため、高い濾過圧力が必要になって装置が大型化する。逆に、濾過助剤の平均粒径が大きいと、ケーク層の間隙が大きくなり、濾過精度が低下する。したがって、セルロースアシレート溶液を濾過する場合には、平均粒径が上記の範囲である濾過助剤を用いることが好ましい。ここで、平均粒径とは、原子または分子が集まってできる集合体の平均粒径である。なお、濾過助剤の平均粒径は、10〜100μmがより好ましく、20〜50μmがさらに好ましい。
【0015】
請求項7に記載の発明は、濾過助剤の粒径の標準偏差を1/2平均粒径以下に規定した。このように標準偏差が小さければ、濾過助剤の粒径のばらつきが少ないので、安定したケークを形成することができる。なお、標準偏差は0.4平均粒径以下がより好ましく、0.3平均粒径以下がさらに好ましい。
【0016】
請求項8に記載の発明は、濾過助剤の嵩密度を0.01〜0.8g/cm3 の範囲に規定した。嵩密度がこの範囲より小さいと、ケーキの空隙が大きくなり、濾過精度が低下する。逆に、嵩密度が大きいと、濾過抵抗が大きくなり、装置が大型化する。このため、セルロースアシレート溶液を濾過する場合、濾過助剤の平均粒径は上記の範囲であることが好ましい。なお、嵩密度は0.1〜0.5g/cm3 の範囲がより好ましく、0.3〜0.4g/cm3 の範囲がさらに好ましい。
【0017】
請求項9に記載の発明は、セルロースアシレート溶液に対して濾過助剤の添加量を0.01〜10wt. %に規定した。濾過助剤の添加量がこの範囲よりも小さいと、濾過助剤による目詰まり防止効果が殆ど得られない。逆に、濾過助剤の添加量が大きいと、ケーク層厚みの増加速度が大きく、これに伴ってケーク層の抵抗が急激に増加するので、ケークの洗浄、排出を頻繁に行わなくてはならない。したがって、濾過助剤の添加量は上記の範囲であることが好ましい。なお、濾過助剤の添加量は、0.05〜5wt. %の範囲がより好ましく、0.1〜0.5wt. %の範囲がさらに好ましい。
【0018】
請求項10に記載の発明は、濾過助剤のプレコート厚みを0.1〜10mmに規定した。プレコートの厚みがこの範囲よりも薄いと初期濾過精度が悪くなり、逆に厚いと初期抵抗が大きくなるので装置が大型化する。このため、プレコート厚みは上記の如く規定される。なお、プレコート厚みは0.5〜5mmが好ましく、1〜2mmがより好ましい。
【0019】
請求項11に記載の発明は、プレコートの質量を0.1〜5kg/m2 に規定した。プレコートがこの範囲よりも軽いと、初期濾過精度が悪化し、重いと初期抵抗が大きくなるので装置が大型化する。このため、プレコートの質量は上記の如く規定される。なお、プレコートの質量は、0.5〜2kg/m2 がより好ましい。
【0020】
請求項12に記載の発明によれば、濾過助剤の終末速度を10−4〜1cm/sに規定した。終末速度がこの範囲よりも大きいと均一なプレコート層を形成することができない。逆に小さいと、プレコート層を形成するまでに多大な時間を要するため現実的でない。したがって、濾過助剤の終末速度を上記の如く規定することによって、均一なプレコート層を迅速に形成することができる。なお、濾過助剤の終末速度は、10− 4 〜10− 2 cm/sがより好ましく、10−4〜10−3cm/sがさらに好ましい。
【0021】
請求項13に記載の発明によれば、濾過流速を0.1〜50cm/hrに規定した。濾過流速がこの範囲よりも低速だと濾過効率が低下し、逆に高速だと濾過精度が低下、または濾過圧が非常に大きくなるので、上記の範囲に規定することが好ましい。なお、濾過流速は、0.5〜30cm/hrがより好ましく、1〜15cm/hrがさらに好ましい。
【0022】
請求項14に記載の発明によれば、濾過初期差圧を0.01〜1MPaに規定した。このように濾過初期差圧を低い範囲に設定することによって、濾過精度を向上させることができる。また、その後の濾過の圧力範囲を広くとることができ、長時間の濾過、大きな濾過量を得ることができる。ここで、濾過初期差圧とは濾過初期における濾材の一次側と二次側の圧力差を示す。なお、濾過初期差圧は、0.01〜0.5MPaがより好ましく、0.01〜0.1MPaがさらに好ましい。
【0023】
請求項15に記載の発明によれば、0.01〜4MPaの濾過圧で濾過処理を行うようにした。濾過圧がこの範囲よりも高いと、耐圧のための設備コストが高くなり、装置が大型化する。逆に低いとセルロースアシレート溶液が沸騰するおそれがある。ここで、濾過圧とは濾材の一次側の圧力を示す。なお、濾過圧は、0.01〜2MPaがより好ましく、0.01〜1MPaがさらに好ましい。
【0024】
請求項16に記載の発明によれば、濾過差圧を0.01〜3MPaに規定した。濾過差圧がこの範囲よりも大きいと、ケーク層が潰れる。その結果、ケークが圧縮し、緻密化してさらに濾過差圧が上昇する原因となる。また、ケークが潰れることで層内が乱れ、濾過後のドープに濾過助剤の混入が見られるようになる。逆に濾過差圧が上記の範囲よりも小さいと、ケーク層が剥離するおそれがある。したがって、濾過差圧を上記の如く規定することによって、ケーク層を安定して形成することができる。ここで、濾過差圧とは、濾材の一次側と二次側の圧力差を示す。
【0025】
請求項17に記載の発明によれば、ケーク層の厚みを0.1〜80mmに規定した。ケーク層の厚みがこの範囲よりも大きいと、圧力損失が大きくなり、高い濾過圧力が必要になる。逆に、ケーク層の厚みが小さいと濾過精度が悪化する。なお、ケーク層の厚みを上記の範囲に制御するには、厚みが80mmになるまでにケーク層を交換するとよい。
【0026】
請求項18に記載の発明によれば、沸騰しない圧力条件下で、且つ、常圧でのセルロースアシレート溶液の沸点より20℃低い温度以上で、濾過を行うようにした。この濾過温度が高温であるほど、液の粘度が低下し、ケーク抵抗が低減することで、濾過差圧の上昇を抑えることができる。
【0027】
請求項19に記載の発明によれば、セルロースアシレート溶液の常圧での沸点と沸点から20℃低い温度との範囲で、濾過助剤をセルロースアシレート溶液に分散するようにした。上記の温度範囲で濾過助剤を分散すると、セルロースアシレート溶液に溶解されていた空気が濾過助剤を核として発泡するので、セルロースアシレート溶液は脱泡される。このように請求項19の発明は、濾過寿命を長くするだけでなく、脱泡も同時に行える効果がある。さらに、請求項19に記載の発明では、セルロースアシレート溶液中の濾過温度での溶存気泡飽和度が90%以下になった後に、濾過処理を行うようにしたので、濾過処理時に発泡することを極力抑制することができる。これにより、発泡に伴うフィルム品質の低下を防止できる。なお、濾過処理を行う際の溶存気泡飽和度は80%以下がより好ましく、70%以下がさらに好ましい。
【0028】
請求項20に記載の発明によれば、濾過助剤を分散させる時よりも低い温度で濾過処理を行うようにした。すなわち、濾過助剤の分散時よりも発泡しにくい環境で濾過処理を行うようにした。これにより、濾過処理時の発泡を防止することができ、フィルム品質を向上させることができる。
【0029】
請求項21に記載の発明によれば、濾過機から漏洩する濾過助剤の濃度を10000個/cc以下に規定した。このように濾過助剤の漏洩を抑制することによって、製膜後のフィルムの品質低下や異物混入による欠陥を防止することができる。なお、濾過助剤の濃度は、5000個/cc以下がより好ましく、1000個/cc以下がさらに好ましい。
【0030】
請求項22に記載の発明によれば、濾過助剤のトラップとして、濾過処理の後に、絶対濾過精度が2〜50μmのフィルタを設置し、後段濾過処理するようにしたので、漏洩した濾過助剤を捕集することができ、濾過助剤がフィルムに混入することを防止できる。なお、フィルタの絶対濾過精度は、2〜30μmがより好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。
【0031】
請求項23に記載の発明によれば、濾過機を洗浄溶剤で逆洗するようにしたので、ケークを濾過支持体から剥離させることができる。また、請求項23に記載の発明によれば、洗浄溶剤を、沸騰しない圧力条件下で、セルロースアシレート溶液の沸点より20℃低い温度以上に加熱して供給するようにしたので、剥離させたケークをスラリーとして効率良く排出することができる。ちなみに、従来は、濾過容器をあけて濾材を交換していたため、有機溶剤が容器から出てしまい、作業環境が悪化し、作業時間が長くなっていた。しかし、請求項23の発明では、ケークをスラリーとして配管内を移動させることができるため、密封系で移動、処理できる。そのため、作業環境も良く、また時間も短縮できる。
【0032】
請求項24に記載の発明によれば、濾過処理によって形成されたケークを、1〜50kg/m3 の濃度範囲のスラリーとして排出するようにした。排出時のスラリーの濃度がこの範囲よりも低いと、ケークの排出効率が悪くなる。逆に濃度が高いとスラリーの粒子が凝縮するという問題が発生する。したがって、スラリーの濃度を上記の範囲にすることによって、ケークを効率良く確実に排出することができる。排出したスラリーは、請求項25に記載の如く、プレコート用液、またはボディフィード用液として再利用することができる。なお、スラリーの濃度範囲は、10〜40kg/m3 がより好ましく、20〜30kg/m3 がさらに好ましい。
【0033】
請求項26に記載の発明によれば、非塩素系の有機溶剤を使用するようにした。近年、環境の影響から、非塩素系の溶剤を使用することが望まれている。なお、非塩素系の有機溶媒は、セルロースアシレート溶液、プレコート用液、ボディフィード用液、洗浄溶剤のいずれで使用してもよいが、全ての液において非塩素系を使用することが好ましい。なお、非塩素系のドープを用いた場合には、ドープが冷却溶解法により作成されて気体が多く溶解されることから、上述した脱泡のより顕著な効果が得られる。
【0034】
また、請求項27に記載の発明によれば、排出したケークのスラリー体を溶剤と濾過助剤に分離し、濾過助剤を400℃以上で焼成して再生するので、濾過助剤の再生効率を向上させることができる。さらに、請求項28に記載の発明によれば、再生した濾過助剤を未使用の濾過助剤と混合して使用するので、濾過助剤としての性能を低下させることなく、コストを削減することができる。
【0035】
上記の濾過処理を行ったセルロースアシレート溶液は、請求項29に記載の如く、共流延によって製膜することが好ましい。製膜したセルロースアシレートフィルムは、請求項31に記載の如く、高い品質を満たすことができる。したがって、請求項32のように偏光板の保護フィルムとして使用することができ、その偏光板を用いて請求項34に記載の如く液晶表示装置を製造することができる。また、製膜したセルロースアシレートフィルムを用いて、請求項33に記載の如く光学補償フィルムを製造することができ、さらに、その光学補償フィルムを用いて請求項35に記載の如く液晶表示装置を製造することができる。なお、製膜したフィルムを請求項36に記載の如く写真感光材料として使用することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る溶液製膜方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0037】
図1は本発明に係る溶液製膜方法が採用されるドープ製造ライン10を示す全体構成図である。
【0038】
同図に示すように、ドープ製造ライン10には、溶媒タンク11、計量器14、及び可塑剤タンク15が設けられている。
【0039】
溶媒タンク11には、溶媒が貯留されている。この溶媒の主溶媒は、塩素系有機溶媒であっても非塩素系有機溶媒であってもよい。ここで、塩素系有機溶媒とは、一般的にハロゲン化炭化水素化合物を意味しており、例えばジクロロメタン(塩化メチレン)、クロロホルムが挙げられる。また、非塩素系有機溶媒としては、エステル類(例えば酢酸メチル、メチルホルメート、エチルアセテート、アミルアセテート、ブチルアセテート)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル類(例えばジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチル− t− ブチルエーテル)、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、ブタノール)などが挙げられる。この非塩素系有機溶媒は、単独(100重量%)で使用しても、或いは炭素数1ないし6のエステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類を混合して使用してもよい。なお、前述した塩素系有機溶媒と非塩素系有機溶媒とを混合して用いることも可能である。また、溶媒の種類は上述したものに限定されるものではない。
【0040】
計量器14には、ポリマーが仕込まれている。ポリマーとしてはセルロースエステル、特にセルロースアシレートを用いることが好ましい。さらに、セルロースアシレートのなかでは、セルロースアセテートを使用することが好ましく、その平均酸化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6ないし3.0)のセルローストリアセテート(TAC)を使用することが最も好ましい。ここで、酸化度とは、セルロース単位重量当りの結合酢酸量を意味し、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。ポリマーは、本発明では、セルロースアシレート粒子が使用される。使用される粒子は、その90重量%以上が0.1〜4mmの粒子径を有することが好ましく、1〜4mmの粒子径を有することがより好ましい。また、粒子径0.1〜4mmの粒子が95重量%以上であることがより好ましく、97重量%以上、或いは98重量%以上であればさらに好ましく、99重量%以上が最も好ましい。また、粒子径2〜3mmの粒子が、使用する粒子の50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上、或いは80重量%以上がより好ましく、90重量%以上であることが最も好ましい。なお、セルロースアシレートの粒子形状は、なるべく球に近いものが好ましい。
【0041】
可塑剤タンク15には、可塑剤が貯蔵されている。可塑剤としては、リン酸エステル系(例えばトリフェニルフォスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートなど)、フタル酸エステル系(ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレートなど)、グリコール酸エステル系(例えば、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなど)、及びその他の可塑剤が用いられる。なお、可塑剤の他の添加剤をドープに添加してもよい。他の添加剤としては、紫外線吸収剤、離型剤、剥離促進剤、フッ素系界面活性剤などがあり、ドープの調製前から調製後までのどの段階で添加してもよい。
【0042】
上述した溶媒タンク11の溶媒と、計量器14のポリマーと、可塑剤タンク15の可塑剤はそれぞれ、溶解タンク12に送り込まれる。その際、溶媒の流量は開閉バルブ13によって調整され、可塑剤の流量は開閉バルブ16によって調整される。また、ポリマーは計量されて溶媒タンク11に送り込まれる。ポリマーの量は、製膜後のフィルム製品の品質上、溶媒に対して15〜20重量%が好ましい。また、可塑剤の量は、フィルム製品の柔軟性を考慮すると、ポリマーに対して5〜20重量%であることが好ましい。なお、溶解タンク12に送り込む順序は特に限定しないが、例えば、溶媒を最初に溶解タンク12に送液し、次いでポリマーを送り込んだ後、可塑剤を供給することが好ましい。また、可塑剤は、必要な場合にのみ添加すれば良く、他の添加剤を添加してもよい。
【0043】
溶解タンク12には、モータ17によって回転する攪拌翼18が設けられている。この攪拌翼18が回転することによって、溶解タンク12内の溶媒、ポリマー、及び可塑剤などが攪拌される。これにより、粗溶解の状態、すなわちポリマーなどの溶質が溶媒に完全には溶けてない状態になる。
【0044】
溶解タンク12で粗溶解された粗溶解液19は、貯蔵タンク20に一旦貯蔵される。これにより、溶解タンク12の内部が空になるので、粗溶解液19を繰り返し形成する連続バッチ式が可能になる。なお、貯蔵タンク20にも、モータ21で回転する攪拌翼22が設けられており、貯蔵された粗溶解液19を攪拌して均一にすることができる。
【0045】
貯蔵タンク20内の粗溶解液19は、ポンプ23を駆動することによって、配管24を介し、加熱器25に送液される。加熱器25としては、多管式熱交換器(シェル&チューブ方式)や静止型混合器(スタチックミキサー)などのインラインミキサーが用いられ、この加熱器25によって粗溶解液19が加熱される。加熱温度は50〜120℃が好ましく、加熱時間は5〜30分が好ましい。これにより、フィルム製膜に必要なポリマーなどの溶質は変性することなく、完全に溶解し、ドープ原液が調製される。なお、配管24を保温、或いは加熱してもよく、これによって、配管24を流れる粗溶解液19が加熱されて溶質の溶解が促進される。
【0046】
加熱器25により調製されたドープ原液は、冷却器26に送られ、この冷却器26によって、ドープ原液を構成する主要溶媒の沸点以下にまで冷却される。冷却されたドープ原液はポンプ27を駆動することによって、ボディフィード用タンク28に送られる。
【0047】
ボディフィード用タンク28には、濾過助剤タンク37が接続されており、この濾過助剤タンク37から濾過助剤が送り込まれる。濾過助剤とは、濾過材上に多孔質のベッドを形成することによって、濾過性能を改善し、濾過速度を向上させる不活性な粉末あるいは粒であり、例えば、二酸化硅素(SiO2 )が50%以上の助剤と、セルロース系助剤とが混合されて使用される。また、濾過助剤は平均粒径が1〜150μmであるものが使用される。平均粒径の細かな助剤を用いると、空隙の小さいケーク層が形成されるため、濾過抵抗が大きくなり、濾過速度が低下する。逆に、平均粒径が大きい濾過助剤を用いると、空隙の大きいケーク層が形成されるため、濾過精度が低下する。
【0048】
また、濾過助剤は、粒径の標準偏差が1/2平均粒径以下のものが使用される。粒径の標準偏差が大きいと、粒径のばらつきが大きいため、安定したケークを形成することができない。
【0049】
さらに、濾過助剤は、嵩密度が0.01〜0.8g/cm3 であるものが使用される。嵩密度がこの範囲よりも小さいと、空隙の大きいケーク層が形成されるため、濾過精度が低下する。逆に嵩密度が大きいと、空隙の小さいケーク層が形成され、濾過差圧が上昇しやすくなる。なお、濾過助剤は二酸化硅素が50%以上の助剤だけを用いても、或いはセルロース系助剤だけを用いてもよい。或いは、フライアッシュや砂などを濾過助剤として用いてもよい。
【0050】
濾過助剤は、ボディフィード用タンク28内のドープ原液に対し、0.01〜10wt%の割合で添加される。この添加量が小さいと、濾過助剤による目詰まり防止の効果が得られにくく、逆に添加量が大きいと、ケーク層の厚み増加量が大きくなり、濾過抵抗が大きくなるという問題が発生する。
【0051】
濾過助剤が添加されたドープ原液は、ボディフィード用タンク28の攪拌翼41によって攪拌される。これにより、濾過助剤が均一に分散される。その際、セルロースアシレート溶液(ドープ)の常圧での沸点から沸点以下20℃での温度範囲で行われる。このような温度範囲で濾過助剤を分散させると、ドープ原液中に溶解されていた空気が濾過助剤を核として気泡となり、脱泡される。そして、ドープ原液中の溶存気体飽和度が90%以下になった後、ドープ原液が切替器29を介して濾過機30に送液される。
【0052】
濾過機30は、二機が並列に設置されており、切替器29によってドープ原液が供給される濾過機30が選択される。濾過機30としては、例えばマルチフィルタ方式の装置が使用され、濾過機30の濾材としては濾紙、濾布、焼結金属などが使用される。ここで、濾過機30の濾材とは、ケーク層の支持体を意味する。なお、濾過機30は二機に限定されるものではなく、三機以上の濾過機30を並列に設置してもよい。
【0053】
濾過機30にドープ原液が供給されると、ドープ原液に含まれていた不溶解物と濾過助剤とが濾材の表面に堆積し、空隙を有するケーク層が濾材表面に形成される。これにより、濾過差圧の急激な上昇を防止することができるので、安定した濾過処理を行うことができる。また、濾過助剤と不溶解物との間に形成される物理的な小隙間によるふるい効果が得られるので、濾過精度が向上する。さらに、濾過助剤としてSiO2 が50%以上の助剤やセルロース系助剤を使用しているので、セルロースアシレート溶液中の不溶解物が濾過助剤に吸着され、濾過精度が向上する。
【0054】
濾過処理中、ケーク層の厚みは、0.1〜80mmの範囲であることが好ましい。このような範囲の厚みであれば、高い濾過精度を維持することができるとともに、ケーク層による濾過抵抗の増加を抑制できる。
【0055】
また、濾過処理は、前述した濾過助剤を分散する際よりも低温で行うことが好ましい。これにより、分散の際よりも発泡しにくい環境で濾過処理が行われるので、濾過処理時に発泡することを防止することができる。したがって、濾過処理時の発泡によってケーク層が破壊されることを防止することができ、安定した濾過処理を行うことができる。
【0056】
また、濾過処理時の温度は、分散の際よりも低温であるとともに、沸騰しない圧力条件下で、セルロースアシレート溶液の常圧での沸点より20℃低い値以上の温度で行うことが好ましい。このような温度で濾過処理を行うことによって、ドープの粘度が低下してケークとの抵抗が低減するので、濾過差圧の上昇を抑制することができる。
【0057】
濾過機30の下流側には流量計31が設けられており、この流量計31の計測値が、例えば0.1〜50cm/hrの範囲で一定になるようにポンプ27が制御される。濾過流速が上記の範囲よりも大きいと、濾過精度が低下したり、濾過圧が非常に大きくなるおそれがある。逆に濾過流速が小さいと、濾過効率が低下する。なお、濾過方法は定量濾過方法に限定されるものではなく、定圧濾過方法などの他の方法を採用することも可能である。
【0058】
また、濾過機30の前段と後段で測定した濾過差圧が濾過処理の初期において0.01〜1MPaになるように制御される。さらに、濾過処理中は、0.01〜4MPaの濾過圧を与えることによって、濾過差圧が0.01〜3MPaになるように制御される。濾過初期差圧、濾過差圧は低い方が好ましく、濾過差圧が高いとケークが潰れるおそれがある。また、濾過圧が高いと、耐圧性の設備が必要になり、設備コストが高くなるという問題が発生する。したがって、濾過初期差圧、濾過差圧、濾過圧を上記の範囲に制御することが好ましく、これによって、ケークを破壊することなく、低コストで濾過処理を行うことができる。
【0059】
濾過機30で濾過されたドープ32は、フィルタ部材42に送られる。フィルタ部材42は例えば絶対濾過精度が2〜50μmのものが使用される。このフィルタ部材42で濾過処理することによって、濾過機30から漏洩した濾過助剤が捕集される。なお、濾過機30から漏洩する濾過助剤は、フィルタ部材42で捕集可能な量であることが好ましく、例えば濾過機30から漏洩する助剤量が10000個/cc以下であることが好ましく、5000個/cc以下であることがより好ましく、1000個/cc以下であることがさらに好ましい。
【0060】
フィルタ部材42を通過したドープ32は、ドープ用タンク33に送液されて貯留される。このドープ32が図2に示すフィルム製膜装置50によって製膜される。
【0061】
図2に示すフィルム製膜装置50はバンドゾーン51と乾燥ゾーン52とから構成されている。ドープ用タンク33に仕込まれているドープ32は、ポンプ53によって送液される。そして、フィルタ54によってゴミやホコリが除去された後、バンドゾーン51の流延ダイ60に供給される。
【0062】
バンドゾーン51には、一対の支持ローラ57、58と、この一対の支持ローラ57、58に巻き掛けられた無端状の流延バンド59とが設けられている。流延バンド59は、不図示の駆動装置で支持ローラ57、58を回転させることによって周回移動する。前述した流延ダイ60は、この流延バンド59の上に設置されている。この流延ダイ60にドープ32が供給されると、このドープ32は流延バンド59上に流延される。流延されたドープ32は、流延バンド59によって搬送されながら乾燥し、自己支持性がでたところで、剥ぎ取りローラ61によって剥ぎ取られる。これにより、フィルム62が形成される。フィルム62は、テンタ63により搬送されながら乾燥される。
【0063】
テンタ63から乾燥ゾーン52に送られたフィルム62は、乾燥ゾーン52内で複数のローラ64に巻き掛けられて乾燥する。乾燥ゾーン52内の温度は、50〜150℃の範囲に制御されており、フィルム62が均一に乾燥される。乾燥後のフィルム62は、巻き取り機65に巻き取られる。これにより、高品質のフィルム62、すなわちクロスニコル下での観察される輝点欠陥の数が幅方向に5cm2 のサンプルを5点採取した際の平均値として20μm以上が0(個/5cm2 )であり、10μm以上20以下が10(個/5cm2 )以下であり、5μm以上10μm以下が10(個/5cm2 )以下である高品質のフィルム62が製造される。
【0064】
ところで、濾過機30で連続して濾過処理を行うと、濾過機30の濾材は徐々に閉塞する。そこで、濾材が閉塞した際は、切替器29によって濾過処理を行う濾過機30を切り替える。そして、濾材が閉塞した濾過機30を図3に示す洗浄装置によって洗浄する。なお、図3には、二機の濾過機30のうちの一方にのみ、洗浄装置やプレコート用タンク49が接続されているが、もう一方の濾過機30にも、同じ構成の洗浄装置とプレコート用タンクが接続されている。
【0065】
洗浄装置は洗浄溶剤タンク38と排出タンク40とを有している。洗浄溶剤タンク38は、供給ライン45を介して濾過機30のドープ排出側30Bに接続されるとともに、回収ライン46を介して濾過機30のドープ原液供給側30Aに接続される。
【0066】
洗浄溶剤タンク38には洗浄溶剤が貯留される。この洗浄溶剤は、濾過機30の濾材を洗浄可能なものであればよいが、その溶剤種がドープ溶媒を構成する溶媒種のうち少なくとも1種以上の溶媒であることが好ましく、ドープ溶液を構成する溶媒種と全て同じ溶媒種であることが好ましい。さらに、洗浄溶剤をはじめ、使用する液の有機溶剤は、非塩素系であることが環境保護の面で好ましい。
【0067】
供給ライン45にはポンプ39と加熱器47が配設されている。ポンプ39は、濾過機30内のドープ原液の一部(または全部)を濾過機30から排出した際に駆動され、これによって洗浄溶剤タンク38内の洗浄溶剤が加熱器47に供給される。加熱器47は、多管式熱交換器や静止型混合器などのインラインミキサーが用いられ、この加熱器47によって洗浄溶剤が加熱される。その加熱温度としては、洗浄溶剤が沸騰しない条件下で、洗浄溶剤の常圧での沸点よりも20℃低い値以上の温度とする。このように洗浄溶剤を加熱して濾過機30に供給することによって濾過機30の洗浄効果を向上させることができる。なお、洗浄溶剤が沸騰しないように、濾過機30の内圧を高めるようにしてもよい。
【0068】
濾過機30に送られた洗浄溶剤は、濾過処理時のドープ原液と逆方向に濾材を通過し、回収ライン46を介して洗浄溶剤タンク38に回収される。これにより、濾過機30に洗浄溶剤が循環供給され、濾材のドープ原液供給側に形成されていたケークが濾材から剥離される。剥離後のケークは、洗浄溶剤に溶けてスラリーとなり、濾過機30から排出される。そして、このスラリーの濃度が目標値になった際にスラリーの排出作業が行われる。すなわち、洗浄溶剤タンク38の一部(または全部)が排出ライン43を介して排出タンク40に排出され、新品の洗浄溶剤が洗浄溶剤タンク38に補給される。なお、スラリーの濃度目標値は、1〜50kg/m3 の範囲で設定される。この濃度範囲より高濃度の場合には、スラリーの粒子が凝集するため、排出ライン43や回収ライン46が詰まるという問題が生じる。逆に低濃度の場合には、ケークの排出効率が悪いという問題がある。
【0069】
排出タンク40に排出されたスラリーは、分離装置44に送られて溶剤と濾過助剤とに分離される。そして、溶剤は、図1のリサイクル溶液タンク36に送液され、ドープの調製に再利用される。また、濾過助剤は、焼成装置48に送られて焼成され、濾過助剤が再生される。その際、400℃以上で焼成することによって、濾過助剤の再生効率を向上させることができる。再生した濾過助剤は、濾過助剤タンク37に戻され、再利用される。その際、再生した濾過助剤を単独で使用してもよいが、未使用の濾過助剤と混合して使用すると、濾過助剤による効果を低下させることなく、コストを大幅に削減することができる。なお、再生した濾過助剤と未使用の濾過助剤の混合割合は1:1程度でもよい。
【0070】
濾過助剤タンク37は、ボディフィード用タンク28の他に、プレコート用タンク49に接続されている。プレコート用タンク49にはドープが供給され、このドープに濾過助剤が添加される。濾過助剤は、攪拌翼66を回転することによって攪拌、分散され、これによってプレコート用液が作製される。このプレコート用液は、濾材を洗浄処理してケーク層を除去した後、濾過機30に供給される。これによって、濾材の表面に、濾過助剤から成るプレコート層が形成される。このように濾材表面にプレコート層を形成すると、濾過処理の初期にも、濾過助剤の効果が得られる。なお、プレコート層は、厚みが0.1〜10mmであること、或いは、質量が0.1〜5kg/m2 であることが好ましい。この範囲よりも、プレコート層の厚みや質量が小さいと、濾過処理の初期において濾過精度が低下する。逆にプレコート層の厚みや質量が大きいと、濾過処理時にプレコート層の抵抗が大きくなり、濾過効率が低下する。したがって、プレコート層を上記の範囲の厚み、質量で形成することが好ましい。また、プレコート用液は、濾過助剤の終末速度が10−4〜1cm/sの範囲であることが好ましい。濾過助剤の終末速度をこの範囲にすることによって、プレコート用液の濾過助剤が均一に沈降し、均一なプレコート層が形成される。
【0071】
プレコート層を形成した後、再び濾過処理が行われる。すなわち、切替器29を切り替えることによって、ボディフィード用タンク28からドープ原液が供給される。このドープ原液に含まれる不溶解物と濾過助剤とがプレコート層の表面に堆積し、空隙を有するケーク層が形成される。これにより、高い濾過精度で安定した濾過処理を行うことができる。
【0072】
このように本実施の形態は、濾過助剤を用いて濾過処理を行うので、濾材の孔径を小さくすることなく、絶対濾過精度を向上させることができる。また、濾過助剤を用いたことによる効果として、安定した濾過処理を行うことができ、濾過寿命を延長させることができる。さらに、濾過機30の濾材を洗浄する際は、系内で洗浄溶剤を循環させればよいので、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0073】
【実施例】
様々な濾過条件のもとでドープ処方Aを用いて濾過を行い、差圧が1MPaに到達した際に濾過を停止した。ドープ処方Aとしては、酢酸メチル(SP:9.6、75重量%)、アセトン(SP:9.9、12.5重量%)、メタノール(SP:14.5、6.25重量%)、エタノール(SP:12.7、6.25重量%)から成る混合溶媒に、セルローストリアセテート(置換度2.75、SP:10.9)を混ぜて濃度19%としたものを使用した。
(実施例1)
濾過助剤として、SiO2 組成95%、平均粒径70μm、粒径標準偏差20μm、嵩密度0.45g/cm3 のものを使用した。この濾過助剤をボディフィード用として、55℃で0.2%添加した。また、プレコート用として、終末速度10−3cm/sのプレコート用液を作製し、厚み2mm、0.8kg/m2 のプレコート層を形成した。そして、濾過流速0.4cm/hr 、初期圧0.3MPaで濾過処理を開始し、ケーク層の最終厚みが40mmになるまで濾過を行った。濾過処理の際、濾過温度は50℃(沸点58℃)であり、溶存気体飽和度は85%であった。濾過処理後、ドープ中の助剤量は10個/cc であり、濾材平均孔径0.01mmのフィルタで後段濾過した後の助剤量は0個/cc であった。また、濾過終了後、ドープ処方Aと同組成の洗浄溶剤を50℃にて循環供給した。濾材に形成されたケークは洗浄液中でスラリーとし、10kg/m3 で排出した。この条件によって得られる濾過寿命(単位面積あたりの濾過量)を求め、これを1とし、以下の実施例と比較した。また、ドープ品質に関してはフィルムを作製し評価した。この結果、クロスニコル下での観察される輝点欠陥の数が幅方向に5cm2 のサンプルを5点採取した際の平均値として20μm以上(以下▲1▼で示す)が0個/5cm2 であり、10μm以上20μm以下(以下▲2▼で示す)が9個/5cm2 であり、5μm以上10μm以下(以下▲3▼で示す)が3個/5cm2 であった。
(実施例2)
濾過助剤としてセルロース系濾過助剤、嵩密度0.1g/cm3 を使用し、初期圧を0.4MPaとした。その他の条件は実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、濾過後のドープ中の助剤量は1個/cc であり、濾過寿命は0.8であった。また、フィルムの評価として▲1▼0個/5cm2 、▲2▼5個/5cm2 、▲3▼1個/5cm2 であった。したがって、セルロース系濾過助剤を用いても十分な効果を得ることができる。
(実施例3)
実施例1で使用した助剤と実施例2で使用した助剤とを1:1で混合させた助剤を用い、実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、濾過後のドープ中の助剤量は3個/cc であり、濾過寿命は0.95であった。また、フィルムの評価として▲1▼0個/5cm2 、▲2▼5個/5cm2 、▲3▼1個/5cm2 であった。したがって、セルロース系助剤と、SiO2 が50%以上の助剤とを混合させてもよいことが分かる。
(実施例4)
実施例1で使用した助剤を800℃で焼成し、実施例1と同じ条件で濾過を行った。この結果、濾過後のドープ中の助剤量は3個/cc であり、濾過寿命は0.98であった。また、フィルムの評価として▲1▼0個/5cm2 、▲2▼10個/5cm2 、▲3▼4個/5cm2 であった。したがって、助剤を800℃で焼成して再生すれば、十分な効果が得られることが分かる。
(実施例5)
実施例1で使用した助剤を800℃で焼成し、未使用の同型の濾過助剤と1:1で混合し、実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、濾過寿命は0.985であった。また、フィルムの評価として▲1▼0個/5cm2 、▲2▼10個/5cm2 、▲3▼3個/5cm2 であった。
(比較例1)
濾過助剤として、SiO2 組成48%の濾過助剤を使用し、実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、濾過寿命は0.98と良好であったが、フィルムの評価は▲1▼1個/5cm2 、▲2▼12個/5cm2 、▲3▼12個/5cm2 となり、十分な品質が得られなかった。このため、SiO2 組成は50%以上であることが好ましい。(比較例2)
濾過助剤として平均粒径が155μmのSiO2 を使用し、初期圧0.2MPa、その他は実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、濾過寿命は1.2で良好であったが、フィルムの評価は▲1▼4個/5cm2 、▲2▼20個/5cm2 、▲3▼22個/5cm2 となり、十分な品質が得られなかった。このため、濾過助剤の平均粒径は150μm以下であることが好ましい。
(比較例3)
濾過助剤として平均粒径が0.5μmのSiO2 を使用し、初期圧0.8MPa、その他は実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、濾過寿命は0.5と短くなった。このため、濾過助剤の平均粒径は、1.0μm以上であることが好ましい。なお、フィルムの評価は▲1▼0個/5cm2 、▲2▼2個/5cm2 、▲3▼2個/5cm2 となり、十分な品質が得られた。
(比較例4)
濾過助剤として粒径標準偏差が40のSiO2 を使用し、初期圧0.35MPa、その他は実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、濾過後のドープ中の助剤量は100000個/cc になり、フィルタで濾過した後の助剤量は10個/cc になり、漏洩する助剤量が多かった。このため、濾過助剤の粒径標準偏差は1/2平均粒径以下であることが好ましい。なお、濾過寿命は0.95であり、フィルムの評価は▲1▼0個/5cm2 、▲2▼5個/5cm2 、▲3▼2個/5cm2 であり、良好であった。
(比較例5)
実施例1で使用した濾過助剤を15%添加した。その結果、濾過後のドープ中の助剤量は20個/cc になり、漏洩する助剤量が若干増えたが、フィルタで完全に除去することができた(0個/cc )。しかし、濾過寿命が0.1と非常に短くなった。このため濾過助剤の添加量は、10%以下であることが好ましい。なお、フィルムの評価は▲1▼0個/5cm2 、▲2▼5個/5cm2 、▲3▼2個/5cm2 であり、良好な結果が得られた。
(比較例6)
実施例1における濾過助剤の添加量を0.005%にした。その結果、濾過寿命が0.5と短くなった。このため、濾過助剤の添加量は0.01%以上が好ましい。なお、フィルムの評価は▲1▼3個/5cm2 、▲2▼10個/5cm2 、▲3▼8個/5cm2 であった。
(比較例7)
実施例1で使用したプレコート用液を用い、厚み15mm、6kg/m2 のプレコート層を形成した。そして、初期圧1MPa、その他の条件を実施例1と同じ条件で濾過処理を行った。その結果、濾過寿命は0.1になり、大幅に減少した。このことからプレコート層の厚み、質量を大きくすると、濾過寿命の点で問題が発生することが分かる。このため、プレコート層は、厚みが10mm以下、質量が5kg/m2 以下であることが好ましい。なお、フィルムの評価は▲1▼0個/5cm2 、▲2▼1個/5cm2 、▲3▼1個/5cm2 になり、良好であった。
(比較例8)
実施例1と同じ濾過助剤を用いて、濾過助剤の終末速度が2cm/sのプレコート用液を作製し、厚み0.1〜3mm、質量0.8kg/m2 のプレコート層を形成した。そして、実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、漏洩する濾過助剤量が増加し、濾過後のドープ中の助剤量が100000個/cc と非常に大きくなった。また、濾材平均孔径0.01mmのフィルタを用いて濾過しても助剤は100個/cc が残った。また、プレコート層が不均一な厚みになるという不具合も発生した。このため、濾過助剤の終末速度は1cm/s以下が好ましい。
(比較例9)
濾過流速を51cm/hr 、初期圧を1.5MPaとし、その他の条件を実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、漏洩する濾過助剤量が増加して、濾過後のドープ中の助剤量が300000個/cc と非常に大きくなるとともに、濾材平均孔径0.01mmのフィルタを用いて濾過しても助剤は1000個/cc が残った。また、濾過寿命は0.05と非常に短くなり、フィルムの評価は▲1▼10個/5cm2 、▲2▼25個/5cm2 、▲3▼28個/5cm2 と品質の低下が見られた。このため、初期圧は1MPa以下、濾過流速は50cm/hr 以下にすることが好ましい。
(比較例10)
濾過処理時の濾過温度を20℃(沸点58℃)とし、溶存気体飽和度を89%とした。そして、初期圧0.5MPaとし、その他を実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、濾過後のドープ中の助剤量が10個/cc 、濾材平均孔径0.01mmのフィルタで濾過後の助剤量が0個/cc と良好であったが、濾過寿命が0.7と低下した。このため、濾過温度は、セルロースアシレート溶液の沸点よりも20度低い値(38℃)以上に加熱するとよい。
(比較例11)
濾過処理時の濾過温度を57℃(沸点58℃)とし、溶存気体飽和度を89%とした。そして、初期圧0.5MPa、その他を実施例1と同じ条件で濾過を行った。その結果、漏洩する濾過助剤量が増加し、濾過後のドープ中の助剤量が100000個/cc 、濾材平均孔径0.01mmのフィルタで濾過後の助剤量が1000個/cc になった。このことから濾過温度が高く、セルロースアシレート溶液の沸騰が一部で生じると、ケークが破壊され、濾過助剤が漏洩することが分かる。したがって、濾過処理は確実に沸騰しない圧力条件下とすることが好ましい。なお、濾過寿命は1.01、フィルムの評価は▲1▼0個/5cm2 、▲2▼11個/5cm2 、▲3▼11個/5cm2 となり、若干低下したものの、良好な結果が得られた。
(比較例12)
濾過後のフィルタとして濾材平均孔径80μmのものを使用した。そして、濾過後のドープ中の助剤量が10個/cc であるドープをフィルタで濾過した。その結果、ドープ中の助剤量は、5個/cc となり、助剤が漏洩するようになった。このため、濾過後のフィルタは、濾材平均孔径がもっと小さい50μm以下のものが好ましい。
(比較例13)
濾過後のフィルタとして濾材平均孔径1μmのものを使用した。この結果、漏洩した濾過助剤をフィルタで完全に捕集することができたがすぐに圧力上昇し、濾過ドープが得られなくなった。
(比較例14)
洗浄処理時、ケークをスラリーとして70kg/m3 で排出した。この結果、濾過助剤は凝集し、配管内で沈降し、助剤回収率が98%に低下した。
(比較例15)
実施例1で使用した濾過助剤を300℃で焼成し、再度同様の濾過実験を行った。この結果、濾過寿命は0.8に減少した。また、フィルムの評価は▲1▼3個/5cm2 、▲2▼15個/5cm2 、▲3▼12個/5cm2 になり、品質が若干低下した。このため、濾過助剤の再生率を考えると、もっと高い温度で焼成することが好ましく、400℃以上で焼成することが好ましい。
【0074】
次に、ドープ処方Aに、同組成の17%ドープを副流として用いて共流延を行い、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルムを作製した。そして、ハードコート層用塗布液をバーコーターにて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて照度400mW/cm2 、照射量300J/cm2 の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚み2.5μmのハードコート層を形成した。その上に防眩層用塗布液をバーコーターにて塗布し、ハードコート層と同条件にて乾燥、紫外線硬化して、厚み約1.5μmの防眩層を形成した。その上に、低屈折率層用塗布液をバーコーターにて塗布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で10分間熱架橋し、厚み0.096μmの低屈折率層を形成した。なお、ハードコート層用塗布液、防眩層用塗布液、低屈折率層用塗布液については、実施例の最後で説明する。
【0075】
得られたフィルムについて以下の項目の評価を行った。
(1)鏡面反射率及び色味
【0076】
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5°の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価した。
【0077】
さらに、測定された反射スペクトルから、CIE標準光源D65の5°入射光に対する正反射光の色味を表すCIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射光の色味を評価した。
(2)積分反射率
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターILV−471を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における積分反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出した。
(3)ヘイズ
得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL 1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(4)鉛筆硬度評価
耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。反射防止膜を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重にて、
n=5の評価において傷が全く認められない :○
n=5の評価において傷が1または2つ   :△
n=5の評価において傷が3つ以上     :×
(5)接触角測定
表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、水に対する接触角を測定し、指紋付着性の指標とした。
(6)動摩擦係数測定
表面滑り性の指標として動摩擦係数にて評価した。動摩擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、HEIDON−14動摩擦測定機により5mmφステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/minにて測定した値を用いた。
(7)防眩性評価
作成した防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2 )を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
【0078】
蛍光灯の輪郭が全く分からない     :◎
蛍光灯の輪郭が僅かに変わる      :○
蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる:△
蛍光灯がほとんどぼけない       :×
以上の項目により評価した結果を表1に示す。同表に示すように、得られたフィルムは、防眩性、反射防止性に優れ、且つ色味が弱く、また、鉛筆硬度、指紋付着性、動摩擦係数のような膜物性を反映する評価の結果も良好であった。
【0079】
【表1】

Figure 2004107629
次に、得られたフィルムを用いて防眩性反射防止偏光板を作製した。この偏光板を用いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装置を作製したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず、優れた視認性を有し、指紋付も良好であった。
(防眩層塗布液の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本火薬(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)125gを439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50重量%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本火薬(株)製3.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。
【0080】
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SXー200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して防眩層の塗布液を調製した。
(ハードコート層用塗布液の調製)
紫外線硬化性ハードコート組成物(デソライトKZー7689、72重量%、JSR(株)製)250gを62gのメチルエチルケトン、および88gのシクロヘキサノンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.53であった。
【0081】
さらにこの溶液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層の塗布液を調製した。
(低屈折率層塗布液の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(TN−049、JSR(株)製)20093gにMEKーST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのMEK分散物、日産化学(株)製)8g、およびルエチルケトン100gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る溶液製膜方法によれば、濾過助剤を用いてセルロースアシレート溶液の濾過処理を行うので、濾材の目詰まりを抑制でき、濾過寿命を延長させることができるとともに、濾過精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る濾過機の洗浄方法が適用されるドープ製造ラインの構成図
【図2】フィルム製膜装置の構成図
【図3】本発明に係る濾過機の洗浄装置の構成図
【符号の説明】
10…ドープ製造ライン、11…溶媒タンク、12…溶解タンク、14…計量器、15…可塑剤タンク、20…貯蔵タンク、27…ポンプ、28…ボディフィード用タンク、29…切替器、30…濾過機、31…流量計、32…ドープ、33…ドープ用タンク、34…洗浄溶剤回収タンク、36…リサイクル溶液タンク、37…濾過助剤タンク、38…洗浄溶剤タンク、39…ポンプ、40…排出タンク、41…攪拌翼、42…フィルタ部材、43…排出ライン、44…分離装置、46…回収ライン、47…加熱器、48…焼成装置、49…プレコート用タンク、50…フィルム製膜装置、51…バンドゾーン、52…乾燥ゾーン、54…フィルタ、59…流延バンド、60…流延ダイ、61…剥ぎ取りローラ、62…フィルム、63…テンタ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a solution casting method, and more particularly to a solution casting method for producing a cellulose acylate film used for a liquid crystal display device or a photographic light-sensitive material.
[0002]
2. Description of the Related Art In the process for producing a cellulose acylate film, a cellulose acylate solution is first prepared by dispersing and stirring cellulose ester flakes and a solvent. Then, the cellulose acylate solution is filtered to remove foreign substances, thereby eliminating the possibility of film defects after film formation. Next, the filtered cellulose acylate solution is formed into a film and dried by co-casting or the like. Thereby, a cellulose acylate film is manufactured.
[0003]
The filtration treatment of the cellulose acylate solution described above is carried out for the purpose of removing foreign matters such as undissolved materials and insoluble materials in the dope and preventing the occurrence of defects in the formed film. Filter media, filter cloth, sintered metal, etc. are used as filter media for filtration treatment, but the problem is that the filter media pores will eventually close in any filter media, causing a sudden increase in differential pressure in the latter half of the filtration treatment. There is. For this reason, it is necessary to periodically pass the cleaning solution through the filter medium and to wash and regenerate the filter medium.
[0004]
By the way, the current filtration process uses a filter medium having an absolute filtration accuracy of about 0.01 mm, but it is expected that the required filtration accuracy will increase in the future. In particular, cellulose acylate films for liquid crystal displays in recent years are required to have higher quality than photographic cellulose acylate films, and absolute filtration accuracy is inevitably improved.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, if the pore size of the filter medium is reduced for the purpose of improving the absolute filtration accuracy, the filter medium is immediately clogged, resulting in a very short filter life. Moreover, in recent years, the manufacturing process of a cellulose acylate film has been accelerated, and this also causes a shortening of the filtration blockage time. When the filter medium closing time is shortened, the frequency of cleaning increases, so the burden on the operator increases.
[0006]
In addition, when the pore size of the filter medium is reduced, there arises a problem that a high filtration pressure is required and a problem that productivity is lowered due to a long time for the filtration treatment.
[0007]
The present invention has been made in view of such circumstances, and a solution that can improve the absolute filtration accuracy of a cellulose acylate solution and increase the amount of filtration treatment without reducing the pore size of the filter medium. It aims at providing the film forming method.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 is a solution casting method in which a cellulose acylate solution is prepared and filtered, and then a cellulose acylate film is manufactured to form a cellulose acylate film. , Using a filter aid.
[0009]
According to the first aspect of the present invention, since the cellulose acylate solution is filtered using the filter aid, clogging of the filter medium can be suppressed. Therefore, a rapid pressure increase in the latter half of the filtration process can be suppressed, and the filtration life can be extended. In addition, the filtration treatment using the filter aid is a sieving effect due to a physical gap formed between the foreign substance contained in the cellulose acylate solution and the filter aid, or adsorption by interaction with the filter aid. Depending on the effect, high filtration accuracy can be achieved. Furthermore, the filtration process using the filter aid can reduce the burden on the operator because the cake can be peeled off by backwashing or rotation of the filter medium and the system can be washed with the system closed.
[0010]
According to the invention described in claim 2, 50% or more of the composition of the filter aid is SiO 2. 2 It was. SiO 2 Adsorbs the insoluble matter in the cellulose acylate solution, so that impurities can be reduced. Therefore, the quality of the film after film formation can be improved. In addition, SiO 2 The ratio is more preferably 70% or more, and further preferably 90% or more.
[0011]
According to the invention described in claim 3, since the cellulose-based auxiliary is used as the filter auxiliary, it is possible to adsorb insoluble matter in the cellulose acylate solution.
[0012]
According to the invention described in claim 4, the cellulosic auxiliary agent and SiO 2 A mixture with more than 50% auxiliary was used. Such a mixing system can make the cake layer sturdy. In addition, SiO 2 Is more preferably 70% or more, and more preferably 90% or more of an auxiliary.
[0013]
According to invention of Claim 5, the filter aid which consists of a some mixture was used. Thus, the use of mixtures of different particle sizes can extend the cake's filtration life. If an auxiliary agent having a large particle size is arranged on the upstream side and an auxiliary agent having a small particle size is arranged on the downstream side, the filtration efficiency can be improved.
[0014]
According to invention of Claim 6, the average particle diameter of the filter aid was prescribed | regulated to 1-150 micrometers. If the average particle size of the filter aid is smaller than this range, the cake layer becomes dense and the filtration resistance increases. For this reason, a high filtration pressure is required and the apparatus becomes large. On the other hand, when the average particle size of the filter aid is large, the gap between the cake layers is increased, and the filtration accuracy is lowered. Therefore, when filtering a cellulose acylate solution, it is preferable to use a filter aid having an average particle size in the above range. Here, the average particle diameter is an average particle diameter of an aggregate formed by collecting atoms or molecules. In addition, the average particle diameter of the filter aid is more preferably 10 to 100 μm, and further preferably 20 to 50 μm.
[0015]
In the seventh aspect of the present invention, the standard deviation of the particle size of the filter aid is specified to be ½ average particle size or less. If the standard deviation is small as described above, the dispersion of the particle size of the filter aid is small, so that a stable cake can be formed. The standard deviation is more preferably 0.4 average particle size or less, and further preferably 0.3 average particle size or less.
[0016]
The invention according to claim 8 has a bulk density of the filter aid of 0.01 to 0.8 g / cm. 3 Stipulated in the range. When the bulk density is smaller than this range, the voids of the cake are increased, and the filtration accuracy is lowered. Conversely, if the bulk density is large, the filtration resistance increases and the apparatus becomes large. For this reason, when filtering a cellulose acylate solution, it is preferable that the average particle diameter of a filter aid is the said range. The bulk density is 0.1 to 0.5 g / cm. 3 Is more preferable, 0.3 to 0.4 g / cm 3 The range of is more preferable.
[0017]
According to the ninth aspect of the present invention, the amount of the filter aid added to the cellulose acylate solution is 0.01 to 10 wt. %. When the addition amount of the filter aid is smaller than this range, the clogging prevention effect by the filter aid is hardly obtained. Conversely, if the amount of filter aid added is large, the rate of increase in the thickness of the cake layer is large, and the resistance of the cake layer increases rapidly with this, so the cake must be frequently washed and discharged. . Therefore, the amount of filter aid added is preferably in the above range. In addition, the addition amount of the filter aid is 0.05 to 5 wt. % Is more preferable, and 0.1 to 0.5 wt. % Range is more preferred.
[0018]
In the invention described in claim 10, the precoat thickness of the filter aid is regulated to 0.1 to 10 mm. If the thickness of the precoat is smaller than this range, the initial filtration accuracy is deteriorated. Conversely, if the thickness of the precoat is thick, the initial resistance is increased, and the apparatus is increased in size. For this reason, the precoat thickness is defined as described above. The precoat thickness is preferably 0.5 to 5 mm, more preferably 1 to 2 mm.
[0019]
In the invention according to claim 11, the mass of the precoat is 0.1 to 5 kg / m. 2 Stipulated. If the precoat is lighter than this range, the initial filtration accuracy deteriorates. If the precoat is heavy, the initial resistance increases and the apparatus becomes large. For this reason, the mass of a precoat is prescribed | regulated as mentioned above. The mass of the precoat is 0.5-2 kg / m. 2 Is more preferable.
[0020]
According to the invention described in claim 12, the terminal speed of the filter aid is 10 -4 It was defined as ˜1 cm / s. If the terminal speed is higher than this range, a uniform precoat layer cannot be formed. Conversely, if it is small, it takes a long time to form the precoat layer, which is not practical. Therefore, a uniform precoat layer can be rapidly formed by defining the terminal speed of the filter aid as described above. The terminal speed of the filter aid is 10 -4 -10 -2 More preferred is cm / s. -4 -10 -3 More preferred is cm / s.
[0021]
According to invention of Claim 13, the filtration flow rate was prescribed | regulated to 0.1-50 cm / hr. When the filtration flow rate is lower than this range, the filtration efficiency is lowered. On the other hand, when the filtration flow rate is higher, the filtration accuracy is lowered or the filtration pressure becomes very large. The filtration flow rate is more preferably 0.5 to 30 cm / hr, and further preferably 1 to 15 cm / hr.
[0022]
According to the invention described in claim 14, the initial filtration differential pressure is defined as 0.01 to 1 MPa. Thus, the filtration accuracy can be improved by setting the initial filtration differential pressure in a low range. Further, the pressure range for subsequent filtration can be widened, and long-time filtration and a large filtration amount can be obtained. Here, the filtration initial differential pressure indicates a pressure difference between the primary side and the secondary side of the filter medium in the initial stage of filtration. The initial filtration differential pressure is more preferably 0.01 to 0.5 MPa, further preferably 0.01 to 0.1 MPa.
[0023]
According to the invention of the fifteenth aspect, the filtration treatment is performed at a filtration pressure of 0.01 to 4 MPa. If the filtration pressure is higher than this range, the equipment cost for pressure resistance increases and the apparatus becomes large. On the other hand, if it is low, the cellulose acylate solution may boil. Here, the filtration pressure indicates the pressure on the primary side of the filter medium. The filtration pressure is more preferably from 0.01 to 2 MPa, further preferably from 0.01 to 1 MPa.
[0024]
According to invention of Claim 16, the filtration differential pressure was prescribed | regulated to 0.01-3 MPa. When the filtration differential pressure is larger than this range, the cake layer is crushed. As a result, the cake is compressed and densified, which further increases the filtration differential pressure. Further, the cake is crushed so that the inside of the layer is disturbed, and the filter aid is mixed into the dope after filtration. On the contrary, if the filtration differential pressure is smaller than the above range, the cake layer may be peeled off. Therefore, the cake layer can be stably formed by defining the filtration differential pressure as described above. Here, the filtration differential pressure indicates a pressure difference between the primary side and the secondary side of the filter medium.
[0025]
According to invention of Claim 17, the thickness of the cake layer was prescribed | regulated to 0.1-80 mm. If the thickness of the cake layer is larger than this range, the pressure loss increases and a high filtration pressure is required. On the contrary, if the thickness of the cake layer is small, the filtration accuracy deteriorates. In order to control the thickness of the cake layer within the above range, the cake layer may be exchanged until the thickness reaches 80 mm.
[0026]
According to the invention described in claim 18, the filtration is performed under a pressure condition that does not boil and at a temperature 20 ° C. lower than the boiling point of the cellulose acylate solution at normal pressure. The higher the filtration temperature is, the lower the viscosity of the liquid is and the cake resistance is reduced, thereby suppressing an increase in the filtration differential pressure.
[0027]
According to the nineteenth aspect of the present invention, the filter aid is dispersed in the cellulose acylate solution in the range of the boiling point of the cellulose acylate solution at normal pressure and the temperature lower than the boiling point by 20 ° C. When the filter aid is dispersed in the above temperature range, the air dissolved in the cellulose acylate solution is foamed using the filter aid as a core, so that the cellulose acylate solution is defoamed. Thus, the invention of claim 19 has an effect of not only prolonging the filter life but also defoaming at the same time. Furthermore, in the invention described in claim 19, since the filtration treatment is performed after the dissolved bubble saturation at the filtration temperature in the cellulose acylate solution becomes 90% or less, foaming is performed during the filtration treatment. It can be suppressed as much as possible. Thereby, the fall of the film quality accompanying foaming can be prevented. In addition, the dissolved bubble saturation at the time of performing the filtration treatment is more preferably 80% or less, and further preferably 70% or less.
[0028]
According to the twentieth aspect of the invention, the filtration treatment is performed at a lower temperature than when the filter aid is dispersed. In other words, the filtration treatment was performed in an environment where foaming was less likely to occur than when the filter aid was dispersed. Thereby, foaming at the time of a filtration process can be prevented, and film quality can be improved.
[0029]
According to the invention as set forth in claim 21, the concentration of the filter aid leaking from the filter is regulated to 10,000 pieces / cc or less. In this way, by suppressing the leakage of the filter aid, it is possible to prevent defects due to quality deterioration of the film after film formation and contamination with foreign matter. The concentration of the filter aid is more preferably 5000 / cc or less, and still more preferably 1000 / cc or less.
[0030]
According to the invention of claim 22, since a filter having an absolute filtration accuracy of 2 to 50 μm is installed after the filtration process as a filter aid trap, and the subsequent filtration process is performed, the leaked filter aid And the filter aid can be prevented from being mixed into the film. The absolute filtration accuracy of the filter is more preferably 2 to 30 μm, and further preferably 5 to 15 μm.
[0031]
According to the twenty-third aspect of the present invention, since the filter is backwashed with the cleaning solvent, the cake can be peeled off from the filtration support. According to the invention of claim 23, since the cleaning solvent is heated and supplied at a temperature not lower than the boiling point of the cellulose acylate solution at a temperature not lower than the boiling point of the cellulose acylate solution, it is peeled off. The cake can be efficiently discharged as a slurry. Incidentally, conventionally, since the filter medium was opened and the filter medium was exchanged, the organic solvent came out of the container, the working environment was deteriorated, and the working time was long. However, in the invention of claim 23, since the cake can be moved as a slurry in the pipe, it can be moved and processed in a sealed system. Therefore, the working environment is good and the time can be shortened.
[0032]
According to invention of Claim 24, the cake formed by the filtration process is 1-50 kg / m. 3 It was made to discharge | emit as a slurry of the density | concentration range. When the concentration of the slurry at the time of discharge is lower than this range, the cake discharge efficiency is deteriorated. On the other hand, if the concentration is high, there is a problem that the particles of the slurry are condensed. Therefore, the cake can be efficiently and reliably discharged by setting the slurry concentration within the above range. As described in claim 25, the discharged slurry can be reused as a precoat liquid or a body feed liquid. The concentration range of the slurry is 10 to 40 kg / m. 3 Is more preferable, 20-30 kg / m 3 Is more preferable.
[0033]
According to the invention of claim 26, a non-chlorine organic solvent is used. In recent years, it has been desired to use a non-chlorinated solvent due to environmental influences. The non-chlorine organic solvent may be any of a cellulose acylate solution, a precoat solution, a body feed solution, and a cleaning solvent, but it is preferable to use a non-chlorine solution in all the solutions. In addition, when a non-chlorine type dope is used, since the dope is prepared by a cooling dissolution method and a large amount of gas is dissolved, a more remarkable effect of the defoaming described above can be obtained.
[0034]
According to the invention of claim 27, since the discharged cake slurry is separated into a solvent and a filter aid, and the filter aid is baked at 400 ° C. or higher for regeneration, the regeneration efficiency of the filter aid is improved. Can be improved. Furthermore, according to the invention described in claim 28, since the regenerated filter aid is mixed with an unused filter aid and used, the cost can be reduced without degrading the performance as a filter aid. Can do.
[0035]
The cellulose acylate solution subjected to the above filtration treatment is preferably formed into a film by co-casting as described in claim 29. The formed cellulose acylate film can satisfy high quality as described in claim 31. Therefore, it can be used as a protective film for a polarizing plate as in the thirty-second aspect, and a liquid crystal display device can be produced as in the thirty-fourth aspect using the polarizing plate. Further, an optical compensation film can be produced as described in claim 33 using the formed cellulose acylate film, and a liquid crystal display device as described in claim 35 can be produced using the optical compensation film. Can be manufactured. The film thus formed can be used as a photographic material as described in claim 36.
[0036]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of a solution casting method according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
[0037]
FIG. 1 is an overall configuration diagram showing a dope production line 10 in which the solution casting method according to the present invention is adopted.
[0038]
As shown in the figure, the dope production line 10 is provided with a solvent tank 11, a meter 14, and a plasticizer tank 15.
[0039]
A solvent is stored in the solvent tank 11. The main solvent of this solvent may be a chlorinated organic solvent or a non-chlorinated organic solvent. Here, the chlorinated organic solvent generally means a halogenated hydrocarbon compound, and examples thereof include dichloromethane (methylene chloride) and chloroform. Non-chlorine organic solvents include esters (eg, methyl acetate, methyl formate, ethyl acetate, amyl acetate, butyl acetate), ketones (eg, acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone), ethers (eg, dioxane, dioxolane, Tetrahydrofuran, diethyl ether, methyl-t-butyl ether), alcohols (for example, methanol, ethanol, butanol) and the like. This non-chlorine organic solvent may be used alone (100% by weight), or may be used by mixing esters having 1 to 6 carbon atoms, ketones, ethers and alcohols. It is also possible to use a mixture of the above-mentioned chlorinated organic solvent and non-chlorinated organic solvent. Moreover, the kind of solvent is not limited to what was mentioned above.
[0040]
The meter 14 is charged with a polymer. As the polymer, it is preferable to use a cellulose ester, particularly cellulose acylate. Furthermore, among cellulose acylates, it is preferable to use cellulose acetate, and cellulose triacetate (TAC) having an average oxidation degree of 57.5 to 62.5% (substitution degree: 2.6 to 3.0) is preferably used. Most preferably it is used. Here, the degree of oxidation means the amount of bound acetic acid per unit weight of cellulose, and follows the measurement and calculation of the degree of acetylation in ASTM: D-817-91 (test method for cellulose acetate and the like). As the polymer, cellulose acylate particles are used in the present invention. 90% by weight or more of the particles used preferably have a particle diameter of 0.1 to 4 mm, more preferably 1 to 4 mm. Further, it is more preferable that the particles having a particle diameter of 0.1 to 4 mm are 95% by weight or more, more preferably 97% by weight or more, or 98% by weight or more, and most preferably 99% by weight or more. Moreover, it is preferable that the particle | grains with a particle diameter of 2-3 mm are 50 weight% or more of the particle | grains to be used, 70 weight% or more, 80 weight% or more is more preferable, It is most preferable that it is 90 weight% or more. The particle shape of cellulose acylate is preferably as close to a sphere as possible.
[0041]
A plasticizer is stored in the plasticizer tank 15. Examples of plasticizers include phosphate esters (for example, triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, cresyl diphenyl phosphate, octyl diphenyl phosphate, diphenyl biphenyl phosphate, trioctyl phosphate, tributyl phosphate), phthalate esters (diethyl phthalate) , Dimethoxyethyl phthalate, dimethyl phthalate, dioctyl phthalate, etc.), glycolic acid esters (eg, triacetin, tributyrin, butyl phthalyl ethyl glycolate, ethyl phthalyl ethyl glycolate, methyl phthalyl ethyl glycolate, butyl phthalyl butyl glycol) Rate), and other plasticizers. In addition, you may add the other additive of a plasticizer to dope. Examples of other additives include an ultraviolet absorber, a release agent, a release accelerator, and a fluorosurfactant, which may be added at any stage from the preparation of the dope to the preparation.
[0042]
The solvent in the solvent tank 11, the polymer in the meter 14, and the plasticizer in the plasticizer tank 15 are respectively sent to the dissolution tank 12. At that time, the flow rate of the solvent is adjusted by the open / close valve 13, and the flow rate of the plasticizer is adjusted by the open / close valve 16. The polymer is weighed and sent to the solvent tank 11. The amount of the polymer is preferably 15 to 20% by weight based on the solvent in view of the quality of the film product after film formation. The amount of the plasticizer is preferably 5 to 20% by weight with respect to the polymer in consideration of the flexibility of the film product. The order of feeding into the dissolution tank 12 is not particularly limited. For example, it is preferable to supply the plasticizer after first feeding the solvent into the dissolution tank 12 and then feeding the polymer. Further, the plasticizer may be added only when necessary, and other additives may be added.
[0043]
The dissolution tank 12 is provided with a stirring blade 18 that is rotated by a motor 17. As the stirring blade 18 rotates, the solvent, polymer, plasticizer, and the like in the dissolution tank 12 are stirred. Thereby, it will be in the state of coarse dissolution, ie, the state where solutes such as polymers are not completely dissolved in the solvent.
[0044]
The crude solution 19 roughly dissolved in the dissolution tank 12 is temporarily stored in the storage tank 20. Thereby, since the inside of the dissolution tank 12 is emptied, a continuous batch system in which the crude dissolution liquid 19 is repeatedly formed becomes possible. The storage tank 20 is also provided with a stirring blade 22 that is rotated by a motor 21 so that the stored crude solution 19 can be stirred and made uniform.
[0045]
The crude solution 19 in the storage tank 20 is sent to the heater 25 via the pipe 24 by driving the pump 23. As the heater 25, an in-line mixer such as a multi-tube heat exchanger (shell and tube method) or a static mixer (static mixer) is used, and the crude solution 19 is heated by the heater 25. The heating temperature is preferably 50 to 120 ° C., and the heating time is preferably 5 to 30 minutes. Thereby, the solute such as a polymer necessary for film formation is completely dissolved without modification, and a dope stock solution is prepared. Note that the pipe 24 may be kept warm or heated, whereby the crude solution 19 flowing through the pipe 24 is heated to promote dissolution of the solute.
[0046]
The dope stock solution prepared by the heater 25 is sent to the cooler 26, and is cooled by this cooler 26 to below the boiling point of the main solvent constituting the dope stock solution. The cooled dope stock solution is sent to the body feed tank 28 by driving the pump 27.
[0047]
A filter aid tank 37 is connected to the body feed tank 28, and the filter aid is fed from the filter aid tank 37. A filter aid is an inert powder or particle that improves the filtration performance and improves the filtration rate by forming a porous bed on the filter medium. For example, silicon dioxide (SiO 2). 2 ) Is used by mixing 50% or more of an auxiliary agent and a cellulose-based auxiliary agent. Further, a filter aid having an average particle diameter of 1 to 150 μm is used. When an auxiliary agent having a fine average particle diameter is used, a cake layer having a small void is formed, so that the filtration resistance increases and the filtration rate decreases. On the contrary, when a filter aid having a large average particle size is used, a cake layer having a large void is formed, resulting in a decrease in filtration accuracy.
[0048]
As the filter aid, one having a standard deviation of the particle size of ½ average particle size or less is used. If the standard deviation of the particle diameter is large, the dispersion of the particle diameter is large, so that a stable cake cannot be formed.
[0049]
Further, the filter aid has a bulk density of 0.01 to 0.8 g / cm. 3 Is used. When the bulk density is smaller than this range, a cake layer having a large void is formed, and the filtration accuracy is lowered. Conversely, when the bulk density is large, a cake layer having a small void is formed, and the differential pressure of filtration tends to increase. In addition, the filter aid may use only an assistant containing 50% or more of silicon dioxide, or may use only a cellulose-based assistant. Alternatively, fly ash or sand may be used as a filter aid.
[0050]
The filter aid is added at a rate of 0.01 to 10 wt% with respect to the dope stock solution in the body feed tank 28. When this addition amount is small, it is difficult to obtain the effect of preventing clogging by the filter aid. Conversely, when the addition amount is large, the increase in the thickness of the cake layer increases and the filtration resistance increases.
[0051]
The dope stock solution to which the filter aid is added is stirred by the stirring blade 41 of the body feed tank 28. Thereby, a filter aid is disperse | distributed uniformly. In that case, it is performed in a temperature range from the boiling point of the cellulose acylate solution (dope) at normal pressure to 20 ° C. or less. When the filter aid is dispersed in such a temperature range, the air dissolved in the dope stock solution becomes bubbles with the filter aid as a core, and is defoamed. Then, after the dissolved gas saturation in the dope stock solution becomes 90% or less, the dope stock solution is sent to the filter 30 via the switch 29.
[0052]
Two filters 30 are installed in parallel, and the filter 30 to which the dope stock solution is supplied by the switch 29 is selected. As the filter 30, for example, a multi-filter apparatus is used, and filter paper, filter cloth, sintered metal, or the like is used as the filter medium of the filter 30. Here, the filter medium of the filter 30 means a support for the cake layer. In addition, the filter 30 is not limited to two machines, You may install the 3 or more filter 30 in parallel.
[0053]
When the dope stock solution is supplied to the filter 30, the insoluble matter and the filter aid contained in the dope stock solution are deposited on the surface of the filter medium, and a cake layer having voids is formed on the surface of the filter medium. Thereby, since the rapid increase of the filtration differential pressure can be prevented, stable filtration treatment can be performed. Moreover, since the sieving effect by the physical small gap formed between the filter aid and the insoluble material is obtained, the filtration accuracy is improved. Furthermore, SiO as a filter aid 2 However, since 50% or more of an auxiliary agent or a cellulose-based auxiliary agent is used, the insoluble matter in the cellulose acylate solution is adsorbed by the filter auxiliary agent, and the filtration accuracy is improved.
[0054]
During the filtration treatment, the thickness of the cake layer is preferably in the range of 0.1 to 80 mm. If it is the thickness of such a range, while being able to maintain a high filtration precision, the increase in the filtration resistance by a cake layer can be suppressed.
[0055]
Moreover, it is preferable to perform a filtration process at low temperature rather than the time of disperse | distributing the filter aid mentioned above. Thereby, since the filtration process is performed in an environment in which foaming is harder than that at the time of dispersion, foaming during the filtration process can be prevented. Therefore, the cake layer can be prevented from being destroyed by foaming during the filtration process, and a stable filtration process can be performed.
[0056]
The temperature during the filtration treatment is preferably lower than that at the time of dispersion and at a temperature not lower than the boiling point of the cellulose acylate solution at a temperature not lower than 20 ° C. under a pressure condition that does not boil. By performing the filtration treatment at such a temperature, the viscosity of the dope is lowered and the resistance to the cake is reduced, so that an increase in the filtration differential pressure can be suppressed.
[0057]
A flow meter 31 is provided on the downstream side of the filter 30, and the pump 27 is controlled so that the measured value of the flow meter 31 is constant in the range of 0.1 to 50 cm / hr, for example. If the filtration flow rate is larger than the above range, the filtration accuracy may be reduced, or the filtration pressure may become very large. Conversely, when the filtration flow rate is small, the filtration efficiency is lowered. The filtration method is not limited to the quantitative filtration method, and other methods such as a constant pressure filtration method may be employed.
[0058]
Further, the filtration differential pressure measured at the front stage and the rear stage of the filter 30 is controlled to be 0.01 to 1 MPa in the initial stage of the filtration process. Further, during the filtration process, the filtration pressure is controlled to be 0.01 to 3 MPa by applying a filtration pressure of 0.01 to 4 MPa. The initial filtration differential pressure and the filtration differential pressure are preferably low. If the filtration differential pressure is high, the cake may be crushed. In addition, when the filtration pressure is high, pressure-resistant equipment is required, and there is a problem that equipment costs are increased. Therefore, it is preferable to control the initial filtration differential pressure, the filtration differential pressure, and the filtration pressure within the above ranges, whereby the filtration treatment can be performed at a low cost without destroying the cake.
[0059]
The dope 32 filtered by the filter 30 is sent to the filter member 42. For example, the filter member 42 having an absolute filtration accuracy of 2 to 50 μm is used. By filtering with the filter member 42, the filter aid leaked from the filter 30 is collected. The filter aid leaking from the filter 30 is preferably in an amount that can be collected by the filter member 42. For example, the amount of auxiliary agent leaking from the filter 30 is preferably 10,000 pieces / cc or less, The number is more preferably 5000 / cc or less, and still more preferably 1000 / cc or less.
[0060]
The dope 32 that has passed through the filter member 42 is sent to the dope tank 33 and stored therein. The dope 32 is formed by the film forming apparatus 50 shown in FIG.
[0061]
A film forming apparatus 50 shown in FIG. 2 includes a band zone 51 and a drying zone 52. The dope 32 charged in the dope tank 33 is fed by a pump 53. Then, after dust and dust are removed by the filter 54, the dust is supplied to the casting die 60 in the band zone 51.
[0062]
The band zone 51 is provided with a pair of support rollers 57 and 58 and an endless casting band 59 wound around the pair of support rollers 57 and 58. The casting band 59 moves around by rotating the support rollers 57 and 58 with a driving device (not shown). The casting die 60 described above is installed on the casting band 59. When the dope 32 is supplied to the casting die 60, the dope 32 is cast on the casting band 59. The cast dope 32 is dried while being transported by the casting band 59, and when it is self-supporting, it is stripped off by the stripping roller 61. Thereby, the film 62 is formed. The film 62 is dried while being conveyed by the tenter 63.
[0063]
The film 62 sent from the tenter 63 to the drying zone 52 is wound around a plurality of rollers 64 in the drying zone 52 and dried. The temperature in the drying zone 52 is controlled in the range of 50 to 150 ° C., and the film 62 is uniformly dried. The dried film 62 is taken up by a winder 65. As a result, the high-quality film 62, that is, the number of bright spot defects observed under crossed Nicols is 5 cm in the width direction. 2 20 μm or more is 0 (pieces / 5 cm) as an average value when 5 samples are taken 2 10 μm or more and 20 or less is 10 (pieces / 5 cm) 2 ), And 5 (between 5 μm and 10 μm) is 10 (pieces / 5 cm) 2 ) The following high quality film 62 is produced.
[0064]
By the way, if a filtration process is continuously performed by the filter 30, the filter medium of the filter 30 will be obstruct | occluded gradually. Therefore, when the filter medium is blocked, the filter 29 that performs the filtering process is switched by the switch 29. And the filter 30 with which the filter medium was obstruct | occluded is wash | cleaned with the washing | cleaning apparatus shown in FIG. In FIG. 3, the cleaning device and the precoat tank 49 are connected to only one of the two filters 30, but the other filter 30 also has the same configuration of the cleaning device and the precoat. The tank is connected.
[0065]
The cleaning device has a cleaning solvent tank 38 and a discharge tank 40. The cleaning solvent tank 38 is connected to the dope discharge side 30 </ b> B of the filter 30 via the supply line 45, and is connected to the dope stock solution supply side 30 </ b> A of the filter 30 via the recovery line 46.
[0066]
A cleaning solvent is stored in the cleaning solvent tank 38. The cleaning solvent is not particularly limited as long as it can clean the filter medium of the filter 30, but the solvent type is preferably at least one of the solvent types constituting the dope solvent, and constitutes a dope solution. It is preferable that all of the solvent species to be used are the same solvent species. Furthermore, it is preferable from the viewpoint of environmental protection that the organic solvent of the liquid to be used including the cleaning solvent is non-chlorine.
[0067]
The supply line 45 is provided with a pump 39 and a heater 47. The pump 39 is driven when a part (or all) of the dope stock solution in the filter 30 is discharged from the filter 30, whereby the cleaning solvent in the cleaning solvent tank 38 is supplied to the heater 47. As the heater 47, an in-line mixer such as a multi-tube heat exchanger or a static mixer is used, and the cleaning solvent is heated by the heater 47. The heating temperature is set to a temperature that is 20 ° C. lower than the boiling point of the cleaning solvent at normal pressure under conditions where the cleaning solvent does not boil. Thus, the cleaning effect of the filter 30 can be improved by heating the cleaning solvent and supplying it to the filter 30. In addition, you may make it raise the internal pressure of the filter 30 so that a washing | cleaning solvent may not boil.
[0068]
The cleaning solvent sent to the filter 30 passes through the filter medium in the direction opposite to the dope stock solution during the filtration process, and is recovered in the cleaning solvent tank 38 via the recovery line 46. As a result, the cleaning solvent is circulated and supplied to the filter 30, and the cake formed on the dope stock solution supply side of the filter medium is peeled off from the filter medium. The peeled cake is dissolved in the cleaning solvent to form a slurry, which is discharged from the filter 30. And when the density | concentration of this slurry reaches a target value, the discharge operation | work of a slurry is performed. That is, a part (or all) of the cleaning solvent tank 38 is discharged to the discharge tank 40 through the discharge line 43, and a new cleaning solvent is supplied to the cleaning solvent tank 38. The slurry concentration target value is 1 to 50 kg / m. 3 It is set in the range. When the concentration is higher than this concentration range, the particles of the slurry agglomerate, which causes a problem that the discharge line 43 and the recovery line 46 are clogged. On the other hand, when the concentration is low, there is a problem that the cake discharge efficiency is poor.
[0069]
The slurry discharged to the discharge tank 40 is sent to the separation device 44 and separated into a solvent and a filter aid. Then, the solvent is sent to the recycle solution tank 36 in FIG. 1 and reused for preparing the dope. The filter aid is sent to the firing device 48 and fired to regenerate the filter aid. At that time, the regeneration efficiency of the filter aid can be improved by baking at 400 ° C. or higher. The regenerated filter aid is returned to the filter aid tank 37 and reused. At that time, the regenerated filter aid may be used alone, but if mixed with an unused filter aid, the cost can be significantly reduced without reducing the effect of the filter aid. it can. The mixing ratio of the regenerated filter aid and the unused filter aid may be about 1: 1.
[0070]
The filter aid tank 37 is connected to a precoat tank 49 in addition to the body feed tank 28. The dope is supplied to the precoat tank 49, and a filter aid is added to the dope. The filter aid is stirred and dispersed by rotating the stirring blade 66, whereby a precoat liquid is produced. The precoat liquid is supplied to the filter 30 after the filter medium is washed to remove the cake layer. As a result, a precoat layer made of a filter aid is formed on the surface of the filter medium. When the precoat layer is formed on the surface of the filter medium in this way, the effect of the filter aid can be obtained even at the initial stage of the filtration treatment. The precoat layer has a thickness of 0.1 to 10 mm, or a mass of 0.1 to 5 kg / m. 2 It is preferable that If the thickness and mass of the precoat layer are smaller than this range, the filtration accuracy is lowered at the initial stage of the filtration treatment. On the other hand, when the thickness and mass of the precoat layer are large, the resistance of the precoat layer is increased during the filtration treatment, and the filtration efficiency is lowered. Therefore, it is preferable to form the precoat layer with the thickness and mass within the above ranges. In addition, the pre-coating liquid has a terminal speed of the filter aid of 10 -4 It is preferably in the range of ˜1 cm / s. By setting the terminal speed of the filter aid within this range, the filter aid of the precoat liquid is uniformly settled to form a uniform precoat layer.
[0071]
After the precoat layer is formed, the filtration process is performed again. That is, the dope stock solution is supplied from the body feed tank 28 by switching the switch 29. The insoluble matter and the filter aid contained in the dope stock solution are deposited on the surface of the precoat layer, and a cake layer having voids is formed. Thereby, the stable filtration process can be performed with high filtration accuracy.
[0072]
Thus, since this Embodiment performs a filtration process using a filter aid, it can improve absolute filtration accuracy, without making the hole diameter of a filter medium small. Further, as an effect of using the filter aid, it is possible to perform a stable filtration treatment and extend the filtration life. Furthermore, when the filter medium of the filter 30 is washed, the washing solvent may be circulated in the system, so that the burden on the operator can be greatly reduced.
[0073]
【Example】
Filtration was performed using the dope formulation A under various filtration conditions, and the filtration was stopped when the differential pressure reached 1 MPa. As the dope formulation A, methyl acetate (SP: 9.6, 75% by weight), acetone (SP: 9.9, 12.5% by weight), methanol (SP: 14.5, 6.25% by weight), A mixed solvent composed of ethanol (SP: 12.7, 6.25% by weight) was mixed with cellulose triacetate (substitution degree 2.75, SP: 10.9) to a concentration of 19%.
(Example 1)
As a filter aid, SiO 2 Composition 95%, average particle size 70 μm, particle size standard deviation 20 μm, bulk density 0.45 g / cm 3 I used one. 0.2% of this filter aid was added at 55 ° C. for body feed. For pre-coating, terminal speed 10 -3 A liquid for pre-coating of cm / s was prepared, and the thickness was 2 mm and 0.8 kg / m. 2 A precoat layer was formed. Then, filtration was started at a filtration flow rate of 0.4 cm / hr and an initial pressure of 0.3 MPa, and filtration was performed until the final thickness of the cake layer was 40 mm. During the filtration treatment, the filtration temperature was 50 ° C. (boiling point 58 ° C.), and the dissolved gas saturation was 85%. After the filtration treatment, the amount of auxiliary in the dope was 10 / cc, and the amount of auxiliary after subsequent filtration with a filter having an average pore diameter of 0.01 mm was 0 / cc. Further, after completion of filtration, a cleaning solvent having the same composition as the dope formulation A was circulated at 50 ° C. The cake formed on the filter medium is made into a slurry in the cleaning solution and 10 kg / m. 3 Was discharged. The filtration life (filtration amount per unit area) obtained under these conditions was determined, and this was set to 1 and compared with the following examples. Moreover, the film was produced and evaluated regarding dope quality. As a result, the number of bright spot defects observed under crossed Nicols is 5 cm in the width direction. 2 20 μm or more (hereinafter referred to as (1)) as an average value when 5 samples of 5 samples were collected 0 pieces / 5 cm 2 9 μm to 10 μm to 20 μm (hereinafter indicated by (2)) 2 5 to 10 μm (hereinafter indicated by (3)) is 3/5 cm 2 Met.
(Example 2)
Cellulose filter aid as filter aid, bulk density 0.1 g / cm 3 The initial pressure was 0.4 MPa. The other conditions were the same as in Example 1. As a result, the amount of auxiliary in the dope after filtration was 1 piece / cc and the filtration life was 0.8. Moreover, as a film evaluation, (1) 0 pieces / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 5 / 5cm 2 , (3) 1 piece / 5cm 2 Met. Therefore, sufficient effects can be obtained even when a cellulose-based filter aid is used.
(Example 3)
Filtration was performed under the same conditions as in Example 1 using an auxiliary prepared by mixing 1: 1 the auxiliary used in Example 1 and the auxiliary used in Example 2. As a result, the amount of auxiliary in the dope after filtration was 3 / cc and the filtration life was 0.95. Moreover, as a film evaluation, (1) 0 pieces / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 5 / 5cm 2 , (3) 1 piece / 5cm 2 Met. Therefore, cellulosic auxiliary and SiO 2 It is understood that 50% or more of an auxiliary may be mixed.
Example 4
The auxiliary used in Example 1 was baked at 800 ° C. and filtered under the same conditions as in Example 1. As a result, the amount of auxiliary in the dope after filtration was 3 / cc and the filtration life was 0.98. Moreover, as a film evaluation, (1) 0 pieces / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 10 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 4 / 5cm 2 Met. Therefore, it can be seen that a sufficient effect can be obtained if the auxiliary is baked at 800 ° C. and regenerated.
(Example 5)
The auxiliary used in Example 1 was calcined at 800 ° C., mixed with an unused filter aid of the same type in a ratio of 1: 1, and filtered under the same conditions as in Example 1. As a result, the filtration life was 0.985. Moreover, as a film evaluation, (1) 0 pieces / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 10 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 3 / 5cm 2 Met.
(Comparative Example 1)
As a filter aid, SiO 2 Filtration was performed under the same conditions as in Example 1 using a filter aid having a composition of 48%. As a result, the filtration life was as good as 0.98, but the film was evaluated as follows: (1) 1 piece / 5 cm 2 , ▲ 2 ▼ 12 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 12 / 5cm 2 As a result, sufficient quality could not be obtained. For this reason, SiO 2 The composition is preferably 50% or more. (Comparative Example 2)
SiO having an average particle size of 155 μm as a filter aid 2 The initial pressure was 0.2 MPa, and the others were filtered under the same conditions as in Example 1. As a result, the filtration life was as good as 1.2, but the evaluation of the film was (1) 4 pieces / 5 cm. 2 , ▲ 2 ▼ 20 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 22 / 5cm 2 As a result, sufficient quality could not be obtained. For this reason, it is preferable that the average particle diameter of a filter aid is 150 micrometers or less.
(Comparative Example 3)
SiO having an average particle size of 0.5 μm as a filter aid 2 The initial pressure was 0.8 MPa, and the others were filtered under the same conditions as in Example 1. As a result, the filtration life was shortened to 0.5. For this reason, it is preferable that the average particle diameter of a filter aid is 1.0 micrometer or more. In addition, evaluation of film is (1) 0 piece / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 2 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 2 / 5cm 2 As a result, sufficient quality was obtained.
(Comparative Example 4)
SiO having a particle size standard deviation of 40 as a filter aid 2 The initial pressure was 0.35 MPa, and the others were filtered under the same conditions as in Example 1. As a result, the amount of auxiliary agent in the dope after filtration was 100,000 / cc, the amount of auxiliary agent after filtering through the filter was 10 / cc, and the amount of auxiliary agent leaked was large. For this reason, it is preferable that the particle size standard deviation of the filter aid is ½ average particle size or less. The filtration life is 0.95 and the evaluation of the film is (1) 0 pieces / 5 cm. 2 , ▲ 2 ▼ 5 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 2 / 5cm 2 It was good.
(Comparative Example 5)
15% of the filter aid used in Example 1 was added. As a result, the amount of auxiliary agent in the dope after filtration was 20 / cc, and the amount of auxiliary agent leaked was slightly increased, but could be completely removed with a filter (0 / cc). However, the filtration life was as short as 0.1. For this reason, it is preferable that the addition amount of a filter aid is 10% or less. In addition, evaluation of film is (1) 0 piece / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 5 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 2 / 5cm 2 And good results were obtained.
(Comparative Example 6)
The amount of filter aid added in Example 1 was 0.005%. As a result, the filtration life was shortened to 0.5. For this reason, the addition amount of the filter aid is preferably 0.01% or more. In addition, the evaluation of the film is (1) 3 pieces / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 10 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 8 / 5cm 2 Met.
(Comparative Example 7)
Using the precoat solution used in Example 1, the thickness was 15 mm, 6 kg / m. 2 A precoat layer was formed. Then, the initial pressure was 1 MPa, and other conditions were filtered under the same conditions as in Example 1. As a result, the filtration life was 0.1, which was greatly reduced. From this, it can be seen that when the thickness and mass of the precoat layer are increased, a problem occurs in terms of filtration life. For this reason, the precoat layer has a thickness of 10 mm or less and a mass of 5 kg / m. 2 The following is preferable. In addition, evaluation of film is (1) 0 piece / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 1 piece / 5cm 2 , (3) 1 piece / 5cm 2 It was good.
(Comparative Example 8)
Using the same filter aid as in Example 1, a precoat solution having an end speed of 2 cm / s for the filter aid was prepared, and the thickness was 0.1 to 3 mm and the mass was 0.8 kg / m. 2 A precoat layer was formed. And it filtered on the same conditions as Example 1. FIG. As a result, the amount of leaking filter aid increased, and the amount of aid in the dope after filtration became very large, 100,000 pieces / cc. In addition, even when filtration was performed using a filter having an average pore diameter of 0.01 mm, 100 / cc of auxiliary agent remained. Moreover, the malfunction that a precoat layer became non-uniform | heterogenous thickness also generate | occur | produced. For this reason, the terminal speed of the filter aid is preferably 1 cm / s or less.
(Comparative Example 9)
Filtration was performed under the same conditions as in Example 1 except that the filtration flow rate was 51 cm / hr and the initial pressure was 1.5 MPa. As a result, the amount of leaking filter aid increases, the amount of aid in the dope after filtration becomes as large as 300,000 pieces / cc, and even when filtered using a filter having an average pore diameter of 0.01 mm. The auxiliary agent remained at 1000 pieces / cc. Moreover, the filtration life is very short with 0.05, and the evaluation of the film is (1) 10 pieces / 5 cm. 2 , ▲ 2 ▼ 25 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 28 / 5cm 2 And quality decline was seen. For this reason, the initial pressure is preferably 1 MPa or less and the filtration flow rate is preferably 50 cm / hr or less.
(Comparative Example 10)
The filtration temperature during the filtration treatment was 20 ° C. (boiling point 58 ° C.), and the dissolved gas saturation was 89%. The initial pressure was 0.5 MPa, and the others were filtered under the same conditions as in Example 1. As a result, the amount of auxiliary agent in the dope after filtration was 10 pieces / cc and the amount of auxiliary agent after filtration with a filter having an average pore diameter of 0.01 mm was 0 pieces / cc. It decreased to 7. Therefore, the filtration temperature is preferably heated to a value (38 ° C.) or higher that is 20 degrees lower than the boiling point of the cellulose acylate solution.
(Comparative Example 11)
The filtration temperature during the filtration treatment was 57 ° C. (boiling point 58 ° C.), and the dissolved gas saturation was 89%. Then, filtration was performed under the same conditions as in Example 1 except that the initial pressure was 0.5 MPa. As a result, the amount of leaking filter aid increases, the amount of aid in the dope after filtration becomes 100,000 pieces / cc, and the amount of aid after filtration with a filter having an average pore diameter of 0.01 mm is 1000 pieces / cc. It was. This shows that when the filtration temperature is high and the cellulose acylate solution partially boiled, the cake is destroyed and the filter aid leaks. Therefore, it is preferable that the filtration treatment is performed under a pressure condition that does not boil reliably. The filtration life is 1.01, and the evaluation of the film is (1) 0 pieces / 5 cm. 2 , ▲ 2 ▼ 11 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 11 / 5cm 2 Although it was slightly reduced, good results were obtained.
(Comparative Example 12)
A filter having an average pore diameter of 80 μm was used as the filter after filtration. And the dope whose auxiliary agent amount in the dope after filtration was 10 pieces / cc was filtered with the filter. As a result, the amount of auxiliary agent in the dope was 5 / cc, and the auxiliary agent leaked. For this reason, the filter after filtration preferably has a filter medium average pore diameter of 50 μm or smaller.
(Comparative Example 13)
A filter having an average pore diameter of 1 μm was used as a filter after filtration. As a result, the leaked filter aid could be completely collected by the filter, but the pressure immediately increased and the filter dope could not be obtained.
(Comparative Example 14)
70kg / m of cake as slurry at the time of washing treatment 3 Was discharged. As a result, the filter aid was agglomerated and settled in the piping, and the recovery rate of the aid was reduced to 98%.
(Comparative Example 15)
The filter aid used in Example 1 was baked at 300 ° C., and the same filtration experiment was performed again. As a result, the filtration life decreased to 0.8. Moreover, the evaluation of the film is (1) 3 pieces / 5cm 2 , ▲ 2 ▼ 15 / 5cm 2 , ▲ 3 ▼ 12 / 5cm 2 The quality decreased slightly. For this reason, considering the regeneration rate of the filter aid, it is preferable to fire at a higher temperature, and it is preferable to fire at 400 ° C. or higher.
[0074]
Next, the dope formulation A was co-cast using a 17% dope having the same composition as a side stream to produce a triacetyl cellulose film having a thickness of 80 μm. Then, a hard coat layer coating solution was applied with a bar coater, dried at 120 ° C., and then an illuminance of 400 mW / cm using a 160 W / cm air-cooled metal halide lamp (manufactured by Eye Graphics Co., Ltd.). 2 , Irradiation amount 300J / cm 2 The coating layer was cured by irradiating the ultraviolet ray to form a hard coat layer having a thickness of 2.5 μm. An antiglare layer coating solution was applied thereon with a bar coater, dried and UV cured under the same conditions as the hard coat layer, to form an antiglare layer having a thickness of about 1.5 μm. On top of this, a coating solution for a low refractive index layer was applied with a bar coater, dried at 80 ° C., and then thermally crosslinked at 120 ° C. for 10 minutes to form a low refractive index layer having a thickness of 0.096 μm. The hard coat layer coating solution, the antiglare layer coating solution, and the low refractive index layer coating solution will be described at the end of the examples.
[0075]
The obtained film was evaluated for the following items.
(1) Specular reflectance and color
[0076]
A spectrophotometer V-550 (manufactured by JASCO Corporation) is equipped with an adapter ARV-474, and in the wavelength region of 380 to 780 nm, the specular reflectance at an incident angle of 5 ° at an incident angle of 5 ° is measured. An average reflectance of 450 to 650 nm was calculated, and antireflection properties were evaluated.
[0077]
Further, CIE 1976 L * a * b * color space L * value, a * value, and b * value representing the color of regular reflected light with respect to 5 ° incident light of CIE standard light source D65 are calculated from the measured reflection spectrum. The color of reflected light was evaluated.
(2) Integral reflectance
An adapter ILV-471 is attached to a spectrophotometer V-550 (manufactured by JASCO Corporation), and an integrated reflectance at an incident angle of 5 ° is measured in a wavelength region of 380 to 780 nm, and an average reflection of 450 to 650 nm. The rate was calculated.
(3) Haze
The haze of the obtained film was measured using a haze meter MODEL 1001DP (manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.).
(4) Pencil hardness evaluation
The pencil hardness evaluation described in JIS K 5400 was performed as an index of scratch resistance. After conditioning the antireflection film at a temperature of 25 ° C. and a humidity of 60% RH for 2 hours, using a 3H test pencil specified in JIS S 6006, with a load of 1 kg,
No scratch is observed in the evaluation of n = 5: ○
In evaluation of n = 5, 1 or 2 scratches:
In evaluation of n = 5, 3 or more scratches: ×
(5) Contact angle measurement
As an index of surface contamination resistance, the optical material was conditioned at a temperature of 25 ° C. and a humidity of 60% RH for 2 hours, and then the contact angle with water was measured to obtain an index of fingerprint adhesion.
(6) Dynamic friction coefficient measurement
The dynamic friction coefficient was evaluated as an index of surface slipperiness. As the dynamic friction coefficient, a sample was conditioned at 25 ° C. and a relative humidity of 60% for 2 hours, and then a value measured with a HEIDON-14 dynamic friction measuring machine at a 5 mmφ stainless steel ball, a load of 100 g, and a speed of 60 cm / min was used.
(7) Anti-glare evaluation
Bare fluorescent light (8000 cd / m) without louver on the antiglare film produced 2 ) And the degree of blur of the reflected image was evaluated according to the following criteria.
[0078]
I do not know the outline of the fluorescent lamp at all: ◎
The outline of the fluorescent lamp changes slightly: ○
The fluorescent light is blurred, but the outline can be identified:
Fluorescent lamp is hardly blurred: ×
Table 1 shows the results of evaluation based on the above items. As shown in the table, the obtained film is excellent in antiglare property and antireflection property and has a weak color, and the evaluation reflects film properties such as pencil hardness, fingerprint adhesion, and dynamic friction coefficient. The result was also good.
[0079]
[Table 1]
Figure 2004107629
Next, an antiglare antireflection polarizing plate was prepared using the obtained film. Using this polarizing plate, a liquid crystal display device in which an antireflection layer was disposed on the outermost layer was produced. As a result, excellent contrast was obtained because there was no reflection of external light, and the reflection image was not noticeable due to antiglare properties. Visibility was good, and fingerprinting was good.
(Preparation of antiglare layer coating solution)
439 g of methyl ethyl ketone from 125 g of a mixture of dipentaerythritol pentaacrylate and dipentaerythritol hexaacrylate (DPHA, manufactured by Nippon Explosives Co., Ltd.) and 125 g of bis (4-methacryloylthiophenyl) sulfide (MPSMA, manufactured by Sumitomo Seika Co., Ltd.) / Cyclohexanone = dissolved in a mixed solvent of 50/50% by weight. A solution prepared by dissolving 5.0 g of a photopolymerization initiator (Irgacure 907, manufactured by Ciba Geigy) and 3.0 g of a photosensitizer (Kayacure DETX, manufactured by Nippon Explosives Co., Ltd.) in 49 g of methyl ethyl ketone was added to the obtained solution. The refractive index of the coating film obtained by applying this solution and curing with ultraviolet rays was 1.60.
[0080]
Further, 10 g of a crosslinked polystyrene particle having an average particle diameter of 2 μm (trade name: SX-200H, manufactured by Soken Chemical Co., Ltd.) was added to this solution, and the mixture was stirred and dispersed at 5000 rpm for 1 hour with a high speed dispaper. An antiglare layer coating solution was prepared by filtration through a polypropylene filter.
(Preparation of coating solution for hard coat layer)
A solution prepared by dissolving 250 g of an ultraviolet curable hard coat composition (Desolite KZ-7687, 72 wt%, manufactured by JSR Corporation) in 62 g of methyl ethyl ketone and 88 g of cyclohexanone was added. The refractive index of the coating film obtained by applying this solution and curing with ultraviolet rays was 1.53.
[0081]
Furthermore, this solution was filtered through a polypropylene filter having a pore diameter of 30 μm to prepare a coating solution for a hard coat layer.
(Preparation of coating solution for low refractive index layer)
MEK-ST (average particle size of 10 to 20 nm, solid content concentration of 30% by weight of SiO2) was added to 20093 g of a heat-crosslinkable fluorine-containing polymer (TN-049, manufactured by JSR Corporation) with a refractive index of 1.42. 2 8 g of a sol MEK dispersion (manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.) and 100 g of ruethyl ketone were added. After stirring, the solution was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 1 μm to prepare a coating solution for a low refractive index layer.
[0082]
【The invention's effect】
As described above, according to the solution casting method according to the present invention, since the cellulose acylate solution is filtered using the filter aid, clogging of the filter medium can be suppressed and the filter life can be extended. At the same time, the filtration accuracy can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram of a dope production line to which a filter cleaning method according to the present invention is applied.
FIG. 2 is a configuration diagram of a film forming apparatus.
FIG. 3 is a configuration diagram of a filter cleaning device according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 ... Dope production line, 11 ... Solvent tank, 12 ... Dissolution tank, 14 ... Metering device, 15 ... Plasticizer tank, 20 ... Storage tank, 27 ... Pump, 28 ... Body feed tank, 29 ... Switch, 30 ... Filtration machine 31 ... Flow meter, 32 ... Dope, 33 ... Dope tank, 34 ... Cleaning solvent recovery tank, 36 ... Recycle solution tank, 37 ... Filter aid tank, 38 ... Cleaning solvent tank, 39 ... Pump, 40 ... Discharge tank, 41 ... stirring blade, 42 ... filter member, 43 ... discharge line, 44 ... separation device, 46 ... collection line, 47 ... heater, 48 ... baking device, 49 ... tank for precoat, 50 ... film forming device , 51 ... Band zone, 52 ... Drying zone, 54 ... Filter, 59 ... Casting band, 60 ... Casting die, 61 ... Stripping roller, 62 ... Film, 63 ... Ten

Claims (36)

セルロースアシレート溶液を調製して濾過処理した後、製膜してセルロースアシレートフィルムを製造する溶液製膜方法において、
前記濾過処理は、濾過助剤を用いることを特徴とする溶液製膜方法。
In a solution casting method for producing a cellulose acylate film by preparing a cellulose acylate solution and filtering,
A solution casting method characterized by using a filter aid for the filtration treatment.
前記濾過助剤は組成の50%以上がSiO2 であることを特徴とする請求項1に記載の溶液製膜方法。 2. The solution casting method according to claim 1, wherein 50% or more of the composition of the filter aid is SiO2. 前記濾過助剤はセルロース系助剤であることを特徴とする請求項1に記載の溶液製膜方法。2. The solution casting method according to claim 1, wherein the filter aid is a cellulosic aid. 前記濾過助剤はセルロース系助剤と、SiO2 が50%以上の助剤との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の溶液製膜方法。 2. The solution casting method according to claim 1, wherein the filter aid is a mixture of a cellulosic aid and an aid containing 50% or more of SiO2. 前記濾過助剤は、二つ以上の混合物から成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 1, wherein the filter aid is composed of a mixture of two or more. 前記濾過助剤は、平均粒径が1〜150μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の溶液製膜方法。6. The solution casting method according to claim 1, wherein the filter aid has an average particle diameter of 1 to 150 [mu] m. 前記濾過助剤は、粒径の標準偏差が1/2平均粒径以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to any one of claims 1 to 6, wherein the filter aid has a standard deviation in particle size of ½ average particle size or less. 前記濾過助剤の嵩密度が0.01〜0.8g/cm3 であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 1, wherein a bulk density of the filter aid is 0.01 to 0.8 g / cm 3 . 前記濾過助剤を前記セルロースアシレート溶液に対して0.01〜10wt. %添加することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The filter aid was added in an amount of 0.01 to 10 wt. The solution casting method according to claim 1, wherein% is added. 前記濾過助剤を分散させたプレコート用液を用いて、濾過支持体上に0.1〜10mmでプレコートすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to any one of claims 1 to 9, wherein the pre-coating liquid in which the filter aid is dispersed is pre-coated at 0.1 to 10 mm on a filtration support. 前記濾過助剤を分散させたプレコート用液を用いて、濾過支持体上に0.1〜5kg/m2 でプレコートすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution according to any one of claims 1 to 10, wherein a precoat liquid in which the filter aid is dispersed is precoated at 0.1 to 5 kg / m 2 on a filter support. Membrane method. 前記プレコート用液は、前記濾過助剤の終末速度が10−4〜1cm/sであることを特徴とする請求項10または11に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 10 or 11, wherein the precoat liquid has an end speed of the filter aid of 10-4 to 1 cm / s. 前記濾過処理は、濾過流速が0.1〜50cm/hrであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to any one of claims 1 to 12, wherein the filtration treatment has a filtration flow rate of 0.1 to 50 cm / hr. 前記濾過処理は、初期差圧が0.01〜1MPaであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 1, wherein the filtration treatment has an initial differential pressure of 0.01 to 1 MPa. 前記濾過処理は、濾過圧が0.01〜4MPaであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 1, wherein the filtration treatment has a filtration pressure of 0.01 to 4 MPa. 前記濾過処理は、濾過差圧が0.01〜3MPaであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 1, wherein the filtration treatment has a filtration differential pressure of 0.01 to 3 MPa. 前記濾過処理は、ケーク層の厚みが0.1〜80mmであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to any one of claims 1 to 16, wherein the filtration treatment has a cake layer thickness of 0.1 to 80 mm. 前記濾過処理は、前記セルロースアシレート溶液が沸騰しない圧力条件下で、且つ、前記セルロースアシレート溶液の常圧での沸点より20℃低い温度以上で行うことを特徴とする請求項1〜17に記載の溶液製膜方法。The filtration process is performed under a pressure condition in which the cellulose acylate solution does not boil and at a temperature of 20 ° C. lower than the boiling point of the cellulose acylate solution at normal pressure. The solution casting method described. 前記濾過助剤は、前記セルロースアシレート溶液の常圧時での沸点と該沸点から20℃低い温度との間の範囲で前記セルロースアシレート溶液に分散し、該セルロースアシレート溶液中の溶存気泡飽和度が90%以下になった後に前記濾過処理を行うことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The filter aid is dispersed in the cellulose acylate solution in a range between the boiling point of the cellulose acylate solution at normal pressure and a temperature lower than the boiling point by 20 ° C., and dissolved bubbles in the cellulose acylate solution The solution casting method according to any one of claims 1 to 18, wherein the filtration treatment is performed after saturation reaches 90% or less. 前記濾過処理は、前記濾過助剤を前記セルロースアシレート溶液に分散させる際よりも低い温度で行うことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1に記載の溶液製膜方法。20. The solution casting method according to claim 1, wherein the filtration treatment is performed at a temperature lower than when the filter aid is dispersed in the cellulose acylate solution. 前記濾過処理の後、前記セルロースアシレート溶液中の前記濾過助剤の濃度が10000個/cc以下であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to any one of claims 1 to 20, wherein the concentration of the filter aid in the cellulose acylate solution after the filtration treatment is 10,000 pieces / cc or less. 前記濾過処理を行った後のセルロースアシレート溶液を、絶対濾過精度が2〜50μmのフィルタで後段濾過処理することを特徴とする請求項1〜21のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to any one of claims 1 to 21, wherein the cellulose acylate solution after the filtration treatment is subjected to subsequent filtration treatment with a filter having an absolute filtration accuracy of 2 to 50 µm. 前記濾過処理を行った濾過機を洗浄溶剤で逆洗するとともに、前記洗浄溶剤を、沸騰しない圧力条件下で、且つ前記セルロースアシレート溶液の沸点より20℃低い温度以上に加熱して循環供給することを特徴とする請求項1〜22のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The filter that has been subjected to the filtration treatment is back-washed with a washing solvent, and the washing solvent is circulated and supplied under pressure conditions that do not boil and heated to a temperature that is 20 ° C. lower than the boiling point of the cellulose acylate solution. The solution casting method according to any one of claims 1 to 22, 前記濾過処理によって前記濾過支持体に形成されたケークを、1〜50kg/m3 の濃度範囲のスラリーとして排出することを特徴とする請求項1〜23のいずれか1に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to any one of claims 1 to 23, wherein the cake formed on the filtration support by the filtration treatment is discharged as a slurry having a concentration range of 1 to 50 kg / m 3. . 前記スラリーをプレコート用液、またはボディフィード用液として再利用することを特徴とする請求項24に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 24, wherein the slurry is reused as a precoat liquid or a body feed liquid. 使用される有機溶剤が非塩素系溶剤であることを特徴とする請求項23に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 23, wherein the organic solvent used is a non-chlorine solvent. 前記排出したケークのスラリーを、溶剤と前記濾過助剤とに分離した後、前記濾過助剤を400℃以上で焼成し、再利用することを特徴とする請求項24に記載の溶液製膜方法。The solution casting method according to claim 24, wherein the discharged cake slurry is separated into a solvent and the filter aid, and then the filter aid is baked at 400 ° C or higher and reused. . 前記再生した濾過助剤を未使用の濾過助剤と混合して使用することを特徴とする請求項27に記載の溶液製膜方法。28. The solution casting method according to claim 27, wherein the regenerated filter aid is mixed with an unused filter aid. 前記濾過処理したセルロースアシレート溶液を共流延によって製膜することを特徴とする請求項1〜28のいずれか1に記載の溶液製膜方法。29. The solution casting method according to claim 1, wherein the filtered cellulose acylate solution is formed by co-casting. 請求項1〜29のいずれか1に記載の溶液製膜方法で作製したことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。A cellulose acylate film produced by the solution casting method according to claim 1. 請求項30に記載のセルロースアシレートフィルムであって、クロスニコル下で観察される輝点欠陥の数が幅方向に5cm2 のサンプルを5点採取した際の平均値として20μm以上が0個/5cm2 であり、10μm以上が10個/5cm2 以下であり、5μm以上が10個/5cm2 以下であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。A cellulose acylate film according to claim 30, or 20μm average value when the number of bright point defects observed were collected 5 points a sample of 5 cm 2 in the width direction under crossed nicols 0 / A cellulose acylate film having a size of 5 cm 2 , 10 μm or more is 10 pieces / 5 cm 2 or less, and 5 μm or more is 10 pieces / 5 cm 2 or less. 請求項30または31に記載のセルロースアシレートフィルムを保護フィルムとして用いたことを特徴とする偏光板。A polarizing plate comprising the cellulose acylate film according to claim 30 or 31 as a protective film. 請求項30または31に記載のセルロースアシレートフィルムを用いたことを特徴とする光学補償フィルム。An optical compensation film comprising the cellulose acylate film according to claim 30 or 31. 請求項32に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。A liquid crystal display device using the polarizing plate according to claim 32. 請求項33に記載の光学補償フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置。A liquid crystal display device comprising the optical compensation film according to claim 33. 請求項30または31に記載のセルロースアシレートフィルムを用いたことを特徴とする写真感光材料。A photographic light-sensitive material comprising the cellulose acylate film according to claim 30 or 31.
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