【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はドープの濾過方法及びその方法を用いたフィルムに係り、特にセルロースアシレートフィルムの製膜に使用されるセルロースアシレート溶液のドープから異物を濾過する濾過方法及びその方法を用いたフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースアシレート、特にセルローストリアセテートから形成されたフィルム(以下、TACフィルムと称する)は、その強靱性と難燃性とから写真感光材料のフィルムベースなどとして利用されている。また、TACフィルムは、光学的等方性に優れていることから、近年市場の拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フィルム、光学補償フィルムやカラーフィルムの用途に適している。
【0003】
TACフィルムは、一般的に溶液製膜法により製造され、メルトキャスト法などの他の製造方法と比較して、光学的性質や物性が優れたフィルムを製造することができる。溶液製膜法は、ポリマーを溶媒(主に有機溶媒)に溶解してドープを調製した後、このドープを流延バンドや流延ドラムなどの流延支持体に流延して製膜する方法である。
【0004】
溶液製膜法に用いられるドープ中のポリマーには、天然素材を原料として用いるものがあり、その原料中には、ドープの有機溶媒に溶解しないものや、溶解しにくいものを少量含んでいる場合がある。また、ポリマー及びその他の原料中に含まれる不純物や、原料の搬送工程及び溶解工程で混入するゴミや埃などの異物などがドープ中に含まれる場合もある。なお、本発明において、ポリマーが溶媒に溶解しなかった未溶解ポリマー、ドープ中でゾル化しているポリマー、原料中の不純物、前記異物などの溶媒に溶解しないもの全てを異物と称する。これらの異物を含有するドープは、ドープを調製して流延するまでに濾過により除去され、これにより製膜されたフィルムに欠陥が生じるのを防止している。従って、ドープ中の異物まで精度良く除去する必要があり、通常、濾過により異物を除去している。
【0005】
ドープを濾過する従来の濾過方法の考えは、ドープ中から精度よく異物を除去するために、なるべく孔径の小さなフィルタを備えた単一の濾過器を使用していた。例えば特許文献1には、ドープを保留粒子径8μm以下の濾紙を用いて濾過して製膜することが開示されている。また、特許文献2には、ドープを濾水時間20秒以上の濾紙を用い、且つ16Kg/cm2 以下の濾過圧力で濾過、製膜することが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−256477号公報
【0007】
【特許文献2】特開2000−204173号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、近年のように高品質のフィルムが要望され、除去すべき異物サイズが小さくなっている現状では、それに応じてますます微小孔径のフィルタを使用しなくてはならず、濾過寿命が極端に悪くなるという問題がある。このように濾過寿命が短くなるとドープ調製の調製時間が長くなり、ドープを溶液製膜法で製造するフィルムの生産性も落ちてしまうという問題がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、ドープの濾過において微小サイズの異物まで効率的に除去でき、しかも濾過寿命も長くでき、この濾過方法を使用することで生産性を落とさずに高品質のフィルムを製造することができるドープの濾過方法及びフィルムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、ポリマーを溶媒に溶解したドープ中の異物を濾過により除去するドープの濾過方法において、前記ドープ中の異物を、孔径の同一な焼結金属フィルタを備えた2基以上の濾過器を直列に配置して濾過することを特徴とする。ここで「孔径の同一な焼結金属フィルタを備えた2基以上の濾過器」とは、2基以上直列に配置した焼結金属フィルタの濾過器において、焼結金属フィルタの孔径が全ての濾過器とも同一であることをいう。
【0011】
このように、孔径の同一な焼結金属フィルタを備えた2基以上の濾過器を直列に配置してドープを濾過することにより、焼結金属フィルタの孔径よりも微小な異物までを精度良く除去でき、しかも1基の焼結金属フィルタの孔径を小さくして同じ異物除去性能を得る場合に比べて格段に濾過寿命を長くできる。これにより、高品質のフィルムが要望され、除去すべき異物サイズが小さくなっても、それに応じて焼結金属フィルタの孔径を小さくする必要がないので、濾過寿命の低下を抑制でき、フィルム製造の生産性を向上できる。
【0012】
本発明の請求項2は、請求項1において、焼結金属フィルタを備えた濾過器でドープを濾過する前に、濾紙フィルタを備えた濾過器で予め粗濾過することを特徴とするもので、これにより、焼結金属フィルタの濾過寿命を更に延ばすことができる。
【0013】
本発明の請求項3は、請求項1又は2において、焼結金属フィルタを備えた濾過器の後に、該焼結金属フィルタの孔径よりも大きな孔径の焼結金属フィルタを備えた保証用濾過器を配置することを特徴とするものである。これにより、焼結金属フィルタのフィルタ交換時等に、外部からの異物が万が一ドープ中に混入しても、保証用濾過器で除去することができるので、フィルムに発生する異物に起因した故障を極力なくすことができる。
【0014】
本発明の請求項4は、請求項1〜3の何れか1において、ドープはセルロースアシレート溶液であることを特徴とする。これは、写真感光材料のフィルムベース、液晶表示装置の偏光板の保護フィルム、光学補償フィルム等を溶液製膜方法で製膜するためのドープとして優れた適性を備えているセルロースアシレート溶液の濾過は、厳密な異物除去が要求されることから、従来の単一の濾過方法では目詰まりが極端に早くなる。従って、本発明の濾過方法をセルロースアシレート溶液に適用することは極めて有効である。特に、セルロースアシレート溶液の種類の中でも、セルロースアセテートがより好ましく、セルローストリアセテート(TAC)が最も好ましい。
【0015】
本発明の請求項5は、前記目的を達成するために、請求項1〜4の何れか1のドープの濾過方法で得られたドープを使用して溶液製膜法により製造されたフィルムを特徴とするものであり、本発明のドープの濾過方法を使用することにより高品質なフィルムを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るドープの濾過方法及びフィルムの好ましい実施の形態について詳説する。
【0017】
図1は、本発明に係るドープの濾過方法を組み込んだドープ調整ラインの概念図である。
【0018】
ドープ調製ライン10は、溶媒タンク11から必要な量の溶媒を仕込みタンク12に送液する。溶媒タンク11には、溶媒(混合溶媒を用いるときも以下の説明においては、単に溶媒と称する場合もある)が注入されている。この溶媒は、送液量を調整しながら送液される。
【0019】
次に、計量器14に仕込まれているポリマーを仕込みタンク12に計量しながら送り込む。ポリマーは、前述した溶媒に対して15重量%〜20重量%仕込むことが好ましく、これにより調製されたドープを製膜して得られるフィルムの品質が良好なものが得られる。しかしながら、本発明において溶媒に仕込むポリマー量は前述した範囲に限定されるものではない。なお、ポリマーにはTACを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0020】
さらに、可塑剤タンク15から必要量の可塑剤を仕込みタンク12に送り込む。なお、可塑剤には、トリフェニルホスフェートを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。なお、本発明において仕込みタンク12に送り込む可塑剤の量は、前述したポリマーに対して5重量%〜20重量%であると、調製されたドープから製膜されたフィルムの可塑性が製品として最も好ましい柔軟性を持つものが得られる。しかしながら、本発明において仕込みタンク12に送り込む可塑剤の量は前述した範囲に限定されるものではない。
【0021】
また、前述した説明においては、仕込みタンク12に仕込む順番が、溶媒、ポリマー、可塑剤の順であったが、本発明は必ずしもこの順に限定されるものではない。例えば、ポリマーを計量し、仕込みタンク12に送り込んだ後に、好ましい量の溶媒を送液することも可能である。また、可塑剤は必ずしも仕込みタンク12に予め送り込む必要はなく、後の工程でポリマーと溶媒との混合物に混合することもできる。
【0022】
仕込みタンク12には、モータ17により回転する上下2段式の攪拌翼18が備えられている。攪拌翼18が回転することにより、仕込みタンク12内に送り込まれていた溶媒、ポリマー、必要に応じて送り込まれていた可塑剤及びその他の添加剤を攪拌することで、溶媒にポリマーなどの溶質を粗溶解させる。粗溶解とは、溶質が完全に溶媒に溶解していない状態を意味している。本発明においてドープ原液を調製するために、仕込みタンク12中で攪拌翼18により攪拌する時間は、120〜540分であることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
【0023】
仕込みタンク12で調整されたドープ原液はポンプ20により配管22を流れて貯留タンク28に送られる。この仕込みタンク12と貯留タンク28との間には加熱器23が設置され、ドープ原液中の更なる未溶解物を加熱溶解することが好ましい。加熱温度としては60〜120°Cが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。また、加熱器23で加熱した場合には、その後に冷却器25を通して、ドープ原液を構成している主要溶媒の沸点以下まで冷却することが、良好な品質のフィルムを製膜するためのドープ原液を調製するために好ましい。
【0024】
その後、第1濾過工程24に送液される。第1濾過工程24には、濾紙フィルタを備えた濾過器26が設られ、ドープ中の大径サイズから小径サイズの異物のうち比較的大径サイズの異物が粗濾過される。図1では、濾紙フィルタを備えた1基の濾過器26を示したが、同一の孔径の濾紙フィルタを2基以上直列に配置してもよい。この場合には、1基の場合よりも濾紙フィルタの孔径を大きくしても同じ異物除去性能を得ることができ、濾過寿命も延ばすことができる。
【0025】
第1濾過工程24で粗濾過されたドープ原液は、貯留タンク28に送液される。貯留タンク28のドープ原液はポンプ27により配管29を通って第2濾過工程36に送液される。第2濾過工程36には、孔径の同一な焼結金属フィルタを備えた2基以上の濾過器38、38が直列に配置される(図1では2基の濾過器38を示した)。焼結金属フィルタの形状は、円筒形、円板形、ディスク状等のものが適宜使用される。このように、孔径の同一な焼結金属フィルタを備えた2基以上の濾過器38を直列に配置してドープを濾過することにより、焼結金属フィルタの孔径よりも微小な異物までを精度良く除去でき、しかも1基の焼結金属フィルタの孔径を小さくして同じ異物除去性能を得る場合に比べて格段に濾過寿命を長くできる。例えば、5μmの孔径を有する焼結金属フィルタを備えた1基の濾過器38で得られる異物除去性能と同じ性能を2基の濾過器38で得ようとする場合、焼結金属フィルタの孔径を約10μm、即ち約2倍まで大きくすることができる。更に直列配置する濾過器38の数を増やす場合には、焼結金属フィルタの孔径を更に大きくすることが可能なので、設備費や生産性との兼ね合いで濾過器38の配置数を決めるとよい。
【0026】
第2濾過工程36で濾過されたドープ原液は、中間タンク40に一旦貯留されてから、ポンプ42によって保証濾過器44に送液されて仕上げ濾過される。これにより、高品質なフィルムを製造する上で悪影響のあるサイズの異物が除去されたドープが調製され、次工程の溶液製膜ラインに送られる。保証濾過器44は、第2濾過工程36のフィルタ交換時等に、外部からの異物が万が一濾過器38内のドープに混入しても、保証濾過器44で除去できるようにしたもので、第2濾過工程36で使用する焼結金属フィルタの孔径よりも大きな孔径の焼結金属フィルタが使用される。例えば、第2濾過工程36での焼結金属フィルタの孔径を10μmとした場合には、保証濾過器44の焼結金属フィルタの孔径は40μm〜80μm程度にするとよい。
【0027】
溶液製膜ラインについては、周知のラインを使用することができ特に図示しないが、一般的にはダイから流延支持体(流延バント又は流延ドラム)に流延した薄膜のドープを流延支持体から剥離した後、テンター装置、乾燥装置等を経てフィルムに製造される。
【0028】
尚、本発明に用いられるポリマーとしては、セルロースエステルを用いることが好ましい。また、セルロースエステルの中では、セルロースアシレートを用いることが好ましく、特に、セルロースアセテートを使用することが好ましい。さらに、このセルロースアセテートの中では、その平均酢化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のセルローストリアセテート(TAC)を使用することが最も好ましい。酢化度とは、セルロース単位重量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。本発明では、セルロースアシレート粒子を使用し、使用する粒子の90重量%以上が0.1〜4mmの粒子径、好ましくは1〜4mmを有する。また、好ましくは95重量%以上、より好ましくは97重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上、最も好ましくは99重量%以上の粒子が0.1〜4mmの粒子径を有する。さらに、使用する粒子の50重量%以上が2〜3mmの粒子径を有することが好ましい。より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の粒子が2〜3mmの粒子径を有する。セルロースアシレートの粒子形状は、なるべく球に近い形状を有することが好ましい。
【0029】
本発明に用いられる溶媒を、塩素系有機溶媒を主溶媒とすることも、非塩素系有機溶媒を主溶媒とすることも可能である。
【0030】
塩素系有機溶媒とは、一般的にハロゲン化炭化水素化合物を意味しており、代表的な例として、ジクロロメタン(塩化メチレン)、クロロホルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また非塩素系有機溶媒としては、エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類などがあるが、これらに限定されるものではない。溶媒は、市販品の純度であれば、特に制限される要因はない。溶媒は、単独(100重量%)で使用しても良いし、炭素数1〜6のエステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類を混合して使用するものでもよい。使用できる溶媒の例には、エステル類(例えば、酢酸メチル、メチルホルメート、エチルアセテート、アミルアセテート、ブチルアセテートなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル,メチルーt−ブチルエーテルなど)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなど)などが挙げられる。なお、本発明に用いられる有機溶媒には、前述した塩素系有機溶媒と非塩素系有機溶媒とを混合して用いることも可能である。
【0031】
本発明のドープ中には添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤などがある。可塑剤としては、リン酸エステル系(例えば、トリフェニルホスフェート(以下、TPPと称する)、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート(以下、BDPと称する)、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートなど)、フタル酸エステル系(例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレートなど)、グリコール酸エステル系(例えば、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなど)及びその他の可塑剤を用いることができる。
【0032】
紫外線吸収剤としては例えば、オキシベンゾフエノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル酢塩系化合物及びその他の紫外線吸収剤を用いることができる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物である。
【0033】
【実施例】
以下に本発明のドープ濾過方法を実施した本実施例を説明するが、これに限定されるものではない。
【0034】
本実施例は、本発明のドープ濾過方法を組み込んだ図1のドープ調製ラインを使用してドープの調製を行った。即ち、仕込みタンクにおいて表1の材料組成を混合溶解してドープ原液を調製し、このドープ原液を濾紙フィルタ(東洋濾紙♯63)を備えた第1濾過工程で粗濾過した後、公称10μm保証の日本精線製の焼結金属フィルタを備えた濾過器を2基直列に配置した第2の濾過工程で濾過した。
【0035】
一方、比較例1及び2は、図2に示したドープ調製ラインを使用してドープの調製を行った。即ち、第1の濾過工程は本実施例と同じであるが、第2の濾過工程には、公称10μm保証の焼結金属フィルタ(比較例1)又は公称5μm保証の焼結金属フィルタ(比較例2)を1基だけ配置した。
【0036】
【表1】
【0037】
そして、本実施例及び比較例1、2について異物除去性能と濾過寿命を比較した。
【0038】
異物除去性能は、本実施例、比較例1、2で得られたドープを使用して溶液製膜ラインで乾燥膜80μmのフィルムをそれぞれ製造し、得られたフィルムをクロスニコル状態で配置した2枚の偏光板の間に置き、一方の偏光板の外側から光を当てて、他方の偏光板の外側から光学顕微鏡(倍率50倍)で認識できる輝点異物を大きさごとに区分けしてカウントした。このカウント操作を1つのフィルムにつき20箇所(合計面積5.5mm2 )行い、合計した輝点異物を表2に示すように、5〜10μm、10〜15μm、15〜20μmの区分の異物数として示した。図3は、表2を棒グラフで表したものである。
【0039】
【表2】
【0040】
表2及び図3から分かるように、第1濾過の粗濾過だけのドープで製造したフィルムの場合には5.5mm2 内に5〜10μmの異物が51個、10〜15μmの異物が17個、15〜20μmの異物が3個あった。
【0041】
比較例1のドープで製造したフィルムの場合には5.5mm2 内に5〜10μmの異物が31個、10〜15μmの異物が9個、15〜20μmの異物が0個あり、第1濾過だけの場合よりも改良されているものの、高品質のフィルムを製造する上で十分ではない。
【0042】
比較例2のドープで製造したフィルムの場合には5.5mm2 内に5〜10μmの異物が22個、10〜15μmの異物が2個、15〜20μmの異物が0個あり、比較例1の場合よりも良い結果であった。
【0043】
これに対し、本実施例のドープで製造したフィルムの場合には5.5mm2 内に5〜10μmの異物が16個、10〜15μmの異物が0個、15〜20μmの異物が0個あり、比較例2の場合よりも更に良い結果が得られた。
【0044】
次に、図4に示すように、本実施例、比較例1、2におけるドープ総流量に対する濾過圧力を調べることで、濾過寿命を対比した。
【0045】
図4の●は本実施例における1段目の焼結金属フィルタの濾過装置の濾過圧力であり、図1のAの位置で測定したものである。○は本実施例における2段目の焼結金属フィルタの濾過装置の濾過圧力であり、図1のBの位置で測定したものである。▲は比較例1における焼結金属フィルタの濾過装置の濾過圧力であり、図2のCの位置で測定したものである。■は比較例2における焼結金属フィルタの濾過装置の濾過圧力であり、図2のCの位置で測定したものである。
【0046】
図4から分かるように、公称5μm保証の焼結金属フィルタを備えた濾過器を1基備えた比較例2の場合には、ドープの総流量が10(L/200cm2)のときの濾過圧力は0.65MPaとなり、公称10μm保証の焼結金属フィルタを備えた濾過器を1基備えた比較例1の場合には、ドープの総流量が10(L/200cm2)のときの濾過圧力は0.25MPaである。
【0047】
これに対し、公称10μm保証の焼結金属フィルタを備えた濾過器を2基直列に配置して濾過をした本実施例の場合には、ドープの総流量が10(L/200cm2)のときの1段目の焼結金属フィルタの濾過圧力が0.45MPaで比較例2と比較例1の中間であり、2段目の焼結金属フィルタの濾過圧力が0.17MPaで比較例1よりも更に小さくなる。この結果から、本実施例は比較例2と同等以上の異物除去性能を有していながら、比較例2よりも格段に濾過圧力の上昇程度が小さく、実際に濾過寿命も長くなった。
【0048】
以上説明した表2及び図3の異物除去性能と、図4の濾過圧力の上昇程度から分かるように、本発明のように、孔径の同一な焼結金属フィルタを備えた2基以上の濾過器を直列に配置して濾過することにより、ドープの濾過において5〜10μmの微小サイズの異物まで除去でき、しかも濾過寿命も長くできる。従って、フィルム製造の生産製を落とすことなく、高品質なフィルムを製造することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るドープの濾過方法によれば、ドープの濾過において微小サイズの異物まで除去でき、しかも濾過寿命も長くできる。
【0050】
従って、本発明のドープの濾過方法を使用すれば、生産性を落とさずに高品質なフィルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドープ濾過方法を組み込んだドープ調製ラインの概念図
【図2】比較例のドープ調製ラインの概念図
【図3】本実施例と比較例の異物除去性能を比較した図
【図4】本実施例と比較例の濾過圧力を比較した図
【符号の説明】
10…ドープ調製ライン、11…溶媒タンク、12…仕込みタンク、14…計量器、15…可塑剤タンク、18…2段羽根式の攪拌翼、20…ポンプ、24…第1濾過工程、26…濾紙フィルタの濾過器、28…貯留タンク、32…2段羽根式の攪拌翼、34…ポンプ、36…第2濾過工程、38…焼結金属フィルタの濾過器、40…中間タンク、42…ポンプ、44…保証濾過器[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a dope filtration method and a film using the method, and more particularly to a filtration method for filtering foreign matter from a dope of a cellulose acylate solution used for forming a cellulose acylate film and a film using the method. .
[0002]
[Prior art]
A film formed from cellulose acylate, particularly cellulose triacetate (hereinafter referred to as TAC film) is used as a film base of a photographic light-sensitive material because of its toughness and flame retardancy. In addition, since the TAC film is excellent in optical isotropy, it is suitable for use as a protective film for a polarizing plate, an optical compensation film, and a color film of a liquid crystal display device whose market is expanding in recent years.
[0003]
A TAC film is generally produced by a solution casting method, and can produce a film having excellent optical properties and physical properties as compared with other production methods such as a melt casting method. In the solution casting method, a polymer is dissolved in a solvent (mainly an organic solvent) to prepare a dope, and the dope is cast on a casting support such as a casting band or a casting drum to form a dope. It is.
[0004]
Some polymers in the dope used in the solution casting method use natural materials as raw materials, and those raw materials contain a small amount of materials that do not dissolve in the organic solvent of the dope or are difficult to dissolve There is. In addition, the dope may contain impurities contained in the polymer and other raw materials, and foreign matters such as dust and dust mixed in the raw material transport process and dissolution process. In the present invention, an undissolved polymer in which the polymer is not dissolved in the solvent, a polymer that is solated in the dope, impurities in the raw material, and those that do not dissolve in the solvent such as the foreign matter are all called foreign matters. The dope containing these foreign substances is removed by filtration before the dope is prepared and cast, thereby preventing defects in the formed film. Therefore, it is necessary to remove the foreign matter in the dope with high accuracy, and the foreign matter is usually removed by filtration.
[0005]
The idea of the conventional filtration method for filtering the dope has been to use a single filter equipped with a filter having a pore diameter as small as possible in order to remove foreign substances from the dope with high accuracy. For example, Patent Document 1 discloses that a dope is filtered through a filter paper having a reserved particle diameter of 8 μm or less to form a film. Patent Document 2 discloses that the dope is filtered and formed into a film using a filter paper having a drainage time of 20 seconds or more and a filtration pressure of 16 Kg / cm 2 or less.
[0006]
[Patent Document 1] Japanese Unexamined Patent Publication No. 2000-256477
[Patent Document 2] JP 2000-204173 A
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, in recent years, high quality films have been demanded and the size of foreign matter to be removed has become smaller, so it is necessary to use increasingly smaller pore size filters accordingly, and the filtration life is extremely long. There is a problem of getting worse. When the filtration life is shortened in this way, there is a problem that the preparation time of the dope is increased, and the productivity of the film for producing the dope by the solution casting method is also lowered.
[0009]
The present invention has been made in view of such circumstances, and it is possible to efficiently remove fine foreign substances in dope filtration, and also to prolong the filtration life. By using this filtration method, productivity is lowered. An object of the present invention is to provide a dope filtration method and film capable of producing a high-quality film.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, claim 1 of the present invention is a dope filtration method in which foreign matter in a dope in which a polymer is dissolved in a solvent is removed by filtration. The foreign matter in the dope is sintered with the same pore diameter. Two or more filters equipped with a metal filter are arranged in series and filtered. Here, “two or more filters equipped with sintered metal filters having the same pore diameter” means two or more sintered metal filter filters arranged in series, and the sintered metal filter has a pore diameter of all filters. It means that the vessel is the same.
[0011]
In this way, two or more filters equipped with sintered metal filters with the same pore diameter are placed in series and the dope is filtered to remove even finer foreign objects than the pore diameter of the sintered metal filter with high accuracy. In addition, the filtration life can be significantly extended compared to the case where the pore size of one sintered metal filter is reduced to obtain the same foreign matter removal performance. As a result, a high quality film is required, and even if the size of the foreign matter to be removed is reduced, there is no need to reduce the pore diameter of the sintered metal filter accordingly, so that the reduction in filtration life can be suppressed, Productivity can be improved.
[0012]
Claim 2 of the present invention is characterized in that, in claim 1, before the dope is filtered with a filter equipped with a sintered metal filter, the dope is coarsely filtered in advance with a filter equipped with a filter paper filter. Thereby, the filtration life of the sintered metal filter can be further extended.
[0013]
Claim 3 of the present invention is the guarantee filter comprising the sintered metal filter having a pore diameter larger than the pore diameter of the sintered metal filter after the filter equipped with the sintered metal filter in claim 1 or 2. It is characterized by arranging. As a result, even if foreign particles are mixed in the dope when the sintered metal filter is replaced, it can be removed with the guarantee filter. It can be eliminated as much as possible.
[0014]
According to a fourth aspect of the present invention, in any one of the first to third aspects, the dope is a cellulose acylate solution. This is a filtration of cellulose acylate solution having excellent suitability as a dope for forming a film base of a photographic material, a protective film for a polarizing plate of a liquid crystal display device, an optical compensation film, etc. by a solution casting method. Since strict foreign matter removal is required, clogging becomes extremely quick with the conventional single filtration method. Therefore, it is extremely effective to apply the filtration method of the present invention to a cellulose acylate solution. In particular, among the types of cellulose acylate solutions, cellulose acetate is more preferable, and cellulose triacetate (TAC) is most preferable.
[0015]
Claim 5 of the present invention is characterized by a film produced by a solution casting method using the dope obtained by the dope filtration method of any one of claims 1 to 4 in order to achieve the above object. A high quality film can be obtained by using the dope filtration method of the present invention.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of a dope filtration method and a film according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
[0017]
FIG. 1 is a conceptual diagram of a dope adjusting line incorporating a dope filtering method according to the present invention.
[0018]
The dope preparation line 10 charges a necessary amount of solvent from the solvent tank 11 and sends it to the tank 12. The solvent tank 11 is filled with a solvent (even when a mixed solvent is used, in the following description, it may be simply referred to as a solvent). This solvent is fed while adjusting the amount of liquid fed.
[0019]
Next, the polymer charged in the measuring instrument 14 is fed into the charging tank 12 while being measured. The polymer is preferably charged in an amount of 15% by weight to 20% by weight with respect to the above-mentioned solvent, and a polymer having a good film quality obtained by forming a dope thus prepared can be obtained. However, the amount of polymer charged into the solvent in the present invention is not limited to the above range. In addition, although it is preferable to use TAC for a polymer, it is not limited to this.
[0020]
Further, a necessary amount of plasticizer is sent from the plasticizer tank 15 to the charging tank 12. In addition, although it is preferable to use a triphenyl phosphate as a plasticizer, it is not limited to this. In the present invention, the amount of the plasticizer fed to the charging tank 12 is 5 to 20% by weight with respect to the polymer described above, and the plasticity of the film formed from the prepared dope is most preferable as a product. A flexible one is obtained. However, in the present invention, the amount of the plasticizer fed into the charging tank 12 is not limited to the above-described range.
[0021]
Further, in the above description, the order of charging into the charging tank 12 is the order of solvent, polymer, and plasticizer, but the present invention is not necessarily limited to this order. For example, after a polymer is weighed and fed into the charging tank 12, a preferable amount of solvent can be fed. In addition, the plasticizer does not necessarily need to be sent to the charging tank 12 in advance, and can be mixed into a mixture of a polymer and a solvent in a later step.
[0022]
The preparation tank 12 is provided with an upper and lower two-stage stirring blade 18 that is rotated by a motor 17. By rotating the stirring blade 18, the solvent, polymer, and plasticizer and other additives that have been fed into the charging tank 12 are agitated, so that a solute such as polymer is added to the solvent. Dissolve roughly. The rough dissolution means a state where the solute is not completely dissolved in the solvent. In order to prepare the dope stock solution in the present invention, the time for stirring with the stirring blade 18 in the charging tank 12 is preferably 120 to 540 minutes, but is not limited to this range.
[0023]
The dope stock solution adjusted in the preparation tank 12 flows through the pipe 22 by the pump 20 and is sent to the storage tank 28. It is preferable that a heater 23 is installed between the charging tank 12 and the storage tank 28 to heat and dissolve further undissolved substances in the dope stock solution. The heating temperature is preferably 60 to 120 ° C., but is not limited to this range. Further, when heated by the heater 23, the dope stock solution for forming a film of good quality can be cooled to below the boiling point of the main solvent constituting the dope stock solution through the cooler 25 after that. Is preferred for preparing.
[0024]
Thereafter, the liquid is sent to the first filtration step 24. In the first filtration step 24, a filter 26 equipped with a filter paper filter is provided, and foreign substances having a relatively large diameter among coarse particles having a large diameter to a small diameter in the dope are roughly filtered. Although one filter 26 provided with a filter paper filter is shown in FIG. 1, two or more filter paper filters having the same pore diameter may be arranged in series. In this case, the same foreign substance removal performance can be obtained even if the pore diameter of the filter paper filter is made larger than in the case of using one filter, and the filter life can be extended.
[0025]
The dope stock solution roughly filtered in the first filtration step 24 is sent to the storage tank 28. The dope stock solution in the storage tank 28 is sent to the second filtration step 36 through the pipe 29 by the pump 27. In the second filtration step 36, two or more filters 38, 38 each having a sintered metal filter having the same pore diameter are arranged in series (two filters 38 are shown in FIG. 1). As the shape of the sintered metal filter, a cylindrical shape, a disk shape, a disk shape, or the like is appropriately used. In this way, by filtering the dope by arranging two or more filter units 38 having a sintered metal filter having the same pore diameter in series and filtering the dope, it is possible to accurately prevent even a foreign substance smaller than the pore diameter of the sintered metal filter. In addition, it is possible to significantly increase the filtration life compared to the case of obtaining the same foreign substance removal performance by reducing the pore diameter of one sintered metal filter. For example, when trying to obtain the same performance as the foreign matter removal performance obtained with one filter 38 provided with a sintered metal filter having a pore diameter of 5 μm with two filters 38, the pore diameter of the sintered metal filter is set as follows. The size can be increased to about 10 μm, that is, about twice. Further, when the number of the filters 38 arranged in series is increased, the pore diameter of the sintered metal filter can be further increased. Therefore, the number of the filters 38 may be determined in consideration of the equipment cost and productivity.
[0026]
The dope stock solution filtered in the second filtration step 36 is temporarily stored in the intermediate tank 40, and then sent to the guarantee filter 44 by the pump 42 for final filtration. As a result, a dope from which foreign substances having a size that has an adverse effect in producing a high-quality film is removed is prepared and sent to the solution casting line in the next step. The guaranteed filter 44 can be removed by the guaranteed filter 44 even if foreign matter should be mixed into the dope in the filter 38 when the filter is replaced in the second filtration step 36. 2 A sintered metal filter having a pore diameter larger than that of the sintered metal filter used in the filtration step 36 is used. For example, when the hole diameter of the sintered metal filter in the second filtration step 36 is 10 μm, the hole diameter of the sintered metal filter of the guarantee filter 44 is preferably about 40 μm to 80 μm.
[0027]
As the solution casting line, a well-known line can be used, and although not particularly illustrated, generally a thin film dope cast from a die to a casting support (casting bunt or casting drum) is cast. After peeling from the support, the film is produced through a tenter device, a drying device or the like.
[0028]
In addition, as a polymer used for this invention, it is preferable to use a cellulose ester. Among the cellulose esters, it is preferable to use cellulose acylate, and it is particularly preferable to use cellulose acetate. Further, among the cellulose acetates, it is most preferable to use cellulose triacetate (TAC) having an average acetylation degree of 57.5 to 62.5% (substitution degree: 2.6 to 3.0). The degree of acetylation means the amount of bound acetic acid per unit weight of cellulose. The degree of acetylation follows the measurement and calculation of the degree of acetylation in ASTM: D-817-91 (test method for cellulose acetate and the like). In the present invention, cellulose acylate particles are used, and 90% by weight or more of the particles used have a particle diameter of 0.1 to 4 mm, preferably 1 to 4 mm. Also, preferably 95% by weight or more, more preferably 97% by weight or more, still more preferably 98% by weight or more, and most preferably 99% by weight or more of particles have a particle diameter of 0.1 to 4 mm. Furthermore, it is preferable that 50% by weight or more of the particles used have a particle diameter of 2 to 3 mm. More preferably 70% by weight or more, still more preferably 80% by weight or more, and most preferably 90% by weight or more of the particles have a particle diameter of 2 to 3 mm. The particle shape of the cellulose acylate is preferably as close to a sphere as possible.
[0029]
The solvent used in the present invention can be a chlorinated organic solvent as a main solvent or a non-chlorine organic solvent as a main solvent.
[0030]
The chlorinated organic solvent generally means a halogenated hydrocarbon compound, and representative examples include dichloromethane (methylene chloride) and chloroform, but are not limited thereto. Non-chlorine organic solvents include, but are not limited to, esters, ketones, ethers, and alcohols. The solvent is not particularly limited as long as it is commercially available. The solvent may be used alone (100% by weight), or may be a mixture of esters having 1 to 6 carbon atoms, ketones, ethers and alcohols. Examples of solvents that can be used include esters (eg, methyl acetate, methyl formate, ethyl acetate, amyl acetate, butyl acetate, etc.), ketones (eg, acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, etc.), ethers (eg, dioxane). , Dioxolane, tetrahydrofuran, diethyl ether, methyl-t-butyl ether, etc.) and alcohols (eg, methanol, ethanol, butanol, etc.). The organic solvent used in the present invention may be a mixture of the above-described chlorinated organic solvent and non-chlorinated organic solvent.
[0031]
An additive may be added to the dope of the present invention. Examples of the additive include a plasticizer, an ultraviolet absorber, and a matting agent. Examples of the plasticizer include phosphate esters (for example, triphenyl phosphate (hereinafter referred to as TPP), tricresyl phosphate, cresyl diphenyl phosphate, octyl diphenyl phosphate, diphenyl biphenyl phosphate (hereinafter referred to as BDP), trioctyl. Phosphate, tributyl phosphate, etc.), phthalate esters (eg, diethyl phthalate, dimethoxyethyl phthalate, dimethyl phthalate, dioctyl phthalate, etc.), glycolate esters (eg, triacetin, tributyrin, butyl phthalyl butyl glycolate, ethyl phthalyl) Ethyl glycolate, methyl phthalyl ethyl glycolate, butyl phthalyl butyl glycolate, etc.) and other plasticizers can be used.
[0032]
As an ultraviolet absorber, for example, an oxybenzophenone compound, a benzotriazole compound, a salicylic acid ester compound, a benzophenone compound, a cyanoacrylate compound, a nickel acetate compound, and other ultraviolet absorbers can be used. Particularly preferred ultraviolet absorbers are benzotriazole compounds and benzophenone compounds.
[0033]
【Example】
Although the present Example which implemented the dope filtration method of this invention below is described, it is not limited to this.
[0034]
In this example, the dope was prepared using the dope preparation line of FIG. 1 incorporating the dope filtration method of the present invention. That is, a dope stock solution is prepared by mixing and dissolving the material composition shown in Table 1 in a charging tank, and this dope stock solution is roughly filtered in a first filtration step equipped with a filter paper filter (Toyo Filter Paper # 63), and then a nominal 10 μm guarantee is provided. Filtration was performed in a second filtration step in which two filters equipped with a sintered metal filter made by Nippon Seisen were arranged in series.
[0035]
On the other hand, in Comparative Examples 1 and 2, the dope was prepared using the dope preparation line shown in FIG. That is, the first filtration step is the same as that of the present embodiment, but the second filtration step includes a sintered metal filter with a nominal 10 μm guarantee (Comparative Example 1) or a sintered metal filter with a nominal 5 μm guarantee (Comparative Example). Only one 2) was placed.
[0036]
[Table 1]
[0037]
And the foreign material removal performance and the filtration lifetime were compared about the present Example and Comparative Examples 1 and 2.
[0038]
The foreign matter removal performance was obtained by using the dopes obtained in this example and Comparative Examples 1 and 2 to produce films each having a dry film thickness of 80 μm using a solution casting line, and arranging the obtained films in a crossed Nicol state 2 The sample was placed between two polarizing plates, light was applied from the outside of one polarizing plate, and bright spot foreign matters that could be recognized by an optical microscope (50 times magnification) from the outside of the other polarizing plate were classified according to size and counted. This counting operation is performed at 20 locations per film (total area 5.5 mm 2 ), and the total number of bright spot foreign matters is 5-10 μm, 10-15 μm, and 15-20 μm, as shown in Table 2. Indicated. FIG. 3 is a bar graph of Table 2.
[0039]
[Table 2]
[0040]
As can be seen from Table 2 and FIG. 3, in the case of the film manufactured by the dope only for the coarse filtration of the first filtration, 51 foreign substances of 5 to 10 μm and 17 foreign substances of 10 to 15 μm are contained in 5.5 mm 2 . There were three foreign substances of 15-20 micrometers.
[0041]
In the case of the film manufactured by the dope of Comparative Example 1, there are 31 foreign substances of 5 to 10 μm, 9 foreign substances of 10 to 15 μm and 0 foreign substances of 15 to 20 μm in 5.5 mm 2 , and the first filtration. This is an improvement over the case alone, but not enough to produce a high quality film.
[0042]
In the case of the film manufactured by the dope of Comparative Example 2, there are 22 5-10 μm foreign matters, 2 10-15 μm foreign matters, and 15-15-20 μm foreign matters within 5.5 mm 2 . The result was better than that.
[0043]
On the other hand, in the case of the film manufactured by the dope of this example, there are 16 5-10 μm foreign matters, 0 10-15 μm foreign matters, and 15-15 μm foreign matters within 5.5 mm 2 . Even better results than in the case of Comparative Example 2 were obtained.
[0044]
Next, as shown in FIG. 4, the filtration life was compared by examining the filtration pressure with respect to the total dope flow rate in this example and Comparative Examples 1 and 2.
[0045]
4 represents the filtration pressure of the filtration device of the first-stage sintered metal filter in this example, which was measured at the position A in FIG. ○ is the filtration pressure of the filtration device of the second-stage sintered metal filter in this example, and is measured at the position B in FIG. The symbol ▲ indicates the filtration pressure of the sintered metal filter in Comparative Example 1, which was measured at the position C in FIG. (2) is the filtration pressure of the sintered metal filter filtration device in Comparative Example 2, measured at the position C in FIG.
[0046]
As can be seen from FIG. 4, in the case of Comparative Example 2 having one filter equipped with a sintered metal filter with a nominal guarantee of 5 μm, the filtration pressure when the total dope flow rate is 10 (L / 200 cm 2 ). Is 0.65 MPa, and in the case of Comparative Example 1 including one filter equipped with a sintered metal filter with a nominal 10 μm guarantee, the filtration pressure when the total flow rate of the dope is 10 (L / 200 cm 2 ) is 0.25 MPa.
[0047]
On the other hand, in the case of this example in which two filters equipped with a sintered metal filter with a nominal guarantee of 10 μm are arranged in series and filtered, when the total flow rate of the dope is 10 (L / 200 cm 2 ) The filtration pressure of the first-stage sintered metal filter is 0.45 MPa, which is intermediate between Comparative Example 2 and Comparative Example 1, and the filtration pressure of the second-stage sintered metal filter is 0.17 MPa than Comparative Example 1. It becomes even smaller. From this result, while this example had a foreign matter removal performance equivalent to or better than that of Comparative Example 2, the degree of increase in filtration pressure was much smaller than that of Comparative Example 2, and the filtration life was actually extended.
[0048]
As shown in Table 2 and FIG. 3 described above and the degree of increase in filtration pressure in FIG. 4, as shown in the present invention, two or more filters equipped with sintered metal filters having the same pore diameter as in the present invention. Can be removed in the dope filtration up to 5 to 10 μm of foreign matter, and the filtration life can be extended. Therefore, a high-quality film can be produced without dropping the production of film production.
[0049]
As described above, according to the dope filtering method of the present invention, even fine foreign matters can be removed in the dope filtration, and the filter life can be extended.
[0050]
Therefore, if the dope filtration method of the present invention is used, a high-quality film can be produced without reducing productivity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram of a dope preparation line incorporating the dope filtration method of the present invention. FIG. 2 is a conceptual diagram of a dope preparation line of a comparative example. FIG. FIG. 4 is a diagram comparing filtration pressures of the present example and a comparative example.
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 ... Dope preparation line, 11 ... Solvent tank, 12 ... Charge tank, 14 ... Metering device, 15 ... Plasticizer tank, 18 ... Two-stage blade type stirring blade, 20 ... Pump, 24 ... First filtration step, 26 ... Filter for filter paper filter, 28 ... Reservoir tank, 32 ... Stirrer blade of two-stage blade type, 34 ... Pump, 36 ... Second filtration step, 38 ... Filter for sintered metal filter, 40 ... Intermediate tank, 42 ... Pump 44. Warranty filter