JP2004107470A - ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004107470A JP2004107470A JP2002271257A JP2002271257A JP2004107470A JP 2004107470 A JP2004107470 A JP 2004107470A JP 2002271257 A JP2002271257 A JP 2002271257A JP 2002271257 A JP2002271257 A JP 2002271257A JP 2004107470 A JP2004107470 A JP 2004107470A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- silica particles
- polycarbonate
- polycarbonate resin
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】透明性、機械特性、難燃性に優れるポリカーボネートとシリカ粒子からなるポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート99.5〜50重量部と表面処理されたシリカ粒子0.5〜50重量部とからなる樹脂組成物であって、シリカ粒子が界面活性剤の存在下、ゾル−ゲル法によって得られることを特徴とする、全光線透過率が90%以上であるポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリカーボネート99.5〜50重量部と表面処理されたシリカ粒子0.5〜50重量部とからなる樹脂組成物であって、シリカ粒子が界面活性剤の存在下、ゾル−ゲル法によって得られることを特徴とする、全光線透過率が90%以上であるポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネートとシリカ粒子からなるポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートは、優れた透明性、耐熱性、力学特性、成形性などから光学用途をはじめとする幅広い範囲で工業的に利用されている。
【0003】
一方、有機高分子の諸物性を向上させる手法として、有機高分子の特徴である柔軟性、低密度や成形性などを保持しつつ、無機化合物の特徴である高強度、高弾性率、耐熱性、透明性などを併せ持つ有機−無機ハイブリッドポリマー材料の研究が知られている。
【0004】
一般に、有機−無機ハイブリッド高分子材料の調製方法には、有機重合体に側鎖としてアルコキシシランのような無機官能基を結合させ、その後、これを架橋させる方法などが知られている。
【0005】
しかし、ポリカーボネートに代表される疎水性有機重合体は一般にゾル−ゲル反応に溶剤として用いられるアルコール系溶剤に不溶あるいは難溶であることや反応可能な末端官能基が少ないこと等の理由によりハイブリッド化が難しいことが知られている。
【0006】
疎水性有機重合体を用いた有機−無機ハイブリッド高分子材料の報告の中でも、ポリカーボネートやポリアリレートを用いた有機−無機ハイブリッド高分子材料が報告されており、主骨格にポリカーボネートやポリアリレート部分を有し、末端に金属アルコキシド基を有する重合体を、金属アルコキシド存在下もしくは非存在したゾル−ゲル法によって架橋することにより、優れた表面硬度や耐熱性および機械的強度を有する有機−無機ハイブリッド高分子材料を得られると記載されている。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)
しかし、上記の方法では、末端に金属アルコキシドを有するプリカーサーを調製する必要があり、既存のポリカーボネートに適用できず、コスト的に高いものとなってしまう。
【0007】
一方、有機−無機ハイブリッド高分子材料の別の調製方法として、直接、無機フィラーをポリマーに添加する方法が知られているが、そのフィラーの分散不良のため、外観を損ね、機械的物性が低下するという問題があった。これを解決する手段として、無機フィラーを微粒子化することで、外観および機械的物性の向上を検討されているが、微粒子が凝集してしまうため、ポリマー中に均一に分散させることが困難であることが知られている。
【0008】
一方で、近年、様々な形態を有するシリカの報告がなされている。シリカ多孔体の製造方法としては、シリカ原料及び界面活性剤から細孔径の均一なシリカ多孔体の製造方法が記載されている。(例えば、非特許文献1、特許文献3および特許文献4参照)
また、層状ケイ酸塩及び界面活性剤からのシリカ多孔体の製造方法が開示されている。(例えば、非特許文献2、非特許文献3および特許文献5参照)さらに、界面活性剤からシリカナノチューブが得られるとの報告がある。(例えば、非特許文献4参照)このように、界面活性剤を用いることにより、さまざまなシリカのデザインがなされている。
【0009】
しかし、これらの材料は主に物質の吸着或いは貯蔵のために用いられており、無機フィラーとして用いることはなされていない。
【0010】
また、無機系化合物を孔形助剤と共に焼成することにより得られた無機多孔質体を粉砕した微粒子を重合体に分散した複合組成物が報告されている。(例えば、特許文献6参照)しかし、無機多孔質体を粉砕する工程を有するため、無機フィラーとしての大きさに分布があり、均一に分散したものは得られていない。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−209596号公報 頁2
【特許文献2】
特開平11−255883号公報 頁2
【特許文献3】
米国特許第5256277号公報 頁1
【特許文献4】
米国特許第5334368号公報 頁1
【特許文献5】
特開平8−992号公報 頁2
【特許文献6】
特開2001−164133号公報 頁2
【非特許文献1】
[C. T. Kresge, et al.,J. Am. Chem. Soc., 114,10834(1992)] 頁10834
【非特許文献2】
[S. Inagaki, etal., Bull. Chem. Soc. Japan, 69,1449(1996)] 頁1449
【非特許文献3】
[H. Hata, et al.,Chem. Mater.,11,1110(1999)] 頁1112
【非特許文献4】
[M. Adachi, et al.,Langmuir,16,2376(2000)] 頁2377
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シリカ粒子が均一に分散した透明性、機械的物性、難燃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、界面活性剤を用いたゾル−ゲル法により得られたシリカ粒子を表面処理することにより、シリカ粒子が均一に分散したポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法を見出し、本発明に到達した。
【0014】
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0015】
1.ポリカーボネート99.5〜50重量部と表面処理されたシリカ粒子0.5〜50重量部とからなる樹脂組成物であって、シリカ粒子が界面活性剤の存在下、ゾル−ゲル法によって得られることを特徴とする、全光線透過率が90%以上であるポリカーボネート樹脂組成物。
【0016】
2.ポリカーボネート99.5〜80重量部と表面処理されたシリカ粒子0.5〜20重量部とからなる上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0017】
3.シリカ粒子が下記一般式(1)
【0018】
【化2】
YnSiX4−n (1)
(nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜25の炭化水素基、または炭素数1〜25の炭化水素基と置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個のXはそれぞれ同種でも異種でもよい。)
で表されるシラン系化合物で表面処理されることにより調製されたものであることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0019】
4. シリカ粒子の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0020】
5. シリカ粒子の最大粒径が400nm以下であることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0021】
6. シラン系化合物において、式(1)におけるXがClであることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0022】
7. シラン系化合物がトリメチルクロロシランであることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0023】
8. ポリカーボネートが、主として2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフェノール成分とする芳香族ポリカーボネートである上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0024】
9. 上記に記載の樹脂組成物より成ることを特徴とする成形体。
【0025】
10. 界面活性剤の存在下、水系溶液中でゾル−ゲル反応により調製したシリカ粒子を表面処理剤で表面処理する工程、前記表面処理されたシリカ粒子をポリカーボネートに分散させる工程からなるポリカーボネート樹脂の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂については特に制限はない。一般にポリカーボネートとは主鎖が炭酸結合で結ばれた高分子のことを総称するが、一般にビスフェノール等のジヒドロキシ化合物と、ホスゲンあるいはジフェニルカーボネート等とを界面重合または溶融重合法等の公知の方法で重縮合させて得ることができる。
【0027】
ここで用いられるジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3、3、5−トリメtルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2、2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、9、9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9、9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1、3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1、4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1、1、1−3、3、3−ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ビスフェノール、2、2―ジメチル−1、3−プロパンジオール、スピログリコール、1、4−シクロヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
【0028】
これらの中でもビスフェノールAと呼ばれる2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフェノール成分とする芳香族ポリカーボネートを物性、コストの面から好ましく挙げることができる。これらのジヒドロキシ化合物は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いて共重合ポリカーボネートとしても良い。また、一部にテレフタル酸および/またはイソフタル酸成分を含むポリエステルカーボネートとして使用することも可能である。
【0029】
本発明で用いられるポリカーボネート樹脂の分子量は、その粘度平均分子量で、8000〜100000の範囲である。粘度平均分子量が8000より小さいと該樹脂組成物においても成形物は極めて脆くなり好ましくない。また、100000を超えると溶融流動性が悪くなりがちで、良好な成形物が得にくくなりがちとなる。より好ましくは10000〜50000の範囲である。なお粘度平均分子量は、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液中で求めた固有粘度を、マーク−ホウインク−桜田の式に代入して計算した。この際の各種係数は、例えばポリマーハンドブック第3改訂版 ワイリー社(1989年)(Polymer Handbook 3rd Ed. Willey,1989)の7〜23ページに記載されている。
【0030】
本発明で用いられるシリカ粒子とは、シリカ粒子に下記式(1)
【0031】
【化3】
YnSiX4−n (1)
(ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜25の炭化水素基、または炭素数1〜25の炭化水素基と置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個のXはそれぞれ同種でも異種でもよい。)
で表されるシラン系化合物で表面処理されることにより調製されたものであることが好ましい。
【0032】
上記のシリカ粒子は、ゾル−ゲル法により作製されるものである。ゾル−ゲル法とは、金属アルコキシドの加水分解、縮合反応を利用して低温でガラス化する技術であり、まず、アルコキシシランが、水と反応して加水分解し、シラノールとアルコールになり、続くシラノールとシラノール、もしくはシラノールとアルコキシシランとの重縮合反応によりシリカが形成される。
【0033】
アルコキシシランとしては、アルコキシ基を4個有するテトラアルコキシシラン、アルコキシ基を3個有するトリアルコキシシラン、アルコキシ基を2個有するジアルコキシシランを用いることができる。アルコキシ基の種類は特に制限されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のようにアルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数として1〜4程度のもの)が反応性の点から有利である。また、アルコキシシランが有するアルコキシ基が3または2個である場合は、アルコキシシラン中のケイ素原子には有機基、水酸基等が結合していてもよく、当該有機基はアミノ基やメルカプト基等の官能基をさらに有していてもよい。
【0034】
本発明において用いることのできるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられ、トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラノール、トリエトキシシラノール、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、ジアルコキシシランとしては、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等が挙げられる。
【0035】
本発明において上記アルコキシシランは、単独で用いることもできるが2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。また、上記のアルコキシ基を2〜4個有するアルコキシシランは、アルコキシ基を1個有するモノアルコキシシランと組み合わせて使用することも可能である。このようにして用いることのできるモノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
ゾル−ゲル法において、分子中のアルコキシ基の数が多いアルコキシシランは、加水分解および縮合で生じる結合が多くなる。したがって、本発明において、アルコキシ基の多いテトラアルコキシシランをアルコキシシランとして用いることが好ましく、テトラアルコキシシランとしては、反応速度の観点からテトラエトキシシランを用いることが特に好ましい。
【0037】
本発明において、ゾル−ゲル反応を水系溶媒中で行うにあたって、形成されるシリカの構造を制御するために、テンプレートとして界面活性剤存在下で反応を行うことが好ましい。
【0038】
界面活性剤としては、例えば、アルキルトリエチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウム、ジメチルジアルキルアンモニウム、アルキルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等の末端にアンモニウム基を有する化合物(塩)を使用できる。或いは、末端にスルホン基(−O−SO3−;サルフェート)、カルボキシル基(−COO−;カルボキシレート)、リン酸基(−O−PO3−;フォスフェート)等を有する化合物(塩)等を用いてもよい。これらの界面活性剤は、単独で又は二種以上混合して用いられる。
【0039】
さらにまた、界面活性剤の使用量として、シリカ成分との含有割合が、SiO2/界面活性剤=1/1〜20/1(モル比)となるような量を用いると好ましく、特に、SiO2/界面活性剤=4/1〜12/1(モル比)となるように用いると一層好ましい。
【0040】
界面活性剤存在下、ゾル−ゲル反応を行うことにより、界面活性剤成分(イオン)とアルコキシシランが複合体を形成し、得られるシリカ粒子の微細構造を制御することができる。
【0041】
界面活性剤の水溶液中における濃度としては、ゾル−ゲル反応系において沈殿形成がなく均一に進行しさえすれば、特に限定されるものではない。好ましくは、0.1〜0.5Mとなるように用いるとよい。
【0042】
また、ゾル−ゲル反応温度としては、界面活性剤が水系溶媒に溶解する温度以上、水系溶媒の沸点以下であれば特に限定されるものではなく、好ましくは40〜60℃の条件で行うのがよい。反応温度があまり低すぎると界面活性剤が析出してしまい、均一に反応が進行することができずシリカ粒子の微細構造を制御することが困難となり好ましくはない。反応温度があまり高くなりすぎると、反応速度が速くなりシリカ粒子の微細構造を制御することが困難となり好ましくはない。
【0043】
また、ゾル−ゲル反応を行う水溶液のpHの範囲としては、好ましくは1〜7である。このpHが7を超えると、反応系に沈殿が生じてしまい不均一系となり好ましくない場合がある。またpHを変化させることで、得られるシリカ粒子の形態を制御することも可能である。
【0044】
シリカ粒子の表面処理に用いられるシラン系化合物とは、通常一般に用いられる任意のものが使用され得、好ましくは、下記一般式(1)
【0045】
【化4】
YnSiX4−n (1)
で表されるものである。ここで、nは0〜3の整数である。Yは、炭素数1〜25の炭化水素基、または炭素数1〜25の炭化水素基と置換基から構成される有機官能基であって、該置換基はエステル基、エーテル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、メルカプト基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、ハロゲン原子、及び水酸基から成る群より選択される1種以上である。Xは加水分解性基および/または水酸基であり、該加水分解基は、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、ハロゲン原子から成る群より選択される1種以上である。ここで、n個のY、4−n個のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。
【0046】
本明細書において炭化水素基とは、直鎖または分岐鎖(すなわち側鎖を有する)の飽和または不飽和の一価または多価の脂肪族炭化水素基、および芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙げられる。本明細書において、「アルキル基」という場合は、特に指示が無い限り「アルキレン基」等の多価の炭化水素基を包含する。同様にアルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、及びシクロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、及びシクロアルキレン基等を包含する。
【0047】
シラン系化合物において、式(1)におけるXの好ましいものとして、反応性取り扱いの点からCl基があげられる。
【0048】
また、中でもトリメチルクロロシランが好ましい。
【0049】
本発明のシリカ粒子は、水系溶媒中でアルコキシシランを原料にゾル−ゲル反応により作製することが好ましいが、表面処理剤をゾル−ゲル反応系が均一透明溶液になった状態で添加、反応させることが重要である。このように調製した均一反応液から、有機層に含まれるシリカ粒子を抽出することにより本発明のシリカ粒子を得ることができる。得られたシリカ粒子の平均粒径は100nm以下、最大粒径としては400nm以下であり、本発明の透明性に優れたポリカーボネート樹脂を得ることが可能となる。不均一な状態で表面処理剤を添加した場合、シリカ粒子の平均粒径は100nm以上、最大粒径は400nm以上となってしまいポリカーボネート樹脂として、透明性に優れたものが得られず好ましくはない。なお平均粒径は、ポリカーボネート樹脂組成物のTEM写真における各シリカ粒子の数平均粒子直径を求め平均粒径とした。同様に最大粒径は、ポリカーボネート樹脂組成物のTEM写真において観察される最大のシリカ粒子の大きさである。
【0050】
また、シリカ粒子の表面を表面処理剤によって処理することによって、シリカ粒子のポリマーマトリクス中における凝集を防ぎ、均一に分散したポリカーボネート組成物を得ることが可能となる。
【0051】
本発明の上記の分散媒とは、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及び水と該極性溶媒の混合溶媒を表す。該極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、その他の溶媒であるジメチルスルホキシド、ピリジン等が挙げられる。これらの極性溶媒は単独で用いても良く2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0052】
本発明におけるポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂中においてシリカ粒子が均一に分散しており、透明性に優れ、全光線透過率が90%以上である。
【0053】
本発明の樹脂組成物はポリカーボネート99.5〜50重量部とシリカ粒子0.5〜50重量部とからなる。好ましくはポリカーボネート99.5〜80重量部とシリカ粒子0.5〜20重量部とからなる。シリカ粒子の含有量が0.5重量%より少ないと、シリカ粒子による効果が小さく好ましくない。また、シリカ粒子の含有量が50重量%よりも多いとポリカーボネート樹脂の透明性が低下し好ましくない。
【0054】
ポリカーボネート樹脂とシリカ粒子を混合して樹脂組成物を調製する方法について特に制限はなく、両成分を有機溶媒に溶解させた溶液状態で混合した後、溶媒を除去して調製する方法、あるいは両成分をタンブラー、混練ロール、押出し機等で溶融混練する等公知の方法を用いることができる。また、両成分と相溶性を有する相溶化剤を用いることも可能である。
【0055】
溶融成形により樹脂を調製する場合、成形時の熱安定性を向上させるため、イルガノックス1010、1076(チバガイギー社製)等のヒンダートフェノール系、スミライザーGS、GM(住友化学社製)に代表される部分アクリル化多価フェノール系、イルガフォス168(チバガイギー社製)等のホスファイト系に代表される燐化合物などの安定剤を加えてもよい。
【0056】
また、必要に応じて長鎖脂肪族アルコール、長鎖脂肪族エステル等の離型剤、その他滑剤、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤を添加することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂中においてシリカ粒子が均一に分散しており、透明性に優れ、かつ機械的物性、難燃性等諸物性の向上が達成されている。また、界面活性剤の存在下調製したシリカ粒子を用いるため、表面処理シリカ粒子の微細構造のデザインにより、ポリカーボネート樹脂にさまざまな機能を付与することが可能となる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく具体的に説明する。ただしこれらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0059】
[全光線透過率の測定]
日本電色工業株式会社製、Haze Meter NDH 2000を用いて全光線透過率を測定した。フィルム厚み12μm。
【0060】
[弾性率・強度・伸度の測定]
弾性率および伸度の測定には、50mm×10mmのサンプルを用い、引っ張り速度2mm/minで行いオリエンテックUCT−1Tによって測定を行ったものである。
【0061】
[シリカ粒子径の評価]
エポキシ包埋超薄切片法により作製したフィルム断面中央部分の任意の2点(4μm2範囲)をサンプルとして、透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200EX、倍率:10万倍、加速電圧:80kV)を用いて観察し、測定範囲に分散しているすべてのシリカ粒子の粒径を測定した値の平均値および最大粒径を算出することにより評価した。
【0062】
[難燃性]
UL−94に準拠したVB(Vertical Burnig)法により、自己消化性の評価を行った。(1/8インチ厚み試験片)
[製造例1]
以下のようにしてシリカ粒子を作製した。
【0063】
ラウリルアミン塩酸塩を2.218g秤量し、三角フラスコに投入し、蒸留水100mlに溶解させた。続いて、この溶液のpHを4.5に調節した。次に、テトラエトキシシラン/ラウリルアミン塩酸塩=4/1になるように上記溶液40mlに40℃でテトラエトキシシランを添加し、透明になるまで攪拌、さらに7時間攪拌した。トリメチルシリルクロライド/イソプロパノール/蒸留水=240ml/100ml/100mlに得られた均一反応溶液を添加し、2日間室温で攪拌した。有機層を回収し、エバポレートすることにより透明固体を得た。
【0064】
[実施例1〜4]
製造例1で得られたシリカ粒子およびポリカーボネート(帝人化成(株)製 C−1400)を下表に示した重量比でテトラヒドロフランに溶解し、ポリマー濃度10wt%の均一透明なポリマー溶液を得た。上記の方法で作製したシリカ粒子を含むポリカーボネート溶液を0.1mmのドクターブレードを用いてガラス板にキャストした。これを10分間風乾し、ガラス板より剥離した後、金枠に固定して、80℃1時間、100℃1時間、120℃1時間、150℃1時間乾燥することで均一透明なシリカ粒子を含むポリカーボネートフィルムを得た。得られたフィルムの物性を下表1に示す。
【0065】
[比較例]
シリカ粒子を添加しない以外は実施例と同様にしてシリカ粒子を含まないポリカーボネートフィルムを得た。物性を下表に示す。
【0066】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のシリカ粒子とポリカーボネートとからなるフィルムの断面構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2のシリカ粒子とポリカーボネートとからなるフィルムの断面構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3のシリカ粒子とポリカーボネートとからなるフィルムの断面構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例4のシリカ粒子とポリカーボネートとからなるフィルムの断面構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネートとシリカ粒子からなるポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートは、優れた透明性、耐熱性、力学特性、成形性などから光学用途をはじめとする幅広い範囲で工業的に利用されている。
【0003】
一方、有機高分子の諸物性を向上させる手法として、有機高分子の特徴である柔軟性、低密度や成形性などを保持しつつ、無機化合物の特徴である高強度、高弾性率、耐熱性、透明性などを併せ持つ有機−無機ハイブリッドポリマー材料の研究が知られている。
【0004】
一般に、有機−無機ハイブリッド高分子材料の調製方法には、有機重合体に側鎖としてアルコキシシランのような無機官能基を結合させ、その後、これを架橋させる方法などが知られている。
【0005】
しかし、ポリカーボネートに代表される疎水性有機重合体は一般にゾル−ゲル反応に溶剤として用いられるアルコール系溶剤に不溶あるいは難溶であることや反応可能な末端官能基が少ないこと等の理由によりハイブリッド化が難しいことが知られている。
【0006】
疎水性有機重合体を用いた有機−無機ハイブリッド高分子材料の報告の中でも、ポリカーボネートやポリアリレートを用いた有機−無機ハイブリッド高分子材料が報告されており、主骨格にポリカーボネートやポリアリレート部分を有し、末端に金属アルコキシド基を有する重合体を、金属アルコキシド存在下もしくは非存在したゾル−ゲル法によって架橋することにより、優れた表面硬度や耐熱性および機械的強度を有する有機−無機ハイブリッド高分子材料を得られると記載されている。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)
しかし、上記の方法では、末端に金属アルコキシドを有するプリカーサーを調製する必要があり、既存のポリカーボネートに適用できず、コスト的に高いものとなってしまう。
【0007】
一方、有機−無機ハイブリッド高分子材料の別の調製方法として、直接、無機フィラーをポリマーに添加する方法が知られているが、そのフィラーの分散不良のため、外観を損ね、機械的物性が低下するという問題があった。これを解決する手段として、無機フィラーを微粒子化することで、外観および機械的物性の向上を検討されているが、微粒子が凝集してしまうため、ポリマー中に均一に分散させることが困難であることが知られている。
【0008】
一方で、近年、様々な形態を有するシリカの報告がなされている。シリカ多孔体の製造方法としては、シリカ原料及び界面活性剤から細孔径の均一なシリカ多孔体の製造方法が記載されている。(例えば、非特許文献1、特許文献3および特許文献4参照)
また、層状ケイ酸塩及び界面活性剤からのシリカ多孔体の製造方法が開示されている。(例えば、非特許文献2、非特許文献3および特許文献5参照)さらに、界面活性剤からシリカナノチューブが得られるとの報告がある。(例えば、非特許文献4参照)このように、界面活性剤を用いることにより、さまざまなシリカのデザインがなされている。
【0009】
しかし、これらの材料は主に物質の吸着或いは貯蔵のために用いられており、無機フィラーとして用いることはなされていない。
【0010】
また、無機系化合物を孔形助剤と共に焼成することにより得られた無機多孔質体を粉砕した微粒子を重合体に分散した複合組成物が報告されている。(例えば、特許文献6参照)しかし、無機多孔質体を粉砕する工程を有するため、無機フィラーとしての大きさに分布があり、均一に分散したものは得られていない。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−209596号公報 頁2
【特許文献2】
特開平11−255883号公報 頁2
【特許文献3】
米国特許第5256277号公報 頁1
【特許文献4】
米国特許第5334368号公報 頁1
【特許文献5】
特開平8−992号公報 頁2
【特許文献6】
特開2001−164133号公報 頁2
【非特許文献1】
[C. T. Kresge, et al.,J. Am. Chem. Soc., 114,10834(1992)] 頁10834
【非特許文献2】
[S. Inagaki, etal., Bull. Chem. Soc. Japan, 69,1449(1996)] 頁1449
【非特許文献3】
[H. Hata, et al.,Chem. Mater.,11,1110(1999)] 頁1112
【非特許文献4】
[M. Adachi, et al.,Langmuir,16,2376(2000)] 頁2377
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シリカ粒子が均一に分散した透明性、機械的物性、難燃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、界面活性剤を用いたゾル−ゲル法により得られたシリカ粒子を表面処理することにより、シリカ粒子が均一に分散したポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法を見出し、本発明に到達した。
【0014】
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0015】
1.ポリカーボネート99.5〜50重量部と表面処理されたシリカ粒子0.5〜50重量部とからなる樹脂組成物であって、シリカ粒子が界面活性剤の存在下、ゾル−ゲル法によって得られることを特徴とする、全光線透過率が90%以上であるポリカーボネート樹脂組成物。
【0016】
2.ポリカーボネート99.5〜80重量部と表面処理されたシリカ粒子0.5〜20重量部とからなる上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0017】
3.シリカ粒子が下記一般式(1)
【0018】
【化2】
YnSiX4−n (1)
(nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜25の炭化水素基、または炭素数1〜25の炭化水素基と置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個のXはそれぞれ同種でも異種でもよい。)
で表されるシラン系化合物で表面処理されることにより調製されたものであることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0019】
4. シリカ粒子の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0020】
5. シリカ粒子の最大粒径が400nm以下であることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0021】
6. シラン系化合物において、式(1)におけるXがClであることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0022】
7. シラン系化合物がトリメチルクロロシランであることを特徴とする上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0023】
8. ポリカーボネートが、主として2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフェノール成分とする芳香族ポリカーボネートである上記に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【0024】
9. 上記に記載の樹脂組成物より成ることを特徴とする成形体。
【0025】
10. 界面活性剤の存在下、水系溶液中でゾル−ゲル反応により調製したシリカ粒子を表面処理剤で表面処理する工程、前記表面処理されたシリカ粒子をポリカーボネートに分散させる工程からなるポリカーボネート樹脂の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂については特に制限はない。一般にポリカーボネートとは主鎖が炭酸結合で結ばれた高分子のことを総称するが、一般にビスフェノール等のジヒドロキシ化合物と、ホスゲンあるいはジフェニルカーボネート等とを界面重合または溶融重合法等の公知の方法で重縮合させて得ることができる。
【0027】
ここで用いられるジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3、3、5−トリメtルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2、2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、9、9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9、9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1、3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1、4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1、1、1−3、3、3−ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ビスフェノール、2、2―ジメチル−1、3−プロパンジオール、スピログリコール、1、4−シクロヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
【0028】
これらの中でもビスフェノールAと呼ばれる2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフェノール成分とする芳香族ポリカーボネートを物性、コストの面から好ましく挙げることができる。これらのジヒドロキシ化合物は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いて共重合ポリカーボネートとしても良い。また、一部にテレフタル酸および/またはイソフタル酸成分を含むポリエステルカーボネートとして使用することも可能である。
【0029】
本発明で用いられるポリカーボネート樹脂の分子量は、その粘度平均分子量で、8000〜100000の範囲である。粘度平均分子量が8000より小さいと該樹脂組成物においても成形物は極めて脆くなり好ましくない。また、100000を超えると溶融流動性が悪くなりがちで、良好な成形物が得にくくなりがちとなる。より好ましくは10000〜50000の範囲である。なお粘度平均分子量は、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液中で求めた固有粘度を、マーク−ホウインク−桜田の式に代入して計算した。この際の各種係数は、例えばポリマーハンドブック第3改訂版 ワイリー社(1989年)(Polymer Handbook 3rd Ed. Willey,1989)の7〜23ページに記載されている。
【0030】
本発明で用いられるシリカ粒子とは、シリカ粒子に下記式(1)
【0031】
【化3】
YnSiX4−n (1)
(ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜25の炭化水素基、または炭素数1〜25の炭化水素基と置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個のXはそれぞれ同種でも異種でもよい。)
で表されるシラン系化合物で表面処理されることにより調製されたものであることが好ましい。
【0032】
上記のシリカ粒子は、ゾル−ゲル法により作製されるものである。ゾル−ゲル法とは、金属アルコキシドの加水分解、縮合反応を利用して低温でガラス化する技術であり、まず、アルコキシシランが、水と反応して加水分解し、シラノールとアルコールになり、続くシラノールとシラノール、もしくはシラノールとアルコキシシランとの重縮合反応によりシリカが形成される。
【0033】
アルコキシシランとしては、アルコキシ基を4個有するテトラアルコキシシラン、アルコキシ基を3個有するトリアルコキシシラン、アルコキシ基を2個有するジアルコキシシランを用いることができる。アルコキシ基の種類は特に制限されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のようにアルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数として1〜4程度のもの)が反応性の点から有利である。また、アルコキシシランが有するアルコキシ基が3または2個である場合は、アルコキシシラン中のケイ素原子には有機基、水酸基等が結合していてもよく、当該有機基はアミノ基やメルカプト基等の官能基をさらに有していてもよい。
【0034】
本発明において用いることのできるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられ、トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラノール、トリエトキシシラノール、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、ジアルコキシシランとしては、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等が挙げられる。
【0035】
本発明において上記アルコキシシランは、単独で用いることもできるが2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。また、上記のアルコキシ基を2〜4個有するアルコキシシランは、アルコキシ基を1個有するモノアルコキシシランと組み合わせて使用することも可能である。このようにして用いることのできるモノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
ゾル−ゲル法において、分子中のアルコキシ基の数が多いアルコキシシランは、加水分解および縮合で生じる結合が多くなる。したがって、本発明において、アルコキシ基の多いテトラアルコキシシランをアルコキシシランとして用いることが好ましく、テトラアルコキシシランとしては、反応速度の観点からテトラエトキシシランを用いることが特に好ましい。
【0037】
本発明において、ゾル−ゲル反応を水系溶媒中で行うにあたって、形成されるシリカの構造を制御するために、テンプレートとして界面活性剤存在下で反応を行うことが好ましい。
【0038】
界面活性剤としては、例えば、アルキルトリエチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウム、ジメチルジアルキルアンモニウム、アルキルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等の末端にアンモニウム基を有する化合物(塩)を使用できる。或いは、末端にスルホン基(−O−SO3−;サルフェート)、カルボキシル基(−COO−;カルボキシレート)、リン酸基(−O−PO3−;フォスフェート)等を有する化合物(塩)等を用いてもよい。これらの界面活性剤は、単独で又は二種以上混合して用いられる。
【0039】
さらにまた、界面活性剤の使用量として、シリカ成分との含有割合が、SiO2/界面活性剤=1/1〜20/1(モル比)となるような量を用いると好ましく、特に、SiO2/界面活性剤=4/1〜12/1(モル比)となるように用いると一層好ましい。
【0040】
界面活性剤存在下、ゾル−ゲル反応を行うことにより、界面活性剤成分(イオン)とアルコキシシランが複合体を形成し、得られるシリカ粒子の微細構造を制御することができる。
【0041】
界面活性剤の水溶液中における濃度としては、ゾル−ゲル反応系において沈殿形成がなく均一に進行しさえすれば、特に限定されるものではない。好ましくは、0.1〜0.5Mとなるように用いるとよい。
【0042】
また、ゾル−ゲル反応温度としては、界面活性剤が水系溶媒に溶解する温度以上、水系溶媒の沸点以下であれば特に限定されるものではなく、好ましくは40〜60℃の条件で行うのがよい。反応温度があまり低すぎると界面活性剤が析出してしまい、均一に反応が進行することができずシリカ粒子の微細構造を制御することが困難となり好ましくはない。反応温度があまり高くなりすぎると、反応速度が速くなりシリカ粒子の微細構造を制御することが困難となり好ましくはない。
【0043】
また、ゾル−ゲル反応を行う水溶液のpHの範囲としては、好ましくは1〜7である。このpHが7を超えると、反応系に沈殿が生じてしまい不均一系となり好ましくない場合がある。またpHを変化させることで、得られるシリカ粒子の形態を制御することも可能である。
【0044】
シリカ粒子の表面処理に用いられるシラン系化合物とは、通常一般に用いられる任意のものが使用され得、好ましくは、下記一般式(1)
【0045】
【化4】
YnSiX4−n (1)
で表されるものである。ここで、nは0〜3の整数である。Yは、炭素数1〜25の炭化水素基、または炭素数1〜25の炭化水素基と置換基から構成される有機官能基であって、該置換基はエステル基、エーテル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、メルカプト基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、ハロゲン原子、及び水酸基から成る群より選択される1種以上である。Xは加水分解性基および/または水酸基であり、該加水分解基は、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、ハロゲン原子から成る群より選択される1種以上である。ここで、n個のY、4−n個のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。
【0046】
本明細書において炭化水素基とは、直鎖または分岐鎖(すなわち側鎖を有する)の飽和または不飽和の一価または多価の脂肪族炭化水素基、および芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙げられる。本明細書において、「アルキル基」という場合は、特に指示が無い限り「アルキレン基」等の多価の炭化水素基を包含する。同様にアルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、及びシクロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、及びシクロアルキレン基等を包含する。
【0047】
シラン系化合物において、式(1)におけるXの好ましいものとして、反応性取り扱いの点からCl基があげられる。
【0048】
また、中でもトリメチルクロロシランが好ましい。
【0049】
本発明のシリカ粒子は、水系溶媒中でアルコキシシランを原料にゾル−ゲル反応により作製することが好ましいが、表面処理剤をゾル−ゲル反応系が均一透明溶液になった状態で添加、反応させることが重要である。このように調製した均一反応液から、有機層に含まれるシリカ粒子を抽出することにより本発明のシリカ粒子を得ることができる。得られたシリカ粒子の平均粒径は100nm以下、最大粒径としては400nm以下であり、本発明の透明性に優れたポリカーボネート樹脂を得ることが可能となる。不均一な状態で表面処理剤を添加した場合、シリカ粒子の平均粒径は100nm以上、最大粒径は400nm以上となってしまいポリカーボネート樹脂として、透明性に優れたものが得られず好ましくはない。なお平均粒径は、ポリカーボネート樹脂組成物のTEM写真における各シリカ粒子の数平均粒子直径を求め平均粒径とした。同様に最大粒径は、ポリカーボネート樹脂組成物のTEM写真において観察される最大のシリカ粒子の大きさである。
【0050】
また、シリカ粒子の表面を表面処理剤によって処理することによって、シリカ粒子のポリマーマトリクス中における凝集を防ぎ、均一に分散したポリカーボネート組成物を得ることが可能となる。
【0051】
本発明の上記の分散媒とは、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及び水と該極性溶媒の混合溶媒を表す。該極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、その他の溶媒であるジメチルスルホキシド、ピリジン等が挙げられる。これらの極性溶媒は単独で用いても良く2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0052】
本発明におけるポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂中においてシリカ粒子が均一に分散しており、透明性に優れ、全光線透過率が90%以上である。
【0053】
本発明の樹脂組成物はポリカーボネート99.5〜50重量部とシリカ粒子0.5〜50重量部とからなる。好ましくはポリカーボネート99.5〜80重量部とシリカ粒子0.5〜20重量部とからなる。シリカ粒子の含有量が0.5重量%より少ないと、シリカ粒子による効果が小さく好ましくない。また、シリカ粒子の含有量が50重量%よりも多いとポリカーボネート樹脂の透明性が低下し好ましくない。
【0054】
ポリカーボネート樹脂とシリカ粒子を混合して樹脂組成物を調製する方法について特に制限はなく、両成分を有機溶媒に溶解させた溶液状態で混合した後、溶媒を除去して調製する方法、あるいは両成分をタンブラー、混練ロール、押出し機等で溶融混練する等公知の方法を用いることができる。また、両成分と相溶性を有する相溶化剤を用いることも可能である。
【0055】
溶融成形により樹脂を調製する場合、成形時の熱安定性を向上させるため、イルガノックス1010、1076(チバガイギー社製)等のヒンダートフェノール系、スミライザーGS、GM(住友化学社製)に代表される部分アクリル化多価フェノール系、イルガフォス168(チバガイギー社製)等のホスファイト系に代表される燐化合物などの安定剤を加えてもよい。
【0056】
また、必要に応じて長鎖脂肪族アルコール、長鎖脂肪族エステル等の離型剤、その他滑剤、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤を添加することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂中においてシリカ粒子が均一に分散しており、透明性に優れ、かつ機械的物性、難燃性等諸物性の向上が達成されている。また、界面活性剤の存在下調製したシリカ粒子を用いるため、表面処理シリカ粒子の微細構造のデザインにより、ポリカーボネート樹脂にさまざまな機能を付与することが可能となる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく具体的に説明する。ただしこれらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0059】
[全光線透過率の測定]
日本電色工業株式会社製、Haze Meter NDH 2000を用いて全光線透過率を測定した。フィルム厚み12μm。
【0060】
[弾性率・強度・伸度の測定]
弾性率および伸度の測定には、50mm×10mmのサンプルを用い、引っ張り速度2mm/minで行いオリエンテックUCT−1Tによって測定を行ったものである。
【0061】
[シリカ粒子径の評価]
エポキシ包埋超薄切片法により作製したフィルム断面中央部分の任意の2点(4μm2範囲)をサンプルとして、透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200EX、倍率:10万倍、加速電圧:80kV)を用いて観察し、測定範囲に分散しているすべてのシリカ粒子の粒径を測定した値の平均値および最大粒径を算出することにより評価した。
【0062】
[難燃性]
UL−94に準拠したVB(Vertical Burnig)法により、自己消化性の評価を行った。(1/8インチ厚み試験片)
[製造例1]
以下のようにしてシリカ粒子を作製した。
【0063】
ラウリルアミン塩酸塩を2.218g秤量し、三角フラスコに投入し、蒸留水100mlに溶解させた。続いて、この溶液のpHを4.5に調節した。次に、テトラエトキシシラン/ラウリルアミン塩酸塩=4/1になるように上記溶液40mlに40℃でテトラエトキシシランを添加し、透明になるまで攪拌、さらに7時間攪拌した。トリメチルシリルクロライド/イソプロパノール/蒸留水=240ml/100ml/100mlに得られた均一反応溶液を添加し、2日間室温で攪拌した。有機層を回収し、エバポレートすることにより透明固体を得た。
【0064】
[実施例1〜4]
製造例1で得られたシリカ粒子およびポリカーボネート(帝人化成(株)製 C−1400)を下表に示した重量比でテトラヒドロフランに溶解し、ポリマー濃度10wt%の均一透明なポリマー溶液を得た。上記の方法で作製したシリカ粒子を含むポリカーボネート溶液を0.1mmのドクターブレードを用いてガラス板にキャストした。これを10分間風乾し、ガラス板より剥離した後、金枠に固定して、80℃1時間、100℃1時間、120℃1時間、150℃1時間乾燥することで均一透明なシリカ粒子を含むポリカーボネートフィルムを得た。得られたフィルムの物性を下表1に示す。
【0065】
[比較例]
シリカ粒子を添加しない以外は実施例と同様にしてシリカ粒子を含まないポリカーボネートフィルムを得た。物性を下表に示す。
【0066】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のシリカ粒子とポリカーボネートとからなるフィルムの断面構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2のシリカ粒子とポリカーボネートとからなるフィルムの断面構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3のシリカ粒子とポリカーボネートとからなるフィルムの断面構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例4のシリカ粒子とポリカーボネートとからなるフィルムの断面構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
Claims (10)
- ポリカーボネート99.5〜50重量部と表面処理されたシリカ粒子0.5〜50重量部とからなる樹脂組成物であって、シリカ粒子が界面活性剤の存在下、ゾル−ゲル法によって得られることを特徴とする、全光線透過率が90%以上であるポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネート99.5〜80重量部と表面処理されたシリカ粒子0.5〜20重量部とからなる請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- シリカ粒子の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- シリカ粒子の最大粒径が400nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- シラン系化合物において、式(1)におけるXがClであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- シラン系化合物がトリメチルクロロシランであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネートが、主として2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフェノール成分とする芳香族ポリカーボネートである請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜8いずれかに記載の樹脂組成物より成ることを特徴とする成形体。
- 界面活性剤の存在下、水系溶液中でゾル−ゲル反応により調製したシリカ粒子を表面処理剤で表面処理する工程、前記表面処理されたシリカ粒子をポリカーボネートに分散させる工程からなるポリカーボネート樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002271257A JP2004107470A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002271257A JP2004107470A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004107470A true JP2004107470A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32268626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002271257A Pending JP2004107470A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004107470A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004285192A (ja) * | 2003-03-20 | 2004-10-14 | Nissan Motor Co Ltd | 組成物、樹脂組成物、組成物の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法、並びに成形体 |
JP2006137821A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-01 | Konica Minolta Opto Inc | 有機無機ハイブリッド材料、その製造方法、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2014019748A (ja) * | 2012-07-13 | 2014-02-03 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | 脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2014201350A (ja) * | 2013-04-08 | 2014-10-27 | 東罐興業株式会社 | 合成樹脂製容器 |
WO2020195914A1 (ja) | 2019-03-25 | 2020-10-01 | 株式会社トクヤマ | シリカ-チタニア複合酸化物粉末 |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271257A patent/JP2004107470A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004285192A (ja) * | 2003-03-20 | 2004-10-14 | Nissan Motor Co Ltd | 組成物、樹脂組成物、組成物の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法、並びに成形体 |
JP2006137821A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-01 | Konica Minolta Opto Inc | 有機無機ハイブリッド材料、その製造方法、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2014019748A (ja) * | 2012-07-13 | 2014-02-03 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | 脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2014201350A (ja) * | 2013-04-08 | 2014-10-27 | 東罐興業株式会社 | 合成樹脂製容器 |
WO2020195914A1 (ja) | 2019-03-25 | 2020-10-01 | 株式会社トクヤマ | シリカ-チタニア複合酸化物粉末 |
KR20210142611A (ko) | 2019-03-25 | 2021-11-25 | 가부시키가이샤 도쿠야마 | 실리카-티타니아 복합 산화물 분말 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4314334B2 (ja) | 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物成形体 | |
US8158701B1 (en) | Non-halogenated flame retardant polycarbonate compostions | |
US8816019B2 (en) | Thermoplastic compositions for laser direct structuring and methods for the manufacture and use thereof | |
JP5357047B2 (ja) | 導電性熱可塑性樹脂組成物及びプラスチック成形品 | |
US20090088514A1 (en) | Polycarbonate composition having improved impact, flammability and surface appearance, method of making, and articles prepared therefrom | |
US20020122891A1 (en) | Organic-inorganic hybrid polymer materials with compositional gradient, and processes for preparing the same | |
JP4755978B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP2007145015A (ja) | ポリカーボネート樹脂積層体及びその製造方法と光拡散板 | |
EP3178876B1 (en) | Inorganic particle-polysiloxane composite, dispersion and solid material containing the composite, and making method | |
JP2007211164A (ja) | 有機無機複合組成物および光学部品 | |
WO2009104120A1 (en) | Flame retardant polycarbonate compositions | |
WO2008075752A1 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品 | |
JPWO2009008452A1 (ja) | シリコーン系重合体粒子を含有するシリコーン系組成物およびその製造方法 | |
US20040099975A1 (en) | Method of preparing a surface modifier for nanoparticles, surface-modified inorganic oxide nanoparticles, and applications thereof | |
Ambilkar et al. | In situ zirconia: A superior reinforcing filler for high-performance nitrile rubber composites | |
KR101960521B1 (ko) | 비공기압 타이어 스포크용 조성물 | |
Mirmohammadi et al. | Polybutadiene/polyhedral oligomeric silsesquioxane nanohybrid: investigation of various reactants in polyesterification reaction | |
JP2004107470A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 | |
JP2000248065A (ja) | 有機−無機成分傾斜複合材料の製造方法 | |
JP2008056556A (ja) | 表面被覆酸化アルミニウムナノ粒子及びその樹脂組成物 | |
JP4656339B2 (ja) | 縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物 | |
JP2009084550A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP2006057080A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP3936914B2 (ja) | 高分子材料、成形品及びこれらの製造方法 | |
CN116057111A (zh) | 含玻璃的阻燃聚碳酸酯组合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061226 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070424 |