JP2004106728A - コンバインのクローラ走行装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンバインの走行クローラを左右旋回時に小回り旋回させる。
【解決手段】左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に左右の走行クローラ3,3を巻き掛け、左・右中間転輪31,31を他の輪体とは別に中間平衡体36,36の前後に軸架してシーソー状に上下動可能に構成し、左・右走行クローラ3,3の左右旋回時には、中間平衡体36,36を下降させて左・右中間転輪31,31を下降させる。
【選択図】 図5
【解決手段】左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に左右の走行クローラ3,3を巻き掛け、左・右中間転輪31,31を他の輪体とは別に中間平衡体36,36の前後に軸架してシーソー状に上下動可能に構成し、左・右走行クローラ3,3の左右旋回時には、中間平衡体36,36を下降させて左・右中間転輪31,31を下降させる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインのクローラ走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
進行方向に対して左右に走行クローラを備え、旋回方向側の走行クローラに対して、駆動力の断続オペレータ制動力の供給を行なうクローラ車両であって、一方の走行クローラに対して制動力が供給されるときに走行クローラ中央部を下方に押圧するように構成したクローラ型車両は公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−306977号(第1、第4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、左右の走行クローラにより走行するコンバインにおいて、第1の課題は、走行クローラの左右旋回時において、旋回内側の走行クローラの接地長さを短くして衝撃を緩和しながら小回り旋回しようとするものであり、また、第2の課題は、走行クローラの畔越え走行時において、左右の走行クローラの前後中間部を上方に退避させて衝撃を緩和しながら畔越えをしようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、請求項1の発明は、左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に左右の走行クローラ3,3を巻き掛け、前記左・右中間転輪31,31を他の輪体とは別に中間平衡体36,36の前後に軸架してシーソー状に上下動可能に構成し、左・右走行クローラ3,3の左右旋回時に前記中間平衡体36,36を下降させて左・右中間転輪31,31を下降させることを特徴とする。
【0006】
上記構成による作用は、左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に巻き掛けられた左右の走行クローラ3,3により機体は走行し、左・右走行クローラ3,3の左右旋回時には、中間平衡体36,36が下降調節されて左・右中間転輪31,31が下降する。
【0007】
請求項2の発明は、左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に左右の走行クローラ3,3を巻き掛け、前記左・右中間転輪31,31を他の輪体とは別に中間平衡体36,36の前後に軸架してシーソー状に上下動可能に構成し、左・右走行クローラ3,3の畔越え走行時に前記中間平衡体36,36を上昇させて左・右中間転輪31,31を上昇させることを特徴とする。
【0008】
上記構成による作用は、左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に巻き掛けられた左右の走行クローラ3,3により機体は走行し、左右の走行クローラ3,3の畔越え走行時には、中間平衡体36,36が上昇調節され左・右中間転輪31,31は上昇する。
【0009】
【発明の効果】
請求項1の発明は、走行クローラ3,3の左右旋回時には、旋回内側の中間転輪31,31が前転輪30,30及びアイドルローラー29よりも下降して走行クローラ3,3の前後中間部分が接地して接地長さが短くなり、旋回抵抗を低減しながら小回り旋回することができる。
【0010】
請求項2の発明は、走行クローラ3,3の畔越えの際には、左・右中間転輪31,31が前転輪30,30及びアイドルローラー29よりも上昇するので、左右の走行クローラ3,3の前後中間部が畔に対応して上昇退避し、車体の上下動を少なくし畔越え時の衝撃を緩和することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
コンバイン1は図1にその全体構成を示している。コンバイン1の走行車台2の下方には、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3,3を配設し、走行車台2上には、操縦席4、脱穀部5、グレンタンク6、排稾処理装置7等を搭載している。脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草・引越しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取・搬送部8を昇降自在に設けている。
【0012】
次に、図2〜図4に基づきコンバイン1のクローラ走行装置について説明する。
走行車台2は、角パイプにより略方形状に形成されている外周フレーム9と、これら外周フレーム9間に前後方向に適宜間隔を隔てて横方向に接合する複数の横フレーム10,10と、外周フレーム9と横フレーム10,10の下側面中央寄りに縦方向に接合している左右の縦主フレーム11,11により構成されている。
【0013】
走行車台2における縦主フレーム11及び外周フレーム9の右側部(図3では下側)には、その前側に操縦席4を、後側にグレンタンク6を配設し、左側部には脱穀部5を配設している。縦主フレーム11のグレンタンク6配置側である右側下部には、前・後支持枠体12,12を固着し、この前・後支持枠体12,12に前・後ローリング筒13,13を左右方向に設けている。この前・後ローリング筒13,13には、側面視く字型の前・後ローリングアーム14,14の軸部を軸架し、前・後ローリングアーム14,14の下端部に右クローラフレーム20をピン連結している。縦主フレーム11,11及び外周フレーム9の左側下部には、枠体を介して左クローラフレーム15を取り付けている。
【0014】
前・後ローリングアーム14,14の上端部間を、ローリング連結杆23によりピン連結し、ローリング連結杆23と右クローラフレーム20とは平行リンクを構成し、後ローリングアーム14の上端部にはロッド24を介して、ローリングシリンダ25のピストン部を連結している。しかして、ローリングシリンダ25に油圧を給排して伸縮し、右クローラフレーム20及び右走行クローラ3だけを昇降し、走行車台3のローリング制御をする構成である。なお、左・右クランクフレーム15,20を共に昇降しローリング制御する構成としてもよい。
【0015】
走行車台2の前部左右両側にはブラケットを介して左・右駆動スプロケット28,28を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の上部後側には左・右アイドルローラー29,29を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の下部前側には、左・右前転輪30,30を軸架し、下部後側には左・右中間転輪31,31を軸架している。そして、これらの左・右駆動スプロケット28,28、左・右アイドルローラー29,29、左・右前転輪30,30及び左・右中間転輪31,31に、走行クローラ3,3を巻き掛けている。
【0016】
左・右クローラフレーム15,20の後側の角パイプ内には、前後摺動調節自在に軸受部34,34を挿入支持し、軸受部34,34に左・右アイドルローラー29,29を軸架して、軸受部34,34を前後に摺動調節することにより、走行クローラ3,3を緊張調節するように構成している。
【0017】
走行ミッションケース26から左右両側に左・右走行伝動軸27,27を突出し、左・右走行伝動軸27,27の端部に左・右駆動スプロケット28,28を取り付け、左・右走行伝動軸27,27の回転により走行クローラ3,3を回転駆動する構成である。
【0018】
次に、図5〜図8に基づき走行クローラの左・右中間転輪31,31の昇降制御について説明する。
走行車台2の前部左右両側にはブラケットを介して左・右駆動スプロケット28,28を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の上部後側には左・右アイドルローラー29,29を前後調節自在に軸架し、左・右クローラフレーム15,20の下部前側には、左・右前転輪30,30を、下部中間には左・右中間転輪31,31を、下部後側には左・右後転輪35,35を夫れ夫れ設けている。そして、これらの左・右駆動スプロケット28,28、左・右アイドルローラー29,29、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31及び左・右後転輪35,35に、左右の走行クローラ3,3を巻き掛けている。なお、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35は、左右の走行クローラ3,3の芯金の左右両端部に接触する外転輪型に構成されている。
【0019】
次に、前記左・右中間転輪31,31について更に詳しく説明する。中間平衡体36,36の前後に中間転輪31,31を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の中間上部には、中間転輪シリンダ37の伸縮により回動するベルクランク38,38を設け、ベルクランク38,38の端部に中間平衡体36,36の中間部を軸支し、中間転輪31,31をシーソー状に上下動するように構成している。なお、ベルクランク38,38には回動状態を検出するポテンショメータ39,39を設けている。
【0020】
制御部40の入力側には、パワステレバー50の左旋回操作位置への移動を検出する左旋回検出センサ41、パワステレバー50の右旋回操作位置への移動を検出する右旋回検出センサ42、左側の中間転輪31の昇降を検出する左昇降ポテンショメータ43、右側の中間転輪31の昇降を検出する右昇降ポテンショメータ44、車体の前後傾斜を検出する前後傾斜検出センサ45、車体の左右傾斜を検出する左右傾斜検出センサ46、操縦席4の操作パネルに設けている畔越えモードスイッチ47が、夫れ夫れ接続されている。
【0021】
また、制御部40の出力側には、左中間転輪シリンダ37用の制御弁を作動る左昇降駆動手段48、右中間転輪シリンダ37用の制御弁を作動するの右昇降駆動手段49が接続されている。
しかして、例えば、コンバインの操作具であるパワステレバー50を左あるいは右に操作し、左右の走行クローラ3,3を左側あるいは右側に旋回させる。すると、左・右旋回検出センサ41,42により旋回検出情報が制御部40に入力され、制御部40から旋回内側の中間転輪31,31の下降指令が出され、左・右中間転輪シリンダ37,37が伸縮し、左・右中間転輪31,31が下降する。所定時間経過し旋回が終了すると、制御部40から旋回内側の中間転輪31,31の上昇指令が出され、左・右中間転輪31,31が上昇し通常位置に復帰する。
【0022】
従って、旋回時には旋回内側の走行クローラ3,3の中間転輪31,31部分が下降接地し、前転輪30,30及びアイドルローラー29部分は浮上して接地長さが短くなり、旋回抵抗を低減しながら小回り旋回をすることができる。
また、畔越えモードスイッチ47をONし、通常走行モードから畔越えモードに切り替えて、走行操作レバー(図示省略)を操作してコンバインを低速で前進させる。しかして、左右の走行クローラ3,3が畔に乗り上げ所定角度以上に車体が前上り傾斜すると、前後傾斜検出センサ45から検出検出情報が制御部40に入力され、制御部40から左・右中間転輪31,31の上昇指令が出され、左・右中間転輪シリンダ37,37が伸縮し、左・右中間転輪31,31が上昇する。次いで、畔越えが進み走行車体が所定角度以下の前下がり傾斜となると、前後傾斜検出センサ45から検出情報が制御部40に入力され、制御部40から中間転輪31,31の下降指令が出され、左右中間転輪31,31は下降し通常位置に復帰する。
【0023】
従って、畔越えの際には、走行クローラ3,3の左・右中間転輪31,31部分が上昇退避するので、車体の上下動を少なくし、畔越え時の衝撃を緩和することができる。
なお、畔越えモードスイッチ47をONにし通常走行モードから畔越えモードに切り替えると、これに関連して自動的にて左・右中間転輪31,31が上昇するように構成してもよい。
【0024】
次に、図9及び図10に基づき走行クローラ3,3の他の実施例について説明する。
走行車台2の前部左右両側にはブラケットを介して左・右駆動スプロケット28,28を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の後部角パイプ内には、前後摺動調節自在に軸受部34,34を挿入支持し、左・右クローラフレーム15,20と軸受部34,34との間には、長さ調節自在の調節棒51及びバネ52を介装して、軸受部34,34を後方に伸張するように付勢している。
【0025】
左右の後平衡体53,53の後端部にはアイドルローラー29,29を軸架し、後平衡体53,53の前端部には後転輪35,35を軸架し、後平衡体53,53の中間部を前記軸受部34,34に軸支している。また、左・右クローラフレーム15,20の前側下部には前平衡体54,54を軸支し、前平衡体54,54の前後両端部に前転輪30,30を夫れ夫れ軸架している。
【0026】
そして、前記アイドルローラー29,29を中転輪型として、走行クローラ3,3の芯金の左右中間部に接触するようにし、後転輪35,35を外転輪型として、走行クローラ3,3の芯金の左右両側部に接触するように構成し、アイドルローラー29,29を後転輪35,35よりも大径に構成している。そして、これらの左・右駆動スプロケット28,28、前転輪30,30、後転輪35,35、アイドルローラー29,29に、左右の走行クローラ3,3を巻き掛けている。
【0027】
前記のように構成することにより、アイドルローラー29,29はバネ52,52により後方に緊張されながら、後転輪35,35とシーソー状に上下動し、走行ショックを低減することができる。
また、前記のように、アイドルローラー29,29を中転輪型として走行クローラ3,3の芯金の左右中間部に接触するように構成し、後転輪35,35を外転輪型として走行クローラ3,3の芯金の左右両側部に接触するようにしているので、走行クローラ3,3の脱輪を防止し振動を減少させることができる。
【0028】
また、前記のように、アイドルローラー29,29を後転輪35,35よりも大径に構成しているので、走行クローラ3,3の上・下面間の間隔が大きくなり、走行クローラ3,3の屈曲を大きくしてクローラの耐久性を向上させ、クローラテンションのメンテナンスも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】要部の側面図
【図3】要部の平面図
【図4】要部の切断背面図
【図5】要部の側面図
【図6】要部の側面図、平面図
【図7】要部の平面図
【図8】ブロック図
【図9】要部の側面図
【図10】要部の平面図
【符号の説明】
1 コンバイン
2 走行車台
3 走行クローラ
6 グレンタンク
14 前・後ローリングアーム
15 左クローラフレーム
20 右クローラフレーム
23 ローリング連結杆
25 ローリングシリンダ
28 左・右駆動スプロケット
29 左・右アイドルローラー
30 左・右前転輪
31 左・右中間転輪
35 左・右後転輪
36 中間平衡体
37 左・右中間転輪シリンダ
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインのクローラ走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
進行方向に対して左右に走行クローラを備え、旋回方向側の走行クローラに対して、駆動力の断続オペレータ制動力の供給を行なうクローラ車両であって、一方の走行クローラに対して制動力が供給されるときに走行クローラ中央部を下方に押圧するように構成したクローラ型車両は公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−306977号(第1、第4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、左右の走行クローラにより走行するコンバインにおいて、第1の課題は、走行クローラの左右旋回時において、旋回内側の走行クローラの接地長さを短くして衝撃を緩和しながら小回り旋回しようとするものであり、また、第2の課題は、走行クローラの畔越え走行時において、左右の走行クローラの前後中間部を上方に退避させて衝撃を緩和しながら畔越えをしようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、請求項1の発明は、左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に左右の走行クローラ3,3を巻き掛け、前記左・右中間転輪31,31を他の輪体とは別に中間平衡体36,36の前後に軸架してシーソー状に上下動可能に構成し、左・右走行クローラ3,3の左右旋回時に前記中間平衡体36,36を下降させて左・右中間転輪31,31を下降させることを特徴とする。
【0006】
上記構成による作用は、左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に巻き掛けられた左右の走行クローラ3,3により機体は走行し、左・右走行クローラ3,3の左右旋回時には、中間平衡体36,36が下降調節されて左・右中間転輪31,31が下降する。
【0007】
請求項2の発明は、左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に左右の走行クローラ3,3を巻き掛け、前記左・右中間転輪31,31を他の輪体とは別に中間平衡体36,36の前後に軸架してシーソー状に上下動可能に構成し、左・右走行クローラ3,3の畔越え走行時に前記中間平衡体36,36を上昇させて左・右中間転輪31,31を上昇させることを特徴とする。
【0008】
上記構成による作用は、左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に巻き掛けられた左右の走行クローラ3,3により機体は走行し、左右の走行クローラ3,3の畔越え走行時には、中間平衡体36,36が上昇調節され左・右中間転輪31,31は上昇する。
【0009】
【発明の効果】
請求項1の発明は、走行クローラ3,3の左右旋回時には、旋回内側の中間転輪31,31が前転輪30,30及びアイドルローラー29よりも下降して走行クローラ3,3の前後中間部分が接地して接地長さが短くなり、旋回抵抗を低減しながら小回り旋回することができる。
【0010】
請求項2の発明は、走行クローラ3,3の畔越えの際には、左・右中間転輪31,31が前転輪30,30及びアイドルローラー29よりも上昇するので、左右の走行クローラ3,3の前後中間部が畔に対応して上昇退避し、車体の上下動を少なくし畔越え時の衝撃を緩和することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
コンバイン1は図1にその全体構成を示している。コンバイン1の走行車台2の下方には、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3,3を配設し、走行車台2上には、操縦席4、脱穀部5、グレンタンク6、排稾処理装置7等を搭載している。脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草・引越しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取・搬送部8を昇降自在に設けている。
【0012】
次に、図2〜図4に基づきコンバイン1のクローラ走行装置について説明する。
走行車台2は、角パイプにより略方形状に形成されている外周フレーム9と、これら外周フレーム9間に前後方向に適宜間隔を隔てて横方向に接合する複数の横フレーム10,10と、外周フレーム9と横フレーム10,10の下側面中央寄りに縦方向に接合している左右の縦主フレーム11,11により構成されている。
【0013】
走行車台2における縦主フレーム11及び外周フレーム9の右側部(図3では下側)には、その前側に操縦席4を、後側にグレンタンク6を配設し、左側部には脱穀部5を配設している。縦主フレーム11のグレンタンク6配置側である右側下部には、前・後支持枠体12,12を固着し、この前・後支持枠体12,12に前・後ローリング筒13,13を左右方向に設けている。この前・後ローリング筒13,13には、側面視く字型の前・後ローリングアーム14,14の軸部を軸架し、前・後ローリングアーム14,14の下端部に右クローラフレーム20をピン連結している。縦主フレーム11,11及び外周フレーム9の左側下部には、枠体を介して左クローラフレーム15を取り付けている。
【0014】
前・後ローリングアーム14,14の上端部間を、ローリング連結杆23によりピン連結し、ローリング連結杆23と右クローラフレーム20とは平行リンクを構成し、後ローリングアーム14の上端部にはロッド24を介して、ローリングシリンダ25のピストン部を連結している。しかして、ローリングシリンダ25に油圧を給排して伸縮し、右クローラフレーム20及び右走行クローラ3だけを昇降し、走行車台3のローリング制御をする構成である。なお、左・右クランクフレーム15,20を共に昇降しローリング制御する構成としてもよい。
【0015】
走行車台2の前部左右両側にはブラケットを介して左・右駆動スプロケット28,28を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の上部後側には左・右アイドルローラー29,29を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の下部前側には、左・右前転輪30,30を軸架し、下部後側には左・右中間転輪31,31を軸架している。そして、これらの左・右駆動スプロケット28,28、左・右アイドルローラー29,29、左・右前転輪30,30及び左・右中間転輪31,31に、走行クローラ3,3を巻き掛けている。
【0016】
左・右クローラフレーム15,20の後側の角パイプ内には、前後摺動調節自在に軸受部34,34を挿入支持し、軸受部34,34に左・右アイドルローラー29,29を軸架して、軸受部34,34を前後に摺動調節することにより、走行クローラ3,3を緊張調節するように構成している。
【0017】
走行ミッションケース26から左右両側に左・右走行伝動軸27,27を突出し、左・右走行伝動軸27,27の端部に左・右駆動スプロケット28,28を取り付け、左・右走行伝動軸27,27の回転により走行クローラ3,3を回転駆動する構成である。
【0018】
次に、図5〜図8に基づき走行クローラの左・右中間転輪31,31の昇降制御について説明する。
走行車台2の前部左右両側にはブラケットを介して左・右駆動スプロケット28,28を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の上部後側には左・右アイドルローラー29,29を前後調節自在に軸架し、左・右クローラフレーム15,20の下部前側には、左・右前転輪30,30を、下部中間には左・右中間転輪31,31を、下部後側には左・右後転輪35,35を夫れ夫れ設けている。そして、これらの左・右駆動スプロケット28,28、左・右アイドルローラー29,29、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31及び左・右後転輪35,35に、左右の走行クローラ3,3を巻き掛けている。なお、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35は、左右の走行クローラ3,3の芯金の左右両端部に接触する外転輪型に構成されている。
【0019】
次に、前記左・右中間転輪31,31について更に詳しく説明する。中間平衡体36,36の前後に中間転輪31,31を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の中間上部には、中間転輪シリンダ37の伸縮により回動するベルクランク38,38を設け、ベルクランク38,38の端部に中間平衡体36,36の中間部を軸支し、中間転輪31,31をシーソー状に上下動するように構成している。なお、ベルクランク38,38には回動状態を検出するポテンショメータ39,39を設けている。
【0020】
制御部40の入力側には、パワステレバー50の左旋回操作位置への移動を検出する左旋回検出センサ41、パワステレバー50の右旋回操作位置への移動を検出する右旋回検出センサ42、左側の中間転輪31の昇降を検出する左昇降ポテンショメータ43、右側の中間転輪31の昇降を検出する右昇降ポテンショメータ44、車体の前後傾斜を検出する前後傾斜検出センサ45、車体の左右傾斜を検出する左右傾斜検出センサ46、操縦席4の操作パネルに設けている畔越えモードスイッチ47が、夫れ夫れ接続されている。
【0021】
また、制御部40の出力側には、左中間転輪シリンダ37用の制御弁を作動る左昇降駆動手段48、右中間転輪シリンダ37用の制御弁を作動するの右昇降駆動手段49が接続されている。
しかして、例えば、コンバインの操作具であるパワステレバー50を左あるいは右に操作し、左右の走行クローラ3,3を左側あるいは右側に旋回させる。すると、左・右旋回検出センサ41,42により旋回検出情報が制御部40に入力され、制御部40から旋回内側の中間転輪31,31の下降指令が出され、左・右中間転輪シリンダ37,37が伸縮し、左・右中間転輪31,31が下降する。所定時間経過し旋回が終了すると、制御部40から旋回内側の中間転輪31,31の上昇指令が出され、左・右中間転輪31,31が上昇し通常位置に復帰する。
【0022】
従って、旋回時には旋回内側の走行クローラ3,3の中間転輪31,31部分が下降接地し、前転輪30,30及びアイドルローラー29部分は浮上して接地長さが短くなり、旋回抵抗を低減しながら小回り旋回をすることができる。
また、畔越えモードスイッチ47をONし、通常走行モードから畔越えモードに切り替えて、走行操作レバー(図示省略)を操作してコンバインを低速で前進させる。しかして、左右の走行クローラ3,3が畔に乗り上げ所定角度以上に車体が前上り傾斜すると、前後傾斜検出センサ45から検出検出情報が制御部40に入力され、制御部40から左・右中間転輪31,31の上昇指令が出され、左・右中間転輪シリンダ37,37が伸縮し、左・右中間転輪31,31が上昇する。次いで、畔越えが進み走行車体が所定角度以下の前下がり傾斜となると、前後傾斜検出センサ45から検出情報が制御部40に入力され、制御部40から中間転輪31,31の下降指令が出され、左右中間転輪31,31は下降し通常位置に復帰する。
【0023】
従って、畔越えの際には、走行クローラ3,3の左・右中間転輪31,31部分が上昇退避するので、車体の上下動を少なくし、畔越え時の衝撃を緩和することができる。
なお、畔越えモードスイッチ47をONにし通常走行モードから畔越えモードに切り替えると、これに関連して自動的にて左・右中間転輪31,31が上昇するように構成してもよい。
【0024】
次に、図9及び図10に基づき走行クローラ3,3の他の実施例について説明する。
走行車台2の前部左右両側にはブラケットを介して左・右駆動スプロケット28,28を軸架し、左・右クローラフレーム15,20の後部角パイプ内には、前後摺動調節自在に軸受部34,34を挿入支持し、左・右クローラフレーム15,20と軸受部34,34との間には、長さ調節自在の調節棒51及びバネ52を介装して、軸受部34,34を後方に伸張するように付勢している。
【0025】
左右の後平衡体53,53の後端部にはアイドルローラー29,29を軸架し、後平衡体53,53の前端部には後転輪35,35を軸架し、後平衡体53,53の中間部を前記軸受部34,34に軸支している。また、左・右クローラフレーム15,20の前側下部には前平衡体54,54を軸支し、前平衡体54,54の前後両端部に前転輪30,30を夫れ夫れ軸架している。
【0026】
そして、前記アイドルローラー29,29を中転輪型として、走行クローラ3,3の芯金の左右中間部に接触するようにし、後転輪35,35を外転輪型として、走行クローラ3,3の芯金の左右両側部に接触するように構成し、アイドルローラー29,29を後転輪35,35よりも大径に構成している。そして、これらの左・右駆動スプロケット28,28、前転輪30,30、後転輪35,35、アイドルローラー29,29に、左右の走行クローラ3,3を巻き掛けている。
【0027】
前記のように構成することにより、アイドルローラー29,29はバネ52,52により後方に緊張されながら、後転輪35,35とシーソー状に上下動し、走行ショックを低減することができる。
また、前記のように、アイドルローラー29,29を中転輪型として走行クローラ3,3の芯金の左右中間部に接触するように構成し、後転輪35,35を外転輪型として走行クローラ3,3の芯金の左右両側部に接触するようにしているので、走行クローラ3,3の脱輪を防止し振動を減少させることができる。
【0028】
また、前記のように、アイドルローラー29,29を後転輪35,35よりも大径に構成しているので、走行クローラ3,3の上・下面間の間隔が大きくなり、走行クローラ3,3の屈曲を大きくしてクローラの耐久性を向上させ、クローラテンションのメンテナンスも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】要部の側面図
【図3】要部の平面図
【図4】要部の切断背面図
【図5】要部の側面図
【図6】要部の側面図、平面図
【図7】要部の平面図
【図8】ブロック図
【図9】要部の側面図
【図10】要部の平面図
【符号の説明】
1 コンバイン
2 走行車台
3 走行クローラ
6 グレンタンク
14 前・後ローリングアーム
15 左クローラフレーム
20 右クローラフレーム
23 ローリング連結杆
25 ローリングシリンダ
28 左・右駆動スプロケット
29 左・右アイドルローラー
30 左・右前転輪
31 左・右中間転輪
35 左・右後転輪
36 中間平衡体
37 左・右中間転輪シリンダ
Claims (2)
- 左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に左右の走行クローラ3,3を巻き掛け、前記左・右中間転輪31,31を他の輪体とは別に中間平衡体36,36の前後に軸架してシーソー状に上下動可能に構成し、左・右走行クローラ3,3の左右旋回時に前記中間平衡体36,36を下降させて左・右中間転輪31,31を下降させることを特徴とするコンバインのクローラ走行装置。
- 左・右駆動スプロケット28,28、左・右前転輪30,30、左・右中間転輪31,31、左・右後転輪35,35、左・右アイドルローラー29,29に左右の走行クローラ3,3を巻き掛け、前記左・右中間転輪31,31を他の輪体とは別に中間平衡体36,36の前後に軸架してシーソー状に上下動可能に構成し、左・右走行クローラ3,3の畔越え走行時に前記中間平衡体36,36を上昇させて左・右中間転輪31,31を上昇させることを特徴とするコンバインのクローラ走行装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002273060A JP2004106728A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | コンバインのクローラ走行装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002273060A JP2004106728A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | コンバインのクローラ走行装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004106728A true JP2004106728A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32269914
Family Applications (1)
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JP2002273060A Pending JP2004106728A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | コンバインのクローラ走行装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004106728A (ja) |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002273060A patent/JP2004106728A/ja active Pending
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