JP2004106672A - チルト式ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステアリングコラム装置は支持部19a、19bを有するチルトブラケット19、このチルトブラケット19の支持部19a、19bに挟持されるステアリングコラム12を締付けるチルトボルト21およびナット22、チルトボルト21に対面するそれぞれの一面のカム突起が相手カムとかみ合い可能に組み込まれた、チルトボルト21と協働してステアリングコラム12を締付ける固定カム23および可動カム24を備える。固定カム23および可動カム24は全体をAl2O3などのセラミックス材料で構成される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はチルト式ステアリングコラム装置に係り、特に、チルト機構のカム部材に磨耗が生じるのを抑制して保持力を安定に保つようにしたチルト式ステアリングコラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用ステアリング装置にはステアリングコラムを操作してステアリングホイールの位置調整を可能にするチルト機構が備えられる。このチルト機構ではステアリングコラムを固定するチルト締付け時にステアリングコラムを支持する部材を締付けるために締結部材を使用している。また、締付け時のクリック感を出すために締結部材と共にカム部材を使用することがある。
【0003】
この締結部材とカム部材とを併用するものでは荷重は締結部材のねじ部およびカム部材のカム面の双方の摩擦によって発生し、締結部材に生じた軸力で支持部材とステアリングコラムとの間に摩擦が生じ、これにより、ステアリングコラムを固定するのに十分な保持力を得ることができる。
【0004】
たとえば、一例を示すと、図5に示すように、この締結部材とカム部材とを併用するチルト機構においては軸心に沿ってステアリングシャフト1を支持するステアリングコラム2がチルトブラケット3によって固定される。チルトレバー4の回動で締付け力が強まると、ボルト5およびナット6のねじ部およびカム部材7、8のカム面の双方の摩擦で荷重が発生し、ボルト5に生じた軸力でチルトブラケット3とブラケット9との間に摩擦が発生し、この結果、ステアリングコラム2の固定するのに十分な保持力を獲得することが可能である(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−53001号公報 第3頁、図2
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このチルト機構において保持力をさらに高めるためには締結部材に生じる軸力をこれまで以上に大きくする必要がある。この軸力を大きくする場合、問題になるのはチルトレバーによる操作力がさらに大きくなることである。しかしながら、乗員に負担を強いる程、操作力をこれまで以上に大きくするのは多くの場合難しく、操作力を変えることは得策といえない。それゆえ、操作力の変更を伴わない方法で保持力をさらに高める解決策を見出す必要がある。
【0007】
このために考え出された対策の一つは同じ操作力でも大きい軸力を得ることができる、締結部材のすべり摩擦を転がり摩擦に変えてしまう、スラスト軸受を組み込むことである。すなわち、このスラスト軸受を使用するものは大きな操作力に頼らなくても、保持力を保つだけの軸力を生じさせることが可能である。
【0008】
しかしながら、このスラスト軸受を使用した場合、締結部材およびカム部材を締め上げるとき、操作力が必要以上に大きくなると、締結部材に過大な軸力が発生することがある。通常、カム部材は焼結金属などを用いて作られており、硬さも、通常、Hv400〜600と比較的高く、摩耗が進むことも少ない。しかし、過大な軸力の発生でカム部材のカム面の面圧が異常に高くなる場合、硬さのあるカム部材といえども、比較的短期間で摩耗が進み、保持力が大きく損なわれる可能性がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は締結部材に生じる軸力が大きくなるときも、カム部材に摩耗が生じるのを抑制することで、保持力を常に安定に保つようにしたチルト式ステアリングコラム装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は支持部を有するチルトブラケットと、チルトブラケットの支持部に設けられ、支持部に挟持されるステアリングコラムを締付ける締結部材と、締結部材に対面するそれぞれの一面のカム突起が相手カム突起とかみ合い可能に組み込まれ、締結部材と協働してステアリングコラムを締付けるカム部材とを備えるチルト式ステアリングコラム装置において、上記カム部材が全体をセラミックス材料で構成されることを特徴とするものである。
【0011】
本発明においてはカム部材が全体を極めて高い硬さを有するセラミックス材料で構成されるので、チルト締付け時、過大な操作力で締結部材に生じる軸力が大きくなるときも、カム部材には著しい摩耗が発生しない。これにより、カム部材の締付け力の低下を免れることが可能になり、チルト機構の保持力を常に安定に保つことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1において、チルト式ステアリングコラム装置は軸心に沿ってステアリングシャフト11を回転可能に支承するステアリングコラム12を備える。ステアリングシャフト11はステアリングコラム12の各端部にそれぞれ固定された軸受13、14によって支承されている。
【0013】
このステアリングコラム12はほぼ中間部を図示しない車体に固定されたチルト機構15によって支持され、下端部を図示しない車体に固定されたロアブラケット16によって支持されている。ロアブケット16はチルト動作の中心となるチルトピン17を備え、ステアリングコラム12がこのチルトピン17を中心として回動するように構成される。また、ロアブラケット16はステアリングコラム12の下端と連結されたインナーブラケット18を有する。
【0014】
一方、チルト機構5は、図2に示すように、図示しない車体に固定されたチルトブラケット19を備える。このチルトブラケット19はその間でステアリングコラム12を挟持する支持部19a、19bを備える。ステアリングコラム12はそこに固着したディスタンスブラケット20を有し、それの各側面を支持部19a、19bによって支持される。また、チルトブラケット19には支持部19a、19bを横切って締結部材としてのチルトボルト21が設けられる。このチルトボルト21にはナット22が螺合している。
【0015】
さらに、チルト機構15は締結部材と協働して締付け力を生じるカム部材、すなわち、固定カム23および可動カム24を有する。この固定カム23は後記のボスによってチルトブラケット19と係合し、可動カム24はチルト操作のためのチルトレバー25と係合している。また、チルト機構15はチルト締付け時に締結部材のねじ部の摩擦を軽減する、スラスト軸受26を備える。これはチルトボルト21とチルトレバー25との間に装着されている。なお、図中符号27はチルトブラケット19に形成される長孔、符号28はチルトレバー25に形成される角孔を示している。
【0016】
図3に改めて固定カム23について示す。固定カム23は、図3(a)(b)に示すように、可動カム24と対面する面に同一円周上に並ぶ複数個のカム突起29を備える。また、反対側の面にチルトブラケット19の長孔27に嵌入されるボス30を有する。さらに、可動カム24は、図4(a)(b)に示すように、固定カム23と対面する面に同一円周上に並ぶ複数個のカム突起31を備える。また、反対側の面にチルトレバー25の角孔28に嵌入されるボス32を有する。
【0017】
この固定カム23および可動カム24はセラミックス材料を用いて成形される。セラミックスは非金属無機材料で、後記のように、無機粉体を成形した後、これを高温で加熱して製造する。本実施の形態では固定カム23および可動カム24は共にアルミナセラミックス(Al2O3)で作られる。このAl2O3は硬さが1400〜2000Hvである。
【0018】
上記構成からなるステアリングコラム装置において、チルト締付け時、チルトレバー25を回動すると、可動カム24が回動し、可動カム24のカム突起31が固定カム23のカム突起29と接して相対変位する。さらに、チルトレバー25を回動すると、カム突起31がカム突起29に乗り上げる。このとき、チルトボルト21に生じた軸力によってチルトブラケット19の支持部19a、19bとディスタンスブラケット20との間に摩擦が生じ、ディスタンスブラケット20と連結されたステアリングコラム12を固定することができる。
【0019】
一方、操作力によってはチルトボルト21に過大な軸力が発生し、可動カム24のカム突起31が相手のカム突起29とかみ合うとき、双方のカム突起29、31に摩耗が発生しようとする。しかしながら、カム部材が極めて高い硬さを有するAl2O3で構成されているので、繰り返しカム突起29、31がかみ合っても、摩耗は生じないか、あるいは極軽微に留まる。すなわち、チルト締付け時、過大な操作力で軸力が大きくなるときも、カム突起29、31に摩耗は発生せず、固定カムおよび可動カム23、24の締付け力の低下を免れることが可能になる。これにより、チルト機構15の保持力を常に安定に保つことができる。
【0020】
本実施の形態のカム部材は次の工程により製造される。すなわち、Al2O3粉を分級して粒径の一様なAl2O3粉体を得る。次に、Al2O3粉体に結合剤を加えて射出成形によって成形体を得る。得られた成形体を乾燥装置で乾燥し、さらに、脱脂炉において成形体から結合剤を除去する。次に、成形体を高温等方圧圧密成形法(HIP)を用いて焼成する。このような工程を実施して図3および図4に示すような固定カム23および可動カム24を得ることができる。
【0021】
このように本実施の形態においてはチルト締付け時、過大な操作力で締結部材に生じる軸力が大きくなるときも、カム部材に摩耗は発生しないで、カム部材の締付け力の低下を免れることが可能になる。
【0022】
なお、カム部材はAl2O3に代えて、炭化ケイ素または窒化ケイ素セラミックス(SiC、Si3N4)およびジルコニアセラミックス(ZrO2)を用いて製作してもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明においてはカム部材が全体を極めて高い硬さを有するセラミックス材料で構成されるので、チルト締付け時、過大な操作力で締結部材に生じる軸力が大きくなるときも、カム部材に摩耗は発生せず、カム部材の締付け力の低下を免れることが可能になる。したがって、チルト機構の保持力を常に安定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるチルト式ステアリングコラム装置の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】図1に示されるチルト機構を示す断面図である。
【図3】図2に示される固定カムを示すもので、(a)は固定カムの平面図、(b)は固定カムの断面図である。
【図4】図2に示される可動カムを示すもので、(a)は可動カムの平面図、(b)は可動カムの断面図である。
【図5】従来のチルト式ステアリングコラム装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11‥ ステアリングシャフト
12‥ ステアリングコラム
19‥ チルトブラケット
21‥ チルトボルト
22‥ ナット
23‥ 固定カム
24‥ 可動カム
25‥ チルトレバー
29、31‥ カム突起
Claims (1)
- 支持部を有するチルトブラケットと、前記チルトブラケットの該支持部に設けられ、前記支持部に挟持されるステアリングコラムを締付ける締結部材と、前記締結部材に対面するそれぞれの一面のカム突起が相手カム突起とかみ合い可能に組み込まれ、前記締結部材と協働して前記ステアリングコラムを締付けるカム部材とを備えるチルト式ステアリングコラム装置において、前記カム部材が全体をセラミックス材料で構成されることを特徴とするチルト式ステアリングコラム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002271048A JP2004106672A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | チルト式ステアリングコラム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002271048A JP2004106672A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | チルト式ステアリングコラム装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004106672A true JP2004106672A (ja) | 2004-04-08 |
JP2004106672A5 JP2004106672A5 (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=32268481
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JP2002271048A Pending JP2004106672A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | チルト式ステアリングコラム装置 |
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JP (1) | JP2004106672A (ja) |
Cited By (1)
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KR100836370B1 (ko) * | 2006-12-15 | 2008-06-09 | 현대자동차주식회사 | 스티어링 칼럼의 틸트레버구조 |
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2002
- 2002-09-18 JP JP2002271048A patent/JP2004106672A/ja active Pending
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KR100836370B1 (ko) * | 2006-12-15 | 2008-06-09 | 현대자동차주식회사 | 스티어링 칼럼의 틸트레버구조 |
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