JP2006220258A - すべり軸受およびポンプ装置 - Google Patents

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Yoshinobu Ogawa
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Abstract

【課題】 軸受への負荷が大きい場合やドライ運転あるいはスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができるすべり軸受を提供する。
【解決手段】 回転軸20に固着されたスリーブ21と摺動する複数のセグメント22を備え、これらセグメント22をその外周に配置した金属製シェル24で保持する。また、各セグメント22のスリーブ21側への変位をセグメント取付手段23によって制限するとともに、前記各セグメント22の金属製シェル24側への変位をセグメント取付手段23によって許容する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、特に、起動時や先行待機運転時では揚水を遮断したドライ運転がなされ、定常運転時ではスラリー水に晒される運転がなされる立軸ポンプなどの軸受として好適なすべり軸受およびこのすべり軸受を備えたポンプ装置に関するものである。
従来、起動時や先行待機運転時では揚水を遮断したドライ運転がなされ、定常運転時ではスラリー水に晒される運転がなされる立軸ポンプなどに好適な軸受として、図6に示すすべり軸受が提案されている(特許文献1)。
このすべり軸受は、回転軸1の外周に固着された金属製のスリーブ1aを軸支する摺動体として、窒化珪素などのセラミックス製の複数個のセグメント2が使用されており、これら複数個のセグメント2は、円周方向に等間隔で止具3を介して金属製のシェル4に保持されているとともに、金属製のシェル4の外周をゴムなどの弾性体からなる緩衝材5で保持している。
また、この種のすべり軸受としては、図7に示すすべり軸受が提案されている(特許文献2)。
このすべり軸受は、回転軸1の外周に固着された金属製のスリーブ1aを軸支する摺動体である窒化珪素などのセラミックス製の複数個のセグメント2が、円周方向等間隔でゴムなどの弾性体からなる緩衝材5で保持されるとともに、該緩衝材5を金属製のシェル4に嵌合したものである。
さらに、この種のすべり軸受としては、図8に示すすべり軸受も提案されている(特許文献3)。
このすべり軸受は、回転軸1を軸支する摺動体である窒化珪素などのセラミックス製の複数個のセグメント(パッド)2を、緩衝材5を介してハウジング6の内面に設けた溝6aに挿入するとともに、セグメント固定具(パッド固定具)7でセグメント2の両端を押さえるべくボルト8にてセグメント固定具7を締め付けたものである。
特開平11−166528号公報 特開平5−126138号公報 実開昭63−36721号公報
前記各文献に記載されたすべり軸受は、たとえば、先行待機運転ポンプに適用されて、ポンプの回転軸1または該回転軸1に固着されているスリーブ1aを回転自在に軸支することによって、ポンプの起動時や先行待機運転時のような揚水を遮断したドライ運転がなされたり、あるいは、定常運転時ではスラリー水に晒されるような過酷な条件下で使用されても、優れた摺動特性を発揮できるとされている。
ところが、特許文献1に記載されているすべり軸受は、緩衝材5を金属製のシェル4の外周に配置してあるため、セグメント2に負荷される衝撃を緩衝する機能が低い。このため、軸受への負荷が大きい場合や大気中で回転軸1に固着されたスリーブ1aとセグメント2の両者が摺動するドライ運転時、あるいは、スラリー水に晒される定常運転時において回転軸1のふれ回りや軸線の傾きが生じると、このふれ回りや軸線の傾きによって起こる片当り荷重に対する追従性に劣る。したがって、脆性の高いセラミックス製のセグメント2が損傷しやすく、セグメント2の損傷によって、回転軸1または回転軸1に固着されているスリーブとセグメント2間の摩擦係数を上昇させて、異常振動が生じる原因になり、すべり軸受の摺動特性が著しく悪くなって、耐久性を低下させることになる。
一方、特許文献2に記載されているすべり軸受は、セグメント2を緩衝材5で保持し、該緩衝材5を金属製のシェル4に嵌合してあるので、セグメント2に負荷される衝撃を緩衝することができる。このため、回転軸1のふれ回りや軸線の傾きが生じても、このふれ回りや軸線の傾きによって起こる片当り荷重に追従することができる。したがって、セグメント2の損傷を回避してすべり軸受の摺動特性の低下を抑制することができる。
ところが、特許文献2に記載されているすべり軸受は、軸受への負荷が大きい場合や大気中で回転軸1に固着されたスリーブ1aとセグメント2の両者が摺動するドライ運転がなされると、摺動熱によってセグメント2が加熱されて緩衝材5の温度が高くなる。このため、緩衝材5は熱膨張によってセグメント2をスリーブ1a側に付勢して、セグメント2をスリーブ1aに抱き付かせ、セグメント2とスリーブ1a間の摩擦係数を上昇させて、異常振動が生じる原因になり、すべり軸受の摺動特性が著しく悪くなって、耐久性を低下させることになる。
他方、特許文献3に記載されているすべり軸受は、セグメント(パッド)2を、緩衝材5を介してハウジング6の内面に設けた溝6aに挿入しているので、緩衝材5によってパッド2に負荷される衝撃を緩衝することができる。このため、回転軸1のふれ回りや軸線の傾きが生じても、このふれ回りや軸線の傾きによって起こる片当り荷重に追従することができる。したがって、パッド2の損傷を回避してすべり軸受の摺動特性の低下を抑制することができる。また、前記摺動熱によってパッド2が加熱されて緩衝材5の温度が高くなっても、緩衝材5の熱膨張によってパッド2に生じる回転軸1側への付勢力をセグメント固定具(パッド固定具)7で抑制することができる。このため、パッド2が回転軸1に抱き付く状態を回避して、パッド2と回転軸1間の摩擦係数の上昇および異常振動の発生を抑えることが期待できる。
ところが、特許文献3に記載されているすべり軸受は、一対のパッド固定具7の端面7aによって一つのパッド2の両側端面2a,2aを押圧することで、パッド2を固定するとともに、一つのパッド2を適正な姿勢で固定するのに必要な押圧力は、一対のボルト8,8の締め付け量を調整することによって得られるようになっている。つまり、一対のボルト8,8個々の締め付け量を均等に調整しなければ、一つのパッド2を適正な姿勢で固定することができない。しかし、一対のボルト8,8個々の締め付け量を均等に調整する作業は相当に困難であり、一対のボルト8,8個々の締め付け量が不均等になりやすい。このように締め付け量が不均等になると、パッド2が周方向に傾いた姿勢で固定されることになって、回転軸1の外周面に対してパッド2の摺動面2bの全面が一様に摺動しない不適正な軸支状態になり、すべり軸受の軸支機能を大幅に低下させることになる。
また、特許文献3に記載されているすべり軸受は、一対のパッド固定具7に形成されている小さい面積の端面7aによって、パッド2に形成されている両側端面2a,2aの一部分を局部的に押圧することによってパッド2を固定しているので、たとえば回転軸のふれ回りや軸線の傾きあるいは僅かな振動などの外因によってパッド2が脱落するおそれを有している。しかも、一対のパッド固定具7の端面7aによって一つのパッド2の両側端面2a,2aを押圧し、かつ、一対のパッド固定具7のそれぞれにボルト8を付設する構造では、これらの取付けに手間がかかり組立作業が困難である。
本発明は、このような問題を解決するものであって、その目的とするところは、たとえ、軸受への負荷が大きい場合やドライ運転あるいはスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができるものでありながら、セグメントの傾きや脱落を防止して軸支機能の低下の危険性を低減できるすべり軸受およびこのすべり軸受を備えたポンプ装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係るすべり軸受は、回転軸または回転軸に固着されたスリーブと摺動するセグメントを備え、該セグメントがその外周に配置した金属製シェルで保持されているすべり軸受であって、前記セグメントが、前記回転軸または回転軸に固着されたスリーブ側への変位を制限するセグメントの裏面に取付けた支持部材と、前記シェル側への変位を許容するセグメントと金属製シェル間に介設された緩衝部材によって金属製シェルに保持されていることを特徴とするものである。
このように、セグメントが、該セグメントの裏面に取付けた支持部材によって回転軸または回転軸に固着されたスリーブ側への変位を制限されて金属製シェルに保持されることで、セグメントが回転軸または回転軸に固着されたスリーブ側に過剰に押し付けられるのを抑制して、セグメントが相手側に抱き付くのを防止することができるとともに、前記緩衝部材によって、セグメントのシェル側への変位が許容されることで、回転軸のふれ回りや軸線の傾きによって生じる片当り荷重に追従してセグメントをシェル側へ変位させて、セグメントあるいは相手側の損傷を防止することができる。このため、摺動面の摩擦係数の上昇およびこれに伴う異常振動が抑制されるので、たとえ、ドライ運転やスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができる。
また、セグメントの裏面に支持部材を強固に取付けてセグメントが支持部材から脱落するのを防止できるので、セグメントの端部を固定具で押さえてシェルに固定するよりもセグメントの脱落による軸支機能の低下の危険性を低減できる。さらに、取付けの手間がかからない簡素された構造によって、セグメントが回転軸または回転軸に固着されたスリーブ側へ変位するのを制限し、かつ、シェル側へ変位するのを許容することにより、摺動面の摩擦係数の上昇およびこれに伴う異常振動が抑制されるので、たとえ、ドライ運転やスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができる。
本発明においては、セグメントを軸方向に複数段配設することが好ましい。これによると、回転軸のふれ回りや軸線の傾きによって生じる片当り荷重に対する追従性を向上させて、片当り荷重に対してより一層優れた軸受性能を発揮することができる。
さらに、本発明においては、セグメントをダイヤモンド焼結体によって構成し、緩衝部材を高分子弾性材料または金属製ばね材料で構成することが好ましい。
これによると、回転軸または回転軸に固着されたスリーブと摺動するセグメントの摺動面を、硬度が高く、かつ、大気中の自己潤滑性が高いダイヤモンド焼結体としているので、軸受への負荷が大きい場合や大気中で回転軸または回転軸に固着されたスリーブとセグメントの両者が摺動するドライ運転がなされても、両者間の摩擦係数が上昇しない。このため、耐摩耗性が高められてすべり軸受の耐久性を向上させることができる。また、硬度が高いダイヤモンド焼結体の表面を摺動面としていることにより、スラリー水に晒される運転条件下における摺動面の摩滅を防止して、すべり軸受の耐久性を向上させることができる。
一方、軸受への負荷が大きい場合や大気中で回転軸または回転軸に固着されたスリーブとセグメントの両者が摺動するドライ運転がなされた場合であっても、従来用いられていた窒化珪素などのセラミックス製のセグメントよりもダイヤモンド焼結体の摩擦係数が小さいので、摺動熱によってセグメントが加熱されて緩衝部材の温度が高くなることが抑制され、高分子弾性材料または金属製ばね材料で構成されている緩衝部材の弾性があまり低下しないので、回転軸のふれ回りや軸線の傾きによって生じる片当り荷重に追従してセグメントをシェル側へ変位させて、回転軸または回転軸に固着されたスリーブの損傷を防止することができる。したがって、摺動面の摩擦係数の上昇およびこれに伴う異常振動が抑制されるので、たとえ、ドライ運転やスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができる。
そして、前述のすべり軸受を用いたポンプ装置であれば、すべり軸受に起因する異常振動が防止され、片当り荷重に対しても優れた軸受性能を発揮できるとともに、ダイヤモンド焼結体は大気中の自己潤滑性が高く、かつ、硬度が高いので、ドライ運転やスラリー水に晒される運転がなされても、摩擦係数の上昇および摺動面の摩滅が抑制されることにより耐久性を向上させて、ポンプ装置に仕様通りの運転特性を長期間継続して発揮させることができる。
本発明によれば、セグメントが、該セグメントの裏面に取付けた支持部材によって回転軸または回転軸に固着されたスリーブ側への変位を制限されて金属製シェルに保持されることで、セグメントが相手側に抱き付くのを防止できるとともに、セグメントのシェル側への変位が許容されることで、セグメントあるいは相手側の損傷を防止することができるので、摺動面の摩擦係数の上昇およびこれに伴う異常振動を抑制できる。したがって、たとえ、ドライ運転やスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができる。
また、セグメントの裏面に支持部材を強固に取付けてセグメントが支持部材から脱落するのを防止できることにより、セグメントの端部を固定具で押さえてシェルに固定するよりもセグメントの脱落による軸支機能の低下の危険性を低減できるばかりか、取付けの手間がかからない簡素された構造によって摺動面の摩擦係数の上昇およびこれに伴う異常振動を抑制して、たとえ、ドライ運転やスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができる。
図1は本発明の実施形態を示す縦断面図、図2は図1のA−A矢視図、図3は要部を拡大して示す縦断面図である。これらの図において、すべり軸受Bは、ポンプ主軸20に固着されたスリーブ21と摺動する複数のセグメント22、つまり、周方向20個のセグメント22を軸方向で二段に分割して配設した合計40個のセグメント22を備えており、これらセグメント22は、セグメント取付手段23によって該セグメント22の外周に配置されているステンレス(SUS304)製で筒状のシェル(金属製シェル)24に保持され、該金属製シェル24は軸受台(図示省略)を介してポンプ側に固定される。
前記複数のセグメント22のそれぞれは、超硬合金(たとえばタングステンカーバイトを含むコバルト基合金)からなる基材22aと、該基材22a上に形成されたダイヤモンド焼結体22bと、基材22aの裏面に接着されたバックメタル22cとを備え、バックメタル22cは、たとえばステンレス(SUS403)によって構成されている。
一方、セグメント取付手段23は、セグメント22がスリーブ21側へ変位するのを制限するとともに、金属製シェル24側への変位を許容するためのもので、セグメント22の裏面に取付けた支持部材23aと、セグメント22と金属製シェル24との間に介設された緩衝部材23bで構成されており、支持部材23aは、バックメタル22cの裏面に直交して、たとえば、銀ろうを用いたろう付け手段によって取付けられたボルト23a1と、このボルト23a1に螺合するナット23a2および座金23a3とからなり、緩衝部材23bは、耐熱性にすぐれたフッ素ゴムのほか、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などの連続使用可能上限温度が150℃〜100℃の範囲の高分子弾性材料からなるドーナツ形の緩衝材23b1によって構成してもよい。ここで、連続使用可能上限温度としては、JISK6830−94の耐熱温度のタイプB,C,Dに相当するものをいう。なお、バックメタル22cの裏面に直交して、ろう付け手段によってボルト23a1を取付けていることによって、セグメント22が支持部材23aに強固に取付け取付けられることになる。これにより、セグメント22が支持部材23aから脱落するのを防止して、セグメント22の脱落による軸支機能の低下を確実に避けることができる。
また、ドーナツ形の緩衝材23b1にボルト23a1を挿通して、ドーナツ形の緩衝材23b1をバックメタル22cの裏面に当接させた状態で、ボルト23a1を金属製シェル24の径内側から該金属製シェル24に設けられているセグメント取付孔24aに挿通して、その先端部をセグメント取付孔24aに連設して金属製シェル24の外周域に設けられている大径の凹部24bに臨ませたのち、ここに座金23a3を挿通し、かつ、ナット23a2を螺合して締結することによって、緩衝部材23bを構成しているドーナツ形の緩衝材23b1が、セグメント22におけるバックメタル22cと金属製シェル24の内面との間に介設された状態で、セグメント22が金属製シェル24に保持されることになる。
前記構成のすべり軸受Bによれば、図3に示すように、セグメント取付手段23の支持部材23aにおける座金23a3が金属製シェル24に設けた大径の凹部24bの底面24b1に干渉し、かつ、ボルト23a1の先端部にナット23a2を螺合して締結していることによって、セグメント22の矢印x1方向への変位が制限される。つまり、セグメント22は、セグメント取付手段23によってスリーブ21側への変位を制限されて金属製シェル24に保持されているので、セグメント22がスリーブ21側に過剰に押し付けられるのを抑制して、セグメント22がスリーブ21に抱き付くのを防止することができる。また、セグメント22におけるバックメタル22cと金属製シェル24の内面との間に、緩衝部材23bを構成しているドーナツ形の緩衝材23b1が介設されることによって、セグメント22の矢印x2方向へ変位が許容される。つまり、セグメント22は、セグメント取付手段23によって金属製シェル24への変位が許容されて該金属製シェル24に保持されているので、回転軸20およびスリーブ21のふれ回りや軸線の傾きによって生じる片当り荷重を緩衝して追従し、セグメント22を金属製シェル24側へ変位させて、ダイヤモンド焼結体22bによるスリーブ21の損傷を防止することができ、その反力として回転軸20を軸受Bの中心方向に付勢するため調芯される。このため、ダイヤモンド焼結体22bとスリーブ21との摺動面の摩擦係数の上昇およびこれに伴う異常振動が抑制されるので、たとえ、ドライ運転やスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができる。
一方、ポンプ主軸20に固着されたスリーブ21と摺動するセグメント22の摺動面に、硬度が高く、かつ、大気中の自己潤滑性が高いダイヤモンド焼結体22bを用いているので、すべり軸受Bへの負荷が大きい場合や大気中でポンプ主軸20に固着されたスリーブ21とセグメント22の両者が摺動するドライ運転がなされても、両者21,22間の摩擦係数、詳しくは、スリーブ21とダイヤモンド焼結体22b間の摩擦係数が上昇しない。このため、耐摩耗性が高められてすべり軸受Bの耐久性を向上させることができる。また、硬度が高いダイヤモンド焼結体22bの表面を摺動面としていることにより、スラリー水に晒される運転条件下における該摺動面の摩滅を防止して、すべり軸受Bの耐久性を向上させることができる。したがって、摺動面の摩擦係数の上昇およびこれに伴う異常振動が抑制されるので、たとえ、ドライ運転やスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができる。
他方、軸受への負荷が大きい場合や大気中で回転軸20に固着されたスリーブ21とセグメント22の両者が摺動するドライ運転がなされた場合であっても、従来用いられていた窒化珪素などのセラミックス製のセグメントよりもダイヤモンド焼結体の摩擦係数が小さいので、摺動熱によってセグメント22が加熱されて緩衝部材23bとして機能するドーナツ形の緩衝材23b1の温度が高くなることが抑制され、該緩衝材23b1は、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などの連続使用可能上限温度が150℃〜100℃の範囲の高分子弾性材料によって構成された場合でも緩衝性能があまり低下しない。したがって、回転軸20およびスリーブ21のふれ回りや軸線の傾きによって生じる片当り荷重に追従して、セグメント22を金属製シェル24側へ変位させて、スリーブ21の損傷を防止することができ、その反力として回転軸20を軸受Bの中心方向に付勢するため調芯される。このため、摺動面の摩擦係数の上昇およびこれに伴う異常振動が抑制されるので、たとえ、ドライ運転やスラリー水に晒されるような過酷な条件下で運転されても、優れた摺動特性を長期間継続して維持することができる。なお、使用条件によって、緩衝材23b1としてより耐熱性の高いフッ素ゴムを用いてもよい。
また、前記実施形態のように、セグメント22を軸方向で二段に分割して配設したり、あるいは、軸方向で三段に分割して配設することで、ポンプ主軸1およびスリーブ21にふれ回りや傾きによって片当り荷重が負荷されても、軸方向に分割されているセグメント22と緩衝材23b1との協働によって、片当り荷重に対する追従性が向上するので、片当り荷重に対しても優れた軸受性能を発揮することができる。
さらに、図4に示すように、前記実施形態で説明したすべり軸受Bを用いて、たとえば立軸ポンプPの吐出しボウル6の内部および該吐出しボウル6の上側に設けた揚水管7の内部において、先端に羽根車8を固着したポンプ主軸20を回転自在に軸支することで、前述の理由によりすべり軸受Bに起因する異常振動の発生が防止され、片当り荷重に対しても優れた軸受性能を発揮できるので、ドライ運転やスラリー水に晒される運転がなされても、摩擦係数の上昇および摺動面の摩滅が防止されることによって耐久性を向上させて、立軸ポンプPに仕様通りの運転特性を長期間継続して発揮させることができる。なお、横軸ポンプに用いても同様の効果が得られることはいうまでもない。
なお、前記実施形態では、ポンプ主軸20にスリーブ21を固着した構成で説明しているが、スリーブ21を省略して、ポンプ主軸20とセグメント22を摺動させてもよい。
また、前記実施形態では、緩衝部材23bを高分子弾性材料からなるドーナツ形の緩衝材23b1によって構成しているが、図5(a)に示すように、金属製ばね材料23b2によって緩衝部材23bを構成してもよい。また、金属製の板ばねやスプリングワッシャを用いて緩衝部材23bを構成してもよい。このように緩衝部材として金属材料を用いた場合は、軸受の温度変化にともなう緩衝性能の低下を、前述した高分子弾性材料を用いるよりも小さくすることができる。
そして、前記実施形態では、セグメント22の裏面に取付けた1本の支持部材23aを用いているが、図5(b)に示すように、セグメント22の傾きを許容する球面継手部25を介して取付けてもよい。このようにすることで、ポンプ主軸(回転軸)20の傾きに対する緩衝性能がさらに向上する。また、図5(c)に示すように、バックメタル22cにめねじ部材26を取付け、このめねじ部材26にボルト27の先端部を螺合して固定してもよい。さらに、前記実施形態では、すべてバックメタル22cを用いた構成で説明したが、バックメタル22cを用いずに、セグメント22に直接支持部材23aを取付ける構造であってもよい。
本発明の実施形態を示す縦断面図である。 図1のA−A矢視図である。 要部を拡大して示す縦断面図である。 本発明に係るすべり軸受を用いたポンプ装置の実施形態を示す縦断面図である。 セグメント取付手段の他の実施形態を示し、図5(a)は第2実施形態の縦断面図、図5(b)は第3実施形態の縦断面図、図5(c)は第3実施形態の縦断面図である。 第1従来例の説明図である。 第2従来例の説明図である。 第3従来例の説明図である。
符号の説明
20 ポンプ主軸(回転軸)
21 スリーブ
22 セグメント
22b ダイヤモンド焼結体
23 セグメント取付手段
23a 支持部材
23b 緩衝部材
24 金属製シェル(金属シェル)
B すべり軸受
P 立軸ポンプ(ポンプ装置)

Claims (4)

  1. 回転軸または回転軸に固着されたスリーブと摺動するセグメントを備え、該セグメントがその外周に配置した金属製シェルで保持されているすべり軸受であって、
    前記セグメントが、前記回転軸または回転軸に固着されたスリーブ側への変位を制限するセグメントの裏面に取付けた支持部材と、前記シェル側への変位を許容するセグメントと金属製シェル間に介設された緩衝部材によって金属製シェルに保持されていることを特徴とするすべり軸受。
  2. 請求項1に記載のすべり軸受において、
    前記セグメントが軸方向に複数段配設されていることを特徴とするすべり軸受。
  3. 請求項1または請求項2に記載のすべり軸受において、
    前記セグメントがダイヤモンド焼結体によって構成され、前記緩衝部材が高分子弾性材料または金属製ばね材料で構成されていることを特徴とするすべり軸受。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のすべり軸受を用いたことを特徴とするポンプ装置。
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