さて、従来例に係る印刷装置にあっては、上位装置から指定された枚数毎の切断を行う毎に、前記バッファリング指示手段からの指示によって、プリンタ側から供給される用紙をバッファ部に一旦ためて、その後用紙の搬送速度を落としてトレイまで搬送する(トレイフィード)。
その際、上位装置から指定されたジョブ単位の印刷用紙枚数が少なく切断回数が多い場合には、バッファリングの回数が増加する。バッファリング中は印刷が停止されるため、全体として見た場合に処理速度の低下を招くおそれがあるという問題点を有していた。
また、用紙の種類等によってはバッファ部で用紙送り不良(ジャム)が発生し、そのたびに操作者は用紙をセットしなおさなければならなくなり、大変な労力を必要とするという問題点があった。さらに、用紙の種類や搬送速度によっては、切断後の次の用紙の先端がトレイで折り畳みが不良となるおそれがあるという問題点を有していた。
また、従来例にあっては、連続用紙印刷装置の用紙後処理装置において、上位装置によって、ジョブ単位毎に指定した枚数でカットする際に、従来はカット位置前後のページも印刷しているため、カット位置のずれによってカット位置前後の印刷用紙が切断されるという問題点を有していた。これは、ミシン目ピッタリの位置で切断することは機構上困難であり、数ミリのずれは免れないからである。
特に、帳票用紙等のように、印刷して切断した後、直接取引先に渡す場合には、切断位置のずれは見苦しいという問題点を有していた。また、カット位置では、用紙の印刷面が直接に他の用紙や容器とすれるため、印刷面が汚れたり、印字のインク等がこすれたり、ぼやけたりするおそれがあるという問題点を有していた。
さらに、従来にあっては、カット位置の指定は、上位装置からの指示した位置で、ジョブ毎にカットするようにしていた。そのため、カット位置の指定は、上位装置からの指示がない限り、カット手段で切断することができず、操作者が、その後に任意にカット枚数の指定やカット位置を変更することができない。従って、例えば、用紙を収容するトレイ等が満杯となった場合等で、予期せず切断する必要が生じた場合には、操作者はマニュアルカットスイッチ等を操作することによって用紙を切断し、トレイ内の用紙を取り出さなければならず、煩雑なオペレータ操作が必要であり、取扱いにくいという問題点を有していた。
そこで、本発明は以上の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、バッファリングを常に行うのではなく、必要な場合のみ行えるように、切換え可能として、処理速度の低下や、用紙送りの不良化を防止して、迅速な処理が可能で、かつ、事故の少ない信頼性のある印刷装置を提供することを目的とする。
さらに、カット位置のずれによって、不揃いの規格外の帳票の発行を防止し、印刷面の汚れや、印字が不鮮明になることを防止することを目的とする。また、カットの枚数、カット位置の指定、又はカットの指示を上位装置からだけでなく、操作者からの指定や、帳票の種類等によっても自動的に行うことができるようにして、種々の事態に備えた取り扱いやすい印刷装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明は、上記目的を達成するため、図9に示すように、連続用紙の印刷を行う連続用紙印刷手段31と、操作者によって、印刷済連続用紙のカット枚数を指定するカット枚数指定手段39と、前記連続用紙印刷手段31によって印刷された印刷枚数を計数し、指定されたカット枚数に達すると、それまでの計数結果を消去する印刷枚数計数手段41と、カット手段32に対して、上位装置からの指示に基づき、又は、前記印刷枚数計数手段41の計数結果が指定されたカット枚数に合致した場合に切断指示を行うカット指示手段40と、前記カット指示手段40からの指示によって、印刷済連続用紙を切断するカット手段32とを有するものである。
上記発明に係る印刷装置の動作を説明する。操作者又は上位装置等が、印刷済連続用紙のカット枚数を、カット枚数指定手段39を用いた指定をする。
すると、前記カット指示手段40は、上位装置からの指示に基づき、又は、前記印刷枚数計数手段41の計数結果が指定されたカット枚数に合致した場合にカット手段32に対してカット指示を行う。
したがって、操作者が必要に応じて任意のカット枚数を指定することができるとともに、カットを必要とする種々の事態に備えることができる取扱い易い印刷装置を提供することができる。
また、本発明は、上記目的を達成するため、図10に示すように、連続用紙の印刷を行う連続用紙印刷手段31と、印刷済連続用紙を折り畳んで収容する用紙収容手段33と、前記用紙収容手段33に収容されている用紙がその収容限界を越えているか否かを検出する収容限界検出手段49と、前記連続用紙印刷手段31によって印刷された印刷枚数を計数し、指定されたカット枚数に達すると、それまでの計数結果を消去する印刷枚数計数手段41と、操作者によって、印刷済連続用紙のカット枚数を指定するカット枚数指定手段39と、指定されたカット枚数に従って、前記印刷枚数計数手段41の計数結果がカット枚数に合致した場合には前記カット手段32に対して切断指示を行う一方、前記収容限界検出手段43によって、収容限界が検出された場合には、指定されたカット枚数に拘わらず、前記カット手段32に対して切断指示を行うカット指示手段44と、カット指示手段44からの指示によって、印刷済連続用紙を切断するカット手段32とを有するものである。
上記発明に係る印刷装置の動作について説明する。操作者又は上位装置等が、印刷済連続用紙のカット枚数を、カット枚数指定手段39を用いた指定をする。
その後に、前記収容限界検出手段49によって、用紙収容手段33に収容されている用紙がその収容限界を越えていることが検出される。すると、前記カット指示手段44は、上位装置からの指示に基づき、又は、前記印刷枚数計数手段41の計数結果が指定されたカット枚数に合致するか否かに拘わらず、直ちに、前記カット手段32に対して切断の指示を行う。
したがって、操作者が一々用紙収容手段を監視しなくても、満杯になった場合には自動的にカット手段によって用紙が切断される。そのため、マニュアルカットスイッチ等を操作する必要がないので、操作者の負担を軽減するとともに、操作者は臨機応変にカット枚数を指定することができて便利である。
また、本発明は、上記目的を達成するため、図11に示すように、連続用紙を印刷する連続用紙印刷手段31と、印刷済連続用紙を折り畳んで収容する用紙収容手段33と、前記連続用紙印刷手段31の印刷枚数を計数し、指定されたカット枚数に印刷枚数が合致する場合にはそれまでの計数結果を消去する印刷枚数計数手段41と、上位装置又は操作者によってカット枚数を指定するカット枚数指定手段39と、前記用紙収容手段33に収容する用紙の高さを指定する用紙高さ指定手段10と、前記用紙収容手段33に収容されている重ねられた用紙の高さが、前記用紙高さ指定手段10によって指定された高さを越えているか否かを検出する高さ限界検出手段30と、前記印刷枚数計数手段41の計数結果が指定されたカット枚数に合致した場合には前記カット手段32に対して切断指示を行う一方、前記高さ限界検出手段30によって、重ねられた用紙の高さが指定された前記高さを越えていると検出された場合には、指定されたカット枚数に拘わらず、前記カット手段32に対して切断指示を行うカット指示手段46と、カット指示手段46からの指示によって、印刷済連続用紙を切断するカット手段32とを有するものである。
上記発明に係る印刷装置の動作について説明する。操作者又は上位装置等は、印刷済連続用紙のカット枚数を、カット枚数指定手段39を用いて指定するとともに、用紙高さ指定手段10によって、切断をすべき用紙の高さを指定する。
印刷が開始された後、用紙収容手段33に収容されている用紙の高さが、予め用紙高さ指定手段10によって指定した用紙の高さを越えていることが前記用紙高さ限界検出手段30によって検出されると、前記カット指示手段46は、上位装置からの指示に基づき、又は、前記印刷枚数計数手段41の計数結果が指定されたカット枚数に合致するか否かに拘わらず、直ちに、前記カット手段32に対して切断の指示を行う。
したがって、操作者は、用紙の高さを監視することになく、また、マニュアルカットスイッチ等を操作することなく、自動的に、操作者の運搬可能な量の用紙の束を得ることができるので、操作者の負担を軽減することができる。
また、本発明は、図1に示すように、印刷の際に連続用紙を搬送する印刷用搬送手段11と、印刷済の連続用紙の切断、折り畳み、又は収容等を行う後処理の際に連続用紙を搬送する後処理用搬送手段12と、操作者の指示によってバッファリング処理をするか否かを切り換える切換手段15と、前記切換手段15の切換えに基づいて、前記後処理用搬送手段12及び印刷用搬送手段11等に対しバッファリング処理を指示し、又は指示しないバッファリング指示手段14とを有するものでもよい。
ここで、「印刷用搬送手段11」の搬送速度と、「後処理用搬送手段12」の搬送速度とは、通常搬送では一致しているが、バッファリング処理を行う場合には一方の速度を0として停止させ、他方のみで搬送を行う。
「バッファリング処理」とは、用紙切断毎にプリンタ側から供給される用紙をバッファ部にためて(バッファリング)、用紙を用紙収容手段にまで、所定の搬送速度で搬送すること(トレイフィード)をいい、例えば、図18に示すように、印刷用搬送手段11に指示して印刷済連続用紙の搬送を停止した後、バッファ部に所定の量の用紙がたまると、後処理用搬送手段の搬送を開始するとともに前記印刷用搬送手段11の搬送を停止して弛みがとれるまでの処理をいう。「バッファリングの切換え」は、例えば、操作者や、印刷装置からの指令、上位装置からの指令によって行い得る。
上記発明の動作を説明する。印刷された印刷済連続用紙は印刷用搬送手段11によって、後処理用搬送手段12によって、搬送される。その際、操作者又は上位装置等は、予め、前記切換手段15を用いて、バッファリング処理をするかしないかを切り換えておく。
例えば、搬送速度が大きい場合や、用紙サイズが大きい場合、又は用紙の厚さが厚い場合等の場合、又は、慎重に印刷を行いたい等の場合には、バッファリング処理を行うように切り換えておく。
すると、バッファリング指示手段14は、後処理用搬送手段12及び印刷用搬送手段11に、例えば、図18に示すように、指示を行ってバッファリング処理が行われ、前記用紙収容手段33に印刷済用紙が収容されることになる。
一方、バッファリング処理を行わないように切り換えた場合には、前記バッファリング指示手段14はバッファリング処理を行うことなく、前記印刷済連続用紙は、直接前記用紙収容手段33に収容されることになる。したがって、連続用紙の搬送スピードを落とすことなく、高速に、且つ、効率良く連続用紙の印刷、搬送及び収容を行うことができる。
また、本発明は、図2に示すように、印刷の際に連続用紙を搬送する印刷用搬送手段11と、印刷済の連続用紙の切断、折り畳み、又は収容等を行う後処理の際に連続用紙を搬送する後処理用搬送手段12と、バッファリング処理の必要性を判定する必要性判定手段17と、必要性判定手段17の判定結果に基づいて、バッファリング処理を行うか否かを切り換える判定結果切換手段16と、判定結果切換手段16の切換えに基づいて、前記後処理用搬送手段12及び印刷用搬送手段11等に対しバッファリング処理を指示し、又は指示しないバッファリング指示手段14とを有するものでもよい。
ここで、「必要性判定手段17」によって、バッファリング処理の必要性がないと判定される場合としては、バッファリングをしてもしなくてもその効果に変わりがない場合(バッファリングを行わないので搬送が滑らかになる)又はバッファリングを行うことによって却って不具合が生ずる場合がある。バッファリングの必要性がない場合としては、例えば、用紙サイズが小さくバッファリングを行うと、その回数が多いため、搬送速度が相当に遅れる可能性がある場合、用紙の厚さが薄く折り畳み易い場合、搬送速度が高速でない場合が挙げられる。
上記発明の動作について説明する。印刷用搬送手段11によって、印刷された印刷済連続用紙が搬送される。その際、前記必要性判定手段17は、設定された搬送速度や、用紙サイズ、又は用紙の厚さ等を検知して、バッファリング処理の必要性を判断する。
例えば、搬送速度が大きい場合、用紙サイズが大きい場合、又は用紙の厚さが厚い場合には、バッファリング処理の必要性があるとの判定を行う。必要性判定手段17によって、バッファリング処理の必要性があるとの判定があった場合には、前記判定結果切換手段16はバッファリング処理を行うように切り換え、前記バッファリング指示手段14は、バッファリング処理を前記後処理用搬送手段12及び印刷用搬送手段11に指示をする。
バッファリング処理の必要性がないとの判定があった場合には、前記判定結果切換手段16はバッファリング処理を行わないように切り換える。この場合には、前記後処理用搬送手段12によって搬送された印刷済連続用紙は直接前記用紙収容手段33に収容される。
本発明によると、真にバッファリング処理が必要な場合にのみ、バッファリングを行うことによって、信頼性のある印刷を行うことを行うとともに、不必要なバッファリング処理を行わないことによって、迅速に印刷処理を行うことができる。
また、本発明は、図3に示すように、連続用紙に印刷がされると(S1)、印刷済の連続用紙の切断、折り畳み、又は収容等を行う後処理が開始され(S2)、バッファリング処理を行うように切り換えられた場合には(S3)、後処理の際に、バッファリング処理を行い(S4)、バッファリング処理を行わないように切り換えられた場合には、後処理の際に、バッファリング処理を行うことなく後処理を終了する(S5)ようにしてもよい。
上記発明の動作について、説明する。ステップS1で連続用紙の印刷が開始される、ステップS2で、用紙の切断が行われる。ステップS3で、バッファリング処理を行うか否かを判断する。バッファリング処理を行うか否かは、例えば、操作者や上位装置による切換え、又は、自動的に、バッファリング処理の必要性を判定して切り換える場合がある。バッファリング処理を行う場合には、ステップS4で、実行される。
一方、ステップS3でバッファリング処理を行わない場合には、前記印刷された印刷済連続用紙は直接、搬送された後、収容される。したがって、用紙のサイズが大きい場合や、用紙の厚さが厚い場合、又は搬送スピードが大きい場合等のバッファリングの必要性がある場合だけ、バッファリングを行い、特にジョブ単位の印刷用紙枚数が少なく、用紙のサイズが小さくて切断回数が多い場合には多数回発生するバッファリングを省略するように切り換えることによって、バッファリングによる印刷停止のための処理速度の低下や、バッファ部で用紙送り不良(ジャム)の発生を防止し、用紙のセットのし直し等の操作者の労力や時間を省いて、高速で、扱いやすい印刷装置を提供することができる。
また、本発明は、図4に示すように、連続用紙の印刷を行う連続用紙印刷手段21と、前記連続用紙印刷手段21によって印刷された印刷済連続用紙について、切断、折り畳み、及び収容等の後処理を行う後処理手段22と、前記連続用紙が切断されるべきカット位置のミシン目を認識するカット位置認識手段23と、認識された前記カット位置のミシン目を挟む前後に空白ページの印刷を指示する空白印刷指示手段24とを有するものでもよい。
上記発明の動作について説明する。連続用紙印刷手段21によって、印刷された連続用紙について、前記カット位置認識手段23は連続用紙が切断されるべきカット位置のミシン目を認識する。すると、空白印刷指示手段24は、認識された前記カット位置のミシン目を挟む前後に、空白ページを印刷するように連続用紙印刷手段21に対して指示する。
したがって、カット位置のミシン目の前後に印刷をしないので、カット位置のずれによって、不揃いで規格外の帳票の発行を防止することができる信頼性のある印刷装置を提供するとともに、スタッカやトレイとの間で擦れて、印刷面が汚れたり、印字が不鮮明になることを防止することができる。
また、本発明は、図5に示すように、連続用紙の印刷を行う連続用紙印刷手段21と、前記連続用紙印刷手段21によって印刷された印刷済連続用紙について、切断、折り畳み、又は収容等の後処理を行う後処理手段22と、前記連続用紙が切断されるべきカット位置のミシン目を認識するカット位置認識手段23と、前記連続用紙のカット位置のミシン目を挟む前後に空白のページを印刷するか否かの設定を行う空白ページ要否設定手段27と、前記空白ページ要否設定手段27によって、空白ページの印刷を設定した場合には、認識されたカット位置のミシン目を挟む前後のページに空白の印刷を指示する空白印刷指示手段26とを有するものでもよい。
上記発明の動作について説明する。連続用紙印刷手段21によって、印刷された連続用紙について、前記カット位置認識手段23は連続用紙が切断されるべきカット位置のミシン目の位置を認識する。前記空白印刷指示手段26は、操作者によって空白ページ要否設定手段27を介して、空白ページの必要性が設定されている場合に限り、前記空白印刷指示手段26は、認識されたカット位置のミシン目を挟む前後のページに空白ページを印刷するようにする。したがって、取引上用いられることのない、資料等の場合には、空白ページを設けないので、用紙を無駄に用いたり、処理時間を徒らに消費することもない。
また、本発明は、図6に示すように、連続用紙の印刷を行う連続用紙印刷手段21と、前記連続用紙印刷手段21によって印刷された印刷済連続用紙について、切断、折り畳み、又は収容等の後処理を行う後処理手段22と、前記連続用紙が切断されるべきカット位置のミシン目を認識するカット位置認識手段23と、検知された前記カット位置のミシン目を挟む前後に空白ページを印刷するか否かの設定を行う空白ページ要否設定手段27と、前記カット位置のミシン目を挟む前後の空白ページ数を設定する空白ページ数設定手段28と、前記空白ページ要否設定手段27によって空白ページの印刷を設定した場合には、前記空白ページ数設定手段28によって、設定されたページ数分の空白ページ数の印刷を指示する空白印刷指示手段29とを有するものでもよい。
上記発明の動作について説明する。本発明では、連続用紙印刷手段21によって、印刷された連続用紙について、前記カット位置認識手段23は連続用紙が切断されるべきカット位置のミシン目の位置を認識する。前記空白印刷指示手段29は、操作者によって空白ページ要否設定手段27を介して、空白ページの必要性が設定されている場合に、前記空白ページ数設定手段28が設定した空白ページ数を、認識されたカット位置のミシン目を挟む前後に印刷するように指示する。したがって、用紙サイズに合わせて、必要最小限の空白ページ数を設定することができる。
また、本発明は、図7に示すように、連続用紙の印刷を行う連続用紙印刷手段31と、印刷済連続用紙を折り畳んで収容する用紙収容手段33と、前記用紙収容手段33の収容限界を超えて用紙が収容されているか否かを検出する収容限界検出手段43と、カット手段32に対して、上位装置又は操作者によって指定された指定枚数毎に印刷済連続用紙の切断の指示を行うとともに、前記収容限界検出手段43によって収容限界であることが検出された場合には、印刷中のページの転写終了時のミシン目に対して切断の指示を行うカット指示手段34と、前記カット指示手段34の指示に従って、印刷済連続用紙を切断するカット手段32と、前記用紙収容手段33の収容限界を越えていることが検出された場合には、前記印刷手段31の印刷中のページの転写が終了した後に印刷動作の停止を指示するページ毎転写終了指示手段35とを有するものでもよい。
上記発明の動作について説明する。前記収容限界検出手段43によって、前記用紙収容手段33の収容限界を越えて用紙が収容されていることが検出されると、前記ページ毎転写終了指示手段15は連続用紙印刷手段31に対し、印刷中のページの転写が終了した後に印刷動作を停止するように指示する。
さらに、前記カット指示手段34は、収容限界であることが検出されると、印刷中のページの転写終了時のミシン目の位置で切断をするように、カット手段32に対して指示を行う。
したがって、操作者が一々用紙収容手段を監視し、満杯になった場合にマニュアルカットスイッチ等を操作する必要がないので、操作者の負担を軽減するとともに、前記ページと転写終了指示手段は、印刷中のページの転写が終了した後に印刷動作を停止するので、そのページ分の印刷が無駄にならない。
また、本発明は、図8に示すように、連続用紙の印刷を行う連続用紙印刷手段31と、印刷済連続用紙を折り畳んで収容する用紙収容手段33と、前記用紙収容手段33の収容限界を超えて用紙が収容されているか否かを検出する収容限界検出手段43と、カット手段32に対して、上位装置又は操作者によって指定された指定枚数毎に印刷済連続用紙の切断の指示を行うとともに、前記収容限界検出手段45によって収容限界であることが検出された場合には、次に来るミシン目に対して切断の指示を行うカット指示手段38と、前記カット指示手段38の指示に従って、印刷済連続用紙を切断するカット手段32と、前記用紙収容手段33の収容限界を越えていることが検出された場合には、直ちに転写の終了を指示する即転写終了指示手段37とを有するものでもよい。
上記発明の動作について説明する。前記収容限界検出手段43によって、前記用紙収容手段33の収容限界を越えて用紙が収容されていることが検出されると、前記即転写終了指示手段37は連続用紙印刷手段31に対し、直ちに転写の終了を指示する。
さらに、前記カット指示手段38は、収容限界であることが検出されると、次に来るミシン目に対して切断の指示を行う。したがって、収容限界であることが検出された場合には、直ちに、転写終了を指示するので、時間的に直ちに、用紙を切断するので、その後の処理に素早く対応することができる。
また、本発明は、図12に示すように、連続用紙を印刷する連続用紙印刷手段31と、帳票の種類に依存したカット態様を指定するカット態様指定手段42と、帳票の種類又はその切換えを検知する帳票切換等検知手段47と、前記帳票切換等検知手段47によって、検知された帳票の種類等に応じて、設定されたカット態様で、前記カット手段32に切断の指示を行うカット指示手段48と、カット指示手段48からの指示によって、印刷済連続用紙を切断するカット手段32とを有するものでもよい。
ここで、「帳票 (forms)」とは、一般的には、プレプリントされ、データの入力又は出力等に用いられる用紙をいい、種々の書類等の形式を持つ用紙を含む。「帳票の種類又はその切換えに依存したカット態様」とは、単に、帳票の種類が切り換わる毎にカットを行う場合に限られず、ある特定の帳票の種類だけに対してカットを行う場合、同一の若しくは異なる種類の複数の帳票の組合せ毎に、又はそのような組合せが切り換えられる毎にカットを行う場合等の種々の場合がある。尚、各発明は任意に組み合わせたものであっても良い。
上記発明に係る印刷装置の動作について説明する。操作者又は上位装置等は、前記カット態様指定手段42によって、帳票の種類、又は、同一の若しくは異なる種類の複数の帳票の組合せに依存したカット態様を指定する。
例えば、帳票の種類が切り換えられる毎にカットを行う場合や、ある複数の帳票の組合せ毎にカットを行う場合や、ある種類の帳票が印刷された場合だけ、その前後をカットする場合等がある。すると、帳票切換等検知手段47は、前記カット態様指定手段42による指定に基づいて、帳票の種類が切り換えられる毎に、ある複数の帳票の組合せ毎に、又は、ある種類の帳票が印刷されている場合を検知する。
カット指示手段48は、当該検知手段47によって検知された帳票の種類等に応じて、設定されたカット態様で、前記カット手段32に対して、切断の指示を行う。したがって、帳票の種類に応じて、種々の態様のカットを指定することができるので、種々の帳票に関する切断を行う際に、操作者による用紙切断の設定の手間を低減し、扱いやすく、切断に間違いのない信頼性のある印刷装置を提供することができる。
以上説明したように、本発明は、カット枚数指定手段を設けることによって、上位装置からの指令とは別個に操作者によって、カット枚数を指定することができる。したがって、操作者が必要に応じて任意のカット枚数を指定することができるとともに、カットを必要とする種々の事態に備えることができる取扱い易い印刷装置を提供することができる。
また、本発明は、カット枚数指定手段を設けるとともに、収容限界検出手段等を設け、操作者がカット枚数指定手段によって、任意のカット枚数を指定することができるとともに、収容限界検出手段によって、収容限界が検出された場合には、指定された枚数に拘わらず、切断を行うようにすることにより、操作者が一々用紙収容手段を監視しなくても、満杯になった場合には自動的にカット手段によって用紙が切断される。そのため、マニュアルカットスイッチ等を操作する必要がないので、操作者の負担を軽減するとともに、操作者は臨機応変にカット枚数を指定することができて便利である。
また、本発明は、カット枚数指定手段を設けるとともに、操作者が一々用紙収容手段を監視することなく、予め、用紙高さ指定手段によって指定された任意の高さに用紙が溜まったことが前記高さ限界検出手段によって検出された場合には、自動的にカットをすることにより、マニュアルカットスイッチ等を操作することなく、操作者にとって運搬可能な量等になるように、用紙の高さを予め指定することによって、用紙の監視、切断又は運搬等の操作者の負担を軽減することができる。
また、バッファリングを切り換えるようにして、不必要な場合には、バッファリングを省略することにより、用紙のサイズが大きい場合や、用紙の厚さが厚い場合、又は搬送スピードが大きい場合等のバッファリングの必要性がある場合だけ、バッファリングを行い、特にジョブ単位の印刷用紙枚数が少なく、用紙のサイズが小さくて切断回数が多い場合には多数回発生するバッファリングを省略するように切り換えることによって、バッファリングによる印刷停止のための処理速度の低下や、バッファ部で用紙送り不良(ジャム)の発生を防止し、用紙のセットのし直し等の操作者の労力や時間を省いて、高速で、扱いやすい印刷装置を提供することができる。
また、バッファリングの必要性を判定する必要性判定手段及び判定結果切換手段を設けることによって、バッファリングの要・不要を自動的に判定することができる。
これによって、操作者が一々判断することなく、バッファリングの要・不要を正確、確実に自動的に判定するので、真に必要でない場合に、バッファリングを行って、無駄に、処理時間を長引かせたり、ジャム等の発生をすることがなく、また、真に必要な場合には、バッファリングを行って、事故や故障の発生を防止することができるので、信頼性のある印刷が可能で、迅速に印刷処理を行うことができる印刷装置を提供することができる。
また、カット位置認識手段を設けて、印刷済の連続用紙のカット位置を自動的に認識し、空白印刷指示手段によって、そのカット位置のミシン目を挟む前後に空白ページを印刷することにより、カット位置のミシン目の前後に印刷をしないので、カット位置のずれによって、不揃いで規格外の帳票の発行を防止することができる信頼性のある印刷装置を提供するとともに、スタッカやトレイとの間で擦れて、印刷面が汚れたり、印字が不鮮明になることを防止することができる。
また、空白ページ要否設定手段を設けることによって、操作者の意思によって、真に空白ページを設ける必要のある場合だけ空白ページを設けることができるようにすることにより、取引上用いられることのない、資料等の場合には、空白ページを設けないので、用紙を無駄に用いたり、処理時間を徒らに消費することもない。
また、操作者が空白ページ数を設定する空白ページ数設定手段を設けることにより、用紙サイズに合わせて、必要最小限の空白ページ数を設定することができる。
また、収容限界検出手段を設けることによって、用紙収容手段に用紙が収容限界を越えて収容されていることを検出すると、カット指示手段に用紙の切断を指示し、ページ毎転写終了指示手段によって、印刷中のページの転写が終了した後に印刷動作の停止を行うようにすることにより、操作者が一々用紙収容手段を監視し、満杯になった場合にマニュアルカットスイッチ等を操作する必要がないので、操作者の負担を軽減するとともに、前記ページと転写終了指示手段は、印刷中のページの転写が終了した後に印刷動作を停止するので、そのページ分の印刷が無駄にならない。
また、前記ページ毎転写終了指示手段の代わりに、即転写の終了を指示する即転写終了指示手段を設けている。したがって、収容限界であることが検出された場合には、直ちに、転写終了を指示するので、時間的に直ちに、用紙を切断するので、その後の処理に素早く対応することができる。
また、カット態様指定手段と帳票切換等検知手段を設けることにより、帳票の種類に応じて、種々の態様のカットを指定することができるので、種々の帳票に関する切断を行う際に、操作者による用紙切断の設定の手間を低減し、扱いやすく、切断に間違いのない信頼性のある印刷装置を提供することができる。
本発明の各実施例に係る印刷装置について、図に基づいて説明する。図13には、本実施例に係る印刷装置の全体機器構成図を示す。
同図に示すように、本実施例に係る印刷装置は、印刷装置50と、後処理装置51とからなる。印刷装置50には、潜像が記録される感光ドラム等の記録担持体52と、前記記録担持体上に光を照射させて潜像を記録する光学ユニット53と、印字データをページ単位で保持するページバッファ54と、前記潜像をトナーによって現像する現像部55と、当該トナー像を紙等の連続媒体に転写させる転写部56と、転写後の担持体上の帯電量を0電位とさせて残トナーを除きやすくする除電帯電器57と、残トナーを取り除くクリーニングブラシ58と、クリーニングフリース59と、担持体を一様にある一定の電圧値に帯電させる前帯電器60と、定着器61と、オートローディングテーブル62と、折り畳みスタッカ63と、ホッパ64とを有する。
また、後処理装置51には、用紙を切断するカッタ65と、用紙を収容するスタッカ66とスタッカ66の下部に設けられたスライドテーブル67とを有する。
印刷装置50のホッパ61にセットされた用紙は、記録担持体52上に形成された像を転写部56で印刷情報が用紙上に転写される。その後、定着器61を通過するこにより用紙に定着され、印刷装置50から外部に出力される。出力された用紙は後処理装置51に入力し、後処理装置51内で、カッタ65によってカット指示があった用紙が通過した場合にカット動作が行われ、その後、用紙はスタッカ66に収容される。
カットされた用紙がスタッカ66内に収容されるとスタッカ66の下部が開き、用紙をスライドテーブル67に落とす。スライドテーブル67は一塊の用紙が区分けしやすいように用紙が落ちると左右にテーブルをスライドさせる。
続いて、第一の実施例を図14〜図18に基づいて説明する。図14には、第一の実施例に係る機器構成概略図を示す。
第一の実施例に係る用紙後処理装置51は、バッファローラ70と、バッファリングの際に風を送るファン71と、用紙ガイド72と、上下方向に移動することによって用紙サイズを調整する段差ローラ73と、バッファリングの際の用紙の弛み量を検知するバッファ部用紙センサ74と、フィードローラ75と、連続用紙の切断を行うカット手段83と、搬送速度を検出するコロセンサ78と、連続用紙を折り畳むために用紙を振るためのスイングガイド79と、折り畳む際に連続用紙を羽で抑える一定方向に回転する羽根車モータ81,82と、スイングガイド部用紙センサ80と、折り畳まれた連続用紙を収容するトレイ66とを有する。
さらに、図15には、第一の実施例に係る機能ブロック図を示す。前記印刷装置(プリンタ装置)50は、キーボード、スイッチ又は表示部が設けられた操作パネル92と、MPU及びプログラム等で構成され、印刷装置50全体に関する種々の制御を行う制御部100及び機構、例えば印刷機構に関する制御を行う機構制御部93と、印刷機構等の各種機構が設けられた機構部94とを有する。操作パネル92には、操作者の指示によってバッファリング処理をするか否かを切り換える前記切換手段15に相当する切換スイッチ97を有する。
また、前記機構部94には、印刷機構98と、印刷装置50で連続用紙の搬送を行う印刷用搬送機構99とを有する。前記後処理装置51には、MPU及びそのプログラム等に相当する制御部90と、バッファリングを行うか省略するかの設定状態を表示する表示部91と、搬送スピード検出器78と、用紙サイズ検出器86と、用紙厚さ検出器87と、機構部95とを有する。
また、前記機構部94には、用紙を折り畳んで収容する用紙収容機構84と、用紙の切断を、上位装置又は操作者の指示で行う用紙切断機構83と、印刷済の連続用紙の切断、折り畳み、且つ収容等を行う後処理の際に連続用紙を搬送する後処理用搬送機構85を有する。
また、前記制御部90には、前記搬送スピード検出器78、用紙サイズ検出器86及び用紙厚さ検出器87によって検出された結果に基づいて、バッファリン処理の必要性を判定する必要性判定部96と、必要性判定部96の判定結果に基づいて、バッファリングを行うか否かを切り換える判定結果切換手段89と、判定結果切換手段89の切換えによって、前記後処理用搬送機構85及び印刷用搬送機構99に対してバッファリング処理を指示し、又は指示しないバッファリング指示手段88とを有する。
ここで、前記必要性判定部96によるバッファリング処理の必要性の判定は、例えば、切換スイッチ97の切換えを最優先とし、次に用紙サイズ検出器86の検出結果、用紙厚さ検出器87、最後の搬送スピード検出器78の検出結果の順に設定された順位に優先度をもたせて判定を行う。
前記必要性判定部96と、切換スイッチ97と、搬送スピード検出器78と、用紙サイズ検出器86と、用紙厚さ検出器87とは、前記必要性判定手段17に相当する。
図16(a)には、前記搬送スピード検出器78であるコロセンサを示す。コロセンサはローラ78aに設けた孔78bを通して発光素子(図示せず)からの光が受光素子(図示せず)に達した場合に生ずるパルス信号の間隔tから搬送スピードを検出するものである(同図b)。
次に、図17に基づいて第一の実施例の動作について説明する。ステップS31で前記用紙切断機構83によって用紙の切断された後、ステップS32で用紙の搬送が開始される。
ステップS33で、前記必要性判定部96は、前記切換スイッチ97の設定、並びに、用紙サイズ検出器86、用紙厚さ検出器87及び搬送スピード検出器78の検出結果を見る。その結果、ステップS34でバッファリング(搬送)処理の必要がありと判断された場合には、ステップS35に進み、バッファリング処理を行ってからステップS36で通常の搬送に戻る。
一方、ステップS34でバッファリング処理の必要なしと判断された場合には、バッファリングの処理を行うことなく、ステップS36で通常搬送を行う。ここで、バッファリング処理の必要ありか否かは、前記必要性判定部96によって、例えば、次のようにして判定を行う。
前記切換スイッチ97がバッファリング処理の「必要性あり」に切り換えられている場合には、搬送スピード検出器78、用紙サイズ検出器86及び用紙厚さ検出器87の検出結果が何であれ、バッファリング処理が必要と判定する。
切換スイッチ97がバッファリング処理の「必要性あり」に切り換えられていない場合には、用紙サイズ検出器86の結果が基準の用紙サイズ以上であることを検出している場合には、バッファリング処理が必要と判定する。これは、用紙サイズが基準の用紙サイズより小さい場合には、バッファリングの回数が増加するので、搬送スピードが極端に遅くなるので、ある程度以上の用紙サイズをもつ場合にのみバッファリングを行うようにするためである。
また、用紙サイズ検出器86の結果が基準の用紙サイズより大きいことを検出している場合には、さらに用紙厚さ検出器87の検出結果を見る。用紙厚さ検出器87が基準の用紙厚さより厚い場合には、バッファリングを必要と判定する。
これは、用紙厚さが薄い場合には折り畳みやすいのでバッファリングを特に行う必要がないからである。用紙厚さ検出器87が基準の用紙厚さ未満であることを検出している場合には、さらに、搬送スピード検出器78の検出結果を見る。
搬送スピード検出器78の搬送スピードが基準の搬送スピード以上の場合には、バッファリングが必要との判定を行い、搬送スピードが基準のスピード以下の場合には、バッファリングは不要との判定を下す。ここで、バッファリング(搬送)処理を、図18に示す。バッファリング搬送処理(ステップS35)は、用紙切断後に、ステップS351で、後処理装置51の搬送を停止する。
すると、連続用紙の先端は、前進しないので、印刷装置の印刷用搬送機構99によって後から搬送された連続用紙は、後処理装置51の段差ローラ73の付近にたまり、連続用紙の弛みのため、当該ローラ73と非接触状態になる。その連続用紙が弛みにより下がり、バッファ部用紙センサ74で検出されるまで弛むと、ステップS353に進み、後処理装置の後処理用搬送機構85が搬送を開始するとともに、プリンタ装置(印刷装置)50の搬送を停止する。これによって、弛んだ連続用紙の先端が進み、折り畳まれて収容されることになる。
この処理は前述した弛みが取り除かれるまで続き、ステップS354で弛みがとれると通常の搬送に戻る。尚、以上の例では、バッファリングの切換えを行う切換スイッチ97、搬送スピード検出器78、用紙サイズ検出器86、及び用紙厚さ検出器87を全て設けたが、1個のみ、又は任意の組み合わせとなるように設けても良い。
さらに、前記切換スイッチ97は印刷装置50のオペレーションパネル92に設けるようにしたが、印刷装置50のプリント板に設けたり、又は後処理装置に設けるようにしても良い。さらに、上位装置からの切換信号によって切り換えるようにしても良い。
また、バッファリングを省略した場合には、前記用紙収容機構84のスイングガイド79の振出しタイミングを、用紙サイズ毎の山谷信号を数えて決めることによって、より確実に用紙を折り畳むことができる。
以上説明したように、第一の実施例では、バッファリング処理は必要な場合だけ行うようにしているので、常にバッファリングを行う印刷装置に比較して、連続用紙の処理の流れが滑らかとなり、用紙処理速度向上させ、印刷の後処理が効率的、且つ高速となる。しかも、バッファリング処理を省略することによって、用紙の搬送に支障を来すこともない。
したがって、特に、1つのジョブで用いられる印刷用紙の枚数が少なくて切断回数が多い場合には、切断毎にバッファリング処理(バッファリング及びトレイフィード)を行う必要があったが、バッファリングを省略することによって、従来ジョブ毎に行っている初期印刷を無くすことによって、処理時間の短縮を図り、処理速度の向上を図ることができる。
また、用紙の種類によっては、バッファリングによって起こる、用紙の縦ジワによるバッファ部で用紙送り不良(ジャム)を防止する。したがって、用紙送り不良が発生する度に、操作者(オペレータ)が用紙のセットのし直しによる労力を節減することができる。
続いて、第二の実施例について図19、及び図20に基づいて説明する。図19に示すように、本実施例は、第一の実施例と同様に、印刷装置50に後処理装置51を接続して用いている。
印刷装置50は、テンキー、スイッチ又は液晶等による表示部が設けられた操作パネル(オペレータパネル)92と、MPU及びプログラム等で構成され、印刷装置全体に関する制御を行う制御部100及び印刷装置の機構、例えば印刷機構等の制御を行う機構制御部93と、印刷機構等の各種機構が設けられた機構部94とを有する。
操作パネル92には、操作者の指示によって、前記連続用紙のカット位置のミシン目を挟む前後に空白のページを印刷するか否かの設定を行う空白ページ要否設定スイッチ102と、前記カット位置のミシン目を挟む前後の空白ページ数を設定する空白ページ数設定スイッチ103とを有する。
さらに、前記機構制御部93には、前記空白ページ要否設定スイッチ103によって空白ページの印刷を設定した場合には、前記空白ページ数設定スイッチ103によって、設定されたページ数分の空白ページを指示する空白印刷指示手段107と、前記連続用紙が切断されるべきカット位置のミシン目を認識するカット位置認識手段104とを有する。
ここで、カット位置認識手段104は、前記制御部93に設けられたカウンタ105,106に基づいてカット位置の認識を行う。また、印刷装置50には、空白ページが出力されたことを示すパトロールランプ101が設けられている。後処理装置51は少なくとも、制御部90と、用紙サイズ検出器86と、機構部95とを有し、機構部95には用紙切断機構83が設けられている。
続いて、第二の実施例の動作について、図20に基づいて説明する。ステップS41で、前記操作パネル92のカット枚数指定スイッチ108によって、カット枚数が指定される。ステップS42で、指定されたカット枚数は、制御部100を介して、機構制御部93に指示される。
ステップS43で機構制御部93に印刷開始が指示される。ステップS44で、機構制御部93からの指示によって、印刷が開始される。ステップS45で、1ページの印刷が終了すると、ステップS46で、印刷枚数を計数するカウンタ105のカウント値CN2 に“1”を加える。
ステップS47で、当該印刷枚数を表すカウント値CN2 が制御部によって指示されたカット枚数を計数するカウンタ106のカウント値CN1 から1 だけ小さい値と一致するか否かを前記カット位置認識手段104が判断する。一致しない場合には、一致するまで、ステップS43〜ステップS46の処理を繰り返す。
一致した場合には、ステップS48に進み、空白ページ要否スイッチ102がオン状態か否かを見る。オン状態になっていた場合にはステップS48に進み、空白ページ数設定スイッチ103によって、用紙サイズ検出器86をチェックした後、操作者は空白ページ数Nを設定する。
ステップS50で、前記空白印刷指示手段107は、前記印刷機構98に対して空白印刷Nページを指示し、空白ページが印刷される。その際、空白ページが出力されたことを示すパトロールランプ101が点灯する。N枚の空白ページが印刷されると、前記CNT2=0 としてステップS43に戻り、以上の処理が繰り返される。
以上説明したように、第二の実施例では、空白ページ要否設定スイッチ102及び空白印刷指示手段107を設けることによって、ミシン目とカット位置とのずれがあった場合でも、カット位置の前後に空白ページを設けるとによって、カット位置のずれた規格外の印刷用紙が取引等に使用されることがなく、取引先等に悪印象を与えることのない、信頼性のある印刷装置を提供することができる。
また、空白ページ数設定スイッチ103を設けることによって、カット位置のミシン目を挟む前後の空白ページ数を設定することができるので、用紙サイズに応じた、適切な空白ページを設定することができる。
さらに、パトロールランプ101に空白ページが出力されたことを操作者等に明確に表示させることができるので、空白ページが出力されたにも拘わらず、通常の印刷ページとして扱う事故を防止することができる。
尚、第二の実施例において、カット位置のミシン目を谷ミシン目又は山ミシン目のどちらか一方の場合のみに、空白ページを印刷するようにして、極力空白ページの印刷を少なくするようにしても良い。
次に、第三の実施例について、図21、22及び図23に基づいて説明する。図21に示すように、本実施例は、第一の実施例及び第二の実施例と同様に、印刷装置50に後処理装置51を接続して用いるものである。
印刷装置50は、キーボード、スイッチ又は表示部が設けられた操作パネル92と、MPU及びプログラム等で構成され、印刷装置全体に関する制御を行う制御部100及び印刷装置の機構、例えば印刷機構等の制御を行う機構制御部93と、印刷機構等の各種機構が設けられた機構部94とを有する。
操作パネル92には、カット枚数を指定するカット枚数指定スイッチ108と、ページ毎の転写終了か、即転写終了かの切り換えを行う転写終了切換スイッチ116とが設けられている。
機構制御部93には、用紙の収容が用紙収容機構84の収容限界を越えていることが検出された場合には、前記印刷機構98の印刷中のページ転写が終了した後に印刷動作の停止を指示するページ毎転写終了指示手段111と、用紙収容機構84が収容限界を超えていることが検出された場合には、直に転写の終了を指示する即転写終了指示手段112と、用紙収容機構84に対して、上位装置又は操作者によって指定された指定枚数毎に印刷済連続用紙の切断の指示を行うとともに、前記収容限界検出手段114によって収容限界であることが検出された場合には、印刷中のページの電車終了時のミシン目に対して切断の指示を行うカット指示手段113とが設けられている。
また、後処理装置51には、MPU及びそのプログラム等に相当する制御部90と、機構部95と、用紙収容機構84の収容限界を超えて用紙が収容されているか否かを検出する収容限界検出手段114とが設けられている。前記機構部95には、用紙を折り込んで収容する用紙収容機構84と、用紙の切断を、上位装置又は操作者の指示で行う用紙切断機構83とを少なくとも有する。
図22には、前記用紙収容機構84の例を示す。図22(a)は、本例に係るトレイを示す。図中、符号79は、用紙を折り畳む際に用紙に揺動を与えるスイングガイド、符号121は、折り畳みの際に用紙を上から押さえるための羽根車、符号120は、重なられた用紙の上方に設けられ、用紙が一定時間以上遮ることによって収容限界を検出するトレイフルセンサである。
図22(b)は、本例に係るスタッカを示す。スタッカは、用紙が蓄積される底が固定されているトレイと異なり、用紙が蓄積される底であるスタッカテーブル123がステッピングモータによって上下動可能に設けられている。
その上下動は、用紙の上限が一定の高さに位置するように制御される。図中、符号122は、用紙の上限を一定の高さに制御するために、その用紙の上限を検出する前記高さ限界検出手段に相当するスタッカフルセンサを示す。
続いて、第三の実施例に係る動作を図23に基づいて説明する。ステップS61で、印刷装置50が後処理装置51への紙送りが指示される。
ステップS62で、カッタ装置(用紙切断機構)83にスタッカフルセンサ122からスタッカフル信号があった場合には、印刷装置50のカット指示手段113は、ページ毎転写終了指示手段111又は即転写終了指示手段112によって、転写を終了させて、後処理装置51への紙送りを停止させる。
ステップS64で前記カット指示手段113がカッタ装置(用紙切断機構)83に切断を指示する。ステップS65で、カッタ装置84からのカット終了通知を受信すると、前記印刷装置50は、ステップS66でカッタ装置83(後処理装置51)に紙送りを指示する。
尚、以上の例では、ページ毎転写終了指示手段111及び即転写終了指示手段112の両方、並びに転写終了切換スイッチ116を設けているが、ページ転写終了指示手段111又は即転写終了指示手段112の一方のみを設けるようにしても良い。
また、後処理装置51に表示部91を設けて、又は、操作パネル92中の画面等にカット動作中であることを表示するようにしても良い。さらに、前記カット枚数指定スイッチ108を設けなくても良い。さらに操作パネル92に設けた表示部にカット枚数を表示するようにしても良い。
本実施例にあっては、用紙収容機構であるトレイ又はスタッカの用紙が満杯になった場合には、当該印刷中のページの転写が終了した時点で、又は、直ちに印刷を自動的に停止し、印刷中のページの次のミシン目で、又は、印刷を即座に停止した時点の直後にくるミシン目で、カット動作を行うことによって、印刷を再開する迄を人手によらず自動的に処理を行うことによって、操作者の負担を軽減することができる。
続いて、第四の実施例について、図24〜図28に基づいて説明する。図24に示すように、本実施例に係る印刷装置50は、制御部100と、オペレータパネル92と、機構制御部93と、機構部94とを有する。
前記オペレータパネル92には、操作者によってカット枚数を指定するカット枚数指定スイッチ108と、カット枚数が表示される液晶画面(図示せず)とが設けられている。
また、前記機構制御部93には、印刷制御部153と、電源断後の再IPL後に以前に設定された値を保持できる格納域162と、文字情報の解析、又はBMM展開処理を行う展開処理部154と、BMM(ビットマップメモリ)156とを有する。
さらに、前記印刷制御部153には、印刷機構によって印刷された印刷枚数を計数し、指定されたカット枚数に達すると、それまでの計数結果が消去される印刷枚数計数手段160と、指定されたカット枚数に従って、前記印刷枚数計数手段160の計数結果がカット枚数に合致した場合には前記用紙切断機構83に対して切断指示を行う一方、収容限界検出手段である上限検出センサ158によって、収容限界が検出された場合には、指定されたカット枚数に拘わらず、前記切断機構83に対して切断指示を行うカット指示手段161とを有する。
後処理装置51には、用紙切断機構83と、カッタ制御部157が設けられた制御部90と、用紙収容機構84の用紙スタッカ163に収容されている用紙がその収容限界である上限を越えているか否かを検出する上限検出センサ158と、印刷済連続用紙を折り畳んで収容する用紙収容機構84とを有する。また、ホストコンピュータ140は、印刷装置に対し、文字データ又は制御データを送出することによって、印刷等の指示を行うものである。
次に、第四の実施例に係る印刷装置の動作について、図25、図26及び図27に基づいて説明する。ホストコンピュータ140からのデータは、印刷装置50内の制御部(図示せず)にて、文字データか、それ以外の制御データかに分けられ、制御データ(情報)は、印刷制御部153に送られ、文字データは展開処理部154に送られる。展開制御部154では印刷制御部153からの指示に基づき、BMM156上にBMM展開を行う。
展開処理部154は、1ページ分のデータが完成した時点で印刷制御部153に対して、ページ完成通知を行い、印刷制御部153は、機構部94に対して起動をかける。この時、依頼したページにホストコンピュータ140からのカット指示がある場合には、前記後処理装置51のカッタ制御部157に対し、カット次ページの起動を行ったことを通知する。印刷装置50と後処理装置51の用紙長は、固定長とするため、カッタ制御部157はカット指示があった時点で、何ページ後にカットを行うページが来るかを把握することが可能である。印刷された用紙は後処理装置に導かれ、カット指示の付加されたページが用紙切断機構83を通過した時点でカット動作が行われる。
また、カッタ制御部157は、カット指示の付加され、切断されたページがスタッカ163内に入った時点で、下部を開き、スライドテーブル159上に用紙を落とす。次にカッタ制御部157は、印刷物の区切れが判るようにスライドテーブル159のスライドを行うように依頼する。
ところで、本実施例では、ホストコンピュータ140からの指示による用紙の切断の他に、図25に示すように、操作者が、任意にカット枚数を指定することが可能であり、指定された枚数に従っても用紙の切断が行われる。
図25に示すように、ステップS70で、オペレータパネル92の何らかのキーが押下されると、パネル割込み処理部に信号が割り込み、パネル処理が起動される。
まず、ステップS71で、印刷装置50が停止状態か否かの判断がされる。停止状態の場合には、オペレータパネル92の液晶画面には、例えば、「スタートスイッチを押して下さい。カット枚数は2500枚」が表示されるとともに、ステップS73で、前記カット枚数指定スイッチ108が押下されたか否かを判断する。
カット枚数指定スイッチ108が押下されたと判断した場合には、新たに追加したカット枚数設定モードフラグを判定し、OFFの場合には、ステップ75で、当該カット枚数設定フラグをON状態として、印刷装置50のモードをカット枚数設定モードに変更する。
ステップS76で、不揮発性メモリ内の格納域162のカット枚数格納情報をワーク域に蓄積し、ステップS77で、液晶パネル上のカット枚数の最上位の数字を反転表示して、処理が終了する。
一方、ステップS81で、カット枚数設定モード中にテンキーの入力があると、ステップS82に進み、ワーク域に、入力された値を書き込み、ステップS83で液晶パネル上に入力された文字を書き、ステップS86で、下位の位の数字を反転表示する。即ち、最初に設定したカット枚数が、例えば2500枚の場合、千の位の「2」を「1」に変更して、1500枚に修正するため、千の位に対して「1」のテンキーの入力があった場合には、その下位の「5」の数字が反転表示される。
ステップS84で、入力された桁が最下位の場合と判断された場合には、ステップS85で、最上位の数字を反転表示する。尚、カット枚数設定モード中に再びカット枚数指定スイッチ108が押下された場合、ワーク域の値をカット枚数格納域に書き込み、カット枚数設定モードフラグをOFFにするとともに反転表示を元に戻す。また、カット枚数設定モードフラグのIPL直後の初期値はOFFである。
図26には、パネル上から設定されたカット枚数でカットを行うための際の前記印刷制御部153の動作を示す。ステップS91で、前記展開処理部154からページ完成通知があったか否かを判断し、通知があった場合には、ステップS92に進み、前記印刷枚数計数手段(カウンタ)160のカウント値に1を加える。
ステップS93で、前記カット指示手段161は、指定されたカット枚数を格納した格納域162の値を読み出す。ステップS94で、指定されたカット枚数の値と、印刷枚数カウンタ値との比較を行う。等しい場合には、ステップS95に進み、カッタ制御部157にカット指示を行い、ステップS96で印刷枚数カウンタ値を消去する。
一方、指定されたカット枚数の値と印刷枚数カウンタ値との値が等しくない場合には、処理を終了し、次のページ完成通知を待つ。図27には、図26に後処理装置の上限検出センサ158からのスタック上限を越えた時の情報を印刷装置50に入力することができる場合の例を示す。
ステップS91で、ページ完成通知がない場合には、ステップS100で、前記印刷制御部153のカット指示手段161は、前記用紙収容機構84のスタッカ163のスタック上限を越えたか否かを、前記上限検出センサ158に基づいて判断する。
スタッカが上限を越えたと判断した場合には、ステップS101に進み、カッタ制御部157を介して用紙切断機構83に切断の指示を行う。ステップS102で、前記印刷枚数計数手段160のカウンタ値が消去され、処理を終了する。
尚、図28には、前記用紙収容機構84に設けられたスタッカ163を示す。図中、符号164は、スタッカ下部の開閉可能な底蓋であり、符号158は、フォトセンサを用いた上限検出センサであり、符号165は、当該上限検出センサ158が設けられたセンサ支持体である。
用紙が蓄積される前記スタッカ163の底を、ステッピングモータ等によって上下動可能に設け、当該底に連動して上下動可能にセンサ支持体165の下端を底に取り付けることによって、前記上限検出センサ158は用紙の重なりの高さを検出することができる。前記上限検出センサ158は、一定時間光が遮られた時に、カッタ制御部157を介して印刷制御部153に通知を行うようにしている。
以上説明したように、本実施例にあっては、オペレータパネルにカット枚数指定スイッチ108、機構制御部に格納域162、印刷枚数計数手段160等を設けることによって、上位装置であるホストコンピュータ140と印刷装置50間で、カット指示のコマンドが定義されていない場合でも、操作者によって、指定したページでカットを行うことが可能になり、操作者による用紙切断の手間を軽減し、操作者にとって扱い易い印刷装置を提供することができる。
次に、第五の実施例に係る印刷装置を図29〜図35に基づいて説明する。図29には、本実施例に係る印刷装置50、後処理装置51及びホスト140を示す。
本実施例に係る印刷装置50は、図29に示すように、制御部100と、オペレータパネル92と、機構制御部93と、機構部94とを有する。制御部100には、上位装置であるホスト140から発行される帳票付加コマンド等の解析を行うコマンド解析部170が設けられている。
オペレータパネル92には、帳票の種類に依存する所定のカット態様でカットを行うか否かを指定するカット指定入力スイッチ168と、種々の表示が可能な液晶画面(図示せず)とを少なくとも有する。ここで、カット指定入力スイッチ168はカット態様指定手段42に相当する。ここで、「所定の」としては、予め定めた場合、又は操作者等によって任意に指定できる場合がある。
また、前記機構制御部93には、印刷制御部153と、電源断後の再IPL後に以前に設定された値を保持することができるカット指定格納域169と、文字情報の解析、BMM展開又はオーバレイのBMM展開処理を行う展開処理部154と、BMM156と、オーバレイ用BMM172、オーバレイデータメモリ171とを有する。
さらに、前記印刷制御部153には、帳票の種類若しくはその切換を検知する帳票切換等検知手段167と、前記帳票切換等検知手段167によって、検知された帳票の種類等に応じて、設定された態様で、前記用紙切断機構83に切断の指示を行うカット指示手段166とを有する。
また、前記展開処理部154には、オーバレイシーケンス制御バッファ173とページバッファ174とを有する。ここで、「オーバレイ」とは、帳票を意味する。前記帳票切換等検知手段167は、上位装置であるホスト140から発行され、実際にオーバレイを印刷文字データに付加するための制御コマンドである帳票付加コマンドに基づいて帳票(オーバレイ)の種類や、同一の若しくは異なる種類の複数の帳票の組合わせ、又はこれらの切換を検知する。
帳票付加コマンドには、例えば、次のようなものがある。
1)オーバレイコントロールコマンド1
図30(a)に示すように、そのデータ形式は、所定の帳票の組合わせについて、その枚数と、オーバーレイの有無を示すデータ(X'00' →オーバレイ印刷なし、X'00' 以外→最後にオーバレイ登録コマンドによって登録されたオーバレイパターンを印刷する) のセットからなっている。例えば、オーバレイコントロールコマンド1のデータをX'02FF0200' とすれば、1セット目はコピー2枚、オーバレイ有り、2セット目はコピー2枚、オーバレイ無しとなる。そこで、図30(b)に示すように、オ−バレイパターンを定め、1ページ目の文字データを「あいう」、2ページ目のデータを「かきく」とすると、図30(c)に示す印刷が行われる。
2)オーバレイコントロールコマンド2
図31(a)に示すように、そのデータ形式は、コピー枚数、オーバレイシーケンス(ID名)からなる。
図31(b)には、オーバレイコントロールコマンド2 の場合を示す。例えば、当該コマンドのデータをX'00050A0B0C0C00' とすれば、コピー枚数が5枚を意味し、さらに、オーバレイシーケンスとしては、オーバレイID=0A,オーバレイID=0B,オーバレイID=0C、オーバレイID=0C 、オーバレイ無しであることを意味する。1ページ目のデータを「あいう」、2ページ目のデータを「かきく」とする。
前記コマンドのデータに従い、1 ページのデータを5枚複写し、それぞれのページをオーバレイシーケンスに基づき、オーバレイ指示があればその旨の情報を付加し描画指示が行われる。
続いて、第五の実施例の動作について説明する。ホスト140からのオーバレイコントロールコマンド1,2 等の帳票付加コマンドが発行されると、当該コマンドのデータは、前記コマンド解析部170で、展開処理部154内、オーバレイシーケンス制御バッファ173に格納される。
次に、文字印刷データが来ると、やはり、コマンド解析部170にて、コマンドの解析を行った後、文字データは展開処理部154のページバッファ174に格納され、制御データを印刷制御部153に通知する。展開処理部154は、印刷制御部153の指示に基づき一行毎の文字データを解析し、BMM156上に展開を行う。展開を行ったデータが1ページ分完成した時点で、印刷制御部153にページ完成通知を行う。
また、展開処理部154は展開しているページにオーバレイデータが有るか否かの判断をオーバレイシーケンス制御バッファ173を参照して行い、有る場合には、オーバレイデータメモリ171内の情報を使い、オーバレイ用BMM172への展開処理を行う。印刷制御部153は、機構部94に起動を掛ける際、オーバレイシーケンス制御バッファ173のデータに基づきオーバレイデータ付きの有無、複数枚の起動指示を行う。
機構部94はオーバレイデータ無しの場合は、BMM156のデータを基に描画を行い、オーバレイデータ有りの場合には、BMM156のデータと、オーバレイ用BMM172のデータの論理和をとって描画を行う。続いて、オペレータパネル92のカット指定入力スイッチ168によって、帳票切換時等に切断を行うか否かを指定する。
図32に第五の実施例に係るカット指定処理(カット指定入力処理)を示す。ステップS110で、オペレータパネル92の何らかのキーが押下されると、パネル割込み処理部に信号が割り込み、パネル処理が起動される。
まず、ステップS111で、印刷装置(プリンタ)が停止状態か否かの判断がされる。停止状態の場合には、オペレータパネル92には、例えば、「スタートスイッチを押して下さい。カット指定は有効中」の表示がされるとともに、ステップS112で、前記カット指定入力スイッチ168が押下されたか否かを判断する。
カット指定入力スイッチ168が押下されたと判断した場合には、新たに追加したカット指定設定モードフラグをステップS113で、ON状態として、印刷装置50のモードをカット指定設定モードに変更し、ステップ114で前記オペレータパネル92に設けられた液晶表示のメッセージをカット指定設定モードに変更する。この場合、液晶表示として、例えば「無効にしたい場合には『0』を押下、有効にしたい場合には、『1』を押下する」ことを画面上に表示させる。
ステップS115で、カット指定設定モード中にテンキー入力(押下)があった場合、不揮発メモリであるカット指定格納域169内に指示を格納する。その際、そのキー入力が「0」又は「1」以外の場合には、不揮発メモリ内に対する処理を行わず、「1」押下の場合には、不揮発性メモリ内の領域にカット指示有りとして「1」を入れ、ステップS118に進み、オペレータパネルの表示を1)とする。
「0」押下の場合には、不揮発性メモリ内の領域にカット指示無しとして「0」を入れ、ステップS119に進み、オペレータパネルの表示を2)として、ステップS120に進み、カット指定モード設定中のフラグをOFFとして処理を終える。尚、カット指定設定モードフラグのIPL直後の初期値はOFFである。
図33は、前述したオーバレイコントロールコマンド1 が発行された場合の前記印刷制御部153の動作を示す。
ステップS130で、前記帳票切換等検知手段167に相当する部分は、展開処理部154から印刷制御部153にページ完成通知があると、ステップS131で、オーバレイコントロールコマンド1 が発行されたか否かを判断する。オーバレイコントロールコマンド1 の発行があったか否かは、オーバレイシーケンス制御バッファ173内の情報が空であるか否かで判断する。
オーバレイコントロールコマンド1 の発行があった場合には、ステップS133に進み、オーバレイ付きの印刷か否かを判断する。オーバレイ付き印刷の場合には、ステップS133に進み、機構部94に対して、オーバレイ付きで起動をかけ、オーバレイ付き印刷でない場合には、ステップS134に進み、機構部94に対し、オーバレイなしで起動をかける。
ステップS135に進み、オーバレイシーケンス制御バッファ173内のシ−ケンスを参照し、第2セットが0でないか否かを判断することによって、次の第2セットがあるか否かを判断する。
第2セットがない場合には、ステップS142に進み、前記カット指示手段166に相当する部分は、カット指示が有効か否かを判断し、有効な場合には、ステップS143に進み、カット指示をカッタ制御部157に対し行う。
一方、第2セットがある場合には、ステップS136に進み、コピー枚数をワク域に蓄積する。
ステップS137〜ステップS141は、1セット目のステップS132〜ステップ143と同様な処理を行い(ステップS135に相当する処理がないのは図30に示すように、最大2セットまでだからである)、機構部94に対する起動を行い、指示後にカット指示有効か否かの判定を行い、有効の場合は、カット制御部157へカット指示を行う。
この場合、前記カット指定入力スイッチ168によるカットの指定が行われる帳票の切換えは、2セット毎に、即ち、図30では、上から4枚目で切断が行われることになる。
図34は、前述したオーバレイコントロールコマンド2 が発行された場合の、印刷制御部153の動作を示す。
ステップS150で、前記帳票切換等検知手段167に相当する部分は、展開処理部154から印刷制御部153にページ完成通知があると、ステップS151で、オーバレイコントロールコマンド2 が発行されたか否かを判断する。オーバレイコントロールコマンド2 の発行があったか否かは、オーバレイシーケンス制御バッファ173内の情報が空であるか否かで判断する。
ステップS151で、オーバレイコントロールコマンド2 の発行があったと判断された場合には、ステップS152に進み、コピー枚数をループカウンタにセットする。
ステップS153で、オーバレイシーケンス制御バッファ173内のIDを先頭から読み出すため、ID検索用カウンタを0とおく。ステップS154で前記ループカウンタが0となるまで、以下の処理を繰り返す。
ループカウンタが0でないならば、ステップS155に進み、ID検索用カウンタのIDを検索する。ステップS156でオーバレイIDが0ならば、ステップS157に進み、オーバレイなしで前記機構部94に対し、起動をかける。ステップS156でオーバレイIDが0でないならば、ステップS158に進み、オーバレイ付きで機構部94に対し、起動をかける。ステップS159でID検索用カウンタを+1し、ステップS160で、ループカウンタを−1することによって、ステップS154に戻る。このようにして処理を繰り返し、ステップS154でループカウンタが0となってループを抜けた段階で、ステップS161に進み、カット指示が有効か否かが判断される。
カット指示が有効の場合には、ステップS162でカッタ制御部157に対しカット指示が行われる。図31(b)の例の場合、前記カット指定入力スイッチ168によるカットの指定は、上から5枚目の帳票と6枚目の帳票との間である。
尚、本実施例で示したカット態様は、一例にすぎず、種々のカット態様がありうる。本実施例によって、帳票の種類に応じて、複雑なカットを指定することができるので、操作者による用紙切断の手間を低減し、扱いやすく、切断の間違いのない信頼性のある印刷装置を提供することができる。
尚、以上の各例では、印刷装置と後処理装置とが別個に設けられ、接続して用いる場合について説明したが、当該場合に限られず、印刷装置内に、後処理を行う機能を有する部分を設けるようにしたものでも良い。また、以上の各実施例は、任意に組み合わせることができる。従って、全ての実施例を組み合わせた印刷装置であっても良い。