JP2004104528A - 無線機 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナ特性とEMI特性の両立が可能な折り畳み型の無線機を提供する。
【解決手段】接続手段301は、その一端が回路基板202のグラウンドパターン(GND)に接続され、他端は筐体1内で回路基板201のグラウンドパターンに近接して対峙するものの、間隙302により回路基板201のグラウンドパターンには電気的に接続されていない。回路基板201と回路基板202は、配線手段400により、グラウンドパターンを除く信号線が電気的に接続されている。このように、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続しないことにより、回路基板202に生じる、アンテナ100上を流れる電流と逆相の電流を、低減するようにしたものである。
【選択図】 図2
【解決手段】接続手段301は、その一端が回路基板202のグラウンドパターン(GND)に接続され、他端は筐体1内で回路基板201のグラウンドパターンに近接して対峙するものの、間隙302により回路基板201のグラウンドパターンには電気的に接続されていない。回路基板201と回路基板202は、配線手段400により、グラウンドパターンを除く信号線が電気的に接続されている。このように、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続しないことにより、回路基板202に生じる、アンテナ100上を流れる電流と逆相の電流を、低減するようにしたものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば携帯電話システムやPHS(Personal Handyphone System)をはじめとする種々の移動通信で用いられる携帯型の無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話システムやPHSをはじめとする種々の移動通信で用いられる、ストレート型の筐体3を持つ携帯型の無線機を図26に示す。
この図のように、従来の携帯型の無線機は、アンテナ100として、小型化のためにλ/4型のモノポールアンテナが使用されている。このような無線機は、アンテナ100上だけでなく、回路基板200上に電流を流すことで放射効率を上げている。
【0003】
近時、携帯電話システムやPHSで使用される移動無線端末装置にあっては、表示部で種々の情報を表示することを可能としており、このような無線機にあっては、図26に示した前後方向に強く放射する、8の字型の放射パターン特性が好まれる。
【0004】
ところが、通信に使用する無線信号の周波数が高く、回路基板200が長い場合には、図27に示すように、アンテナ100上に流れる電流と逆相の電流が回路基板200上に生じる。
【0005】
このように、回路基板200上に逆相の電流が生じると、図5に示すように、垂直面内の放射パターンにおいて前後方向に落ち込みが発生し、放射特性が劣化して4つ葉型の放射パターンになる。
【0006】
これを改善するために、従来の移動無線端末装置では、回路基板の一部にスリットを挿入することで逆相電流を低減する手法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
ところで、折り畳み型の無線機にあっては、折り畳み部分を境にして、図28に示すように、2つの回路基板201,202に別れている。そして、これらの回路基板201と202は、例えばケーブルなどの接続手段300により信号線やグラウンドパターン(GND)が接続されている。
【0008】
このように、2つの回路基板201,202のグラウンドパターンを接続すると、両者のグラウンドパターンに、互いに位相が反転した電流が流れる場合がある。この様子を図29に示す。
【0009】
このように、2つの回路基板201,202のグラウンドパターンに、互いに位相が反転した電流が流れると、図5に示したように、垂直面内の放射パターンが4つ葉型になり、前後方向付近に落ち込みが見られる。この落ち込みの発生により、水平面内付近での放射利得が劣化する。なお、逆相電流の量は、接続手段300の長さや形状にも依存する。
【0010】
図30に、ある回路基板長の折り畳み型の無線機と、回路基板長を変化させた場合におけるストレート型の無線機との前後方向付近に発生する落ち込みの相対強度を示す。
この図に示すように、ストレート型では回路基板の長さが長くなるにつれて落ち込みが大きくなり、ある程度大きくなった後、若干落ち込みが小さくなる傾向を示す。これは放射パターンが8の字型から4つ葉型に変化した後、6つ葉型に変化するためである。折り畳み型も同様な傾向を示す。
【0011】
図31に、ある回路基板長の折り畳み型の無線機と、回路基板長を変化させた場合におけるストレート型の無線機とのPAG(パターン平均化利得)の変化を示す。ストレートタイプの場合は回路基板長が長くなるほどPAGが減少する。一方、折りたたみ型の場合にも4つ葉型の放射パターンになるためPAGが減少する。
折り畳み型の無線機にあっては、図28に示したように、2つの回路基板201,202に別れているため、スリットを挿入する手法を適用することができない。また、スリットを挿入するにしても、2つの回路基板の一部を接続していなければならないため、スリットの挿入の仕方には制限がある。
【0012】
さらに、単にスリットを挿入しただけではアンテナの放射特性が改善されても、EMI(Electro Magnetic Interference)特性が悪化することが予想される。これは、スリットを跨いで、2つの回路基板間を結ぶ配線上を信号が通過する際に、コモンモード電流が流れてEMIが増加することに起因する。
【0013】
以上のように、従来の折り畳み型の無線機にあっては、アンテナ特性とEMI特性の両立が困難であるという問題があった。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−88209号公報(第4頁、図1)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来の折り畳み型の無線機にあっては、アンテナ特性とEMI特性の両立が困難であるという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、アンテナ特性とEMI特性の両立が可能な折り畳み型の無線機を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、一端が前記第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段とを具備して構成するようにした。
【0017】
上記構成の無線機では、その一端は第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は、第1の回路基板の電気回路のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段を備えるようにしている。
【0018】
したがって、上記構成の無線機によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板のグラウンド線との間を電流が流れにくくなり、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止できる。
【0019】
また上記の目的を達成するために、請求項2に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、RF帯域の信号を制御するものであって、一端が第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続されるフィルタリング手段とを具備して構成するようにした。
【0020】
さらに、請求項3に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、RF帯域の信号を制御するフィルタリング手段と、一端が第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端はフィルタリング手段を介して第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段とを具備して構成するようにした。
【0021】
そして、請求項5に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、一端が第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は、第1の回路基板に設けられ、第1の回路基板に設けられた電気回路に接続されないグラウンド線に電気的に接続される接続手段と、RF帯域の信号の通過を制限するものであって、接続手段が接続される第1の回路基板のグラウンド線と、第1の回路基板に設けられた電気回路に接続されるグラウンド線とを電気的に接続するフィルタリング手段とを具備して構成するようにした。
【0022】
上記構成の無線機では、第2の回路基板のグラウンド線と、電気回路が実装される第1の回路基板のグラウンド線とを、RF帯域の信号の通過を制御するフィルタリング手段で電気的に接続するようにしている。
【0023】
したがって、上記構成の無線機によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板のグラウンド線との間を流れる電流成分の内、RF帯域の成分が制御されるので、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止できる。
【0024】
また、請求項6に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、一端が第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は第1の回路基板に設けられた第1のグラウンド線に電気的に接続される接続手段とを備え、第2の回路基板は、第1のグラウンド線と電気的に接続されない第2のグラウンド線を備えるようにした。
【0025】
上記構成の無線機では、その一端は第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は、第1の回路基板の電気回路の第2のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段を備えるようにしている。
【0026】
したがって、上記構成の無線機によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板の第2のグラウンド線との間を電流が流れにくくなり、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
まずこの発明の第1の実施形態に係わる無線機について説明する。図1および図2は、その構成を示すものである。これらの図では、無線機の構成のうち、主として、無線電波の放射パターンに影響する構成について示すことにする。
【0028】
この無線機は、二つ折りの折り畳み式構造となっており、筐体1と筐体2とからなり、これらはヒンジなどにより回動自在に結合されている。
図1に示すように、筐体1には、アンテナ100と、回路基板201とを備えるほかに、LCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部(図示しない)などを備える。
【0029】
アンテナ100は、λ/4型のモノポールアンテナであり、回路基板201上の電気回路から無線信号が給電されている。なお、λは、回路基板201の動作周波数における波長を示すものである。
【0030】
筐体2には、回路基板202を備えるほかに、テンキーやマルチファンクションキーなどのキー入力手段や、バッテリ、電源回路、イヤホンマイク端子(いずれも図示しない)などを備える。
【0031】
回路基板201、202は、無線による音声通信やデータ通信、画像表示を実現するための構成として、CPU(Central Processing Unit)やメモリ、無線回路などの電気回路を実装する。
【0032】
接続手段301は、例えばFPC(Flexible Print Circuit)などのフラットケーブルであって、その一端が回路基板202のグラウンドパターン(GND)に接続され、他端は筐体1内で回路基板201のグラウンドパターンに近接して対峙するものの、間隙302により回路基板201のグラウンドパターンには電気的に接続されていない。
【0033】
そして、回路基板201と回路基板202は、図2に示すように、FPCなどのフラットケーブルからなる配線手段400により、グラウンドパターンを除く信号線が電気的に接続されている。
【0034】
配線手段400の両端には、コネクタ401,402が設けられる。コネクタ401は、回路基板201と電気的・物理的に接続するためのもので、コネクタ402は、回路基板202と電気的・物理的に接続するためのものである。
【0035】
そして、配線手段400は、当該無線機の前後方向から見て、できるだけ接続手段301に重なる面積が大きくように設け、なおかつ接続手段301の中央部と重なることが好ましい。
【0036】
以上のような構成の無線機では、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとが電気的に接続されないので、両グラウンドパターン間を電流が流れにくい。
これにより、図3の模式図に示すように、回路基板202に生じる、アンテナ100上を流れる電流と逆相の電流は、従来に比べて著しく低減される。
【0037】
このため、上記構成の無線機は、垂直面内の放射パターンは、図4に示すように8の字型になる。この図に示すように、逆相電流の発生を抑制したことで、従来の放射パターン(図5参照)に比べて、前後方向付近の落ち込みが改善する。
【0038】
図6に、回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と折り畳み型の無線機の前後方向付近の相対強度を示す。また、折り畳み型については、従来の無線機と上記構成の無線機とについて示す。
【0039】
この図に示すように、上記構成の無線機(実線)は、従来の無線機(破線)と比べて、前後方向付近の落ち込みが改善していることが分かる。なお、一点鎖線は、ストレート型の無線機の特性を示す。
【0040】
図7に、回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と折り畳み型の無線機のPAG(パターン平均化利得)の変化を示す。また、折り畳み型については、従来の無線機と上記構成の無線機とについて示す。
【0041】
この図に示すように、PAGについても、上記構成の無線機(実線)は、従来の無線機(破線)と比べて改善していることが分かる。なお、一点鎖線は、ストレート型の無線機の特性を示す。
【0042】
また、この上記構成の無線機では、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続しないものの、回路基板202のグラウンドパターンに電気的に接続される接続手段301を、回路基板201のグラウンドパターンに近接させ、なおかつ上記接続手段301を配線手段400と重なるような位置に配設するようにしている。
【0043】
このため、回路基板201のグラウンドパターンと回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続しないことに起因するEMI特性の劣化を抑制することができる。
【0044】
次にこの発明の第2の実施形態に係わる無線機について説明する。図8および図9は、その構成を示すものである。これらの図では、無線機の構成のうち、主として、無線電波の放射パターンに影響する構成について示すことにする。
【0045】
この無線機は、二つ折りの折り畳み式構造となっており、筐体1と筐体2とからなり、これらはヒンジなどにより回動自在に結合されている。
図8に示すように、筐体1には、アンテナ100と、回路基板201とを備えるほかに、LCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部(図示しない)などを備える。
【0046】
アンテナ100は、λ/4型のモノポールアンテナであり、回路基板201上の電気回路から無線信号が給電されている。なお、λは、回路基板201の動作周波数における波長を示すものである。
【0047】
筐体2には、回路基板202を備えるほかに、テンキーやマルチファンクションキーなどのキー入力手段や、バッテリ、電源回路、イヤホンマイク端子(いずれも図示しない)などを備える。
【0048】
回路基板201、202は、無線による音声通信やデータ通信、画像表示を実現するための構成として、CPU(Central Processing Unit)やメモリ、無線回路などの電気回路を実装する。
【0049】
接続手段301は、例えばFPC(Flexible Print Circuit)などのフラットケーブルであって、その一端が回路基板202のグラウンドパターン(GND)に接続され、他端は他端は筐体1内で回路基板201のグラウンドパターンに近接して間隙302を介して対峙し、フィルタ303を介して回路基板201のグラウンドパターンには電気的に接続される。
【0050】
フィルタ303は、例えばチップ部品によるインダクタであって、アンテナ100で使用されるRF帯域でインピーダンスが高くなるような低域通過フィルタである。
【0051】
そして、回路基板201と回路基板202は、図9に示すように、FPCなどのフラットケーブルからなる配線手段400により、グラウンドパターンを除く信号線が電気的に接続されている。
【0052】
配線手段400の両端には、コネクタ401,402が設けられる。コネクタ401は、回路基板201と電気的・物理的に接続するためのもので、コネクタ402は、回路基板202と電気的・物理的に接続するためのものである。
【0053】
そして、配線手段400は、当該無線機の前後方向から見て、できるだけ接続手段301に重なる面積が大きくように設け、なおかつ接続手段301の中央部と重なることが好ましい。
【0054】
以上のような構成の無線機では、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとが、RF帯域でインピーダンスが高くなるフィルタ303を介して電気的に接続されるので、両グラウンドパターン間を流れる電流の内、高周波成分が抑制できる。
これにより、図10の模式図に示すように、回路基板202に生じる、アンテナ100上を流れる電流と逆相の電流は、低インピーダンスなもので接続する従来に比べて著しく低減される。
【0055】
このため、上記構成の無線機は、垂直面内の放射パターンは、図4に示すように8の字型になる。この図に示すように、逆相電流の発生を抑制したことで、従来の放射パターン(図5参照)に比べて、前後方向付近の落ち込みが改善する。
【0056】
また、回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と折り畳み型の無線機の前後方向付近の相対強度については、図11に示すように、上記構成の無線機(二点鎖線)は、従来の無線機(破線)や第1の実施形態の無線機(実線)と比べて、前後方向付近の落ち込みが一層改善していることが分かる。なお、一点鎖線は、ストレート型の無線機の特性を示す。
【0057】
そして、回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と折り畳み型の無線機のPAG(パターン平均化利得)の変化については、第1の実施形態と同様に、上記構成の無線機は、PAGが従来の無線機と比べて改善される。
なお、図12に示すように、フィルタ303のインダクタンスを適度な値に調節することにより、PAGを増加させることが可能である。
【0058】
また、この上記構成の無線機では、接続手段301とフィルタ303により、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続し、なおかつ上記接続手段301を配線手段400と重なるような位置に配設するようにしている。
【0059】
このため、図13に示すように、従来の無線機(一点鎖線)や第1の実施形態の無線機(破線)と比べ、上記構成の無線機(実線)は、さらにEMI特性の劣化を最小限に抑制することができる。
【0060】
ここで、フィルタ303の周波数に応じたインピーダンス変化が、より急峻なものを選択することで、RF帯域以下のEMI特性をさらに低減することが可能である。また、フィルタ303として、バンドカットフィルタを採用すれば、RF帯域より高周波の帯域でのEMI特性も改善することができる。
【0061】
図14は、コネクタ402側を波源とし、コネクタ401側を終端とした場合の伝送信号の周波数特性を示すものである。接続手段301とフィルタ303により、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続するようにしている。
【0062】
このため、従来の無線機(一点鎖線)や第1の実施形態の無線機(破線)と比べ、上記構成の無線機(実線)は、RF帯域より低い周波数帯域での伝送特性が改善されていることがわかる。
【0063】
ここで、フィルタ303の周波数に応じたインピーダンス変化が、より急峻なものを選択することで、RF帯域以下の伝送特性をさらに改善することが可能である。また、フィルタ303として、バンドカットフィルタを採用すれば、RF帯域より高周波の帯域での伝送特性も改善することができる。
【0064】
また配線手段400から発生する電波は、アンテナ100と結合しにくいことが望ましい。図15は、波源に対するアンテナ100の給電点における伝送信号の特性であって、上記結合の度合いを示す。
【0065】
この図に示すように、従来の無線機(一点鎖線)や第1の実施形態の無線機(破線)と比べ、上記構成の無線機(実線)は、結合の度合いが改善されていることがわかる。
【0066】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施形態や第2の実施形態では、接続手段301の一端を回路基板202のグラウンドパターンに電気的に接続し、他端については、アンテナ100が接続される回路基板201のグラウンドパターンに電気的に接続しなかったり、あるいはフィルタ303を介して接続するようにした。
【0067】
これに代わって例えば、接続手段301の一端を、アンテナ100が接続される回路基板201のグラウンドパターンに電気的に接続し、他端については回路基板202のグラウンドパターンに電気的に接続しなかったり、あるいはフィルタ303を介して接続するようにしてもよい。
【0068】
また例えば、上記第1の実施形態や第2の実施形態では、図16に示すように間隙302を設けたが、これ以外にも間隙の設け方が考えられる。
例えば図17に示すように、回路基板201のグラウンドパターンの一部201−bと、回路基板202のグラウンドパターンとを接続手段301によって接続する。
【0069】
そして、上記グラウンドパターン201−bは、種々の電気回路が実装されるグラウンドパターン201−aとは、第1の実施形態に対応する構成としては、間隙302−aにより電気的に接続せず、第2の実施形態に対応する構成としては、フィルタ303を介して電気的に接続する構成とする。
【0070】
また、例えば図18に示すような構成も考えられる。この図に示す構成においても、回路基板201のグラウンドパターンの一部201−dと、回路基板202のグラウンドパターンとを接続手段301によって接続する。
【0071】
そして、上記グラウンドパターン201−dは、種々の電気回路が実装されるグラウンドパターン201−c内に島状に設けられ、グラウンドパターン201−cは、グラウンドパターン201−dの全周を囲んでいる。
【0072】
このような構成の場合、第1の実施形態に対応する構成としては、間隙302−bによりグラウンドパターン201−cと電気的に接続せず、第2の実施形態に対応する構成としては、フィルタ303を介してグラウンドパターン201−cと電気的に接続する構成とする。
【0073】
また、上記第2の実施形態では、フィルタ303のインピーダンスの周波数特性を、図19に示すように、RF帯域以上が高くなるようなローパスフィルタに相当するものとした。
【0074】
これに代わって例えば、図20に示すように、RF帯域だけがインピーダンスが高く、それ以外の帯域では、インピーダンスが低くなるようなバンドカットフィルタに相当するものであってもよい。
【0075】
さらには、図21に示すように、RF帯域以下が低くなるようなハイパスフィルタに相当するものであってもよい。
いずれの特性のフィルタ303であっても、その特性が急峻に変化するものを採用することにより、よりEMI特性の改善に寄与することができる。
【0076】
さらに、第2の実施形態において、フィルタ303の構成として、チップ部品によるインダクタを例に挙げて説明したが、これに代わって例えば、図22に示すように、RF帯域でインピーダンスが高くなるような、非常に細い導体303aをフィルタ303として用いるようにしてもよい。
【0077】
また、図23に示すように、RF帯域でインピーダンスが高くなるように、導体をジグザグに構成したメアンダライン303bをフィルタ303として用いるようにしてもよい。
【0078】
さらに、図24に示すように、RF帯域でインピーダンスが高くなるように、チップ部品などの集中定数素子303cをフィルタ303として用いるようにしてもよい。
そしてまた、図25に示すように、導体を対峙させてキャパシタ303dを構成し、フィルタ303として用いるようにしてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、接続手段301は、回路基板201のグラウンドパターンに近接して対峙するものとして、直接、回路基板201のグラウンドパターンに電気的に接続されなければ、物理的には回路基板201のグラウンドパターンに接続されていてもよい。
【0080】
また、接続手段301は、間接的に回路基板201のグラウンドパターンに接続されていたとしても、物理的に回路基板201のグラウンドパターンに接続して固定してもよい。
【0081】
さらには、第2の実施形態において、回路基板201のグラウンドパターンと回路基板202のグラウンドパターンとを接続するのに、接続手段301とフィルタ303とを介して接続するようにしたが、これに代わって例えば、接続手段301を用いることなしに、フィルタ303だけで回路基板201のグラウンドパターンと回路基板202のグラウンドパターンとを接続するようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明では、その一端は第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は、第1の回路基板の電気回路のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段を備えるようにしている。
【0083】
したがって、この発明によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板のグラウンド線との間を電流が流れにくいので、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止可能な無線機を提供できる。
【0084】
また、この発明では、第2の回路基板のグラウンド線と、電気回路が実装される第1の回路基板のグラウンド線とを、RF帯域の信号の通過を制御するフィルタリング手段で電気的に接続するようにしている。
【0085】
したがって、この発明によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板のグラウンド線との間を流れる電流成分の内、RF帯域の成分が制御されるので、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止可能な無線機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる無線機の第1の実施の形態の構成を説明するための図。
【図2】この発明に係わる無線機の第1の実施の形態の構成を説明するための図。
【図3】図1に示した無線機の回路基板上に生じる電流の向きを説明するための図。
【図4】図1に示した無線機の垂直面内の放射パターンを説明するための図。
【図5】従来の無線機の垂直面内の放射パターンを説明するための図。
【図6】図1に示した無線機の回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機や従来の折り畳み型の無線機との相対強度を説明するための図。
【図7】図1に示した無線機の回路基板長を変化させた場合におけるパターン平均化利得の変化を説明するための図。
【図8】この発明に係わる無線機の第2の実施の形態の構成を説明するための図。
【図9】この発明に係わる無線機の第2の実施の形態の構成を説明するための図。
【図10】図8に示した無線機の回路基板上に生じる電流の向きを説明するための図。
【図11】図8に示した無線機の回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機や従来の折り畳み型の無線機との相対強度を説明するための図。
【図12】図8に示した無線機のフィルタのインダクタンスを変化させた場合におけるパターン平均化利得の変化を説明するための図。
【図13】図8に示した無線機のEMI特性を説明するための図。
【図14】図8に示した無線機の配線手段における伝送信号の周波数特性を説明するための図。
【図15】図8に示した無線機の配線手段から発生する電波と、アンテナとの結合の度合いの周波数特性を説明するための図。
【図16】第1の実施の形態および第2の実施形態に係わる無線機において、間隙の設け方の変形例を説明するための図。
【図17】第1の実施の形態および第2の実施形態に係わる無線機において、間隙の設け方の変形例を説明するための図。
【図18】第1の実施の形態および第2の実施形態に係わる無線機において、間隙の設け方の変形例を説明するための図。
【図19】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの帯域通過特性の例を示す図。
【図20】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの帯域通過特性の例を示す図。
【図21】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの帯域通過特性の例を示す図。
【図22】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの構成例を示す図。
【図23】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの構成例を示す図。
【図24】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの構成例を示す図。
【図25】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの構成例を示す図。
【図26】従来のストレート型の無線機の構成を説明するための図。
【図27】図26に示した従来の無線機の回路基板上に生じる電流の向きを説明するための図。
【図28】従来の折り畳み型の無線機の構成を説明するための図。
【図29】図28に示した従来の無線機の回路基板上に生じる電流の向きを説明するための図。
【図30】回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と従来の折り畳み型の無線機との相対強度を説明するための図。
【図31】ストレート型の無線機と従来の折り畳み型の無線機の回路基板長を変化させた場合におけるパターン平均化利得の変化を説明するための図。
【符号の説明】
1…筐体
2…筐体
3…筐体
100…アンテナ
201…回路基板
202…回路基板
301…接続手段
302…間隙
303…フィルタ
303a…細い導体
303b…メアンダライン
303c…集中定数素子
303d…キャパシタ
400…配線手段
401…コネクタ
402…コネクタ
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば携帯電話システムやPHS(Personal Handyphone System)をはじめとする種々の移動通信で用いられる携帯型の無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話システムやPHSをはじめとする種々の移動通信で用いられる、ストレート型の筐体3を持つ携帯型の無線機を図26に示す。
この図のように、従来の携帯型の無線機は、アンテナ100として、小型化のためにλ/4型のモノポールアンテナが使用されている。このような無線機は、アンテナ100上だけでなく、回路基板200上に電流を流すことで放射効率を上げている。
【0003】
近時、携帯電話システムやPHSで使用される移動無線端末装置にあっては、表示部で種々の情報を表示することを可能としており、このような無線機にあっては、図26に示した前後方向に強く放射する、8の字型の放射パターン特性が好まれる。
【0004】
ところが、通信に使用する無線信号の周波数が高く、回路基板200が長い場合には、図27に示すように、アンテナ100上に流れる電流と逆相の電流が回路基板200上に生じる。
【0005】
このように、回路基板200上に逆相の電流が生じると、図5に示すように、垂直面内の放射パターンにおいて前後方向に落ち込みが発生し、放射特性が劣化して4つ葉型の放射パターンになる。
【0006】
これを改善するために、従来の移動無線端末装置では、回路基板の一部にスリットを挿入することで逆相電流を低減する手法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
ところで、折り畳み型の無線機にあっては、折り畳み部分を境にして、図28に示すように、2つの回路基板201,202に別れている。そして、これらの回路基板201と202は、例えばケーブルなどの接続手段300により信号線やグラウンドパターン(GND)が接続されている。
【0008】
このように、2つの回路基板201,202のグラウンドパターンを接続すると、両者のグラウンドパターンに、互いに位相が反転した電流が流れる場合がある。この様子を図29に示す。
【0009】
このように、2つの回路基板201,202のグラウンドパターンに、互いに位相が反転した電流が流れると、図5に示したように、垂直面内の放射パターンが4つ葉型になり、前後方向付近に落ち込みが見られる。この落ち込みの発生により、水平面内付近での放射利得が劣化する。なお、逆相電流の量は、接続手段300の長さや形状にも依存する。
【0010】
図30に、ある回路基板長の折り畳み型の無線機と、回路基板長を変化させた場合におけるストレート型の無線機との前後方向付近に発生する落ち込みの相対強度を示す。
この図に示すように、ストレート型では回路基板の長さが長くなるにつれて落ち込みが大きくなり、ある程度大きくなった後、若干落ち込みが小さくなる傾向を示す。これは放射パターンが8の字型から4つ葉型に変化した後、6つ葉型に変化するためである。折り畳み型も同様な傾向を示す。
【0011】
図31に、ある回路基板長の折り畳み型の無線機と、回路基板長を変化させた場合におけるストレート型の無線機とのPAG(パターン平均化利得)の変化を示す。ストレートタイプの場合は回路基板長が長くなるほどPAGが減少する。一方、折りたたみ型の場合にも4つ葉型の放射パターンになるためPAGが減少する。
折り畳み型の無線機にあっては、図28に示したように、2つの回路基板201,202に別れているため、スリットを挿入する手法を適用することができない。また、スリットを挿入するにしても、2つの回路基板の一部を接続していなければならないため、スリットの挿入の仕方には制限がある。
【0012】
さらに、単にスリットを挿入しただけではアンテナの放射特性が改善されても、EMI(Electro Magnetic Interference)特性が悪化することが予想される。これは、スリットを跨いで、2つの回路基板間を結ぶ配線上を信号が通過する際に、コモンモード電流が流れてEMIが増加することに起因する。
【0013】
以上のように、従来の折り畳み型の無線機にあっては、アンテナ特性とEMI特性の両立が困難であるという問題があった。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−88209号公報(第4頁、図1)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来の折り畳み型の無線機にあっては、アンテナ特性とEMI特性の両立が困難であるという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、アンテナ特性とEMI特性の両立が可能な折り畳み型の無線機を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、一端が前記第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段とを具備して構成するようにした。
【0017】
上記構成の無線機では、その一端は第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は、第1の回路基板の電気回路のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段を備えるようにしている。
【0018】
したがって、上記構成の無線機によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板のグラウンド線との間を電流が流れにくくなり、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止できる。
【0019】
また上記の目的を達成するために、請求項2に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、RF帯域の信号を制御するものであって、一端が第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続されるフィルタリング手段とを具備して構成するようにした。
【0020】
さらに、請求項3に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、RF帯域の信号を制御するフィルタリング手段と、一端が第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端はフィルタリング手段を介して第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段とを具備して構成するようにした。
【0021】
そして、請求項5に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、一端が第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は、第1の回路基板に設けられ、第1の回路基板に設けられた電気回路に接続されないグラウンド線に電気的に接続される接続手段と、RF帯域の信号の通過を制限するものであって、接続手段が接続される第1の回路基板のグラウンド線と、第1の回路基板に設けられた電気回路に接続されるグラウンド線とを電気的に接続するフィルタリング手段とを具備して構成するようにした。
【0022】
上記構成の無線機では、第2の回路基板のグラウンド線と、電気回路が実装される第1の回路基板のグラウンド線とを、RF帯域の信号の通過を制御するフィルタリング手段で電気的に接続するようにしている。
【0023】
したがって、上記構成の無線機によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板のグラウンド線との間を流れる電流成分の内、RF帯域の成分が制御されるので、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止できる。
【0024】
また、請求項6に係わる本発明は、第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、一端が第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は第1の回路基板に設けられた第1のグラウンド線に電気的に接続される接続手段とを備え、第2の回路基板は、第1のグラウンド線と電気的に接続されない第2のグラウンド線を備えるようにした。
【0025】
上記構成の無線機では、その一端は第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は、第1の回路基板の電気回路の第2のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段を備えるようにしている。
【0026】
したがって、上記構成の無線機によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板の第2のグラウンド線との間を電流が流れにくくなり、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
まずこの発明の第1の実施形態に係わる無線機について説明する。図1および図2は、その構成を示すものである。これらの図では、無線機の構成のうち、主として、無線電波の放射パターンに影響する構成について示すことにする。
【0028】
この無線機は、二つ折りの折り畳み式構造となっており、筐体1と筐体2とからなり、これらはヒンジなどにより回動自在に結合されている。
図1に示すように、筐体1には、アンテナ100と、回路基板201とを備えるほかに、LCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部(図示しない)などを備える。
【0029】
アンテナ100は、λ/4型のモノポールアンテナであり、回路基板201上の電気回路から無線信号が給電されている。なお、λは、回路基板201の動作周波数における波長を示すものである。
【0030】
筐体2には、回路基板202を備えるほかに、テンキーやマルチファンクションキーなどのキー入力手段や、バッテリ、電源回路、イヤホンマイク端子(いずれも図示しない)などを備える。
【0031】
回路基板201、202は、無線による音声通信やデータ通信、画像表示を実現するための構成として、CPU(Central Processing Unit)やメモリ、無線回路などの電気回路を実装する。
【0032】
接続手段301は、例えばFPC(Flexible Print Circuit)などのフラットケーブルであって、その一端が回路基板202のグラウンドパターン(GND)に接続され、他端は筐体1内で回路基板201のグラウンドパターンに近接して対峙するものの、間隙302により回路基板201のグラウンドパターンには電気的に接続されていない。
【0033】
そして、回路基板201と回路基板202は、図2に示すように、FPCなどのフラットケーブルからなる配線手段400により、グラウンドパターンを除く信号線が電気的に接続されている。
【0034】
配線手段400の両端には、コネクタ401,402が設けられる。コネクタ401は、回路基板201と電気的・物理的に接続するためのもので、コネクタ402は、回路基板202と電気的・物理的に接続するためのものである。
【0035】
そして、配線手段400は、当該無線機の前後方向から見て、できるだけ接続手段301に重なる面積が大きくように設け、なおかつ接続手段301の中央部と重なることが好ましい。
【0036】
以上のような構成の無線機では、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとが電気的に接続されないので、両グラウンドパターン間を電流が流れにくい。
これにより、図3の模式図に示すように、回路基板202に生じる、アンテナ100上を流れる電流と逆相の電流は、従来に比べて著しく低減される。
【0037】
このため、上記構成の無線機は、垂直面内の放射パターンは、図4に示すように8の字型になる。この図に示すように、逆相電流の発生を抑制したことで、従来の放射パターン(図5参照)に比べて、前後方向付近の落ち込みが改善する。
【0038】
図6に、回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と折り畳み型の無線機の前後方向付近の相対強度を示す。また、折り畳み型については、従来の無線機と上記構成の無線機とについて示す。
【0039】
この図に示すように、上記構成の無線機(実線)は、従来の無線機(破線)と比べて、前後方向付近の落ち込みが改善していることが分かる。なお、一点鎖線は、ストレート型の無線機の特性を示す。
【0040】
図7に、回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と折り畳み型の無線機のPAG(パターン平均化利得)の変化を示す。また、折り畳み型については、従来の無線機と上記構成の無線機とについて示す。
【0041】
この図に示すように、PAGについても、上記構成の無線機(実線)は、従来の無線機(破線)と比べて改善していることが分かる。なお、一点鎖線は、ストレート型の無線機の特性を示す。
【0042】
また、この上記構成の無線機では、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続しないものの、回路基板202のグラウンドパターンに電気的に接続される接続手段301を、回路基板201のグラウンドパターンに近接させ、なおかつ上記接続手段301を配線手段400と重なるような位置に配設するようにしている。
【0043】
このため、回路基板201のグラウンドパターンと回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続しないことに起因するEMI特性の劣化を抑制することができる。
【0044】
次にこの発明の第2の実施形態に係わる無線機について説明する。図8および図9は、その構成を示すものである。これらの図では、無線機の構成のうち、主として、無線電波の放射パターンに影響する構成について示すことにする。
【0045】
この無線機は、二つ折りの折り畳み式構造となっており、筐体1と筐体2とからなり、これらはヒンジなどにより回動自在に結合されている。
図8に示すように、筐体1には、アンテナ100と、回路基板201とを備えるほかに、LCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部(図示しない)などを備える。
【0046】
アンテナ100は、λ/4型のモノポールアンテナであり、回路基板201上の電気回路から無線信号が給電されている。なお、λは、回路基板201の動作周波数における波長を示すものである。
【0047】
筐体2には、回路基板202を備えるほかに、テンキーやマルチファンクションキーなどのキー入力手段や、バッテリ、電源回路、イヤホンマイク端子(いずれも図示しない)などを備える。
【0048】
回路基板201、202は、無線による音声通信やデータ通信、画像表示を実現するための構成として、CPU(Central Processing Unit)やメモリ、無線回路などの電気回路を実装する。
【0049】
接続手段301は、例えばFPC(Flexible Print Circuit)などのフラットケーブルであって、その一端が回路基板202のグラウンドパターン(GND)に接続され、他端は他端は筐体1内で回路基板201のグラウンドパターンに近接して間隙302を介して対峙し、フィルタ303を介して回路基板201のグラウンドパターンには電気的に接続される。
【0050】
フィルタ303は、例えばチップ部品によるインダクタであって、アンテナ100で使用されるRF帯域でインピーダンスが高くなるような低域通過フィルタである。
【0051】
そして、回路基板201と回路基板202は、図9に示すように、FPCなどのフラットケーブルからなる配線手段400により、グラウンドパターンを除く信号線が電気的に接続されている。
【0052】
配線手段400の両端には、コネクタ401,402が設けられる。コネクタ401は、回路基板201と電気的・物理的に接続するためのもので、コネクタ402は、回路基板202と電気的・物理的に接続するためのものである。
【0053】
そして、配線手段400は、当該無線機の前後方向から見て、できるだけ接続手段301に重なる面積が大きくように設け、なおかつ接続手段301の中央部と重なることが好ましい。
【0054】
以上のような構成の無線機では、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとが、RF帯域でインピーダンスが高くなるフィルタ303を介して電気的に接続されるので、両グラウンドパターン間を流れる電流の内、高周波成分が抑制できる。
これにより、図10の模式図に示すように、回路基板202に生じる、アンテナ100上を流れる電流と逆相の電流は、低インピーダンスなもので接続する従来に比べて著しく低減される。
【0055】
このため、上記構成の無線機は、垂直面内の放射パターンは、図4に示すように8の字型になる。この図に示すように、逆相電流の発生を抑制したことで、従来の放射パターン(図5参照)に比べて、前後方向付近の落ち込みが改善する。
【0056】
また、回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と折り畳み型の無線機の前後方向付近の相対強度については、図11に示すように、上記構成の無線機(二点鎖線)は、従来の無線機(破線)や第1の実施形態の無線機(実線)と比べて、前後方向付近の落ち込みが一層改善していることが分かる。なお、一点鎖線は、ストレート型の無線機の特性を示す。
【0057】
そして、回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と折り畳み型の無線機のPAG(パターン平均化利得)の変化については、第1の実施形態と同様に、上記構成の無線機は、PAGが従来の無線機と比べて改善される。
なお、図12に示すように、フィルタ303のインダクタンスを適度な値に調節することにより、PAGを増加させることが可能である。
【0058】
また、この上記構成の無線機では、接続手段301とフィルタ303により、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続し、なおかつ上記接続手段301を配線手段400と重なるような位置に配設するようにしている。
【0059】
このため、図13に示すように、従来の無線機(一点鎖線)や第1の実施形態の無線機(破線)と比べ、上記構成の無線機(実線)は、さらにEMI特性の劣化を最小限に抑制することができる。
【0060】
ここで、フィルタ303の周波数に応じたインピーダンス変化が、より急峻なものを選択することで、RF帯域以下のEMI特性をさらに低減することが可能である。また、フィルタ303として、バンドカットフィルタを採用すれば、RF帯域より高周波の帯域でのEMI特性も改善することができる。
【0061】
図14は、コネクタ402側を波源とし、コネクタ401側を終端とした場合の伝送信号の周波数特性を示すものである。接続手段301とフィルタ303により、回路基板201のグラウンドパターンと、回路基板202のグラウンドパターンとを電気的に接続するようにしている。
【0062】
このため、従来の無線機(一点鎖線)や第1の実施形態の無線機(破線)と比べ、上記構成の無線機(実線)は、RF帯域より低い周波数帯域での伝送特性が改善されていることがわかる。
【0063】
ここで、フィルタ303の周波数に応じたインピーダンス変化が、より急峻なものを選択することで、RF帯域以下の伝送特性をさらに改善することが可能である。また、フィルタ303として、バンドカットフィルタを採用すれば、RF帯域より高周波の帯域での伝送特性も改善することができる。
【0064】
また配線手段400から発生する電波は、アンテナ100と結合しにくいことが望ましい。図15は、波源に対するアンテナ100の給電点における伝送信号の特性であって、上記結合の度合いを示す。
【0065】
この図に示すように、従来の無線機(一点鎖線)や第1の実施形態の無線機(破線)と比べ、上記構成の無線機(実線)は、結合の度合いが改善されていることがわかる。
【0066】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施形態や第2の実施形態では、接続手段301の一端を回路基板202のグラウンドパターンに電気的に接続し、他端については、アンテナ100が接続される回路基板201のグラウンドパターンに電気的に接続しなかったり、あるいはフィルタ303を介して接続するようにした。
【0067】
これに代わって例えば、接続手段301の一端を、アンテナ100が接続される回路基板201のグラウンドパターンに電気的に接続し、他端については回路基板202のグラウンドパターンに電気的に接続しなかったり、あるいはフィルタ303を介して接続するようにしてもよい。
【0068】
また例えば、上記第1の実施形態や第2の実施形態では、図16に示すように間隙302を設けたが、これ以外にも間隙の設け方が考えられる。
例えば図17に示すように、回路基板201のグラウンドパターンの一部201−bと、回路基板202のグラウンドパターンとを接続手段301によって接続する。
【0069】
そして、上記グラウンドパターン201−bは、種々の電気回路が実装されるグラウンドパターン201−aとは、第1の実施形態に対応する構成としては、間隙302−aにより電気的に接続せず、第2の実施形態に対応する構成としては、フィルタ303を介して電気的に接続する構成とする。
【0070】
また、例えば図18に示すような構成も考えられる。この図に示す構成においても、回路基板201のグラウンドパターンの一部201−dと、回路基板202のグラウンドパターンとを接続手段301によって接続する。
【0071】
そして、上記グラウンドパターン201−dは、種々の電気回路が実装されるグラウンドパターン201−c内に島状に設けられ、グラウンドパターン201−cは、グラウンドパターン201−dの全周を囲んでいる。
【0072】
このような構成の場合、第1の実施形態に対応する構成としては、間隙302−bによりグラウンドパターン201−cと電気的に接続せず、第2の実施形態に対応する構成としては、フィルタ303を介してグラウンドパターン201−cと電気的に接続する構成とする。
【0073】
また、上記第2の実施形態では、フィルタ303のインピーダンスの周波数特性を、図19に示すように、RF帯域以上が高くなるようなローパスフィルタに相当するものとした。
【0074】
これに代わって例えば、図20に示すように、RF帯域だけがインピーダンスが高く、それ以外の帯域では、インピーダンスが低くなるようなバンドカットフィルタに相当するものであってもよい。
【0075】
さらには、図21に示すように、RF帯域以下が低くなるようなハイパスフィルタに相当するものであってもよい。
いずれの特性のフィルタ303であっても、その特性が急峻に変化するものを採用することにより、よりEMI特性の改善に寄与することができる。
【0076】
さらに、第2の実施形態において、フィルタ303の構成として、チップ部品によるインダクタを例に挙げて説明したが、これに代わって例えば、図22に示すように、RF帯域でインピーダンスが高くなるような、非常に細い導体303aをフィルタ303として用いるようにしてもよい。
【0077】
また、図23に示すように、RF帯域でインピーダンスが高くなるように、導体をジグザグに構成したメアンダライン303bをフィルタ303として用いるようにしてもよい。
【0078】
さらに、図24に示すように、RF帯域でインピーダンスが高くなるように、チップ部品などの集中定数素子303cをフィルタ303として用いるようにしてもよい。
そしてまた、図25に示すように、導体を対峙させてキャパシタ303dを構成し、フィルタ303として用いるようにしてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、接続手段301は、回路基板201のグラウンドパターンに近接して対峙するものとして、直接、回路基板201のグラウンドパターンに電気的に接続されなければ、物理的には回路基板201のグラウンドパターンに接続されていてもよい。
【0080】
また、接続手段301は、間接的に回路基板201のグラウンドパターンに接続されていたとしても、物理的に回路基板201のグラウンドパターンに接続して固定してもよい。
【0081】
さらには、第2の実施形態において、回路基板201のグラウンドパターンと回路基板202のグラウンドパターンとを接続するのに、接続手段301とフィルタ303とを介して接続するようにしたが、これに代わって例えば、接続手段301を用いることなしに、フィルタ303だけで回路基板201のグラウンドパターンと回路基板202のグラウンドパターンとを接続するようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明では、その一端は第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は、第1の回路基板の電気回路のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段を備えるようにしている。
【0083】
したがって、この発明によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板のグラウンド線との間を電流が流れにくいので、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止可能な無線機を提供できる。
【0084】
また、この発明では、第2の回路基板のグラウンド線と、電気回路が実装される第1の回路基板のグラウンド線とを、RF帯域の信号の通過を制御するフィルタリング手段で電気的に接続するようにしている。
【0085】
したがって、この発明によれば、第1の回路基板のグラウンド線と、第2の回路基板のグラウンド線との間を流れる電流成分の内、RF帯域の成分が制御されるので、アンテナ上を流れる電流と逆相の電流が生じにくく、なおかつ第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段の存在により、EMI特性が著しく劣化することを防止可能な無線機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる無線機の第1の実施の形態の構成を説明するための図。
【図2】この発明に係わる無線機の第1の実施の形態の構成を説明するための図。
【図3】図1に示した無線機の回路基板上に生じる電流の向きを説明するための図。
【図4】図1に示した無線機の垂直面内の放射パターンを説明するための図。
【図5】従来の無線機の垂直面内の放射パターンを説明するための図。
【図6】図1に示した無線機の回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機や従来の折り畳み型の無線機との相対強度を説明するための図。
【図7】図1に示した無線機の回路基板長を変化させた場合におけるパターン平均化利得の変化を説明するための図。
【図8】この発明に係わる無線機の第2の実施の形態の構成を説明するための図。
【図9】この発明に係わる無線機の第2の実施の形態の構成を説明するための図。
【図10】図8に示した無線機の回路基板上に生じる電流の向きを説明するための図。
【図11】図8に示した無線機の回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機や従来の折り畳み型の無線機との相対強度を説明するための図。
【図12】図8に示した無線機のフィルタのインダクタンスを変化させた場合におけるパターン平均化利得の変化を説明するための図。
【図13】図8に示した無線機のEMI特性を説明するための図。
【図14】図8に示した無線機の配線手段における伝送信号の周波数特性を説明するための図。
【図15】図8に示した無線機の配線手段から発生する電波と、アンテナとの結合の度合いの周波数特性を説明するための図。
【図16】第1の実施の形態および第2の実施形態に係わる無線機において、間隙の設け方の変形例を説明するための図。
【図17】第1の実施の形態および第2の実施形態に係わる無線機において、間隙の設け方の変形例を説明するための図。
【図18】第1の実施の形態および第2の実施形態に係わる無線機において、間隙の設け方の変形例を説明するための図。
【図19】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの帯域通過特性の例を示す図。
【図20】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの帯域通過特性の例を示す図。
【図21】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの帯域通過特性の例を示す図。
【図22】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの構成例を示す図。
【図23】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの構成例を示す図。
【図24】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの構成例を示す図。
【図25】第2の実施形態に係わる無線機で用いられるフィルタの構成例を示す図。
【図26】従来のストレート型の無線機の構成を説明するための図。
【図27】図26に示した従来の無線機の回路基板上に生じる電流の向きを説明するための図。
【図28】従来の折り畳み型の無線機の構成を説明するための図。
【図29】図28に示した従来の無線機の回路基板上に生じる電流の向きを説明するための図。
【図30】回路基板長を変化させた場合における、ストレート型の無線機と従来の折り畳み型の無線機との相対強度を説明するための図。
【図31】ストレート型の無線機と従来の折り畳み型の無線機の回路基板長を変化させた場合におけるパターン平均化利得の変化を説明するための図。
【符号の説明】
1…筐体
2…筐体
3…筐体
100…アンテナ
201…回路基板
202…回路基板
301…接続手段
302…間隙
303…フィルタ
303a…細い導体
303b…メアンダライン
303c…集中定数素子
303d…キャパシタ
400…配線手段
401…コネクタ
402…コネクタ
Claims (9)
- 第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、
グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、
一端が前記第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は前記第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続されない接続手段とを具備することを特徴とする無線機。 - 第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、
グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、
RF帯域の信号を制御するものであって、一端が前記第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は前記第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続されるフィルタリング手段とを具備することを特徴とする無線機。 - 第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、
グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、
RF帯域の信号を制御するフィルタリング手段と、
一端が前記第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は前記フィルタリング手段を介して第1の回路基板のグラウンド線に電気的に接続される接続手段とを具備することを特徴とする無線機。 - 前記接続手段は、前記他端が前記第1の筐体内に引き込まれていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の無線機。
- 第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、
グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、
一端が前記第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は前記第1の回路基板に設けられた第1のグラウンド線に電気的に接続される接続手段と、
RF帯域の信号の通過を制限するものであって、前記第1のグラウンド線と、このグランド線とは別に前記第1の回路基板に設けられた第2のグラウンド線とを電気的に接続するフィルタリング手段とを具備することを特徴とする無線機。 - 第1の回路基板を備える第1の筐体と、第2の回路基板を備える第2の筐体とが回動自在に結合してなる無線機において、
グラウンド線以外の第1の回路基板の配線と、グラウンド線以外の第2の回路基板の配線とを接続する配線手段と、
一端が前記第2の回路基板のグラウンド線に電気的に接続され、他端は前記第1の回路基板に設けられた第1のグラウンド線に電気的に接続される接続手段とを備え、
前記第2の回路基板は、前記第1のグラウンド線と電気的に接続されない第2のグラウンド線を備えることを特徴とする無線機。 - 前記第1のグラウンド線の外周の一部が、前記第2のグラウンド線と対峙することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の無線機。
- 前記第1のグラウンド線の全周が、前記第2のグラウンド線により囲まれることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の無線機。
- 前記配線手段と前記接続手段は、長手方向に重なるように配設したことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項5または請求項6に記載の無線機。
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-
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