JP2004104030A - 多層配線板の製造方法および多層配線板 - Google Patents

多層配線板の製造方法および多層配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層配線板を提供する。
【解決手段】接着樹脂を介して接着される配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層を有する接続層と、該導体ポストとの層間接続用ランドを有する被接続層とを、接着剤層を介して熱圧着することにより半田接合させた層間接続部を有する多層配線板の製造方法であって、次いで圧着して半田接合させて、主に銅と錫の金属合金からなる層間接続部を形成し、その際半田合金が成長する前に層間接続用ランドを有する被接続層被接続層と半田層を有する接続層が半田接合することを特徴とする配線板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線板の製造方法およびその製造方法により得られる多層配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビア加工された絶縁層中に形成された導体ポストの先端表面に形成された半田層を用いて層間接続を行う場合において、半田接合に必要な表面清浄化機能を有する接着剤層を導電体回路層間に介在させ、密着させ・加圧した後、半田溶融温度まで加熱する工程を経て半田接合させて層間接続させる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。これによると、半田の融点以上の温度に加熱し半田を溶融させて凸形状の溶融半田を形成した後、加圧して半田層を層間接続用の金属ランドに点接触させてさらに溶融した接着剤層の樹脂を排除しながら半田接合させる。ところが、半田溶融時のような高温状態では、導体ポスト金属と半田層界面で金属合金反応がおこり、金属合金層が形成される。該合金層は時間とともに厚みを増すため、半田溶融温度での長時間にわたる被接触状態の維持は、設計時の導体ポストの突起高さより高くさせてしまうという問題があった。導体ポスト突起高さは、加圧後の接着剤層の厚み、つまりは、各層の絶縁層の厚みを決定する重要な要素である。絶縁層の厚みが、変化してしまうということは、高速伝送回路の設計においてはインピーダンスの不整合が起こることを意味し、電気回路としての特性の満足できなくなる。また、合金成長に伴って、接合用の半田の体積も減少してしまうため、良好な半田接合が行われないため、接合強度の低下により十分な信頼性が確保できないという問題もあった。
このため、導体ポスト表面にニッケルなどの金属層をメッキによって形成し、その上に半田層を設けることで、半田層溶融時の合金成長を抑制させるという方法が提案されているが、ニッケルメッキ工程の追加によるコストアップが問題となる。
【0003】
【特許文献1】
特願2001−384834号(第12−26頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体チップを搭載する多層配線板における、層間接続のこのような現状の問題点に鑑み、確実に層間接続でき、信頼性の高い、多層配線板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1) 導体回路と、該導体回路上に形成された銅からなる導体ポストと、該導体ポストの先端表面に錫を主成分とする半田により形成された半田層とを有する接続層と、該導体ポストとの層間接続用ランドを有する被接続層とを、接着剤層を介して張り合わせ該半田層と接着剤層とを接触させた後、該半田の融点以上の温度で加熱して半田層を溶融し凸形状を形成させ、次いで圧着して半田接合させて、主に銅と錫の金属合金からなる層間接続部を形成する多層配線板の製造方法において、前記半田層溶融時に、半田層の導体ポストとの界面から生じる金属合金の厚みが1μm以下であることを特徴とする多層配線板の製造方法、
(2) 半田層の温度が半田の融点に到達してから圧着するまでの時間が、60秒以下である第(1)項記載の多層配線板の製造方法、
(3) 第(1)項または第(2)項に記載の多層配線板の製造方法により、得られることを特徴とする多層配線板、
を提供することである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の例を説明するための図で、図2(g)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。
【0007】
本発明の多層配線板の製造方法の一例として、まず、金属箔101と絶縁膜102からなる2層構造体を用意し、絶縁膜102にビア103を形成する(図1(a))。2層構造体は、金属箔101上に樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布することにより得ることができる。ここで、金属箔は、この他、金属膜、金属板などの金属層であっても良い。さらには、市販の樹脂付銅箔(例えば、ポリイミド付銅箔)のような2層構造体を用意しても良い。また、2層構造体は、ガラスエポキシ両面銅張積層板の一方の銅箔を全面エッチングして得ることもできる。
【0008】
ビア103の形成方法は、この製造方法に適する方法であれば、どのような方法でも良く、レーザー、プラズマによるドライエッチング、ケミカルエッチング等が挙げられる。レーザーとしては、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザー、エキシマレーザー等を使用することができる。絶縁膜102が、ガラスエポキシ積層板のように補強繊維を含む場合には、樹脂とガラスクロスを貫通して、ビア103を形成することができる炭酸ガスレーザーを使用することが好ましい。絶縁膜102がポリイミド等の補強繊維を含まない場合には、より微細なビア103を形成できる紫外線レーザーを使用することが好ましい。また、絶縁膜102を感光性樹脂とした場合には、絶縁膜102を選択的に感光し、現像することでビア103を形成することもできる。
【0009】
次に、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電極)として、電解銅めっきにより、導体ポスト104をビア103に形成し、続いて、導体ポスト104の先端表面に、半田層105を形成する(図1(b))。電解銅めっきにより導体ポスト104を形成すれば、導体ポスト104の先端の形状を自由に制御することができ、導体ポストは、絶縁層102の表層面と同じか、もしくは、表層面より突出していることが望ましい。表面層より導体ポストを突出させることで、導体ポスト先端に形成された半田が溶融し、補強構造を形成した半田接合が得られる。
【0010】
半田層105の形成方法としては、無電解めっきにより形成する方法、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電極)として電解めっきにより形成する方法、半田を含有するペーストを印刷する方法が挙げられる。印刷による方法では、印刷用マスクを導体ポスト104に対して精度良く位置合せする必要があるが、無電解めっきや電解めっきによる方法では、導体ポスト104の先端表面以外に半田層105が形成されることがないため、導体ポスト104の微細化・高密度化にも対応しやすい。特に、電解めっきによる方法では、無電解めっきによる方法よりも、めっき可能な金属が多種多様であり、また薬液の管理も容易であるため、非常に好適である。また、形成される半田層の厚みとしては、加熱して半田を溶融する際に、凸形状、より好ましくはドーム形状、雫状の形状を形成するに必要な量となる厚みで形成されていれば良い。
半田層105の材質としては、Snを主成分とする半田を用いるが、Sn以外の成分としては、Ag、Cu、Zn、Bi、Pd、Sb、Pb、In、Au等が挙げられる。
【0011】
次に、金属箔101を選択的にエッチングすることにより、導体回路106を形成して、接続層110を得る(図1(c))。続いて、絶縁膜102の表面に接着剤層108を形成する(図1(d))。
接着剤層108の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。接着剤層108の機能としては、金属の表面清浄化機能と接着機能の2機能を有することが、より好ましい。接着剤層108形成時の厚みとしては、半田層105を溶融させ凸形状を形成させる際に、少なくとも凸形状頂点部と、相対する層間接続用ランド107とが、非接触を保てる厚みであることが好ましい。半田層の厚みが、非接触を保てない場合、半田が溶融し凸形状を形成する最中に、半田層105が接着剤層108を挟んで層間接続用ランド107に接触し、良好な半田接合が得られない恐れがある。
なお、図1(d)では、絶縁膜102の表面に接着剤層108を形成する例を示したが、少なくとも半田層105が、接着剤層108と接触していれば良い。半田層105が接着剤層108と接触していることで、半田溶融時に接着剤層中で溶融して、凸形状を形成することができる。また、被接続層120の表面に接着剤層108を形成しても構わない。もちろん、絶縁膜102と被接続層120の両表面に形成しても構わない。
【0012】
次に、接続層110と、導体ポストと相対する位置に層間接続用ランドを有する被接続層120とを位置合わせする(図1(e))。位置合わせは、接続層110および被接続層120に、予め形成されている位置決めマークを、画像認識装置により読み取り位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法等を用いることができる。
【0013】
次に、接着剤層108と、接続層110と被接続層120とを接触させて積層体130を得る(図1(f))。接触させる方法としては、例えば、真空プレスまたは加圧式真空ラミネータを用いて、加熱・加圧することにより、接着剤層108を軟化させる方法が挙げられる。上記工程においては、少なくとも半田層105と層間接続用ランド107が空気に接触せず又は接着剤層中に埋没するように保たれ、また、半田層105と層間接続用ランド107とを非接触に保たれている状態にする。
【0014】
次いで、接続層110と被接続層120とを、半田層105を形成する半田の融点以上の温度に加熱し半田を溶融させた後、加圧して圧着する(図1(f)〜(h))。加熱、加圧工程では、例えば真空プレスを用いて、半田層105が、その半田の融点温度以上にまで加熱されたとき、接着剤層108に、好ましくは表面清浄化機能を有する接着剤を用いることにより、半田層105の表面の酸化膜が還元されて溶融し、溶融半田の表面張力により凸形状を形成する(図1(g))。凸形状は、最安定なドーム状、滴状であることが、より好ましい。その後、加圧して凸形状を形成した半田層105の頂点部と層間接続用ランド107とを接触させ、その接点から同心円状に半田が濡れ広がって半田接合させる。
【0015】
前記半田層溶融時に、半田層の導体ポストとの界面から銅と錫を主とする金属合金が生じてくるが、この時の前記金属合金の厚みは1μm以下に制御される。厚みが、1μmを越えると、半田接合時の半田層の厚みが必要以上に厚くなったり、不均一な厚みとなる。
本発明の半田層の溶融工程において、半田層の温度が半田の融点以上の温度に達してから加圧して半田接合させるまでの時間は、層間接続部となる半田接合部が銅と錫を主とする合金を形成し、合金層が均一に一定の厚みで形成され、良好な半田接合が得られる時間であれば良く、通常、60秒以下が好ましい。60秒より長くなると、前記金属合金の厚みが厚い場合と同様に、導体ポストと半田層の界面に、銅と錫の合金が成長により、銅と錫の合金層の厚みが必要以上に厚くなり、また厚みにバラツキを生じ、導体ポストの突起に加えて合金層の厚み分の突起が形成されることになることより、加圧して半田接合後の接着剤層の厚みが設計値よりも厚くなってしまう恐れがある。また、合金成長に伴って半田層の体積も減少するため、半田接合に十分な半田量が確保できなくなる恐れがある。さらに、接着剤層の硬化反応による流動性の低下が原因で接合阻害を考慮すると、30秒以内であることがより好ましく、さらに好ましくは10秒以内である。また、加圧までの時間の下限としては、すべての半田層において凸形状を形成し樹脂噛みなどのない良好な半田接合が得られる時間であれば良い。
【0016】
接着剤層108は、半田の融点以上の温度での加熱に伴って粘度が低下していくが、軟化した接着剤層中で半田層を溶融することで、より凸形状を形成と共に半田接合を容易にする。接着剤が軟化するときの粘度は50Pa・s以下であることが好ましい。50Pa・sより高いと、半田層105の凸形状の形成、ならびに、層間接続用ランド107と接触、および、半田のぬれ広がりを阻害して、十分な半田接合が行われない恐れがある。更に加熱して接着剤層108を硬化させて、接続層110と被接続層120とを接着することができる。
本発明において接着剤層108に、半田層105の半田の溶融に必要な表面清浄化機能を有する接着剤を用いることにより、半田層105の半田は加熱工程により溶融することができ、また、洗浄工程を必要としない。
【0017】
以上の工程により、層間接続用ランド107と導体ポスト104とを半田層105にて半田接合し、各層間を接着剤層108にて接着した多層配線板を得ることができる。なお、図1(f)において、被接続層120に対して接続層110を1層のみ積層した例を示したが、ここで得られる積層体130の上に、さらにもう1層または2層以上積層して、より層数の多い多層配線板を得ることもできる。
【0018】
本発明において接着剤層を形成する接着剤は、半田表面や被接続金属表面に存在する酸化膜の除去機能や、酸化膜の還元機能などを示す表面清浄化機能を有し絶縁信頼性の高い性能を有するものであることが、より好ましい。半田表面と層間接続用ランドが、接着剤層と接触させることで、接着剤の表面清浄化機能により、半田の加熱溶融工程においては、半田層の表面の酸化膜が還元されて溶融し、溶融半田の表面張力により凸形状、更には最安定なドーム形状を形成することができ、また、層間接続用ランドを形成する金属表面を清浄化することができる。両表面を清浄化することで、半田が非接合表面に接触したとき、被接合表面に対して濡れ拡がろうとする力が働き、半田接合部における接着剤層が排除される。これより、接着剤層を用いた半田接合には、樹脂残りが発生しにくく、且つその電気的接続信頼性は高いものとなる。
【0019】
本発明に用いる好ましい接着剤としては、例えば、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂と、その硬化剤として作用する樹脂の組み合わせからなる樹脂組成物が挙げられる。
【0020】
本発明において接着剤に用いる少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂から選ばれるのが好ましく、これらの1種以上を用いることができる。また、フェノールフタリン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸なども好ましい。
【0021】
本発明において接着剤に用いるフェノール性水酸基を有する樹脂の、硬化剤として作用する樹脂としては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等が用いられる。具体的にはいずれも、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系やレソルシノール系等のフェノールベースのものや、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族等の骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。
【0022】
フェノール性水酸基を有する樹脂は、接着剤中に、5wt%以上80wt%以下で含まれることが好ましい。5重量%未満であると、金属表面を清浄化する作用が低下し、半田接合できなくなる恐れがある。また、80重量%より多いと、十分な硬化物が得られず、接合強度と信頼性が低下する恐れがある。フェノール性水酸基を有する樹脂の硬化剤として作用する樹脂の配合量は、例えば、エポキシ基当量またはイソシアネート基当量が、少なくともフェノール性水酸基を有する樹脂のヒドロキシル基当量に対し0.5倍以上、1.5倍以下が好ましいが、良好な金属接合性と硬化物物性が得られる場合はこの限りではない。また、接着剤には、上記成分の他に、無機充填材、硬化触媒、着色料、消泡剤、難燃剤、カップリング剤等の各種添加剤や、溶剤を添加しても良い。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0024】
<接着剤ワニスの調合>
クレゾールノボラック樹脂(住友デュレズ(株)製,PR−HF−3)106gと、フェノールフタリン(東京化成製)105gと、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、RE−810NM)450gとを、メチルエチルケトン165gに溶解し、金属接合接着剤ワニスを作製した。
【0025】
<多層配線板の製造>
銅箔(金属箔101、厚み18μm)、ポリイミド樹脂絶縁膜(絶縁膜102、厚み25μm)からなるフレキシブルプリント配線用基板(住友ベークライト製、A1フレキ)のポリイミド樹脂絶縁膜にUV−YAGレーザーを用いて、トップ径:45μm、ボトム径が25μmのビア(ビア103)を300個形成した。ビア内部およびビア周辺部を過マンガン酸樹脂エッチング液にて清浄化した後、裏面の銅箔を電解めっき用リード(給電用電極)として電解銅めっきを行ってビアを銅で充填し、銅ポスト(導体ポスト104)を形成した。ここで、銅ポストの直径が45μmとなるよう、電解銅めっきの時間を調整した。次に、銅ポストの表面に、Sn−Pb共晶半田層(半田層105)を電解めっきによって4μmの厚みで形成した。なお、半田層の先端表面の絶縁膜表面から突出している高さは、10μmであった。次に、銅箔を選択的にエッチングして、配線パターン(導体回路106)を形成した。以上の工程により、接続層(接続層110)を得ることができた。
【0026】
次に、得られた接続層に対して、バーコートにより、上記で得た接着剤ワニスを、絶縁膜の表面、すなわちSn−Pb共晶半田層が形成された面に塗布後、80℃で20分乾燥し、30μm厚の接着剤層(接着剤層108)を形成した。
【0027】
一方、厚み12μm銅箔が両面に形成されたFR−5相当のガラスエポキシ両面銅張積層板(住友ベークライト製、ELC)を用い、銅箔表面に配線パターン(図示せず)および層間接続用ランドを選択的に金メッキし、さらに金メッキをエッチングレジストとして銅箔をエッチングして、配線パターンと層間接続用ランドを形成し、被接続層を得ることができた。層間接続用ランドは、位置合わせ許容誤差を考慮して、300μm径とした。
【0028】
次に、上述の工程により得られた接続層と被接続層に予め形成されている位置決めマークを画像認識装置により読み取り、両者を位置合わせし、100℃の温度で仮圧着して接続層表面と、相対する被接続層の表面とを接触させた。仮圧着したサンプルを断面観察したところ、半田層と層間接続用ランドとは非接触であり、約30μm程度の間隙(接着剤層)があった。
<加熱工程における半田層断面の観察>
仮圧着したサンプルを条件▲1▼で本圧着する際に、半田の融点(183℃)以上に加熱し、▲1▼融点到達直後、▲2▼60秒後、▲3▼300秒後、▲4▼600秒後に、それぞれ加圧せずにサンプルを取り出し、電子顕微鏡で断面観察を行った。そして、接合直前の半田層と導体ポストとの界面に成長した合金層の厚みを表1に示す。また、仮圧着したサンプルを、半田の融点(183℃)以上に加熱した後、上記▲1▼〜▲4▼の条件で保持した後、加圧して本圧着して多層配線板を得た。上記で得られたの多層配線板の金属接合部(半田接合部)の断面を電子顕微鏡(SEM)により観察し、金属接合状態を評価した。また、接着剤層の厚みと絶縁層の厚みを合計した総絶縁層厚の変化率を▲1▼の接着剤層厚みを初期状態として▲2▼〜▲5▼の条件で得られた接着剤層の厚みから計算した。その結果をまとめて表1に示した。
【0029】
【表1】
Figure 2004104030
【0030】
表1から明らかなように、半田溶融保持時間が長くなると合金層の厚みが増していく様子が観察された。このときの断面観察によれば▲1▼の条件では、やはり、ばらつきにより半田溶融が不十分のまま加圧されたため接合不良が発生した。また、▲5▼の条件においては、合金の成長により導体ポストの突起高さが増大したため絶縁層の厚みが設計値よりも10%以上厚くなってしまった。また、合金成長にばらつきによって部分的に厚みが異なる部分も見られた。以上のことから明らかなように、半田溶融保持時間を制御することで安定した半田接合、ならびに、設計どおりの多層配線板を製造することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層配線板を提供でき、電子部品の高密度集積化や、高密度実装化が可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の例を示す断面図である。
【符号の説明】
101          金属箔
102          絶縁膜
103          ビア
104          導体ポスト
105          半田層
106          導体回路
107          層間接続用ランド
108          接着剤層
110          接続層
120          被接続層
130          積層体

Claims (3)

  1. 導体回路と、該導体回路上に形成された銅からなる導体ポストと、該導体ポストの先端表面に錫を主成分とする半田により形成された半田層とを有する接続層と、該導体ポストとの層間接続用ランドを有する被接続層とを、接着剤層を介して張り合わせ該半田層と接着剤層とを接触させた後、該半田の融点以上の温度で加熱して半田層を溶融し凸形状を形成させ、次いで圧着して半田接合させて、主に銅と錫の金属合金からなる層間接続部を形成する多層配線板の製造方法において、前記半田層溶融時に、半田層の導体ポストとの界面から生じる金属合金の厚みが1μm以下であることを特徴とする多層配線板の製造方法。
  2. 半田層の温度が半田の融点に到達してから圧着するまでの時間が、60秒以下である請求項1記載の多層配線板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の多層配線板の製造方法により、得られることを特徴とする多層配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8042263B2 (en) * 2006-02-13 2011-10-25 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Process for manufacturing circuit board

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