JP2004047586A - 多層配線板の製造方法および多層配線板 - Google Patents

多層配線板の製造方法および多層配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層配線板を提供する。
【解決手段】配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層を有する接続層と、該導体ポストとの層間接続用ランドを有する被接続層とを、接着剤層を介して熱圧着することにより半田接合させた層間接続部を有する多層配線板の製造方法であって、接着剤に含まれる成分の熱圧着温度における蒸気圧よりも高い圧力雰囲気下で熱圧着することを特徴とする多層配線板の製造方法、ならびに、不活性ガス雰囲気下で熱圧着することを特徴とする多層配線板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線板の製造方法およびその製造方法により得られる多層配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の高機能化並びに軽薄短小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使用される半導体パッケージは、従来にも増して、益々、小型化かつ多ピン化が進んできている。
【0003】
従来の回路基板は、プリント配線板と呼ばれ、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させた積層板からなる、ガラスエポキシ板に貼り付けられた銅箔をパターニングした後、複数枚重ねて積層接着し、ドリルで貫通穴を開けて、この穴の壁面に銅めっきを行ってビアを形成し、層間の電気接続を行った配線基板の使用が主流であった。しかし、搭載部品の小型化、高密度化が進み、上記の配線基板では配線密度が不足して、部品の搭載に問題が生じるようになってきている。
【0004】
このような背景により、近年、ビルドアップ多層配線板が採用されている。ビルドアップ多層配線板は、樹脂のみで構成される絶縁層と、導体とを積み重ねながら成形される。ビア形成方法としては、従来のドリル加工に代わって、レーザー法、プラズマ法、フォト法等多岐にわたり、小径のビアホールを自由に配置することで、高密度化を達成するものである。層間接続部としては、ブライドビア(Blind Via)やバリードビア(Buried Via:ビアを導電体で充填した構造)等があり、ビアの上にビアを形成するスタックドビアが可能な、バリードビアホールが特に注目されている。バリードビアホールとしては、ビアホールをめっきで充填する方法と、導電性ペースト等で充填する場合とに分けられる。
【0005】
特開平11−204939号公報では、絶縁シートの少なくとも片面に配線パターンを有し、絶縁シートの表裏面を貫通して導電性のビアホールを有し、そのビアホールと電気的に接続された表裏面の任意の場所に、接続用電極を設けた回路基板どうしを、絶縁層を介して複数枚積層した構造の多層回路基板であって、前記複数の互いに隣接する回路基板どうしを結合する絶縁層を、100〜300℃の温度に加熱すると粘度が100Pa・s以下に低下し、前記温度域に10分放置すると少なくとも70〜80%が硬化する熱硬化性接着剤の硬化層で構成してなる多層回路基板が記載されている。この多層回路基板によると、層間接続部の高密度化を図ることができるが、接続用電極として、導電性接着剤、Sn−Pbはんだ等、Snを主成分とする合金を用いて300℃以下の温度で、電気的な接続を行ったり、接続用電極表面にAuやSn等を形成しAu−Sn合金等で接続を試みたりしているが、導電性接着剤では接続信頼性が低く、Snを主成分とする合金での接続では、Sn表面を清浄化していないため金属間の濡れ性が悪く、接合が十分に形成されない。
【0006】
特開平8−195560号公報では、基板の小型化薄型化及び導体層の電気的接続部の小面積化に対応できる回路基板の製造方法として、両面または片面に導電体回路層を有する絶縁体層と導電体回路層を有しない絶縁体層とを所定数積み重ねた積層体とを、加圧・成形し、同時に所定の少なくとも上下二つの導電体回路層を電気的に接続させるプリント回路基板の製造方法において、絶縁体層をいずれもガラス繊維を含まないシート状の絶縁体樹脂層で形成し、導電体回路層の所定場所上に導電体回路層間の電気的接続用の導電体からなる突起(金属塊)を設けておき、積層体をプレス治具板を用いて、プレスを行う圧力によって絶縁体樹脂層を突起が突き破り、対向する導電体回路層に当接・圧着させる製造方法が記載され、さらに突起の先端部に、絶縁体樹脂層の樹脂硬化温度より高い溶融温度を有する半田層を設けておき、熱および圧力で絶縁体樹脂層を突起で突き破り半田層を導電体回路層に接続させた後、この状態で温度を半田の溶融温度まで上昇し半田層を溶融させて突起を導電体回路層に接続させた後、冷却して半田層を固化させる製造方法が記載されている。この製造方法によると、導電体からなる突起(金属塊)により層間接続を行うため、ビア(突起)の上にビア(突起)を形成するスタックドビアが可能となり、層間接続部の高密度化を図ることができるが、前者の方法では、電気的接続が物理的接触だけであり、信頼性が低いことが予想される。後者の方法では、突起先端の半田層と導電体回路層の表面が十分に清浄化されていないと、半田が濡れ拡がることができないため、半田接合することは不可能である。
【0007】
また、微細な半田層を用いて層間接続を行う場合において、半田接合に必要な表面清浄化機能を有する接着剤層を導電体回路層間に介在させ、密着させ・加圧した後、半田溶融温度まで加熱する工程を経て半田接合させて層間接続させる方法がある。しかしながら、半田層の半田が溶融する前に加圧するため、半田層が層間接続用の金属ランドと接触して変形して先端が平坦になるとともに、接着剤層が薄く介在する状態になり、接着剤層の絶対量が少ないため、表面清浄化機能を十分に発揮できず、良好な半田接合が実現されないという問題があった。
【0008】
さらに、上記接着剤層の接着剤は、半田溶融温度まで加熱されるため、粘度が低下し接着剤の構成成分の中の一部の材料の沸点近くまで達する場合、接着剤層にボイドが発生する恐れがある。ボイドの発生は、安定した半田接合の妨げになり、さらには、ボイドが存在するような多層配線板では、ハンダリフローにおけるリフロークラックの発生や、吸湿耐熱性を始めとする各種信頼性の低下が問題となる。
【0009】
したがって、半導体チップを搭載する多層配線板においては、確実に層間接続することができ、信頼性の高い多層配線板を生産性よく製造する技術の開発が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体チップを搭載する多層配線板における、層間接続のこのような現状の問題点に鑑み、確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層配線板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1) 配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層とを有する接続層と、該導体ポストとの接続部を有する被接続層とを、接着剤層を介して半田接合させた層間接続部を有する多層配線板の製造方法であって、半田接合が、接着剤の半田接合温度における蒸気圧よりも高い圧力雰囲気下で行われることを特徴とする多層配線板の製造方法、
(2) 配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層とを有する接続層と、該導体ポストとの接続部を有する被接続層とを、接着剤層を介して半田接合させた層間接続部を有する多層配線板の製造方法であって、半田接合が、不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴とする多層配線板の製造方法、
(3) 半田接合が、接着剤の半田接合温度における蒸気圧よりも高い圧力雰囲気下および不活性ガス雰囲気下で行われる第1項または第2項記載の多層配線板の製造方法、
(4) 不活性ガスが、窒素またはアルゴンである第2項または第3項記載の多層配線板の製造方法、
(5) 半田接合が、半田層と接着剤層とを接触させ、半田層を形成する半田の融点以上の温度で加熱して半田層を溶融させて、次いで、圧着して行われる、第1項〜第4項のいずれかに記載の多層配線板の製造方法、
(6) 接着剤層が、金属表面清浄化機能を有する接着剤からなるものである第1項〜第5項のいずれかに記載の多層配線板の製造方法、
(7) 第1項〜第6項のいずれかに記載の多層配線板の製造方法により得られる多層配線板、
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
図1及び図2は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の例を説明するための図で、図2(g)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。
【0013】
本発明の多層配線板の製造方法としては、まず、金属箔101と絶縁膜102からなる2層構造体を用意し、絶縁膜102にビア103を形成する(図1(a))。2層構造体は、金属箔101上に樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布することにより得ることができる。ここで、金属箔は、この他、金属膜、金属板などの金属層であっても良い。さらには、市販の樹脂付銅箔(例えば、ポリイミド付銅箔)のような2層構造体を用意しても良い。また、2層構造体は、ガラスエポキシ両面銅張積層板の一方の銅箔を全面エッチングして得ることもできる。
【0014】
ビア103の形成方法は、この製造方法に適する方法であれば、どのような方法でも良く、レーザー、プラズマによるドライエッチング、ケミカルエッチング等が挙げられる。レーザーとしては、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザー、エキシマレーザー等を使用することができる。絶縁膜102が、ガラスエポキシ積層板のように補強繊維を含む場合には、樹脂とガラスクロスを貫通して、ビア103を形成することができる炭酸ガスレーザーを使用することが好ましい。絶縁膜102がポリイミド等の補強繊維を含まない場合には、より微細なビア103を形成できる紫外線レーザーを使用することが好ましい。また、絶縁膜102を感光性樹脂とした場合には、絶縁膜102を選択的に感光し、現像することでビア103を形成することもできる。
【0015】
次に、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電極)として、電解めっきにより、導体ポスト104をビア103に形成し、続いて、導体ポスト104の先端表面に、半田層105を形成する(図1(b))。電解めっきにより導体ポスト104を形成すれば、導体ポスト104の先端の形状を自由に制御することができ、導体ポストは、絶縁層102の表層面と同じか、もしくは、表層面より突出していることが望ましい。表面層より導体ポストを突出させることで、導体ポスト先端に形成された半田が溶融し、補強構造を形成した半田接合が得られる。
導体ポスト104の材質としては、この製造方法に適するものであればどのようなものでも良く、例えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。さらには、銅を用いることで、低抵抗で安定した導体ポスト104が得られる。
【0016】
半田層105の形成方法としては、無電解めっきにより形成する方法、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電極)として電解めっきにより形成する方法、半田を含有するペーストを印刷する方法が挙げられる。印刷による方法では、印刷用マスクを導体ポスト104に対して精度良く位置合せする必要があるが、無電解めっきや電解めっきによる方法では、導体ポスト104の先端表面以外に半田層105が形成されることがないため、導体ポスト104の微細化・高密度化にも対応しやすい。特に、電解めっきによる方法では、無電解めっきによる方法よりも、めっき可能な金属が多種多様であり、また薬液の管理も容易であるため、非常に好適である。また、形成される半田層の厚みとしては、加熱して半田を溶融する際に、凸形状、より好ましくはドーム形状、雫状の形状を形成するに必要な量となる厚みで形成されていれば良い。
半田層105の材質としては、SnやIn、もしくはSn、Ag、Cu、Zn、Bi、Pd、Sb、Pb、In、Auの少なくとも二種からなる半田を使用することが好ましい。より好ましくは、環境に優しいPbフリー半田である。
【0017】
次に、金属箔101を選択的にエッチングすることにより、配線パターン106を形成して、接続層110を得る(図1(c))。続いて、絶縁膜102の表面に接着剤層108を形成する(図1(d))。
接着剤層108の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。接着剤層108の機能としては、金属の表面清浄化機能と接着機能の2機能を有することが、より好ましい。接着剤層108形成時の厚みとしては、半田層105を溶融させ凸形状を形成させる際に、少なくとも凸形状頂点部と、相対する接続部となる層間接続用ランド107とが、非接触を保てる厚みであることが好ましい。半田層の厚みが、非接触を保てない場合、半田が溶融し凸形状を形成する最中に、半田層105が接着剤層108を挟んで層間接続用ランド107に接触し、良好な半田接合が得られない恐れがある。
なお、図1(d)では、絶縁膜102の表面に接着剤層108を形成する例を示したが、少なくとも半田層105が、接着剤層108と接触していれば良い。半田層105が接着剤層108と接触していることで、半田溶融時に接着剤層中で溶融して、凸形状を形成することができる。また、被接続層120の表面に接着剤層108を形成しても構わない。もちろん、絶縁膜102と被接続層120の両表面に形成しても構わない。
【0018】
次に、接続層110と被接続層120とを位置合わせする(図1(e))。位置合わせは、接続層110および被接続層120に、予め形成されている位置決めマークを、画像認識装置により読み取り位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法等を用いることができる。
【0019】
次に、接着剤層108と、接続層110と被接続層120とを接触させて積層体130を得る(図1(f))。接触させる方法としては、例えば、真空プレスまたは加圧式真空ラミネータを用いて、加熱・加圧することにより、接着剤層108を軟化させる方法が挙げられる。上記工程においては、少なくとも半田層105と層間接続用ランド107が空気に接触せず、接着剤層表面と又は接着剤層中で接触していると良く、また、半田層105と層間接続用ランド107とを非接触に保たれていると良い。
【0020】
次に、半田接合工程について説明する。接続層110と被接続層120が接着剤層108を介して張り合わされた積層体130を耐圧チャンバー140内で加熱および加圧できる装置の加圧ステージ150に精置する(図2(g))。チャンバー内の圧力は、半田接合における接着剤に含まれる成分の蒸気圧よりも、高い圧力に設定することが好ましい。半田接合において、少なくとも半田融点温度以上で半田は溶融されるが、その際、耐圧チャンバー130内の圧力は、半田接合温度における接着剤層を構成するすべての構成成分の蒸気圧よりも高くなっているため、接着剤層の原料の揮発由来のボイドの発生が抑えられる。もし、半田接合温度における接着剤層の構成成分の蒸気圧よりも低いと、半田接合温度は、その接着剤成分の沸点を超えるため接着剤層108から、その成分が沸騰してボイドになる恐れがある。
【0021】
本発明では、接続層110と被接続層120が接着剤層108を介して張り合わされた積層体130を半田接合させる工程において、不活性ガス雰囲気下で行うことも出来る。本発明の多層配線板製造方法は、半田接合を用いているため、半田接合工程において必然的に半田の融点温度以上に加熱される。半田接合工程を不活性ガス雰囲気化で行うことで、工程中での絶縁膜102、配線パターン106、接着剤層108、半田層105の酸化を防ぐことが出来る。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられる。
酸素存在下での接合は、絶縁膜102、配線パターン106の酸化の進行により、電気特性の変化や劣化がおこる恐れがある。また、半田層105の酸化が進行すると、接着剤層108の金属酸化膜除去機能で十分酸化膜が除去されずに、その後の半田接合がうまく行われない恐れもある。
本発明における半田接合は、接着剤の半田接合温度における蒸気圧よりも高い圧力雰囲気下および不活性ガス雰囲気下で行われることが、より好ましい。
【0022】
本発明における半田接合においては、前記雰囲気下で、接続層110と被接続層120とを、半田層105を形成する半田の融点以上の温度に加熱し半田を溶融させた後、加圧して圧着する(図2(h)〜図2(i))方法が、より好ましい。加熱、加圧工程では、半田層105が、その半田の融点温度以上にまで加熱されたとき、接着剤層108に、前記好ましい接着剤である金属表面清浄化機能を有する接着剤を用いることにより、半田層105の表面の酸化膜が還元されて溶融し、溶融半田の表面張力により、良好な凸形状を形成することができる(図2(h))。この時、凸形状は、最安定なドーム状、滴状であることが、より好ましい。その後、加圧して凸形状を形成した半田層105の頂点部と層間接続用ランド107とを接触させ、その接点から同心円状に半田が濡れ広がって半田接合させる。接着剤層108は、半田の融点以上の温度での加熱に伴って粘度が低下していくが、軟化した接着剤層中で半田層を溶融することで、より良好な凸形状を形成と共に、被接続層の接合部を形成する金属表面を清浄化することができ、半田が接合部表面に接触したとき、被接合部表面に対して濡れ拡がろうとする力が働き、半田接合部における接着剤層が排除され、半田接合を容易にする。これより、接着剤層を用いた半田接合には、樹脂残りが発生しにくく、且つその電気的接続信頼性は高いものとなる。
【0023】
また、このとき接着剤層108の溶融粘度は50Pa・s以下であることが好ましい。50Pa・sより高いと、半田層105の凸形状の形成、ならびに、層間接続用ランド107と接触、および、半田のぬれ広がりを阻害して、十分な半田接合が行われない恐れがある。更に加熱して接着剤層108を硬化させて、接続層110と被接続層120とを接着することができる。
【0024】
通常、電解めっきまたは無電解めっきにより得られた半田層105は、半田を構成する各金属が結晶として析出しただけであり、半田として有効に機能させるためには、半田層105にフラックスを塗布してリフローさせる方法がある。このように半田層105をリフローさせた後、接続層110と被接続層120とを熱圧着することが好ましいが、リフローおよびフラックス洗浄の工程が増えるだけでなく、フラックスの洗浄不良(フラックス残渣)の心配があり、この方法を採用するのは得策ではない。
本発明において接着剤層108に、前記金属表面清浄化機能を有する接着剤を用いることにより、半田層105の半田は加熱工程により溶融することができ、また、洗浄工程を必要としない。
【0025】
以上の工程により、層間接続用ランド107と導体ポスト104とを半田層105にて半田接合し、各層間を接着剤層108にて接着した多層配線板を得ることができる(図2(i))。なお、図1(f)では、被接続層120に対して接続層110を1層のみ積層した例を示したが、図1(f)で得られた積層体130の上にさらにもう1層または2層以上積層して、より層数の多い多層配線板を得ることもできる。
【0026】
本発明に用いる金属表面浄化機能を有する好ましい接着剤としては、例えば、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂と、その硬化剤からなる樹脂組成物が挙げられる。
【0027】
本発明において好ましい接着剤に用いる少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂から選ばれるのが好ましく、これらの1種以上を用いることができる。また、フェノールフタリン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸なども好ましい。
【0028】
本発明において好ましい接着剤に用いるフェノール性水酸基を有する樹脂の、硬化剤としては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等が用いられる。具体的にはいずれも、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系やレソルシノール系等のフェノールベースのものや、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族等の骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。
【0029】
フェノール性水酸基を有する樹脂は、接着剤中に、5重量%以上80重量%以下で含まれることが好ましい。5重量%未満であると、金属表面を清浄化する作用が低下し、半田接合できなくなる恐れがある。また、80重量%より多いと、十分な硬化物が得られず、接合強度と信頼性が低下する恐れがある。フェノール性水酸基を有する樹脂の硬化剤の配合量は、例えば、エポキシ基当量またはイソシアネート基当量が、少なくともフェノール性水酸基を有する樹脂のヒドロキシル基当量に対し0.5倍以上、1.5倍以下が好ましいが、良好な金属接合性と硬化物物性が得られる場合は、この限りではない。また、接着剤には、上記成分の他に、無機充填材、硬化触媒、着色料、消泡剤、難燃剤、カップリング剤等の各種添加剤や、溶剤を添加しても良い。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層配線板を提供でき、電子部品の高密度集積化や、高密度実装化が可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の例を示す断面図である(図1の続き)。
【符号の説明】
101          金属箔
102          絶縁膜
103          ビア
104          導体ポスト
105          半田層
106          配線パターン
107          層間接続用ランド
108          接着剤層
110          接続層
120          被接続層
130          積層体
140          耐圧チャンバーもしくは不活性ガスチャンバー
150          加圧ステージ

Claims (7)

  1. 配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層とを有する接続層と、該導体ポストとの接続部を有する被接続層とを、接着剤層を介して半田接合させた層間接続部を有する多層配線板の製造方法であって、半田接合が、接着剤の半田接合温度における蒸気圧よりも高い圧力雰囲気下で行われることを特徴とする多層配線板の製造方法。
  2. 配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層とを有する接続層と、該導体ポストとの接続部を有する被接続層とを、接着剤層を介して半田接合させた層間接続部を有する多層配線板の製造方法であって、半田接合が、不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴とする多層配線板の製造方法。
  3. 半田接合が、接着剤の半田接合温度における蒸気圧よりも高い圧力雰囲気下および不活性ガス雰囲気下で行われる請求項1または2記載の多層配線板の製造方法。
  4. 不活性ガスが、窒素またはアルゴンである請求項2または3記載の多層配線板の製造方法。
  5. 半田接合が、半田層と接着剤層とを接触させ、半田層を形成する半田の融点以上の温度で加熱して半田層を溶融させて、次いで、圧着して行われる、請求項1〜4のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
  6. 接着剤層が、金属表面清浄化機能を有する接着剤からなるものである請求項1〜5のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の多層配線板の製造方法により得られる多層配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007242810A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd 回路基板の製造方法、回路板および回路板の製造方法
US11266016B2 (en) 2018-12-13 2022-03-01 Murata Manufacturing Co., Ltd. Resin multilayer substrate and electronic apparatus

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