JP2004103895A - 電子部品実装装置および電子部品実装方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】部品供給部から移載ヘッドの吸着ノズルによって電子部品を取り出して基板に実装する電子部品実装方法において、吸着ノズルによって部品供給部から電子部品をピックアップする吸着動作において、吸着ノズルに電子部品が吸着保持されない吸着ミスを吸着ミス検出手段によって検出するとともに、各パーツフィーダにおける電子部品の部品残数を部品残数記憶手段に記憶させておき、吸着ミスが3回連続して発生し、且つ当該パーツフィーダにおける部品残数が0である場合にのみ、部品切れと判定して装置停止する。これにより、吸着ミス検出の精度が安定しない場合にあっても正しい部品切れ判定結果を得ることができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品供給部のパーツフィーダから電子部品を取り出して基板に実装する電子部品実装装置および電子部品実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装装置においては、テープフィーダなどのパーツフィーダから電子部品を移載ヘッドによって取り出して基板に実装する。実装作業中にパーツフィーダで部品切れが発生した場合には、テープフィーダの供給リールを新たなものと交換するなどの部品補給作業が行われる。この部品補給作業は部品切れ検出信号を受けて行われ、部品切れ検出の方法として、吸着ノズルによる吸着ミスを検出することによって部品切れを推定する方法が知られている。
【0003】
吸着ミスの検出は一般に吸着ノズルに接続された真空吸引回路内の真空度を計測し、真空度が規定値に到達しない場合には電子部品が吸着されていない状態であると判定する。そして吸着ノズルが電子部品を吸着保持するピックアップ動作を所定回数反復しても電子部品の吸着保持に成功しなかった場合に、部品切れが発生したと判定するようにしている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−39997号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記吸着ミスに基づく部品切れ検出には、以下のような不都合が生じていた。すなわち、近年電子部品の微細化が進展するに伴って、吸着ミス検出の精度が低下する傾向にあり、電子部品が吸着ノズルによって保持されているにもかかわらず、真空度に基づく判定では吸着ミスと誤判定される場合がある。そしてこのような誤判定がある回数連続して発生すると、上述のように部品切れ判定がなされ、実装装置の動作が停止するとともにオペレータに対して部品切れ発生が報知される。
【0006】
この場合には、オペレータは本当に部品切れが発生したか否かを確認した後、誤判定であることが確認されたならば、停止状態から所定のリセット処理を行った後に実装装置を再起動する必要がある。このように、従来の電子部品実装装置には、吸着ミス検出の精度に起因して部品切れ判定が正確に行われず、余分な操作を必要とする場合があるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、部品切れ判定の精度を向上させ、操作性を改善することができる電子部品実装装置および電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子部品実装装置は、部品供給部に配列されたパーツフィーダから電子部品を取り出して基板に実装する電子部品実装装置であって、前記電子部品を吸着ノズルにより保持して基板に移送搭載する移載ヘッドと、この移載ヘッドによって前記パーツフィーダから電子部品をピックアップする吸着動作において前記吸着ノズルに電子部品が吸着保持されない吸着ミスを検出する吸着ミス検出手段と、前記パーツフィーダにおける電子部品の部品残数を記憶する部品残数記憶手段と、前記吸着ミス検出手段の検出結果と前記部品残数とに基づいて当該パーツフィーダの部品切れを判定する部品切れ判定手段とを備えた。
【0009】
請求項2記載の電子部品実装方法は、部品供給部に配列されたパーツフィーダから移載ヘッドによって電子部品を取り出して基板に実装する電子部品実装方法であって、この移載ヘッドの吸着ノズルによって前記パーツフィーダから電子部品をピックアップする吸着動作において、前記吸着ノズルに電子部品が吸着保持されない吸着ミスを吸着ミス検出手段によって検出するとともに、前記パーツフィーダにおける電子部品の部品残数を部品残数記憶手段に記憶させておき、前記吸着ミス検出手段の検出結果と前記部品残数とに基づいて当該パーツフィーダの部品切れを判定する。
【0010】
請求項3記載の電子部品実装方法は、請求項2記載の電子部品実装方法であって、前記部品切れの判定において、前記吸着ミス検出手段による吸着ミス検出回数が予め設定された限界回数を超え、かつパーツフィーダにおける部品残量が予め設定された下限数以下であるならば、当該パーツフィーダの部品切れと判定する。
【0011】
本発明によれば、移載ヘッドの吸着ノズルによってパーツフィーダから電子部品をピックアップする吸着動作において、吸着ノズルに電子部品が吸着保持されない吸着ミスを吸着ミス検出手段によって検出するとともに、パーツフィーダにおける電子部品の部品残数を部品残数記憶手段に記憶させておき、吸着ミス検出手段の検出結果と部品残数とに基づいて当該パーツフィーダの部品切れを判定することにより、吸着ミス検出の精度が安定しない場合にあっても正しい部品切れ判定結果を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図2は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の部品供給部の側面図、図3は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図、図4は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における部品切れ判定処理のフロー図である。
【0013】
まず図1を参照して電子部品実装装置の構造を説明する。図1において基台1の中央にはX方向に搬送路2が配設されている。搬送路2は基板3を搬送し電子部品の実装位置に位置決めする。搬送路2の両側方には、部品供給部4が配置されており、それぞれの部品供給部4にはパーツフィーダである多数のテープフィーダ5が並設されている。テープフィーダ5はテープに保持された電子部品を収納し、このテープをピッチ送りすることにより電子部品を供給する。
【0014】
基台1上面の両端部上にはY軸テーブル6A,6Bが配設されており、Y軸テーブル6A、6B上には2台のX軸テーブル7A,7Bが架設されている。Y軸テーブル6Aを駆動することにより、X軸テーブル7AがY方向に水平移動し、Y軸テーブル6Bを駆動することにより、X軸テーブル7BがY方向に水平移動する。X軸テーブル7A,7Bには、それぞれ移載ヘッド8および移載ヘッド8と一体的に移動するカメラ9が装着されている。
【0015】
Y軸テーブル6A,X軸テーブル7A,Y軸テーブル6B,X軸テーブル7Bをそれぞれ組み合わせて駆動することにより移載ヘッド8は水平移動し、それぞれの部品供給部4から電子部品を吸着ノズル(図示省略)によってピックアップし、搬送路2に位置決めされた基板3上に搭載する。Y軸テーブル6A,6B、X軸テーブル7A,7Bおよび移載ヘッド8は、電子部品を保持して基板3に移送搭載する部品搭載手段となっている。基板3上に移動したカメラ9は、基板3を撮像して認識する。また部品供給部4から搬送路2に至る経路には、カメラ10が配設されている。カメラ10は、それぞれの移載ヘッド8に保持された状態の電子部品を下方から撮像する。
【0016】
次に図2を参照して移載ヘッド8について説明する。図2に示すように、移載ヘッドはマルチタイプであり、部品保持手段としての単位移載ヘッド8aを8個備えた構成となっている。これらの単位移載ヘッド8aはそれぞれ下端部に電子部品を吸着して保持する吸着ノズル10を備え、個別に昇降動作が可能となっている。ここで吸着ノズル10は単位移載ヘッド8aの下部に設けられた装着部8b(図3参照)に着脱自在に装着され、電子部品の種類に応じて交換されるようになっている。
【0017】
ここで図3を参照して、吸着ノズル10から真空吸引する真空吸引・制御系の構成について説明する。図3に示すように、単位移載ヘッド8aにおいて吸着ノズル10が装着される装着部8bには真空バルブ11が接続されており、真空バルブ11は真空吸引源である真空ポンプ13に接続されている。装着部8bに吸着ノズル10が装着された状態で真空ポンプ13を駆動し、真空バルブ11を開状態にすることにより、吸着ノズル10の下端部の吸着面に設けられた吸着孔10aより真空吸引する。装着部8bには、フィルタ18が内蔵されており、吸着ノズル10から吸引された空気がフィルタ18を通過することにより、真空吸引時に空気とともに吸引された異物がフィルタ18によって捕集される。
【0018】
真空バルブ11と真空ポンプ13の間の真空吸引回路には、真空センサ12が配設されている。真空センサ12は、真空吸引回路内の真空度、すなわち真空吸引回路内の絶対圧力と大気圧との差を示す圧力差を真空度として計測する。ここでは真空度が高いほど、絶対圧が低いことを示している。真空センサ12の計測結果は、判定部14に送られる。
【0019】
判定部14は、真空センサ12の真空度計測結果を記憶部16に記憶されている部品吸着状態における真空度データと比較することにより、吸着ノズル10の下端部における電子部品の有無を判定する。従ってこの判定結果により、移載ヘッド8によって電子部品をピックアップする吸着動作において吸着ノズル10に電子部品が吸着保持されない吸着ミスを検出することができる。すなわち真空センサ12および判定部14は、吸着動作において吸着ノズル10に電子部品が吸着保持されない吸着ミスを検出する吸着ミス検出手段となっている。
【0020】
判定部14による判定結果は制御部15に送られる。制御部15は判定結果に基づいて報知部17に吸着ミスの報知を行う。また制御部15は、移載ヘッド8の各吸着ノズル10による各種動作の実行回数および吸着ミスなどの実行結果をリアルタイムでカウントするカウント機能を備えている。これにより、実装動作の途中における吸着ミスの発生回数をカウントするとともに、部品供給部4の各テープフィーダ5の交換後のピックアップ動作実行回数をカウントすることができるようになっている。
【0021】
すなわち、テープ供給リール交換作業などの部品供給作業によって所定数の電子部品が補給された後に、移載ヘッド8による当該パーツフィーダを対象とした部品取り出し動作回数をカウントし、前記所定数から逐次減算することにより、パーツフィーダにおける電子部品の部品残数をリアルタイムで求めることができる。このようにして制御部15によって求められた残部品数は、記憶部16に記憶される。すなわち記憶部16は、各パーツフィーダにおける電子部品の部品残数を記憶する部品残数記憶手段となっている。
【0022】
この電子部品実装装置は上記のように構成されており、次に電子部品実装動作において各パーツフィーダで発生する部品切れを適正に判定するために行われる部品切れ判定処理について説明する。従来は移載ヘッド8による部品ピックアップ動作の失敗がある条件下で連続発生した場合に部品切れ判定が出力されるよう、判定プログラムが設定されていた。
【0023】
すなわち吸着ノズル10による吸着ミスが、予め定められた回数(ここでは3回)連続して発生した場合には、吸着すべき電子部品が存在していない確率が大であるとの判断から、部品切れと判定するようにしていた。しかしながら電子部品の微細化が進展するに伴って、吸着ミス検出の精度が低下する傾向にあることから、吸着ミス判定結果に基づく部品切れ判定が適切になされず、実際には部品が存在するにもかかわらず部品切れの誤判定がなされる事態が多発していた。
【0024】
そこで、本実施の形態の電子部品実装装置では、図4のフローに示す方法によって、部品切れ判定を行うようにしている。ここでは従来方法と同様に、吸着ミスが連続して3回発生した状態(ST1)から、部品切れ判定処理が開始される。次いで、当該パーツフィーダの部品残数は0であるか否かを確認する処理が行われる(ST2)。
【0025】
すなわち、制御部15は記憶部16にリアルタイムで記憶されている部品残数を確認し、部品残数が0であると確認されたならば、部品切れと判定して装置停止する(ST3)。そして当該パーツフィーダを対象として部品補給作業を実行し(ST4)、部品補給作業が完了したならば、運転再開する(ST6)。従って、制御部15は、吸着ミス検出手段の検出結果と部品残数とに基づいてパーツフィーダの部品切れを判定する部品切れ判定手段となっている。
【0026】
そしてこの部品切れ判定においては、吸着ミス検出手段による吸着ミス検出回数が予め設定された限界回数(この例では3回)を超え、かつパーツフィーダにおける部品残量が予め設定された下限数以下(ここでは0)であるならば、当該パーツフィーダの部品切れと判定するようにしている。
【0027】
また(ST2)において、部品残数が0でなく、ピックアップ可能な電子部品が存在するならば、連続吸着ミスを報知する(ST5)。すなわち、吸着ミスは部品切れによって発生したものではなく、そのほかの要因、例えば吸着ノズル10の吸引異常などによって発生したことを示す警報が発せられる。そしてこの警報によってオペレータが必要な処置を行った後に、運転再開が行われる(ST6)。
【0028】
これにより、吸着ミスの連続発生によって装置停止した後においても、停止原因を適正に把握した後に必要な処置が行われ、従来装置において必要とされた動作復帰操作、すなわち停止状態から所定のリセット処理を行った後に実装装置を再起動する操作を行う必要がなく、部品切れ判定の精度を向上させるとともに操作性を改善することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、移載ヘッドの吸着ノズルによってパーツフィーダから電子部品をピックアップする吸着動作において、吸着ノズルに電子部品が吸着保持されない吸着ミスを吸着ミス検出手段によって検出するとともに、パーツフィーダにおける電子部品の部品残数を部品残数記憶手段に記憶させておき、吸着ミス検出手段の検出結果と部品残数とに基づいて当該パーツフィーダの部品切れを判定するようにしたので、吸着ミス検出の精度が安定しない場合にあっても正しい部品切れ判定結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の部品供給部の側面図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における部品切れ判定処理のフロー図
【符号の説明】
3 基板
4 部品供給部
5 テープフィーダ
8 移載ヘッド
10 吸着ノズル
12 真空センサ
14 判定部
15 制御部
16 記憶部
Claims (3)
- 部品供給部に配列されたパーツフィーダから電子部品を取り出して基板に実装する電子部品実装装置であって、前記電子部品を吸着ノズルにより保持して基板に移送搭載する移載ヘッドと、この移載ヘッドによって前記パーツフィーダから電子部品をピックアップする吸着動作において前記吸着ノズルに電子部品が吸着保持されない吸着ミスを検出する吸着ミス検出手段と、前記パーツフィーダにおける電子部品の部品残数を記憶する部品残数記憶手段と、前記吸着ミス検出手段の検出結果と前記部品残数とに基づいて当該パーツフィーダの部品切れを判定する部品切れ判定手段とを備えたことを特徴とする電子部品実装装置。
- 部品供給部に配列されたパーツフィーダから移載ヘッドによって電子部品を取り出して基板に実装する電子部品実装方法であって、この移載ヘッドの吸着ノズルによって前記パーツフィーダから電子部品をピックアップする吸着動作において、前記吸着ノズルに電子部品が吸着保持されない吸着ミスを吸着ミス検出手段によって検出するとともに、前記パーツフィーダにおける電子部品の部品残数を部品残数記憶手段に記憶させておき、前記吸着ミス検出手段の検出結果と前記部品残数とに基づいて当該パーツフィーダの部品切れを判定することをことを特徴とする電子部品実装方法。
- 前記部品切れの判定において、前記吸着ミス検出手段による吸着ミス検出回数が予め設定された限界回数を超え、かつパーツフィーダにおける部品残量が予め設定された下限数以下であるならば、当該パーツフィーダの部品切れと判定することを特徴とする請求項2記載の電子部品実装方法。
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