JP2004103872A - 有機ポリマー膜へのパターン形成方法、多層配線の形成方法及び半導体素子の製造方法 - Google Patents
有機ポリマー膜へのパターン形成方法、多層配線の形成方法及び半導体素子の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】有機ポリマー膜へのパターン形成におけるエッチング時のハードマスクの肩落ちを低減できるパターン形成方法、及びこれを用いた多層配線形成方法並びに半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、第1の膜としての有機ポリマー膜3上に第2の膜4として、無機膜または有機無機複合膜を形成し、第2の膜4上に剥離可能な第3の膜5を形成し、第3の膜5上にフォトレジストパターン6を形成した後、第1、第2、第3の膜をプラズマエッチングにより異方的にエッチングすると同時にフォトレジストパターン6を除去し、その後第3の膜5を剥離して除去する有機ポリマー膜3へのパターン形成方法である。この場合、第2の膜4上に剥離可能な第3の膜5を形成するため、第1の膜3のエッチング時に、第2の膜4の肩落ちが十分に防止される。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、第1の膜としての有機ポリマー膜3上に第2の膜4として、無機膜または有機無機複合膜を形成し、第2の膜4上に剥離可能な第3の膜5を形成し、第3の膜5上にフォトレジストパターン6を形成した後、第1、第2、第3の膜をプラズマエッチングにより異方的にエッチングすると同時にフォトレジストパターン6を除去し、その後第3の膜5を剥離して除去する有機ポリマー膜3へのパターン形成方法である。この場合、第2の膜4上に剥離可能な第3の膜5を形成するため、第1の膜3のエッチング時に、第2の膜4の肩落ちが十分に防止される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高集積化した半導体素子の製造に有用な有機ポリマー膜へのパターン形成方法、多層配線の形成方法及び半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIの高集積化が進むに従い、トランジスタを接続する配線が多層化し、また、動作スピードの向上のため、層間絶縁膜の低誘電率化が進んでいる。また、配線金属はアルミニュウムから抵抗の低い銅へと変化している。
【0003】
層間絶縁膜としては、従来から比誘電率4.2程度の化学気相成長(Chemical Vapor Deposition;CVD)法による酸化珪素(SiO2 )膜が主として用いられてきた。しかし、配線の微細化にともない、配線間容量の増大による信号遅延時間の増大が問題となり、配線間容量の低減が要求されている。そのため、より低誘電率な層間絶縁膜が求められている。有機SOG(Spin On Glass)膜、有機ポリマー膜は比誘電率3.0以下が達成可能であるため、LSIの層間絶縁膜への適用が盛んに検討され、一部で適用が開始されている。
【0004】
有機ポリマー膜を、LSIの層間絶縁膜に適用する場合、配線パターン形成のためのエッチング工程及び、銅(Cu)配線形成の化学機械研磨(ChemicalMechanical Polishing;CMP)工程において有機ポリマー膜を露出させないため、無機膜または、有機無機複合膜をハードマスクとして有機ポリマー膜の上に積層するのが一般的である。有機ポリマー膜を用いた場合の配線材料は、銅(Cu)が主流で、ダマシン法によって配線を形成する。この方法では、有機ポリマー膜に溝又は孔を形成後、Cuを埋め込み、余分なCuをCMPによって除去することで配線を形成する。
【0005】
有機ポリマー膜へのパターン形成は、フォトレジストパターンを形成後、プラズマエッチングにより行う。有機ポリマー膜を用いる場合には、有機ポリマー膜をエッチングする際に、フォトレジストパターンを同時に除去する方法が用いられる。フォトレジストパターンが除去された後は、有機ポリマー膜上に形成したハードマスクがマスクとなる。このような有機ポリマー膜のエッチング方法は、特開2001―308175号公報に開示されている。
【0006】
有機ポリマー膜のエッチングと同時にフォトレジストパターンを除去する方法では、フォトレジストパターンが除去された後はハードマスクがプラズマにさらされるため、ハードマスクの肩落ちが発生する。ハードマスクの肩落ちは、配線間のショートの原因になるため、LSIの微細化にともない深刻な問題となってきている。この問題に対しては、これまでエッチング条件のチューニングにより対処されてきたが、LSIの微細化にともない、要求の達成が難しくなってきている。
【0007】
有機ポリマー膜をLSIの層間絶縁膜として適用するため、有機ポリマー膜上のハードマスクの肩落ちを回避できるパターン形成方法の開発が望まれている。
【特許文献1】
特開2001―308175号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機ポリマー膜へのパターン形成におけるエッチング時のハードマスクの肩落ちを低減できるパターン形成方法、及びこれを用いた多層配線形成方法並びに半導体素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1の膜としての有機ポリマー膜上に第2の膜として、無機膜または有機無機複合膜を形成し、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成し、第3の膜上にフォトレジストパターンを形成した後、第1の膜、第2の膜、第3の膜をプラズマエッチングにより異方的にエッチングすると同時に、フォトレジストパターンを除去し、その後第3の膜を剥離して除去することを特徴とする有機ポリマー膜へのパターン形成方法に関する。
【0010】
本発明によれば、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成するため、第3の膜上にフォトレジストパターンを形成し、第1、第2、第3の膜をエッチングすると同時にフォトレジストパターンを除去すると、第3の膜に肩落ちが生じ、第2の膜の肩落ちが十分に防止される。
【0011】
また本発明は、上記有機ポリマー膜へのパターン形成方法を用いて有機ポリマー膜にパターンを形成する工程と、前記パターンに配線を形成する工程とを交互に行うことにより多層配線を形成することを特徴とする多層配線の形成方法である。
【0012】
この発明によれば、第2の膜の肩落ちが十分に防止されるため、第3の膜を剥離した後、配線を行っても、配線幅の広がりが十分に防止される。
【0013】
更に本発明は、半導体基板上に、上記有機ポリマー膜へのパターン形成方法を用いて、有機ポリマー膜にパターンを形成する工程と、前記パターンに配線を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法である。
【0014】
この製造方法によれば、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成するため、第1、第2、第3の膜及びフォトレジストパターンのエッチング時に、第3の膜に肩落ちが生じ、第2の膜の肩落ちは十分に防止される。このため、第3の膜を剥離した後、配線を行っても、配線幅の広がりが十分に防止される。従って、得られる半導体素子の高性能化、高歩留まりの達成が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
本発明に用いる第1の膜としての有機ポリマー膜としては、ポリアリールエーテル膜、芳香族系ポリマー膜、フッ素樹脂膜等又はこれらのポーラス膜が用いられる。
【0017】
有機ポリマー膜としてポリアリールエーテル膜を用いる場合、有機ポリマー膜の形成には、複数のホットプレートを有する市販のスピンコータが用いられる。通常、ウエハ等の半導体基板を10〜100rpmで回転させながら、塗布液をウエハ中央に滴下し、その後、2000〜5000rpmでウエハを回転させる。この時の回転数によって形成される膜厚の調節が可能である。スピンコート後は、1〜3枚のホットプレートを用いて50〜350℃のプリベークを行う。必要に応じて低温から段階的に2〜3段階でベークする方法が用いられる。塗布液としては、ポリアリールエーテルの前駆体及びこれを溶解する溶媒を含むものが用いられる。
【0018】
さらに、塗布膜を完全に硬化させてポリアリールエーテル膜を形成するために、通常400〜450℃で20〜60分の熱処理を行う。硬化には市販の縦型炉を用いることが出来る。硬化に際しては、硬化雰囲気を窒素雰囲気とし、酸素濃度を100ppm以下に制御するのが好ましい。
有機ポリマー膜として芳香族系ポリマー膜又はフッ素樹脂膜等を用いる場合は、上記と同様にスピンコータを用い、回転するウェハに塗布液を滴下した後、プリベークして有機ポリマー膜を形成する。この場合、塗布膜の硬化のための熱処理は不要である。また塗布液は、芳香族系ポリマー又はフッ素樹脂及びこれらを溶解する溶媒で構成される。なお、有機ポリマー膜としてフッ素樹脂を用いる場合には、CVD法で成膜した後、熱処理することによって有機ポリマー膜を形成することも可能である。
【0019】
LSIの層間絶縁膜に有機ポリマー膜を用いる場合、これらの膜がウエハ表面に露出した状態では、LSIの多層配線形成プロセスで用いられるプラズマ及び、薬品により、膜質が劣化し、絶縁膜としての信頼性が低下する可能性がある。そのため、プラズマ及び薬品により膜質が劣化しないよう、第1の膜としての有機ポリマー膜の上に第2の膜として無機膜又は、有機無機複合膜を積層する。このような膜としては、SiO2膜、SiN膜、SiOC膜、SiC膜、SiCN膜等が通常用いられ、これらはプラズマCVD法により形成するのが一般的である。
【0020】
また、層間絶縁膜に有機ポリマー膜を用いる場合、有機ポリマー膜へパターン形成した後のフォトレジストの除去に、酸素プラズマアッシングを用いることができないため、パターン形成のエッチング時にフォトレジストを同時に除去する方法が用いられる。有機ポリマー膜上に形成した無機膜または、有機無機複合膜は、フォトレジストが除去された後のハードマスクとしての役割を果たす。
【0021】
フォトレジストを有機ポリマー膜のエッチング時に同時に除去する方法では、ハードマスクの肩落ちが問題となる。プラズマエッチングでは、通常、異方形状にエッチングするため、基板にバイアスを印加するが、バイアスが強いとハードマスクの肩落ちが顕著になる。逆にバイアスが弱いと、エッチングの異方性が低下するため、有機膜の加工形状と、ハードマスクの肩落ちがトレードオフになり、エッチング条件によるチューニングが難しくなってきている。
【0022】
そこで、本発明では、ハードマスクの上に剥離可能な第3の膜を形成する。これにより、エッチング時に、第3の膜に肩落ちが生じ、ハードマスクの肩落ちが十分に防止される。容易に剥離できる膜としては、有機ポリシロキサン膜を用いることができる。有機ポリシロキサン膜は、塗布液を用いてスピンコートにより成膜できる。スピンコート後は、1〜3枚のホットプレートを用いて50〜350℃のプリベークを行う。通常は低温から段階的に2〜3段階でベークする。有機ポリシロキサン膜を完全に硬化させるためには一般的には、400℃以上で硬化する必要があるが、本発明においてはエッチング後に有機ポリシロキサン膜を除去するため、400℃以上の硬化は必要無い。
【0023】
有機ポリシロキサン膜の塗布液として、アルコキシシランの部分加水分解縮合物の溶液を用いることができる。塗布液の製造法としては、例えば、アルコキシシラン類を、溶剤及び触媒の存在下に水を添加して加水分解縮合反応させる方法がある。この場合、必要に応じて加熱を行ってもよい。触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸等が使用できる。通常、生成物の分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算重量平均分子量で500〜10000の範囲に設定するのが、溶液の保管安定性、溶剤への溶解性の観点から好ましい。ついで必要に応じて系内に存在する水を蒸留などにより除去し、さらに触媒をイオン交換樹脂などで除去してもよい。
【0024】
アルコキシシラン類としては例えば以下のものが使用可能である。
すなわち、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどのモノアルキルトリアルコキシシラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのモノアルケニルトリアルコキシシラン類、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロウンデシルトリメトキシシラン、(4−ペルフルオロブチルフェニル)トリメトキシシラン、(4−ペルフルオロヘキシルフェニル)トリメトキシシラン、(4−ペルフルオロオクチルフェニル)トリメトキシシランなどの含フッ素アルコキシシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの脂肪族アミノシラン類、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの含芳香環アミノシラン類等が使用可能である。
【0025】
加水分解縮合反応及び塗布液に用いる溶剤としては例えば以下のものが使用可能である。
すなわち、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールジアセテート等のグリコールアセテート系溶媒、N,N−メチル−2ピロリドン等のアミド系溶媒、グリコールエーテル系溶媒等が使用可能である。
【0026】
剥離し易い有機ポリシロキサン膜を形成するためには、テトラアルコキシシラン類の比率が少ない方が良く、モノマーの比率で0〜10モル%が好ましい。また、有機含有量が多いほど剥離し易いが、多すぎると有機ポリマー膜のエッチング時のエッチング選択比が低下する。有機含有量としては、10〜40重量%が好ましく、特には20〜30重量%が好ましい。
【0027】
上記第3の膜上にはフォトレジストパターンを形成する。この場合、まずフォトレジストを有機ポリシロキサン膜上に形成するが、この際、フォトレジストの塗布液がはじかれて、塗布できない場合が有る。その時は、有機ポリシロキサン膜の表面をUV、電子線、酸素プラズマ等で処理するのが有効である。フォトレジストには市販のものが用いられ、塗布、露光、現像には市販の装置が用いられる。フォトレジストを形成した後は、フォトレジストに溝又は孔などを形成し、フォトレジストパターンを形成する。
【0028】
こうしてフォトレジストパターンを形成した後は、有機ポリシロキサン膜、ハードマスク、有機ポリマー膜のエッチングを行うと同時にフォトレジストパターンを除去する。このとき、具体的にはCF系のエッチングガスで有機ポリシロキサン膜、ハードマスクをエッチングした後、N2/H2系またはNH3系のエッチングガスを用いて有機ポリマー膜のエッチングを行う。フォトレジストは有機膜であるため、有機ポリマー膜のエッチング時に同時にエッチングされて除去される。フォトレジストが除去された後は、有機ポリシロキサン膜が露出し、有機ポリシロキサン膜の肩落ちが起こるが、エッチング後に有機ポリシロキサン膜を除去するため問題無い。従って、エッチング条件のチューニングにおいては、有機ポリマー膜のサイドエッチの低減を優先できる。
【0029】
次に、有機ポリシロキサン膜をハードマスクから剥離する。このとき、有機ポリシロキサン膜として、下地との密着性が低いものを用いることで、エッチング後に有機ポリシロキサン膜を容易に剥離することが可能である。有機ポリシロキサン膜を剥離する方法としては、ピール法を用いることができる。市販の粘着テープをラミネート機を用いてウエハ全面に、しわ、気泡が生じないように貼り付け、引き剥がすことで、剥離できる。剥離後は、必要に応じて市販のクリーニング液によるクリーニングを行っても良い。
【0030】
こうして有機ポリマー膜にパターンを形成した後は、Cu配線を形成する。そのため、まずスパッタによってバリア膜及び、銅メッキのためのCuシード層を形成する。バリア膜は、下地絶縁膜との接着性向上やCu膜の絶縁膜中への拡散を防ぐ事などを目的として形成される。
【0031】
続いて、Cu膜を形成する。Cu膜は市販のメッキ液、メッキ装置を用いて形成することが出来る。Cu膜を形成した後はCuCMPを行う。Cu配線を形成するためのCuCMPには、市販のCu研磨液と研磨装置を用いることができる。CuCMP後は連続してバリア膜のCMPを行う。こうしてCu配線を形成する。
【0032】
Cu及びバリア膜のCMP後はCuの拡散防止のため、SiN膜をCVD法により形成する。その上に、上層の配線層を形成するため再び塗布絶縁膜を形成し、同じ工程を繰り返すことにより多層配線が形成される。
【0033】
本発明の多層配線の形成方法では、有機ポリマー膜へのパターン形成時にハードマスクの肩落ちが無いため、配線間のショートによる不良が減り、歩留まりを向上できる。また、従来方法では配線間のショートを防止するため、バリア膜の研磨の際に、ハードマスク肩落ち部分を除去する目的で、バリア膜と同時にハードマスクを研磨する必要があったが、本発明の多層配線の形成方法では、ハードマスクの肩落ちが無いため、バリア膜研磨において、ハードマスクを研磨する必要がない。そのため、ハードマスクに対して、バリア膜を選択的に研磨する研磨液を用いることにより、CMPの終点管理が容易になり、配線抵抗のばらつきを低減できる。また、Cu研磨液として、砥粒フリータイプを組み合わせることにより、CMPによる絶縁膜のロスをさらに低減でき、配線抵抗のばらつきをさらに低減できる。
【0034】
Cuの多層配線をデュアルダマシン法で形成する場合は、従来方法では、ハードマスクの肩落ちはより顕著になるため、本発明の多層配線の形成方法は特に有効である。
【0035】
単層配線構造の半導体素子を製造する場合は、シリコン基板等の半導体基板上に、上記有機ポリマー膜へのパターン形成方法を用いて、有機ポリマー膜にパターンを形成した後、このパターンに上記のようにして配線を形成すればよく、多層配線構造の半導体素子を製造する場合には、半導体基板上に、上記多層配線の形成方法により多層配線を形成すればよい。
【0036】
この半導体素子の製造方法によれば、多層配線の層間絶縁膜として有機ポリマー膜を用い、その有機ポリマー膜にパターンを形成する時にハードマスクの肩落ちを十分に防止できるため、配線時において、配線幅の広がりが十分に防止される。従って、配線抵抗のばらつきの改善、ひいては半導体素子の高性能化が可能であり、また、高集積化したLSIの高歩留まりの達成が可能である。
【0037】
本発明の半導体素子の製造方法により製造される半導体素子としては、例えば、DRAM、SRAM、EPROM、マスクROM、EEPROM、フラッシュメモリーなどの記憶素子、マイクロプロセッサー、ASICなどの論理回路素子などに代表される集積回路素子が挙げられる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0039】
実施例1
有機ポリマー膜として、硬化膜の比誘電率が2.6であるダウ・ケミカル社製のSiLK J350樹脂を用いてシングルダマシンを想定した多層配線形成の検討を行った。
【0040】
基板として、SiN100nmが製膜された8インチのシリコンウエハを用いた。塗布装置は大日本スクリーン製のSCW−80Aコータを用いた。ウエハをスピンチャックに吸着後、30rpmで回転しながら、SiLK J350塗布液を4cc滴下した。滴下終了後すぐに3500rpmで25秒回転し、続いて、5000rpmで20秒回転して塗布膜の溶剤を揮発させた。その後回転数を1500rpmに保持しながら、ウエハ外周部にリンス液を滴下して外周部のSiLK樹脂を除去した。リンス液はシクロヘキサノンを用い、樹脂の除去幅は、Siウエハの端から3mmとした。エッジリンスの際には、同時にウエハ裏面に付着した樹脂液を除去するためバックリンスを行った。バックリンスにもシクロヘキサノンを用いた。エッジリンス、バックリンス終了後はリンス液を振り切るため2000rpmで10秒回転した。
【0041】
スピン塗布後はホットプレートを用いて320℃/90秒のベークを行い、続いてクーリングプレートを用いて23℃/90秒のクーリングを行った。その後ウエハを縦型炉の石英ボートに挿入し、大日本スクリーン製の縦型炉AVF801を用いて400℃/30分の硬化を行った。この時の雰囲気はN2雰囲気でO2濃度は100ppm以下に制御した。硬化後の膜厚を干渉膜厚計を用いて屈折率1.63で測定した結果、膜厚は350nmであった。
【0042】
塗布膜の硬化後に、プラズマCVDによりSiO2膜を積層した。プラズマCVD装置はP―5000(アプライドマテリアル製)を用い、ソースガスはSiH4と、N2Oを用いた。ウエハーチャック温度400度、SiH4/N2O=100sccm/2000sccm、処理圧力1.2kPaの条件で、100nmのSiO2膜を積層した。
【0043】
一方、モノメチルトリエトキシシラン1モルに対し、テトラエトキシシラン0.05モルの比率で混合し、加水分解縮合反応により有機含有ポリシロキサン塗布液Aを得た。すなわち、500mlのフラスコ内でモノメチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシランと溶媒のプロピレングリコールモノプロピルエーテルを混合し、撹拌を行いながら水で希釈した硝酸を滴下し、反応を行った。この時の実験室の気温は23℃で、フラスコの温度制御は行わなかった。添加した水の量は、用いたアルコキシシランのアルコキシ基と等モルで、硝酸はアルコキシシラン1.0モルに対し、0.01モルとした。塗布液の不揮発分濃度は、8重量%に調整した。水と触媒の滴下終了後、2時間程度撹拌を行った後、密閉容器に移して23℃で2日間放置した。その時のシロキサンオリゴマーの分子量をGPCで測定した結果、ポリスチレン換算の数平均分子量は1000程度、重量平均分子量は1500程度であった。こうして有機含有ポリシロキサン塗布液Aを得た。塗布液Aは、その後冷凍庫(−18℃)で保管を行った。
【0044】
上記のようにして得られた塗布液Aを用いて、SiO2膜上に、スピンコート法により塗布膜の形成を行った。スピンコート後は、ホットプレートで80℃/90sec、150℃/90sec、250℃/90secのベークを連続して行った。250℃/90secのホットプレートベーク時に、UVを照射し、表面の改質を行った。得られた有機ポリシロキサン膜の膜厚は0.2μmであった。
【0045】
市販のフォトレジスト塗布液、塗布装置を用いてフォトレジストを形成した後、ステッパー、現像装置を用いて、0.25μm/0.25μmのラインアンドスペースを有するフォトレジストパターンを形成した。
【0046】
フォトレジストパターンの形成後、有機ポリシロキサン膜、SiO2膜のエッチングを行った。エッチングは、平行平板型のRIE装置CSE―1110(アルバック製)を用いて行った。始めに、CF4/O2を用いて、有機ポリシロキサン膜、SiO2膜のエッチングを行った。処理条件は、CF4/O2=80sccm/20sccm、圧力50Pa、Rfパワー200Wとした。
【0047】
続いてSiLK硬化膜のエッチングを行った。処理圧力4Pa、エッチングガスはN2/H2=15sccm/15sccmとした。この時のSiLK硬化膜及び、プリベーク膜のエッチレートは100nm/minであった。350nmに対して30%のオーバーエッチを行うため、エッチング時間を4.5minとした。エッチング後にはフォトレジストは完全に除去された。エッチング後の断面をSEMで観察した結果、有機ポリシロキサン膜において、図1に示すような肩落ち形状が見られた。なお、図1において、符号1は、Si基板、2はSiN膜、3はSiLK硬化膜、4はSiO2膜、5は有機ポリシロキサン膜を表す。
【0048】
次に、市販の粘着テープを、ラミネート機を用いて、室温でウエハ表面に貼り付けた後、引き剥がし、有機SOG膜(有機ポリシロキサン膜)を除去した。有機ポリシロキサン膜剥離後の断面をSEMで観察した結果、ハードマスクであるSiO2膜においては、図2に示すように、肩落ちの無い形状が得られていることが確認できた。なお、図2中、図1と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
【0049】
Cu配線形成のため、パターン形成したウエハにTaNを10nm積層し、次いでTaを20nm積層し、最後にCuを200nm積層した。TaN、Ta、Cuの製膜はスパッタで行った。その後、CuのCMPを行った。Cu−CMPでは、研磨液は砥粒フリー研磨液 HS−4000(日立化成製)、研磨パッドはIC−1000単層、格子溝パッド(ロデール製)、研磨装置は、定盤直径24インチ、2プラテン型のメタル用研磨装置(ラップマスター社製)を用いた。研磨条件は、荷重200g/cm2、定盤回転数40rpm、ウエハホルダ回転数40rpm、研磨液供給量200cc/min、研磨時間2分とし、プラテンは、第一プラテンを用いた。この条件でのCuの研磨速度は140nm/minであった。研磨後はウエハを水で洗浄し、乾燥させた。
【0050】
続いて、Ta/TaNのCMPを行った。研磨液は、砥粒入りの研磨液 HS−5000X−4(日立化成製)、研磨パッドはIC−1000単層、格子溝パッド(ロデール製)、研磨装置は、CuCMPと同一の研磨装置を用い、第二プラテンを用いて研磨を行った。研磨条件は、荷重200g/cm2、定盤回転数30rpm、ウエハホルダ回転数30rpm、研磨液供給量200cc/min、研磨時間1分とした。この条件でのTa、TaNの研磨速度は50nm/minであった。研磨後は、水洗し、乾燥させた。
【0051】
バリア膜研磨後にCu拡散防止膜を想定したSiN膜50nmを形成することにより、シングルダマシンを想定したプロセスを完了した。こうして櫛形の配線パターンをシリコンウェハ上に形成し、以下のようにして歩留まりを測定した。すなわち、上記のようにして櫛形の配線パターンを有するサンプルを複数個用意し、全サンプルについて0.25μm/0.25μmのラインアンドスペースの櫛形の配線パターンに4MV/cmの電界を印加した。そして、1×10−4A/cm2以上の電流が流れたサンプルについてはショートしたものとし、下記式に従って、歩留まりを算出した。
歩留まり(%)
=100×(全サンプル数−ショートしたサンプル数)/全サンプル数
その結果、歩留まりは90%以上であった。このことから、本プロセスは、LSIの多層配線形成に有効であることが確認された。
【0052】
比較例1
SiO2膜上に有機ポリシロキサン膜を形成しなかった以外は実施例1と同様にして配線パターンを形成した。パターン形成後に断面をSEMで観察した結果、ハードマスクであるSiO2膜において、図3の様なハードマスクの肩落ちが観察された。なお、図3中、図1と同一の構成要素については同一の符号を付してある。また、実施例1と同様にして、Cu配線を形成し、歩留まりを測定した結果、歩留まりは70%であった。この結果から、ハードマスクの肩落ちが歩留まりに影響していると推定される。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の有機ポリマー膜へのパターン形成方法によれば、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成するため、エッチング時に、第3の膜に肩落ちが生じ、第2の膜の肩落ちが十分に防止される。
【0054】
また本発明の多層配線形成方法によれば、有機ポリマー膜にパターンを形成する場合に、第2の膜の肩落ちを十分に防止できるため、第3の膜を剥離した後、配線を行っても、配線幅の広がりが十分に防止される。
【0055】
更に本発明の半導体素子の製造方法によれば、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成するため、第1、第2、第3の膜及びフォトレジストパターンのエッチング時に、第2の膜の肩落ちが十分に防止される。このため、第3の膜を剥離した後、配線を行っても、配線幅の広がりが十分に防止される。従って、半導体素子の高性能化、高歩留まりの達成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るエッチング後の断面形状を示す図である。
【図2】実施例1に係る有機ポリシロキサン膜剥離後の断面形状を示す図である。
【図3】比較例1に係るエッチング後の断面形状を示す図である。
【符号の説明】
1…Si基板(半導体基板)、3…SiLK硬化膜(第1の膜)、4…SiO2膜(第2の膜)、5…有機ポリシロキサン膜(第3の膜)、6…フォトレジストパターン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高集積化した半導体素子の製造に有用な有機ポリマー膜へのパターン形成方法、多層配線の形成方法及び半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIの高集積化が進むに従い、トランジスタを接続する配線が多層化し、また、動作スピードの向上のため、層間絶縁膜の低誘電率化が進んでいる。また、配線金属はアルミニュウムから抵抗の低い銅へと変化している。
【0003】
層間絶縁膜としては、従来から比誘電率4.2程度の化学気相成長(Chemical Vapor Deposition;CVD)法による酸化珪素(SiO2 )膜が主として用いられてきた。しかし、配線の微細化にともない、配線間容量の増大による信号遅延時間の増大が問題となり、配線間容量の低減が要求されている。そのため、より低誘電率な層間絶縁膜が求められている。有機SOG(Spin On Glass)膜、有機ポリマー膜は比誘電率3.0以下が達成可能であるため、LSIの層間絶縁膜への適用が盛んに検討され、一部で適用が開始されている。
【0004】
有機ポリマー膜を、LSIの層間絶縁膜に適用する場合、配線パターン形成のためのエッチング工程及び、銅(Cu)配線形成の化学機械研磨(ChemicalMechanical Polishing;CMP)工程において有機ポリマー膜を露出させないため、無機膜または、有機無機複合膜をハードマスクとして有機ポリマー膜の上に積層するのが一般的である。有機ポリマー膜を用いた場合の配線材料は、銅(Cu)が主流で、ダマシン法によって配線を形成する。この方法では、有機ポリマー膜に溝又は孔を形成後、Cuを埋め込み、余分なCuをCMPによって除去することで配線を形成する。
【0005】
有機ポリマー膜へのパターン形成は、フォトレジストパターンを形成後、プラズマエッチングにより行う。有機ポリマー膜を用いる場合には、有機ポリマー膜をエッチングする際に、フォトレジストパターンを同時に除去する方法が用いられる。フォトレジストパターンが除去された後は、有機ポリマー膜上に形成したハードマスクがマスクとなる。このような有機ポリマー膜のエッチング方法は、特開2001―308175号公報に開示されている。
【0006】
有機ポリマー膜のエッチングと同時にフォトレジストパターンを除去する方法では、フォトレジストパターンが除去された後はハードマスクがプラズマにさらされるため、ハードマスクの肩落ちが発生する。ハードマスクの肩落ちは、配線間のショートの原因になるため、LSIの微細化にともない深刻な問題となってきている。この問題に対しては、これまでエッチング条件のチューニングにより対処されてきたが、LSIの微細化にともない、要求の達成が難しくなってきている。
【0007】
有機ポリマー膜をLSIの層間絶縁膜として適用するため、有機ポリマー膜上のハードマスクの肩落ちを回避できるパターン形成方法の開発が望まれている。
【特許文献1】
特開2001―308175号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機ポリマー膜へのパターン形成におけるエッチング時のハードマスクの肩落ちを低減できるパターン形成方法、及びこれを用いた多層配線形成方法並びに半導体素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1の膜としての有機ポリマー膜上に第2の膜として、無機膜または有機無機複合膜を形成し、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成し、第3の膜上にフォトレジストパターンを形成した後、第1の膜、第2の膜、第3の膜をプラズマエッチングにより異方的にエッチングすると同時に、フォトレジストパターンを除去し、その後第3の膜を剥離して除去することを特徴とする有機ポリマー膜へのパターン形成方法に関する。
【0010】
本発明によれば、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成するため、第3の膜上にフォトレジストパターンを形成し、第1、第2、第3の膜をエッチングすると同時にフォトレジストパターンを除去すると、第3の膜に肩落ちが生じ、第2の膜の肩落ちが十分に防止される。
【0011】
また本発明は、上記有機ポリマー膜へのパターン形成方法を用いて有機ポリマー膜にパターンを形成する工程と、前記パターンに配線を形成する工程とを交互に行うことにより多層配線を形成することを特徴とする多層配線の形成方法である。
【0012】
この発明によれば、第2の膜の肩落ちが十分に防止されるため、第3の膜を剥離した後、配線を行っても、配線幅の広がりが十分に防止される。
【0013】
更に本発明は、半導体基板上に、上記有機ポリマー膜へのパターン形成方法を用いて、有機ポリマー膜にパターンを形成する工程と、前記パターンに配線を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法である。
【0014】
この製造方法によれば、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成するため、第1、第2、第3の膜及びフォトレジストパターンのエッチング時に、第3の膜に肩落ちが生じ、第2の膜の肩落ちは十分に防止される。このため、第3の膜を剥離した後、配線を行っても、配線幅の広がりが十分に防止される。従って、得られる半導体素子の高性能化、高歩留まりの達成が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
本発明に用いる第1の膜としての有機ポリマー膜としては、ポリアリールエーテル膜、芳香族系ポリマー膜、フッ素樹脂膜等又はこれらのポーラス膜が用いられる。
【0017】
有機ポリマー膜としてポリアリールエーテル膜を用いる場合、有機ポリマー膜の形成には、複数のホットプレートを有する市販のスピンコータが用いられる。通常、ウエハ等の半導体基板を10〜100rpmで回転させながら、塗布液をウエハ中央に滴下し、その後、2000〜5000rpmでウエハを回転させる。この時の回転数によって形成される膜厚の調節が可能である。スピンコート後は、1〜3枚のホットプレートを用いて50〜350℃のプリベークを行う。必要に応じて低温から段階的に2〜3段階でベークする方法が用いられる。塗布液としては、ポリアリールエーテルの前駆体及びこれを溶解する溶媒を含むものが用いられる。
【0018】
さらに、塗布膜を完全に硬化させてポリアリールエーテル膜を形成するために、通常400〜450℃で20〜60分の熱処理を行う。硬化には市販の縦型炉を用いることが出来る。硬化に際しては、硬化雰囲気を窒素雰囲気とし、酸素濃度を100ppm以下に制御するのが好ましい。
有機ポリマー膜として芳香族系ポリマー膜又はフッ素樹脂膜等を用いる場合は、上記と同様にスピンコータを用い、回転するウェハに塗布液を滴下した後、プリベークして有機ポリマー膜を形成する。この場合、塗布膜の硬化のための熱処理は不要である。また塗布液は、芳香族系ポリマー又はフッ素樹脂及びこれらを溶解する溶媒で構成される。なお、有機ポリマー膜としてフッ素樹脂を用いる場合には、CVD法で成膜した後、熱処理することによって有機ポリマー膜を形成することも可能である。
【0019】
LSIの層間絶縁膜に有機ポリマー膜を用いる場合、これらの膜がウエハ表面に露出した状態では、LSIの多層配線形成プロセスで用いられるプラズマ及び、薬品により、膜質が劣化し、絶縁膜としての信頼性が低下する可能性がある。そのため、プラズマ及び薬品により膜質が劣化しないよう、第1の膜としての有機ポリマー膜の上に第2の膜として無機膜又は、有機無機複合膜を積層する。このような膜としては、SiO2膜、SiN膜、SiOC膜、SiC膜、SiCN膜等が通常用いられ、これらはプラズマCVD法により形成するのが一般的である。
【0020】
また、層間絶縁膜に有機ポリマー膜を用いる場合、有機ポリマー膜へパターン形成した後のフォトレジストの除去に、酸素プラズマアッシングを用いることができないため、パターン形成のエッチング時にフォトレジストを同時に除去する方法が用いられる。有機ポリマー膜上に形成した無機膜または、有機無機複合膜は、フォトレジストが除去された後のハードマスクとしての役割を果たす。
【0021】
フォトレジストを有機ポリマー膜のエッチング時に同時に除去する方法では、ハードマスクの肩落ちが問題となる。プラズマエッチングでは、通常、異方形状にエッチングするため、基板にバイアスを印加するが、バイアスが強いとハードマスクの肩落ちが顕著になる。逆にバイアスが弱いと、エッチングの異方性が低下するため、有機膜の加工形状と、ハードマスクの肩落ちがトレードオフになり、エッチング条件によるチューニングが難しくなってきている。
【0022】
そこで、本発明では、ハードマスクの上に剥離可能な第3の膜を形成する。これにより、エッチング時に、第3の膜に肩落ちが生じ、ハードマスクの肩落ちが十分に防止される。容易に剥離できる膜としては、有機ポリシロキサン膜を用いることができる。有機ポリシロキサン膜は、塗布液を用いてスピンコートにより成膜できる。スピンコート後は、1〜3枚のホットプレートを用いて50〜350℃のプリベークを行う。通常は低温から段階的に2〜3段階でベークする。有機ポリシロキサン膜を完全に硬化させるためには一般的には、400℃以上で硬化する必要があるが、本発明においてはエッチング後に有機ポリシロキサン膜を除去するため、400℃以上の硬化は必要無い。
【0023】
有機ポリシロキサン膜の塗布液として、アルコキシシランの部分加水分解縮合物の溶液を用いることができる。塗布液の製造法としては、例えば、アルコキシシラン類を、溶剤及び触媒の存在下に水を添加して加水分解縮合反応させる方法がある。この場合、必要に応じて加熱を行ってもよい。触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸等が使用できる。通常、生成物の分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算重量平均分子量で500〜10000の範囲に設定するのが、溶液の保管安定性、溶剤への溶解性の観点から好ましい。ついで必要に応じて系内に存在する水を蒸留などにより除去し、さらに触媒をイオン交換樹脂などで除去してもよい。
【0024】
アルコキシシラン類としては例えば以下のものが使用可能である。
すなわち、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどのモノアルキルトリアルコキシシラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのモノアルケニルトリアルコキシシラン類、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロウンデシルトリメトキシシラン、(4−ペルフルオロブチルフェニル)トリメトキシシラン、(4−ペルフルオロヘキシルフェニル)トリメトキシシラン、(4−ペルフルオロオクチルフェニル)トリメトキシシランなどの含フッ素アルコキシシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの脂肪族アミノシラン類、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの含芳香環アミノシラン類等が使用可能である。
【0025】
加水分解縮合反応及び塗布液に用いる溶剤としては例えば以下のものが使用可能である。
すなわち、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールジアセテート等のグリコールアセテート系溶媒、N,N−メチル−2ピロリドン等のアミド系溶媒、グリコールエーテル系溶媒等が使用可能である。
【0026】
剥離し易い有機ポリシロキサン膜を形成するためには、テトラアルコキシシラン類の比率が少ない方が良く、モノマーの比率で0〜10モル%が好ましい。また、有機含有量が多いほど剥離し易いが、多すぎると有機ポリマー膜のエッチング時のエッチング選択比が低下する。有機含有量としては、10〜40重量%が好ましく、特には20〜30重量%が好ましい。
【0027】
上記第3の膜上にはフォトレジストパターンを形成する。この場合、まずフォトレジストを有機ポリシロキサン膜上に形成するが、この際、フォトレジストの塗布液がはじかれて、塗布できない場合が有る。その時は、有機ポリシロキサン膜の表面をUV、電子線、酸素プラズマ等で処理するのが有効である。フォトレジストには市販のものが用いられ、塗布、露光、現像には市販の装置が用いられる。フォトレジストを形成した後は、フォトレジストに溝又は孔などを形成し、フォトレジストパターンを形成する。
【0028】
こうしてフォトレジストパターンを形成した後は、有機ポリシロキサン膜、ハードマスク、有機ポリマー膜のエッチングを行うと同時にフォトレジストパターンを除去する。このとき、具体的にはCF系のエッチングガスで有機ポリシロキサン膜、ハードマスクをエッチングした後、N2/H2系またはNH3系のエッチングガスを用いて有機ポリマー膜のエッチングを行う。フォトレジストは有機膜であるため、有機ポリマー膜のエッチング時に同時にエッチングされて除去される。フォトレジストが除去された後は、有機ポリシロキサン膜が露出し、有機ポリシロキサン膜の肩落ちが起こるが、エッチング後に有機ポリシロキサン膜を除去するため問題無い。従って、エッチング条件のチューニングにおいては、有機ポリマー膜のサイドエッチの低減を優先できる。
【0029】
次に、有機ポリシロキサン膜をハードマスクから剥離する。このとき、有機ポリシロキサン膜として、下地との密着性が低いものを用いることで、エッチング後に有機ポリシロキサン膜を容易に剥離することが可能である。有機ポリシロキサン膜を剥離する方法としては、ピール法を用いることができる。市販の粘着テープをラミネート機を用いてウエハ全面に、しわ、気泡が生じないように貼り付け、引き剥がすことで、剥離できる。剥離後は、必要に応じて市販のクリーニング液によるクリーニングを行っても良い。
【0030】
こうして有機ポリマー膜にパターンを形成した後は、Cu配線を形成する。そのため、まずスパッタによってバリア膜及び、銅メッキのためのCuシード層を形成する。バリア膜は、下地絶縁膜との接着性向上やCu膜の絶縁膜中への拡散を防ぐ事などを目的として形成される。
【0031】
続いて、Cu膜を形成する。Cu膜は市販のメッキ液、メッキ装置を用いて形成することが出来る。Cu膜を形成した後はCuCMPを行う。Cu配線を形成するためのCuCMPには、市販のCu研磨液と研磨装置を用いることができる。CuCMP後は連続してバリア膜のCMPを行う。こうしてCu配線を形成する。
【0032】
Cu及びバリア膜のCMP後はCuの拡散防止のため、SiN膜をCVD法により形成する。その上に、上層の配線層を形成するため再び塗布絶縁膜を形成し、同じ工程を繰り返すことにより多層配線が形成される。
【0033】
本発明の多層配線の形成方法では、有機ポリマー膜へのパターン形成時にハードマスクの肩落ちが無いため、配線間のショートによる不良が減り、歩留まりを向上できる。また、従来方法では配線間のショートを防止するため、バリア膜の研磨の際に、ハードマスク肩落ち部分を除去する目的で、バリア膜と同時にハードマスクを研磨する必要があったが、本発明の多層配線の形成方法では、ハードマスクの肩落ちが無いため、バリア膜研磨において、ハードマスクを研磨する必要がない。そのため、ハードマスクに対して、バリア膜を選択的に研磨する研磨液を用いることにより、CMPの終点管理が容易になり、配線抵抗のばらつきを低減できる。また、Cu研磨液として、砥粒フリータイプを組み合わせることにより、CMPによる絶縁膜のロスをさらに低減でき、配線抵抗のばらつきをさらに低減できる。
【0034】
Cuの多層配線をデュアルダマシン法で形成する場合は、従来方法では、ハードマスクの肩落ちはより顕著になるため、本発明の多層配線の形成方法は特に有効である。
【0035】
単層配線構造の半導体素子を製造する場合は、シリコン基板等の半導体基板上に、上記有機ポリマー膜へのパターン形成方法を用いて、有機ポリマー膜にパターンを形成した後、このパターンに上記のようにして配線を形成すればよく、多層配線構造の半導体素子を製造する場合には、半導体基板上に、上記多層配線の形成方法により多層配線を形成すればよい。
【0036】
この半導体素子の製造方法によれば、多層配線の層間絶縁膜として有機ポリマー膜を用い、その有機ポリマー膜にパターンを形成する時にハードマスクの肩落ちを十分に防止できるため、配線時において、配線幅の広がりが十分に防止される。従って、配線抵抗のばらつきの改善、ひいては半導体素子の高性能化が可能であり、また、高集積化したLSIの高歩留まりの達成が可能である。
【0037】
本発明の半導体素子の製造方法により製造される半導体素子としては、例えば、DRAM、SRAM、EPROM、マスクROM、EEPROM、フラッシュメモリーなどの記憶素子、マイクロプロセッサー、ASICなどの論理回路素子などに代表される集積回路素子が挙げられる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0039】
実施例1
有機ポリマー膜として、硬化膜の比誘電率が2.6であるダウ・ケミカル社製のSiLK J350樹脂を用いてシングルダマシンを想定した多層配線形成の検討を行った。
【0040】
基板として、SiN100nmが製膜された8インチのシリコンウエハを用いた。塗布装置は大日本スクリーン製のSCW−80Aコータを用いた。ウエハをスピンチャックに吸着後、30rpmで回転しながら、SiLK J350塗布液を4cc滴下した。滴下終了後すぐに3500rpmで25秒回転し、続いて、5000rpmで20秒回転して塗布膜の溶剤を揮発させた。その後回転数を1500rpmに保持しながら、ウエハ外周部にリンス液を滴下して外周部のSiLK樹脂を除去した。リンス液はシクロヘキサノンを用い、樹脂の除去幅は、Siウエハの端から3mmとした。エッジリンスの際には、同時にウエハ裏面に付着した樹脂液を除去するためバックリンスを行った。バックリンスにもシクロヘキサノンを用いた。エッジリンス、バックリンス終了後はリンス液を振り切るため2000rpmで10秒回転した。
【0041】
スピン塗布後はホットプレートを用いて320℃/90秒のベークを行い、続いてクーリングプレートを用いて23℃/90秒のクーリングを行った。その後ウエハを縦型炉の石英ボートに挿入し、大日本スクリーン製の縦型炉AVF801を用いて400℃/30分の硬化を行った。この時の雰囲気はN2雰囲気でO2濃度は100ppm以下に制御した。硬化後の膜厚を干渉膜厚計を用いて屈折率1.63で測定した結果、膜厚は350nmであった。
【0042】
塗布膜の硬化後に、プラズマCVDによりSiO2膜を積層した。プラズマCVD装置はP―5000(アプライドマテリアル製)を用い、ソースガスはSiH4と、N2Oを用いた。ウエハーチャック温度400度、SiH4/N2O=100sccm/2000sccm、処理圧力1.2kPaの条件で、100nmのSiO2膜を積層した。
【0043】
一方、モノメチルトリエトキシシラン1モルに対し、テトラエトキシシラン0.05モルの比率で混合し、加水分解縮合反応により有機含有ポリシロキサン塗布液Aを得た。すなわち、500mlのフラスコ内でモノメチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシランと溶媒のプロピレングリコールモノプロピルエーテルを混合し、撹拌を行いながら水で希釈した硝酸を滴下し、反応を行った。この時の実験室の気温は23℃で、フラスコの温度制御は行わなかった。添加した水の量は、用いたアルコキシシランのアルコキシ基と等モルで、硝酸はアルコキシシラン1.0モルに対し、0.01モルとした。塗布液の不揮発分濃度は、8重量%に調整した。水と触媒の滴下終了後、2時間程度撹拌を行った後、密閉容器に移して23℃で2日間放置した。その時のシロキサンオリゴマーの分子量をGPCで測定した結果、ポリスチレン換算の数平均分子量は1000程度、重量平均分子量は1500程度であった。こうして有機含有ポリシロキサン塗布液Aを得た。塗布液Aは、その後冷凍庫(−18℃)で保管を行った。
【0044】
上記のようにして得られた塗布液Aを用いて、SiO2膜上に、スピンコート法により塗布膜の形成を行った。スピンコート後は、ホットプレートで80℃/90sec、150℃/90sec、250℃/90secのベークを連続して行った。250℃/90secのホットプレートベーク時に、UVを照射し、表面の改質を行った。得られた有機ポリシロキサン膜の膜厚は0.2μmであった。
【0045】
市販のフォトレジスト塗布液、塗布装置を用いてフォトレジストを形成した後、ステッパー、現像装置を用いて、0.25μm/0.25μmのラインアンドスペースを有するフォトレジストパターンを形成した。
【0046】
フォトレジストパターンの形成後、有機ポリシロキサン膜、SiO2膜のエッチングを行った。エッチングは、平行平板型のRIE装置CSE―1110(アルバック製)を用いて行った。始めに、CF4/O2を用いて、有機ポリシロキサン膜、SiO2膜のエッチングを行った。処理条件は、CF4/O2=80sccm/20sccm、圧力50Pa、Rfパワー200Wとした。
【0047】
続いてSiLK硬化膜のエッチングを行った。処理圧力4Pa、エッチングガスはN2/H2=15sccm/15sccmとした。この時のSiLK硬化膜及び、プリベーク膜のエッチレートは100nm/minであった。350nmに対して30%のオーバーエッチを行うため、エッチング時間を4.5minとした。エッチング後にはフォトレジストは完全に除去された。エッチング後の断面をSEMで観察した結果、有機ポリシロキサン膜において、図1に示すような肩落ち形状が見られた。なお、図1において、符号1は、Si基板、2はSiN膜、3はSiLK硬化膜、4はSiO2膜、5は有機ポリシロキサン膜を表す。
【0048】
次に、市販の粘着テープを、ラミネート機を用いて、室温でウエハ表面に貼り付けた後、引き剥がし、有機SOG膜(有機ポリシロキサン膜)を除去した。有機ポリシロキサン膜剥離後の断面をSEMで観察した結果、ハードマスクであるSiO2膜においては、図2に示すように、肩落ちの無い形状が得られていることが確認できた。なお、図2中、図1と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
【0049】
Cu配線形成のため、パターン形成したウエハにTaNを10nm積層し、次いでTaを20nm積層し、最後にCuを200nm積層した。TaN、Ta、Cuの製膜はスパッタで行った。その後、CuのCMPを行った。Cu−CMPでは、研磨液は砥粒フリー研磨液 HS−4000(日立化成製)、研磨パッドはIC−1000単層、格子溝パッド(ロデール製)、研磨装置は、定盤直径24インチ、2プラテン型のメタル用研磨装置(ラップマスター社製)を用いた。研磨条件は、荷重200g/cm2、定盤回転数40rpm、ウエハホルダ回転数40rpm、研磨液供給量200cc/min、研磨時間2分とし、プラテンは、第一プラテンを用いた。この条件でのCuの研磨速度は140nm/minであった。研磨後はウエハを水で洗浄し、乾燥させた。
【0050】
続いて、Ta/TaNのCMPを行った。研磨液は、砥粒入りの研磨液 HS−5000X−4(日立化成製)、研磨パッドはIC−1000単層、格子溝パッド(ロデール製)、研磨装置は、CuCMPと同一の研磨装置を用い、第二プラテンを用いて研磨を行った。研磨条件は、荷重200g/cm2、定盤回転数30rpm、ウエハホルダ回転数30rpm、研磨液供給量200cc/min、研磨時間1分とした。この条件でのTa、TaNの研磨速度は50nm/minであった。研磨後は、水洗し、乾燥させた。
【0051】
バリア膜研磨後にCu拡散防止膜を想定したSiN膜50nmを形成することにより、シングルダマシンを想定したプロセスを完了した。こうして櫛形の配線パターンをシリコンウェハ上に形成し、以下のようにして歩留まりを測定した。すなわち、上記のようにして櫛形の配線パターンを有するサンプルを複数個用意し、全サンプルについて0.25μm/0.25μmのラインアンドスペースの櫛形の配線パターンに4MV/cmの電界を印加した。そして、1×10−4A/cm2以上の電流が流れたサンプルについてはショートしたものとし、下記式に従って、歩留まりを算出した。
歩留まり(%)
=100×(全サンプル数−ショートしたサンプル数)/全サンプル数
その結果、歩留まりは90%以上であった。このことから、本プロセスは、LSIの多層配線形成に有効であることが確認された。
【0052】
比較例1
SiO2膜上に有機ポリシロキサン膜を形成しなかった以外は実施例1と同様にして配線パターンを形成した。パターン形成後に断面をSEMで観察した結果、ハードマスクであるSiO2膜において、図3の様なハードマスクの肩落ちが観察された。なお、図3中、図1と同一の構成要素については同一の符号を付してある。また、実施例1と同様にして、Cu配線を形成し、歩留まりを測定した結果、歩留まりは70%であった。この結果から、ハードマスクの肩落ちが歩留まりに影響していると推定される。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の有機ポリマー膜へのパターン形成方法によれば、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成するため、エッチング時に、第3の膜に肩落ちが生じ、第2の膜の肩落ちが十分に防止される。
【0054】
また本発明の多層配線形成方法によれば、有機ポリマー膜にパターンを形成する場合に、第2の膜の肩落ちを十分に防止できるため、第3の膜を剥離した後、配線を行っても、配線幅の広がりが十分に防止される。
【0055】
更に本発明の半導体素子の製造方法によれば、第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成するため、第1、第2、第3の膜及びフォトレジストパターンのエッチング時に、第2の膜の肩落ちが十分に防止される。このため、第3の膜を剥離した後、配線を行っても、配線幅の広がりが十分に防止される。従って、半導体素子の高性能化、高歩留まりの達成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るエッチング後の断面形状を示す図である。
【図2】実施例1に係る有機ポリシロキサン膜剥離後の断面形状を示す図である。
【図3】比較例1に係るエッチング後の断面形状を示す図である。
【符号の説明】
1…Si基板(半導体基板)、3…SiLK硬化膜(第1の膜)、4…SiO2膜(第2の膜)、5…有機ポリシロキサン膜(第3の膜)、6…フォトレジストパターン。
Claims (4)
- 第1の膜としての有機ポリマー膜上に第2の膜として、無機膜または有機無機複合膜を形成し、前記第2の膜上に剥離可能な第3の膜を形成し、前記第3の膜上にフォトレジストパターンを形成した後、前記第1の膜、前記第2の膜、前記第3の膜をプラズマエッチングにより異方的にエッチングすると同時に、前記フォトレジストパターンを除去し、その後前記第3の膜を剥離して除去することを特徴とする有機ポリマー膜へのパターン形成方法。
- 前記第3の膜が有機ポリシロキサン膜であることを特徴とする請求項1に記載の有機ポリマー膜へのパターン形成方法。
- 請求項1又は2に記載の有機ポリマー膜へのパターン形成方法を用いて有機ポリマー膜にパターンを形成する工程と、前記パターンに配線を形成する工程とを交互に行うことにより多層配線を形成することを特徴とする多層配線の形成方法。
- 半導体基板上に、請求項1又は請求項2に記載の有機ポリマー膜へのパターン形成方法を用いて有機ポリマー膜にパターンを形成する工程と、前記パターンに配線を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
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