JP2004103796A - 多層回路部品 - Google Patents

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Keiji Sakata
坂田 啓二
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】多層回路部品に端面電極と離間した表面電極を設けることにより、ワイヤボンディング用の電極面積を確保し、設計自由度を高める。
【解決手段】多層回路体2を、セラミックス層3,4,6,8,10,12,14,16と、導体層5,7,9,11,13,15とにより構成し、導体層7,9,11によってコイル21を形成する。また、多層回路体2には、端面電極22から離間した表面電極24を設ける。そして、表面電極24を、ビアホール26によって導体層13と接続する共に、ワイヤボンディング等によって基板27側の配線と接続する。これにより、表面電極24によってワイヤボンディング用の電極面積を十分に確保しつつ、コイル部品1を小型化することができる。また、端面電極22と表面電極24とを基板27側の異なる配線等に接続でき、設計自由度を高めることができる。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば絶縁性のセラミックス層と導体層とが交互に積層され、コイル、コンデンサ、バリスタ、サーミスタ等の回路部品として好適に用いられる多層回路部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多層回路部品としては、例えばコイル、コンデンサ、バリスタ、サーミスタ等として用いられ、絶縁性のセラミックス層と導体層とを交互に積層する構成としたものが知られている(例えば、特開平8−64925号公報等)。
【0003】
この種の従来技術による多層回路部品は、例えば接着等の手段によって外部の基板に実装されるものであり、その端面には、導電ペースト等を塗布することによって端面電極が形成されている。そして、端面電極は、例えば回路部品の端面から表面及び裏面の一部にわたってコ字状に延びている。また、端面電極は、各セラミックス層の間に配置された導体層のうち、回路部品の端面側に引出された一部の導体層と接続されている。
【0004】
また、多層回路部品の表面側には、例えばワイヤボンディング等の手段によって基板と接続される電極パッドが形成されている。そして、この電極パッドは、端面電極のうち多層回路部品の表面側に延びる部位によって部分的に覆われ、これらの端面電極と電極パッドとは互いに接続されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、多層回路部品の表面側にワイヤボンディング用の電極パッドを形成し、この電極パッドを端面電極によって部分的に覆うことにより、電極パッドを端面電極によって導体層と接続する構成としている。
【0006】
この場合、例えばワイヤボンディング装置等を用いて電極パッドに金属ワイヤを接続するときには、その接続位置の機械的な誤差等を補償するため、電極パッドの面積を十分に大きくする必要がある。
【0007】
しかし、従来技術では、電極パッドの一部が端面電極によって覆われている上に、端面電極は、導電性ペースト等を塗布、焼成するときに表面に凹凸が形成され易いため、ワイヤボンディングに不適な表面状態となっていることが多い。このため、電極パッドには、端面電極に覆われた部位を除いてワイヤボンディングに必要な面積を確保しなければならず、電極パッド全体の面積が大きくなり、多層回路部品を小型化するのが難しくなるという問題がある。
【0008】
また、近年においては、多数の回路部品を基板に高密度で実装することが多いため、例えば導体層の1箇所を基板側の複数箇所に対して接続したい場合がある。このような場合において、従来技術では、例えば電極パッドに複数の金属ワイヤを接続するための大きな面積が必要となり、多層回路部品がさらに大型化するという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、回路部品全体を小型化しつつ、電極パッドの面積を十分に確保できると共に、例えば導体層の各部位を必要に応じて基板側の複数箇所に容易に接続でき、基板側に対する回路部品のレイアウト設計等を効率よく実行できるようにした多層回路部品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明では、絶縁性のセラミックス層と導体層とが複数層にわたって積層され表面側と裏面側とに前記セラミックス層が配置されてなる多層回路体と、該多層回路体の端面に設けられ前記導体層と接続された端面電極と、該端面電極と離間して前記多層回路体の表面側に設けられた表面電極と、前記多層回路体に設けられ該表面電極と前記導体層との間を接続するビアホールとからなる構成を採用している。
【0011】
このように構成することにより、表面電極と端面電極とを互いに離して配置でき、例えば表面電極の全面をワイヤボンディング用の接続部位として利用することができる。これにより、表面電極を必要最低限の大きさに形成しつつ、表面電極によってワイヤボンディング用の電極面積を十分に確保することができる。また、表面電極をビアホールによって導体層と接続できると共に、この表面電極をワイヤボンディング等の手段によって端面電極と別個に外部の配線等と接続することができる。
【0012】
また、請求項2の発明によると、端面電極は多層回路体の端面のうち表面と裏面との間に位置する途中部位よりも前記裏面寄りの部位に形成する構成としている。これにより、例えば外部の基板等に対して端面電極を半田付けするときには、多層回路体の端面のうち基板寄りの部位だけに端面電極を配置できるから、半田によるフィレットを低く形成して半田が電極から外側に大きく広がるのを防止することができる。
【0013】
また、請求項3の発明では、絶縁性のセラミックス層と導体層とが複数層にわたって積層され表面側と裏面側とに前記セラミックス層が配置されてなる多層回路体と、該多層回路体の表面側に設けられた表面電極と、前記多層回路体に設けられ該表面電極と前記導体層との間を接続するビアホールとから構成している。
【0014】
これにより、例えば表面電極を設計するときには、端面電極等の電極構造に影響されることがなくなるから、表面電極の全面をワイヤボンディング用の接続部位として利用することができる。従って、表面電極を必要最低限の大きさに形成しつつ、ワイヤボンディング用の電極面積を十分に確保することができる。
【0015】
また、請求項4の発明では、絶縁性のセラミックス層と導体層とが複数層にわたって積層され表面側と裏面側とに前記セラミックス層が配置されてなる多層回路体と、該多層回路体の表面側に設けられた表面電極と、前記多層回路体の裏面側に設けられた裏面電極と、前記多層回路体に設けられ前記表面電極と導体層との間を接続する表面側のビアホールと、前記多層回路体に設けられ前記裏面電極と導体層との間を接続する裏面側のビアホールとから構成している。
【0016】
これにより、表面電極の全面をワイヤボンディング用の接続部位として利用でき、表面電極を必要最低限の大きさに形成しつつ、ワイヤボンディング用の電極面積を十分に確保することができる。また、多層回路部品を外部の基板等に実装するときには、その裏面電極を部品の外形寸法の範囲内で基板側の配線等に接続することができる。
【0017】
また、請求項5の発明によると、表面電極には金または銀を含んで形成された金属被膜を形成する構成としている。これにより、表面電極には、例えばワイヤボンディングに用いる金属ワイヤ等の密着性が高い金属被膜を形成することができる。
【0018】
また、請求項6の発明によると、多層回路体を形成するときにセラミックス層、導体層及び表面電極を積層して積層方向に加圧することにより前記表面電極を平坦状に形成する構成としている。
【0019】
これにより、例えば導電ペースト等をセラミックス層に印刷、塗布することによって表面電極を形成する場合でも、その後に各セラミックス層と導体層とを積層して加圧するときに、表面電極を一緒に押圧して平坦に仕上げることができ、表面電極に対するワイヤボンディングの密着性を高め、これらの接続強度を確保することができる。
【0020】
また、請求項7の発明によると、多層回路体の各導体層は帯状に延びて形成し、該各導体層の端部側を互いに接続することにより前記多層回路体の積層方向に沿って螺旋状に延びるコイルを形成する構成としている。
【0021】
これにより、例えばビアホール等を用いて各導体層を接続することにより、セラミックス層と垂直な方向(積層方向)に螺旋状をなして延びるコイルを形成でき、多層型のコイル部品を構成することができる。
【0022】
また、請求項8の発明によると、多層回路体の導体層は、複数の導体パターンが縞状に並んで形成された第1の導体層と、該第1の導体層と積層方向に離間し複数の導体パターンが縞状に並んで形成された第2の導体層とにより構成し、前記第1,第2の導体層間に位置するセラミックス層には前記第1,第2の導体層の導体パターン間を接続する複数のビアホールを設け、前記第1,第2の導体層と各ビアホールにより前記セラミックス層に沿って螺旋状に延びるコイルを形成する構成としている。
【0023】
これにより、例えば螺旋状に延びるコイルを長さ方向に沿って2分割し、これら2つの分割部位を第1,第2の導体層により縞状の導体パターンとして形成することができる。そして、これら縞状の導体パターンを各ビアホールによって接続することにより、セラミックス層に沿った方向(積層方向と垂直な方向)に螺旋状をなして延びるコイルを形成することができる。
【0024】
さらに、請求項9の発明によると、表面電極は多層回路体の表面側に2個設け、これら2個の表面電極をコイルの両端側に接続する構成としている。この場合、コイルをセラミックス層に沿って螺旋状に延ばすことにより、その両端側を第1の導体層に配置できるから、2個の表面電極を多層回路体の表面側に近い位置でコイルの両端側に接続することができる。また、これらの接続部位をコイル本体から離して配置することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による多層回路部品を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
ここで、図1ないし図7は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、多層回路部品として多層型コイル部品を例に挙げて説明する。
【0027】
1は後述の基板27に実装される多層型コイル部品で、該多層型コイル部品1は、後述の多層回路体2、端面電極22、表面電極24、表面電極用ビアホール26等を含んで構成されている。
【0028】
2は多層型コイル部品1の本体部分を構成する多層回路体で、該多層回路体2は、図1ないし図3に示す如く、例えばフェライト等の絶縁性を有するセラミックス材料により形成された後述のセラミックス層3,4,6,8,10,12,14,16と、例えば金属粉等を含んだ導電性材料により形成され、セラミックス層4,6,8,10,12,14,16と交互に積層された導体層5,7,9,11,13,15と、ビアホール17,18,19,20,26等とによって構成されている。そして、多層回路体2は、表面2A、裏面2B及び4辺の端面2Cを有し、例えば1辺の長さが1〜1.5mm程度となった四角形状に形成されている。
【0029】
3は多層回路体2の裏面2B側を構成する外装用のセラミックス層で、該セラミックス層3は、例えば絶縁性のセラミックス材料等により四角形状の薄膜として形成され、その表面側には、外装用のセラミックス層3とほぼ同様に形成されたセラミックス層4が積層されている。
【0030】
5はセラミックス層4の表面側に設けられた電極接続用の導体層で、該導体層5は、後述の如く導電ペーストをセラミックス層4に塗布して焼成することにより形成されている。そして、導体層5は、図2に示す如く、多層回路体2の4辺のうち1辺の端面2Cに沿って延びると共に、この端面2Cに引出されて後述の端面電極22と接続されている。
【0031】
6はセラミックス層4の表面側に導体層5を挟んで積層されたセラミックス層で、該セラミックス層6には、導体層7の端部に対応する所定の位置に後述の導体層用ビアホール17となる貫通孔6Aが穿設されている。
【0032】
7はセラミックス層6の表面側に設けられたコイル用の導体層で、該導体層7は、図5に示す如く、例えば略コ字状、C字状等に屈曲して形成され、セラミックス層6上で周回するように延びている。また、導体層7は、セラミックス層6によって電極接続用の導体層5と絶縁されると共に、その端部側は導体層用ビアホール17を介して導体層5と接続されている。
【0033】
また、セラミックス層6の表面側には、導体層7を覆うセラミックス層8と、該セラミックス層8の表面側に設けられ、例えば略コ字状、C字状等に屈曲したコイル用の導体層9と、該導体層9を覆うセラミックス層10と、該セラミックス層10の表面側に設けられたコイル用の導体層11と、該導体層11を覆うセラミックス層12とが順次積層されている。
【0034】
この場合、コイル用の導体層7,9,11は、セラミックス層8,10によって互いに絶縁されている。また、導体層7,9,11は、その端部側が後述の導体層用ビアホール18,19によって互いに接続され、これらは後述のコイル21を構成している。また、セラミックス層8,10,12には、貫通孔8A,10A,12Aが形成されている。
【0035】
さらに、セラミックス層12の表面側には、電極接続用の導体層13と、該導体層13を覆うセラミックス層14と、該セラミックス層14の表面側に設けられた導体層15と、該導体層15を覆って配置され、多層回路体2の表面2A側を構成する外装用のセラミックス層16とが順次積層されている。
【0036】
この場合、導体層13は、多層回路体2の4辺の端面2Cのうち導体層5と対向する端面2Cに沿って形成され、この端面2Cに引出されて後述の端面電極22と接続されると共に、後述の導体層用ビアホール20を介して導体層11と接続されている。また、導体層15は、後述の表面電極用ビアホール26と協働して表面電極24と導体層13との間を接続している。また、セラミックス層14,16には、貫通孔14A,16Aが形成されている。
【0037】
17はセラミックス層6に設けられた導体層用ビアホールで、該導体層用ビアホール17は、セラミックス層6を厚さ方向に貫通して形成され、導体層5,7間を接続している。また、セラミックス層8,10,12には、図5に示す如く、導体層7,9間、導体層9,11間、導体層11,13間を接続する他の導体層用ビアホール18,19,20がそれぞれ設けられている。
【0038】
そして、これらの導体層用ビアホール17〜20は、セラミックス層6,8,10,12の貫通孔6A,8A,10A,12Aに導電ペーストを充填することによって形成されている。
【0039】
21は多層回路体2内に配置されたコイルで、該コイル21は、セラミックス層6,8,10,12の層間で周回するように屈曲した導体層7,9,11と、これらの間を接続する導体層用ビアホール18,19とによって構成され、多層回路体2の積層方向(セラミックス層と垂直な方向)に螺旋状をなして延びている。
【0040】
22は多層回路体2の互いに対向する端面2Cに設けられた例えば2個の端面電極で、該各端面電極22は、例えば導電ペーストを塗布して焼成することにより形成されている。また、各端面電極22は、多層回路体2の端面2Cから表面2A及び裏面2Bの一部にわたって略コ字状に延びている。この場合、端面電極22のうち多層回路体2の表面2Aに位置する表面部位22Aは、表面電極24から離間して配置されている。
【0041】
そして、各端面電極22のうち一方の端面電極は、電極接続用の導体層5と接続され、他方の端面電極22は電極接続用の導体層13と接続されている。また、端面電極22は、後述の半田28を用いて基板27の配線等と接続される。このため、端面電極22には、図4に示す如く、例えば金、銀等の金属材料を用いてメッキ加工を施すことにより、半田28の乗りをよくする金属被膜23が設けられている。
【0042】
24は多層回路体2の表面2A側に設けられた表面電極で、該表面電極24は、例えば導電ペーストをセラミックス層16に塗布して焼成することにより、四角形の薄肉な電極パッドとして形成されている。また、表面電極24は、各端面電極22間に間隔をもって配置され、多層回路体2の外側において各面電極22と絶縁されると共に、表面電極用ビアホール26等を介して導体層13と接続されている。
【0043】
そして、表面電極24は、例えばワイヤボンディング等の手段により後述の金属ワイヤ29が取付けられ、この金属ワイヤ29等を用いて例えば端面電極22と異なる位置で基板27の配線等と接続される。この場合、表面電極24は、各端面電極22の表面部位22A等が表面電極24から離れた位置に配設されているため、表面電極24の全体を利用してワイヤボンディング用の電極面積を最大に確保できる構成となっている。
【0044】
また、表面電極24は、図4、図6に示す如く、後述の積層加圧工程で多層回路体2と一緒に加圧、圧縮されることにより、その表面側が凹凸の少ない平坦面24Aとして形成されている。そして、この平坦面24Aには、例えば金、銀等の金属材料を用いて端面電極22と一緒にメッキ加工を施すことにより、金属ワイヤ29との密着性が高い金属被膜25が設けられている。
【0045】
これにより、表面電極24にワイヤボンディングを行うときには、平坦な金属被膜25の表面に金属ワイヤ29を接続できるので、その接続強度を高めることができるものである。
【0046】
26はセラミックス層14,16にわたって設けられた表面電極用ビアホールで、該表面電極用ビアホール26は、セラミックス層14,16の貫通孔14A,16Aに導電ペーストを充填することにより形成され、セラミックス層14,16を積層方向に貫通して延びると共に、表面電極24と導体層13との間を接続している。
【0047】
また、図3において、27は多層型コイル部品1が実装されるマザーボード等の基板で、該基板27には、コイル部品1の各端面電極22が半田28を用いて接続される配線と、コイル部品1の表面電極24が金属ワイヤ29を用いて接続される他の配線(いずれも図示せず)等とが設けられている。
【0048】
本実施の形態による多層型コイル部品1は上述の如き構成を有するもので、次に図5ないし図7を参照しつつ、その製造方法について説明する。
【0049】
まず、図5に示す導体層形成工程では、例えばフェライト等のセラミックス材料を含んだ絶縁性のセラミックスシート(グリーンシート)を、セラミックス層3,4,6,8,10,12,14,16として用意し、これらの所定部位に貫通孔6A,8A,10A,12A,14A,16Aを形成する。
【0050】
そして、導体層5,7,9,11,13,15及び表面電極24となる導電ペーストを、例えばスクリーン印刷等の手段によって個々のセラミックスシートに印刷または塗布する。この場合、導電ペーストとしては、例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、カドミウム、タングステン等の金属粉を含んだペースト材料が用いられる。
【0051】
また、導電ペーストを印刷するときには、ペーストの一部を貫通孔6A,8A,10A,12A,14A,16A内に充填することにより、導体層7,9,11,13,15及び表面電極24と一緒にビアホール17〜20,26を形成することができる。
【0052】
次に、図6に示す積層加圧工程では、まず導電ペーストを塗布した各セラミックスシートを所定の順番で重ね合せることにより、セラミックス層3,4,6,8,10,12,14,16、導体層5,7,9,11,13,15及び表面電極24を積層する。そして、これらを加圧装置30の各プッシャ30A等により表面2A側と裏面2B側との間で積層方向に加圧、圧着し、その後に焼成することにより、多層回路体2を形成する。
【0053】
ここで、加圧装置30による加圧作業では、表面電極24の表面をプッシャ30Aにより直接押圧して平坦にならすことができ、この表面を凹凸が少ない平坦面24Aとして仕上げることができる。
【0054】
次に、図7に示す端面電極形成工程では、例えばディッピング等の手段によって導電ペーストを多層回路体2の端面2C等に付着させ、これを焼成することにより各端面電極22を形成する。そして、各端面電極22と表面電極24とにメッキ加工を施すことにより、これらの表面に金属被膜23,25を形成し、多層型コイル部品1を製造することができる。
【0055】
また、多層型コイル部品1を基板27に実装するときには、例えばコイル部品1の各端面電極22に半田28を予め付着させ、これを接着等の手段によって基板27の所定位置に固定した後に、半田28を溶融(リフロー)させる。これにより、端面電極22を、図3に示す如く、基板27側の配線等に接続することができる。
【0056】
次に、ワイヤボンディング装置等を用いて金属ワイヤ29を表面電極24の平坦面24A(金属被膜25)に取付け、この金属ワイヤ29により表面電極24を基板27側の他の配線等に対して接続する。従って、多層型コイル部品1を端面電極22と表面電極24とによって基板27側の複数箇所に接続することができる。
【0057】
かくして、本実施の形態によれば、多層回路体2の表面2A側には、端面電極22と離間した表面電極24を設け、該表面電極24を表面電極用ビアホール26によって導体層13と接続する構成としたので、表面電極24と端面電極22とを互いに離して配置でき、表面電極24の全面をワイヤボンディング用の接続部位として利用することができる。
【0058】
これにより、表面電極24を必要最低限の大きさに形成しつつ、表面電極24によってワイヤボンディング用の電極面積を十分に確保でき、例えばワイヤボンディングが誤って端面電極22に行われるのを確実に防止することができる。そして、基板27側の配線等に対して表面電極24を安定的にワイヤボンディングできると共に、表面電極24を含めてコイル部品1を小型化することができる。
【0059】
また、表面電極24をビアホール26によって導体層13と接続できると共に、表面電極24を金属ワイヤ29によって基板27側の配線等と接続できるから、これらの接続を端面電極22と別個に行うことができる。
【0060】
従って、例えば端面電極22と表面電極24とを導体層5,7,9,11,13,15に対してそれぞれ異なる部位に接続したり、これらの電極22,24を基板27側の異なる配線等に接続することができる。これにより、コイル部品1や基板27等の設計自由度を高めることができ、コイル部品1を基板27上に配置するレイアウト設計等を効率よく行うことができる。
【0061】
特に、本実施の形態によるコイル部品1は、コイル21の磁界が多層回路体2の内部に形成されるコイル(磁性体コイル)として構成されているため、多層回路体2の表面2A側に表面電極24を配置したとしても、表面電極24により磁界が影響を受けることがない。
【0062】
従って、コイル部品1の性能を安定的に維持しつつ、表面電極24により上述の効果を得ることができる。また、例えば磁界が外部に延びる非磁性コイルであっても、表面電極24を磁界に影響を与えない適切な位置に配置することにより、本発明を適用することができる。
【0063】
また、表面電極24には、例えば金、銀等を含んで形成された金属被膜25を形成する構成としたので、表面電極24と金属ワイヤ29との密着性を金属被膜25によって高めることができ、これらを安定的に接続することができる。そして、この金属被膜25は、例えば従来技術の製造工程において端面電極22をメッキ加工するときに、金属被膜23と一緒に効率よく形成することができる。
【0064】
また、コイル部品1を製造するときには、セラミックス層3,4,6,8,10,12,14,16、導体層5,7,9,11,13,15及び表面電極24を積層方向に加圧することにより、表面電極24に平坦面24Aを形成したので、例えば表面電極24となる導電ペースト等をセラミックス層に印刷した段階で導電ペーストに凹凸等が存在する場合でも、その後に加圧処理を行うときに表面電極24を一緒に押圧して平坦に仕上げることができる。
【0065】
これにより、例えば汎用的な導電ペースト等を印刷または塗布するだけで、表面電極24を所望のパターン形状として容易に形成でき、その表面には、従来の加圧工程等を利用して凹凸が少ない平坦面24Aを効率よく形成することができる。従って、表面電極24に対する金属ワイヤ29の密着性をより高めることができ、これらの間を高い強度で接続することができる。
【0066】
また、コイル用の導体層11,13,15を周回するように屈曲させて形成し、これらの導体層11,13,15により多層回路体2の積層方向に螺旋状をなして延びるコイル21を形成したので、多層回路体2の積層時には、例えば導体層15が配置されたセラミックス層14等を省略したり、これと同様のセラミックス層を追加してセラミックス層の積層数を増減するだけで、コイル21の巻き線数を容易に変更でき、設計自由度の高いコイル部品1を構成することができる。
【0067】
次に、図8は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、端面電極を多層回路体の端面のうち表面から離れた部位に形成する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0068】
31は多層型コイル部品で、該多層型コイル部品31は、第1の実施の形態とほぼ同様に、多層回路体2と、後述の端面電極32、表面電極34、表面電極用ビアホール36とを含んで構成されている。
【0069】
32は多層回路体2の互いに対向する端面2Cに設けられた例えば2個の端面電極で、該各端面電極32のうち一方の端面電極は、第1の実施の形態とほぼ同様に、導体層5と接続され、他方の端面電極32は、導体層5,7,9,11,13,15のいずれからも絶縁された浮き電極となっている。また、端面電極32には、半田28′の乗りをよくする金属被膜33が設けられている。
【0070】
しかし、端面電極32は、多層回路体2の端面2Cのうち表面2Aと裏面2Bとの間に位置する途中部位から裏面2Bにわたって形成され、端面2Cのうち表面2A寄りの部位では、端面電極32を形成しない構成となっている。このため、多層回路体2には、例えば電極接続用の導体層13に代えて導体層15とほぼ同様の小さな導体層13′が設けられている。
【0071】
34は多層回路体2の表面2A側に設けられた表面電極で、該表面電極34は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えば導電ペースト等により形成され、多層回路体2の外側において各端面電極32と絶縁されている。この場合、表面電極34は、端面電極32が多層回路体2の表面2A側に形成されていないため、第1の実施の形態の表面電極24よりも大きな面積をもって形成されている。
【0072】
そして、表面電極34は、後述の表面電極用ビアホール36等を介して導体層7,9,11のうち最も表面側の導体層11の端部側に接続されている。また、表面電極34には、積層方向に加圧されることにより平坦面34Aが形成され、該平坦面34Aには金属被膜35が設けられると共に、ワイヤボンディング用の金属ワイヤ29が接続される構成となっている。
【0073】
36はセラミックス層12,14,16にわたって設けられた表面電極用ビアホールで、該表面電極用ビアホール36は、第1の実施の形態とほぼ同様に、セラミックス層12,14,16の貫通孔12A,14A,16Aに導電ペーストを充填することにより形成されている。そして、表面電極用ビアホール36は、セラミックス層12,14,16を積層方向に貫通して延び、表面電極34と導体層11との間を接続している。
【0074】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、端面電極32を多層回路体2の端面2Cのうち裏面2B寄りの部位に形成する構成としたので、端面電極32を基板27側に半田付けして実装するときには、端面電極32を這上がる半田28′の量を抑え、半田28′により形成されるフィレットを基板27に対して低くすることができる。
【0075】
これにより、フィレットを小型化して端面電極32から外側に広がる半田28′の面積を小さくでき、半田28′を含めたコイル部品31の実装面積Sをより小さくすることができる。
【0076】
また、表面電極34を、端面電極等の電極構造に関係なく、多層回路体2の表面2A側に大きな面積をもって形成できるから、金属ワイヤ29のワイヤボンディングを容易に行うことができる。
【0077】
なお、本実施の形態では、2個の端面電極32を設ける構成としたが、浮き電極となった他方の端面電極32を省略してもよい。これにより、基板27には、他方の電極32に対応する位置で他の配線等を設けることができ、設計自由度をより高めることができる。
【0078】
次に、図9は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態では、多層回路体に表面電極と裏面電極とを設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0079】
41は多層型コイル部品で、該多層型コイル部品41は、後述の多層回路体42、表面電極53、裏面電極55、表面電極用ビアホール56、裏面電極用ビアホール57等を含んで構成されている。
【0080】
42は多層型コイル部品41の本体部分を構成する多層回路体で、該多層回路体42は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えばフェライト等の絶縁性を有するセラミックス材料により形成されたセラミックス層43,44,46,48,50,51と、例えば金属粉等を含んだ導電性材料により形成され、セラミックス層44,46,48,50と交互に積層されたコイル用の導体層45,47,49とを含んで構成されている。
【0081】
そして、多層回路体42は、表面42A、裏面42B及び4辺の端面42Cを有する四角形状に形成されている。また、導体層45,47,49は、例えば略コ字状、C字状等の屈曲形状をもって形成され、その端部側は複数の導体層用ビアホール(図示せず)によって互いに接続されている。これにより、導体層45,47,49は、セラミックス層44,46,48,50の層間で周回するように屈曲しつつ、これらの積層方向に螺旋状に延びたコイル52を形成している。
【0082】
53は多層回路体42の表面42A側に設けられた表面電極で、該表面電極53は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えば導電ペーストを外装用のセラミックス層51に塗布することにより、四角形の薄肉な電極パッドとして形成され、後述の表面電極用ビアホール56を介して導体層45,47,49のうち最も表面側の導体層49の端部側に接続されている。
【0083】
また、表面電極53の表面は、第1の実施の形態とほぼ同様の加圧工程を行うことにより平坦面53Aとして形成され、この平坦面53Aには、例えばメッキ加工等を施すことにより金属被膜54が設けられている。そして、表面電極53は、例えばワイヤボンディング等の手段により金属ワイヤ29を用いて基板27側の配線等と接続されるものである。
【0084】
55は多層回路体42の裏面42B側に設けられた裏面電極で、該裏面電極55は、表面電極53とほぼ同様に、例えば導電ペーストをセラミックス層43に塗布することにより形成され、後述の裏面電極用ビアホール57を介して導体層45,47,49のうち最も裏面側の導体層45の端部側に接続されている。そして、裏面電極55は、例えば半田、導電性接着剤等を用いて基板27側の配線と接続、固着される構成となっている。
【0085】
56はセラミックス層50,51に積層方向に貫通して設けられた表面電極用ビアホールで、該表面電極用ビアホール56は、セラミックス層50,51の貫通孔50A,51Aに導電ペーストを充填することにより形成され、表面電極53と導体層49との間を接続している。
【0086】
57はセラミックス層43,44に積層方向に貫通して設けられた裏面電極用ビアホールで、該裏面電極用ビアホール57は、セラミックス層43,44の貫通孔43A,44Aに導電ペーストを充填することにより形成され、裏面電極55と導体層45との間を接続している。
【0087】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、多層型コイル部品41に表面電極53と裏面電極55とを設ける構成としたので、表面電極53によってワイヤボンディング用の電極面積を十分に確保しつつ、コイル部品41を小型化できると共に、これらの電極53,55によって設計自由度を高めることができる。
【0088】
また、裏面電極55を基板27側の配線に接続できるから、コイル部品41の外側に半田等が食み出すことがなくなり、その実装面積をコイル部品41の外形寸法程度まで小さくすることができる。
【0089】
次に、図10ないし図12は本発明による第4の実施の形態を示し、本実施の形態では、縞状の導体層によりセラミックス層に沿って螺旋状に延びるコイルを形成する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0090】
61は多層型コイル部品で、該多層型コイル部品61は、後述の多層回路体62、端面電極75、表面電極77、表面電極用ビアホール79等を含んで構成されている。
【0091】
62は多層型コイル部品61の本体部分を構成する多層回路体で、該多層回路体62は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えばフェライト等の絶縁性を有するセラミックス材料により形成されたセラミックス層63,64,66,67,68,69,71,72と、セラミックス層64,66と交互に積層された第1の導体層65と、セラミックス層69,71と交互に積層された第2の導体層70と、後述のビアホール73、79等とによって構成され、表面62A、裏面62B及び4辺の端面62Cを有する四角形状に形成されている。
【0092】
ここで、第1の導体層65は、図11、図12に示す如く、複数の導体パターン65Aからなり、これらの導体パターン65Aは、例えば金属粉等を含んだ導電性材料により細長い帯状に形成されると共に、ほぼ一定の間隔(ピッチ)をもって縞状に並んでいる。
【0093】
また、第2の導体層70は、導体層65の各導体パターン65Aとほぼ同様に縞状に並んで形成された複数の導体パターン70Aと、該各導体パターン70Aのうち両側に位置する導体パターン70Aに接続された電極接続用の導体パターン70Bとによって構成されている。
【0094】
そして、導体層65の各導体パターン65A間には、ビアホール73を介して導体層70の各導体パターン70Aがそれぞれ接続され、これらの導体パターン65A,70Aとビアホール73とは、両端側に各導体パターン70Bが接続された1本の導線となり、後述のコイル74として構成されている。
【0095】
73はセラミックス層66,67,68,69にわたって設けられた複数の導体層用ビアホールで、該各導体層用ビアホール73は、セラミックス層66〜69の貫通孔66A,67A,68A,69Aに導電ペーストを充填することにより形成されている。
【0096】
また、導体層用ビアホール73は、各導体パターン65A,70Aの端部側に対応する位置に配置され、セラミックス層66〜69を積層方向に貫通している。そして、各導体層用ビアホール73は、各導体パターン65A,70Aが1本のコイル74となるように、これらの端部側を互いに接続しているものである。
【0097】
74は多層回路体62内に配置されたコイルで、該コイル74は、導体層65,70の各導体パターン65A,70Aと、複数のビアホール73とによって構成されている。そして、コイル74は、セラミックス層66〜69にわたって周回するように屈曲しつつ、これらのセラミックス層66〜69と平行な方向(積層方向と垂直な方向)に沿って螺旋状に延びている。
【0098】
75は多層回路体62の互いに対向する端面62Cに設けられた例えば2個の端面電極で、該各端面電極75は、第1の実施の形態とほぼ同様に、端面62Cから表面62A及び裏面62Bの一部にわたって略コ字状に形成され、表面部位75Aが後述の表面電極77から離間して配置されている。
【0099】
そして、各端面電極75は、導体層70の導体パターン70Bとそれぞれ接続されている。また、各端面電極75には、半田28の乗りをよくする金属被膜76が設けられている。
【0100】
77は多層回路体62の表面62A側に設けられた例えば2個の表面電極で、該各表面電極77は、第1の実施の形態とほぼ同様に、各端面電極75間に間隔をもって配置され、多層回路体62の外側において各端面電極75と絶縁されている。また、各表面電極77は、表面電極用ビアホール79を介して導体層70とそれぞれ接続されている。そして、表面電極77には、金属被膜78が設けられた平坦面77Aが形成され、この平坦面77Aには、例えばワイヤボンディング等の手段により金属ワイヤ29が取付けられるものである。
【0101】
79はセラミックス層71,72に積層方向に貫通して設けられた表面電極用ビアホールで、該表面電極用ビアホール79は、セラミックス層71,72の貫通孔71A,72Aに導電ペーストを充填することにより形成され、表面電極77と導体層70との間を接続している。
【0102】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、縞状の導体パターン65A,70Aを有する導体層65,70によりコイル74を形成する構成としたので、コイル74をセラミックス層に沿った方向(積層方向と垂直な方向)に螺旋状をなして延ばすことができ、多層回路体62の厚みを大きくすることなく、コイル74の巻き線数を増やすことができる。
【0103】
また、コイル74をセラミックス層64等に沿って螺旋状に延ばすことにより、その両端側に位置する電極接続用の導体パターン70Bを多層回路体62の表面62Aに近い位置に配置でき、この部位に比較的短いビアホール79を形成するだけで、2個の表面電極77とコイル74の両端側とを容易に接続することができる。従って、コイル74と表面電極77との接続距離を短くして信頼性を高めることができる。また、これらのビアホール79をコイル74の本体側から離して配置できるので、その特性を安定させることができる。
【0104】
なお、前記第1の実施の形態では、端面電極22を導体層13によってコイル21の端部側に接続すると共に、表面電極24を表面電極用ビアホール26等によってコイル21の端部側に接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図13に示す変形例のように、多層型コイル部品1′は、導体層13を廃止して端面電極22とコイル21とを絶縁し、この端面電極22を浮き電極等として他の用途に用いる構成としてもよい。
【0105】
また、第3の実施の形態では、多層回路体42に表面電極53と裏面電極55とを設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば裏面電極55を廃止し、多層回路体42に表面電極53だけを設ける構成としてもよい。
【0106】
また、前記各実施の形態では、多層回路体2,42,62を形成するときに、各セラミックス層となるセラミックスシートに導電ペーストを塗布し、これを積層する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、セラミックスペーストと導電ペーストとを層状となるように交互に塗り重ねることにより、多層回路体を構成してもよい。
【0107】
また、実施の形態では、多層型コイル部品1を例に挙げて述べた。しかし、本発明はコイル部品1に限るものではなく、例えばコンデンサ、バリスタ、サーミスタ等の多層回路部品に適用する構成としてもよい。
【0108】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、多層回路体の表面側には、端面電極と離間した表面電極を設け、この表面電極をビアホールによって導体層と接続する構成としたので、例えば表面電極の全面を外部の配線等に対する接続部位として利用でき、例えばワイヤボンディングが誤って端面電極に行われるのを防止することができる。そして、表面電極の面積を十分に確保しつつ、多層回路部品を小型化することができる。また、例えば端面電極と表面電極とを導体層のそれぞれ異なる部位に接続したり、これらの電極を外部の基板の異なる配線等に接続できるから、多層回路部品や基板等の設計自由度を高めることができ、これらのレイアウト設計等を効率よく行うことができる。
【0109】
また、請求項2の発明によれば、端面電極は、多層回路体の端面のうち表面と裏面との間に位置する途中部位よりも裏面寄りの部位に形成する構成としたので、例えば端面電極を外部の基板等に半田付けして実装するときには、端面電極を這上がる半田の量を抑え、電極から外側に広がる半田フィレットの面積を小さくすることができる。これにより、半田を含めた多層回路部品の実装面積を小さくすることができる。また、表面電極を、端面電極等の電極構造に関係なく、多層回路体の表面側に大きな面積をもって形成できるから、そのワイヤボンディング等を容易に行うことができる。
【0110】
また、請求項3の発明によれば、多層回路体の表面側には、ビアホールによって導体層と接続される表面電極を設ける構成したので、例えば表面電極の全面をワイヤボンディング用の接続部位として利用することができる。従って、表面電極の面積を十分に確保しつつ、多層回路部品を小型化することができる。
【0111】
また、請求項4の発明によれば、多層回路体の表面側には、表面側のビアホールによって導体層と接続される表面電極を設け、多層回路体の裏面側には、裏面側のビアホールによって導体層と接続される裏面電極を設ける構成としたので、例えば表面電極の全面によってワイヤボンディング用等の面積を十分に確保しつつ、多層回路部品を小型化することができる。また、裏面電極を基板側の配線等に接続できるから、多層回路部品の実装面積を部品の外形寸法程度まで小型化することができる。さらに、例えば表面電極と裏面電極とを導体層の異なる部位に接続したり、これらの電極を外部の基板の異なる配線等に接続できるから、多層回路部品や基板等の設計自由度を高めることができ、これらのレイアウト設計等を効率よく行うことができる。
【0112】
また、請求項5の発明によれば、表面電極には、金または銀を含んで形成された金属被膜を形成する構成としたので、例えばワイヤボンディング等を行うときに表面電極と金属ワイヤとの密着性を金属被膜によって高めることができ、これらを安定的に接続することができる。
【0113】
また、請求項6の発明によれば、多層回路体を形成するときにセラミックス層、導体層及び表面電極を積層して積層方向に加圧することにより、表面電極を平坦状に形成する構成としたので、例えば汎用的な導電ペースト等を印刷または塗布するだけで、表面電極を所望のパターン形状として容易に形成することができる。そして、例えば表面電極に凹凸等が存在する場合でも、従来の加圧工程等を利用して表面電極を効率よく平坦に仕上げることができ、表面電極に対してワイヤボンディング等を安定的に行うことができる。
【0114】
また、請求項7の発明によれば、多層回路体の積層方向に沿って螺旋状に延びるコイルを形成する構成としたので、多層回路体の積層時には、例えば導体層が配置されたセラミックス層の積層数を増減するだけで、コイルの巻き線数を容易に変更でき、設計自由度の高いコイル部品を構成することができる。
【0115】
また、請求項8の発明によれば、複数の導体パターンが縞状に並んで形成された第1,第2の導体層を複数のビアホールによって接続し、セラミックス層に沿って螺旋状に延びるコイルを形成する構成としたので、多層回路体の厚みを大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことができる。
【0116】
さらに、請求項9の発明によれば、表面電極は多層回路体の表面側に2個設け、これら2個の表面電極をコイルの両端側に接続する構成としたので、コイルと表面電極との接続距離を短くして信頼性を高めることができる。また、これらの接続部位をコイル本体から離して配置できるので、コイルの特性を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による多層型コイル部品を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による多層型コイル部品を示す正面図である。
【図3】図2中の矢示III−III方向からみた多層型コイル部品の断面図である。
【図4】図3中の表面電極等を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図5】導体層形成工程においてセラミックス層に導体層、表面電極等を形成した状態を示す分解斜視図である。
【図6】積層加圧工程により多層回路体を加圧、圧着する状態を示す断面図である。
【図7】端面電極形成工程により端面電極を形成する状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による多層型コイル部品を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による多層型コイル部品を示す断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態による多層型コイル部品を示す正面図である。
【図11】図10中の矢示XI−XI方向からみた多層型コイル部品の断面図である。
【図12】多層型コイル部品を積層する前の状態を示す分解斜視図である。
【図13】本発明の変形例による多層型コイル部品を示す断面図である。
【符号の説明】
1,31,41,61 多層型コイル部品(多層回路部品)
2,42,62 多層回路体
2A,42A,62A 表面
2B,42B,62B 裏面
2C,42C,62C 端面
3,4,6,8,10,12,14,16,43,44,46,48,50,51,63,64,66,67,68,69,71,72 セラミックス層
6A,8A,10A,12A,14A,16A,43A,44A,50A,51A 貫通孔
5,7,9,11,13,15,45,47,49,65,70 導体層
17,18,19,20,73 導体層用ビアホール
21,52,74 コイル
22,32,75 端面電極
22A,75A 表面部位
23,25,33,35,54,76,78 金属被膜
24,34,53,77 表面電極
24A,34A,53A,77A 平坦面
26,36,56 表面電極用ビアホール
27 基板
28,28′ 半田
29 金属ワイヤ
30 加圧装置
30A プッシャ
55 裏面電極
57 裏面電極用ビアホール
65A,70A,70B 導体パターン

Claims (9)

  1. 絶縁性のセラミックス層と導体層とが複数層にわたって積層され表面側と裏面側とに前記セラミックス層が配置されてなる多層回路体と、該多層回路体の端面に設けられ前記導体層と接続された端面電極と、該端面電極と離間して前記多層回路体の表面側に設けられた表面電極と、前記多層回路体に設けられ該表面電極と前記導体層との間を接続するビアホールとから構成してなる多層回路部品。
  2. 前記端面電極は前記多層回路体の端面のうち前記表面と裏面との間に位置する途中部位よりも前記裏面寄りの部位に形成してなる請求項1に記載の多層回路部品。
  3. 絶縁性のセラミックス層と導体層とが複数層にわたって積層され表面側と裏面側とに前記セラミックス層が配置されてなる多層回路体と、該多層回路体の表面側に設けられた表面電極と、前記多層回路体に設けられ該表面電極と前記導体層との間を接続するビアホールとから構成してなる多層回路部品。
  4. 絶縁性のセラミックス層と導体層とが複数層にわたって積層され表面側と裏面側とに前記セラミックス層が配置されてなる多層回路体と、該多層回路体の表面側に設けられた表面電極と、前記多層回路体の裏面側に設けられた裏面電極と、前記多層回路体に設けられ前記表面電極と導体層との間を接続する表面側のビアホールと、前記多層回路体に設けられ前記裏面電極と導体層との間を接続する裏面側のビアホールとから構成してなる多層回路部品。
  5. 前記表面電極には金または銀を含んで形成された金属被膜を形成してなる請求項1,2,3または4に記載の多層回路部品。
  6. 前記多層回路体を形成するときに前記セラミックス層、導体層及び表面電極を積層して積層方向に加圧することにより前記表面電極を平坦状に形成してなる請求項1,2,3,4または5に記載の多層回路部品。
  7. 前記多層回路体の各導体層は帯状に延びて形成し、該各導体層の端部側を互いに接続することにより前記多層回路体の積層方向に沿って螺旋状に延びるコイルを形成してなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の多層回路部品。
  8. 前記多層回路体の導体層は、複数の導体パターンが縞状に並んで形成された第1の導体層と、該第1の導体層と積層方向に離間し複数の導体パターンが縞状に並んで形成された第2の導体層とにより構成し、前記第1,第2の導体層間に位置するセラミックス層には前記第1,第2の導体層の導体パターン間を接続する複数のビアホールを設け、前記第1,第2の導体層と各ビアホールにより前記セラミックス層に沿って螺旋状に延びるコイルを形成してなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の多層回路部品。
  9. 前記表面電極は前記多層回路体の表面側に2個設け、これら2個の表面電極を前記コイルの両端側に接続する構成としてなる請求項8に記載の多層回路部品。
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