JP2004103677A - 半導体発光素子およびモジュール - Google Patents

半導体発光素子およびモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】主たる層構成部分を比較的優れた放熱性を有する材料で構成しながら、高出力動作時の非常に高い光密度を緩和し、かつ、高出力動作時の非常に高い電流注入密度の低減をも実現する半導体発光素子を提供すること。
【解決手段】基板上に、AlxnGa1−xnAs(0<xn<0.40)第一導電型第一クラッド層(厚みtxn)、AlsnGa1−snAs(0<sn≦1)第一導電型第二クラッド層(厚みtsn)、AlgnGa1−gnAs(0≦gn<0.40)第一光ガイド層(厚みtgn)、活性層構造、AlgpGa1−gpAs(0≦gp<0.40)第二光ガイド層(厚みtgp)、AlspGa1−spAs(0<sp≦1)第二導電型第二クラッド層(厚みtsp)、AlxpGa1−xpAs(0<xp<0.40)第二導電型第一クラッド層(厚みtxp)を有し、gn<xn<sn;gp<xp<sp;0.08<sn−xn;0.08<sp−xp;tsn/tgn<1.0;tsp/tgp<1.0を満たす半導体発光素子。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体発光素子、特に半導体レーザを含む半導体発光装置に関するものである。本発明は、光ファイバー増幅器用励起光源や光情報処理用の光源等のように、高出力かつ長寿命であることを要求される場合に好適に利用することができる。また本発明は、高効率な発光素子と光ファイバーの直接カップリングを実現したい場合などにも好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年における光情報処理技術、光通信技術の進展には枚挙に暇がない。
例えば、通信分野においては、今後の情報通信(IT)時代に本格的に対応する大容量の光ファイバー伝送路とともに、その伝送方式に対する柔軟性を持つ信号増幅用のアンプとして、Er3+等の希土類をドープした光ファイバー増幅器(EDFA)の研究が各方面で盛んに行なわれている。そして、EDFAのコンポーネントとして不可欠な要素である、高効率な励起光源用の半導体レーザの開発が待たれている。
【0003】
EDFA応用に供することのできる励起光源の発振波長は、原理的に800nm、980nm、1480nmの3種類存在する。このうち増幅器の特性から見れば980nmでの励起が、利得やノイズ等を考慮すると最も望ましいことが知られている。このような980nmの発振波長を有する半導体レーザ(LD)は、励起光源として高出力でありながら長寿命であるという相反する要求を満たすことが要求されている。さらに、光増幅器用の励起光源は光ファイバーと良好な結合を実現することも必須であるために、単一横モード発振することが望まれる。このため、高出力動作時においては、LD端面の光密度や、注入される電流密度はマルチモードLDなどと比較して非常に高くなるのが一般的であるが、励起光源用半導体レーザにはこの様な条件下での高い信頼性が求められる。
【0004】
最近は、さらにEDFAが増幅できる波長である1530nm〜1610nm帯の信号光よりも短い1450nm〜1530nm帯の信号光を増幅するための光ファイバー増幅器として、Tm3+等の希土類をドープした光ファイバー増幅器(TDFA)の研究も盛んに行われている。このTDFAにおいても、1045nm近傍に発振波長を有し、高出力動作に耐える単一横モードLDの実現が望まれている。
【0005】
一方通信分野への応用以外でも、半導体レーザには、SHG光源、レーザプリンタ用の熱源としての利用があり、この分野でも高出力動作特性と信頼性の両立は非常に重要な研究テーマとなっている。また、情報処理分野では高密度記録、高速書き込みおよび読み出しを目的とした半導体レーザの高出力化、短波長化が進んでおり、従来の780nm発振波長のLDに関しても高出力化が強く望まれており、また、630nm〜680nm帯のLDの開発も各方面で精力的に行われている。
【0006】
これまで980nm近傍の半導体レーザについては、その研究が進み、日米をつなぐ大容量光通信用海底ケーブルの中などで実用化が進んでいる。しかしながら、より高い光出力における動作では急速な劣化がおこり、信頼性は不十分である。これは780nm帯、630nm〜680nm帯のLDにおいても同様である。
【0007】
高出力動作時に信頼性が十分でないことの原因の1つは、非常に高い電流注入密度とこれに伴う発熱、さらに非常に高い光密度に素子を構成する半導体材料が耐えられなくなるからである。LDにおいては、効率の高い場合においても、入力した電力の50%程度しか光に変換されず、残りの入力電力は熱となってしまうのが普通である。このため、特に高出力動作をさせた場合には、発熱の影響による素子の寿命特性の悪化が懸念されることとなる。さらに、高出力動作時の光密度は非常に高いため、光による悪影響も無視できない。
【0008】
例えばこれまで報告されている980nm帯LDの多くは、クラッド層、光ガイド層にAlGaAs系材料を使用し、また、活性層にはInGaAs系材料を用いている。この際、多くのLDのAlGaAsクラッド層のAl組成は0.40程度より大きいのが普通であった。例えば非特許文献1あるいは非特許文献2にはクラッド層のAl組成が0.6である980nm帯LDが記述されている。また非特許文献3には、クラッド層のAl組成が0.48である980nm帯LDが記述されている。この様なクラッド層のAl組成が選択されるのは、活性層とクラッド層との間で十分な光閉じ込めを実現し、かつ、光ガイド層とクラッド層の間のバンドオフセットも確保するためである。
【0009】
しかし一方でこれらのAlGaAsクラッドを有するLDには、以下の様な問題があった。
非特許文献4で指摘されている様に、AlGaAs系材料の熱抵抗率はAl組成が0.5近傍で約8cm・deg/wattと最大となる。これに対して、GaAsあるいはAlAsにおける熱抵抗率は約1/4から1/5である。この観点で前記のLDはその構成要素の中の最も厚いクラッド層に、AlGaAs系材料の中でも最も熱抵抗率の高い材料を用いた構造となっていたと言える。すなわち、これら旧来のLDは必ずしも高出力動作に適した構造となっているとは言えない。
【非特許文献1】M. Okayasu et al., Electronics letters, vol.25, No. 23 (1989) p.1563
【非特許文献2】R. J. Fu et al., IEEE photonics technology letters, vol.3, No. 4 (1991) p.308
【非特許文献3】A. Shima et al.,IEEE Journal of elected topics in quantum electronics, vol.1 No.2 (1995) p.102
【非特許文献4】M. A. Afomowitz, Journal of applied physics, vol.44, No.3 (1973) p.1292
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術の問題点を解決することを課題とした。
具体的には、半導体発光素子の主たる層構成部分を比較的優れた放熱性を有する材料で構成しながら、高出力動作時の非常に高い光密度を緩和した半導体発光素子を提供するものであって、かつ、高出力動作時の非常に高い電流注入密度の低減をも実現するものである。加えて、本発明は光ファイバー等との容易な光学的結合も可能な半導体発光素子を提供することを解決すべき課題とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、少なくとも、第一導電型を示す基板、第一導電型を示すAlxnGa1−xnAs(0<xn<0.40)からなる厚みtxn(nm)の第一クラッド層、第一導電型を示すAlsnGa1−snAs(0<sn≦1)からなる厚みtsn(nm)の第二クラッド層、AlgnGa1−gnAs(0≦gn<0.40)からなる厚みtgn(nm)の第一光ガイド層、In、GaおよびAsを含み基板に格子整合しない歪み量子井戸層を含む活性層構造、AlgpGa1− gpAs(0≦gp<0.40)からなる厚みtgp(nm)の第二光ガイド層、第二導電型を示すAlspGa1−spAs(0<sp≦1)からなる厚みtsp(nm)の第二クラッド層、第二導電型を示すAlxpGa1−xpAs(0<xp<0.40)からなる厚みtxp(nm)の第一クラッド層を有する半導体発光素子において、以下の式を満たすことを特徴とする本発明の半導体発光素子によって課題を解決しうることを見出した。
【数11】
gn < xn < sn    gp < xp < sp
0.08 < sn−xn   0.08 < sp−xp
sn/tgn < 1.0    tsp/tgp < 1.0
【0012】
本発明の半導体発光素子は、以下の(1)〜(7)の少なくとも1つの式を満たすことが好ましい。以下の式において、λは半導体発光素子の発光波長(nm)、ngnは波長λ(nm)における第一光ガイド層の屈折率、ngpは第二光ガイド層の屈折率である。
【数12】
Figure 2004103677
【0013】
本発明の半導体発光素子の好ましい態様として、活性層構造内の障壁層がともに基板と同じ導電型である部分を含む態様;基板と同じ導電型である障壁層内の部分のドーパントがSiである態様;第一導電型第一クラッド層、第二導電型第一クラッド層の内の少なくとも一方のドーピングレベルが、それぞれの層内で一様でない態様;少なくとも一方の導電型を示す第一クラッド層と第二クラッド層の間に、AlGa1−tAsからなる層を具備し、そのAl組成tが、第一クラッド層側から第二クラッド層側に向けてxnからsnまで、あるいはxpからspまで徐々に増加する態様;活性層への電流注入が共振器方向に対して一定の幅でなされない態様;少なくとも一方の素子の発光点近傍において電流注入路の幅が広がっている態様;以下の(8)および/または(9)を満たす態様を挙げることができる(以下の式において、Wexpは素子の一方の発光点近傍における電流注入路の幅、Wstdは素子中の最も狭い電流注入路の幅である)。
【数13】
Figure 2004103677
【0014】
本発明の半導体発光素子の他の好ましい態様として、第二導電型第一クラッド層が第二導電型上側第一クラッド層と第二導電型下側第一クラッド層の二層に分かれ、第二導電型上側第一クラッド層と電流ブロック層とで電流注入領域を形成し、さらにコンタクト層を具備する態様;半導体発光素子が半導体レーザである態様;半導体発光素子が単一横モード発振する半導体レーザである態様;第一導電型側がn型で、第二導電型がp型である態様を挙げることができる。
【0015】
本発明は、前記の半導体発光素子と、当該半導体発光素子の光の出射端側に光ファイバーを具備することを特徴とする半導体発光素子モジュールも提供する。当該光ファイバーの先端は、集光効果を有し、かつ、半導体発光素子の前端面と直接光学的に結合するように加工されていることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本明細書で使用しているいくつかの表記について説明する。
本明細書において「A層の上に形成されたB層」という表現は、A層の上面にB層の底面が接するようにB層が形成されている場合と、A層の上面に1以上の層が形成されさらにその層の上にB層が形成されている場合の両方を含むものである。また、A層の上面とB層の底面が部分的に接していて、その他の部分ではA層とB層の間に1以上の層が存在している場合も、前記表現に含まれる。具体的な態様については、以下の各層の説明と実施例の具体例から明らかである。
【0017】
また、本明細書では、図1下側に図示されるように、基板に垂直な方向を縦方向と定義し、基板に水平な方向を横方向と定義する。
【0018】
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書に添付する図面は、本発明の構造を把握しやすくするために、敢えて寸法を変えている部分があるが、実際の寸法は本明細書に記載されているとおりである。
【0019】
本発明の半導体発光素子は、少なくとも、第一導電型を示す基板、第一導電型を示すAlxnGa1−xnAs(0<xn<0.40)からなる第一クラッド層、第一導電型を示すAlsnGa1−snAs(0<sn≦1)からなる第二クラッド層、AlgnGa1−gnAs(0≦gn<0.40)からなる第一光ガイド層、In、Ga、Asを含み基板に格子整合しない歪み量子井戸層を含む活性層構造、AlgpGa1−gpAs(0≦gp<0.40)からなる第二光ガイド層、第二導電型を示すAlspGa1−spAs(0<sp≦1)からなる第二クラッド層、第二導電型を示すAlxpGa1−xpAs(0<xp<0.40)からなる第一クラッド層を有する。
【0020】
以下において、本発明の半導体発光素子の好ましい構成例およびその製造法について具体的に説明する。
先ず、本発明の半導体発光素子の主たる特徴を、図1に示すLDを参照しながら説明する。図1左には各層構造により実現される屈折率の縦方向の空間分布を示し、また図1下には本図中で使用する方向の呼び方を示した。
【0021】
図1は、n型基板(101)上に、AlxnGa1−xnAsからなる厚みtxn(nm)のn型第一クラッド層(102)、AlsnGa1−snAsからなる厚みtsn(nm)のn型第二クラッド層(103)、アンドープAlgnGa1−gnAsからなる厚みtgn(nm)の第一光ガイド層(104)、活性層構造(105)、アンドープAlgpGa1−gpAsからなる厚みtgp(nm)の第二光ガイド層(106)、AlspGa1−spAsからなる厚みtsp(nm)のp型第二クラッド層(107)、AlxpGa1−xpAsからなる厚みtxp(nm)のp型第一クラッド層(108)を有しており、さらに電極との接触抵抗を下げるためのコンタクト層(109)、また横方向に対して電流注入領域を限定するためのSiN層(110)とp側電極(111)、n側電極(112)より構成されているブロードエリア型LDである。また、図1のLDでは、以下の式を満たす。
【数14】
xn = xp = x,  txn = txp = t
sn = sp = s,  tsn = tsp = t
gn = gp = g,  tgn = tgp = t
また活性層構造(105)は、基板側から、厚み6nmのIn0.16Ga0.84As歪み量子井戸層(121)、厚み8nmのGaAs障壁(バリア)層(122)、厚み6nmのIn0.16Ga0.84As歪み量子井戸層(123)が積層されている歪み二重量子井戸構造であり、その発振波長はλ(nm)である。
【0022】
LDの光閉じ込めの基本となる活性層構造(105)に対する縦方向の閉じ込めは、活性層の上下に位置する2つのAlGa1−xAs第一クラッド層(102,108)と、活性層構造(105)を含む2つのAlGa1−gAs光ガイド層(104,106)との間の屈折率差によって実現するものである。本発明においてはAlGa1−xAsからなる第一クラッド層(102,108)のAl組成xは0.4よりも小さいことが必要であり、0.3より小さいことが好ましく、0.2よりも小さいことがより好ましい。これは基板(101)とコントクト層(109)を除くLD構成層の中で最も厚いクラッド層のAl組成を下げることで素子全体の熱抵抗を下げることが可能であり、高出力動作に適した構造とすることができるからである。
【0023】
第一クラッド層(102,108)の厚みは、その層の活性層側から離れる方向に対して光を十分に減衰させる必要があることから発振波長λ(nm)に対して以下の式を満たすことが好ましい。
【数15】
λ < t
特に980nm帯LDなどの様に、基板(101)が発振波長に対して透明であり、かつn型第一クラッド層(102)およびn型第二クラッド層(103)よりも屈折率が大きい場合には、クラッド層(102,103)から基板(101)側にもれ出した光が基板中を伝播することから基板モードがLD本来のモードに重畳することが知られているが、これを抑制するためには、n型第一クラッド層(102)の厚みを波長に対して厚くしておくことが望ましい。
【0024】
また、光閉じ込めを実現するためには、光ガイド層(104,106)は第一クラッド層(102,108)よりも屈折率の大きな、すなわち第一クラッド層(102,108)よりAl組成の小さな材料で構成する必要がある。さらに光ガイド層(104,106)においてもそのAl組成は0.4よりも小さいことが必要であり、0.2より小さいことが好ましく、0.1よりも小さいことがより好ましい。また最も望ましいのはAlを含まないGaAsを用いる場合である。特に信頼性の観点から、Alを含まない光ガイド層が望まれる。また光ガイド層(104,106)の厚みt(nm)は、後述する第二クラッド層(103,107)にその機能を十分に発揮させるために、以下の式を満たすことが好ましい。
【数16】
0.5×[λ/(4×n)] nm <t< 1.5×[λ/(4×n)] nm
上式において、nは光ガイド層(104,106)の屈折率である。光ガイド層(104,106)の厚みtを上式の上限未満にすることによって、特に後述する第二クラッド層(103,107)のキャリアのオーバーフロー抑制効果を十分に発揮させるとともに、キンクレベルの低下等を有効に回避することができる。また、光ガイド層(104,106)の厚みtを上式の下限より大きくすることによって、後述する第二クラッド層(103,107)の反導波的な特性が過度にならないようにすることができる。
【0025】
通常のSCH(Separated Confinement Hetero−structure)構造をAlGaAs系材料で構成した場合においては、前記第一クラッド層と光ガイド層は直接的に接しているが、本発明においてはこれらの層の間にAlGa1−sAsからなる厚みtの第二クラッド層(103,107)を有している点に特徴がある。この層は光ガイド層(104,106)、さらには第一クラッド層(102,108)よりもAl組成が高く設定される必要があり、以下の式を満たす。
【数17】
g<x<s
【0026】
この結果、図1左に示される通り、第二クラッド層(103,107)は、屈折率としては最も小さい値を有する層となる。nの下に記載される矢印の向きは屈折率が大きくなる方向を意味する。また、伝導帯側の電子に対しては(またここには示されていないが荷電子帯のホールに対しても)、第二クラッド層(103,107)は障壁となる機能を有する。Egの上に記載される矢印の向きは電子に対してポテンシャルが大きくなる方向を意味する。
【0027】
すなわちこの第二クラッド層(103,107)は、高温でLD駆動を駆動している場合、あるいは高出力動作中でLDの自己発熱によって活性層の温度が相当に上がってしまう場合などにIn0.16Ga0.84As歪み量子井戸層(121,123)から第一クラッド層(102,108)中へのキャリアの熱的な漏れ出し(オーバーフロー)を抑制する機能を有している。本発明においては、素子全体の熱抵抗低減のために第一クラッド層(102,108)のAl組成は、前述の通り、0.4よりも小さいことが先ず重要であり、0.3より小さいことが好ましく、0.2よりも小さいことがより好ましい。このためにAlGa1−sAs第二クラッド層(103,107)は、活性層構造(105)側から光ガイド層(104,106)を通ってもれ出すキャリアから見て、光ガイド層(104,106)と第一クラッド層(102,108)の間の障壁の低さを補う様に、Al組成は0より大きく1以下となる範囲から選択される。しかし、第二クラッド層(103,107)においても熱抵抗の観点、あるいはさらに高いAl組成のAlGaAs系材料一般に見られる酸化による劣化、ひいては素子の寿命の悪化等を避ける目的で、そのAl組成sは0.5よりも低いことが望ましい。さらに、通常半導体レーザが使用される100℃程度までの範囲で第二クラッド層(103,107)によって活性層構造(105)側から第一クラッド層(102,108)側にキャリアがオーバーフローするのを十分に抑制するためには、以下の式を満たすことが必要である。
【数18】
0.08 < s−x
しかし、極端に大きな障壁は第一クラッド層側から活性層構造側へ注入されるキャリアに対して、その注入を阻害してしまうことから、以下の式を満たすことが好ましい。
【数19】
s−x < 0.4
【0028】
さらに、この第二クラッド層(103,107)は以下の様に縦方向の光閉じ込めに関して非常に重要な機能を有している。前述の通りこの第二クラッド層(103,107)は光ガイド層(104,106)よりも、また、第一クラッド層(102,108)よりも屈折率の低いAlGa1−sAsが選択されるため、LD端面における縦方向の近視野像(Near Field Pattern: NFP)が広がり、光密度が低減され、遠視野像(Far Field Pattern: FFP)が狭くなり、ひいては高出力動作に適した素子にすることが可能であり、寿命特性等の改善も望める。
【0029】
第二クラッド層(103,107)は、前記の様な相対的な屈折率の関係から、その層の外側に光の分布を押しやる機能を発現する。このため、LD端面における縦方向の近視野像は上下方向に広げられることとなり、結果として光密度は低減されるため、高出力動作上非常に望ましい。しかし、極端に第二クラッド層(103,107)の屈折率を下げること、あるいは厚みを増すことは、導波路が過度に反導波的になりLD構造中の縦方向の光閉じ込めがあまりに弱くなり過ぎ、結果として極端な発振しきい値の増大、スロープ効率の低下、駆動電流の増大などを招く結果となり望ましくない。このため、第二クラッド層(103,107)の厚みtは、光ガイド層(104,106)の厚みtとの相対的な関係において、以下の式を満たさなければならない。
【数20】
/t < 1.0
また適切に縦方向のNFP拡大効果を得るためには、以下の式を満たさすことが好ましい。
【数21】
0.3 < t/t
【0030】
また第二クラッド層(103,107)においては、光ガイド層(104,106)との相対的な厚みの関係だけでなく、絶対値として以下の関係を満足することが望ましい。
10nm < t < 100nm
これは、第二クラッド層(103,107)が極端に薄い場合には特に光学的な効果が薄れてしまい、また極端に厚い場合には光閉じ込めが極端に弱くなりLDが発振しなくなってしまうからである。
【0031】
次に、本発明の半導体発光素子の一例である単一横モード動作可能な半導体レーザについて図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の半導体レーザにおけるエピタキシャル構造の一例として埋め込みストライプ型の半導体レーザの構成を示した概略断面図である。
この半導体レーザは半導体基板(1)上に形成され、屈折率導波構造を有し、第二導電型第一クラッド層が第二導電型上側第一クラッド層(10)と第二導電型下側第一クラッド層(9)の二層に分かれ、第二導電型上側第一クラッド層(10)と電流ブロック層(11)/キャップ層(12)とで電流注入領域を形成し、さらに電極との接触抵抗を下げるためのコンタクト層(13)を有する半導体レーザである。この例を始めとする様々なレーザの基本的エピタキシャル構造の製法については、例えば特開平8ー130344号公報を参考にすることができる。この種のレーザは光通信に用いられる光ファイバー増幅器用の光源や、情報処理用の大規模光磁気メモリーのピックアップ光源として用いられ、層構成や使用材料等を適宜選択することによってさらに様々な用途へ応用することもできる。
【0032】
基板(1)には、本発明ではGaAs基板を使用するのが望ましい。基板(1)はいわゆるジャスト基板だけではなく、エピタキシャル成長の際の結晶性を向上させる観点から、いわゆるオフ基板(miss oriented substrate)の使用も可能である。オフ基板は、ステップフローモードでの良好な結晶成長を促進する効果を有しており、広く使用されている。オフ基板は0.5度〜2度程度の傾斜を持つものが広く用いられるが、量子井戸構造を構成する材料系によっては傾斜を10度前後にすることもある。
基板(1)は、MBEあるいはMOCVD等の結晶成長技術を利用して発光素子を製造するために、あらかじめ化学エッチングや熱処理等を施しておいてもよい。使用する基板(1)の厚みは通常350μm程度のものであり、素子作製のプロセス中の機械的強度が確保されるようにするのが普通であり、半導体発光素子の端面を形成するために、プロセス途中で100μm程度に薄くポリッシングされるのが普通である。
【0033】
バッファ層(2)は、基板バルク結晶の不完全性を緩和し、結晶軸を同一にしたエピタキシャル薄膜の形成を容易にするために設けることが好ましい。バッファ層(2)は、基板(1)と同一の化合物で構成するのが好ましく、基板(1)がGaAsの場合は通常、バッファ層(2)にはGaAsが使用される。しかし、超格子層をバッファ層(2)に使用することも広く行われており、同一の化合物で形成されない場合もある。一方、誘電体基板を用いた場合には必ずしも基板と同一の物質ではなく、その所望の発光波長、デバイス全体の構造から、適宜、基板と異なった材料が選ばれる場合もある。
【0034】
第一導電型第一クラッド層(3)は、AlxnGa1−xnAsからなる。素子全体の熱抵抗を下げ、高出力動作に適した構造とするために、第一導電型第一クラッド層(3)のAl組成xnは0<xn<0.40を満たす様に構成される。xnは0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。また、第一導電型第一クラッド層(3)の厚みtxn(nm)は、活性層構造(6)から離れる方向に対して光を十分に減衰させる必要があることから、発振波長λ(nm)よりも大きくすることが好ましい。
【0035】
また前記の様に、本発明の第一導電型第一クラッド層(3)においてはAlxnGa1−xnAs層のAl組成が、通常のSCH構造、あるいはGRIN−SCH構造を有するLDよりも低いため、ドーパントの活性化率を高くできる効果も期待できる。特に第一導電型がn型でありSiをドーパントとする場合などにおいて、MBE法によって結晶成長をすることを想定すると、N. Chand et al., Physical review B vol.30 (1984) P.4481にある通り、Siドナーのイオン化エネルギーはAl組成に大きく依存することが知られており、低Al組成のAlGaAsにおいてはドーピングレベルを比較的少なめに設定しても十分に抵抗の小さい層を形成することができるために非常に望ましい。よって、第一導電型第一クラッド層(3)のドーピングレベルは1.0x1017cm−3〜1.0x1018cm−3であることが望ましく、3.0x1017cm−3〜7.5x1017cm−3であることがより望ましい。
さらにドーピングは第一導電型第一クラッド層(3)内で一様に行われる必要はなく、基板(1)側ほど高く、また活性層構造(6)に近い側ほど低く設定されることが望ましい。これは光密度の高い部分において自由電子による吸収を抑制するために有効な方法である。
【0036】
第一導電型第二クラッド層(4)は、AlsnGa1−snAs(0<sn≦1)からなる。snは好ましくは0.5未満である。第一導電型第二クラッド層(4)のAl組成snは、隣接する第一導電型第一クラッド層(3)のAl組成xnと第一光ガイド層(5)のAl組成gnよりも大きくなければならない。このような構成を採用することによって、第一導電型第二クラッド層(4)は最も屈折率が小さな層となり、伝導帯側の電子や荷電子帯のホールに対して障壁となる機能を持つことになる。また、第一導電型第二クラッド層(4)のAl組成snと、第一導電型第一クラッド層(3)のAl組成xnとの差sn−xnは、0.08より大きくする。これによって、活性層構造(6)から第一導電型第一クラッド層(3)へキャリアがオーバーフローするのを第一導電型第二クラッド層(4)が十分に抑制することができる。ただし、第一導電型第一クラッド層(3)から活性層構造(6)へのキャリア注入を過度に阻害しないように、sn−xnは0.4未満にしておくことが好ましい。
第一導電型第二クラッド層(4)の厚みtsn(nm)は、第一光ガイド層(5)の厚みtgn(nm)よりも小さい。このような構成を採用することによって、極端な発振しきい値の増大、スロープ効率の低下、駆動電流の増大を回避することができる。適度な縦方向のNFP拡大効果を得るためには、以下の式を満たすことが好ましい。
【数22】
0.3 < tsn/tgn
また、第一導電型第二クラッド層(4)の厚みtsnは、10nmよりも厚く、100nmよりも薄いことが好ましい。第一導電型第二クラッド層(4)の厚みtsnが10nm以下であると光学的な効果が薄れる場合があり、逆に100nm以上であると光閉じ込めが極端に弱くなってLDが発振しなくなる場合がある。
【0037】
また第一導電型第二クラッド層(4)においてはAlsnGa1−snAs層のAl組成snが、本発明のLD構造の中で比較的高いために、ドーパントのドーピングレベルは第一導電型第一クラッド層(3)と比較して高く設定することが望ましい。特に第一導電型がn型でありSiをドーパントとする場合などにおいて、MBE法によって結晶成長をすることを想定すると、そのドーピングレベルは3.0x1017cm−3〜1.0x1018cm−3であることが望ましく、4.0x1017cm−3〜7.5x1017cm−3であることがより望ましい。
【0038】
図2には示されていないが、第一導電型第一クラッド層(3)と第一導電型第二クラッド層(4)の間には、AlGa1−tAs系材料からなり、その組成tが第一導電型第一クラッド層(3)側ではt=xnであり、また第一導電型第二クラッド層(4)側ではt=snとなるように徐々にAl組成を単調に変化させた層を挿入することも可能である。この様な遷移層は第一導電型第一クラッド層(3)側から第一導電型第二クラッド層(4)を通じて活性層構造(6)にキャリアを注入する際の電気抵抗を低減できるために非常に好ましい。また、遷移層には様々な組成変化をつけることが可能であり、例えばAl組成tが第一導電型第一クラッド層(3)側から第一導電型第二クラッド層(4)側に向けて直線的に増加している態様や、曲線的に単調増加している態様などを採ることが可能である。
【0039】
第一導電型第二クラッド層(4)上の第一光ガイド層(5)は、AlgnGa1−gnAs(0≦gn<0.40)からなる。光閉じ込めを実現するためには、第一光ガイド層(5)は第一導電型第一クラッド層(3)よりも屈折率の大きな、すなわち第一導電型第一クラッド層(3)よりAl組成の小さな材料で構成する必要がある。さらに第一光ガイド層(5)においてもそのAl組成は0.4よりも小さいことが必要であり、0.2より小さいことが好ましく、0.1よりも小さいことがより好ましい。また最も望ましいのはAlを含まないGaAsを用いる場合である。特に信頼性の観点から、Alを含まない光ガイド層が望まれる。
【0040】
また第一光ガイド層(5)の厚みtgn(nm)は、第一導電型第二クラッド層(4)にその機能を十分に発揮させるために、以下の式を満たすことが好ましい。
【数23】
0.5×[λ/(4×ngn)] nm <tgn< 1.5×[λ/(4×ngn)] nm
上式において、ngnは第一光ガイド層(5)の屈折率である。第一光ガイド層(5)の厚みtgnを上式の上限未満にすることによって、特に第一導電型第二クラッド層(4)のキャリアのオーバーフロー抑制効果を十分に発揮させるとともに、キンクレベルの低下等を有効に回避することができる。また、第一光ガイド層(5)の厚みtgnを上式の下限より大きくすることによって、第一導電型第二クラッド層(4)の反導波的な特性が過度にならないようにすることができる。
【0041】
AlgnGa1−gnAs(0≦gn<0.40)からなる厚みtgnの第一光ガイド層(5)は必ずしも単一のAl組成を有する層である必要はなく、第一光ガイド層(5)の中でAl組成を変化させることも可能である。このように第一光ガイド層(5)の中でAl組成の異なる領域が存在する場合の屈折率は平均的な屈折率をもって第一光ガイド層の屈折率と考えることができる。
第一光ガイド層(5)の導電型はp型、n型、あるいはアンドープであっても本発明の効果は変わらない。
【0042】
本発明で言う活性層構造(6)とは、In、Ga、Asを含み基板に格子整合しない歪み量子井戸層を含むものであり、多くの場合においては当該歪み量子井戸層の両側には、量子井戸層よりも大きなバンドギャップを有する障壁層が具備される。
活性層構造(6)の構成としては光ガイド層(5,7)に障壁層としての役割を担わせた単層のInGaAs歪み量子井戸層(Strained Single Quantum Well: S−SQW)である場合や、同じSQW構造でもGaAs障壁層、InGaAs歪み量子井戸層、GaAs障壁層と積層された場合もあり得る。あるいは図2に示すように活性層構造(6)が、基板(1)側からGaAs障壁層(21)、InGaAs歪み量子井戸層(22)、GaAs障壁層(23)、InGaAs歪み量子井戸層(24)、GaAs障壁層(25)と積層されたいわゆる歪み二重量子井戸構造(Strained Double Quantum Well: S−DQW)であっても良い。さらに、量子井戸層を3層以上多重に用いた多重量子井戸構造が用いられる場合もある。さらにはGaAs障壁層、InGaAs歪み量子井戸層、InGaAsP歪み補償障壁層、InGaAs歪み量子井戸層、GaAs障壁層が積層され、歪み量子井戸層と障壁層の有する歪みが逆方向の歪みとなっている構造でも良い。
【0043】
歪み量子井戸層の具体的な材料としては、InGaAs、GaInNAs等を挙げることができる。歪みを有する量子井戸層は、その歪みの効果によって光学利得の増大等を期待することができる。このため低Al組成の第一クラッド層(3,9,10)と活性層構造(6)の間で適度に弱い縦方向の光閉じ込めであっても、十分なLD特性を実現できる。このため、歪み量子井戸層は本発明には欠かせない。
【0044】
障壁層(21,23,25)の導電型はp型、n型、あるいはアンドープであっても本発明の効果は変わらないが、障壁層(21,23,25)はn型の導電型を示す部分を有することが望ましい。この様な状況においては、障壁層(21,23,25)から電子が活性層構造(6)内の量子井戸層(22,24)に供給されることからLDの利得特性を効果的に広帯域化することができて望ましい。このような素子は後述する様にグレーティングファイバー等の外部共振器によって効果的に発振波長を固定化することができる。また、この際にn型のドーパントはSiであることが望ましい。さらに、Siの様なn型のドーパントが障壁層(21,23,25)内に一様にドーピングされているのではなく、歪み量子井戸層(22,24)等の他の層との界面近傍にはドーピングが施されず、障壁層(21,23,25)の中心付近に選択的にドーピングされていることが最も望ましい。
【0045】
第二光ガイド層(7)は、AlgpGa1−gpAs(0≦gp<0.40)からなる。光閉じ込めを実現するためには、第二光ガイド層(7)は第二導電型第一クラッド層(9,10)よりも屈折率の大きな、すなわち第二導電型第一クラッド層(9,10)よりAl組成の小さな材料で構成する必要がある。さらに第二光ガイド層(7)においてもそのAl組成は0.4よりも小さいことが必要であり、0.2より小さいことが好ましく、0.1よりも小さいことがより好ましい。また最も望ましいのはAlを含まないGaAsを用いる場合である。特に信頼性の観点から、Alを含まない光ガイド層が望まれる。
【0046】
また第二光ガイド層(7)の厚みtgp(nm)は、第二導電型第二クラッド層(8)にその機能を十分に発揮させるために、以下の式を満たすことが好ましい。
【数24】
0.5×[λ/(4×ngp)] nm <tgp< 1.5×[λ/(4×ngp)] nm
上式において、ngpは第二光ガイド層(7)の屈折率である。第二光ガイド層(7)の厚みtgpを上式の上限未満にすることによって、特に第二導電型第二クラッド層(8)のキャリアのオーバーフロー抑制効果を十分に発揮させるとともに、キンクレベルの低下等を有効に回避することができる。また、第二光ガイド層(7)の厚みtgpを上式の下限より大きくすることによって、第二導電型第二クラッド層(9,10)の反導波的な特性が過度にならないようにすることができる。
【0047】
第二光ガイド層(7)は必ずしも単一のAl組成を有する層である必要はなく、第二光ガイド層(7)の中でAl組成を変化させることも可能である。このように第二光ガイド層(7)の中でAl組成の異なる領域が存在する場合の屈折率は平均的な屈折率をもって光ガイド層の屈折率と考えることができる。第二光ガイド層(7)の組成は、第一光ガイド層(5)の組成と同一であっても異なっていてもよい。本発明の好ましい実施態様では、第二光ガイド層(7)のAl組成gpと、第一光ガイド層(5)のAl組成gnがともに0である場合である。
第二光ガイド層(7)の導電型はp型、n型、あるいはアンドープであっても本発明の効果は変わらない。
【0048】
第二導電型第二クラッド層(8)は、AlspGa1−spAs(0<sp≦1)からなる。spは好ましくは0.5未満である。第二導電型第二クラッド層(8)のAl組成spは、隣接する第二導電型下側第一クラッド層(9)のAl組成xpと第二光ガイド層(7)のAl組成gpよりも大きくなければならない。このような構成を採用することによって、第二導電型第二クラッド層(8)は最も屈折率が小さな層となり、伝導帯側の電子や荷電子帯のホールに対して障壁となる機能を持つことになる。また、第二導電型第二クラッド層(8)のAl組成spと、第二導電型下側第一クラッド層(9)のAl組成xpとの差sp−xpは、0.08より大きくする。これによって、活性層構造(6)から第二導電型下側第一クラッド層(9)へキャリアがオーバーフローするのを第二導電型第二クラッド層(8)が十分に抑制することができる。ただし、第二導電型下側第一クラッド層(9)から活性層構造(6)へのキャリア注入を過度に阻害しないように、sp−xpは0.4未満にしておくことが好ましい。
【0049】
第二導電型第二クラッド層(8)の厚みtsp(nm)は、第二光ガイド層(7)の厚みtgp(nm)よりも小さい。このような構成を採用することによって、極端な発振しきい値の増大、スロープ効率の低下、駆動電流の増大を回避することができる。適度な縦方向のNFP拡大効果を得るためには、以下の式を満たすことが好ましい。
【数25】
0.3 < tsp/tgp
また、第二導電型第二クラッド層(8)の厚みtspは、10nmよりも厚く、100nmよりも薄いことが好ましい。第二導電型第二クラッド層(8)の厚みtspが10nm以下であると光学的な効果が薄れる場合があり、逆に100nm以上であると光閉じ込めが極端に弱くなってLDが発振しなくなる場合がある。
【0050】
第二導電型第二クラッド層(8)は、必ずしも第一導電型第二クラッド層(4)と同じAl組成を有する必要はないが、縦方向のビームの対称性を確保する目的としてはAl組成が同じであることが望ましい。
【0051】
特に第二導電型がp型でありBeをドーパントとする場合などにおいて、MBE法によって結晶成長をすることを想定すると、第二導電型第二クラッド層(8)のドーピングレベルは3.0x1017cm−3〜1.0x1018cm−3であることが望ましく、4.0x1017cm−3〜7.5x1017cm−3であることがより望ましい。
【0052】
図2には示されていないが、第二導電型第二クラッド層(8)と第二導電型下側第一クラッド層(9)の間には、AlGa1−tAs系材料からなり、その組成tが第二導電型第二クラッド層(8)側ではt=spで、第二導電型下側第一クラッド層(9)側ではt=xpであるように徐々にAl組成を単調に変化させた層を挿入することも可能である。また、遷移層には様々な組成変化をつけることが可能であり、例えばAl組成tが第二導電型第二クラッド層(8)側から第二導電型下側第一クラッド層(9)側に向けて直線的に増加している態様や、曲線的に単調増加している態様などを採ることが可能である。
【0053】
第二導電型第一クラッド層は、図2では、第二導電型下側第一クラッド層(9)と第二導電型上側第一クラッド層(10)の二層に分かれている。この場合には素子作製を容易にするために、これら二層の間にエッチング停止層を有していてもかまわない。
【0054】
第二導電型第一クラッド層(9,10)は、AlxpGa1−xpAs(0<xp<0.40)からなる。素子全体の熱抵抗を下げ、高出力動作に適した構造とするために、第二導電型第一クラッド層(9,10)のAl組成xpは0<xp<0.40を満たす様に構成される。xpは0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。また、第二導電型第一クラッド層(9,10)全体の厚みtxpは、活性層構造(6)から離れる方向に対して光を十分に減衰させる必要があることから、発振波長λよりも大きくすることが好ましい。
【0055】
第二導電型下側第一クラッド層(9)の厚みは、活性層構造(6)への電流注入経路が、電流の横方向への広がりによって極端に広くならないようにするために、10nm〜200nm程度であることが望ましい。またより望ましくは20nm〜70nm程度であることが望ましい。
【0056】
また、第二導電型下側第一クラッド層(9)と第二導電型上側第一クラッド層(10)のドーピングレベルは、1.0x1017cm−3〜1.0x1018cm−3であることが望ましく、3.0x1017cm−3〜7.5x1017cm−3であることがより望ましい。
さらにドーピングは、第二導電型下側第一クラッド層(9)や第二導電型上側第一クラッド層(10)内で一様に行われる必要はなく、コンタクト層(13)側ほど高く、また活性層構造(6)に近い側ほど低く設定されることが望ましい。これは光密度の高い部分において自由電子による吸収を抑制するために有効な方法である。本発明では、第一導電型第一クラッド層(3)か第二導電型第一クラッド層(9,10)の少なくとも一方のドーピングレベルが層内で一様でないことが好ましい。
【0057】
第二導電型上側第一クラッド層(10)は、その側壁に形成されている電流ブロック層(11)とともに、電流閉じ込めと横方向の光閉じ込めの2つの機能を実現する。これは本発明を単一横モード動作するLDに適応する時に望ましい構成である。このために、横方向に対する電流閉じ込めの観点では、電流ブロック層(11)の導電型は第一導電型かあるいはアンドープとすることが好ましい。また、横方向の光閉じ込めの観点、特に屈折率導波を基礎とした導波路としての特性を満足するためには、電流ブロック層(11)は第二導電型第一クラッド層(9,10)よりも小さな屈折率を有する材料で形成される。また、本発明ではAlGaAs系材料で電流ブロック層(11)を形成することが望ましく、これをAlGa1−zAs(0≦z≦1)とすると、そのAl組成はz>xpになることが好ましい。また、本発明は、おもに単一横モード動作する半導体レーザに好適に利用されるが、この観点では、電流ブロック層(11)と第二導電型上側第一クラッド層(10)との屈折率差によって主に規定される横方向の有効屈折率差は10−3のオーダであることが望ましい。さらには電流注入路の幅であり、かつ、導波路の幅に相当する、第二導電型下側第一クラッド層(9)と第二導電型上側第一クラッド層(10)が接する部分の横方向の幅Wは、LDを単一横モード動作させる観点では、紙面に垂直な共振器方向に誤差の範囲で一様であって、その幅は6μm以下であることが望ましく、3μm以下であることがより望ましい。しかし、高出力動作と単一横モード動作の両立を目指すためには、必ずしも共振器方向に一様な導波路である必要はなく、半導体レーザの主たる光の出射方向である前端面側においては、その導波路の幅を相対的に広くして高出力動作に適する様にし、一方、後端面側においてはその導波路の幅を狭くして、単一横モード動作可能である様にすることが望ましい。また、この様な場合においては、一方の発光点近傍における電流注入路の幅をWexp、素子中の最も狭い電流注入路の幅Wstdとしたときに、以下の式を満たすことが望ましい。
【数26】
1.5<Wexp/Wstd<5.0
さらに、以下の式を満たすことがより望ましい。
【数27】
2.5<Wexp/Wstd<3.5
【0058】
一方AlGa1−zAsからなる電流ブロック層(11)は、光閉じ込めの観点だけからは、そのAl組成はz>xpであれば良いが、他のAlGaAsからなる層と同様の理由によって、そのAl組成は0.5より小さいことが望ましく、さらには0.4より小さいことが望ましく、最も望ましいのはAl組成が0.25より小さい場合である。
【0059】
キャップ層(12)は、第1回目の成長において電流ブロック層の保護層として用いられると同時に第二導電型上側第一クラッド層(10)の成長を容易にするために用いられ、素子構造を得る前に、一部または全て除去される。
【0060】
第二導電型上側第一クラッド層(10)の上には、電極(14)との接触抵抗率を下げるため等の目的で、コンタクト層(13)を設けるのが好ましい。コンタクト層(13)は、通常、GaAs材料にて構成される。この層は、通常電極(14)との接触抵抗率を低くするためにキャリア濃度を他の層より高くする。また導電型は第二導電型である。
【0061】
半導体レーザを構成する各層の厚みは、それぞれの層の機能を効果的に奏する範囲内で適宜選択される。
【0062】
また本発明の半導体発光素子においては、第一導電型はn型であることが望ましく、第二導電型はp型であることが望ましい。これはn型の基板の方が良質である場合が多いからである。
【0063】
図2に示す半導体レーザは、さらに電極(14)および(15)を形成することにより作製される。エピタキシャル層側電極(14)は、例えば第二導電型がp型の場合、コンタクト層(13)表面にTi/Pt/Auを順次に蒸着した後、合金化処理することによって形成される。一方、基板側電極(15)は基板(1)表面に形成され、第一導電型がn型の場合、例えばAuGe/Ni/Auを基板(1)表面に順に蒸着した後、合金化処理することによって形成される。
【0064】
製造した半導体ウエハーには、光の出射面である端面を形成する。端面は共振器を構成する鏡となる。好ましくは、劈開により端面を形成する。劈開は広く用いられる方法であり、劈開によって形成される端面は使用する基板の方位によって異なる。例えば、好適に利用されるnominally(100)と結晶学的に等価な面をもつ基板を使用して端面発光型レーザ等の素子を形成する際には、(110)もしくはこれと結晶学的に等価な面が共振器を形成する面となる。一方、オフ基板を使用するときには、傾斜させた方向と共振器方向の関係によっては端面が共振器方向と90度にならない場合もある。例えば(100)基板から、(1−10)方向に向けて角度を2度傾けた基板を使用した場合には端面も2度傾くことになる。
【0065】
劈開によって素子の共振器長も決定される。一般に共振器長は長い方が高出力動作に適するが、本発明が適応される半導体レーザにおいては、600μm以上であることが望ましい。またさらに望ましくは900μm〜3000μmであることが望ましい。このように共振器長の上限があるのは、極端に長い共振器長を有する半導体レーザは、逆に、しきい値電流の上昇、効率の低下等、特性劣化をきたす恐れがあるからである。
【0066】
本発明では、露出した半導体端面上に、誘電体、または誘電体および半導体の組合せからなるコーティング層(16,17)を形成するのが好ましい(図3)。コーティング層(16,17)は、主に半導体レーザからの光の取り出し効率を上げる目的と、端面の保護という2つの目的のために形成される。また、素子からの光出力を片側の端面から効率良く取り出すためには、発振波長に対して反射率の低い(例えば反射率10%以下)コーティング層を主たる光の出射方向である前端面に施し、また、発振波長に対して反射率の高い(例えば80%以上)のコーティング層をもう一方の後端面に施す非対称コーティングを行うのが望ましい。これは、単に素子の高出力化を進めるだけではなく、波長安定化のために使用されるグレーティングファイバーなどの外部共振器から戻ってくる光を積極的にレーザ内部に取り込み、波長の安定化を促進する点でも非常に重要である。また、これらの目的のためには前端面の反射率は5%以下であることが好ましく、2.5%以下であることがより好ましい。
【0067】
コーティング層(16,17)には、さまざまな材料を用いることができる。例えば、AlOx、TiOx、SiOx、SiN、SiおよびZnSからなる群から選ばれる1種または2種以上の組合せを用いることが好ましい。低反射率のコーティング層としてはAlOx、TiOx、SiOx等が、また高反射率のコーティング層としてはAlOx/Siの多層膜、TiOx/SiOxの多層膜等が用いられる。それぞれの膜厚を調節することによって、所望の反射率を実現することができる。しかし、一般に低反射率のコーティング層とするAlOx、TiOx、SiOx等の膜厚は、その波長λでの屈折率の実数部分をnとしてλ/4n近傍になるように調整するのが一般的である。また、高反射多層膜の場合も、膜を構成する各材料がλ/4n近傍になるように調整するのが一般的である。
【0068】
コーティングが終了したレーザバーを再度劈開することによって、各素子を分離し、半導体レーザとすることができる。
【0069】
このようにして製造した半導体レーザを始めとする本発明の半導体発光素子の光の出射端側に光ファイバーを設置して、半導体発光素子モジュールを形成することができる。光ファイバーの先端は、集光効果を示し、かつ、半導体発光素子の前端面と直接光学的に結合するように加工されていることが好ましい。
【0070】
半導体レーザを始めとする本発明の半導体発光素子に対して波長の安定化を図るために、外部に波長選択性のある鏡を準備し、外部共振器と本発明の半導体発光素子を結合させることが望ましい。特にファイバーグレーティングを用いて外部共振器を形成させること望ましい。またこの場合には、半導体発光素子の他にファイバーグレーティング、温度安定化用のクーラ等を内臓した半導体発光素子モジュールを形成することも可能である。ファイバーグレーティングはその目的に応じて中心波長、反射あるいは透過帯域、ファイバーグレーティングが有する半導体発光素子側への光の反射率等を適宜選択可能である。特に前記ファイバーグレーティングの半導体発光素子側への光の反射率は、半導体発光素子の発光波長において2〜15%であることが好ましく、5〜10%であることがより好ましく、かつ、その反射帯域が中心波長に対して0.1〜5.0nmであることが好ましく、0.5〜1.5nmであることがより好ましい。
【0071】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、濃度、厚み、操作手順等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下の実施例に示す具体例に制限されるものではない。
【0072】
<実施例1>
図2にその光の出射方向からの断面図が示されている半導体レーザを以下の手順で作製した。
先ず、キャリア濃度1.0×1018cm−3のn型GaAs基板(1)の(100)面上に、MBE法にて、バッファ層(2)として厚み0.5μmでキャリア濃度1.0×1018cm−3のSiドープn型GaAs層;第一導電型第一クラッド層(3)として厚み2.3μmで、キャリア濃度が基板側から1.3μmは7.5×1017cm−3であり、その上1μmは3.0×1017cm−3であるSiドープn型Al0.19Ga0.81As層;第一導電型二クラッド層(4)として厚みが35nmでキャリア濃度が8.0×1017cm−3のSiドープn型Al0.45Ga0.55As層;第一光ガイド層(5)として、厚みが75nmで、基板側から35nmはSiのドーピングレベルが2.0×1017cm−3であり、その上40nmはアンドープであるGaAs層(後述する発振波長980nmにおける屈折率は3.525245);活性層構造(6)として、厚み5nmでキャリア濃度が7.5×1017cm−3のSiドープn型GaAs障壁層(但し量子井戸層側1nmはアンドープ)、厚み6nmのアンドープIn0.16Ga0.84As歪み量子井戸層、厚み7nmでキャリア濃度が7.5×1017cm−3のSiドープn型GaAs障壁層(但し両量子井戸層側1nmはアンドープ)、厚み6nmのアンドープIn0.16Ga0.84As歪み量子井戸層、厚み5nmで、キャリア濃度が7.5×1017cm−3のSiドープn型GaAs障壁層(但し量子井戸層側1nmはアンドープ)の5層からなる活性層構造;第二光ガイド層(7)として、厚みが75nmで、基板側から40nmはアンドープで、その上35nmはBeのドーピングレベルが3.0×1017cm−3であるGaAs層(後述する発振波長980nmにおける屈折率は3.525245);第二導電型二クラッド層(8)として厚みが35nmでキャリア濃度が7.5×1017cm−3のBeドープp型Al0.45Ga0.55As層;第二導電型下側第一クラッド層(9)として厚み25nmで、キャリア濃度が5.0×1017cm−3のBeドープp型Al0.19Ga0.81As層;電流ブロック層(11)として厚み0.3μmでキャリア濃度5.0×1017cm−3のSiドープn型Al0.23Ga0.78As層;キャップ層(12)として厚み10nmでキャリア濃度7.5×1017cm−3のSiドープn型GaAs層を、順次積層した。
【0073】
最上層の電流注入領域部分を除く部分に窒化シリコンのマスクを設けた。このとき、窒化シリコンマスクの開口部の幅は1.5μmとした。これをマスクとして20℃で105秒間エッチングを行い、電流注入領域部分のキャップ層と電流ブロック層を除去した。エッチング剤は、リン酸(85重量%)、過酸化水素(30重量%水溶液)および水を体積比1:1:30で混合した混合液を使用した。
【0074】
その後、MOCVD法にて、第二導電型上側第一クラッド層(10)として厚み2.3μmで、キャリア濃度が基板側から1μmは4.0×1017cm−3であり、その上の1.3μmは7.5×1017cm−3であるZnドープp型Al0.19Ga0.81As層;コンタクト層(13)として厚み3.0μmで、キャリア濃度が基板側から2.7μmは1.0×1018cm−3であり、その上の0.3μmは6.0×1018cm−3であるZnドープGaAs層を再成長した。
さらに、エピタキシャル層側(p側)電極(14)としてTi/Pt/Auを、それぞれ70nm/70nm/80nmだけ蒸着し、また、基板をポリッシングした後は、基板側(n側)電極(15)としてAuGeNi/Auをそれぞれ150nm/80nmだけ蒸着し、その後、400℃で合金化を5分間行って半導体レーザ用のウエハーを完成させた。
なお、完成した半導体レーザの電流注入領域の幅Wは2.3μmであった。
【0075】
続いて、大気中で、共振器長1600μmのレーザバーの状態に劈開して(110)面を露出させ、AlOx膜を発振波長980nmにおいて前端面の反射率が2.5%になるように165nm製膜し、コーティング層(16)を形成した(図3)。さらに後端面側の処理を行うために、厚み170nmのAlOx層/厚み60nmのアモルファスSi層/厚み170nmのAlOx層/厚み60nmのアモルファスSi層の4層からなるコーティング層(17)を形成し、反射率92%の後端面を作製した。
【0076】
作製した素子の25℃における電流光出力特性を図4に示す。
しきい値電流は32.6mA、スロープ効率は0.87W/A、キンクレベルは652mWであった。また電流を1.5Aまで注入した際の最大光出力は755mWであり、1.5Aの電流注入まで、素子の破壊は観測されなかった。
また450mW光出力時における縦方向FFPの半値全幅は22.5度であり、横方向FFPの半値全幅は8.8度であった。また素子の発振波長は984nmであった。
さらに図5には、素子を50℃にて一定光出力状態(500mW)で連続駆動した際の駆動電流の時間変化を示した。図中に示される様に1500時間の安定駆動が確認された。
【0077】
<実施例2>
実施例1において作製した素子を用いて、その素子の前端面側に先端が楔型をしたファイバーレンズを有するグレーティング付の光ファイバーを実装し、バタフライ型のパッケージを有する半導体レーザモジュールを作製した。このグレーティングファイバーの反射中心は982nmであり、その反射率は3%であった。25℃において、ファイバー端から出射される光に対して、しきい値電流27.6mA、スロープ効率0.71mW/mAであった。結合効率は約81.6%と良好であった。
【0078】
<実施例3>
半導体レーザを以下の手順で作製した。
先ず、キャリア濃度1.0×1018cm−3のn型GaAs基板の(100)面上に、MBE法にて、バッファ層として厚み1μmでキャリア濃度1.0×1018cm−3のSiドープn型GaAs層;第一導電型第一クラッド層として厚み2.5μmで、キャリア濃度が基板側から1.5μmは6.0×1017cm−3であり、その上1μmは4.0×1017cm−3であるSiドープn型Al0.175Ga0.825As層;次いで、第一導電型遷移層として、厚みが35nmで、キャリア濃度が5.0×1017cm−3のSiドープn型AlGa1−tAs層であり、このAl組成が第一導電型第一クラッド層側でt=0.175であり、ここから当該層内でAl組成が第一導電型第二クラッド層側においてt=0.35まで直線的に増加している層;第一導電型二クラッド層として厚みが35nmでキャリア濃度が3.0×1017cm−3のSiドープn型Al0.35Ga0.65As層;第一光ガイド層として、厚みが75nmでキャリア濃度が2.0×1017cm−3のSiドープn型GaAs層(後述する発振波長980nmにおける屈折率は3.525245);活性層構造として、厚み5nmでキャリア濃度が7.5×1017cm−3のSiドープn型GaAs障壁層(但し量子井戸層側1nmはアンドープ)、厚み6nmのアンドープIn0.16Ga0.84As歪み量子井戸層、厚み7nmでキャリア濃度が7.5×1017cm−3のSiドープn型GaAs障壁層(但し両量子井戸層側1nmはアンドープ)、厚み6nmのアンドープIn0.16Ga0.84As歪み量子井戸層、厚み5nmで、キャリア濃度が7.5×1017cm−3のSiドープn型GaAs障壁層(但し量子井戸層側1nmはアンドープ)の5層からなる活性層構造;第二光ガイド層として、厚みが75nmでキャリア濃度が3.0×1017cm−3のBeドープp型GaAs層(後述する発振波長980nmにおける屈折率は3.525245);第二導電型二クラッド層として厚みが35nmでキャリア濃度が4.0×1017cm−3のBeドープp型Al0.35Ga0.65As層;次いで、第二導電型遷移層として、厚みが35nmで、キャリア濃度が5.0×1017cm−3のBeドープp型AlGa1−tAs層であり、このAl組成が第二導電型第二クラッド層側でt=0.35であり、ここから当該層内でAl組成が第二導電型第二クラッド層側においてt=0.175まで直線的に減少している層;第二導電型下側第一クラッド層として厚み30nmで、キャリア濃度が5.0×1017cm−3のBeドープp型Al0.175Ga0.825As層;電流ブロック層として厚み0.5μmでキャリア濃度5.0×1017cm−3のSiドープn型Al0.225Ga0.775As層;キャップ層として厚み10nmでキャリア濃度7.5×1017cm−3のSiドープn型GaAs層を順次積層した。
【0079】
最上層の電流注入領域部分を除く部分に窒化シリコンのマスクを設けた。このとき、窒化シリコンマスクの開口部の幅は、以下の様に共振器長1600μmの半導体レーザにおいて、その共振器方向で変化させた。素子の後端面となる部分から前端面側に向かって1200μmは、開口部の幅を1.7μmとし、素子の前端面となる部分から後端面側に向かって250μmはこれを5.1μmとした。また、これら異なる領域をつなぐ部分は150μmの長さに渡って、幅を1.7μm〜5.1μmの間で直線的に変化させた。これをマスクとして20℃で185秒間エッチングを行い、電流注入領域部分のキャップ層と電流ブロック層を除去した。エッチング剤は、リン酸(85重量%)、過酸化水素(30重量%水溶液)および水を体積比1:1:30で混合した混合液を使用した。
【0080】
その後、MOCVD法にて、第二導電型上側第一クラッド層として厚み2.47μmで、キャリア濃度が基板側から1μmは4.0×1017cm−3であり、その上の1.47μmは6.0×1017cm−3であるZnドープp型Al0.175Ga0.825As層;コンタクト層として厚み3.5μmで、キャリア濃度が基板側から3μmは1.0×1018cm−3であり、その上の0.5μmは5.0×1018cm−3であるZnドープGaAs層を再成長した。
さらに、エピタキシャル層側(p側)電極としてTi/Pt/Auを、それぞれ70nm/70nm/80nmだけ蒸着し、また、基板をポリッシングした後には、基板側(n側)電極としてAuGeNi/Auをそれぞれ150nm/80nmだけ蒸着し、その後、410℃で合金化を5分間行って半導体レーザ用のウエハーを完成させた。
なお、完成した半導体レーザの電流注入領域の幅Wbは素子の前端面側で2.3μm、後端面側で5.6μmであった。
【0081】
続いて、大気中で、共振器長1600μmのレーザバーの状態に劈開して(110)面を露出させ、AlOx膜を発振波長980nmにおいて前端面の反射率が2.5%になるように165nm製膜し、コーティング層を形成した。さらに後端面側の処理を行うために、厚み170nmのAlOx層/厚み60nmのアモルファスSi層/厚み170nmのAlOx層/厚み60nmのアモルファスSi層の4層からなるコーティング層を形成し、反射率92%の後端面を作製した。
【0082】
コーティング終了後、半導体レーザバーを二次劈開し、半導体レーザを放熱板に搭載して半導体レーザを完成させた。
作製した素子の25℃における電流光出力特性を図6に示す。
しきい値電流は34.1mA、スロープ効率は0.88W/A、キンクレベルは608mWであった。また電流を1.5Aまで注入した際の最大光出力は830mWであり、1.5Aの電流注入までで、素子の破壊は観測されなかった。
また450mW光出力時における縦方向FFPの半値全幅は21.8度であり、横方向FFPの半値全幅は7.2度であった。また素子の発振波長は978nmであった。
【0083】
<比較例1>
第一導電型第二クラッド層と第二導電型第二クラッド層とを積層しなかったこと以外は、実施例1と同様にして半導体レーザを作製した。
図4に示される通り、しきい値電流は29.1mA、スロープ効率は0.9W/Aと実施例1よりも良好であったが、キンクレベルは540mWと低かった。また電流を1.5Aまで注入した際の最大光出力も671.2mWと実施例1と比較して低く、1.5Aの電流注入を行ったところ、1.4Aで素子が破壊した。
また450mW光出力時における縦方向FFPの半値全幅は29.7度と実施例1よりも広く、活性層における光密度が高いことが疑われた。また、横方向FFPの半値全幅は9.0度と同程度であった。さらに図5には、素子を50℃にて一定光出力状態(500mW)で連続駆動した際の駆動電流の時間変化を示した。図中に示される様に1500時間までで全ての素子が故障し、高出力動作には向かなかった。
【0084】
<比較例2>
比較例1で作製した素子を用いたこと以外は、全て実施例2と同様の構成で半導体レーザモジュールを作製した。25℃において、ファイバー端から出射される光に対して、しきい値電流26.1mA、スロープ効率0.64mW/mAであった。結合効率は約71.1%と実施例2に及ばなかった。
【0085】
<比較例3>
第一光ガイド層と第二光ガイド層の厚みを45nm、また、その中のアンドープ領域を10nmとし、かつ、第一導電型第二クラッド層と第二導電型第二クラッド層の厚みを共に50nmとし、tsn/tgn=tsp/tgpを約1.1とした以外は、実施例1と同様にして半導体レーザを作製した。
しきい値電流は39.7mA、スロープ効率は0.69W/A、キンクレベルは422mWと実施例1に及ばなかった。また電流を1.5Aまで注入した際の最大光出力も529mWと実施例1と比較して低く、1.5Aの電流注入を行ったところ、1.45Aで素子が破壊した。
またキンクレベルが低いためにFFPの測定は400mWで実施した。この際の光出力時における縦方向FFPの半値全幅は16.5度であり、活性層近傍における光閉じ込めが十分でないことが疑われた。横方向FFPの半値全幅は8.5度であった。また素子の発振波長は985.5nmであった。
【0086】
【発明の効果】
本発明によって、半導体発光素子の主たる層構成部分を比較的優れた放熱性を有する材料で構成しながら、高出力動作時の非常に高い光密度を緩和し、かつ、高出力動作時の非常に高い電流注入密度の低減をも実現する半導体発光素子が提供される。本発明の半導体発光素子は、光ファイバー等との容易な光学的結合も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体発光素子の一態様を光の出射方向から見た断面図である。
【図2】本発明の半導体発光素子の別の一態様を光の出射方向から見た断面図である。
【図3】本発明の半導体発光素子の一態様を示す斜視図である。
【図4】実施例1と比較例1の半導体発光装置の電流光出力特性を比較したグラフである。
【図5】実施例1と比較例1の半導体発光装置の駆動時間と駆動電流の関係を比較したグラフである。
【図6】実施例3の半導体発光装置の電流光出力特性を示すグラフである。
【符号の説明】
101  n型基板
102  n型第一クラッド層
103  n型第二クラッド層
104  第一光ガイド層
105  活性層構造
106  第二光ガイド層
107  p型第二クラッド層
108  p型第一クラッド層
109  コンタクト層
110  SiN層
111  p側電極
112  n側電極
121、123  歪み量子井戸層
122  障壁層
1  第一導電型基板
2  バッファ層
3  第一導電型第一クラッド層
4  第一導電型第二クラッド層
5  第一光ガイド層
6  活性層構造
7  第二光ガイド層
8  第二導電型第二クラッド層
9  第二導電型下側第一クラッド層
10  第二導電型上側第一クラッド層
11  電流ブロック層
12  キャップ層
13  コンタクト層
14  エピタキシャル層側電極
15  基板側電極
16、17  コーティング層
21、23、25  障壁層
22、24  歪み量子井戸層

Claims (22)

  1. 少なくとも、第一導電型を示す基板、第一導電型を示すAlxnGa1−xnAs(0<xn<0.40)からなる厚みtxn(nm)の第一クラッド層、第一導電型を示すAlsnGa1−snAs(0<sn≦1)からなる厚みtsn(nm)の第二クラッド層、AlgnGa1−gnAs(0≦gn<0.40)からなる厚みtgn(nm)の第一光ガイド層、In、GaおよびAsを含み基板に格子整合しない歪み量子井戸層を含む活性層構造、AlgpGa1−gpAs(0≦gp<0.40)からなる厚みtgp(nm)の第二光ガイド層、第二導電型を示すAlspGa1−spAs(0<sp≦1)からなる厚みtsp(nm)の第二クラッド層、第二導電型を示すAlxpGa1−xpAs(0<xp<0.40)からなる厚みtxp(nm)の第一クラッド層を有する半導体発光素子において、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子であって、発光波長をλ(nm)としたとき、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  3. 請求項1または2に記載の半導体発光素子であって、波長λ(nm)における第一光ガイド層の屈折率をngnまた、第二光ガイド層の屈折率をngpとしたときに、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、活性層構造内の障壁層がともに基板と同じ導電型である部分を含むことを特徴とする半導体発光素子。
  10. 請求項9に記載の半導体発光素子であって、基板と同じ導電型である障壁層内の部分のドーパントがSiであることを特徴とする半導体発光素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、第一導電型第一クラッド層、第二導電型第一クラッド層の内の少なくとも一方のドーピングレベルが、それぞれの層内で一様でないことを特徴とする半導体発光素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、少なくとも一方の導電型を示す第一クラッド層と第二クラッド層の間に、AlGa1−tAsからなる層を具備し、そのAl組成tが、第一クラッド層側から第二クラッド層側に向けてxnからsnまで、あるいはxpからspまで徐々に増加することを特徴とする半導体発光素子。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、活性層への電流注入が共振器方向に対して一定の幅でなされないことを特徴とする半導体発光素子。
  15. 請求項14記載の半導体発光素子であって、少なくとも一方の素子の発光点近傍において電流注入路の幅が広がっていることを特徴とする半導体発光素子
  16. 請求項15記載の半導体発光素子であって、素子の一方の発光点近傍における電流注入路の幅Wexpが、素子中の最も狭い電流注入路の幅Wstdとの間で以下の式を満たすことを特徴とする半導体発光素子。
    Figure 2004103677
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、第二導電型第一クラッド層が第二導電型上側第一クラッド層と第二導電型下側第一クラッド層の二層に分かれ、第二導電型上側第一クラッド層と電流ブロック層とで電流注入領域を形成し、さらにコンタクト層を具備することを特徴とする半導体発光素子。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の半導体発光素子において、半導体発光素子が半導体レーザであることを特徴とする半導体発光素子。
  19. 請求項18記載の半導体レーザが単一横モード発振する半導体レーザであることを特徴とする半導体発光素子。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、第一導電型側がn型で、第二導電型がp型であることを特徴とする半導体発光素子。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の半導体発光素子と、当該半導体発光素子の光の出射端側に光ファイバーを具備することを特徴とする半導体発光素子モジュール。
  22. 請求項21に記載の半導体発光素子モジュールであって、光ファイバーの先端が集光効果を有し、かつ、半導体発光素子の前端面と直接光学的に結合するように加工されていることを特徴とする半導体発光素子モジュール。
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