JP2004103652A - 3層型メッキプリント回路基板 - Google Patents

3層型メッキプリント回路基板 Download PDF

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霞 健一
Nobuo Matsumura
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Abstract

【課題】耐熱フィルム上の樹脂層表面の平滑性が高く、ファインピッチ対応可能な高接着メッキタイプの回路基板材料を得る物である。
【解決手段】耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に樹脂層を有し、該樹脂層の上にスパッタあるいは蒸着による導電性金属層を有し、さらに該導電性金属層の上に電気メッキ法による銅層を有する3層型メッキプリント回路基板において、上記耐熱樹脂層の突起最大高さが1μm以下であることを特徴とする3層型メッキプリント回路基板。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高性能の電子機器、特に小型軽量化になくてはならない極めて高い接着力を有する3層型メッキプリント基板に関するものである。さらに詳しくは、半導体パッケージにおけるFPC(Flexible Printed Circuit)、CSP(ChipSize Package)、BGA(Ball Grid Array)、COF(Chip On Flexible board)などに利用される3層型メッキプリント基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フレキシブルプリント基板としては一般にポリイミド樹脂フィルムに接着剤を介して銅箔を張り合わせた通称「3層型」が、カメラ、プリンター、パソコン、など各種電気機器で一般に広く使用されているのは周知の通りである。3層型プリント基板に使用されている接着剤は、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系などが単独あるいは混合されて用いられている。これらの樹脂中には不純物イオンが含まれるため電気特性が低下する問題がある。
【0003】
またその耐熱性も、接着剤の耐熱性がポリイミドに対し極めて劣るため、耐熱性樹脂フィルムとして広く用いられているポリイミド樹脂フィルムの優れた特性が充分に活かされていないのが実状である。
さらに張り合わせる銅箔の厚みも薄い場合には取り扱いが困難なため、一般には18μm以上の厚みのものが使用されている。そのため80μmピッチ(配線幅40μm、スペース40μm)以下のパターニングを行うには銅が厚すぎてエッチングファクター(導体層厚みを接着剤面側の回路幅と銅箔表面側の回路幅の差の2分の1で除したもの)が著しく低下し、銅箔表面側の回路幅と接着剤面側の回路幅が著しく異なる、あるいは配線全体が著しく細り目的の回路パターンが得られないという問題がおこり、いわゆるファインピッチ配線が得られないという欠点がある。このような問題を有するため、接着剤で銅箔を張り合わせた「3層型」は高密度実装配線には限界があり、小型、軽量化する高性能な電子機器用途には極めて不都合である。
【0004】
また銅箔にポリイミド前駆体樹脂溶液を直接塗布し熱処理することによってポリイミド系樹脂層を形成したいわゆる「キャスト型」も、エポキシ系、アクリル系の接着剤に起因する欠点は有しないものの、やはり銅箔の取り扱い性から銅箔の薄膜化に限界があり、ファインピッチ配線への対応は困難である。ポリイミド樹脂のキャスト後銅箔を全面エッチングし、銅層を薄膜化した製品も近頃上市されつつあるが、コストが高いと言われている。さらにその製造方法からポリイミド系樹脂にも制約が加わり、弾性率の高いポリイミド樹脂層を持つ製品が上市されておらず、その取り扱い難さからパッケージの小型、軽量化に向けた基板フィルムの薄膜化にも対応しにくい。また「3層型」「キャスト型」ともに銅箔粗化面と樹脂層を接着させるため銅・樹脂層界面は凹凸が大きく、ファインピッチ対応を難しくする要件のひとつとなっている。
【0005】
このような問題を解決する手段として、ポリイミドフィルム上に真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、銅メッキなどの方法で導電性金属層を形成させたいわゆる接着剤のない2層型プリント基板が提案されている。「2層型メッキ」品の特長は、銅層を電解メッキで形成させるため、銅層の厚みの薄いものができ、銅のエッチングが容易になり配線幅の狭い、ファインピッチに対応できることである。しかしながら銅層を形成させるポリイミドフィルムには巻き取り時の滑り性をよくするため有機、または無機の直径0.001〜100μmの粒子が添加されるのが一般的である。この粒子がフィルム表面に凹凸を作り摩擦係数を下げ、スムーズな巻き取りを可能にしている。この表面の凹凸は高さ0.1から数ミクロン、直径は0.1〜十数ミクロン、複数の粒子が接近して隣り合えば20ミクロン以上になる。この凹凸はメッキを施すと高さがさらに強調されることもある。80μm以下のパターンでは配線間のスペースは約40μm以下であり、サイドエッチを見越した設計のレジストのスペースはさらに狭い。このように微細なパターンでは十数ミクロン径の突起は断線やショートを引き起こす原因となり得、またエッチングが不均一になり配線幅がばらつくこともあり、メッキ品の薄銅の有利さを充分発揮できなくしている。市販ポリイミドフィルムの中には宇部興産(株)製“ユーピレックス”のように平滑性に優れたものも存在するが、一般的にユーピレックスを用いた「2層型メッキ」品は、東レ・デュポン(株)製“カプトン”や鐘淵化学工業(株)製“アピカル”を用いた「2層型メッキ」品より樹脂層と導電性金属層の接着力が低く、やはりファインピッチ対応は困難であり、またユーピレックスは引張り弾性率が高く柔軟性に欠け、耐折り曲げ性が要求される用途には適応が難しい。このように耐熱性樹脂フィルムを平滑性の特に優れるものだけを使用しようとするとフィルムの選択肢が非常に狭くなり、特性や価格での選択が難しくなる問題もある。
【0006】
従来メッキ銅表面の平坦化については種々提案されている。レジスト塗布時の精度を上げて信頼性の高い配線を作成するためメッキ銅層の表面の凸部、凹部を規定している(例えば特許文献1参照)。またアノードスライムによる凸(粒)の発生しにくい電気メッキ槽が提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながらこれらはいずれも銅表面の凹凸のみを問題にしており、また特許文献1ではメッキ銅層の表面特性をコントロールする方法はメッキ銅層の膜厚を12μm以下にすることだけである。ともに銅層の支持体となる樹脂フィルム層の表面形状については何ら言及されておらず、樹脂フィルム表面の凹凸が銅層の表面に強調反映されるという認識も記されていない。また樹脂フィルム層表面の形状についてはRaを2〜10nmとし、その上の蒸着層元素種を規定し接着性の向上を図ったものもあるが、そのRaは2μm×2μmの微少な領域を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)で測定したものであり、フィルム表面に散在する微粒子によるフィルム表面の突起はRaに反映されておらず、ファインピッチ配線への対応は何ら考慮されていない。(例えば特許文献3参照)
【0007】
【特許文献1】
特開平5−259596号公報(第2−4頁)
【0008】
【特許文献2】
特開平9−235697号公報(第2頁)
【0009】
【特許文献3】
特開2001−277424号公報(第2−4頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の「2層型メッキ」品は銅層が薄くでき、配線幅の狭いファインピッチに対応できるものでありながら、メッキ銅層の凹凸が大きくその特性を充分生かし切れていなかった。
本発明の目的は、耐熱性樹脂フィルムの種類が制限されることなく、メッキ銅層、スパッタあるいは蒸着による導電性金属層の下地となる耐熱性樹脂層の平坦性が高く、80μmピッチ以下のパターン、特に50μm以下のいわゆるファインピッチパターン形成時に配線幅のばらつきが少なくショートや断線など欠点の発生し難い、さらに接着強度に優れた3層型メッキタイプのフレキシブルプリント基板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に耐熱性樹脂層を有し、該樹脂層の上にスパッタあるいは蒸着による導電性金属層を有し、さらに該導電性金属層の上に電気メッキ法による銅層を有する3層型メッキプリント回路基板において、上記耐熱樹脂層の突起最大高さが1μm以下であることを特徴とする3層型メッキプリント回路基板である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される耐熱性樹脂フィルムとしては、融点が280℃以上のもの、あるいはJIS C4003で規定される長時間連続使用の最高許容温度が121℃以上のもののいずれかでの条件を満足する高分子樹脂フィルムであればよい。
【0013】
これらの高分子樹脂フィルムとしては、ビスフェノール類のジカルボン酸の縮合物であるポリアリレート、ポリスルホン、またはポリエーテルスルホンに代表されるポリアリルスルホン、ベンゾテトラカルボン酸と芳香族イソシアネートとの縮合物、あるいはビスフェノール類、芳香族ジアミン、ニトロフタル酸の反応から得られる熱硬化性ポリイミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド系樹脂、アラミド系樹脂、PEN、PEEKなどからなるフィルム、液晶フィルムなどが挙げられる。特にピロメリット酸二無水物、あるいは、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンなどの芳香族ジアミンとの縮合物である芳香族ポリイミド樹脂フィルムは特に好ましい。これらの樹脂フィルムには通常炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、二酸化ケイ素などの粒径0.001〜100μmの微粒子が添加されているが、より好ましくは粒径0.01〜10μmである。これらの粒子は粒径が細かいほどフィルム表面の凹凸が小さくなり平滑性が増すが、巻き取り時の滑り性や樹脂との相溶性などから組成や粒径の選択に限界があり、平滑性を優先しようとすると樹脂組成が限定される。メッキプリント基板においては添加微粒子によるフィルム表面の突起は小さい方が好ましい。しかし市販品で平滑性に優れたポリイミドフィルムとして宇部興産(株)製“ユーピレックス”Sがあるが、例えば“ユーピレックス”25Sは引っ張り弾性率がおよそ9GPaと高いため柔軟性にかけ、FPCなど屈曲性を求められる用途には普通使われない。通常メッキプリント基板に用いられている耐熱性樹脂フィルムの東レ・デュポン(株)製“カプトン”や鐘淵化学工業(株)製“アピカル”では品種により弾性率の差はあるがで3〜6GPaと“ユーピレックス”Sに比して低く、柔軟性を要求される用途にも使われているが、表面の突起最大高さは1μm以上でありファインピッチ対応に難がある。
【0014】
また当然のことながら、上記耐熱性樹脂フィルム表面は、放電処理などの目的に応じ接着性改良の処理が施されているほうが好ましい。これらの処理を施すことによって、耐熱性樹脂フィルムと耐熱性樹脂層との接着性を大幅に向上させることができる。放電処理としては、大気圧付近で放電するいわゆる常圧プラズマ処理、コロナ放電処理、または低温プラズマ処理などが施されていることが好ましい。
【0015】
常圧プラズマ処理とは、Ar、N 、He、CO 、CO、空気、水蒸気などの雰囲気中で放電処理する方法をいう。処理の条件は、処理装置、処理ガスの種類、流量、電源の周波数などによって異なるが、適宜最適条件を選択することができる。
【0016】
低温プラズマ処理は、減圧下で行なうことができ、その方法としては、特に限定されないが、例えばドラム状電極と複数の棒状電極からなる対極電極を有する内部電極型の放電処理装置内に被処理基材をセットし、処理ガスを1〜1000Pa、好ましくは、2〜100Paに調整した状態で電極間に直流あるいは交流の高電圧を印加して放電を行い、前記処理ガスのプラズマを発生させ、該プラズマに基材表面をさらして処理する方法が挙げられる。低温プラズマ処理の条件としては、処理装置、処理ガスの種類、圧力、電源の周波数などによって異なるが、適宜最適条件を選択することができる。上記処理ガスとしては、特に限定されるものではないが、Ar、N 、He、CO 、CO、空気、水蒸気、O、CF などを単独であるいは混合して用いることができる。
【0017】
一方、コロナ放電処理は、低温プラズマ処理と比較して接着性向上の効果が小さいので、積層する耐熱性接着剤を選択する必要がある。
【0018】
本発明における耐熱性樹脂層とは、特に限定されるものではなく、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂など、公知の耐熱性樹脂からなる樹脂が、単独あるいは混合して用いることができる。前述の樹脂の中で耐熱性の点と耐熱性樹脂フィルム表面突起平坦化の点から芳香族テトラカルボン酸とジアミン成分からなるポリイミド系樹脂が好ましい。
【0019】
本発明において使用される芳香族テトラカルボン酸としては、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3´,4,4´ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上混合して用いられる。
【0020】
ジアミン成分としては、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、パラフェニレンジアミン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサンなどの公知のものが使用できる。
【0021】
上記芳香族テトラカルボン酸とジアミンとの反応は、従来公知の方法に準じて行うことができる。例えば、略化学量論量の酸成分とジアミン成分とを、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2ピロリドン等の有機溶媒中で、0〜80℃の温度で反応させればよい。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上混合して用いられ、ポリアミック酸が折出しない程度であれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等を加えてもよい。
【0022】
耐熱性樹脂ワニス濃度としては、特に限定されないが、通常5〜60重量%が好ましく、表面平坦化性から15〜60重量%が特に好ましい。耐熱性樹脂ワニス粘度は特に限定されないが通常1mPa・s〜1000mPa・sである。粘度が低すぎるとピンホールなどの欠点が増え、高すぎると薄膜が塗工できないので、塗工性から好ましくは10〜300mPa・sである。粘度が低い方が表面平坦化性は大きいので、より好ましくは10〜80mPa・sである。
【0023】
Tgは、60℃以上230℃以下が好ましく、より好ましくは70℃以上160℃以下である。60℃未満の場合には耐熱性が劣るので好ましくない。またTgが230℃以上の場合には耐熱性樹脂層の上に蒸着またはスパッタした金属層との接着力が小さくなり好ましくない。
【0024】
次に、本発明品を得る場合の一例について詳細に説明する。すなわち低温プラズマ処理あるいはコロナ放電処理したポリイミドフィルム上に、上記ポリアミック酸ワニスを10〜40重量%含む溶媒溶液を均一に塗工する。この塗工方法としてはロールコータ、ナイフコータ、密封コータ、コンマコータ、ドクターブレードフロートコータなどによるものが挙げられる。次に上記のように耐熱性樹脂フィルムに塗工した溶液の溶媒を、通常60℃以上200℃程度の温度で連続的または断続的に1〜60分間で加熱除去をする。
【0025】
次にポリイミドフィルム上に形成される耐熱性接着剤の厚みは、通常、0.05〜30μm程度であるが、耐熱性樹脂フィルムの突起平坦化効果のためには0.1μm以上が好ましい。さらに好ましくは0.5μm以上である。また厚すぎるとコスト、IC実装時の沈み込みなどが不利になるので、それらも併せて考慮すると0.5〜3μmがもっとも好ましい。
【0026】
また、接着力向上のためには、さらに加熱キュアを施した方が好ましい。加熱キュアの条件としては、温度200℃〜350℃で約5分〜30分であるが、樹脂の組成、膜厚などによって適宜選択すればよい。
【0027】
耐熱性樹脂フィルム上に塗工した耐熱性樹脂層表面の突起は好ましくは0.8μm以下であり、配線のショートや断線の欠点が著しく減りパターン加工性がよくなる。より好ましくは0.6μm以下で、ショートや断線にいたらない配線のくぼみや突起が減るのでパターン精度がよくなる。もっとも好ましいのは0.5μm未満であり、配線幅のばらつきもさらに小さくなる。
【0028】
スパッタあるいは蒸着により形成された導電性金属層は特に限定されないがニッケル(Ni)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)、ジルコニア(Zr)タングステン(W)、金(Au)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)などの金属単体あるいはそれらの2種以上の合金が挙げられるが、好ましくはニッケル、クロム、パラジウム、ジルコニウム、タングステン、亜鉛、モリブデンの金属単体あるいはそれらの2種以上の合金である。また銅層のエッチングと同時にエッチングが可能なことから、より好ましくはニッケル、クロム合金である。導電性金属層の膜厚は薄すぎるとメッキ銅層ピンホールの原因となったり、銅層と耐熱性樹脂層との接着力が低くなる原因となる。また厚すぎるとスループットの低下やエッチングの際の廃液増加などコストアップになる。したがって膜厚は好ましくは0.5〜1000nm、より好ましくは2〜400nmである。
【0029】
上記導電性金属層上に電気メッキ法による銅層は通常硫酸銅メッキ液、シアン化銅メッキ液、ピロリン酸銅メッキ液などを用いて形成されるが、これらに限定されるものではない。銅層の膜厚は通常0.1〜40μmであるが、薄すぎるとピンホールの原因になり、厚すぎるとファインパターンをエッチングするのが困難になり「メッキ型」の特性を生かし切れない。また銅表面に突起があると突起部の電流密度が高くなり、メッキが成長しやすく、膜厚を厚くすると突起がますます大きくなりやすい。したがって銅層厚みは好ましくは1〜18μm、より好ましくは1〜8μmである。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例における測定法は以下の通りである。
【0031】
粘度:東機産業(株)製、R500型粘度計にて測定した。
【0032】
突起高さ:東京精密(株)製サーフコム1500Aで1mmのスキャンを5ヶ所行い、最大の突起高さを測定した。
【0033】
接着性:JIS C6481(180度ピール)に準じて行い接着強度を測定した。
【0034】
30μmピッチの銅配線パターン評価:30μmピッチの配線、10000×225μm(10000μmの長さの配線8本、スペース7本)において、光学顕微鏡で500倍で配線幅を測長し、(最大値−最小値)の2分の1をばらつきとした。また配線幅が周辺から1μm以上差がある凹部、凸部の数をカウントした。
30μmピッチの銅配線のショート/断線有無:30μmピッチの配線、10000×225μmにおいて配線のショート/断線有無を調べた。
【0035】
合成例1
温度計、攪拌装置、還流コンデンサおよび乾燥N吹込口を供えた3lの4口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド2820g入れ窒素気流下でビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン218.7g(88mol%)および4,4´−ジアミノジフェニルエ−テル24g(12mol%)を溶解した後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.2g(100mol%)を加え、50℃で4時間攪拌して反応させポリアミック酸ワニスを得た。
【0036】
合成例2
温度計、攪拌装置、還流コンデンサおよび乾燥N吹込口を供えた3lの4口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド2260g入れ窒素気流下でビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン324.4g(100mol%)を溶解した後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物241.7g(100mol%)を加え、60℃で4時間攪拌して反応させポリアミック酸ワニスを得た。
【0037】
合成例3
温度計、攪拌装置、還流コンデンサおよび乾燥N吹込口を供えた3lの4口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド2130g入れ窒素気流下で4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)210.4g(100mol%)を溶解した後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.2g(100mol%)を加え、60℃で4時間攪拌して反応させポリアミック酸ワニスを得た。
【0038】
実施例1
合成例1で得たワニスをあらかじめAr雰囲気中で低温プラズマ処理した25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製“カプトン”100EN)に乾燥後の膜厚が1μmになるようにバーコーターで塗工し、130℃で3分乾燥、さらに150℃で3分乾燥、さらに270℃で3分乾燥した。
【0039】
上記作製フィルムの接着剤塗工面に、スパッタ装置(日電アネルバ(株)製SPL−500)を用いCrを厚み4nm設け、次いでその上にCuを0.2μmスパッタした。スパッタ後直ちに硫酸銅浴を用い、電流密度2A/dmの条件で銅厚み8μmのメッキをし本発明品を得た。接着強度を測定し、さらにCu表面に東京応化(株)製フォトレジストPMER P−RH300を4μm厚で塗布し、露光現像することによりレジストパターンパターンを作成し、塩化鉄(III)でエッチングすることにより30μmピッチの銅配線を作成した。
【0040】
実施例2、3、5〜18
表1に従い実施例1に倣って接着強度を測定し、30μmピッチの銅配線を作成した。
【0041】
実施例4
合成例3で得たワニスをN,N−ジメチルアセトアミドで希釈して用いること以外は実施例1と同様にした。
【0042】
実施例19
耐熱性樹脂フィルムにプラズマ処理(条件は実施例1と同じ)した厚み25μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製“ユーピレックス”25S)を用いた以外は実施例1と同様にした。
【0043】
比較例1
プラズマ処理(条件は実施例1と同じ)した25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製“カプトン”100EN)の表面に、実施例1で用いたスパッタ装置でCrを厚み4nm設け、次いでその上にCuを0.2μmスパッタした。スパッタ後、直ちに硫酸銅浴を用い、電流密度2A/dmの条件で銅厚み8μmメッキをし、実施例1と同様に接着強度を測定し、さらに30μmピッチの銅配線を作成した。
【0044】
比較例2
プラズマ処理(条件は実施例1と同じ)した厚み25μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製“ユーピレックス”25S)の表面に、実施例1で用いたスパッタ装置でCrを厚み4nm設け、次いでその上にCuを0.2μmスパッタした。スパッタ後、直ちに硫酸銅浴を用い、電流密度2A/dmの条件で銅厚み8μmメッキをし、実施例1と同様に接着強度を測定し、30μmピッチの銅配線を作成した。
【0045】
【表1】
Figure 2004103652
【0046】
【表2】
Figure 2004103652
【0047】
実施例と比較例の結果を表2に示した。表2より、耐熱性樹脂層を耐熱性樹脂フィルム上に塗工した方が銅層の下地となる表面の平滑性が向上し、銅層表面の凹凸も低減した。結果として30μmピッチの配線パターンも欠点がより少なく製造でき、また接着強度も両立することができた。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、上述のごとく構成したので、耐熱フィルム上の樹脂層表面の平滑性が高く、ファインピッチ対応可能な高接着メッキタイプの回路基板材料を確実に得ることができる。

Claims (6)

  1. 耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に耐熱性樹脂層を有し、該樹脂層の上にスパッタあるいは蒸着による導電性金属層を有し、さらに該導電性金属層の上に電気メッキ法による銅層を有する3層型メッキプリント回路基板において、上記耐熱性樹脂層表面の突起最大高さが0.8μm以下であることを特徴とする3層型メッキプリント回路基板。
  2. 請求項1記載の耐熱性樹脂フィルム表面の突起最大高さが1μm以上であることを特徴とする3層型メッキプリント回路基板。
  3. 請求項1または2記載の銅層の厚みが1μm以上18μm以下であることを特徴とする3層型メッキプリント回路基板。
  4. 請求項1または2記載の耐熱性樹脂層の厚みが0.1〜3μmであることを特徴とする3層型メッキプリント基板。
  5. 請求項1または2記載の耐熱性樹脂層が、固形分濃度15〜60%、粘度10〜80mPa・sの樹脂溶液を塗布、乾燥、硬化して得られることを特徴とする請求項2記載の3層型メッキプリント基板。
  6. 請求項1または2記載のスパッタあるいは蒸着により形成された導電性金属層がニッケル、クロム、パラジウム、金、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、モリブデンから選択される1種または2種以上の合金であることを特徴とする3層型メッキプリント基板。
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