JP2004102257A - 表示パネル積層体、ケース、表示パネルモジュール及び投射型表示装置並びに表示パネルモジュールの冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶パネル、防塵ガラス及びケースの冷却性能効果を向上させて、装置の寿命を延ばすと共に、騒音を抑制する。
【解決手段】TFT基板10と防塵ガラス105との間は、ギャップ材入りのシール材107によって隙間111を有して接着される。対向基板20と防塵ガラス106との間は、ギャップ材入りのシール材108によって隙間112を有して接着される。隙間111は、ケース121内に設けた孔部125,126によって外部と連通される。同様に、隙間112は、ケース121内に設けた孔部127,128によって外部と連通される。孔部125〜128を介して外部から冷却用の流体を流し込むと共に吸引することで、隙間111,112に冷却用の流体を流す。これにより、液晶パネル101、防塵ガラス105,106及びケース121を効果的に冷却する。
【選択図】 図1
【解決手段】TFT基板10と防塵ガラス105との間は、ギャップ材入りのシール材107によって隙間111を有して接着される。対向基板20と防塵ガラス106との間は、ギャップ材入りのシール材108によって隙間112を有して接着される。隙間111は、ケース121内に設けた孔部125,126によって外部と連通される。同様に、隙間112は、ケース121内に設けた孔部127,128によって外部と連通される。孔部125〜128を介して外部から冷却用の流体を流し込むと共に吸引することで、隙間111,112に冷却用の流体を流す。これにより、液晶パネル101、防塵ガラス105,106及びケース121を効果的に冷却する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示制御に液晶パネルを使用したものに好適な表示パネル積層体、ケース、表示パネルモジュール及び投射型表示装置並びに表示パネルモジュールの冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。液晶パネルでは、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等の能動素子をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能にする。
【0003】
即ち、TFT素子によってマトリクス状に配列された画素電極に画像信号を供給し、画素電極と対向電極相互間の液晶層に画像信号に基づく電圧を印加して、液晶分子の配列を変化させる。これにより、画素の透過率を変化させ、画素電極及び液晶層を通過する光を画像信号に応じて変化させて画像表示を行う。
【0004】
このような液晶パネルは、投射型表示装置内において光源からの光を受けて所定の画像を形成するためのライトバルブとして用いられることがある。液晶パネルによって形成された画像は投射型表示装置の投射光学系によって拡大されてスクリーンなどに投影される。
【0005】
このように、投射型表示装置においては、液晶パネルの画面上の画像をスクリーンに拡大投射する。従って、液晶パネルの画面上にゴミが付着すると、ゴミの影響によって表示画像の画質の劣化が著しい。そこで、ゴミの影響等を低減するために、液晶パネルの少なくとも入射面に防塵ガラスを取付けて、デフォーカス作用によってゴミの影響を無くすようになっている。
【0006】
投射型表示装置においては、強度及び取り付け精度等の観点から、一般的に、液晶パネルに防塵ガラスを取り付けた液晶パネル積層体を、合成樹脂又は金属等のケースに収納した後、装置の筐体内部に取り付けるようになっている。
【0007】
図12はFPC(フレキシブルプリント基板)が取り付けられた液晶パネル積層体をケースに収納して構成される液晶パネルモジュールを示す説明図である。図12(a)は平面形状を示し、図12(b)は横断面の形状を示している。
【0008】
ケース81は上面が開口した筐体であり、内部は積層された防塵ガラス85,86及び液晶パネル82の形状に略一致している。ケース81の底面上に防塵ガラス85が載置される。防塵ガラス85上には接着剤87が塗布され、接着剤87によって防塵ガラス85と液晶パネル82の対向基板84とが接着される。
【0009】
更に、液晶パネル82の素子基板83及び対向基板84の水平方向両側面91とケース81の内壁92との隙間には、接着剤88が埋め込まれて、ケース81に液晶パネル82を接着固定するようになっている。液晶パネル82の素子基板83上には接着剤89が塗布され、接着剤89によって素子基板83と防塵ガラス86とが接着されている。
【0010】
ケース81の底面中央には液晶パネル82の有効表示領域に対応させて開口部93が形成されており、開口部93から入射した光は防塵ガラス85を介して液晶パネル82の対向基板84側から液晶パネル82を透過し、防塵ガラス86を介して出射される。なお、液晶パネル82の素子基板83端部に設けた実装端子にはFPC94が圧着固定されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、投射型表示装置においては、高輝度化が促進されている。高輝度化に伴い、液晶パネル82等において発生する熱も大きい。液晶パネル82及び防塵ガラス85,86に発生する熱は、ケース81を介して放熱される。ところが、ケース81と液晶パネル82及び防塵ガラス85,86との間の大部分には空気が介在し、放熱効果が悪い。
【0012】
このため、冷却ファンを用いて強制的に冷却する必要があり、冷却ファンの送風量を大きくする必要から、消費電力が増大し、稼働時の騒音も大きくなってしまうという問題点があった。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、流体の流路を形成して冷却効果を向上させることができる表示パネル積層体、ケース、表示パネルモジュール及び投射型表示装置並びに表示パネルモジュールの冷却方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示パネル積層体は、表示パネルと、前記表示パネルの入射面側及び出射面側の少なくとも一方に配置される透明部材と、前記表示パネルと前記透明部材との間の少なくとも一方に配置されて前記表示パネルと前記透明部材との間の少なくとも一方に隙間を形成するギャップ部材とを具備したことを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、前記表示パネルと前記透明部材との間の少なくとも一方にはギャップ部材によって隙間が形成される。この隙間は、表示パネル表面と透明部材の表面とに面しており、表示パネル及び防塵ガラスの熱の放出路となる。この隙間に冷却用の流体を流すことで、表示パネル及び透明部材を極めて効果的に冷却することができる。
【0016】
また、本発明に係る表示パネル積層体は、前記表示パネルの入射面側及び出射面側と前記透明部材とを夫々接着する接着部材を更に具備したことを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、接着部材によって、流体の流れを規定することができ、冷却効果を向上させることができる。
【0018】
また、前記接着部材は、前記表示パネルの入射面側及び出射面側の縁辺部に一部を除いて形成されて、前記隙間を流体の流路とすることを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、表示パネルの入射面側及び出射面側の縁辺部の一部を除いて接着部材が形成され、これにより、隙間には流体の流れの出入り口が形成される。即ち、隙間は流体の流路の一部となり、冷却用の流体が隙間に効率的に流れ、冷却効果が向上する。
【0020】
また、前記接着部材が形成されない一部は、前記接着部材の所定の2カ所であることを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、流体の流れが一層規定されて、冷却用の流体として例えば液体を用いることができ、液冷によって高効率の冷却が可能である。
【0022】
また、前記接着部材が形成されない一部は、前記表示パネルの一側面とこの側面に対向する他の側面に設けられることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、流体の流れが、全体的に一方向に規定され、流れがスムーズとなって、冷却効果が向上する。
【0024】
また、本発明に係る表示パネル積層体は、前記表示パネルと前記透明部材との間の隙間に面する前記表示パネルの表面に形成される反射防止膜を更に具備したことを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、反射防止膜によって光の反射が防止されるので、透明部材として表示パネルと屈折率が異なる部材を利用することができる。
【0026】
また、前記透明部材は、ガラス材料によって構成されることを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、透明部材としてガラス材料が用いられる。
【0028】
また、本発明に係るケースは、上記表示パネル積層体を収納するための収納部と、前記収納部に設けられ、上記表示パネル積層体に設けられた前記隙間と外部とを連通するための孔部とを具備したことを特徴とする。
【0029】
このような構成によれば、ケースは収納部に上記表示パネル積層体を収納することができ、また、隙間と外部とを連通する孔部を備えている。これにより、孔部を介して隙間に流体を流すことが可能である。
【0030】
また、本発明に係るケースは、上記表示パネル積層体を収納するための収納部と、前記収納部に設けられ、上記表示パネル積層体の前記接着部材が形成されない一部を介して前記隙間と外部とを連通するための複数の孔部とを具備したことを特徴。
【0031】
このような構成によれば、孔部は流体の流路を形成する隙間と外部とを連通可能である。従って、孔部を介して流体を流すことで、隙間には効率よく流体が流れて、表示パネル、防塵ガラス及びケースを冷却可能である。
【0032】
本発明に係る表示パネルモジュールは、上記表示パネル積層体と、上記ケースとを具備したことを特徴とする。
【0033】
このような構成によれば、表示パネル積層体に隙間が形成され、ケースには孔部が形成されており、孔部によって隙間と外部と連通させ流体を流すことで、表示パネル、防塵ガラス及びケースを効率よく冷却することができる。
【0034】
本発明に係るケースは、表示パネルを収納するための収納部と、前記収納部の外表面に設けられた複数の開口部と、前記収納部の肉厚内に設けられて所定の流路を形成し両端が前記開口部に接続される1つ以上の管路とを具備したことを特徴とする。
【0035】
このような構成によれば、表示パネルは収納部に収納される。収納部の肉厚内には、所定の流路を形成する1つ以上の管路が形成される。1つ以上の管路は、両端が収納部の外表面に形成された複数の開口部に接続されている。開口部を介して流体を管路内に流すことで、ケースを効率よく冷却することができる。
【0036】
前記1つ以上の管路は、前記表示パネルの縁辺部に沿って設けられることを特徴とする。
【0037】
このような構成によれば、管路が表示パネルの縁辺部に沿って設けられるので、表示パネルに対する高い放熱効果を得ることができる。
【0038】
本発明に係るケースは、上記表示パネル積層体を収納するための収納部と、前記収納部に設けられ、上記表示パネル積層体に設けられた前記隙間と外部とを連通するための孔部と、前記収納部の外表面に設けられた複数の開口部と、前記収納部の肉厚内に設けられて所定の流路を形成し両端が前記開口部に接続される1つ以上の管路とを具備したことを特徴とする。
【0039】
このような構成によれば、孔部によって表示パネル積層体に設けられた隙間と外部とが連通されて流路が形成され、また、1つ以上の管路によって収納部内に開口部と連通した流路が形成される。これらの流路に冷却用の流体を流すことで、表示パネル積層体及び収納部を効率よく冷却することができる。
【0040】
また、本発明に係る表示パネルモジュールの冷却方法は、上記表示パネルモジュールに、屈折率が、前記表示パネル積層体を構成する透明部材の屈折率に相当する液体を流して冷却することを特徴とする。
【0041】
このような構成によれば、液体の屈折率と透明部材の屈折率とが同様であるので、入射光の反射が生じず、良好な画像表示が可能である。
【0042】
また、本発に係る投射型表示装置は、上記表示パネルモジュールを画像形成手段として備えたことを特徴とする。
【0043】
このような構成によれば、表示パネルモジュールの冷却効果が極めて高い。このため、冷却用のファンは不要であり、消費電力を低減すると共に、騒音を抑制することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る表示パネルモジュールを示す概略断面図である。図2は表示パネルである液晶パネルの画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図3は液晶パネルを構成するTFT基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図であり、図4はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H’線の位置で切断して示す断面図である。図5は液晶パネルと防塵ガラス(透明部材)とによって構成される表示パネル積層体である液晶パネル積層体を示す概略側面図であり、液晶パネルを図4と同一の方向から見て示したものである。なお、図1は図5のA−A′線の位置で見た断面を示している。また、図1の表示パネルモジュールは、表示パネル積層体をケースに収納して構成される。
【0045】
本実施の形態は、液晶パネルと上下の防塵ガラスとの間に隙間を設けると共に、この隙間を流体の流路として、この隙間に空気又は液体を流すことによって、空冷又は液冷によって、液晶パネル、防塵ガラス及びケース等を強制的に冷却するようにしたものである。なお、本発明は液晶パネルに限らず、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルや無機ELパネルのELパネルなどの各種電気光学パネル(表示パネル)に用いることができるものである。
【0046】
先ず、図2乃至図4を参照して、液晶パネルの構造について説明する。
【0047】
液晶パネルは、図3及び図4に示すように、TFT基板等のTFT基板10と対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。TFT基板10上には画素を構成する画素電極等がマトリクス状に配置される。図2は画素を構成するTFT基板10上の素子の等価回路を示している。
【0048】
図2に示すように、画素領域においては、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線3aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
【0049】
TFT30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21(図4参照)との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0050】
図3及び図4に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。遮光膜42は例えば対向基板20に設けられたブラックマトリクスを構成する遮光膜と同一又は異なる遮光性材料によって形成されている。
【0051】
遮光膜42の外側の領域に液晶を封入するシール材41が、TFT基板10と対向基板20間に形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、TFT基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材41は、TFT基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成される。液晶注入口78より液晶が注入された後、液晶注入口78を封止材79で封止するようになっている。
【0052】
TFT基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62がTFT基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。TFT基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFT基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
【0053】
次に、パネル組立工程について説明する。TFT基板10と対向基板20とは、別々に製造される。夫々用意されたTFT基板10及び対向基板20に対して、配向膜(図示しない)となるポリイミド(PI)を塗布する。次に、TFT基板10表面の配向膜及び対向基板20表面の配向膜に対して、ラビング処理を施す。次に、洗浄工程を行う。この洗浄工程は、ラビング処理によって生じた塵埃を除去するためのものである。洗浄工程が終了すると、シール材41、及び導通材65(図3参照)を形成する。
【0054】
シール材41としては、2〜3.5ミクロン(例えば、3ミクロン)の厚さのギャップ材を含むものを採用する。そして、シール材41を、基板の縁辺部に、ディスペンス塗布によって形成する。なお、シール材をスクリーン印刷法によって形成してもよい。シール材41を形成した後、TFT基板10と対向基板20とを貼り合わせ、アライメントを施しながら圧着し、シール材41を硬化させる。最後に、シール材41の一部に設けた切り欠きから液晶を封入し、切り欠きを塞いで液晶を封止する。
【0055】
このように構成された液晶パネルにFPCを接続し、更に防塵ガラスを貼り合わせる。図5はこのような液晶パネルと防塵ガラスとの液晶パネル積層体を示している。
【0056】
液晶パネル101は実装端子62(図3参照)にFPC102が接続される。FPC102は、ポリイミドフィルム等のベース材料上に例えば圧延銅箔による銅箔パターン(図示せず)を形成し、更に、銅箔パターン上にカバー材料を形成して構成される。銅箔パターンは、FPC102の長手方向に沿って並設されている。FPC102の幅方向には、導電粒子を含有する接着剤である図示しないACF(Anisotoropic Conductive Film)(異方性導電膜)が形成されており、このACFを利用してFPC102がTFT基板10上に圧着固定されている。
【0057】
液晶パネル101のTFT基板10及び対向基板20には夫々防塵ガラス105,106が取り付けられている。防塵ガラス105はTFT基板10とほぼ等しい光屈折率を備えたものであり、好ましくはTFT基板10と同じ材質により形成される。防塵ガラス106もまた対向基板20とほぼ等しい光屈折率を備えたものであり、好ましくは対向基板20と同じ材質により形成される。
【0058】
図5に示すように、本実施の形態においては、TFT基板10と防塵ガラス105とは、シール材107によって所定の隙間111を有して相互に貼り合わせるようになっている。例えば、シール材107として、ギャップ材入りのシール材を用い、シール材107をTFT基板10の縁辺部に塗布し、TFT基板10と防塵ガラス105と圧着してシール材107を硬化させることによって、形成することができる。
【0059】
また、同様に、対向基板20と防塵ガラス106とは、シール材108によって所定の隙間112を有して相互に貼り合わせるようになっている。例えば、シール材108として、ギャップ材入りのシール材を用い、シール材108を対向基板20の縁辺部に塗布し、対向基板20と防塵ガラス106と圧着してシール材108を硬化させることによって、形成することができる。
【0060】
なお、防塵ガラス105、106としては、TFT基板10、対向基板20が石英基板(光屈折率=1.46)であれば同様の石英基板を用いることによって光屈折率を一致させることができる。
【0061】
また、シール材107,108としては、上述のように石英基板を用いる場合には光屈折率が1.46となるように調製したシリコン系接着剤やアクリル系接着剤であって、硬化後に透明となる接着剤を用いることができる。シール材107,108は、表示領域の外に形成されるので、必ずしも基板10,20及び防塵ガラス105,106と略同一の光屈折率を備えて、硬化後において透明となる必要はない。
【0062】
もちろん、TFT基板10、対向基板20がネオセラム等の屈折率が1.54の高耐熱ガラス板であれば、防塵ガラス105,106においても同じ材質の高耐熱ガラス板を用いればよい。また、シール材107,108についても、上記シリコン系接着剤やアクリル系接着剤を屈折率が1.54になるように調製することができる。
【0063】
本実施形態では、TFT基板10,対向基板20として、それぞれ1.2mm厚の石英基板、1.1mm厚の石英基板を用い、防塵ガラス105,106としては、1.1mm厚の石英基板を用いている。これにより、ある程度のデフォーカス作用を有する。
【0064】
また、本実施の形態においては、シール材107,108の厚さも、約1mm程度にする。これにより、TFT基板10と防塵ガラス105との間及び対向基板20と防塵ガラス106との間の間隙は流体が十分に流れやすい距離となる。また、液晶パネル101の表示面から防塵ガラス105,106の外表面までの距離を約3mm以上にすることができ、極めて大きいデフォーカス作用を得ることができる。
【0065】
そして、本実施の形態においては、シール材107は、液晶パネル101の一側面側において一部が欠落して開口部109が形成されている。そして、この開口部109が形成された側面に対向する側面側においても、一部が欠落して、開口部109′が形成されている。同様に、シール材108は、液晶パネル101の一側面側において一部が欠落して開口部110が形成されている。そして、この開口部110が形成された側面に対向する側面側においても、一部が欠落して、開口部110′が形成されている。
【0066】
即ち、開口部109,109′は、シール材107で囲まれたTFT基板10と防塵ガラス105との隙間111を外部と連通させている。開口部110,110′は、シール材108で囲まれた対向基板20と防塵ガラス106との隙間112を外部と連通させている。尚、開口部109と開口部110の位置は、図5においては互いにずれた位置関係に設けられているが、同じ位置に設けても良い。これは、開口部109′と開口部110′の位置関係も同様である。
【0067】
なお、TFT基板10と防塵ガラス105との接着工程及び対向基板20と防塵ガラス106との接着工程は、パネルの組み立て前後のいずれのタイミングで行ってもよい。
【0068】
このように構成された液晶パネル積層体をケースに収納する。図1はこの状態を示している。
【0069】
ケース121内部は、貼り合わされた液晶パネル101及び防塵ガラス106,105の形状に略一致した形状に構成されている。ケース121は、底面が開口した筐体であり、接着剤によって貼り合わされた液晶パネル101及び防塵ガラス106,105は、ケース121内部に接着固定されている。ケース121は上面に液晶パネル101の有効表示領域に対応した開口部122が形成されており、この上面に対向基板20側を向けて液晶パネル101が配置されている。
【0070】
液晶パネル101及び防塵ガラスを含む液晶パネル積層体の水平方向両側面とこの側面に夫々対向するケース121の両側内壁との間には、若干の隙間が設けられている。この隙間には図示しない接着剤が埋め込まれており、接着剤は、ケース121内の所定位置に液晶パネル積層体を接着固定するようになっている。
【0071】
なお、液晶パネル積層体を接着するための接着剤は、硬化後にも所定の弾性率を備えているものを選択することによって、耐衝撃性を向上させるために液晶パネル101とケース121との間の弾性変位を可能としつつ、充分な相互固定を行うことが可能である。この接着剤としては、ゴム系接着剤を用いることができ、例えばシリコンRTV(室温硬化型シリコンゴム)等がある。
【0072】
貼り合わされた液晶パネル101及び防塵ガラス106,105がケース121内に収納された状態で、ケース121の底面開口部分は、フック123によって閉塞される。フック123はTFT基板10の有効表示領域に対応した開口部分を有する。
【0073】
本実施の形態においては、ケース121は、液晶パネル積層体の側面に設けた4カ所の開口部109,109′及び110,110′に対向する位置において、外部との連通用の孔部125乃至128が形成されている。開口部109,109′,110,110′は、夫々孔部125乃至128に臨んでおり、各開口部109,109′,110,110′と各孔部125乃至128とは、夫々気密又は水密に接着されるようになっている。
【0074】
こうして、孔部125、開口109、隙間111、開口109′及び孔部126によって、流体の流路が形成される。同様に、孔部127、開口110、隙間112、開口110′及び孔部128によって、流体の流路が形成される。
【0075】
次に、図1の液晶パネルモジュールの組立方法及び冷却方法について説明する。
【0076】
図2乃至図4に示す液晶パネルと同一構成の液晶パネル101に対して、FPC102を取り付ける。例えば、液晶パネル101上の図示しないマークとFPC102上の図示しない認識マークとを画像認識等によって位置検出して、液晶パネル101とFPC102との位置合わせを行う。そして、FPC102の銅箔パターンを対応する実装端子62に接続する位置において、FPC102をTFT基板10上にACFを利用して圧着固定する。
【0077】
次に、液晶パネル101のTFT基板10及び対向基板20に、夫々シール材107,108を塗布し、隙間111,112を設けるように、防塵ガラス105,106を貼り合わせる。こうして形成された液晶パネル積層体を、ケース121の所定の位置に配置して、接着固定する。この場合には、液晶パネル積層体の開口部109,109′,110,110′が、夫々ケース121の孔部125乃至128に臨むように配置して、水密又は気密に接着する。
【0078】
液晶パネル101を投射型表示装置等において用いる場合には、液晶パネル積層体が収納されたケース121を投射型表示装置内部の規定された位置に固定する。そして、本実施の形態においては、ケース121の孔部125及び126に夫々冷却用の流体を流す管路を接続する。また、同様に、ケース121の孔部127及び128に夫々冷却用の流体を流す管路を接続する。そして、孔部125及び126の一方から冷却用の流体を流し、他方から吸引する。同様に、孔部127及び128の一方から冷却用の流体を流し、他方から吸引する。
【0079】
これにより、液晶パネル101、防塵ガラス105,106及びケース121を冷却する。即ち、冷却用の流体が、孔部125,126を流れることにより、主にケース121が冷却され、開口部109,109′を介して隙間111を流れることにより、主にTFT基板10及び防塵ガラス105が冷却される。同様に、冷却用の流体が、孔部127,128を流れることにより、主にケース121が冷却され、開口部110,110′を介して隙間112を流れることにより、主に対向基板20及び防塵ガラス106が冷却される。
【0080】
しかも、隙間111は、TFT基板10と防塵ガラス105の全面に面しており、また、隙間112は、対向基板20と防塵ガラス106の全面に面していることから、その冷却効果は極めて高い。
【0081】
ここで、冷却用の流体として液体を用いることが考えられる。冷却用の液体としては、屈折率が、TFT基板10、対向基板20及び防塵ガラス105,106と略同様なものを用いる。例えば、冷却用の液体としては、屈折率が1.45〜1.55くらいであるエチレングリコール(エチレングリコールジメチルエーテル)等を採用することができる。また、冷却用の液体としては、シリコンオイル等も考えられる。
【0082】
冷却用の流体として気体を用いる場合でも、液体を用いる場合のいずれであっても、隙間111,112内を気体又は液体が流通するので、隙間111,112内にゴミが付着することはない。
【0083】
また、防塵ガラス105,106の材料として、ガラス製の単結晶サファイア製のものを用いることが考えられる。単結晶サファイアはガラス、特に強度の高い石英ガラス(ビッカース硬度900)に比べて極めて硬度が高い(ビッカース硬度2300)。また、単結晶サファイアは熱伝導率が石英ガラス(1.2W/m・K)に比べて著しく高い(42.0W/m・K)。これにより、ガラス製の防塵ガラスを採用した場合に比して、液晶パネル101に生じた熱の放熱効果を向上させることができる。
【0084】
このように、本実施の形態においては、TFT基板10と防塵ガラス105との間に冷却用の流体の流路となる隙間111を形成すると共に、対向基板20と防塵ガラス106との間に冷却用の流体の流路となる隙間112を形成し、ケース121の孔部125〜128と隙間111,112とを流通させる開口109,109′,110,110′を設ける。これにより、ケース121の孔部125〜128を介して、TFT基板10と防塵ガラス105との隙間111及び対向基板20と防塵ガラス106との隙間112に、冷却用の流体を流すことができる。これにより、液晶パネル積層体及びケースの冷却効果を向上させて高い冷却効果を得ることができる。従って、冷却用のファンの風量を低減することができ、消費電力を低減すると共に、冷却ファンによる騒音を低減することができる。
【0085】
なお、第1の実施の形態においては、開口109,109′,110,110′及び孔部125〜128は、液晶パネルモジュールの一側面とこの側面に対向する側面に設けたが、一側面とこの側面に隣接する側面に設けてもよく、流体の入り口と出口とを構成することができれば、いずれの面に開口及び穴部を設けてもよいことは明らかである。
【0086】
ところで、第1の実施の形態においては、隙間111,112に流体を導くための、シール材の開口及びケースの孔部は、1つの隙間に対して入り口と出口との2個ずつ形成した。しかし、流体として気体を用いる場合には、開口及び孔部を多数構成してもよく、逆に、隙間111,112を閉塞するシール材を一部のみに設けるようにしてもよい。この場合には、ケースに設ける孔部の数とシール材の開口の数及び設ける位置は必ずしも一致させる必要はない。
【0087】
また、図1では隙間をTFT基板10側と対向基板20側の2カ所に設けた例を説明したが、いずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。
【0088】
また、TFT基板10側に形成した隙間111に流体を流すための孔部125,126と対向基板20側に形成した隙間112に流体を流すための孔部127,128との一方を管路によって相互に接続して、1つの流路を形成するようにしてもよい。
【0089】
図6はこの場合の管路の接続を示す概略断面図であり、図1に対応した図である。
【0090】
図6の例では、孔部126は管路131に接続し、孔部128は管路132に接続している。そして、孔部125,127を管路133によって接続している。これにより、隙間111,112は管路133によって接続されて1つの流路を形成する。
【0091】
この場合には、例えば、管路131を介して流体を流入させると、この流体は、孔部126、開口109′、隙間111側に流入し、更に、開口109、孔部125を介して管路133に流れ、更に、孔部127、開口110、隙間112を経て、開口110′、孔部128を介して管路132から外部に流出される。
【0092】
このような構成によれば、流体を1流路で流せばよく、ポンプ等の流体の駆動部を簡単な構成にすることができる。
【0093】
図7は冷却用の流体の流路を複数設ける場合の例を示している。図7は図5に対応した図である。
【0094】
図7に示すように、シール材107には複数の位置に切り欠きを設けて、複数の開口109″を形成している。また、同様に、シール材108にも複数の位置に切り欠きを設けて、複数の開口110″を形成している。
【0095】
なお、図6の変形例として、図6の液晶パネル積層体が収納されるケースに、複数の開口110″及び複数の開口109″の各開口に夫々対応した位置に孔部を形成し、複数の開口110″及び複数の開口109″の各開口と、ケースに形成した複数の孔部とを気密又は水密に接着した場合には、第1の実施の形態と同様に、これらの孔部に冷却用の流体の流すための管路を接続することで、第1の実施の形態と同様の冷却が可能である。
【0096】
また、複数の開口110″及び複数の開口109″の各開口と、ケースに形成した複数の孔部とを気密又は水密に接着しない場合には、これらの孔部の一部を介して冷却用の気体を流入させ、他の一部を介して隙間に流入した気体を排出させるようにすればよい。すなわち、気体の入力のみを設け、出力は自然開放することができる。
【0097】
また、本実施の形態においては、ケース121には、流体の入り口及び出口となる孔部125乃至128を形成したが、ケース121と液晶パネル積層体との間の隙間を利用するものとすると、ケース121には、流体の出入り口となる1個以上の孔部を設ければよい。例えば流体の入り口としての1個の孔部を設け、この孔部を介してケース121外部から流入した流体を、ケース121と液晶パネル積層体との間の隙間から隙間111,112内に流し、更に、ケース121と液晶パネル積層体との間の隙間を介して、ケースに設けた孔部から流出させる。
【0098】
このようなケース121と液晶パネル積層体との間の隙間は、ケースとパネルを固定する接着剤を一部塗布しないことによって得られる。特に、流体として空気を用いる場合に有効である。
【0099】
更に、ケースの隅部に連通口を設け、この連通口を介して流体を流入・流出させるようにしてもよい。なお、連通口を利用して液体を流す場合には、この連通口に管を接続すればよい。更に、ケース121と液晶パネル積層体との間の隙間を拡張するために、ケースに溝を形成するようにしてもよい。
【0100】
更に、ケースに新たに孔部を形成することなく、ケースとパネルの隙間のみを利用して、流体のケース内への流入流出を可能にすることもできる。
【0101】
また、上記実施の形態においては、防塵ガラスを液晶パネルのTFT基板側及び対向基板側に取り付ける例について説明したが、防塵ガラスは液晶パネルへの光の入射側及び出射側の少なくとも一方のみに配置すればよい。この場合において、入力側及び出射側のいずれに防塵ガラスを取り付けてもよい。
【0102】
図8は本発明の第2の実施の形態を示す概略断面図である。図8において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。また、図9は図8の液晶パネルモジュールを上面から見た平面図である。
【0103】
第1の実施の形態においては、液晶パネルと防塵ガラスとの間に隙間を設けて、この隙間に冷却用の流体を流すことで、冷却効果を向上させていた。これに対し、本実施の形態は、ケース自体に流体を流すための管路を形成したものである。
【0104】
図8において、液晶パネル101は、図2乃至図4と同様のものであり、TFT基板10及び対向基板20が貼り合わされて構成されている。液晶パネル101は実装端子62(図3参照)にFPC102が接続される。
【0105】
液晶パネル101のTFT基板10及び対向基板20には夫々防塵ガラス105,106が配置されている。TFT基板10と防塵ガラス105とは透明な接着剤によって面接着されている。また、対向基板20と防塵ガラス106とは透明な接着剤によって面接着されている。液晶パネル101と防塵ガラス105,106による積層体がケース140内に収納されている。
【0106】
ケース140内部は、積層された防塵ガラス105、液晶パネル101及び防塵ガラス106の形状に略一致した形状に構成されている。
【0107】
本実施の形態においては、ケース140は、対向基板20及び防塵ガラス106の縁辺部の外側の領域が肉厚に形成されており、この肉厚部に沿って、流体の管路141,142が形成されている。管路141はケース140の後端側側面に設けた開口部143に接続され、管路142はケース140の前端側側面に設けた開口部144に接続される。管路141,142は、相互に接続されており、管路141,管路142の2つのルートで開口部143,144同士を連通させている。
【0108】
このよう構成された実施の形態においては、開口部143,144の一方から流入した流体は、管路141,142に分岐して各管路141,142内を流れ、再び合流して開口部143,144の他方から流出される。開口部143,144を介して冷却用の流体を流すことで、ケース140を冷却させ、更に、ケース140内に収納された液晶パネル101及び防塵ガラス105,106を冷却させることができる。
【0109】
このように、本実施の形態においては、ケース内に冷却用の流体を流通させる管路を形成しており、ケース、ケース内の液晶パネル及び防塵ガラスを極めて効率よく冷却させることができる。
【0110】
なお、上記実施の形態においては、冷却用の流体を流すための管路を対向基板20及び防塵ガラス106の縁辺部の外側の領域に形成したが、TFT基板10及び防塵ガラス105の縁辺部の外側の領域を肉厚に形成して、この肉厚部に沿って流体の管路を形成してもよく、更に、上下の2カ所に流体の管路を形成してもよい。また、管路同士を一体的に接続したが、別々の管路として流体を別個に流すようにしてもよい。
【0111】
図10は本発明の第3の実施の形態を示す概略断面図である。図10において図1及び図8と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0112】
本実施の形態は、液晶パネルと防塵ガラスとの間に隙間を設けてこの隙間に冷却用の流体を流すと共に、ケース自体にも流体を流すための管路を形成したものである。
【0113】
本実施の形態は第1及び第2の実施の形態を組み合わせたものであり、ケース121に代えてケース151を採用した点が第1の実施の形態と異なる。ケース151は、図1のケース121に管路141,142を形成したものである。即ち、ケース151は、図8のケース140と同様に、対向基板20及び防塵ガラス106の縁辺部の外側の領域が肉厚に形成されており、この肉厚部に沿って、流体の管路141,142が形成されている。
【0114】
本実施の形態における液晶パネルモジュールの平面形状は図9と同様であり、ケース151の後端側側面には図9と同様の開口部143が形成され、前端側側面には図9と同様の開口部144が形成される。そして、管路141はケース151の後端側側面に設けた開口部143に接続され、管路142はケース151の前端側側面に設けた開口部144に接続される。管路141,142は、相互に接続されており、管路141,管路142の2つのルートで開口部143,144同士を連通させている。
【0115】
このよう構成された実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に隙間111,112内に冷却用の流体を流すと共に、第2の実施の形態と同様に管路141,142内に冷却用の流体を流す。これにより、ケース151、ケース151内に収納された液晶パネル101及び防塵ガラス105,106を、極めて効率よく冷却させることができる。
【0116】
なお、孔部125乃至128及び開口部143,144を適宜管路によって接続することで、隙間111,112及び管路141,142を1つ又は2つの流路とすることができる。例えば、図6の管路131を開口部143(図9参照)に接続することで、流体を開口部144から管路141,142及び開口部143を介して管路131に流すことができ、1つの流路によって各部を冷却することが可能である。
【0117】
このように、本実施の形態においては、液晶パネルと各防塵ガラスとの間の隙間及びケース内の管路に冷却用の流体を流通させており、ケース、ケース内の液晶パネル及び防塵ガラスを極めて効率よく冷却させることができる。
【0118】
なお、本実施の形態においても、冷却用の流体を流すための管路は、ケース内のいずれの部分に形成してもよいことは明らかである。
【0119】
また、本実施の形態においても、ケース151と液晶パネル積層体との間の隙間を利用することで、ケースに設ける孔部の数を1個まで減らすことができることは明らかである。更に、上述したように、ケース151と液晶パネル積層体との間の隙間を利用することで、孔部を省略することも可能である。
【0120】
また、本実施の形態の液晶パネル積層体を、図7と同様に多数の開孔を有するものに採用してもよいことも明らかである。
【0121】
以上述べた実施形態や変形例は、防塵ガラスを対向基板およびTFT基板に設けたが、どちらか一方に設けても良い。
【0122】
図11は本発明の第4の実施の形態を示す概略構成図である。本実施の形態は第1乃至第3の実施の形態によって製造した液晶パネルモジュールを用いた投射型表示装置を示している。
【0123】
図11において、光源210は、メタルハライド等のランプ211とランプ211の光を反射するリフレクタ212とによって構成される。光源210からの出射光路上に、青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー213及び反射ミラー217が配設される。ダイクロイックミラー213は、光源210からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。反射ミラー217は、ダイクロイックミラー213を透過した赤色光を反射する。
【0124】
ダイクロイックミラー213の反射光の光路上には、緑色光反射のダイクロイックミラー214及び反射ミラー215が配設され、ダイクロイックミラー214は、入射光のうち緑色光を反射し、青色光を透過させる。反射ミラー215はダイクロイックミラー214の透過光を反射する。反射ミラー215の反射光の光路上には反射ミラー216が配設されており、反射ミラー216は、反射ミラー215の反射光(青色光)を更に反射する。
【0125】
反射ミラー217,ダイクロイックミラー214及び反射ミラー216の出射光路上には、夫々液晶光変調装置である液晶パネルモジュール222,223,224が配設されている。液晶パネルモジュール222乃至224には、夫々赤色光、緑色光又は青色光が入射し、液晶パネルモジュール222乃至224は、夫々R,G,B画像信号に応じて、入射光を光変調し、各R,G,Bの画像光をダイクロイックプリズム225に出射する。
【0126】
ダイクロイックプリズム225は、4つの直角プリズムが貼り合わされて構成され、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。ダイクロイックプリズム225は、これらの誘電体多層膜によって、3つのR,G,B色光を合成して、カラー画像の画像光を出射する。
【0127】
ダイクロイックプリズム225の出射光路上には投射光学系を構成する投射レンズ226が配設されており、投射レンズ226は、合成された画像光をスクリーン227上に投射する。こうして、スクリーン227には、拡大された画像が表示される。
【0128】
このように構成された実施の形態においては、液晶パネルモジュール222,223,224の隙間111,112(図1参照)及び管路141,142(図8参照)等に、冷却用の流体を流す。これにより、液晶パネルモジュール222,223,224は、十分に冷却される。
【0129】
従って、冷却ファンを用いた強制的な冷却は不要であり、冷却ファンの稼働時の騒音が生じることはなく、また、消費電力を低減することも可能である。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流体の流路を形成して冷却効果を向上させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る表示パネルモジュールを示す概略断面図。
【図2】表示パネルである液晶パネルの画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図。
【図3】液晶パネルを構成するTFT基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。
【図4】TFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H’線の位置で切断して示す断面図。
【図5】液晶パネルと防塵ガラスとによって構成される表示パネル積層体である液晶パネル積層体を示す概略側面図。
【図6】管路の接続を示す概略断面図。
【図7】冷却用の流体の流路を複数設ける場合の例を示す概略断面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す概略断面図。
【図9】図8の液晶パネルモジュールを上面から見た平面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す概略断面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態を示す概略構成図。
【図12】FPCが取り付けられた液晶パネル積層体をケースに収納して構成される液晶パネルモジュールを示す説明図。
【符号の説明】
10…TFT基板
20…対向基板
50…液晶
101…液晶パネル
105,106…防塵ガラス
107,108…シール材
111,112…隙間
121…ケース
125〜128…孔部
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示制御に液晶パネルを使用したものに好適な表示パネル積層体、ケース、表示パネルモジュール及び投射型表示装置並びに表示パネルモジュールの冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。液晶パネルでは、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等の能動素子をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能にする。
【0003】
即ち、TFT素子によってマトリクス状に配列された画素電極に画像信号を供給し、画素電極と対向電極相互間の液晶層に画像信号に基づく電圧を印加して、液晶分子の配列を変化させる。これにより、画素の透過率を変化させ、画素電極及び液晶層を通過する光を画像信号に応じて変化させて画像表示を行う。
【0004】
このような液晶パネルは、投射型表示装置内において光源からの光を受けて所定の画像を形成するためのライトバルブとして用いられることがある。液晶パネルによって形成された画像は投射型表示装置の投射光学系によって拡大されてスクリーンなどに投影される。
【0005】
このように、投射型表示装置においては、液晶パネルの画面上の画像をスクリーンに拡大投射する。従って、液晶パネルの画面上にゴミが付着すると、ゴミの影響によって表示画像の画質の劣化が著しい。そこで、ゴミの影響等を低減するために、液晶パネルの少なくとも入射面に防塵ガラスを取付けて、デフォーカス作用によってゴミの影響を無くすようになっている。
【0006】
投射型表示装置においては、強度及び取り付け精度等の観点から、一般的に、液晶パネルに防塵ガラスを取り付けた液晶パネル積層体を、合成樹脂又は金属等のケースに収納した後、装置の筐体内部に取り付けるようになっている。
【0007】
図12はFPC(フレキシブルプリント基板)が取り付けられた液晶パネル積層体をケースに収納して構成される液晶パネルモジュールを示す説明図である。図12(a)は平面形状を示し、図12(b)は横断面の形状を示している。
【0008】
ケース81は上面が開口した筐体であり、内部は積層された防塵ガラス85,86及び液晶パネル82の形状に略一致している。ケース81の底面上に防塵ガラス85が載置される。防塵ガラス85上には接着剤87が塗布され、接着剤87によって防塵ガラス85と液晶パネル82の対向基板84とが接着される。
【0009】
更に、液晶パネル82の素子基板83及び対向基板84の水平方向両側面91とケース81の内壁92との隙間には、接着剤88が埋め込まれて、ケース81に液晶パネル82を接着固定するようになっている。液晶パネル82の素子基板83上には接着剤89が塗布され、接着剤89によって素子基板83と防塵ガラス86とが接着されている。
【0010】
ケース81の底面中央には液晶パネル82の有効表示領域に対応させて開口部93が形成されており、開口部93から入射した光は防塵ガラス85を介して液晶パネル82の対向基板84側から液晶パネル82を透過し、防塵ガラス86を介して出射される。なお、液晶パネル82の素子基板83端部に設けた実装端子にはFPC94が圧着固定されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、投射型表示装置においては、高輝度化が促進されている。高輝度化に伴い、液晶パネル82等において発生する熱も大きい。液晶パネル82及び防塵ガラス85,86に発生する熱は、ケース81を介して放熱される。ところが、ケース81と液晶パネル82及び防塵ガラス85,86との間の大部分には空気が介在し、放熱効果が悪い。
【0012】
このため、冷却ファンを用いて強制的に冷却する必要があり、冷却ファンの送風量を大きくする必要から、消費電力が増大し、稼働時の騒音も大きくなってしまうという問題点があった。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、流体の流路を形成して冷却効果を向上させることができる表示パネル積層体、ケース、表示パネルモジュール及び投射型表示装置並びに表示パネルモジュールの冷却方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示パネル積層体は、表示パネルと、前記表示パネルの入射面側及び出射面側の少なくとも一方に配置される透明部材と、前記表示パネルと前記透明部材との間の少なくとも一方に配置されて前記表示パネルと前記透明部材との間の少なくとも一方に隙間を形成するギャップ部材とを具備したことを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、前記表示パネルと前記透明部材との間の少なくとも一方にはギャップ部材によって隙間が形成される。この隙間は、表示パネル表面と透明部材の表面とに面しており、表示パネル及び防塵ガラスの熱の放出路となる。この隙間に冷却用の流体を流すことで、表示パネル及び透明部材を極めて効果的に冷却することができる。
【0016】
また、本発明に係る表示パネル積層体は、前記表示パネルの入射面側及び出射面側と前記透明部材とを夫々接着する接着部材を更に具備したことを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、接着部材によって、流体の流れを規定することができ、冷却効果を向上させることができる。
【0018】
また、前記接着部材は、前記表示パネルの入射面側及び出射面側の縁辺部に一部を除いて形成されて、前記隙間を流体の流路とすることを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、表示パネルの入射面側及び出射面側の縁辺部の一部を除いて接着部材が形成され、これにより、隙間には流体の流れの出入り口が形成される。即ち、隙間は流体の流路の一部となり、冷却用の流体が隙間に効率的に流れ、冷却効果が向上する。
【0020】
また、前記接着部材が形成されない一部は、前記接着部材の所定の2カ所であることを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、流体の流れが一層規定されて、冷却用の流体として例えば液体を用いることができ、液冷によって高効率の冷却が可能である。
【0022】
また、前記接着部材が形成されない一部は、前記表示パネルの一側面とこの側面に対向する他の側面に設けられることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、流体の流れが、全体的に一方向に規定され、流れがスムーズとなって、冷却効果が向上する。
【0024】
また、本発明に係る表示パネル積層体は、前記表示パネルと前記透明部材との間の隙間に面する前記表示パネルの表面に形成される反射防止膜を更に具備したことを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、反射防止膜によって光の反射が防止されるので、透明部材として表示パネルと屈折率が異なる部材を利用することができる。
【0026】
また、前記透明部材は、ガラス材料によって構成されることを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、透明部材としてガラス材料が用いられる。
【0028】
また、本発明に係るケースは、上記表示パネル積層体を収納するための収納部と、前記収納部に設けられ、上記表示パネル積層体に設けられた前記隙間と外部とを連通するための孔部とを具備したことを特徴とする。
【0029】
このような構成によれば、ケースは収納部に上記表示パネル積層体を収納することができ、また、隙間と外部とを連通する孔部を備えている。これにより、孔部を介して隙間に流体を流すことが可能である。
【0030】
また、本発明に係るケースは、上記表示パネル積層体を収納するための収納部と、前記収納部に設けられ、上記表示パネル積層体の前記接着部材が形成されない一部を介して前記隙間と外部とを連通するための複数の孔部とを具備したことを特徴。
【0031】
このような構成によれば、孔部は流体の流路を形成する隙間と外部とを連通可能である。従って、孔部を介して流体を流すことで、隙間には効率よく流体が流れて、表示パネル、防塵ガラス及びケースを冷却可能である。
【0032】
本発明に係る表示パネルモジュールは、上記表示パネル積層体と、上記ケースとを具備したことを特徴とする。
【0033】
このような構成によれば、表示パネル積層体に隙間が形成され、ケースには孔部が形成されており、孔部によって隙間と外部と連通させ流体を流すことで、表示パネル、防塵ガラス及びケースを効率よく冷却することができる。
【0034】
本発明に係るケースは、表示パネルを収納するための収納部と、前記収納部の外表面に設けられた複数の開口部と、前記収納部の肉厚内に設けられて所定の流路を形成し両端が前記開口部に接続される1つ以上の管路とを具備したことを特徴とする。
【0035】
このような構成によれば、表示パネルは収納部に収納される。収納部の肉厚内には、所定の流路を形成する1つ以上の管路が形成される。1つ以上の管路は、両端が収納部の外表面に形成された複数の開口部に接続されている。開口部を介して流体を管路内に流すことで、ケースを効率よく冷却することができる。
【0036】
前記1つ以上の管路は、前記表示パネルの縁辺部に沿って設けられることを特徴とする。
【0037】
このような構成によれば、管路が表示パネルの縁辺部に沿って設けられるので、表示パネルに対する高い放熱効果を得ることができる。
【0038】
本発明に係るケースは、上記表示パネル積層体を収納するための収納部と、前記収納部に設けられ、上記表示パネル積層体に設けられた前記隙間と外部とを連通するための孔部と、前記収納部の外表面に設けられた複数の開口部と、前記収納部の肉厚内に設けられて所定の流路を形成し両端が前記開口部に接続される1つ以上の管路とを具備したことを特徴とする。
【0039】
このような構成によれば、孔部によって表示パネル積層体に設けられた隙間と外部とが連通されて流路が形成され、また、1つ以上の管路によって収納部内に開口部と連通した流路が形成される。これらの流路に冷却用の流体を流すことで、表示パネル積層体及び収納部を効率よく冷却することができる。
【0040】
また、本発明に係る表示パネルモジュールの冷却方法は、上記表示パネルモジュールに、屈折率が、前記表示パネル積層体を構成する透明部材の屈折率に相当する液体を流して冷却することを特徴とする。
【0041】
このような構成によれば、液体の屈折率と透明部材の屈折率とが同様であるので、入射光の反射が生じず、良好な画像表示が可能である。
【0042】
また、本発に係る投射型表示装置は、上記表示パネルモジュールを画像形成手段として備えたことを特徴とする。
【0043】
このような構成によれば、表示パネルモジュールの冷却効果が極めて高い。このため、冷却用のファンは不要であり、消費電力を低減すると共に、騒音を抑制することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る表示パネルモジュールを示す概略断面図である。図2は表示パネルである液晶パネルの画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図3は液晶パネルを構成するTFT基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図であり、図4はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H’線の位置で切断して示す断面図である。図5は液晶パネルと防塵ガラス(透明部材)とによって構成される表示パネル積層体である液晶パネル積層体を示す概略側面図であり、液晶パネルを図4と同一の方向から見て示したものである。なお、図1は図5のA−A′線の位置で見た断面を示している。また、図1の表示パネルモジュールは、表示パネル積層体をケースに収納して構成される。
【0045】
本実施の形態は、液晶パネルと上下の防塵ガラスとの間に隙間を設けると共に、この隙間を流体の流路として、この隙間に空気又は液体を流すことによって、空冷又は液冷によって、液晶パネル、防塵ガラス及びケース等を強制的に冷却するようにしたものである。なお、本発明は液晶パネルに限らず、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルや無機ELパネルのELパネルなどの各種電気光学パネル(表示パネル)に用いることができるものである。
【0046】
先ず、図2乃至図4を参照して、液晶パネルの構造について説明する。
【0047】
液晶パネルは、図3及び図4に示すように、TFT基板等のTFT基板10と対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。TFT基板10上には画素を構成する画素電極等がマトリクス状に配置される。図2は画素を構成するTFT基板10上の素子の等価回路を示している。
【0048】
図2に示すように、画素領域においては、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線3aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
【0049】
TFT30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21(図4参照)との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0050】
図3及び図4に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。遮光膜42は例えば対向基板20に設けられたブラックマトリクスを構成する遮光膜と同一又は異なる遮光性材料によって形成されている。
【0051】
遮光膜42の外側の領域に液晶を封入するシール材41が、TFT基板10と対向基板20間に形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、TFT基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材41は、TFT基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成される。液晶注入口78より液晶が注入された後、液晶注入口78を封止材79で封止するようになっている。
【0052】
TFT基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62がTFT基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。TFT基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFT基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
【0053】
次に、パネル組立工程について説明する。TFT基板10と対向基板20とは、別々に製造される。夫々用意されたTFT基板10及び対向基板20に対して、配向膜(図示しない)となるポリイミド(PI)を塗布する。次に、TFT基板10表面の配向膜及び対向基板20表面の配向膜に対して、ラビング処理を施す。次に、洗浄工程を行う。この洗浄工程は、ラビング処理によって生じた塵埃を除去するためのものである。洗浄工程が終了すると、シール材41、及び導通材65(図3参照)を形成する。
【0054】
シール材41としては、2〜3.5ミクロン(例えば、3ミクロン)の厚さのギャップ材を含むものを採用する。そして、シール材41を、基板の縁辺部に、ディスペンス塗布によって形成する。なお、シール材をスクリーン印刷法によって形成してもよい。シール材41を形成した後、TFT基板10と対向基板20とを貼り合わせ、アライメントを施しながら圧着し、シール材41を硬化させる。最後に、シール材41の一部に設けた切り欠きから液晶を封入し、切り欠きを塞いで液晶を封止する。
【0055】
このように構成された液晶パネルにFPCを接続し、更に防塵ガラスを貼り合わせる。図5はこのような液晶パネルと防塵ガラスとの液晶パネル積層体を示している。
【0056】
液晶パネル101は実装端子62(図3参照)にFPC102が接続される。FPC102は、ポリイミドフィルム等のベース材料上に例えば圧延銅箔による銅箔パターン(図示せず)を形成し、更に、銅箔パターン上にカバー材料を形成して構成される。銅箔パターンは、FPC102の長手方向に沿って並設されている。FPC102の幅方向には、導電粒子を含有する接着剤である図示しないACF(Anisotoropic Conductive Film)(異方性導電膜)が形成されており、このACFを利用してFPC102がTFT基板10上に圧着固定されている。
【0057】
液晶パネル101のTFT基板10及び対向基板20には夫々防塵ガラス105,106が取り付けられている。防塵ガラス105はTFT基板10とほぼ等しい光屈折率を備えたものであり、好ましくはTFT基板10と同じ材質により形成される。防塵ガラス106もまた対向基板20とほぼ等しい光屈折率を備えたものであり、好ましくは対向基板20と同じ材質により形成される。
【0058】
図5に示すように、本実施の形態においては、TFT基板10と防塵ガラス105とは、シール材107によって所定の隙間111を有して相互に貼り合わせるようになっている。例えば、シール材107として、ギャップ材入りのシール材を用い、シール材107をTFT基板10の縁辺部に塗布し、TFT基板10と防塵ガラス105と圧着してシール材107を硬化させることによって、形成することができる。
【0059】
また、同様に、対向基板20と防塵ガラス106とは、シール材108によって所定の隙間112を有して相互に貼り合わせるようになっている。例えば、シール材108として、ギャップ材入りのシール材を用い、シール材108を対向基板20の縁辺部に塗布し、対向基板20と防塵ガラス106と圧着してシール材108を硬化させることによって、形成することができる。
【0060】
なお、防塵ガラス105、106としては、TFT基板10、対向基板20が石英基板(光屈折率=1.46)であれば同様の石英基板を用いることによって光屈折率を一致させることができる。
【0061】
また、シール材107,108としては、上述のように石英基板を用いる場合には光屈折率が1.46となるように調製したシリコン系接着剤やアクリル系接着剤であって、硬化後に透明となる接着剤を用いることができる。シール材107,108は、表示領域の外に形成されるので、必ずしも基板10,20及び防塵ガラス105,106と略同一の光屈折率を備えて、硬化後において透明となる必要はない。
【0062】
もちろん、TFT基板10、対向基板20がネオセラム等の屈折率が1.54の高耐熱ガラス板であれば、防塵ガラス105,106においても同じ材質の高耐熱ガラス板を用いればよい。また、シール材107,108についても、上記シリコン系接着剤やアクリル系接着剤を屈折率が1.54になるように調製することができる。
【0063】
本実施形態では、TFT基板10,対向基板20として、それぞれ1.2mm厚の石英基板、1.1mm厚の石英基板を用い、防塵ガラス105,106としては、1.1mm厚の石英基板を用いている。これにより、ある程度のデフォーカス作用を有する。
【0064】
また、本実施の形態においては、シール材107,108の厚さも、約1mm程度にする。これにより、TFT基板10と防塵ガラス105との間及び対向基板20と防塵ガラス106との間の間隙は流体が十分に流れやすい距離となる。また、液晶パネル101の表示面から防塵ガラス105,106の外表面までの距離を約3mm以上にすることができ、極めて大きいデフォーカス作用を得ることができる。
【0065】
そして、本実施の形態においては、シール材107は、液晶パネル101の一側面側において一部が欠落して開口部109が形成されている。そして、この開口部109が形成された側面に対向する側面側においても、一部が欠落して、開口部109′が形成されている。同様に、シール材108は、液晶パネル101の一側面側において一部が欠落して開口部110が形成されている。そして、この開口部110が形成された側面に対向する側面側においても、一部が欠落して、開口部110′が形成されている。
【0066】
即ち、開口部109,109′は、シール材107で囲まれたTFT基板10と防塵ガラス105との隙間111を外部と連通させている。開口部110,110′は、シール材108で囲まれた対向基板20と防塵ガラス106との隙間112を外部と連通させている。尚、開口部109と開口部110の位置は、図5においては互いにずれた位置関係に設けられているが、同じ位置に設けても良い。これは、開口部109′と開口部110′の位置関係も同様である。
【0067】
なお、TFT基板10と防塵ガラス105との接着工程及び対向基板20と防塵ガラス106との接着工程は、パネルの組み立て前後のいずれのタイミングで行ってもよい。
【0068】
このように構成された液晶パネル積層体をケースに収納する。図1はこの状態を示している。
【0069】
ケース121内部は、貼り合わされた液晶パネル101及び防塵ガラス106,105の形状に略一致した形状に構成されている。ケース121は、底面が開口した筐体であり、接着剤によって貼り合わされた液晶パネル101及び防塵ガラス106,105は、ケース121内部に接着固定されている。ケース121は上面に液晶パネル101の有効表示領域に対応した開口部122が形成されており、この上面に対向基板20側を向けて液晶パネル101が配置されている。
【0070】
液晶パネル101及び防塵ガラスを含む液晶パネル積層体の水平方向両側面とこの側面に夫々対向するケース121の両側内壁との間には、若干の隙間が設けられている。この隙間には図示しない接着剤が埋め込まれており、接着剤は、ケース121内の所定位置に液晶パネル積層体を接着固定するようになっている。
【0071】
なお、液晶パネル積層体を接着するための接着剤は、硬化後にも所定の弾性率を備えているものを選択することによって、耐衝撃性を向上させるために液晶パネル101とケース121との間の弾性変位を可能としつつ、充分な相互固定を行うことが可能である。この接着剤としては、ゴム系接着剤を用いることができ、例えばシリコンRTV(室温硬化型シリコンゴム)等がある。
【0072】
貼り合わされた液晶パネル101及び防塵ガラス106,105がケース121内に収納された状態で、ケース121の底面開口部分は、フック123によって閉塞される。フック123はTFT基板10の有効表示領域に対応した開口部分を有する。
【0073】
本実施の形態においては、ケース121は、液晶パネル積層体の側面に設けた4カ所の開口部109,109′及び110,110′に対向する位置において、外部との連通用の孔部125乃至128が形成されている。開口部109,109′,110,110′は、夫々孔部125乃至128に臨んでおり、各開口部109,109′,110,110′と各孔部125乃至128とは、夫々気密又は水密に接着されるようになっている。
【0074】
こうして、孔部125、開口109、隙間111、開口109′及び孔部126によって、流体の流路が形成される。同様に、孔部127、開口110、隙間112、開口110′及び孔部128によって、流体の流路が形成される。
【0075】
次に、図1の液晶パネルモジュールの組立方法及び冷却方法について説明する。
【0076】
図2乃至図4に示す液晶パネルと同一構成の液晶パネル101に対して、FPC102を取り付ける。例えば、液晶パネル101上の図示しないマークとFPC102上の図示しない認識マークとを画像認識等によって位置検出して、液晶パネル101とFPC102との位置合わせを行う。そして、FPC102の銅箔パターンを対応する実装端子62に接続する位置において、FPC102をTFT基板10上にACFを利用して圧着固定する。
【0077】
次に、液晶パネル101のTFT基板10及び対向基板20に、夫々シール材107,108を塗布し、隙間111,112を設けるように、防塵ガラス105,106を貼り合わせる。こうして形成された液晶パネル積層体を、ケース121の所定の位置に配置して、接着固定する。この場合には、液晶パネル積層体の開口部109,109′,110,110′が、夫々ケース121の孔部125乃至128に臨むように配置して、水密又は気密に接着する。
【0078】
液晶パネル101を投射型表示装置等において用いる場合には、液晶パネル積層体が収納されたケース121を投射型表示装置内部の規定された位置に固定する。そして、本実施の形態においては、ケース121の孔部125及び126に夫々冷却用の流体を流す管路を接続する。また、同様に、ケース121の孔部127及び128に夫々冷却用の流体を流す管路を接続する。そして、孔部125及び126の一方から冷却用の流体を流し、他方から吸引する。同様に、孔部127及び128の一方から冷却用の流体を流し、他方から吸引する。
【0079】
これにより、液晶パネル101、防塵ガラス105,106及びケース121を冷却する。即ち、冷却用の流体が、孔部125,126を流れることにより、主にケース121が冷却され、開口部109,109′を介して隙間111を流れることにより、主にTFT基板10及び防塵ガラス105が冷却される。同様に、冷却用の流体が、孔部127,128を流れることにより、主にケース121が冷却され、開口部110,110′を介して隙間112を流れることにより、主に対向基板20及び防塵ガラス106が冷却される。
【0080】
しかも、隙間111は、TFT基板10と防塵ガラス105の全面に面しており、また、隙間112は、対向基板20と防塵ガラス106の全面に面していることから、その冷却効果は極めて高い。
【0081】
ここで、冷却用の流体として液体を用いることが考えられる。冷却用の液体としては、屈折率が、TFT基板10、対向基板20及び防塵ガラス105,106と略同様なものを用いる。例えば、冷却用の液体としては、屈折率が1.45〜1.55くらいであるエチレングリコール(エチレングリコールジメチルエーテル)等を採用することができる。また、冷却用の液体としては、シリコンオイル等も考えられる。
【0082】
冷却用の流体として気体を用いる場合でも、液体を用いる場合のいずれであっても、隙間111,112内を気体又は液体が流通するので、隙間111,112内にゴミが付着することはない。
【0083】
また、防塵ガラス105,106の材料として、ガラス製の単結晶サファイア製のものを用いることが考えられる。単結晶サファイアはガラス、特に強度の高い石英ガラス(ビッカース硬度900)に比べて極めて硬度が高い(ビッカース硬度2300)。また、単結晶サファイアは熱伝導率が石英ガラス(1.2W/m・K)に比べて著しく高い(42.0W/m・K)。これにより、ガラス製の防塵ガラスを採用した場合に比して、液晶パネル101に生じた熱の放熱効果を向上させることができる。
【0084】
このように、本実施の形態においては、TFT基板10と防塵ガラス105との間に冷却用の流体の流路となる隙間111を形成すると共に、対向基板20と防塵ガラス106との間に冷却用の流体の流路となる隙間112を形成し、ケース121の孔部125〜128と隙間111,112とを流通させる開口109,109′,110,110′を設ける。これにより、ケース121の孔部125〜128を介して、TFT基板10と防塵ガラス105との隙間111及び対向基板20と防塵ガラス106との隙間112に、冷却用の流体を流すことができる。これにより、液晶パネル積層体及びケースの冷却効果を向上させて高い冷却効果を得ることができる。従って、冷却用のファンの風量を低減することができ、消費電力を低減すると共に、冷却ファンによる騒音を低減することができる。
【0085】
なお、第1の実施の形態においては、開口109,109′,110,110′及び孔部125〜128は、液晶パネルモジュールの一側面とこの側面に対向する側面に設けたが、一側面とこの側面に隣接する側面に設けてもよく、流体の入り口と出口とを構成することができれば、いずれの面に開口及び穴部を設けてもよいことは明らかである。
【0086】
ところで、第1の実施の形態においては、隙間111,112に流体を導くための、シール材の開口及びケースの孔部は、1つの隙間に対して入り口と出口との2個ずつ形成した。しかし、流体として気体を用いる場合には、開口及び孔部を多数構成してもよく、逆に、隙間111,112を閉塞するシール材を一部のみに設けるようにしてもよい。この場合には、ケースに設ける孔部の数とシール材の開口の数及び設ける位置は必ずしも一致させる必要はない。
【0087】
また、図1では隙間をTFT基板10側と対向基板20側の2カ所に設けた例を説明したが、いずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。
【0088】
また、TFT基板10側に形成した隙間111に流体を流すための孔部125,126と対向基板20側に形成した隙間112に流体を流すための孔部127,128との一方を管路によって相互に接続して、1つの流路を形成するようにしてもよい。
【0089】
図6はこの場合の管路の接続を示す概略断面図であり、図1に対応した図である。
【0090】
図6の例では、孔部126は管路131に接続し、孔部128は管路132に接続している。そして、孔部125,127を管路133によって接続している。これにより、隙間111,112は管路133によって接続されて1つの流路を形成する。
【0091】
この場合には、例えば、管路131を介して流体を流入させると、この流体は、孔部126、開口109′、隙間111側に流入し、更に、開口109、孔部125を介して管路133に流れ、更に、孔部127、開口110、隙間112を経て、開口110′、孔部128を介して管路132から外部に流出される。
【0092】
このような構成によれば、流体を1流路で流せばよく、ポンプ等の流体の駆動部を簡単な構成にすることができる。
【0093】
図7は冷却用の流体の流路を複数設ける場合の例を示している。図7は図5に対応した図である。
【0094】
図7に示すように、シール材107には複数の位置に切り欠きを設けて、複数の開口109″を形成している。また、同様に、シール材108にも複数の位置に切り欠きを設けて、複数の開口110″を形成している。
【0095】
なお、図6の変形例として、図6の液晶パネル積層体が収納されるケースに、複数の開口110″及び複数の開口109″の各開口に夫々対応した位置に孔部を形成し、複数の開口110″及び複数の開口109″の各開口と、ケースに形成した複数の孔部とを気密又は水密に接着した場合には、第1の実施の形態と同様に、これらの孔部に冷却用の流体の流すための管路を接続することで、第1の実施の形態と同様の冷却が可能である。
【0096】
また、複数の開口110″及び複数の開口109″の各開口と、ケースに形成した複数の孔部とを気密又は水密に接着しない場合には、これらの孔部の一部を介して冷却用の気体を流入させ、他の一部を介して隙間に流入した気体を排出させるようにすればよい。すなわち、気体の入力のみを設け、出力は自然開放することができる。
【0097】
また、本実施の形態においては、ケース121には、流体の入り口及び出口となる孔部125乃至128を形成したが、ケース121と液晶パネル積層体との間の隙間を利用するものとすると、ケース121には、流体の出入り口となる1個以上の孔部を設ければよい。例えば流体の入り口としての1個の孔部を設け、この孔部を介してケース121外部から流入した流体を、ケース121と液晶パネル積層体との間の隙間から隙間111,112内に流し、更に、ケース121と液晶パネル積層体との間の隙間を介して、ケースに設けた孔部から流出させる。
【0098】
このようなケース121と液晶パネル積層体との間の隙間は、ケースとパネルを固定する接着剤を一部塗布しないことによって得られる。特に、流体として空気を用いる場合に有効である。
【0099】
更に、ケースの隅部に連通口を設け、この連通口を介して流体を流入・流出させるようにしてもよい。なお、連通口を利用して液体を流す場合には、この連通口に管を接続すればよい。更に、ケース121と液晶パネル積層体との間の隙間を拡張するために、ケースに溝を形成するようにしてもよい。
【0100】
更に、ケースに新たに孔部を形成することなく、ケースとパネルの隙間のみを利用して、流体のケース内への流入流出を可能にすることもできる。
【0101】
また、上記実施の形態においては、防塵ガラスを液晶パネルのTFT基板側及び対向基板側に取り付ける例について説明したが、防塵ガラスは液晶パネルへの光の入射側及び出射側の少なくとも一方のみに配置すればよい。この場合において、入力側及び出射側のいずれに防塵ガラスを取り付けてもよい。
【0102】
図8は本発明の第2の実施の形態を示す概略断面図である。図8において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。また、図9は図8の液晶パネルモジュールを上面から見た平面図である。
【0103】
第1の実施の形態においては、液晶パネルと防塵ガラスとの間に隙間を設けて、この隙間に冷却用の流体を流すことで、冷却効果を向上させていた。これに対し、本実施の形態は、ケース自体に流体を流すための管路を形成したものである。
【0104】
図8において、液晶パネル101は、図2乃至図4と同様のものであり、TFT基板10及び対向基板20が貼り合わされて構成されている。液晶パネル101は実装端子62(図3参照)にFPC102が接続される。
【0105】
液晶パネル101のTFT基板10及び対向基板20には夫々防塵ガラス105,106が配置されている。TFT基板10と防塵ガラス105とは透明な接着剤によって面接着されている。また、対向基板20と防塵ガラス106とは透明な接着剤によって面接着されている。液晶パネル101と防塵ガラス105,106による積層体がケース140内に収納されている。
【0106】
ケース140内部は、積層された防塵ガラス105、液晶パネル101及び防塵ガラス106の形状に略一致した形状に構成されている。
【0107】
本実施の形態においては、ケース140は、対向基板20及び防塵ガラス106の縁辺部の外側の領域が肉厚に形成されており、この肉厚部に沿って、流体の管路141,142が形成されている。管路141はケース140の後端側側面に設けた開口部143に接続され、管路142はケース140の前端側側面に設けた開口部144に接続される。管路141,142は、相互に接続されており、管路141,管路142の2つのルートで開口部143,144同士を連通させている。
【0108】
このよう構成された実施の形態においては、開口部143,144の一方から流入した流体は、管路141,142に分岐して各管路141,142内を流れ、再び合流して開口部143,144の他方から流出される。開口部143,144を介して冷却用の流体を流すことで、ケース140を冷却させ、更に、ケース140内に収納された液晶パネル101及び防塵ガラス105,106を冷却させることができる。
【0109】
このように、本実施の形態においては、ケース内に冷却用の流体を流通させる管路を形成しており、ケース、ケース内の液晶パネル及び防塵ガラスを極めて効率よく冷却させることができる。
【0110】
なお、上記実施の形態においては、冷却用の流体を流すための管路を対向基板20及び防塵ガラス106の縁辺部の外側の領域に形成したが、TFT基板10及び防塵ガラス105の縁辺部の外側の領域を肉厚に形成して、この肉厚部に沿って流体の管路を形成してもよく、更に、上下の2カ所に流体の管路を形成してもよい。また、管路同士を一体的に接続したが、別々の管路として流体を別個に流すようにしてもよい。
【0111】
図10は本発明の第3の実施の形態を示す概略断面図である。図10において図1及び図8と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0112】
本実施の形態は、液晶パネルと防塵ガラスとの間に隙間を設けてこの隙間に冷却用の流体を流すと共に、ケース自体にも流体を流すための管路を形成したものである。
【0113】
本実施の形態は第1及び第2の実施の形態を組み合わせたものであり、ケース121に代えてケース151を採用した点が第1の実施の形態と異なる。ケース151は、図1のケース121に管路141,142を形成したものである。即ち、ケース151は、図8のケース140と同様に、対向基板20及び防塵ガラス106の縁辺部の外側の領域が肉厚に形成されており、この肉厚部に沿って、流体の管路141,142が形成されている。
【0114】
本実施の形態における液晶パネルモジュールの平面形状は図9と同様であり、ケース151の後端側側面には図9と同様の開口部143が形成され、前端側側面には図9と同様の開口部144が形成される。そして、管路141はケース151の後端側側面に設けた開口部143に接続され、管路142はケース151の前端側側面に設けた開口部144に接続される。管路141,142は、相互に接続されており、管路141,管路142の2つのルートで開口部143,144同士を連通させている。
【0115】
このよう構成された実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に隙間111,112内に冷却用の流体を流すと共に、第2の実施の形態と同様に管路141,142内に冷却用の流体を流す。これにより、ケース151、ケース151内に収納された液晶パネル101及び防塵ガラス105,106を、極めて効率よく冷却させることができる。
【0116】
なお、孔部125乃至128及び開口部143,144を適宜管路によって接続することで、隙間111,112及び管路141,142を1つ又は2つの流路とすることができる。例えば、図6の管路131を開口部143(図9参照)に接続することで、流体を開口部144から管路141,142及び開口部143を介して管路131に流すことができ、1つの流路によって各部を冷却することが可能である。
【0117】
このように、本実施の形態においては、液晶パネルと各防塵ガラスとの間の隙間及びケース内の管路に冷却用の流体を流通させており、ケース、ケース内の液晶パネル及び防塵ガラスを極めて効率よく冷却させることができる。
【0118】
なお、本実施の形態においても、冷却用の流体を流すための管路は、ケース内のいずれの部分に形成してもよいことは明らかである。
【0119】
また、本実施の形態においても、ケース151と液晶パネル積層体との間の隙間を利用することで、ケースに設ける孔部の数を1個まで減らすことができることは明らかである。更に、上述したように、ケース151と液晶パネル積層体との間の隙間を利用することで、孔部を省略することも可能である。
【0120】
また、本実施の形態の液晶パネル積層体を、図7と同様に多数の開孔を有するものに採用してもよいことも明らかである。
【0121】
以上述べた実施形態や変形例は、防塵ガラスを対向基板およびTFT基板に設けたが、どちらか一方に設けても良い。
【0122】
図11は本発明の第4の実施の形態を示す概略構成図である。本実施の形態は第1乃至第3の実施の形態によって製造した液晶パネルモジュールを用いた投射型表示装置を示している。
【0123】
図11において、光源210は、メタルハライド等のランプ211とランプ211の光を反射するリフレクタ212とによって構成される。光源210からの出射光路上に、青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー213及び反射ミラー217が配設される。ダイクロイックミラー213は、光源210からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。反射ミラー217は、ダイクロイックミラー213を透過した赤色光を反射する。
【0124】
ダイクロイックミラー213の反射光の光路上には、緑色光反射のダイクロイックミラー214及び反射ミラー215が配設され、ダイクロイックミラー214は、入射光のうち緑色光を反射し、青色光を透過させる。反射ミラー215はダイクロイックミラー214の透過光を反射する。反射ミラー215の反射光の光路上には反射ミラー216が配設されており、反射ミラー216は、反射ミラー215の反射光(青色光)を更に反射する。
【0125】
反射ミラー217,ダイクロイックミラー214及び反射ミラー216の出射光路上には、夫々液晶光変調装置である液晶パネルモジュール222,223,224が配設されている。液晶パネルモジュール222乃至224には、夫々赤色光、緑色光又は青色光が入射し、液晶パネルモジュール222乃至224は、夫々R,G,B画像信号に応じて、入射光を光変調し、各R,G,Bの画像光をダイクロイックプリズム225に出射する。
【0126】
ダイクロイックプリズム225は、4つの直角プリズムが貼り合わされて構成され、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。ダイクロイックプリズム225は、これらの誘電体多層膜によって、3つのR,G,B色光を合成して、カラー画像の画像光を出射する。
【0127】
ダイクロイックプリズム225の出射光路上には投射光学系を構成する投射レンズ226が配設されており、投射レンズ226は、合成された画像光をスクリーン227上に投射する。こうして、スクリーン227には、拡大された画像が表示される。
【0128】
このように構成された実施の形態においては、液晶パネルモジュール222,223,224の隙間111,112(図1参照)及び管路141,142(図8参照)等に、冷却用の流体を流す。これにより、液晶パネルモジュール222,223,224は、十分に冷却される。
【0129】
従って、冷却ファンを用いた強制的な冷却は不要であり、冷却ファンの稼働時の騒音が生じることはなく、また、消費電力を低減することも可能である。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流体の流路を形成して冷却効果を向上させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る表示パネルモジュールを示す概略断面図。
【図2】表示パネルである液晶パネルの画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図。
【図3】液晶パネルを構成するTFT基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。
【図4】TFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H’線の位置で切断して示す断面図。
【図5】液晶パネルと防塵ガラスとによって構成される表示パネル積層体である液晶パネル積層体を示す概略側面図。
【図6】管路の接続を示す概略断面図。
【図7】冷却用の流体の流路を複数設ける場合の例を示す概略断面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す概略断面図。
【図9】図8の液晶パネルモジュールを上面から見た平面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す概略断面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態を示す概略構成図。
【図12】FPCが取り付けられた液晶パネル積層体をケースに収納して構成される液晶パネルモジュールを示す説明図。
【符号の説明】
10…TFT基板
20…対向基板
50…液晶
101…液晶パネル
105,106…防塵ガラス
107,108…シール材
111,112…隙間
121…ケース
125〜128…孔部
Claims (19)
- 表示パネルと、
前記表示パネルの入射面側及び出射面側の少なくとも一方に配置される透明部材と、
前記表示パネルと前記透明部材との間の少なくとも一方に配置されて前記表示パネルと前記透明部材との間の少なくとも一方に隙間を形成するギャップ部材とを具備したことを特徴とする表示パネル積層体。 - 前記表示パネルの入射面側及び出射面側と前記透明部材とを夫々接着する接着部材を更に具備したことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル積層体。
- 前記接着部材は、前記表示パネルの入射面側及び出射面側の縁辺部に一部を除いて形成されて、前記隙間を流体の流路とすることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル積層体。
- 前記接着部材が形成されない一部は、前記接着部材の所定の2カ所であることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル積層体。
- 前記接着部材が形成されない一部は、前記表示パネルの一側面とこの側面に対向する他の側面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル積層体。
- 前記表示パネルと前記透明部材との間の隙間に面する前記表示パネルの表面に形成される反射防止膜を更に具備したことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル積層体。
- 前記透明部材は、ガラス材料によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル積層体。
- 請求項1に記載の表示パネル積層体を収納するための収納部と、
前記収納部に設けられ、請求項1に記載の表示パネル積層体に設けられた前記隙間と外部とを連通するための孔部とを具備したことを特徴とするケース。 - 請求項3に記載の表示パネル積層体を収納するための収納部と、
前記収納部に設けられ、請求項3に記載の表示パネル積層体の前記接着部材が形成されない一部を介して前記隙間と外部とを連通するための複数の孔部とを具備したことを特徴とするケース。 - 請求項1に記載の表示パネル積層体と、
請求項8に記載のケースとを具備したことを特徴とする表示パネルモジュール。 - 請求項3に記載の表示パネル積層体と、
請求項9に記載のケースとを具備したことを特徴とする表示パネルモジュール。 - 表示パネルを収納するための収納部と、
前記収納部の外表面に設けられた複数の開口部と、
前記収納部の肉厚内に設けられて所定の流路を形成し両端が前記開口部に接続される1つ以上の管路とを具備したことを特徴とするケース。 - 前記1つ以上の管路は、前記表示パネルの縁辺部に沿って設けられることを特徴とする請求項12に記載のケース。
- 請求項1に記載の表示パネル積層体を収納するための収納部と、
前記収納部に設けられ、請求項1に記載の表示パネル積層体に設けられた前記隙間と外部とを連通するための孔部と、
前記収納部の外表面に設けられた複数の開口部と、
前記収納部の肉厚内に設けられて所定の流路を形成し両端が前記開口部に接続される1つ以上の管路とを具備したことを特徴とするケース。 - 請求項3に記載の表示パネル積層体を収納するための収納部と、
前記収納部に設けられ、請求項3に記載の表示パネル積層体の前記接着部材が形成されない一部を介して前記隙間と外部とを連通するための複数の孔部と、
前記収納部の外表面に設けられた複数の開口部と、
前記収納部の肉厚内に設けられて所定の流路を形成し両端が前記開口部に接続される1つ以上の管路とを具備したことを特徴とするケース。 - 請求項1に記載の表示パネル積層体と、
請求項14に記載のケースとを具備したことを特徴とする表示パネルモジュール。 - 請求項3に記載の表示パネル積層体と、
請求項15に記載のケースとを具備したことを特徴とする表示パネルモジュール。 - 請求項10、11、16又は17のいずれか1つに記載の表示パネルモジュールに、
屈折率が、前記表示パネル積層体を構成する透明部材の屈折率に相当する液体を流して冷却することを特徴とする表示パネルモジュールの冷却方法。 - 請求項10、11、16又は17のいずれか1つに記載の表示パネルモジュールを画像形成手段として備えたことを特徴とする投射型表示装置。
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