JP2004101964A - 画像調整方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の色成分それぞれに基づく画像を形成し、形成した画像をそれぞれ転写媒体上に転写して画質判定画像を形成し(S1)、その画質判定画像の検出した濃度(S2)に基づき、画質判定画像の画質を判定する(S3)と共に、複数の色成分のうち、基準となる色成分の基準画像に、調整対象となる他の色成分の調整対象画像を、転写媒体上に重ねて転写して調整画像を形成し、その調整画像の濃度を検出し、検出した濃度に基づき、調整対象である他の色成分の画像形成位置を調整する(S4)画像形成装置の画像調整方法。調整画像の形成(S4)は、画質判定画像を形成した(S1)後に行う。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式による画像形成装置の色合わせ調整等の調整方法及び画像形成装置に関し、より詳しくは、像担持体(画像形成手段;感光体ドラム)又は転写担持体(転写媒体;転写ベルト、用紙)上に形成された色成分画像を重ね合わせて多色画像を形成する際に生じる、多色画像の色ずれを自動的に調整する画像調整方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルカラー複写機等の画像形成装置は、入力されたデータを複数の色成分に分解して画像処理を施した後、各色成分毎の画像を重ね合わせて多色画像を形成する。多色画像の形成に際して、各色成分の画像が正確に重ね合わされない場合、形成された多色画像に色ずれが発生し、画質の低下を招くことがある。
特に、多色画像の形成速度を向上させる為に、各色成分毎に画像形成部を設けた画像形成装置では、各画像形成部にて各色成分の画像を形成し、形成した各色成分の画像を順次重ね合わせることによって多色画像を形成する。このような画像形成装置では、各色成分の画像の転写位置にずれが生じ易く、多色画像の色ずれが大きな問題となっている。
【0003】
そこで、画像形成装置では、各色成分の画像を精度よく重ね合わせる為に、多色画像の色ずれを調整する色合わせ調整(レジストレーション調整)を行って、色ずれのない良好な多色画像を形成出来るようにされている。
色合わせ調整は、通常、基準となる色成分の画像形成位置に対する他の色成分の画像形成位置のずれを、光学式の検出器を用いて検出する。そして、この検出結果に基づいて調整量を決定し、この調整量に応じて、各色成分の画像の転写位置が一致するように、各色成分の画像を形成するタイミングを調整する。調整量を決定する為に、一般的には、各色成分の画像を同じタイミングで転写し、各色成分の転写位置間の距離を検出するか、又は各色成分を重ね合わせた多色画像の濃度を検出している。
【0004】
例えば、特許文献1に開示された画像形成装置では、各色成分の画像の転写位置間の距離を検出し、検出した転写位置のずれ量に基づいて調整を行っている。つまり、基準となる色成分にて形成された画像と、他の色成分にて形成された画像との距離を検出器によって検出し、検出した距離に基づいて各色成分の画像の転写位置のずれ量を決定し、色ずれを調整している。
【0005】
また、特許文献2には、各色成分の画像を重ね合わせた多色画像の濃度を測定し、測定した濃度が、各色成分の画像が正確に重なった状態の濃度になるように、色ずれの調整を行う画像形成装置が開示されている。
この画像形成装置では、調整精度を向上させる為に、各色成分の画像を、複数の同一画像を繰り返すことにより形成している。この同一画像として、ライン状の画像を複数形成し、多色ライン画像の濃度を検出器により検出し、各色成分のライン画像の重なり状態を求めている。そして、検出器により検出された多色ライン画像の濃度が所定の濃度範囲になった状態を、各色成分のライン画像が正確に重なり合った状態とみなし、この重なり合った状態で画像形成が行われるように調整を施して、色合わせ調整を行っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−213940号公報
【特許文献2】
特開2000−81744号公報
【特許文献3】
特開平10−260567号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、画像を形成し、形成した画像の位置及び濃度を測定して、基準となる色画像に対して調整を要する色画像の位置関係を検出し、色合わせ調整を行う場合には、形成された画像の形成品質(画質;太さ,濃度,エッジの状態)により検出結果が左右される。これに対して、特許文献3には、濃度制御用画像を形成し、その濃度が所定のレベルに達しない場合には、画像の形成条件を調整した後に、色合わせ調整用の画像で色合わせ調整を行う技術が開示されている。
【0008】
ところが、それぞれの色成分の画像を形成する画像形成ステーションを、複数個並べて構成したタンデム方式の画像形成装置では、画像形成ステーションから調整用の画像を検出する検出器迄の距離が非常に長く、検出器が濃度制御用画像を検出して濃度を確認する前に、色合わせ用の画像を形成してしまうと、濃度が所定のレベルに達しない場合には、無駄な画像形成をしてしまうことになるという問題がある。
また、上記特許文献2に開示されている画像形成装置は、画像色合わせ調整を濃度検出用画像で行っており、現像剤の消費が多いという問題がある。
【0009】
本発明は、上術したような事情に鑑みてなされたものであり、現像剤を無駄にしないように、画質判定用及び色合わせ調整用それぞれの画像を形成すると共に、効率よく短時間で色合わせ調整を実行出来る画像調整方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像調整方法は、複数の色成分それぞれに基づく画像を形成し、形成した画像をそれぞれ転写媒体上に転写して画質判定画像を形成し、形成した該画質判定画像の濃度を検出し、検出した濃度に基づき、前記画質判定画像の画質を判定すると共に、前記複数の色成分のうち、基準となる色成分の基準画像に、調整対象となる他の色成分の調整対象画像を、前記転写媒体上に重ねて転写して調整画像を形成し、形成した調整画像の濃度を検出し、検出した濃度に基づき、前記他の色成分の画像形成位置を調整する画像形成装置の画像調整方法であって、前記調整画像の形成は、前記画質判定画像を形成した後に行うことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像調整方法は、前記調整画像の形成は、前記画質判定画像の画質を判定した後、引き続き行うことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像調整方法は、前記画質判定画像は、基準となる色成分の画像に重ねて、調整の対象となる他の色成分の複数の画像をそれぞれ第1間隔で並べて形成してあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像調整方法は、前記調整画像は、第2間隔で並べて形成した複数の前記基準画像に、複数の前記調整対象画像をそれぞれ重ねて形成してあり、前記第1間隔は前記第2間隔と等しくしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像調整方法は、前記画質判定画像は、基準となる色成分の画像のみで形成された部分を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像調整方法は、前記画質判定画像の画質を判定した結果、所定の画質に達しないときは、前記調整画像を形成しないことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、複数の色成分それぞれに基づく画像を形成する各画像形成手段と、該各画像形成手段が形成した画像を、重ね合わすべくそれぞれ転写媒体上に転写する各転写手段と、該各転写手段が転写媒体上に転写して形成した画質判定画像の濃度を検出する検出手段と、該検出手段が検出した濃度に基づき、前記画質判定画像の画質を判定する画質判定手段と、前記各転写手段が、前記複数の色成分のうち、基準となる色成分の基準画像に、調整対象となる他の色成分の調整対象画像を、前記転写媒体上に重ねて転写して形成した調整画像の濃度を、前記検出手段が検出し、該検出手段が検出した濃度に基づき、前記他の色成分の画像形成位置を調整する手段とを備えた画像形成装置であって、前記各転写手段は、前記画質判定画像を形成した後、前記調整画像を形成すべくなしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置では、各画像形成手段が、複数の色成分それぞれに基づく画像を形成し、各転写手段が、各画像形成手段が形成した画像を、重ね合わすべくそれぞれ転写媒体上に転写する。検出手段が、各転写手段が転写媒体上に転写して形成した画質判定画像の濃度を検出し、画質判定手段が、検出手段が検出した濃度に基づき、画質判定画像の画質を判定する。各転写手段が、複数の色成分のうち、基準となる色成分の基準画像に、調整対象となる他の色成分の調整対象画像を、転写媒体上に重ねて転写して形成した調整画像の濃度を、検出手段が検出し、検出手段が検出した濃度に基づき、調整する手段が、調整対象である他の色成分の画像形成位置を調整する。各転写手段は、画質判定画像を形成した後、調整画像を形成する。
【0018】
これにより、現像剤を無駄にしないように、画質判定用及び色合わせ調整用それぞれの画像を形成すると共に、効率よく短時間で色合わせ調整を実行出来る画像調整方法及び画像形成装置を実現することが出来る。また、色合わせ調整を行う直前に、色合わせ調整用の画像の品質を、画質判定画像により予め確認することが出来、画像の品質が良好な場合には、即座に色合わせ調整を実行出来、効率的な調整を行うことが出来る。また、画像の品質が不良の場合には、色合わせ調整を実施してエラーが出る前に、速やかに色合わせ調整を中断することが出来る。また、画質判定用の画像を形成して画像の品質を確認するので、精度の高い画像の品質確認が出来る。
【0019】
本発明に係る画像形成装置は、前記各転写手段は、前記画質判定手段が画質を判定した後、引き続き前記調整画像を形成すべくなしてあることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置では、各転写手段は、画質判定手段が画質を判定した後、引き続き調整画像を形成する。
これにより、画像の品質が不良の場合には、色合わせ調整用の調整画像を形成する前に、色合わせ調整を停止出来るので、無駄な画像形成をしないで済み経済的である。また、画像の品質が良好な場合には、引き続き色合わせ調整用の調整画像の形成を開始するので、速やかに色合わせ調整を開始出来、調整時間が長引くことを防ぎ、効率的な色合わせ調整を行うことが出来る。
【0021】
本発明に係る画像形成装置は、前記画質判定画像は、基準となる色成分の画像に重ねて、調整の対象となる色成分の複数の画像をそれぞれ第1間隔で並べて形成してあることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置では、画質判定画像は、基準となる色成分の画像に重ねて、調整の対象となる色成分の複数の画像をそれぞれ第1間隔で並べて形成してある。
転写ベルト上の現像剤の色により、検出器でベルト表面との区別がつきにくい色が有り、一般的に、検出器に正反射光により検出を行う検出器の場合には、黒画像(K画像)の検出は良好に行えるが、カラー画像(C,M,Y画像)の場合に転写ベルトの表面との区別がつきにくい。その為、カラー画像単独で転写ベルト上に形成した画像の濃度を検出すると、画像の品質を確認し難いが、基準となる画像(K画像)をベースに形成し、その上にカラー画像を所定の間隔で断続的に形成することにより、カラー画像の濃度を検出することが出来る。
【0023】
本発明に係る画像形成装置は、前記調整画像は、第2間隔で並べて形成した複数の前記基準画像に、複数の前記調整対象画像をそれぞれ重ねて形成してあり、前記第1間隔は前記第2間隔と等しくすべくなしてあることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置では、調整画像は、第2間隔で並べて形成した複数の基準画像に、複数の調整対象画像をそれぞれ重ねて形成してあり、第1間隔は第2間隔と等しくしてあるので、カラー画像の品質を、色合わせ調整用の調整画像の調整対象となるカラー画像の調整時と同一の形状で確認出来、精度の高い画質確認が出来る。
【0025】
本発明に係る画像形成装置は、前記画質判定画像は、基準となる色成分の画像のみで形成された部分を含むべくなしてあることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置では、画質判定画像は、基準となる色成分の画像のみで形成された部分を含むので、基準となる色成分の画像(K画像)だけで形成された部分で、K画像の濃度等の画質確認をすることが出来る。
【0027】
本発明に係る画像形成装置は、前記画質判定手段の判定結果が、所定の画質に達しないときは、前記各転写手段は、前記調整画像を形成しないようになしてあることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置では、画質判定手段の判定結果が、所定の画質に達しないときは、各転写手段は、調整画像を形成しない。
これにより、画質確認画像の品質が不良のな場合には、色合わせ調整を実施しても正確な調整が出来ないことが予測出来るので、色合わせ調整画像の形成を行わずに、色合わせ調整を停止することで、無駄な画像形成を未然に防ぐことが出来、不要な現像剤の消費を減らすことが出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、それを示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る調整方法を実行する本発明に係る画像形成装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。この画像形成装置100は、外部から入力された画像データに応じて、用紙に対して、多色及び単色の画像を形成する。この画像形成装置100は、後述する感光体ドラム及び転写ベルト等を駆動する駆動部46と、感光体ドラムを所定電位に帯電させる帯電部45と、帯電した感光体ドラム上にレーザ光を走査させて、静電潜像を形成する書込部41と、感光体ドラム上の静電潜像を現像剤により現像する現像部42(画像形成手段)とを備えている。
【0030】
この画像形成装置100は、また、感光体ドラム上の現像画像を用紙(転写媒体)等の媒体に転写し定着させる転写部47(転写手段)と、画像の品質確認用及び色合わせ調整用の各画像のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶部43と、色合わせ調整の為の調整値を記憶する調整値記憶部44と、作動する為の様々な情報を記憶する情報記憶部49とを備えている。
この画像形成装置100は、また、後述するレジストレーション検出センサ21と、画像形成装置100内の温湿度を検出する温湿度センサ22と、操作する為の操作ボタン及び表示画面等からなる操作部48と、作動する上で必要な計数を行うカウンタ51と、作動する上で必要な計時を行うタイマ52と、上記各部と接続され上記各部を制御するマイクロコンピュータからなる制御部40とを備えている。
【0031】
図2は、画像形成装置100の正面から見た縦断面を示す模式的断面図である。この画像形成装置100は、給紙トレイ10、排紙トレイ33、定着ユニット12、画像形成部50、転写搬送ベルトユニット8、レジストレーション検出センサ21(検出手段)及び温湿度センサ22を備えている。
給紙トレイ10は、画像形成装置100の下段に設けられ、画像を記録する為の用紙を蓄積するトレイである。
排紙トレイ33は、画像形成装置100の中段左側部に設けられ、印刷済みの用紙をフェイスアップで載置する。
【0032】
定着ユニット12は、排紙トレイ33に近接して、用紙の流れの上流側に設けられ、ヒートローラ31及び加圧ローラ32を有している。ヒートローラ31の温度は、図示しない温度検出器の検出値に基づき、所定の温度になるように制御されている。ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、トナー像が転写された用紙を挟んで回転し、ヒートローラ31の熱により、用紙にトナー像を熱圧着させ定着させる。
【0033】
画像形成部50は、定着ユニット12の用紙の流れの上流側、画像形成装置100の中段に設けられており、用紙の流れに沿って並設されたブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用の4つの画像形成ステーション(画像形成手段)から構成されている。4つの画像形成ステーションは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いて多色画像を形成する為に、各色に応じた4種類の潜像を形成するように、それぞれ露光ユニット1a,1b,1c,1d、現像器2a,2b,2c,2d、感光体ドラム3a,3b,3c,3d、クリーナユニット4a,4b,4c,4d、及び帯電器5a,5b,5c,5dの4つの部材を備えている。尚、上記a,b,c,dは、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応するように付加している。
【0034】
尚、以下では、各色に応じて設けられた上記4つの部材のうち、特定の色に対応する部材を指定する場合を除いて、各色に対して設けられた部材をまとめて、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5と記載する。
露光ユニット1は、発光素子をアレイ状に並べたEL(Electro Luminescence),LED(Light Emitting Diode)等の書込みヘッド、又はレーザ照射部、反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、書込部41(図1)を構成する。図2ではLSUを用いている。露光ユニット1は、入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3上に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0035】
現像器2は、現像部42(図1)を構成し、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を上記各色のトナーにより顕像化する。
感光体ドラム3は、各画像形成ステーションの中心部に配置され、その周面に、入力された画像データに応じた静電潜像やトナー像を形成する。
クリーナユニット4は、感光体ドラム3の周面上に形成された静電潜像が現像され、転写された後に、感光体ドラム3の周面上に残留したトナーを除去・回収する。
【0036】
帯電器5は、帯電部45(図1)を構成し、感光体ドラム3の周面を所定の電位に均一に帯電させる。帯電器5は、感光体ドラム3に接触するローラ型又はブラシ型の他に、感光体ドラム3に接触しないチャージャ型等が用いられる。図2ではチャージャ型の帯電器を用いている。
転写搬送ベルトユニット8は、各感光体ドラム3の下方に配置され、転写ベルト7(転写媒体)、用紙の下流側で転写ベルト7を張架する転写ベルト駆動ローラ71、用紙の上流側で転写ベルト7を張架する転写ベルトテンションローラ73、転写ベルト7の中間部に設けられた転写ベルト従動ローラ72,74、各感光体ドラム3の下部に接するように設けられた各転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)(転写手段)、及び転写ベルト7の復側の下方に設けられた転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0037】
尚、以下では、各色に対応した4つの転写ローラ6a,6b,6c,6dをまとめて転写ローラ6と記載する。
転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ73、転写ローラ6、転写ベルト従動ローラ72,74等は、転写ベルト7を張架し、転写ベルト7を一方向に回転駆動させるものである。
【0038】
転写ローラ6は、転写部47(図1)を構成しており、転写ベルトユニット8のハウジングに回転可能に支持されており、直径8〜10mmの金属軸をベースとし、その表面は、EPDM(エチレンプロピレンジエン共重合体)又は発泡ウレタン等の導電性の弾性材によって覆われている。転写ローラ6は、この導電性の弾性材により、用紙に対して、トナーの帯電極性とは逆極性の高電圧を均一に印加することが出来、感光体ドラム3の周面に形成されたトナー像を、転写ベルト7(転写媒体)又は転写ベルト7上に吸着されて搬送される用紙(転写媒体)に転写する。
【0039】
転写ベルト7は、転写部47(図1)を構成しており、厚さ100μm程度のポリカーボネイト、ポリイミド、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン重合体、エチレンテトラルフルオロエチレン重合体等のフィルムで無端状に形成され、感光体ドラム3及び転写ローラ6間を通過するように張架されている。この転写ベルト7上又は転写ベルト7上に吸着されて搬送される用紙上に、感光体ドラム3で形成された各色のトナー像を順次転写することにより、多色トナー像を形成する。
【0040】
転写ベルトクリーニングユニット9は、転写ベルト7上に直接転写された色合わせ調整用のトナー、転写ベルト7上のプロセス制御用のトナー、及び感光体ドラム3との接触により転写ベルト7に付着したトナーを除去し回収する。
レジストレーション検出センサ21(検出手段)は、転写ベルト7上に形成された、画像の品質確認用(画質判定用)及び色合わせ調整用の各パッチ画像を検出する為、転写ベルト7が各画像形成ステーションを通過し終えてから、転写ベルトクリーニングユニット9に至る迄の位置に設けられている。レジストレーション検出センサ21は、各画像形成ステーションで転写ベルト7上に形成されたパッチ画像の濃度を検出し、その検出値を制御部40に与える。
温湿度センサ22は、画像形成装置100内の温度や湿度を検出し、急激な温度変化及び湿度変化がないプロセス部近傍に設置されている。
【0041】
このような構成の画像形成装置100の画像形成ステーションでは、露光ユニット1が、入力された画像データに基づいて、所定のタイミングで露光することにより、感光体ドラム3上に静電潜像が形成される。次いで、現像部2により静電潜像が顕像化したトナー像が形成され、このトナー像が転写ベルト7又は転写ベルト7上に吸着されて搬送される用紙上に転写される。
【0042】
転写ベルト7は、転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ73、転写ベルト従動ローラ72,74及び転写ローラ6により回転駆動しているので、各色成分のトナー像が、転写ベルト7上又は転写ベルト7上に吸着されて搬送される用紙上に、順次重ねて転写され、多色トナー像が形成される。尚、転写ベルト7上に多色トナー像が形成される場合は、さらにこの多色トナー像を用紙上に転写する。
【0043】
本実施の形態の画像形成装置100では、色合わせ調整(レジストレーション調整)を行う際は、上述した画像形成ステーションで形成された各色成分のトナー像を転写ベルト7上に転写する。このとき、各色成分のトナー像のうち基準となるトナー像(以下、基準パッチ画像と記載する)を転写ベルト7上に転写し、次いで、この基準パッチ画像の上に、色ずれ調整の対象となる他の色成分のトナー像(以下、調整パッチ画像と記載する)を転写する。
【0044】
転写ベルト7は、転写ベルト駆動ローラ71により回転駆動しており、図3に示すように、転写ベルト7上に形成された基準パッチ画像K(黒)及び調整パッチ画像C(シアン)が、レジストレーション検出センサ21の位置に達すると、レジストレーション検出センサ21が、転写ベルト7上の基準パッチ画像及び調整パッチ画像の濃度を検出する。
レジストレーション検出センサ21は、転写ベルト7に光を照射し、転写ベルト7上で反射した光を検出して、基準パッチ画像及び調整パッチ画像の濃度を検出する。そして、この検出結果に基づき、露光ユニット1が露光するタイミングを調整し、感光体ドラム3上への書込みのタイミングを調整する。この調整をその他のM(マゼンタ)やY(イエロー)等の調整の対象となる色についても同様に行う。
【0045】
尚、本実施の形態では、基準パッチ画像をK(黒)としているが、別の色(C,M,Y)の何れにしてもよく、その場合、Kは調整の対象となる。
また、レジストレーション検出センサ21は、図3に示すように、照射光の出射位置及び反射光の検出位置の位置関係が、転写ベルト7の搬送方向に対して、平行となるように配置しているが、これに限定されるものではない。つまり、照射光の出射位置及び反射光の検出位置の位置関係が、転写ベルト7の搬送方向に対して垂直となるように配置してもよい。
また、本実施の形態では、画像形成を行うプロセス速度を100mm/secとし、レジストレーション検出センサ21による検出は、2msecのサンプリング周期で行っている。
【0046】
以下に、本発明に係る画像形成装置100の動作について説明する。
画像形成装置100は、画像データが入力されると、入力された画像データに応じて、また、色合わせ調整により求めた調整値に基づいて、露光ユニット1が露光し、感光体ドラム3上に静電潜像を形成する。現像器2は、この静電潜像をトナー像に現像する。
【0047】
一方、給紙トレイ10に蓄積された用紙は、ピックアップローラ16により、一枚ずつ分離されて用紙搬送経路Sに搬送され、レジストローラ14で一旦保持される。レジストローラ14は、図示しないレジスト前検知スイッチの検知信号に基づき、感光体ドラム3上のトナー像の先端が、用紙の画像形成領域の先端に合うように制御されたタイミングにより、用紙を感光体ドラム3の回転に合わせて転写ベルト7へ搬送する。用紙は、転写ベルト7上に吸着されて搬送される。
【0048】
感光体ドラム3から用紙へのトナー像の転写は、転写ベルト7を介して感光体ドラム3に対向して設けられた転写ローラ6により行われる。転写ローラ6には、トナーとは逆極性を有する高電圧が印加されており、これによって、用紙にトナー像が転写される。転写ベルト7により搬送される用紙には、各色に応じた4種類のトナー像が順次重ねられる。
その後、用紙は、定着ユニット12に搬送され、熱圧着により用紙上にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙トレイ33へ搬送される。
【0049】
用紙へのトナー像の転写が終了すると、クリーナユニット4が、感光体ドラム3に残留したトナーの回収・除去を行う。また、転写ベルトクリーニングユニット9は、転写ベルト7に付着したトナーの回収・除去を行って、一連の画像形成動作を終了する。
尚、本実施の形態は、転写ベルト7上に用紙を担持し、各感光体ドラム3に形成されたトナー像を、用紙上で重ね合わせる直接転写方式の画像形成装置であるが、本発明は、転写ベルト上に各感光体ドラムに形成されたトナー像を重ね転写した後、用紙に一括して再度転写して多色画像を形成する中間転写方式の画像形成装置にも適用可能であり、本実施の形態と同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0050】
次に、本発明に係る画像形成装置100の色合わせ調整について、詳細に説明する。画像形成装置100の色合わせ調整は、第1〜3の色合わせ調整からなる。
ここでは、基準パッチ画像としてK(黒)のトナー像を、調整パッチ画像としてC(シアン)のトナー像をそれぞれ用い、色合わせ調整範囲が、転写ベルト7の搬送方向に99ドット(ライン)分(開始位置を0ドットとし、終了位置を99ドットとする)である場合について説明する。
【0051】
尚、基準パッチ画像及び調整パッチ画像として用いるトナー画像の色は、特に限定されるものではなく、何れの色を用いても良い。また、色合わせ調整範囲は、99ドット分の調整範囲に限定されるものではなく、より狭い範囲又はより広い範囲に設定しても良い。また、状況に応じて調整範囲を変更出来るようにしても良い。何れにしても、調整範囲が広い場合には、レジストレーション調整に要する時間が長くなり、調整範囲が狭い場合には、レジストレーション調整に要する時間が短くて済む。
【0052】
(第1の色合わせ調整)
画像形成装置100による色合わせ調整は、転写ベルト7の搬送方向(以下、副走査方向と記載する)に対して垂直な方向(以下、主走査方向と記載する)の複数のラインからなる基準パッチ画像及び調整パッチ画像を、転写ベルト7上に形成することにより行う。
【0053】
先ず、第1の色合わせ調整では、図4に示すように、例えば、画像形成パターンのピッチ(m+n)(第2間隔)が、ライン幅nが4ドット、各ラインのライン間隔mが7ドットである計11ドットからなるように設定し、転写ベルト7上に基準パッチ画像(以下、基準ラインと記載する)を形成する(図4中、Kパッチ)。そして、基準ラインを形成した後に、この基準ライン上に、基準ラインと同じライン幅n及びライン間隔mを有する調整パッチ画像(以下、調整ラインと記載する)を更に形成する。
【0054】
続いて、転写ベルト7上に形成された基準ライン及び調整ラインの濃度を、レジストレーション検出センサ21により検出する。レジストレーション検出センサ21は、図5(転写ベルト7上に形成された基準ライン及び調整ラインの例をを示す説明図)に示すように、センサ読み取り範囲D内で、基準ライン及び調整ラインの濃度を検出する。
センサ読み取り範囲Dは、直径が約10mmであり、細かい(微小な)振動等による色ずれに起因する検出誤差を平均化出来るようになっている。基準パッチ画像及び調整パッチ画像は、組み画像(図5,9の点線で囲まれた部分)を形成する。組み画像は、1つの条件当たり数十〜数百個ずつ形成され、異なる条件による複数組の組画像が形成される。
【0055】
転写ベルト7上の基準ライン及び調整ラインの濃度は、転写ベルト7上での基準ラインと調整ラインとの重なり合いの状態によって異なる。つまり、基準ラインと調整ラインとの重なり合った状態の程度に応じて、レジストレーション検出センサ21が検出する反射光の検出値が変化する。
レジストレーション検出センサ21の濃度検出結果は、転写ベルト7の表面に形成される基準ラインと調整ラインとを合わせた面積により変化する。面積が最小の場合、つまり、基準ラインと調整ラインとが完全に重なっている場合、レジストレーション検出センサ21から発光された光が、基準ラインと調整ラインとによって吸収される量が減少すると共に、転写ベルト7からの反射光が最も多くなるので、検出値(検出出力)が高くなる。
尚、転写ベルトが透明である場合には、レジストレーション検出センサ21に反射型ではなく透過型を用いても同様な検出が可能となる。
【0056】
上記のように、基準ラインと調整ラインとが完全に重なった場合には、検出値が極値を取る。つまり、検出値が極大(場合によっては極小;透明な転写ベルトを用いた場合等)となるような条件で画像形成を行えば、基準ラインと調整ラインとが完全に重なり合った状態を得ることが出来る。
尚、第1の色合わせ調整では、基準ラインと調整ラインとが完全に重なった場合に、レジストレーション検出センサ21の検出値が極値をもつことに着目し、検出値の極値を求めることにより、色合わせ調整を行っているが、基準ラインと調整ラインとが完全にずれた状態、つまり、極小値を検出する方法でもよい。
【0057】
ここでは、非透明で黒色の転写ベルト7を用いているので、基準ラインと調整ラインとが完全に重なった場合に、レジストレーション検出センサ21の検出値が極大となる極値を有する。従って、基準ライン像上に形成する調整ラインを任意の割合でずらせて形成することにより、基準ラインと調整ラインとの重なり状態を変化させ、各状態についてレジストレーション検出センサ21の検出値を得て、検出値の極大を求める。
【0058】
具体的には、上述したように、ライン幅nが4ドット、各ラインのライン間隔mが7ドットとなる複数のラインからなる場合、基準ラインと調整ラインとが完全に重なると、図5のQ1に示すように、基準ラインが調整ラインで完全に覆われた状態となる。即ち、レジストレーション検出センサ21は、基準ラインの4ドット分と調整ラインの4ドット分とが重なったライン幅と、7ドット分のライン間隔との繰り返し画像の濃度を検出する。
【0059】
次に、調整ラインが、基準ラインの形成位置から、副走査方向(転写ベルトの移動方向)に1ドットずらす(+1ドットずれとする)と、図5のQ2に示すように、基準ラインは、調整ラインにより完全には覆われない、重なりがずれた状態となる。つまり、レジストレーション検出センサ21は、基準ライン及び調整ラインが重なった3ドット分のライン幅と、基準ライン及び調整ラインがずれた各1ドット分のライン幅と、6ドット分のライン間隔とを検出する。言い換えれば、レジストレーション検出センサ21は、基準ラインと調整ラインとからなる5ドット分のライン幅と、6ドット分のライン間隔との繰り返し画像の濃度を検出する。
【0060】
図4及び図5に示すように、調整ラインを、ずれのないQ1の状態から、副走査方向に1ドットずつずらせていくと、Q1からQ11に示すように、基準ラインと調整ラインとの重なった状態が変化していく。そして、Q1の状態から+11ドットずれた場合に、図4のQ12に示すように、調整ラインの4ドット分のライン幅と7ドット分のライン間隔との繰り返しとなり、再び、基準ラインと調整ラインとが完全に重なった状態となる。
つまり、調整ラインが11ドットずれた状態は、調整ラインをずらす前の状態と同じ状態であり、調整ラインが11ドットずれる毎に、同じ状態が繰り返される。
【0061】
従って、予め決められた状態より−5ドットずらせた位置から+5ドットずらせた位置で、基準ラインと調整ラインとの作成及び検出を終了する。つまり、色合わせ調整可能範囲内の、例えば中央値(色合わせ調整範囲が“0”〜“99”の範囲の場合の値は“50”)より−5ドットずらせた位置から+5ドットずらせた位置(基準ラインに対して“45”〜“55”の調整値)迄の調整ラインによる11種類の組画像パターンを形成し、それらの濃度を検出して終了する。
それ以上、つまり12ドット(“56”),13ドット(“57”)・・・と行っても、同じ結果が繰り返されるだけである。つまり、11種類の条件に対して(色合わせ調整可能範囲内の11ドットの調整範囲内で)第1の色合わせ調整を行ない、基準となる色成分画像と調整の対象となる他の色成分画像とが完全に一致する露光タイミングの調整値を予測出来る状態にする。
【0062】
上述したように、基準ラインと調整ラインとの重なり状態の変化を、レジストレーション検出センサ21のセンサ読み取り範囲D(ここでは直径D=10mm)で検出し、その検出値をグラフで表すと、図8(a)に示すように、基準ラインと調整ラインとが完全に重なり合った状態、つまり検出値が極大になる点(この例では調整値が“54”の場合)が一致点として出力V1にて検出される。
【0063】
しかし、この一致点は真の一致点ではない場合もあり、他に“54”に対して+11ドット(調整値“65”)、+22ドット(調整値“76”)、+33ドット(調整値“87”)、+44ドット(調整値“98”)、−11ドット(調整値“43”)、−22ドット(調整値“32”)、−33ドット(調整値“21”)又は−44ドット(調整値“10”)ずれた状態の何れかが真に一致する状態で有るかもしれない。
【0064】
つまり、これら9点のうち何れか1つが真に一致する条件であり、この段階では、真の一致点の候補を予測することが出来る。従って、レジストレーション検出センサ21の検出値が極大となる調整値を用いて、調整ラインを形成する露光ユニット1が露光するタイミングを調整しても、基準となる色成分の画像と調整の対象となる他の色成分の画像とを完全に重ね合わせることが出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。
【0065】
(第2の色合わせ調整)
そこで、基準となる色成分の画像と、調整の対象となる他の色成分の画像との真の一致点、つまり第1の色合わせ調整で求めた調整置(“54”)と、その調整置より求めることが出来る予測値との中から、真の一致点となる調整値を求める為に、1回目の絞込みの為の第2の色合わせ調整を行う。この第2の色合わせ調整では、求められた調整置(“54”)を基準に、“54”を含む予測値4個(例えば“21”,“32” ,“43”,“54”)について絞込みを行う。ここで、4個の予測値は、これらに限らず連続する4個の予測値であれば良い。
【0066】
第2の色合わせ調整では、第1の色合わせ調整で求めた極大となる調整値でのタイミングに基づいて、露光ユニット1が露光して感光体ドラム3上への書込みを行ない、基準パッチ画像及び調整パッチ画像を転写ベルト7上に形成する。
このとき、形成する基準パッチ画像及び調整パッチ画像は、第1の色合わせ調整の基準ライン及び調整ラインの1ピッチ分のドット数d(d=m+n)を基準にして用い、図6に示すように、基準パッチ画像のライン幅をdの3倍のドット数、基準パッチ画像のライン間隔(ラインを形成しない幅)をdとする。また、調整パッチ画像のライン幅をd、調整パッチ画像のライン間隔(ラインを形成しない幅)をdの3倍のドット数に設定し、基準ラインと調整ラインそれぞれのパターン形成ピッチは4dドット(44ドット)に設定する。
【0067】
第2の色合わせ調整では、第1の色合わせ調整の場合と同様に、基準パッチ画像に対して調整パッチ画像を、第1の色合わせ調整時のパッチ画像のピッチに関連するドット数ずつずらせて形成し、レジストレーション検出センサ21の検出値を求める。具体的には、図6に示すように、調整ラインを調整ラインの幅であるdドットずつずらせて形成する。
【0068】
この第2の色合わせ調整では、基準となる色成分の画像の位置と、調整の対象となる他の色成分の画像の位置とが完全に一致した場合に、基準パッチ画像の形成位置と調整パッチ画像の形成位置とが完全にずれた状態となるように設定してある。その為、図8(b)に示すように、基準パッチ画像の間に調整パッチ画像が形成された状態、即ち、レジストレーション検出センサ21は、基準パッチ画像と調整パッチ画像とが連続的につながった状態(転写ベルト7上で副走査方向に隙間が無い状態)で、極小値(出力V2,調整値“21”)を検出し、一致点の調整値が求まる。
【0069】
一方、図8(b)に示すように、調整パッチ画像が基準パッチ画像上に形成された場合は、出力値が高くなる。この場合は、基準となる色成分の画像の位置と、調整の対象となる他の色成分の画像の位置とがずれた状態となる調整値であり、真の一致点となる調整値ではないことを意味する。
ここでは、得られた調整値“21”に対して4dドット(44ドット)ずれた場合にも、同一の状態となることが予測出来るので、調整値“21”又は“65”の何れかが真の一致点となる調整値であると絞り込むことが出来る。
【0070】
(第3の色合わせ調整)
更に、この2つの何れが真の一致点であるかを求める為に、第3の色合わせ調整を行う。
第3の色合わせ調整では、第2の色合わせ調整で求めた調整置(“21”)を基準に、“21”を含む予測値2個(“21”,“65” )について判定を行う。
【0071】
第3の色合わせ調整では、第1の色合わせ調整で求めた極大となる調整値でのタイミングに基づいて、露光ユニット1が露光して感光体ドラム3上への書込みを行ない、基準パッチ画像及び調整パッチ画像を転写ベルト7上に形成する。
このとき、形成する基準パッチ画像及び調整パッチ画像は、第1の色合わせ調整の基準ライン及び調整ラインの1ピッチ分のドット数d(d=m+n)を基準にして用い、図7に示すように、基準パッチ画像のライン幅をdの2倍のドット数(2d)、基準パッチ画像のライン間隔(ラインを形成しない幅)をdとする。また、調整パッチ画像のライン幅をd、調整パッチ画像のライン間隔(ラインを形成しない幅)をdの2倍のドット数(2d)に設定し、基準ライン及び調整ラインそれぞれのパターン形成ピッチは3dドット(33ドット)に設定する。
【0072】
第3の色合わせ調整では、第2の色合わせ調整の場合と同様に、基準パッチ画像に対して調整パッチ画像を、第2の色合わせ調整時のパッチ画像のピッチに関連するドット数ずつずらせて形成し、レジストレーション検出センサ21の検出値を求める。具体的には、図7に示すように、調整ラインを第2の色合わせ調整時のラインピッチである4dドット(44ドット)ずつずらせて形成する。
【0073】
第3の色合わせ調整では、第2の色合わせ調整と同様に、基準となる色成分の画像の位置と、調整の対象となる他の色成分の画像の位置とが完全に一致した場合に、基準パッチ画像の形成位置と調整パッチ画像の形成位置とが完全にずれた状態になるように設定してある。その為、図8(c)に示すように、基準パッチ画像の間に、調整パッチ画像が形成された状態、即ち、レジストレーション検出センサ21は、基準パッチ画像と調整パッチ画像とが連続的につながった状態(転写ベルト7上で副走査方向に隙間が無い状態)で、極小値(出力V3,調整値“65”)を検出し、真の一致点の調整値が求まる。
【0074】
一方、図8(c)に示すように、調整パッチ画像が基準パッチ画像上に形成された場合(調整値“21”)は、出力値が高くなる。この場合は、基準となる色成分の画像の位置と、調整の対象となる他の色成分の画像の位置とがずれた状態となる調整値であり、真の一致点となる調整値ではないことを意味する。
以上のように、色ずれ調整を3回に分けて行い、一致点となる調整値の予測値を求め絞り込むことにより、広い色合わせ調整範囲内より、基準となる色成分の画像と調整の対象となる色成分の画像とを、効率よく容易に完全に一致させることが出来、対象となる色成分の画像を形成する露光ユニット1の露光するタイミングを見つけ出し調整することが出来る。
【0075】
尚、上記では、転写ベルト7上に形成する基準パッチ画像及び調整パッチ画像の調整方向を副走査方向として色合わせ調整を行った場合について説明したが、主走査方向の色ずれも当然存在するので、副走査方向の色合わせ調整と同様に、基準パッチ画像及び調整パッチ画像を、副走査方向調整時の方向と直角の方向に形成して色合わせ調整を行う。
この場合、図9に示すような画像形成パターンを用い、先ず最初に、第1の色合わせ調整として、画像形成パターンのピッチの範囲内で調整ラインを順次ずらせて形成し、基準パッチ画像と調整パッチ画像とが完全に重なり合う状態を探す。
【0076】
次いで、第2の色合わせ調整として、図10に示すような画像形成パターンで、第1の色合わせ調整時のパターンピッチ分ずつ調整ラインをずらせ、基準パッチ画像の形成位置と調整パッチ画像の形成位置とが重ならない状態を探す。
更に、第3の色合わせ調整として、図11に示すような画像形成パターンで、第2の色合わせ調整時のパターンピッチ分ずつ調整ラインをずらせて、色合わせ調整を行うことにより、主走査方向の基準となる色成分の画像と、調整の対象となる色成分の画像とが完全に一致する露光タイミングを求め、調整を行う。
【0077】
また、色合わせ調整は、主走査方向及び副走査方向の何れかについてのみ行ったり、双方について行ったりしてもよい。これにより、副走査方向及び主走査方向の双方の色ずれを、必要に応じて調整することが可能になり、良好な画質を得ることが出来る。
また、上記説明では、調整対象となる色成分1色について詳しく説明したが、残りの調整対象となる色成分の画像についても、同様に調整を行う。その場合、調整の対象となるそれぞれの色成分毎に、又は調整の対象となる全ての色成分を並行して、調整を行ってもよい。
【0078】
以下に、本発明に係る画像形成装置100の画像調整方法を、それを示す図12,図15,図16のフローチャートを参照しながら説明する。
画像形成装置100の制御部40は、先ず、画像品質(画質;濃度,ライン形成状態)を確認する為の画像(画質判定画像)を、画像形成部50に形成させる(S1)。
【0079】
画像品質を確認する為の画像は、上記で説明した色合わせ調整と同様に、転写ベルト7上に形成され、図14に示すように、基準となる色成分(K)のベタ画像の上に、調整対象となる色成分(C,M,Y)の画像を、所定のライン幅(第1の色合わせ調整時に形成する調整ラインと同一のライン幅)で、所定のピッチ(第1間隔;第1の色合わせ調整時に形成する調整ラインと同一のピッチ)で形成した画像である。図18に、画像品質を確認する為の画像を、転写ベルト7上に形成する様子を模式的に示す。
【0080】
カラー画像(C,M,Yの画像)のベタ画像からの反射光は、図13のレジストレーション検出センサ21の出力に示すように、転写ベルト7表面からの反射光との差が余りない。従って、調整ライン画像だけを転写ベルト7上に形成した場合には、転写ベルト7からの反射光との差が更になくなる為、調整ラインが良好に形成されているかを判定しにくい。その為、基準となる色成分のベタ画像(Kのベタ画像)の上にカラー画像を調整ラインと同一のライン幅,同一のピッチで形成し、これを画像品質を確認する為の画像とする。
【0081】
レジストレーション検出センサ21の出力は、図13に示すように、転写ベルト7表面を検出した場合、カラー画像(C,M,Yの画像)のベタ画像の濃度を検出した場合、基準となる色成分(K)の図5に示す画像形成パターンの濃度を検出した場合、基準となる色成分(K)のベタ画像の濃度を検出した場合の順で高い。
【0082】
制御部40は、次に、レジストレーション検出センサ21に画像品質を確認する為の画像の濃度を検出させ(S2)、その検出値に基づき、画像が適正範囲内の品質(所定の画質)であるか否かを判定する(S3)。
制御部40は、上述したように、Kベタ画像の上にカラー画像を調整ラインと同一の幅で同一のピッチで形成した個所で、レジストレーション検出センサ21の出力が例えば1.36±0.26Vの範囲内であり、また、K(黒)ベタ画像の個所で、出力が例えば0.84±0.26Vの範囲内であれば、適正範囲内の画像品質であると判定する。
【0083】
制御部40は、画像品質を確認する為の画像が、低濃度、基準ラインの欠落及び調整ラインの欠落等により、レジストレーション検出センサ21の出力が高く、適正範囲内の品質でないと判定したときは(S3)、色合わせ調整を実施せず(S5)、操作部48の表示画面に警告表示を行い、対処方法等を案内する(S6)。
制御部40は、画像品質を確認する為の画像が、レジストレーション検出センサ21の出力が低く、適正範囲内の品質であると判定したときは(S3)、引き続き、上記で説明した色合わせ調整を実施する(S4)。
【0084】
尚、色合わせ調整に当たっては、上記の説明と同様に、色合わせ調整範囲を99ドット分とし、色合わせ調整範囲を0ドット〜99ドットとする。また、第1の色合わせ調整に用いる検出用パターンは、パッチ画像のピッチを11ドットとし、基準パッチ画像及び調整パッチ画像の両方で、ライン幅が4ドットであり、ライン間隔(ラインが形成されない幅)が7ドットとし、調整ラインのずらし条件を1ドットとする。
【0085】
第2の色合わせ調整に用いる検出用パターン2は、パッチ画像のピッチを44ドットとし、基準パッチ画像のライン幅を33ドット、そのライン間隔を11ドット、調整パッチ画像のライン幅を11ドット、そのライン間隔を33ドットとし、調整ラインのずらし条件を11ドットとする。
更に、第3の色合わせ調整に用いる検出用パターンは、パッチ画像のピッチを33ドットとし、基準パッチ画像のライン幅を22ドット、そのライン間隔を11ドット、調整パッチ画像のライン幅を11ドット、そのライン間隔を22ドットとし、調整ラインのずらし条件を44ドットとする。
【0086】
制御部40は、色合わせ調整を実施するに際して、先ず、色合わせ調整範囲の任意の位置を、スタート時の調整値Aとして定める(S11)。
一般的には、調整値Aは、色合わせ調整範囲の中央値で、99ドットが調整範囲の場合は、A=50をデフォルト値とし、調整値記憶部44に設定しておく。ここで、調整値とは、調整パッチ画像を形成する画像形成ステーションの露光ユニット1の露光タイミングの調整値を示す。
【0087】
制御部40は、次に、調整値Aから5を差し引いた調整値を調整値Aとして設定する(S12)。つまり、調整値Aの初期値が“50”の場合は、調整値Aは“45”となる。
制御部40は、次いで、画像形成部50に第1の色合わせ調整用の検出用パターンを形成(印字)させる(S13)。
【0088】
ここで、検出用パターンの基準パッチ画像は、所定のタイミングで形成するが、調整パッチ画像は、調整値Aで、つまり、露光タイミングの調整値を“45”として形成する。即ち、デフォルトの調整値による調整パッチ画像の形成位置に対して−5ドットの位置となるタイミングで、調整パッチ画像(調整ライン)を形成する。但し、初期値は“45”に限定されることはなく、状態に応じて設定することが出来、“88”(99−11=88)よりも大きい値を除く何れの値(0〜88)でも良い。
【0089】
制御部40は、次いで、レジストレーション検出センサ21に転写ベルト7上の基準パッチ画像及び調整パッチ画像の濃度を検出させ、その検出値SAを読み込む(S14)。
制御部40は、次いで、調整値Aに1を加えたものを調整値Aとし(S15)、調整値Aが(A+5)つまり“55”を超えたか否かを判定し(S16)、調整値Aが超えていなければ、ステップS13〜S16を繰り返す。
【0090】
一方、制御部40は、調整値Aが(A+5)を超えていれば(S16)、検出したSA値(S14)のうち、最大のSAを有する調整値をAmaxとして設定する(S17)。
つまり、ここでは調整値が“45”から“55”迄の11回(11ドット)、調整ラインの位置が1ドットずつ異なる画像形成を行ないながら、画像の濃度を検出する動作を行う。
この第1の色合わせ調整の結果が、図8(a)に示す結果であった場合は、一致点(仮の一致点)がAmaxであり、そのときの調整値A“54”がAmaxとして設定される。
【0091】
次に、制御部40は、調整値Amax(“54”)を基準にして、11の倍数を調整値Amaxから差し引いた値から、11の倍数をAmaxに加算した値迄、連続する値4個の内の最小の値を調整値Bとして定める(S21)。つまり、(“54”−“44”=“10”)〜(“54”+“44”=“98”)の値のうち、ここでは“54”の前に連なる“21”,“32”,“43”,“54”を連続する値4個と定める。そして、この連続する4個の値の最小値“21”を調整値Bの初期値として設定する。その為、ここでは、調整値Amaxからd×3=33を引いて“21”を求める方法で定めている。
【0092】
次に、制御部40は、第2の色合わせ調整用の検出用パターンを用いて、基準パッチ画像及び調整値Bの位置(“21”)で調整パッチ画像を形成し(S22)、レジストレーション検出センサ21に転写ベルト7上の基準パッチ画像及び調整パッチ画像からなる画像の濃度を検出させ、その検出値SBを読み込む(S23)。
次に、制御部40は、調整値Bに、第1の色合わせ調整に用いる画像形成パターンのピッチ数11を加えて、調整値Bを“32”と設定し(S24)、調整値Bが調整値Amax(“54”)を超えているか否かを判定する(S25)。尚、調整値Bの初期値の決定方法が上術した方法であるので、調整値Amaxと比較しているが、連続して4個並んだ値の最大値と比較すればよい。
【0093】
制御部40は、調整値Bが調整値Amax(“54”)を超えていなければ(S25)、ステップS22〜S25を繰り返す。
一方、制御部40は、調整値Bが調整値Amaxを超えていれば(S25)、検出した検出値SB(S23)のうちの最小のSB値を有する調整値Bを求めてBminとする(S26)。
ここで求められた結果が、図8(b)に示す結果である場合は、1回目(“21”)が極小値であり、これが一致点の候補となる。また、このとき、“21”に4dを加算した“65”も一致点の候補である予測が立つ。
【0094】
制御部40は、次に、“21”と“65”の何れが真の一致点であるかを決定する為、第3の色合わせ調整を行う。
制御部40は、先ず、Bminを調整値Cとし(S31)、第3の色合わせ調整用の検出用パターンを用いて、基準パッチ画像と、調整値Cの位置(“21”)で調整パッチ画像とを形成(印字)する(S32)。
制御部40は、次に、レジストレーション検出センサ21に転写ベルト7上の基準パッチ画像及び調整パッチ画像からなる画像の濃度を検出させ、その検出値SCを読み込む(S33)。
【0095】
制御部40は、次に、調整値Cに、第2の色合わせ調整に用いる画像形成パターン(検出用パターン)のピッチ数44を加えて、調整値Cを“65”として設定し(S34)、調整値Cが最大の調整値“99”を超えているか否かを判定する(S35)。
制御部40は、調整値Cが最大の調整値“99”を超えていなければ(S35)、ステップS32〜S35を繰り返す。
【0096】
一方、制御部40は、調整値Cが最大の調整値“99”を超えていれば(S35)、検出した検出値SC(S33)のうち、最小のSC値を有する調整値Cを求めCminとする(S36)。
ここで求められた結果が図8(c)に示す結果である場合は、2回目(“65”)が極小値であり、これが真の一致点となる。制御部40は、この“65”を最新の調整値として調整値記憶部44に記憶し(S37)リターンする。
制御部40は、他の調整対象の色についても、並行して上記と同様に、色合わせ調整を実施して調整値を求め、調整値記憶部44に記憶する。
図17に、画像品質を確認する為の画像を転写ベルト7上に形成した後、引き続き、各色の色合わせ調整用の検出用パターンを転写ベルト7上に形成する様子を模式的に示す。
【0097】
図17及び上述した図18は、共に画像品質を確認する為の画像と色合わせ調整用の画像との形成位置の関係を示している。図18は、画像品質の確認を完了した後に、色合わせ調整用の画像を形成する方法を表しており、右端に破線で記載されている画像が色合わせ調整用の画像であり、K及びCによる色合わせ調整用画像が形成されることを示している。ここでは、Cの画像形成ステーションの位置がレジストレーション検出センサ21から遠いが、K及びCであっても画像品質の確認結果が確定する前に、画像が形成されないようなタイミングで画像を形成している例である。従って、画像品質の確認結果が得られた後でなければ、色合わせ調整用画像を形成しないので、多少調整に要する時間が長くなるが、無駄な画像形成を確実に防ぐことが出来る。
【0098】
それに対して、図17は、画像品質を確認する為の画像に続けて色合わせ調整用画像を形成する例であり、調整時間を短縮出来るが、無駄となる画像形成が行われることがある。但し、色合わせ調整用画像の形成をK及びC、K及びM、K及びY、K及びC、K及びM・・・のように、色毎に交互に行うことにより、K及びC、K及びC・・・、K及びM、K及びM、・・・、K及びY、K及びY、・・・のように形成するよりも、レジストレーション検出センサ21と各画像形成ステーションとの距離の関係で、無駄となる画像形成を少なくすることが出来る。
【0099】
尚、上述した色合わせ調整は、初期段階の色合わせ調整時の調整方法であり、画像形成装置を組み立て後、実際に使用される所に設置されたとき、部品の交換時、及びメンテナンスの後に行われ、色合わせ調整後、上記調整値を画像形成装置に記憶させておき、画像形成装置は、この調整値に基づいて画像形成を行う。上記の場合の色合わせ調整は、第1の色合わせ調整、第2の色合わせ調整及び第3の色合わせ調整を必ず行う。
また、初期の色合わせ調整を実施した後は、画像形成装置の電源が投入され、画像形成を実施する前にレジストレーション調整を行うときには、大きな色ずれが発生していることは稀であると考えられるので、第2の色合わせ調整及び第3の色合わせ調整を省略しても良い。
【0100】
更に、電源投入から所定時間が経過した後、及び画像形成が所定枚数を超えた後等に、色合わせ調整を行うように設定しても良い。この場合には、色ずれが殆ど発生していないことが多いので、第2の色合わせ調整及び第3の色合わせ調整を省略することにより、色合わせ調整の時間を大幅に短縮することが出来る。
また、画像形成装置内に設置された温湿度センサ22(図1)の検出値が、予め設定された温湿度の範囲を外れた場合、及び温湿度センサ22の検出値が急激に変化した場合にも、色合わせ調整を行っても良い。
【0101】
更に、サービスマン又はユーザによる感光体ドラム及び現像ユニット等のプロセスユニット交換等のメンテナンス後、及び色ずれが目立つ場合等に、ユーザ又はサービスマンが、強制的に色合わせ調整を行うことが出来るようになっている。これらの場合には、第1、第2及び第3の色合わせ調整を完全に行うか、又は第1の色合わせ調整のみを行うかを選択することも出来るようになっている。
尚、電源投入時及び強制的な色合わせ調整時を除いて、色合わせ調整を行う条件に達した場合に、即座に色合わせ調整を実施するのではなく、通常は、進行中の画像形成ジョブの終了後、又は次の画像形成ジョブの開始前に実施する。
【0102】
【発明の効果】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置によれば、現像剤を無駄にしないように、画質判定用及び色合わせ調整用それぞれの画像を形成すると共に、効率よく短時間で色合わせ調整を実行出来る画像調整方法及び画像形成装置を実現することが出来る。また、色合わせ調整を行う直前に、色合わせ調整用の画像の品質を、画質判定画像により予め確認することが出来、画像の品質が良好な場合には、即座に色合わせ調整を実行出来、効率的な調整を行うことが出来る。また、画像の品質が不良の場合には、色合わせ調整を実施してエラーが出る前に、速やかに色合わせ調整を中断することが出来る。また、画質判定用の画像を形成して画像の品質を確認するので、精度の高い画像の品質確認が出来る。
【0103】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置によれば、画像の品質が不良の場合には、色合わせ調整用の調整画像を形成する前に、色合わせ調整を停止出来るので、無駄な画像形成をしないで済み経済的である。また、画像の品質が良好な場合には、引き続き色合わせ調整用の調整画像の形成を開始するので、速やかに色合わせ調整を開始出来、調整時間が長引くことを防ぎ、効率的な色合わせ調整を行うことが出来る。
【0104】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置によれば、基準となる画像(K画像)をベースに形成し、その上にカラー画像を所定の間隔で断続的に形成することにより、カラー画像の濃度を検出することが出来る。
【0105】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置によれば、カラー画像の品質を、色合わせ調整用の調整画像の調整対象となるカラー画像の調整時と同一の形状で確認出来、精度の高い画質確認が出来る。
【0106】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置によれば、基準となる色成分の画像(K画像)だけで形成された部分で、K画像の濃度等の画質確認をすることが出来る。
【0107】
本発明に係る画像調整方法及び本発明に係る画像形成装置によれば、画質確認画像の品質が不良な場合には、色合わせ調整を実施しても正確な調整が出来ないことが予測出来るので、色合わせ調整画像の形成を行わずに、色合わせ調整を停止することで、無駄な画像形成を未然に防ぐことが出来、不要な現像剤の消費を減らすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る調整方法を実行する本発明に係る画像形成装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置の正面から見た縦断面を示す模式的断面図である。
【図3】レジストレーション検出センサ及び転写ベルトの位置関係の例を示す説明図である。
【図4】基準パッチ画像(基準ライン)及び調整パッチ画像(調整ライン)の例を示す説明図である。
【図5】転写ベルト上に形成された副走査方向の第1の色合わせ調整における基準ライン及び調整ラインの例を示す説明図である。
【図6】転写ベルト上に形成された副走査方向の第2の色合わせ調整における基準ライン及び調整ラインの例を示す説明図である。
【図7】転写ベルト上に形成された副走査方向の第3の色合わせ調整における基準ライン及び調整ラインの例を示す説明図である。
【図8】レジストレーション検出センサの検出値の例を示す説明図である。
【図9】転写ベルト上に形成された主走査方向の第1の色合わせ調整における基準ライン及び調整ラインの例を示す説明図である。
【図10】転写ベルト上に形成された主走査方向の第2の色合わせ調整における基準ライン及び調整ラインの例を示す説明図である。
【図11】転写ベルト上に形成された主走査方向の第3の色合わせ調整における基準ライン及び調整ラインの例を示す説明図である。
【図12】本発明に係る画像形成装置の画像調整方法を示すフローチャートである。
【図13】レジストレーション検出センサの色別の検出値の例を示す説明図である。
【図14】画像品質を確認する為の画像の例を示す説明図である。
【図15】本発明に係る画像形成装置の画像調整方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る画像形成装置の画像調整方法を示すフローチャートである。
【図17】画像品質を確認する為の画像を転写ベルト上に形成した後、引き続き、各色の色合わせ調整用の検出用パターンを形成する様子を示す模式図である。
【図18】画像品質を確認する為の画像を、転写ベルト上に形成する様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d 露光ユニット
2a、2b、2c、2d 現像器
3a、3b、3c、3d 感光体ドラム
4a,4b、4c、4d クリーナユニット
5a、5b、5c、5d 帯電器
6a、6b、6c、6d 転写ローラ(転写手段)
7 転写ベルト(転写媒体)
21 レジストレーション検出センサ(検出手段)
22 湿温度センサ
40 制御部
43 パターンデータ記憶部
44 調整値記憶部
47 転写部(転写手段)
48 操作部
50 画像形成部(画像形成手段)
100 画像形成装置
Claims (12)
- 複数の色成分それぞれに基づく画像を形成し、形成した画像をそれぞれ転写媒体上に転写して画質判定画像を形成し、形成した該画質判定画像の濃度を検出し、検出した濃度に基づき、前記画質判定画像の画質を判定すると共に、前記複数の色成分のうち、基準となる色成分の基準画像に、調整対象となる他の色成分の調整対象画像を、前記転写媒体上に重ねて転写して調整画像を形成し、形成した調整画像の濃度を検出し、検出した濃度に基づき、前記他の色成分の画像形成位置を調整する画像形成装置の画像調整方法であって、
前記調整画像の形成は、前記画質判定画像を形成した後に行うことを特徴とする画像調整方法。 - 前記調整画像の形成は、前記画質判定画像の画質を判定した後、引き続き行う請求項1記載の画像調整方法。
- 前記画質判定画像は、基準となる色成分の画像に重ねて、調整の対象となる他の色成分の複数の画像をそれぞれ第1間隔で並べて形成してある請求項1又は2記載の画像調整方法。
- 前記調整画像は、第2間隔で並べて形成した複数の前記基準画像に、複数の前記調整対象画像をそれぞれ重ねて形成してあり、前記第1間隔は前記第2間隔と等しくしてある請求項3記載の画像調整方法。
- 前記画質判定画像は、基準となる色成分の画像のみで形成された部分を含む請求項3又は4記載の画像調整方法。
- 前記画質判定画像の画質を判定した結果、所定の画質に達しないときは、前記調整画像を形成しない請求項1乃至5記載の画像調整方法。
- 複数の色成分それぞれに基づく画像を形成する各画像形成手段と、該各画像形成手段が形成した画像を、重ね合わすべくそれぞれ転写媒体上に転写する各転写手段と、該各転写手段が転写媒体上に転写して形成した画質判定画像の濃度を検出する検出手段と、該検出手段が検出した濃度に基づき、前記画質判定画像の画質を判定する画質判定手段と、前記各転写手段が、前記複数の色成分のうち、基準となる色成分の基準画像に、調整対象となる他の色成分の調整対象画像を、前記転写媒体上に重ねて転写して形成した調整画像の濃度を、前記検出手段が検出し、該検出手段が検出した濃度に基づき、前記他の色成分の画像形成位置を調整する手段とを備えた画像形成装置であって、
前記各転写手段は、前記画質判定画像を形成した後、前記調整画像を形成すべくなしてあることを特徴とする画像形成装置。 - 前記各転写手段は、前記画質判定手段が画質を判定した後、引き続き前記調整画像を形成すべくなしてある請求項7記載の画像形成装置。
- 前記画質判定画像は、基準となる色成分の画像に重ねて、調整の対象となる色成分の複数の画像をそれぞれ第1間隔で並べて形成してある請求項7又は8記載の画像形成装置。
- 前記調整画像は、第2間隔で並べて形成した複数の前記基準画像に、複数の前記調整対象画像をそれぞれ重ねて形成してあり、前記第1間隔は前記第2間隔と等しくすべくなしてある請求項9記載の画像形成装置。
- 前記画質判定画像は、基準となる色成分の画像のみで形成された部分を含むべくなしてある請求項9又は10記載の画像形成装置。
- 前記画質判定手段の判定結果が、所定の画質に達しないときは、前記各転写手段は、前記調整画像を形成しないようになしてある請求項7乃至11記載の画像形成装置。
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