JP2004101787A - 画像形成装置及び現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストレスなく均一な現像剤層を現像剤搬送ロール上に形成することを可能とし、湿度や温度などの環境の変動においても安定した帯電特性を示す画像形成装置及び現像装置を提供する。
【解決手段】現像装置18には、絶縁性の現像剤搬送ロール28と導電性の現像剤供給ロール30とが対向して配置されている。現像剤42は導電性であり、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30との間に電界が形成され、この電界によって現像剤42を現像剤供給ロール28から現像剤搬送ロールへ移動させ、現像剤42が形成する電界により中和させることによって現像剤搬送ロール28上に現像剤の薄層を形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】現像装置18には、絶縁性の現像剤搬送ロール28と導電性の現像剤供給ロール30とが対向して配置されている。現像剤42は導電性であり、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30との間に電界が形成され、この電界によって現像剤42を現像剤供給ロール28から現像剤搬送ロールへ移動させ、現像剤42が形成する電界により中和させることによって現像剤搬送ロール28上に現像剤の薄層を形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置、及びこれに用いられる現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像データを用紙等の記録媒体上に可視像として形成する方法としては、電子写真方式を用いた方法が広く知られている。この方法は、帯電した静電潜像担持体に対し露光装置により静電潜像が書き込まれ、帯電した粒子で静電潜像を可視化し、記録媒体に可視化された粒子を転写し、定着装置により定着することで記録媒体上に画像を形成するものである。従来の画像形成装置の多くは、現像剤として絶縁性の現像剤を用いており、現像剤の帯電の多くは摩擦帯電を用いたものである。
【0003】従来の2成分現像方式においては、トナーと摩擦帯電序列において隔たっているキャリアとを混合撹拌することでトナーに電荷を与えることができた。しかし長期間にわたるトナーとの接触/衝突によりトナーに外添された帯電制御剤が遊離しキャリア表面を汚染し、それらの影響によりトナーに電荷を与えることが出来なくなり、キャリアの交換が必要となる欠点があった。またトナーとキャリアの混合比を一定に保つためのトナー濃度コントロール装置やトナー撹拌装置、トナー担持体内にマグネットが必要であったりして、装置の複雑化が避けられなかった。
【0004】これら2成分現像方式の短所を克服するものとして1成分現像方式が提案されており、トナー担持体に弾性部材からなるブレードと呼ばれるトナー層形成部材を接触させ、トナー担持体上にトナー層を形成すると同時に、トナー層形成部材によりトナーを摩擦帯電し、トナーに電荷を与えていた。しかし一般にブレードによるトナー帯電能力は低く、すべてのトナーを十分帯電することが難しく、所望の極性とは逆に帯電した所謂逆極性トナーが存在し、その逆極性トナーにより地かぶりが発生するという欠点を有していた。すなわち、ブレードでの摩擦帯電においてはトナーがブレードと接触する確率が低く、特に微小トナーは摩擦帯電されずに層形成箇所を通過してしまいトナーが十分に帯電されないことがある。そこで摩擦帯電性を促進するためにトナー層形成部材のトナーへの圧力を増加させると短い時間で摩擦熱によりトナーのバインダー樹脂が溶けブレードに付着し、トナーをせき止めることにより白筋が発生するという問題が生じる。
【0005】また、摩擦帯電を用いた現像剤帯電方法では湿度などの外部環境の変化により帯電量に変化が生じたり、帯電分布が均一になりにくいという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の現像剤帯電方法は主に摩擦帯電を用いており、トナーはブレードとの強い押し付け力や、キャリアとの衝突力などによりストレスをうけている。このストレスにより現像剤の帯電や流動性、転写性などを制御している外添剤がはがれ落ちたり、現像剤に埋まりこんだりすることで現像剤の帯電性や流動性が悪化し、画質劣化などの原因となっている。また、摩擦帯電では湿度などの外部環境によりその帯電量が一定とならない問題もある。
さらに、摩擦帯電によるトナー帯電は全体を均一に帯電することが難しく、帯電分布が広く、現像剤を補給した直後の帯電の立ち上がりが悪いなどの問題があり、カブリなどの画質劣化の原因となっている。
また、非画像部へのトナー飛翔を防止する手段として、トナーの帯電量を高く設定し使う方法が現在用いられているが、そのような場合、電位コントラストを大きくとるために帯電電位を高く設定する必要があり、感光体の劣化促進の要因となっている。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解消し、導電性現像剤を用い注入もしくは分極により現像剤を所望の極性に帯電させ、現像剤搬送ロール上に薄層に形成することで、ストレスなく均一な現像剤層を現像剤搬送ロール上に形成することを可能とし、湿度や温度などの環境の変動においても安定した帯電特性を示す画像形成装置及び現像装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の特徴とするところは、静電潜像が形成される静電潜像担持体と、該静電潜像担持体に現像剤を搬送する現像剤搬送ロールとを有する画像形成装置において、前記現像剤を導電性とし、該現像剤を前記現像剤搬送ロールに供給する現像剤供給部と、この現像剤供給部にあって前記現像剤搬送ロールとの間で電界を形成する電界形成手段とを設け、この電界形成手段によって前記現像剤を前記現像剤搬送ロールに移動させ、現像剤が形成する電界により電界形成手段の電界を中和させることによって前記現像剤搬送ロールに現像剤の薄層を形成する画像形成装置にある。導電性現像剤は、電界形成手段により電荷が注入又は分極により所望の極性に帯電し、現像剤搬送ロール上に薄層を形成することができる。
【0009】好ましい1つの態様は、前記現像剤搬送ロールに対して非接触に現像剤供給ロールを前記現像剤供給部に配置し、前記電界形成手段は、前記現像剤搬送ロールと前記現像剤供給ロールとの間に電界を形成する。
【0010】前記現像剤供給ロールの少なくとも表面は導電性であることが好ましい。また、前記現像剤供給ロールにより前記現像剤搬送ロールに供給される現像剤が前記現像剤搬送ロールと非接触となるようにすることができる。このように、現像剤が現像剤搬送ロールと非接触であると、現像剤供給ロールから現像剤搬送ロールへ現像剤が飛翔し、この飛翔した現像剤が現像剤搬送ロールに堆積し、現像剤搬送ロールに一定以上の帯電した現像剤が堆積すると、飛翔した現像剤が作る電界により現像剤搬送ロールと現像剤供給ロールとの間の電界が中和されるため、現像剤搬送ロールには、一定厚の現像剤からなる層が形成されるものである。
【0011】さらに、前記現像剤供給ロールの表面には、現像剤を搬送しやすいようにするため、凹凸を形成することが好ましい。この表面凹凸は、サンドブラスト等により不規則に形成することもできるし、軸方向に規則的に形成することもできる。不規則に凹凸を形成する場合は、十点平均表面粗さRzが10μm以上であることが好ましい。
【0012】好ましい他の態様は、前記現像剤搬送ロールに対して非接触に電極部を前記現像剤供給部に配置し、前記電界形成手段は、前記現像剤搬送ロールと前記電極部との間に電界を形成する。
【0013】前記現像剤搬送ロールと電極部との間に現像剤を供給して現像剤が前記現像剤搬送ロールと接触させることができる。このように、現像剤が現像剤搬送ロールに接触していると、現像剤供給ロールから現像剤搬送ロールへ現像剤が移動して付着し、この付着した現像剤が現像剤搬送ロールに堆積し、現像剤搬送ロールに一定以上の帯電した現像剤が堆積すると、堆積した現像剤が作る電界により現像剤搬送ロールと現像剤供給ロールとの間の電界が中和されるため、現像剤搬送ロールには、一定厚の現像剤からなる層が形成されるものである。
【0014】このような2つの態様において、前記現像剤搬送ロールの少なくとも表面を絶縁性とすることが好ましい。また、前記現像剤には導電性微粉末を含み、該導電性微粉末の固有抵抗値が1010Ω・cm以下にすることができる。さらに、前記現像剤のバインダ中に分散された磁性微粒子を含み、現像剤中の磁性微粒子の量が50重量%以下にすることができる。さらに、前記現像剤搬送ロールに接触するシール部を前記静電担持体と対向する現像部の下流側に設け、このシール部を導電性とすることができる。このシール部において、画像形成に用いられずに現像部を通過した後の現像剤の電荷を除去し、再使用する場合は再度電荷を注入又は分極させ、画像残り等の画像欠陥を防止することが可能となる。
【0015】本発明は、少なくとも表面が絶縁性の現像剤搬送ロールと、この現像剤搬送ロールに対向して配置され、少なくとも表面が導電性の現像剤供給ロールとを有し、前記現像剤搬送ロールと前記現像剤供給ロールとの間に電界を形成するようにしたことを特徴とする現像装置を含む。また、少なくとも表面が絶縁性の現像剤搬送ロールと、この現像剤搬送ロールに対向して配置された電極部とを有し、前記現像剤搬送ロールと前記電極部との間に電界を形成するようにしたことを特徴とする現像装置を含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、静電潜像担持体12は、例えば図中時計方向に回転する感光体であり、この静電潜像担持体12の周囲には、例えば接触式の帯電ロールである帯電装置14と、例えばレーザ露光装置である光書込み装置16と、後述する現像装置18と、例えば転写ロールである転写装置20と、例えばブラシロールであるクリーニング装置22とが順次配置されている。帯電装置14により静電潜像担持体12の表面が一様にマイナス帯電される。このマイナス帯電された静電潜像担持体12には、光書込み装置16により、画像データに対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置18により現像剤で現像され、静電潜像担持体12と転写装置20との間を通過する記録媒体24に転写される。静電潜像担持体12に残った現像剤は、クリーニング装置22によりクリーニングされる。
【0017】転写装置20の後流側に定着装置を設け、この定着装置により記録媒体上の現像剤を記録媒体に定着することもできるが、この第1の実施形態においては、転写装置20が定着装置を兼用しており、転写ロールにはヒータが設けられ、静電潜像担持体12からの現像剤は、転写装置20を記録媒体が通過する際に記録媒体へ転写されるのと同時に、加圧と加熱により定着される。
【0018】図2において、本発明の第1の実施形態に係る現像装置18が示されている。現像装置18は、筺体26内に現像剤搬送ロール28、現像剤供給ロール30、層規制部材32及び攪拌装置34が配置されている。現像剤搬送ロール28は、前述した静電潜像担持体とは非接触で現像部をもって対向しており、図中反時計方向に回転する。この現像剤搬送ロール28と静電潜像担持体との間には、例えば交流に直流を重畳した電圧が印加され、この現像剤搬送ロール28によって静電潜像担持体と対向する現像部まで搬送された現像剤が静電潜像担持体上に形成された潜像部分に飛翔し、現像が行われる。この現像剤搬送ロール28は、少なくとも表面が絶縁性材料からなる絶縁性ロールとして構成することが好ましい。
【0019】現像剤供給ロール30は、現像剤搬送ロールの斜め下方で筺体26内に設けられた現像剤供給部36内にあって、現像剤搬送ロール28とは非接触に配置され、図中反時計方向に回転する。この現像剤供給ロール30は、少なくとも表面が導電性材料からなる導電性ロールとして構成することが好ましい。
【0020】また、この現像剤供給ロール30の表面は、サンドブラスト等により不規則な凹凸を形成することができる。図3に示すように、この表面凹凸の十点平均表面粗さRz(以下、表面粗さRzという。)は、10μm以上であることが好ましい。現像剤供給ロール30による現像剤供給の最低量としては、ベタ画像1層分の量を確保する必要があることから、0.5mg/cm2程度である。図3に示すように、現像剤供給ロール30の表面粗さRzが10μm以上であればこの最低量を確保できることがわかる。ただし、さらに安定供給しようとする場合は、表面粗さRzを20μm以上にすることが好ましい。
【0021】このように不規則な凹凸を現像剤供給ロール30の表面に形成してもよいが、軸方向に規則的に凹凸を形成して現像剤を搬送できるようにしてもよい。即ち、図4(a)に示すように、V字上の溝38を軸方向に所定間隔を隔てて全周に渡って多数形成してもよいし、図4(b)に示すように、方形の溝40を軸方向に所定間隔を隔てて全周に渡って多数形成してもよい。また、この現像剤供給ロール30を磁性ロールとし、後述するように、現像剤に磁性を持たせた場合は、磁力により現像剤を搬送するようにしてもよい。
【0022】層規制部材32は、現像剤供給ロール30の上方に配置され、この層規制部材32の下部先端が現像剤供給ロール30の表面から所定間隔を隔てるようにしてある。即ち、現像剤供給ロール30上の現像剤42は、この層規制部材32によって、現像剤42が現像剤搬送ロール28と非接触となるようその層厚を規制される。
【0023】攪拌装置34は、例えば螺旋状のアジテータから構成され、筺体26内に搬入された現像剤42を攪拌し、図中時計方向に回転して現像剤供給部36へ送り出す。
【0024】現像剤42は、バインダ中に導電性微粉末を含む導電性現像剤として構成されている。導電性微粉末としては、SnO2等のような無機物を用いることができ、この導電性微粉末の固有抵抗値が1010Ω・cm以下であることが好ましい。固有抵抗値が1010Ω・cm以下であれば、後述する現像剤へ電荷を注入し又は現像剤の電荷を分極させる上で好都合である。また、現像剤42は、バインダ中に磁性微粒子を分散させて磁性を持たせることができる。現像剤中の磁性微粒子の添加量は、あまり多くなると、現像剤供給ロール30への保持力が強く現像剤搬送ロール28へ移動しなくなる。したがって、磁性微粒子の添加量は50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%である。
【0025】筺体26には、現像剤搬送ロール28を挟む形でシール部44a,44bが設けられている。これらシール部44a,44bは可撓性部材で構成され、筺体26内に形成されたクラウド等が筺体26と現像剤搬送ロール28との間から漏れるのを防止している。これらシール部44a,44bは、現像剤搬送ロール28とは非常に弱く接触しているため、現像剤の劣化を促進することはない。現像剤搬送ロール28が静電潜像担持体と対向する現像部よりも上流側にあるシール部44aに電圧を印加することで、薄層形成された現像剤層の帯電を制御することができる。また、現像部よりも下流側にあるシール部44bを導電性材料から構成し、画像形成に用いられず回収される現像剤の電荷を除去することで、画像残り等の画像欠陥を防止することができる。シール部44bのさらに下流側にスクレーバ46を設け、シール部44bとスクレーバ46で現像剤搬送ロール28から離した現像剤を回収部47に回収することもできる。
【0026】図5において、現像剤供給ロール28から現像剤搬送ロール30へ現像剤が移動する原理が示されている。現像剤搬送ロール28は、前述したように絶縁性で表面に絶縁層48が形成されている。この現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール28との間には、電界形成手段である電源装置50が介在され、この実施形態においては、現像剤搬送ロール28にはプラスの電圧を、現像剤供給ロール30にはマイナスの電圧をそれぞれ印加する。これにより、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30とが対向する部分において、現像剤供給ロール30から現像剤搬送ロール28へ所定量の現像剤42が飛翔して移動し、現像剤搬送ロール28に所定層厚の現像剤層が形成されるが、現像剤の素性により次の電荷注入ケース(A)と分極ケース(B)の2つの場合がある。
【0027】電荷注入ケース(A):現像剤供給ロール30上の現像剤42は、現像剤供給ロール30と同じ電位になるように電荷が注入される。電荷が注入された現像剤42は、現像剤供給ロール30と、現像剤搬送ロール28の作る電界により、現像剤搬送ロール28側に飛翔して現像剤搬送ロール28上に移動する。
現像剤搬送ロール28上に帯電した現像剤42が一定量堆積すると、現像剤42の電荷により、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30間の電界が弱くなり、現像剤42の移動は停止するので、現像剤搬送ロール30上の現像剤量は一定量に収束する。
【0028】分極ケース(B):現像剤供給ロール28上の現像剤42は、現像剤供給ロール30と、現像剤搬送ロール28の作る電界により現像剤内で分極が生じる。分極した現像剤42のうち現像剤搬送ロール28に近いものは、現像剤供給ロール30と、現像剤搬送ロール28の作る電界により、現像剤搬送ロール28に向けて飛翔し、現像剤搬送ロール28上に移動する。
現像剤搬送ロール28上に帯電した現像剤42が一定量堆積すると、現像剤42の電荷により、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30間の電界が弱くなり、現像剤42の移動は停止するので、現像剤搬送ロール28上の現像剤量は一定量に収束する。
【0029】図6において、本発明に係る第2の実施形態が示されている。前述した第1の実施形態と比較すると、第1の実施形態においては現像剤が現像剤搬送ロールと非接触であったのに対し、この第2の実施形態においては、現像剤42が現像剤搬送ロール28と接触するようにしてある点で異なる。
【0030】即ち、この第2の実施形態においては、現像剤供給ロールの代わりに電極部52が現像剤供給部36内に配置されている。この電極部52は例えば板状に形成され、現像剤搬送ロール28の近傍に設けられている。この電極部52と現像剤搬送ロール28との間に現像剤42が攪拌装置34により常に供給されるようになっている。また、この電極部52と現像剤搬送ロール28との間には、前述した第1の実施形態と同様に電界を形成するために電圧が印加されている。
【0031】このように、現像剤42が現像剤搬送ロール28に接触する場合も同様に、現像剤42が現像剤搬送ロール28に移動し、現像剤42が形成する電界により電界形成手段の電界を中和させることによって現像剤搬送ロール28に現像剤42の薄層が形成される。この第2の実施形態においても現像剤42が現像剤搬送ロールに移動するには、前述した第1の実施形態と同様に現像剤42に電荷が注入される場合と現像剤42内で分極する2つの場合がある。
ただし、この第2の実施形態における現像剤42は、磁性を有する必要はなく、導電性であればよい。
なお、前述した第1の実施形態と同一部分については、図面に同一番号を付して説明を省略する。
【0032】次に本発明に係る実施例について説明する。
【0033】
【実施例1】画像形成装置は図1に示したものを、現像装置は図2に示したものをそれぞれ用いた。現像剤供給ロール30の表面はアルミニウムから構成され、この表面をサンドブラストにより表面粗さRzが20μmの不規則な凹凸を形成した。また、現像剤42は、ポリエステル樹脂100部に対し、シリカを1.0重量部、SnO2系の導電性無機微粉末を1.0重量部添加し、混合攪拌した後、ジェットミルにて粉砕し、風力式分級機でd50=8μmに分級したものを用いた。導電性微粉末の固有抵抗値は106Ω・cmのものを用いた。そして、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30との間には1000Vの電圧を印加した。
【0034】
【実施例2】実施例1と同様に、画像形成装置は図1に示したものを、現像装置は図2に示したものをそれぞれ用いた。現像剤供給ロール30の表面には、図4(a)で示したV字状の溝38を形成した。溝38は、ピッチ1.0mm、溝深さ0.3mmとした。また、現像剤42は、ポリエステル樹脂100部に対し、シリカを1.0重量部、SnO2系の導電性無機微粉末を1.0重量部、磁性微粉末を10重量部添加し、混合攪拌した後、ジェットミルにて粉砕し、風力式分級機でd50=8μmに分級したものを用いた。導電性微粉末の固有抵抗値は106Ω・cmのものを用いた。そして、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30との間には1000Vの電圧を印加した。
【0035】
【実施例3】画像形成装置は図1に示したものを、現像装置は図6に示したものをそれぞれ用いた。現像剤42は、実施例1と同一のものを用い、また、現像剤搬送ロール28と電極部52との間には1000Vの電圧を印加した。
【0036】上記実施例1〜3において、現像剤劣化テストを実施した。劣化テストは現像剤の消費がなく(白紙条件)、現像剤の供給もない条件で現像装置を空回しトナーの劣化度合いを従来の現像方法である1成分方式、2成分方式それぞれと比較した。
比較の結果、多少の劣化は確認されたものの図7に示すように、実施例1〜3は、従来に比べかなり劣化度合いが低いことが確認できた。図7において、縦軸は、劣化度合として帯電量の現象割合をパーセントで示し、最初に現像剤を投入した直後を100%としてあり、横軸はプリント枚数である。
また、従来の摩擦帯電では問題であった帯電量の環境変化度合いを比較したところ、図8に示すように、低温低湿、高温高湿環境においても帯電量の差が少ないことが確認できた。1成分方式では、帯電が不十分で帯電しないトナーや、逆の極性に帯電したトナーが見られ、環境の変化によっても帯電の分布が変化している。
2成分方式では、環境の変化によって帯電の分布が変化するとともに、消費した分のトナーを追加した場合に、後から追加されたトナーの帯電の立ち上がりが遅いため帯電分布が広くなる問題が生じる。低い帯電のトナーの帯電極性を正規の帯電極性に保つために帯電能力を上げると絶対的な帯電量が高くなる。
実施例1〜3のいずれにおいても、帯電分布は全体的に帯電量が低く、分布が狭く、環境の変化による帯電量のばらつきも低く抑えられている。
【0037】なお、上記実施形態及び実施例においては、単色の画像形成装置に本発明を適用した場合について述べたが、本発明は、これに限定されるものではなく、現像装置を複数設けることによりカラー画像形成装置に適用できるものである。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、導電性現像剤を用い注入もしくは分極により現像剤を所望の極性に帯電させ、現像剤搬送ロール上に薄層に形成するようにしたので、ストレスなく均一な現像剤層を現像剤搬送ロール上に形成することを可能とし、湿度や温度などの環境の変動に対して安定した帯電特性を示す画像形成装置及び現像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いた現像装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における現像剤供給ロールの現像剤搬送量と表面粗さとの関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第1の実施形態における現像剤供給ロールの表面を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る現像剤搬送ロールと現像剤供給ロールの対向部分を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置に用いた現像装置を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例を従来例と比較した劣化テストの結果を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例を従来例と比較した環境による帯電特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 画像形成装置
12 静電潜像担持体
14 帯電装置
16 光書込み装置
18 現像装置
20 転写装置
28 現像剤搬送ロール
30 現像剤供給ロール
32 層規制部材
34 攪拌装置
36 現像剤供給部
38,40 溝
42 現像剤
44a,44b シール部
50 電源装置
52 電極部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置、及びこれに用いられる現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像データを用紙等の記録媒体上に可視像として形成する方法としては、電子写真方式を用いた方法が広く知られている。この方法は、帯電した静電潜像担持体に対し露光装置により静電潜像が書き込まれ、帯電した粒子で静電潜像を可視化し、記録媒体に可視化された粒子を転写し、定着装置により定着することで記録媒体上に画像を形成するものである。従来の画像形成装置の多くは、現像剤として絶縁性の現像剤を用いており、現像剤の帯電の多くは摩擦帯電を用いたものである。
【0003】従来の2成分現像方式においては、トナーと摩擦帯電序列において隔たっているキャリアとを混合撹拌することでトナーに電荷を与えることができた。しかし長期間にわたるトナーとの接触/衝突によりトナーに外添された帯電制御剤が遊離しキャリア表面を汚染し、それらの影響によりトナーに電荷を与えることが出来なくなり、キャリアの交換が必要となる欠点があった。またトナーとキャリアの混合比を一定に保つためのトナー濃度コントロール装置やトナー撹拌装置、トナー担持体内にマグネットが必要であったりして、装置の複雑化が避けられなかった。
【0004】これら2成分現像方式の短所を克服するものとして1成分現像方式が提案されており、トナー担持体に弾性部材からなるブレードと呼ばれるトナー層形成部材を接触させ、トナー担持体上にトナー層を形成すると同時に、トナー層形成部材によりトナーを摩擦帯電し、トナーに電荷を与えていた。しかし一般にブレードによるトナー帯電能力は低く、すべてのトナーを十分帯電することが難しく、所望の極性とは逆に帯電した所謂逆極性トナーが存在し、その逆極性トナーにより地かぶりが発生するという欠点を有していた。すなわち、ブレードでの摩擦帯電においてはトナーがブレードと接触する確率が低く、特に微小トナーは摩擦帯電されずに層形成箇所を通過してしまいトナーが十分に帯電されないことがある。そこで摩擦帯電性を促進するためにトナー層形成部材のトナーへの圧力を増加させると短い時間で摩擦熱によりトナーのバインダー樹脂が溶けブレードに付着し、トナーをせき止めることにより白筋が発生するという問題が生じる。
【0005】また、摩擦帯電を用いた現像剤帯電方法では湿度などの外部環境の変化により帯電量に変化が生じたり、帯電分布が均一になりにくいという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の現像剤帯電方法は主に摩擦帯電を用いており、トナーはブレードとの強い押し付け力や、キャリアとの衝突力などによりストレスをうけている。このストレスにより現像剤の帯電や流動性、転写性などを制御している外添剤がはがれ落ちたり、現像剤に埋まりこんだりすることで現像剤の帯電性や流動性が悪化し、画質劣化などの原因となっている。また、摩擦帯電では湿度などの外部環境によりその帯電量が一定とならない問題もある。
さらに、摩擦帯電によるトナー帯電は全体を均一に帯電することが難しく、帯電分布が広く、現像剤を補給した直後の帯電の立ち上がりが悪いなどの問題があり、カブリなどの画質劣化の原因となっている。
また、非画像部へのトナー飛翔を防止する手段として、トナーの帯電量を高く設定し使う方法が現在用いられているが、そのような場合、電位コントラストを大きくとるために帯電電位を高く設定する必要があり、感光体の劣化促進の要因となっている。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解消し、導電性現像剤を用い注入もしくは分極により現像剤を所望の極性に帯電させ、現像剤搬送ロール上に薄層に形成することで、ストレスなく均一な現像剤層を現像剤搬送ロール上に形成することを可能とし、湿度や温度などの環境の変動においても安定した帯電特性を示す画像形成装置及び現像装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の特徴とするところは、静電潜像が形成される静電潜像担持体と、該静電潜像担持体に現像剤を搬送する現像剤搬送ロールとを有する画像形成装置において、前記現像剤を導電性とし、該現像剤を前記現像剤搬送ロールに供給する現像剤供給部と、この現像剤供給部にあって前記現像剤搬送ロールとの間で電界を形成する電界形成手段とを設け、この電界形成手段によって前記現像剤を前記現像剤搬送ロールに移動させ、現像剤が形成する電界により電界形成手段の電界を中和させることによって前記現像剤搬送ロールに現像剤の薄層を形成する画像形成装置にある。導電性現像剤は、電界形成手段により電荷が注入又は分極により所望の極性に帯電し、現像剤搬送ロール上に薄層を形成することができる。
【0009】好ましい1つの態様は、前記現像剤搬送ロールに対して非接触に現像剤供給ロールを前記現像剤供給部に配置し、前記電界形成手段は、前記現像剤搬送ロールと前記現像剤供給ロールとの間に電界を形成する。
【0010】前記現像剤供給ロールの少なくとも表面は導電性であることが好ましい。また、前記現像剤供給ロールにより前記現像剤搬送ロールに供給される現像剤が前記現像剤搬送ロールと非接触となるようにすることができる。このように、現像剤が現像剤搬送ロールと非接触であると、現像剤供給ロールから現像剤搬送ロールへ現像剤が飛翔し、この飛翔した現像剤が現像剤搬送ロールに堆積し、現像剤搬送ロールに一定以上の帯電した現像剤が堆積すると、飛翔した現像剤が作る電界により現像剤搬送ロールと現像剤供給ロールとの間の電界が中和されるため、現像剤搬送ロールには、一定厚の現像剤からなる層が形成されるものである。
【0011】さらに、前記現像剤供給ロールの表面には、現像剤を搬送しやすいようにするため、凹凸を形成することが好ましい。この表面凹凸は、サンドブラスト等により不規則に形成することもできるし、軸方向に規則的に形成することもできる。不規則に凹凸を形成する場合は、十点平均表面粗さRzが10μm以上であることが好ましい。
【0012】好ましい他の態様は、前記現像剤搬送ロールに対して非接触に電極部を前記現像剤供給部に配置し、前記電界形成手段は、前記現像剤搬送ロールと前記電極部との間に電界を形成する。
【0013】前記現像剤搬送ロールと電極部との間に現像剤を供給して現像剤が前記現像剤搬送ロールと接触させることができる。このように、現像剤が現像剤搬送ロールに接触していると、現像剤供給ロールから現像剤搬送ロールへ現像剤が移動して付着し、この付着した現像剤が現像剤搬送ロールに堆積し、現像剤搬送ロールに一定以上の帯電した現像剤が堆積すると、堆積した現像剤が作る電界により現像剤搬送ロールと現像剤供給ロールとの間の電界が中和されるため、現像剤搬送ロールには、一定厚の現像剤からなる層が形成されるものである。
【0014】このような2つの態様において、前記現像剤搬送ロールの少なくとも表面を絶縁性とすることが好ましい。また、前記現像剤には導電性微粉末を含み、該導電性微粉末の固有抵抗値が1010Ω・cm以下にすることができる。さらに、前記現像剤のバインダ中に分散された磁性微粒子を含み、現像剤中の磁性微粒子の量が50重量%以下にすることができる。さらに、前記現像剤搬送ロールに接触するシール部を前記静電担持体と対向する現像部の下流側に設け、このシール部を導電性とすることができる。このシール部において、画像形成に用いられずに現像部を通過した後の現像剤の電荷を除去し、再使用する場合は再度電荷を注入又は分極させ、画像残り等の画像欠陥を防止することが可能となる。
【0015】本発明は、少なくとも表面が絶縁性の現像剤搬送ロールと、この現像剤搬送ロールに対向して配置され、少なくとも表面が導電性の現像剤供給ロールとを有し、前記現像剤搬送ロールと前記現像剤供給ロールとの間に電界を形成するようにしたことを特徴とする現像装置を含む。また、少なくとも表面が絶縁性の現像剤搬送ロールと、この現像剤搬送ロールに対向して配置された電極部とを有し、前記現像剤搬送ロールと前記電極部との間に電界を形成するようにしたことを特徴とする現像装置を含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、静電潜像担持体12は、例えば図中時計方向に回転する感光体であり、この静電潜像担持体12の周囲には、例えば接触式の帯電ロールである帯電装置14と、例えばレーザ露光装置である光書込み装置16と、後述する現像装置18と、例えば転写ロールである転写装置20と、例えばブラシロールであるクリーニング装置22とが順次配置されている。帯電装置14により静電潜像担持体12の表面が一様にマイナス帯電される。このマイナス帯電された静電潜像担持体12には、光書込み装置16により、画像データに対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置18により現像剤で現像され、静電潜像担持体12と転写装置20との間を通過する記録媒体24に転写される。静電潜像担持体12に残った現像剤は、クリーニング装置22によりクリーニングされる。
【0017】転写装置20の後流側に定着装置を設け、この定着装置により記録媒体上の現像剤を記録媒体に定着することもできるが、この第1の実施形態においては、転写装置20が定着装置を兼用しており、転写ロールにはヒータが設けられ、静電潜像担持体12からの現像剤は、転写装置20を記録媒体が通過する際に記録媒体へ転写されるのと同時に、加圧と加熱により定着される。
【0018】図2において、本発明の第1の実施形態に係る現像装置18が示されている。現像装置18は、筺体26内に現像剤搬送ロール28、現像剤供給ロール30、層規制部材32及び攪拌装置34が配置されている。現像剤搬送ロール28は、前述した静電潜像担持体とは非接触で現像部をもって対向しており、図中反時計方向に回転する。この現像剤搬送ロール28と静電潜像担持体との間には、例えば交流に直流を重畳した電圧が印加され、この現像剤搬送ロール28によって静電潜像担持体と対向する現像部まで搬送された現像剤が静電潜像担持体上に形成された潜像部分に飛翔し、現像が行われる。この現像剤搬送ロール28は、少なくとも表面が絶縁性材料からなる絶縁性ロールとして構成することが好ましい。
【0019】現像剤供給ロール30は、現像剤搬送ロールの斜め下方で筺体26内に設けられた現像剤供給部36内にあって、現像剤搬送ロール28とは非接触に配置され、図中反時計方向に回転する。この現像剤供給ロール30は、少なくとも表面が導電性材料からなる導電性ロールとして構成することが好ましい。
【0020】また、この現像剤供給ロール30の表面は、サンドブラスト等により不規則な凹凸を形成することができる。図3に示すように、この表面凹凸の十点平均表面粗さRz(以下、表面粗さRzという。)は、10μm以上であることが好ましい。現像剤供給ロール30による現像剤供給の最低量としては、ベタ画像1層分の量を確保する必要があることから、0.5mg/cm2程度である。図3に示すように、現像剤供給ロール30の表面粗さRzが10μm以上であればこの最低量を確保できることがわかる。ただし、さらに安定供給しようとする場合は、表面粗さRzを20μm以上にすることが好ましい。
【0021】このように不規則な凹凸を現像剤供給ロール30の表面に形成してもよいが、軸方向に規則的に凹凸を形成して現像剤を搬送できるようにしてもよい。即ち、図4(a)に示すように、V字上の溝38を軸方向に所定間隔を隔てて全周に渡って多数形成してもよいし、図4(b)に示すように、方形の溝40を軸方向に所定間隔を隔てて全周に渡って多数形成してもよい。また、この現像剤供給ロール30を磁性ロールとし、後述するように、現像剤に磁性を持たせた場合は、磁力により現像剤を搬送するようにしてもよい。
【0022】層規制部材32は、現像剤供給ロール30の上方に配置され、この層規制部材32の下部先端が現像剤供給ロール30の表面から所定間隔を隔てるようにしてある。即ち、現像剤供給ロール30上の現像剤42は、この層規制部材32によって、現像剤42が現像剤搬送ロール28と非接触となるようその層厚を規制される。
【0023】攪拌装置34は、例えば螺旋状のアジテータから構成され、筺体26内に搬入された現像剤42を攪拌し、図中時計方向に回転して現像剤供給部36へ送り出す。
【0024】現像剤42は、バインダ中に導電性微粉末を含む導電性現像剤として構成されている。導電性微粉末としては、SnO2等のような無機物を用いることができ、この導電性微粉末の固有抵抗値が1010Ω・cm以下であることが好ましい。固有抵抗値が1010Ω・cm以下であれば、後述する現像剤へ電荷を注入し又は現像剤の電荷を分極させる上で好都合である。また、現像剤42は、バインダ中に磁性微粒子を分散させて磁性を持たせることができる。現像剤中の磁性微粒子の添加量は、あまり多くなると、現像剤供給ロール30への保持力が強く現像剤搬送ロール28へ移動しなくなる。したがって、磁性微粒子の添加量は50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%である。
【0025】筺体26には、現像剤搬送ロール28を挟む形でシール部44a,44bが設けられている。これらシール部44a,44bは可撓性部材で構成され、筺体26内に形成されたクラウド等が筺体26と現像剤搬送ロール28との間から漏れるのを防止している。これらシール部44a,44bは、現像剤搬送ロール28とは非常に弱く接触しているため、現像剤の劣化を促進することはない。現像剤搬送ロール28が静電潜像担持体と対向する現像部よりも上流側にあるシール部44aに電圧を印加することで、薄層形成された現像剤層の帯電を制御することができる。また、現像部よりも下流側にあるシール部44bを導電性材料から構成し、画像形成に用いられず回収される現像剤の電荷を除去することで、画像残り等の画像欠陥を防止することができる。シール部44bのさらに下流側にスクレーバ46を設け、シール部44bとスクレーバ46で現像剤搬送ロール28から離した現像剤を回収部47に回収することもできる。
【0026】図5において、現像剤供給ロール28から現像剤搬送ロール30へ現像剤が移動する原理が示されている。現像剤搬送ロール28は、前述したように絶縁性で表面に絶縁層48が形成されている。この現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール28との間には、電界形成手段である電源装置50が介在され、この実施形態においては、現像剤搬送ロール28にはプラスの電圧を、現像剤供給ロール30にはマイナスの電圧をそれぞれ印加する。これにより、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30とが対向する部分において、現像剤供給ロール30から現像剤搬送ロール28へ所定量の現像剤42が飛翔して移動し、現像剤搬送ロール28に所定層厚の現像剤層が形成されるが、現像剤の素性により次の電荷注入ケース(A)と分極ケース(B)の2つの場合がある。
【0027】電荷注入ケース(A):現像剤供給ロール30上の現像剤42は、現像剤供給ロール30と同じ電位になるように電荷が注入される。電荷が注入された現像剤42は、現像剤供給ロール30と、現像剤搬送ロール28の作る電界により、現像剤搬送ロール28側に飛翔して現像剤搬送ロール28上に移動する。
現像剤搬送ロール28上に帯電した現像剤42が一定量堆積すると、現像剤42の電荷により、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30間の電界が弱くなり、現像剤42の移動は停止するので、現像剤搬送ロール30上の現像剤量は一定量に収束する。
【0028】分極ケース(B):現像剤供給ロール28上の現像剤42は、現像剤供給ロール30と、現像剤搬送ロール28の作る電界により現像剤内で分極が生じる。分極した現像剤42のうち現像剤搬送ロール28に近いものは、現像剤供給ロール30と、現像剤搬送ロール28の作る電界により、現像剤搬送ロール28に向けて飛翔し、現像剤搬送ロール28上に移動する。
現像剤搬送ロール28上に帯電した現像剤42が一定量堆積すると、現像剤42の電荷により、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30間の電界が弱くなり、現像剤42の移動は停止するので、現像剤搬送ロール28上の現像剤量は一定量に収束する。
【0029】図6において、本発明に係る第2の実施形態が示されている。前述した第1の実施形態と比較すると、第1の実施形態においては現像剤が現像剤搬送ロールと非接触であったのに対し、この第2の実施形態においては、現像剤42が現像剤搬送ロール28と接触するようにしてある点で異なる。
【0030】即ち、この第2の実施形態においては、現像剤供給ロールの代わりに電極部52が現像剤供給部36内に配置されている。この電極部52は例えば板状に形成され、現像剤搬送ロール28の近傍に設けられている。この電極部52と現像剤搬送ロール28との間に現像剤42が攪拌装置34により常に供給されるようになっている。また、この電極部52と現像剤搬送ロール28との間には、前述した第1の実施形態と同様に電界を形成するために電圧が印加されている。
【0031】このように、現像剤42が現像剤搬送ロール28に接触する場合も同様に、現像剤42が現像剤搬送ロール28に移動し、現像剤42が形成する電界により電界形成手段の電界を中和させることによって現像剤搬送ロール28に現像剤42の薄層が形成される。この第2の実施形態においても現像剤42が現像剤搬送ロールに移動するには、前述した第1の実施形態と同様に現像剤42に電荷が注入される場合と現像剤42内で分極する2つの場合がある。
ただし、この第2の実施形態における現像剤42は、磁性を有する必要はなく、導電性であればよい。
なお、前述した第1の実施形態と同一部分については、図面に同一番号を付して説明を省略する。
【0032】次に本発明に係る実施例について説明する。
【0033】
【実施例1】画像形成装置は図1に示したものを、現像装置は図2に示したものをそれぞれ用いた。現像剤供給ロール30の表面はアルミニウムから構成され、この表面をサンドブラストにより表面粗さRzが20μmの不規則な凹凸を形成した。また、現像剤42は、ポリエステル樹脂100部に対し、シリカを1.0重量部、SnO2系の導電性無機微粉末を1.0重量部添加し、混合攪拌した後、ジェットミルにて粉砕し、風力式分級機でd50=8μmに分級したものを用いた。導電性微粉末の固有抵抗値は106Ω・cmのものを用いた。そして、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30との間には1000Vの電圧を印加した。
【0034】
【実施例2】実施例1と同様に、画像形成装置は図1に示したものを、現像装置は図2に示したものをそれぞれ用いた。現像剤供給ロール30の表面には、図4(a)で示したV字状の溝38を形成した。溝38は、ピッチ1.0mm、溝深さ0.3mmとした。また、現像剤42は、ポリエステル樹脂100部に対し、シリカを1.0重量部、SnO2系の導電性無機微粉末を1.0重量部、磁性微粉末を10重量部添加し、混合攪拌した後、ジェットミルにて粉砕し、風力式分級機でd50=8μmに分級したものを用いた。導電性微粉末の固有抵抗値は106Ω・cmのものを用いた。そして、現像剤搬送ロール28と現像剤供給ロール30との間には1000Vの電圧を印加した。
【0035】
【実施例3】画像形成装置は図1に示したものを、現像装置は図6に示したものをそれぞれ用いた。現像剤42は、実施例1と同一のものを用い、また、現像剤搬送ロール28と電極部52との間には1000Vの電圧を印加した。
【0036】上記実施例1〜3において、現像剤劣化テストを実施した。劣化テストは現像剤の消費がなく(白紙条件)、現像剤の供給もない条件で現像装置を空回しトナーの劣化度合いを従来の現像方法である1成分方式、2成分方式それぞれと比較した。
比較の結果、多少の劣化は確認されたものの図7に示すように、実施例1〜3は、従来に比べかなり劣化度合いが低いことが確認できた。図7において、縦軸は、劣化度合として帯電量の現象割合をパーセントで示し、最初に現像剤を投入した直後を100%としてあり、横軸はプリント枚数である。
また、従来の摩擦帯電では問題であった帯電量の環境変化度合いを比較したところ、図8に示すように、低温低湿、高温高湿環境においても帯電量の差が少ないことが確認できた。1成分方式では、帯電が不十分で帯電しないトナーや、逆の極性に帯電したトナーが見られ、環境の変化によっても帯電の分布が変化している。
2成分方式では、環境の変化によって帯電の分布が変化するとともに、消費した分のトナーを追加した場合に、後から追加されたトナーの帯電の立ち上がりが遅いため帯電分布が広くなる問題が生じる。低い帯電のトナーの帯電極性を正規の帯電極性に保つために帯電能力を上げると絶対的な帯電量が高くなる。
実施例1〜3のいずれにおいても、帯電分布は全体的に帯電量が低く、分布が狭く、環境の変化による帯電量のばらつきも低く抑えられている。
【0037】なお、上記実施形態及び実施例においては、単色の画像形成装置に本発明を適用した場合について述べたが、本発明は、これに限定されるものではなく、現像装置を複数設けることによりカラー画像形成装置に適用できるものである。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、導電性現像剤を用い注入もしくは分極により現像剤を所望の極性に帯電させ、現像剤搬送ロール上に薄層に形成するようにしたので、ストレスなく均一な現像剤層を現像剤搬送ロール上に形成することを可能とし、湿度や温度などの環境の変動に対して安定した帯電特性を示す画像形成装置及び現像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いた現像装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における現像剤供給ロールの現像剤搬送量と表面粗さとの関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第1の実施形態における現像剤供給ロールの表面を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る現像剤搬送ロールと現像剤供給ロールの対向部分を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置に用いた現像装置を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例を従来例と比較した劣化テストの結果を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例を従来例と比較した環境による帯電特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 画像形成装置
12 静電潜像担持体
14 帯電装置
16 光書込み装置
18 現像装置
20 転写装置
28 現像剤搬送ロール
30 現像剤供給ロール
32 層規制部材
34 攪拌装置
36 現像剤供給部
38,40 溝
42 現像剤
44a,44b シール部
50 電源装置
52 電極部
Claims (18)
- 静電潜像が形成される静電潜像担持体と、該静電潜像担持体に現像剤を搬送する現像剤搬送ロールとを有する画像形成装置において、前記現像剤を導電性とし、該現像剤を前記現像剤搬送ロールに供給する現像剤供給部と、この現像剤供給部にあって前記現像剤搬送ロールとの間で電界を形成する電界形成手段とを設け、この電界形成手段によって前記現像剤を前記現像剤搬送ロールに移動させ、現像剤が形成する電界により電界形成手段の電界を中和させることによって前記現像剤搬送ロールに現像剤の薄層を形成することを特徴とする画像形成装置。
- 前記現像剤搬送ロールに対して非接触に現像剤供給ロールを前記現像剤供給部に配置し、前記電界形成手段は、前記現像剤搬送ロールと前記現像剤供給ロールとの間に電界を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記現像剤供給ロールの少なくとも表面は導電性であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記現像剤供給ロールにより前記現像剤搬送ロールに供給される現像剤が前記現像剤搬送ロールと非接触となるようにしたことを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
- 前記現像剤供給ロールにより前記現像剤搬送ロールに供給される現像剤が前記現像剤搬送ロールと非接触となるよう現像剤の層厚を規制する層規制手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記現像剤供給ロールは、現像剤供給ロールの表面に凹凸が形成されてなることを特徴とする請求項2乃至5いずれか記載の画像形成装置。
- 現像剤供給ロールの表面凹凸は不規則に形成されたことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 現像剤供給ロールの表面凹凸の十点平均表面粗さRzが10μm以上であることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
- 前記現像剤供給ロールの表面凹凸は軸方向に規則的に形成されてなることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記現像剤搬送ロールに対して非接触に電極部を前記現像剤供給部に配置し、前記電界形成手段は、前記現像剤搬送ロールと前記電極部との間に電界を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記現像剤搬送ロールと電極部との間に現像剤を供給して現像剤が前記現像剤搬送ロールと接触させるようにしたことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
- 前記現像剤搬送ロールの少なくとも表面が絶縁性であることを特徴とする請求項1乃至11いずれか記載の画像形成装置。
- 前記現像剤には導電性微粉末を含み、該導電性微粉末の固有抵抗値が1010Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至12いずれか記載の画像形成装置。
- 前記現像剤がバインダ中に分散された磁性微粒子を含み、現像剤中の磁性微粒子の量が50重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至13いずれか記載の画像形成装置。
- 前記現像剤供給ロールは磁性を有することを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
- 前記現像剤搬送ロールに接触するシール部を前記静電潜像担持体と対向する現像部の下流側に設け、このシール部を導電性としたことを特徴とする請求項1乃至15いずれか記載の画像形成装置。
- 少なくとも表面が絶縁性の現像剤搬送ロールと、この現像剤搬送ロールに対向して配置され、少なくとも表面が導電性の現像剤供給ロールとを有し、前記現像剤搬送ロールと前記現像剤供給ロールとの間に電界を形成するようにしたことを特徴とする現像装置。
- 少なくとも表面が絶縁性の現像剤搬送ロールと、この現像剤搬送ロールに対向して配置された電極部とを有し、前記現像剤搬送ロールと前記電極部との間に電界を形成するようにしたことを特徴とする現像装置。
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2002
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