JP2004101766A - 焦点検出方法、焦点検出装置、及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮像素子から得られる光学画像に対応する画像信号に基づいて自動的に焦点検出を行う焦点検出方法であって、被写体の光学像の光軸方向の結像位置を変えながら、各結像位置で前記撮像素子から得られる画像信号を取得する画像信号取得工程と、各結像位置で得られた画像信号に基づいて、各結像位置毎に合焦状態を示す合焦評価値を取得する合焦評価値取得工程(S101)と、前記合焦評価値の信頼性を、前記各結像位置と、前記合焦評価値とに基づいて判定する判定工程(S107〜S109)と、前記判定工程で信頼性があると判定した場合に、前記合焦評価値に基づいて焦点位置を算出する焦点位置検出工程(S110)とを有する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動焦点調整装置、詳しくは撮像光学系により結像される被写体像を光電変換する撮像素子により取得される画像信号を使用して、焦点調整を行う自動焦点調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像信号から所定の高周波成分を検出し、その出力信号を最大とするようにすることで合焦動作を行う自動焦点調整装置において、その高周波成分を検出した出力信号の信頼性を評価する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−125493号公報
【特許文献2】
特開2000−347065号公報
【0004】
特開平6−125493号公報では、撮影しようとする被写体が合焦不能な程低コントラストの被写体である場合に、フォーカスレンズを動かすことなく自動的に瞬時に判断し、フォーカスレンズの無駄な動きを抑制し、更に、撮影者に被写体が低コントラストであることを報知して、他の合焦しやすい被写体での撮影を促すことを可能にした自動焦点調整装置を開示している。
【0005】
この自動焦点調節装置では、まず、1フィールドの所定範囲の輝度信号の最大値と最小値の差(すなわち、輝度の幅)を所定のしきい値と比較する。そして、所定のしきい値よりも差が小さい場合には、更に最大値及び最小値を中間輝度レベルとそれぞれ比較し、共に大または小であった場合に自動焦点調節が不可能であると判断する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述従来例では、輝度信号の最大値と最小値の差(輝度の幅)により、その高周波成分を検出した出力信号(以下AF評価信号)の信頼性を判定している。
【0007】
AF評価信号は遠近競合の特殊な場合を除けば、横軸に距離、縦軸にAF評価値をとるとその形は山状になる。従って被写体のコントラストが低く、最大値と最小値の差が小さくとも山状の信号が出力されていれば、AF評価信号の信頼性は高く、良好な合焦動作が期待できる。しかし輝度信号の最大値と最小値で信頼性を判定している従来例においては、信号の形状から判断しないため、例えば、低輝度の場合であってノイズなどの影響を受けた場合には、AF評価信号の信頼性をきちんと評価できない。
【0008】
具体的には、低輝度でのノイズによる影響を考慮すると、最大値と最小値の差のしきい値はある程度大きい値にする必要があるが、その場合、たとえ山状の信号が出力されていても、コントラストの低い被写体のAF評価信号をNGと判定してしまうことがある。
【0009】
またAF評価信号自体の信頼性を他の信号(輝度信号)で判断してるため判断を誤る可能性が高いという問題点もある。
【0010】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、より高い精度でAF評価信号の信頼性を判定すると共に、低コントラスト被写体に対する合焦率を向上することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、撮像素子から得られる光学画像に対応する画像信号に基づいて自動的に焦点検出を行う本発明の焦点検出方法は、被写体の光学像の光軸方向の結像位置を変えながら、各結像位置で前記撮像素子から得られる画像信号を取得する画像信号取得工程と、各結像位置で得られた画像信号に基づいて、各結像位置毎に合焦状態を示す合焦評価値を取得する合焦評価値取得工程と、前記合焦評価値の信頼性を、前記各結像位置と、前記合焦評価値とに基づいて判定する判定工程と、前記判定工程で信頼性があると判定した場合に、前記合焦評価値に基づいて焦点位置を検出する焦点位置検出工程とを有することを特徴とする。
【0012】
また、撮像素子から得られる光学画像に対応する画像信号に基づいて自動的に焦点検出を行う本発明の焦点検出装置は、被写体の光学像の光軸方向の結像位置を変えながら、各結像位置で前記撮像素子から得られる画像信号を入力する入力手段と、各結像位置で得られた画像信号に基づいて、各結像位置毎に合焦状態を示す合焦評価値を取得する合焦評価値取得手段と、前記合焦評価値の信頼性を、前記各結像位置と、前記合焦評価値とに基づいて判定する判定手段と、前記判定手段で信頼性があると判定した場合に、前記合焦評価値に基づいて焦点位置を検出する焦点位置検出手段とを有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における撮像装置の概略構成例を示すブロック図である。撮像装置は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラを含むが、これに限るものではなく、入射する光学像をエリアセンサなどの2次元配列された固体撮像素子を用いて光電変換により電気的な画像として取得するものであれば、本発明を適用することが可能である。
【0015】
図1において、1は撮像装置、2はズームレンズ群、3はフォーカスレンズ群、4はズームレンズ群2フォーカスレンズ群3等からなる撮影光学系を透過する光束の量を制御する光量調節手段であり露出手段である絞り、31はズームレンズ群2、フォーカスレンズ群3、絞り4等からなる撮影レンズ鏡筒、5は撮影光学系を透過した被写体像が結像し、これを光電変換するCCD等の固体撮像素子(以下CCD)、6はCCD5によって光電変換された電気信号を受けて各種の画像処理を施すことにより所定の画像信号を生成する撮像回路、7は撮像回路6により生成されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変化するA/D変換回路、8はA/D変換回路7から出力されるデジタル画像信号を一時的に記憶するバッファメモリ等のメモリ(VRAM)、9はVRAM8に記憶された画像信号を読み出してこれをアナログ信号に変換するとともに再生出力に適する形態の画像信号に変換するD/A変換回路、10は画像信号を表示する液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置(以下LCD)、12は半導体メモリ等からなる画像データを記憶する記憶用メモリ、11はVRAM8に一時記憶された画像信号を読み出して記憶用メモリ12に対する記憶に適した形態にするために画像データの圧縮処理や符号化処理を施す圧縮回路及び記憶用メモリ12に記憶された画像データを再生表示等をするのに最適な形態とするための復号化処理や伸長処理等を施す伸長回路とからなる圧縮伸長回路である。
【0016】
また、13はA/D変換回路7からの出力を受けて自動露出(AE)処理を行うAE処理回路、14はA/D変換回路7からの出力を受けて自動焦点調節(AF)処理を行うスキャンAF処理回路、15は撮像装置の制御を行う演算用のメモリを内蔵したCPU、16は所定のタイミング信号を発生するタイミングジェネレータ(以下TG)、17はCCDドライバ、21は絞り4を駆動する絞り駆動モータ、18は絞り駆動モータ21を駆動制御する第1モータ駆動回路、22はフォーカスレンズ群3を駆動するフォーカス駆動モータ、19はフォーカス駆動モータ22を駆動制御する第2モーター駆動回路、23はズームスレンズ群2を駆動するズーム駆動モータ、20はズーム駆動モータ23を駆動制御する第3モータ駆動回路である。
【0017】
更に、24は各種のスイッチ群からなる操作スイッチ、25は各種制御等を行うプログラムや各種動作を行わせるために使用するデータ等が予め記憶されている電気的に書き換え可能な読み出し専用メモリであるEEPROM、26は電池、28はストロボ発光部、27はストロボ発光部28の閃光発光を制御するスイッチング回路、29はAF動作のOK・NGを表示するためのLEDなどの表示素子である。
【0018】
なお、画像データ等の記憶媒体である記憶用メモリは、フラッシュメモリ等の固定型の半導体メモリや、カード形状やスティック形状から成り、装置に対して着脱自在に形成されるカード型フラッシュメモリ等の半導体メモリの他、ハードディスクやフレキシブルディスク等の磁気記憶媒体等、様々な形態のものが適用される。
【0019】
また、操作スイッチ24としては、本撮像装置1を起動させ、電源供給を行うための主電源スイッチや撮影動作(記憶動作)等を開始させるレリーズスイッチ、再生動作を開始させる再生スイッチ、撮影光学系のズームレンズ群2を移動させズームを行わせるズームスイッチ、AF評価値信号のモニターへの表示をON/OFFするためのスイッチ等を含む。
【0020】
そしてレリーズスイッチは撮影動作に先立って行われるAE処理、AF処理を開始させる指示信号を発生する第1ストローク(以下SW1)と実際の露光動作を開始させる指示信号を発生する第2ストローク(以下SW2)との二段スイッチにより構成される。
【0021】
次に、上記構成を有する第1の実施形態における撮像装置の動作について説明する。
【0022】
まず、撮像装置1の撮影レンズ鏡筒31内のレンズ群2及び3を透過した被写体光束は、絞り部4によってその光量が調整された後、CCD5の受光面に結像される。この被写体光学像は、CCD5による光電変換処理によって電気的な信号に変換されて撮像回路6に出力される。撮像回路6は、入力した信号に対して各種の信号処理を施し、画像信号を生成する。この画像信号はA/D変換回路7に出力されて、デジタル信号(画像データ)に変換された後、VRAM8に一時的に格納される。
【0023】
VRAM8に格納された画像データはD/A変換回路9へ出力され、アナログ信号に変換されて、表示するのに適した形態の画像信号に変換された後、LCD10に画像として表示される。一方VRAM8に格納された画像データは圧縮伸長回路11にも出力される。この圧縮伸長回路11における圧縮回路によって圧縮処理が行われた後、記憶に適した形態の画像データに変換され、記憶用メモリ12に記憶される。
【0024】
また、例えば操作スイッチ24のうち不図示の再生スイッチが操作されオン状態になると、再生動作が開始される。すると記憶用メモリ12に圧縮された形で記憶された画像データは圧縮伸長回路11に出力され、伸長回路において復号化処理や伸長処理等が施された後、VRAM8に出力され一時的に記憶される。更に、この画像データはD/A変換回路9へ出力されアナログ信号に変換され表示するのに適した形態の画像信号に変換された後、LCD10に画像として表示される。
【0025】
他方、A/D変換回路7によってデジタル化された画像データは、上述のVRAM8とは別にAE処理回路13及びスキャンAF処理回路14に対しても出力される。まずAE処理回路13においては、入力されたデジタル画像信号を受けて、一画面分の画像データの輝度値に対して累積加算等の演算処理が行われる。これにより、被写体の明るさに応じたAE評価値が算出される。このAE評価値はCPU15に出力される。
【0026】
またスキャンAF処理回路14においては、入力されたデジタル画像信号を受けて一画面分の画像データの高周波成分がハイパスフィルター(HPF)等を介して抽出され、更に累積加算等の演算処理が行われる。これにより、高域側の輪郭成分量等に対応するAF評価値信号が算出される。このようにスキャンAF処理回路14は、AF処理を行う過程において、CCD5によって生成された画像信号から所定の高周波成分を検出する高周波成分検出手段の役割を担っている。
【0027】
一方、TG16からは所定のタイミング信号がCPU15、撮像回路6、CCDドライバ17へ出力されており、CPU15はこのタイミング信号に同期させて各種の制御を行う。また撮像回路6は、TG16からのタイミング信号を受け、これに同期させて色信号の分離等の各種画像処理を行う。さらにCCDドライバ17は、TG16のタイミング信号を受け、これに同期してCCD5を駆動する。
【0028】
またCPU15は、第1モータ駆動回路18、第2モータ駆動回路19、第3モータ駆動回路20をそれぞれ制御することにより、絞り駆動モータ21、フォーカス駆動モータ22、ズーム駆動モータ23を介して、絞り4、フォーカスレンズ群3、ズームスレンズ群2を駆動制御する。すなわちCPU15はAE処理回路13において算出されたAE評価値等に基づき第1モータ駆動回路18を制御して絞り駆動モータ21を駆動し、絞り4の絞り量を適正になるように調整するAE制御を行う。またCPU15はスキャンAF処理回路14において算出されるAF評価値信号に基づき第2モータ駆動回路19を制御してフォーカス駆動モータ22を駆動し、フォーカスレンズ群3を合焦位置に移動させるAF制御を行う。また操作スイッチ24のうち不図示のズームスイッチが操作された場合は、これを受けてCPU15は、第3モータ駆動回路20を制御してズームモータ23を駆動制御することによりズームレンズ群2を移動させ、撮影光学系の変倍動作(ズーム動作)を行う。
【0029】
次に本撮像装置1における撮影動作について図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0030】
撮像装置1の主電源スイッチがオン状態であり、かつ撮像装置1の動作モードが撮影(録画)モードにあるときに、撮影処理シーケンスが実行される。
【0031】
まずステップS1においてCPU15は、上述したように、撮影レンズ鏡筒31を透過しCCD5上に結像した被写体の光学像を、撮像回路6、A/D変換回路7、VRAM、D/A変換回路9を介して、LCD10に画像として表示する。
【0032】
次いでステップS2において、レリーズスイッチの状態を確認する。撮影者によってレリーズスイッチが操作され、SW1(レリーズスイッチの第1ストローク)がオン状態になったことをCPU15が確認すると、次のステップS3に進み、通常のAE処理が実行される。続いてステップS4においてスキャンAF処理を行う。
【0033】
ステップS4でCPU15は合焦位置を検出するためのスキャンAF処理を行う。その概略を図3を用いて説明する。スキャンAFはCCD5によって生成された画像信号から出力される高周波成分が最も多くなるフォーカスレンズ群3の位置を求めることにより行われる。CPU15は第2モーター駆動回路19を介してフォーカス駆動モータ22を制御し、フォーカスレンズ群3を無限遠に相当する位置(図3における「A」)から各々の撮影モードにおいて設定される至近距離に相当する位置(図3における「B」)まで駆動する。そして駆動しながらスキャンAF処理回路14の出力(AF評価値信号)を取得し、フォーカスレンズ群3の駆動が終了した時点で取得したAF評価値信号から、それが最大になる位置(図3における「C」)を求め、その位置にフォーカスレンズ群3を駆動する。
【0034】
このAF処理回路14の出力の取得はスキャンAFの高速化のために、全てのフォーカスレンズ群3の停止位置については行わず、所定ステップ毎に行う。この場合、例えば、図3に示すa1、a2、a3点においてAF評価値信号を取得する。このような場合はAF評価値信号が最大値となった点とその前後の点から合焦位置Cを計算にて求める。なお、上記所定ステップ毎にAF評価値信号を取得するフォーカスレンズ位置のことを、以降、「スキャンポイント」と呼び、本第1の実施形態においては無限遠のスキャンポイントを0とし、至近距離のスキャンポイントをNとする。
【0035】
本第1の実施形態では、このように補間計算を行いAF評価値信号が最大値となる点(図3のC)を求める前に、AF評価値信号の信頼性を評価する。その信頼性が十分であれば、AF評価値信号が最大値となる点を求め、ステップS5においてAF処理が問題なく終了したことを示す表示を行う。これは例えば、表示素子29を点灯すると共に、LCD10上に緑の枠を表示するなどの処理を行う。
【0036】
またステップS4においてAF評価値信号の信頼性を評価した結果、その信頼性が低い場合には、AF評価値信号が最大値となる点を求める処理は行わず、ステップS5に進み、AF処理が適切にできないことを示す表示を行う。これは例えば、表示素子29を点滅すると共に、LCD10上に黄色の枠を表示するなどの処理を行う。
【0037】
次に、CPU15はステップS6において、SW2(レリーズスイッチの第2ストローク)の確認を行い、SW2がオンになっていたならば、ステップS7に進み、実際の露光処理を実行する。そして、ステップS8において露光して得た画像を上述したようにCCD5、撮像回路6、A/D変換回路7、VRAM8、圧縮伸長回路11を介して記憶用メモリ12に記憶する。
【0038】
次にステップS4のスキャンAF処理におけるAF評価値信号の信頼性判定方法の詳細について述べる。
【0039】
AF評価値信号は遠近競合の特殊な場合を除けば、横軸に距離、縦軸にAF評価値をとるとその形は図4に示すような山状になる。そこで本第1の実施形態においてはAF評価値信号が山状になっているか否かを、AF評価値信号の最大値と最小値の差、一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さ、傾斜している部分の勾配から判断することにより、AF評価値信号の信頼性を判断する。
【0040】
本第1の実施形態においては図4に示すように、山の頂上(P1点)から傾斜していると認められる点P2点、P3点を求め、P2点とP3点の幅を山の幅L、P1点とP2点のAF評価値の差SL1と、P1点とP3点のAF評価値の差SL2の和SL1+SL2を山の高低差SLとしている。
【0041】
以下、図4を参照しながら、図5〜図7のフローチャートに沿って、AF評価値信号の信頼性を判断する具体的な動作について説明する。
【0042】
まずステップS101において、スキャンAF回路14から出力されるAF評価値の最大値maxと最小値min、及び最大値を与えるスキャンポイントioを求める。その後ステップS102において、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SLをともに0に初期化する。
【0043】
ついで最大値を与えるスキャンポイントioが無限遠に相当する位置か否か、すなわち、io=0か否かを調べ、無限遠に相当する位置であったならば(ステップS103でYES)、ステップS104をスキップしてステップS105に進む。一方、無限遠に相当する位置でないならば(ステップS103でNO)、ステップS104に進み、無限遠に相当するフォーカスレンズ位置方向への単調減少を調べる。
【0044】
ここでステップS104における無限遠に相当するフォーカスレンズ位置方向への単調減少を調べる処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
まずステップS201において、カウンター変数iをioに初期化する。そしてiにおけるAF評価値の値d[i]とiより1スキャンポイント(所定ステップ)分無限遠寄りのスキャンポイントi−1におけるAF評価値の値d[i−1]を比較する。d[i]がd[i−1]より大きければ(ステップS202でYES)、無限遠方向への単調減少が生じていると判断し、ステップS203に進み、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SLを以下の式に従い更新する。
L = L+1
SL= SL+(d[i]−d[i−1])
【0046】
また、ステップS202で、d[i]>d[i−1]でなければ、無限遠方向への単調減少は生じていないと判断し、無限遠方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS105に進む。
【0047】
ステップS203の処理後ステップS204に進み、i=i−1として、検出をする点を1スキャンポイント無限遠側に移す。
【0048】
そして、ステップS205及びS206においてL、SLが山であるとみなすための山の幅及び山の高低差に関するしきい値Lo、SLoと比較し、両者ともしきい値以上か否かを判定する。両者ともしきい値以上の場合は、後述する図5のステップS108及びS109において行われるAF評価値の信頼性を判定する処理における条件をすでに満足しているので、これ以上無限遠方向への単調減少をチェックする処理は行わず、ステップS105に進む。
【0049】
ステップS205またはS206でNOの場合はステップS207に進み、カウンターiが無限遠相当の値(=0)になったかどうかをチェックする。カウンターiの値が0でなければステップS202に戻って上記処理を繰り返し、0であれば、すなわちスキャンポイントが無限遠相当の位置に達したならば、無限遠方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS105に進む。
【0050】
このようにi=ioから無限遠方向への単調減少をチェックする。
【0051】
ステップS104で無限遠方向への単調減少をチェックする処理を終了したならば、次に、最大値maxを与えるスキャンポイントioがスキャンAFを行う至近端(N)に相当する位置か否かを調べ、至近端に相当する位置であったならば(ステップS105でYES)、ステップS106をスキップしてステップS107に進む。一方、至近端に相当する位置でないならば(ステップS106でNO)、ステップS106に進み、至近端に相当するフォーカスレンズ位置方向への単調減少を調べる。
【0052】
ここでステップS106における至近端に相当するフォーカスレンズ位置方向への単調減少を調べる処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
まずステップS301において、カウンター変数iをioに初期化する。そしてiにおけるAF評価値の値d[i]とiより1スキャンポイント分至近端よりのスキャンポイントi+1におけるAF評価値の値d[i+1]を比較する。d[i]がd[i+1]より大きければ(ステップS302でYES)、至近端方向への単調減少が生じていると判断し、ステップS303に進み、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SLを以下の式に従い更新する。
L = L+1
SL= SL+(d[i]−d[i+1])
【0054】
また、ステップS302で、d[i]>d[i+1]でなければ、至近端方向への単調減少は生じていないと判断し、至近端方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS107に進む。
【0055】
ステップS303の処理後ステップS304に進み、i=i+1として、検出をする点を1スキャンポイント至近端側に移す。
【0056】
そして、ステップS305及びS306においてL、SLが山であるとみなすための山の幅及び山の高低差に関するしきい値Lo、SLoと比較し、両者ともしきい値以上か否かを判定する。両者ともしきい値以上の場合は、後述する図5のステップS108及びS109において行われるAF評価値の信頼性を判定する処理における条件をすでに満足しているので、これ以上至近端方向の単調減少をチェックする処理は行わず、ステップS107に進む。
【0057】
ステップS305またはS306でNOの場合はステップS307に進み、カウンターiが至近端相当の値(=N)になったかどうかをチェックする。カウンターの値がNでなければステップS302に戻って上記処理を繰り返し、Nであれば、すなわちスキャンポイントが至近端相当の位置に達したならば、至近端方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS107に進む。
【0058】
このようにi=ioから至近端方向への単調減少をチェックする。
【0059】
無限遠方向、至近端方向への単調減少のチェックがそれぞれ終了したならば、AF評価値の信頼性を判定するための諸係数をそれぞれのしきい値と比較し、全ての条件を満たしたならばAF評価値の信頼性があると判定する。
【0060】
まずステップS107において、AF評価値の最大値maxと最小値minの差をしきい値と比較し、しきい値より小さい場合は信頼性がないと判断し、ステップS111へ進む。なお、ここでのしきい値は従来よりも小さい値に設定しておき、コントラストが確実に低い場合のみを検出できるようにしておく。ステップS107でYESの場合はステップS108において、一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さLとしきい値Loとを比較し、しきい値Loより小さい場合は信頼性がないと判断し、ステップS111へ進む。ステップS108でYESの場合、ステップS109において、更に、高低差SLとSLoとを比較し、所定値より小さい場合は信頼性がないと判断し、ステップS111へ進む。
【0061】
以上の3つの条件をすべて満たした場合はAF評価値の信頼性があると判定してステップS110へ進み、スキャンAF回路14により算出されたAF評価値からフォーカスレンズを駆動する位置を求める。これは離散的に算出されたAF評価値の最大となる位置を補間演算等を行うことによって求めることで算出される。
【0062】
また、AF評価値の信頼性がないと判断し、ステップS111へ進んだ場合は、定点と呼ばれるあらかじめ定められた位置へフォーカスレンズを駆動する。
【0063】
以上説明したように本第1の実施形態においては、フォーカスレンズの各位置に対するAF評価値信号の形状に基づいて、具体的には、形状が山状か否かを、AF評価値信号の最大値と最小値の差、一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さ及び傾斜している部分の高低差から判定することにより、AF評価値信号の信頼性を判断する。これにより、高い精度でAF評価値信号の信頼性を判定することが可能となり、低コントラスト被写体に対する合焦率も向上することができる。
【0064】
<第2の実施形態>
次に本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本第2の実施形態の基本的構成や基本的な動作手順は、図1及び図2を参照して第1の実施形態で説明したものと同様であるため説明を省略するが、図2のステップS4における動作が第1の実施形態と異なる。以下、本第2の実施形態におけるスキャンAF処理におけるAF評価値の信頼性の判定動作について、図8〜図10のフローチャートを参照して説明する。
【0065】
まず図8のステップS701において、スキャンAF回路14から出力されるAF評価値の最大値maxと最小値min、及びその平均値Aveを求める。同時に、AF評価値のスキャンポイントを表すカウンターioの値を無限遠に相当する値0に初期化する。そしてステップS702においてスキャンポイントioにおけるAF評価値の値d[io]がステップS701で求めたAF評価値の平均値以上か否かをチェックする。もし平均値未満であったなら(ステップS702でNO)その点からはAF評価値の単調減少のチェックは行わずに、ステップS708に進み、カウンターioが至近端に相当する位置(N)に達したか否かを調べ、達していなければ、io=io+1に更新し(ステップS709)、ステップS702に戻って処理を継続する。
【0066】
一方、ステップS702でスキャンポイントioにおけるAF評価値の値d[io]がステップS701で求めたAF評価値の平均値Ave以上の場合は、AF評価値の単調減少のチェックを行う処理に進む。まずステップS703において、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SLをともに0に初期化する。ステップS704でスキャンポイントioが無限遠に相当する位置か否か、すなわちio=0か否かを調べ、無限遠に相当する位置の場合は(ステップS704でYES)、ステップS705をスキップし、ステップS706へ進む。一方、無限遠に相当する位置でないならば(ステップS704でNO)、ステップS705にて無限遠方向へのAF評価値の単調減少を調べる。
【0067】
ここでステップS705における無限遠に相当するフォーカスレンズ位置方向への単調減少を調べる処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
まずステップS401において、カウンターiの値をioに初期化する。そしてiにおけるAF評価値の値d[i]と、iより1スキャンポイント分無限遠寄りのスキャンポイントi−1におけるAF評価値の値d[i−1]の差d[i]−d[i−1]を求め、その値をAF評価値が確実に減少していると判断するためのしきい値SlpThrと比較する。その結果d[i]−d[i−1]がしきい値SlpThr以上であれば、ステップS406に進み、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SLを以下の式に従い更新する。
L = L+1
SL= SL+(d[i]−d[i−1])
【0069】
ステップS402でd[i]−d[i−1]>=SlpThrでなけれステップS403に進む。ステップS403では比較したiの値がioか否か、すなわち単調減少のチェックを開始する点であるか否かのチェックを行う。この結果iが単調減少のチェックを開始する点である場合はステップS404に進み、d[i]−d[i−1]が―SlpThrより大きいか否かを調べる。d[i]−d[i−1]>―SlpThrならば、ステップS405において傾きがSlpThrに満たなくても単調減少していることを表すフラグEqFlgをオンする。そしてステップS406に進み前述のようにAF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SLを更新する。
【0070】
このようにするのは、図3に示すように離散的にAF評価値を取得しているので、図3に示すa3、a2のような点でAF評価値を取得した場合、a3点からa2点への傾斜は緩くd[i]−d[i−1]>SlpThrの条件を満たさない可能性があるが、顕かに単調減少の状態になっており、この様な場合も単調減少と判定するためである。
【0071】
またステップS403またはS404で条件を満たさない場合は無限遠方向への単調減少は生じていないと判断し、無限遠方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS411に進む。
【0072】
ステップS407ではi=i−1として、検出をする点を1スキャンポイント無限遠側に移す。更にステップS408及びS409において、L、SL/Lを山であるとみなすための、山の幅及び山の勾配に関するしきい値Lo、SLo/Loと比較し、両者ともしきい値以上か否かを判定する。両者ともしきい値以上の場合は、後述する図8のステップS712及びS713において行われるAF評価値の信頼性を判定する処理における条件をすでに満足しているので、これ以上無限遠方向の単調減少をチェックする処理は行わず、ステップS411に進む。
【0073】
ステップS408またはS409でNOの場合はステップS410に進み、カウンターiが無限遠相当の値(=0)になったかどうかをチェックする。カウンターの値が0、すなわちスキャンポイントが無限遠相当の位置に達したならば、無限遠方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS411に進む。
【0074】
ステップS411では、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SL、AF評価値の単調減少のチェックを開始する点を表すカウンターio、ioにおけるAF評価値d[io]を記録する。これにより無限遠方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS706に進む。
【0075】
このようにi=ioから無限遠方向への単調減少をチェックする。
【0076】
ステップS705における無限遠方向への単調減少をチェックする処理を終了したならば、カウンターioがスキャンポイントの内、至近端に相当する位置(N)を示すか否かを調べ、至近端に相当する位置であったならば(ステップS706でYES)、ステップS707をスキップし、ステップS710に進む。至近端に相当する位置でないならば(ステップS706でNO)、ステップS707に進み至近端方向へのAF評価値の単調減少を調べる。
【0077】
ここでステップS706における至近端に相当するフォーカスレンズ位置方向への単調減少を調べる処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0078】
まずステップS501において、カウンターiの値をioに初期化する。そしてiにおけるAF評価値の値d[i]と、iより1スキャンポイント分至近寄りのスキャンポイントi+1におけるAF評価値の値d[i+1]の差d[i]−d[i+1]を求め、その値をAF評価値が確実に減少していると判断するためのしきい値SlpThrと比較する。その結果d[i]−d[i+1]がしきい値SlpThr以上であれば、ステップS506に進み、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SLを以下の式に従い更新する。
L = L+1
SL= SL+(d[i]−d[i−1])
【0079】
ステップS502でd[i]−d[i+1]>=SlpThrでなけれステップS503に進む。ステップS503では比較したiの値がioか否か、すなわち単調減少のチェックを開始する点であるか否かのチェックを行う。この結果iが単調減少のチェックを開始する点である場合はステップS504に進み、フラグEqFlgの状態をチェックする。このフラグがオンしていたならば、図3に示すa2、a3のような点でAF評価値を取得した場合のように、傾斜は緩くても顕かに単調減少の状態になっている場合のチェックは終了しているので、傾斜が緩い単調減少ではない状態が生じたと判断し、至近方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS511に進む。
【0080】
一方、フラグがオフの場合はステップS505に進み、d[i]−d[i+1]が―SlpThrより大きいか否かを調べる。d[i]−d[i+1]>―SlpThrならば、ステップS506に進み前述のようにAF評価値の山の幅を表す変数L、山の勾配を表す変数SLを更新する。このようにするのは、図3に示すように離散的にAF評価値を取得しているので、図3に示すa2、a3のような点でAF評価値を取得した場合、a2点からa3点への傾斜は緩くd[i]−d[i+1]>SlpThrの条件を満たさない可能性があるが、顕かに単調減少の状態になっており、この様な場合も単調減少と判定するためである。
【0081】
またステップS503またはS505で条件を満たさない場合は至近方向への単調減少は生じていないと判断し、至近方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS511に進む。
【0082】
ステップS507ではi=i+1として、検出をする点を1スキャンポイント至近側に移す。更にステップS508及びS509において、L、SL/Lが山であるとみなすための、山の幅及び山の勾配に関するしきい値Lo、SLo/Loと比較し、両者ともしきい値以上か否かを判定する。両者ともしきい値以上の場合は、後述する図8のステップS712及びS713において行われるAF評価値の信頼性を判定する処理における条件をすでに満足しているので、これ以上至近方向の単調減少をチェックする処理は行わず、ステップS511に進む。
【0083】
ステップS508またはS509でNOの場合はステップS510に進み、カウンターiが至近相当の値(=N)になったかどうかをチェックする。カウンターの値がNでなければステップS502に戻って上記処理を繰り返し、Nであれば、すなわちスキャンポイントが至近相当の位置に達したならば、至近方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS511に進む。
【0084】
ステップS511では、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SL、AF評価値の単調減少のチェックを開始する点を表すカウンターio、ioにおけるAF評価値d[io]を記録する。これにより至近方向の単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS708に進む。
【0085】
このようにi=ioから至近方向への単調減少をチェックする。
【0086】
ステップS707における至近方向への単調減少をチェックする処理を終了したならば、カウンターioがスキャンポイントの内、至近端に相当する位置(N)か否かを調べ、至近端に相当する位置でないならば(ステップS708でNO)、ステップS709に進みio=io+1に更新し、単調減少をチェックする開始点を1スキャンポイント分至近端へ移し、処理を継続する。
【0087】
カウンターioが至近端に相当する位置(N)に到達したならば、無限遠、至近端方向への単調減少のチェックを終了する。
【0088】
無限遠方向、至近端方向への単調減少のチェックが終了したならば、ステップS710においてAF評価値の山の幅を表す変数Lが最大となるAF評価値の山の幅を表す変数L、山の高低差を表す変数SL、AF評価値の単調減少のチェックを開始する点を表すカウンターio、ioにおけるAF評価値d[io]の組み合わせを選択する。もしLが同じものが複数存在する場合は、ioにおけるAF評価値d[io]の大きい組み合わせを、d[io]が等しいものが複数存在する場合はioがより至近側の組み合わせを選択する。
【0089】
ついで選択されたAF評価値の信頼性を判定するための諸係数をそれぞれのしきい値と比較し、全ての条件を満たしたならばAF評価値の信頼性があると判定するステップに移る。
【0090】
まずステップS711において、AF評価値の最大値maxと最小値minの差をしきい値と比較し、しきい値より小さい場合は信頼性がないと判断し、ステップS715へ進む。なお、上記第1の実施形態と同様に、ここでのしきい値は従来よりも小さい値に設定しておき、コントラストが確実に低い場合のみを検出できるようにしておく。ステップS711でYESの場合はステップS712において、一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さLとしきい値Loとを比較し、しきい値Loより小さい場合は信頼性がないと判断し、ステップS715へ進む。ステップS712でYESの場合、ステップS713において、傾斜している部分の傾斜の平均値SL/Lをしきい値SLo/Loと比較し、所定値より小さい場合は信頼性がないと判断し、ステップS715へ進む。
【0091】
以上の3つの条件をすべて満たした場合はAF評価値の信頼性があると判定してステップS714へ進み、スキャンAF回路14により算出されたAF評価値からフォーカスレンズを駆動する位置を求める。これは離散的に算出されたAF評価値の最大となる位置を補間演算等を行うことによって求めることで算出される。
【0092】
また、AF評価値の信頼性がないと判断し、ステップS715へ進んだ場合は、定点と呼ばれるあらかじめ定められた位置へフォーカスレンズを駆動する。
【0093】
以上説明したように本第2の実施形態においては 、フォーカスレンズの各位置に対するAF評価値信号の形状に基づいて、具体的には、形状が山状か否かを、AF評価値信号の最大値と最小値の差、一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さ、傾斜している部分の傾斜の平均値から判定することにより、AF評価値信号の信頼性を判断する。これにより、高い精度でAF評価値信号の信頼性を判定することが可能となり、低コントラスト被写体に対する合焦率も向上することができる。
【0094】
特に、信号の強度が小さいときノイズにより頂点付近の山の形状が崩れ、本当の頂点がノイズにより隣より低くなったとき、平均値以上の点から単調減少を調べることで、頂点の位置からの単調減少のチェックを行うことが可能になる。また、離散的に取得したAF評価値が等しい場合、さらにノイズで大小が逆転した場合でも単調減少とみなすことができる。このように、信頼性の有無の判定の境界付近の場合に、効果がある。
【0095】
なお、上記第1及び第2の実施形態において説明した図5及び図8に示す動作手順は、適宜変更することが可能である。
【0096】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェイス機器、カメラヘッド)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなど)に適用してもよい。
【0097】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。ここでプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、CD−ROM、CD−R、DVD、光ディスク、光磁気ディスク、MOなどが考えられる。
【0098】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0099】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図2及び、図5乃至図7または図8乃至図10に示すフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、AF評価値信号の信頼性をその形状から判断することにより、すなわち形状が山状か否かをAF評価値信号の最大値と最小値の差、一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さ、傾斜している部分の傾斜の平均値から形状を判定することによりAF評価値信号の信頼性を判断することにより、高い精度でAF評価値信号の信頼性を判定することが可能となる。更に、低コントラスト被写体に対する合焦率も向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における撮像装置の撮影動作手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における、フォーカスレンズ位置に対するAF評価値信号の関係の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるAF評価値信号の信頼性判定の概念を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるAF手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態における無限遠方向の単調減少の確認に関する動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態における至近端方向の単調減少の確認に関する動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるAF手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態における無限遠方向の単調減少の確認に関する動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態における至近端方向の単調減少の確認に関する動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 撮像装置
2 ズームレンズ群
3 フォーカスレンズ群
4 絞り
31 撮影レンズ鏡筒
5 固体撮像素子
6 撮像回路
7 A/D変換回路
8 VRAM
9 D/A変換回路
10 画像表示装置
11 圧縮伸長回路
12 記憶用メモリ
13 AE処理回路
14 スキャンAF処理回路
15 CPU
16 タイミングジェネレータ
17 CCDドライバ
18 第1モータ駆動回路
19 第2モーター駆動回路
20 第3モータ駆動回路
21 絞り駆動モータ
22 フォーカス駆動モータ
23 ズーム駆動モータ
24 操作スイッチ
25 EEPROM
26 電池
27 スイッチング回路
28 ストロボ発光部
29 表示素子
Claims (19)
- 撮像素子から得られる光学画像に対応する画像信号に基づいて自動的に焦点検出を行う焦点検出方法であって、
被写体の光学像の光軸方向の結像位置を変えながら、各結像位置で前記撮像素子から得られる画像信号を取得する画像信号取得工程と、
各結像位置で得られた画像信号に基づいて、各結像位置毎に合焦状態を示す合焦評価値を取得する合焦評価値取得工程と、
前記合焦評価値の信頼性を、前記各結像位置と、前記合焦評価値とに基づいて判定する判定工程と、
前記判定工程で信頼性があると判定した場合に、前記合焦評価値に基づいて焦点位置を検出する焦点位置検出工程と
を有することを特徴とする焦点検出方法。 - 前記焦点位置検出工程では、前記判定工程で信頼性がないと判断した場合に、焦点位置を固定位置とすることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出方法。
- 前記判定工程は、
前記合焦評価値の最大値及び最小値を取得する特徴値検出工程と、
前記最大値に対応する結像位置から、無限遠方向及び至近方向について、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置までの距離を求め、その合計を取得する距離取得工程と、
前記最大値に対応する結像位置における合焦評価値と、当該結像位置から無限遠方向及び至近方向について、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置における合焦評価値との差を求め、その合計を取得する信号差取得工程と、
前記合焦評価値の信頼性を、前記距離の合計と、前記差の合計と、前記最大値と最小値との差に基づいて判定する信頼性判定工程と
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の焦点検出方法。 - 前記判定工程は、
前記合焦評価値の最大値、最小値及び平均値を取得する特徴値検出工程と、
前記平均値より高い合焦点評価値を有する各結像位置毎に、当該各結像位置から、無限遠方向及び至近方向について、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置までの距離を求め、その合計を取得する距離取得工程と、
前記平均値より高い合焦点評価値を有する各結像位置毎に、当該各結像位置における合焦評価値と、当該各結像位置から無限遠方向及び至近方向について、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置における合焦評価値との差を求め、その合計を取得する信号差取得工程と、
前記距離取得工程において取得した距離の合計の内、最大となる結像位置を選択する選択工程と、
前記合焦評価値の信頼性を、前記選択した結像位置に対応する、前記距離の合計及び前記差の合計と、前記最大値と最小値との差に基づいて判定する信頼性判定工程と
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の焦点検出方法。 - 前記信頼性判定工程では、前記距離の合計、前記差の合計、及び前記最大値と最小値との差がそれぞれ対応する予め設定したしきい値以上の場合に、前記合焦評価値に信頼性があると判断することを特徴とする請求項3または4に記載の焦点検出方法。
- 前記信頼性判定工程では、前記距離の合計、前記差の合計を前記距離の合計で除して得られる傾き平均、及び前記最大値と最小値との差がそれぞれ対応する予め設定したしきい値以上の場合に、前記合焦評価値に信頼性があると判断することを特徴とする請求項3または4に記載の焦点検出方法。
- 前記距離取得工程では、隣接する結像位置の合焦評価値を順に比較することにより合焦評価値が減少し続けているかどうかを判断し、前記距離の合計が前記予め設定したしきい値以上になった場合に、前記距離取得工程を中断する中断工程を有し、
前記中断工程で中断された場合に、前記距離取得工程は中断された時点での距離の合計を、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置までの距離の合計とすることを特徴とする請求項5乃至6のいずれかに記載の焦点検出方法。 - 前記信号差取得工程は、隣接する結像位置の合焦評価値を順に比較することにより合焦評価値が減少し続けているかどうかを判断し、前記差の合計が前記予め設定したしきい値以上になった場合に、前記信号差取得工程を中断する中断工程を有し、
前記中断工程で中断された場合に、前記信号差取得工程は中断された時点での差の合計を、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置における前記合焦評価値との差の合計とすることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の焦点検出方法。 - 撮像素子から得られる光学画像に対応する画像信号に基づいて自動的に焦点検出を行う焦点検出装置であって、
被写体の光学像の光軸方向の結像位置を変えながら、各結像位置で前記撮像素子から得られる画像信号を入力する入力手段と、
各結像位置で得られた画像信号に基づいて、各結像位置毎に合焦状態を示す合焦評価値を取得する合焦評価値取得手段と、
前記合焦評価値の信頼性を、前記各結像位置と、前記合焦評価値とに基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段で信頼性があると判定した場合に、前記合焦評価値に基づいて焦点位置を検出する焦点位置検出手段と
を有することを特徴とする焦点検出装置。 - 前記焦点位置検出手段は、前記判定手段が信頼性がないと判断した場合に、焦点位置を固定位置とすることを特徴とする請求項9に記載の焦点検出装置。
- 前記判定手段は、
前記合焦評価値の最大値及び最小値を取得する特徴値検出手段と、
前記最大値に対応する結像位置から、無限遠方向及び至近方向について、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置までの距離を求め、その合計を取得する距離取得手段と、
前記最大値に対応する結像位置における合焦評価値と、当該結像位置から無限遠方向及び至近方向について、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置における合焦評価値との差を求め、その合計を取得する信号差取得手段と、
前記合焦評価値の信頼性を、前記距離の合計と、前記差の合計と、前記最大値と最小値との差に基づいて判定する信頼性判定手段と
を有することを特徴とする請求項9または10に記載の焦点検出装置。 - 前記判定手段は、
前記合焦評価値の最大値、最小値及び平均値を取得する特徴値検出手段と、
前記平均値より高い合焦点評価値を有する各結像位置毎に、当該各結像位置から、無限遠方向及び至近方向について、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置までの距離を求め、その合計を取得する距離取得手段と、
前記平均値より高い合焦点評価値を有する各結像位置毎に、当該各結像位置における合焦評価値と、当該各結像位置から無限遠方向及び至近方向について、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置における合焦評価値との差を求め、その合計を取得する信号差取得手段と、
前記距離取得手段により取得した距離の合計の内、最大となる結像位置を選択する選択手段と、
前記合焦評価値の信頼性を、前記選択した結像位置に対応する、前記距離の合計及び前記差の合計と、前記最大値と最小値との差に基づいて判定する信頼性判定手段と
を有することを特徴とする請求項9または10に記載の焦点検出装置。 - 前記信頼性判定手段は、前記距離の合計、前記差の合計、及び前記最大値と最小値との差がそれぞれ対応する予め設定したしきい値以上の場合に、前記合焦評価値に信頼性があると判断することを特徴とする請求項11または12に記載の焦点検出装置。
- 前記信頼性判定手段は、前記距離の合計、前記差の合計を前記距離の合計で除して得られる傾き平均、及び前記最大値と最小値との差がそれぞれ対応する予め設定したしきい値以上の場合に、前記合焦評価値に信頼性があると判断することを特徴とする請求項11または12に記載の焦点検出装置。
- 前記距離取得手段は、隣接する結像位置の合焦評価値を順に比較することにより合焦評価値が減少し続けているかどうかを判断し、前記距離の合計が前記予め設定したしきい値以上になった場合に、前記距離取得手段を中断する中断手段を有し、
前記中断手段により中断された場合に、前記距離取得手段は中断された時点での距離の合計を、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置までの距離の合計とすることを特徴とする請求項13または14に記載の焦点検出装置。 - 前記信号差取得手段は、隣接する結像位置の合焦評価値を順に比較することにより合焦評価値が減少し続けているかどうかを判断し、前記差の合計が前記予め設定したしきい値以上になった場合に、前記信号差取得手段を中断する中断手段を有し、
前記中断手段により中断された場合に、前記信号差取得手段は中断された時点での差の合計を、前記合焦評価値が減少し続ける最端の結像位置における前記合焦評価値との差の合計とすることを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の焦点検出装置。 - 請求項9乃至16に記載の焦点検出装置を備えたことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の焦点検出方法を実現するためのプログラムコードを有することを特徴とする情報処理装置が実行可能なプログラム。
- 請求項18に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする情報処理装置が読み取り可能な記憶媒体。
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