JP2004100869A - 動力車両 - Google Patents

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JP2004100869A JP2002265829A JP2002265829A JP2004100869A JP 2004100869 A JP2004100869 A JP 2004100869A JP 2002265829 A JP2002265829 A JP 2002265829A JP 2002265829 A JP2002265829 A JP 2002265829A JP 2004100869 A JP2004100869 A JP 2004100869A
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Osamu Hyodo
兵頭 修
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Abstract

【課題】4段以上の多段変速をノークラッチ操作で行うことができ、しかも、作業内容に応じて後進時には前進時より高速で走行できるシンクロメッシュ式変速機付きの変速装置を備えた動力車両を提供すること。
【解決手段】走行用伝動経路中に機体の前後進切換えを行なう油圧式リバーサ機構20を設け、その伝動下手にはアクチュエータ22、23で作動可能な主変速装置24を設けた変速装置を用い、超砕土作業、枕地作業時などにはリバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に後進速が前進速より大きくなる主変速装置24の変速位置に自動変速する制御を行う動力車両である。
【選択図】     図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ノークラッチ操作で多段の変速が行なえる変速装置を備えたトラクタ等の動力車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の変速装置としては、例えば特開平8−128529号公報に記載されているように主クラッチの伝動下手に油圧式リバーサ機構を設け、その伝動下手にシンクロメッシュ式の主変速装置を設け、さらにその伝動下手に副変速装置を設けたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−128529号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来装置の場合、通常は主変速4段、副変速は2段で合計8段の変速が可能であるが、オペレータが主クラッチペダルを踏まないで変速をするノークラッチ操作が可能になるのは主変速の4段のみで、副変速についてはクラッチペダル操作を必要としている。
【0005】
このような変速装置をトラクタ等の動力車両に適用した場合に、たとえば、枕地作業、超砕土作業をはじめ、通常の圃場の耕耘作業などの場合で、前進時より後進時にトラクタの走行速度をより高速にすることで、作業能率を高めることができる場合がある。
【0006】
本発明の課題は、4段以上の多段変速をノークラッチ操作で行うことができ、しかも、副変速低での後進時には前進時より高速で走行し、副変速高での後進時にはその走行速に基づいて予め高速又は低速に自動変速し、さらにその自動変速の段位置をオペレータが選択変更できる変速装置を備えた動力車両を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では次のような技術的手段を講じた。
請求項1記載の発明は、エンジン5の回転動力を主クラッチ18を介してその伝動下手に設けた主変速装置24と副変速装置25から成る変速装置に伝えて車輪2、3を駆動するように構成した動力車両1において、前記変速装置には、走行用伝動経路中に機体の前後進切換えを行なう油圧式リバーサ機構20を設けると共に、油圧式リバーサ機構20の伝動下手にはアクチュエータ22、23で作動可能な前記主変速装置24を設け、油圧式リバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に後進速が前進速より大きくなる主変速装置24の変速位置に自動変速する変速制御装置70を設けた動力車両である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記変速制御装置70が、油圧式リバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に後進速が前進速より大きくなる主変速装置24の変速位置に自動変速するためのモード切換スイッチを備え、該モード切換スイッチがオンの場合に前記後進時の制御モードに主変速装置24の変速位置を自動変速し、モード切換スイッチがオフの場合には主変速装置24は前進時と後進時が同じ速度段の位置にシフトする構成を設けた請求項1記載の動力車両である。
【0009】
請求項3記載の発明は、エンジン5の回転動力を主クラッチ18を介してその伝動下手に設けた変速装置24及び副変速装置25から成る変速装置に伝えて車輪2、3を駆動するように構成した動力車両1において、前記変速装置には、走行用伝動経路中に機体の前後進切換えを行なう油圧式リバーサ機構20を設けると共に、油圧式リバーサ機構20の伝動下手にはアクチュエータ22、23で作動可能な前記主変速装置24と、前記副変速装置25の副変速段位置検出器47を設け、油圧式リバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に、副変速段位置検出器47による副変速装置25の変速段高位置検出を経た該切換直前の前進車速に応じて予め決められた切換後の主変速装置24の変速段の位置に主変速装置24を自動変速する変速制御装置70を設けた動力車両である。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記変速制御装置70が、油圧式リバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に、該切換直前の前進車速に応じて予め決められた切換後の主変速装置24の変速段の位置に自動変速するためのモード切換スイッチを設け、かつ、該自動変速の変速先の段位置をオペレータが選択変更する選択モードを設けた請求項3記載の動力車両である。
【0011】
【作用と発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、超砕土作業時、枕地作業時または通常の耕耘時などで前進から後進にリバース機構20を変速した場合には主変速装置24は自動的に前進速度より速い速度段で後進することができる。そのため、低速度で前進作業中に一時作業装置を吊り上げて後進して走行方向を修正する場合、主変速装置24はその作業に応じて後進時の速度段をあらかじめ設定することで各作業に応じた前進・後進速度段で作業をスピーディに、かつ安全に行うことができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作用・効果に加えて前記変速装置の後進時の変速位置制御のための制御モード切換スイッチがオフ時における通常の前後進時には略同速制御とし、前記制御モード切換スイッチがオン時にのみ後進時に副変速装置25のシフト位置に応じて予め設定した前進時より高速段の変速位置へシフトされ、リバース機構20を前進位置に戻すと元の前進変速位置へ戻ることができ、作業効率がさらに向上し、安全性も高くなる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、リバース機構20を後進側にシフトする直前の車速により後進時のシフト位置を決定し、後進側には、前記決定した速度段へシフトすることができる。たとえば▲1▼一般的な耕起等の作業時の走行速度で前進しているときは、後進を選択すると約5〜6km/hのシフト位置へシフトアップさせ、▲2▼ロータ作業、防除作業等の高速作業をしながら前進しているときは、後進を選択するとほぼ同速とし、シフト位置はそのままとする。また、▲3▼移動時に高速で前進しているときは、後進を選択すると約5〜6km/h位のシフト位置へシフトダウンさせる。
【0014】
こうして、安全性を図りながら効率的に後進時に作業内容に適した車速にコントロールすることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、上記直前の前進時の車速により後進時のシフト位置を決定するモードの切換の選択をモード切換スイッチの「オン」でのみ行うことができるようにすると請求項3記載の発明の作用・効果に加えてさらに効率的に後進時の車速をコントロールすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、この発明の実施の形態を説明する。
動力車両の一例としてトラクタを例に以下説明する。図1に示すように、トラクタ1は車体の前後部に前輪2、2と後輪3、3を備え、車体前部に搭載したエンジン5の回転動力をミッションケース7内の変速装置によって適宜減速してこれらの前輪2、2と後輪3、3に伝えるように構成している。
【0017】
機体中央のハンドルポスト8にはステアリングハンドル9が支持され、その後方には座席10が設けられている。ステアリングハンドル9の下方には機体の進行方向を前後方向に切換える前後進操作レバー6が設けられている。この前後進操作レバー6を前側に移動させると機体は前進し、後方へ移動させると後進する。
【0018】
座席10の下方にはリフトアーム11、11を回動枢支する油圧シリンダケース12が設けられ、リフトアーム11、11とロワーリンク13、13との間にはリフトロッド15、15が連結され、ここに油圧昇降機構が形成されている。
【0019】
図2は、この発明に係る実施の形態の変速装置を有するトラクタ1の走行伝動系を表した線図である。エンジン5の回転動力は足動式の主クラッチ18に伝えられた後、2段のハイローチェンジ用の油圧クラッチ19と機体の進行方向を前後方向に切換える油圧式リバーサ20と2個の油圧シリンダ22、23を切換えて4段の変速を可能とするシンクロメッシュ式変速装置24と、2段の変速が可能な爪クラッチ付スライド歯車式の副変速装置25に順次伝達され、後輪デフ装置28と最終減速ギヤ機構44を介して後輪3、3を駆動するように構成している。また、前輪2、2へは後輪デフ装置28の伝動上手から動力を分岐させて前輪駆動系45を駆動する。
【0020】
ハイ・ローチェンジ用の油圧クラッチ19の高速段と低速段の選択は複動式の油圧シリンダ21を作動させるために押しボタン式のスイッチ操作で行なうものであり、座席10横の操作部にスイッチを設けるか、ステアリングハンドル9の近傍に設けるようにすればよい。
【0021】
そして、油圧クラッチ19で増速された回転動力は軸19aを経てその下手に設けられた油圧式リバーサ機構20に伝達されるように構成している。油圧クラッチ19は、図例ではコーンクラッチとしているが、ピストンを内装した油圧多板クラッチとしてもよい。
【0022】
油圧式リバーサ機構20の前側の前進用油圧多板クラッチ20Fが接続されると、油圧クラッチ19を経た高速・低速のいずれかの動力が軸19aから伝動歯車を介し駆動軸37を正転させて機体を前進させ、また油圧式リバーサ機構20の後側の油圧多板クラッチ20Rが接続されると駆動軸37は逆転して機体を後進させる。すなわち、前進用油圧クラッチ20Fが係合すると伝動軸19aからの動力は駆動軸37に伝達されて正転し、後進用油圧クラッチ20Rが係合すると伝動軸19aからギア30と後進用カウンタギア31を介して駆動軸37が逆転回転する。
【0023】
この油圧式リバーサ機構20の伝動下手に設けられたシンクロメッシュ式主変速装置24は図示しない変速レバー若しくはボタンスイッチで操作されるものであり、図例では副変速レバー27の把手部に設けたスイッチ29により油圧シリンダ22、23を介し変速を行なうようにしている。即ち、副変速レバー27に設けたアップスイッチ29U(図1参照)を押すと1段ずつ変速段数が増加し、ダウンスイッチ29Dを押すと1段ずつ変速段数が減少する。変速自体は先に述べたように2つの油圧シリンダ22、23によって行なわれ、前側の油圧シリンダ22によりスライダ39が前側に移動させられると前記駆動軸37と従動軸38が直結されて1速、後側に移動させられると主変速の2速が得られ、後側油圧シリンダ23によりスライダ40が前側に移動させられると主変速の3速、後側に移動させられると主変速の4速が従動軸38から出力されるように構成している。
【0024】
なお、いずれの場合も主変速装置24を切換えるときは、その直前に設けた油圧式リバーサ機構20をコントローラ70(図4(b))の指令により中立位置にし、主変速装置24の変速完了後に油圧式リバーサ機構20を接続する制御が行われる。これら変速時における油圧リバーサ機構20の油圧クラッチを切るタイミングと接続するタイミングも前記コントローラ70からの指令によって行なわれるものである。
【0025】
また、主変速装置24の後方に設けられた爪クラッチ付スライド歯車式の副変速装置25は副変速レバー27を前後方向に操作してクラッチギヤ25a、25b間の係合・解放を制御するものであり、副変速軸33にスプライン係合しているクラッチギア25aを前側(矢印B側)に操作するとクラッチギヤ25a、25bが係合され、従動軸38の動力がギア35とギア36を介して後輪デフ装置28に副変速高として伝達される。クラッチギヤ25aを後側(矢印Bの反対側)に操作するとクラッチギヤ25a、25bが解放され、従動軸38の動力は従動軸ギア43と副変速カウンタ軸41のギア42から軸41を経てギア42aから軸33側のギア25cを介して後輪デフ装置28に副変速低として伝達される。
また、油圧クラッチ19からの動力は作業機駆動用動力取出軸であるPTO軸46にも伝達される。
【0026】
このように、油圧クラッチ19と主変速装置24と副変速装置25の3組の変速装置の組合せにより前進後進ともに16段(2×4×2)の変速が可能となっている。
【0027】
上例においては副変速装置25による2段の変速段を除く8段変速が油圧式リバーサ機構20を利用することでノークラッチ操作で行なえるため、変速操作が楽になり切り換わりもスムーズになる。
【0028】
そして、油圧式リバーサ機構20の上手であって、主クラッチ18の直後に油圧クラッチ19が設けられているので、この油圧クラッチ19の切換え時のショックが少なく、回転を増速しているため伝達トルクも小さくなりクラッチ容量も小さくできる。さらにシンクロメッシュ式の主変速装置24もその直前に設けた油圧リバーサ機構20を一旦中立に戻して変速を行なわせる構成のため、シンクロ容量を小さくでき、従って、ミッションケース7内に変速装置全体をコンパクトに配設することができるものである。
【0029】
本実施の形態の大きな特徴は、油圧式リバーサ機構20の後進用油圧クラッチ20Rが接続される場合の駆動軸37から後輪3に出力される逆転速度が前進用油圧クラッチ20Fが接続される場合の駆動軸37から後輪3に出力される正転速度に比べて大きくなるように、シンクロメッシュ式の主変速装置24の4段の変速位置のいずれかを自動的に設定する構成である。
【0030】
従来は、例えば、トラクタを用いてロータリ耕耘をしているときに隣接耕を終え、回り耕に入ったとき、又は枕地作業のとき、フルリバースチェンジ又は低速レンジでの作業では前進速に対応した後進速が選択されるミッション構成であるため、オペレータがより高速でバックしたい時には、一旦、後進速を増変速操作して後進する。そして、再度前進しながらの耕耘作業等に入る前に元の減速位置に再度変速操作して前進走行していたので操作が煩わしいものであった。
【0031】
しかし、本実施の形態では油圧式リバーサ機構20の変速レバー若しくはボタンスイッチをバック位置へ移動させたときに、あらかじめ決められた速度で後進するように後進速度位置を事前に決めておくことで、前後進切替レバー若しくはボタンスイッチを「後進位置」に移動させると前進速度より速い速度段で後進することができる。この後、前後進切替レバー若しくはボタンスイッチを「前進位置」へシフトすると、前記予め決められた後進速の前段階で用いていた前進速度段へシフトする。
【0032】
図3に以上の変速制御をわかり易く示した。
例えば超砕土作業時は副変速装置25が低速走行段にあるが、前進から後進にリバーサ機構20を変速した場合には主変速装置24は、例えば8速を選択し、逆に後進から前進にリバーサ機構20を変速した場合には、主変速装置24は元の速度段に戻る。
【0033】
また、ロータリ耕耘装置を使った通常の耕耘時には副変速装置25が高速段にあるが、前進から後進にリバーサ機構20を変速した場合には主変速装置24は、例えば13速を選択し、逆に後進から前進にリバーサ機構20を変速した場合には、主変速装置24は元の速度段に戻る。
【0034】
ただし、このとき、プラウ又はトレーラ等の牽引作業時には、前進時の方が高速走行段で行い、バック時には、それより低速の設定速(前記13速)で行う。
【0035】
この変速制御は図4(b)に示すように車速センサ・スイッチなどからの車速に関する入力信号に基づきコントローラ70が油圧シリンダ21〜23を作動させるための各種油圧バルブを操作させて行う。
【0036】
こうして、各種作業に応じて後進時の速度段をあらかじめ設定することで各作業に応じた前進・後進速度段で作業をスピーディに、かつ安全に行うことができる。
【0037】
また、図4(a)の制御フローと図4(b)の制御装置の図に示すように、前記変速装置の後進時の変速位置制御において、制御モード切換スイッチ(図示せず)を設けて、該スイッチがオフ時には通常の前後進時には略同速制御とし、制御モード切換スイッチがオン時にのみ後進時に副変速装置25のシフト位置に応じて予め設定した変速位置へシフトされ、リバーサ機構20を前進位置に戻すと元の前進変速位置へ戻る構成としてもよい。
このような制御モード切換スイッチを設けた構成により、作業効率がさらに向上し、安全性も高くなる。
【0038】
また、PTO軸46が回転中のみ、前記後進操作時の増変速が作動するようにすると、オペレータの誤認識を防ぎ、安全性を増すことができる。
そこで、PTO軸46の回転の有無を検出するセンサ(図示せず)を設け、PTO軸46の回転中であると前記後進制御を実行する構成にしても良い。
【0039】
また、図5の制御フローに示すように、リバーサ機構20を後進側にシフトする直前の車速により後進時のシフト位置を決定し、後進側には、前記決定した速度段へシフトする構成にしても良い。
【0040】
たとえば、▲1▼0.1〜3.5km/hで前進しているときは(一般的な耕起等の作業時)、後進時を選択すると約5〜6km/hのシフト位置へシフトアップさせる。
▲2▼3.6〜8.0km/hで前進しているときは(ロータ作業、防除作業等高速作業時)、後進時を選択するとほぼ同速とし、シフト位置はそのままとする。
【0041】
▲3▼8.1km/h以上で前進しているときは(移動時)、後進時を選択すると約5〜6km/h位のシフト位置へシフトダウンさせる。
なお、このとき前進位置にシフトすると元の速度段へシフト位置が戻る構成にしている。
【0042】
上記直前の車速により後進時のシフト位置を決定するモードの切換の選択をモード切換スイッチ(図示せず)の「オン」でのみ行うことができるようにしても良い。
【0043】
こうして、安全性を図りながら効率的に後進時に作業内容に適した車速にコントロールすることができる。
【0044】
図6は、この発明に係る他の実施の形態の変速装置を有するトラクタ1の走行伝動系を表した線図である。エンジン5の回転動力は足動式の主クラッチ18に伝えられた後、2段のハイローチェンジ用の油圧クラッチ19と機体の進行方向を切換える油圧式リバーサ機構20と2個の油圧シリンダ22、23を切換えて4段の変速を可能とするシンクロメッシュ式変速装置24と、高低速の他にオーバードライブシフトの変速が可能なコンスタントメッシュ式の副変速装置25’に順次伝達され、後輪デフ装置28と最終減速ギヤ機構44を介して後輪3、3を駆動するように構成している。また、前輪2、2へは後輪デフ装置28の伝動上手から動力を分岐させて前輪駆動系45を駆動する。
【0045】
シンクロメッシュ式変速装置24迄の構成は図2に示す構成と同一であるので、その説明は省略する。
シンクロメッシュ式変速装置24の従動軸38から副変速装置25’に入力された駆動力は、副変速レバー27を操作することで高速段または低速段選択用のスライダー51またはオーバードライブの選択用のスライダー52が作動して、高・低速またはオーバードライブシフトの変速ができる。
【0046】
高速側への変速はスライダー51を矢印CのH側にスライドさせることで行い、低速側への変速はスライダー51を矢印CのL側にスライドさせることで行う。また、オーバードライブシフトの変速は矢印D方向にスライダー52をシフトさせると従動軸38の駆動力がギア53を介して後輪デフ装置28に伝達される。
【0047】
図6に示す構成では、副変速装置25’をオーバードライブにシフトさせたときに、4段の変速段を有する主変速装置24の自動変速先を特定の変速段に設定しておくことができる選択モードをコントローラ70で設定できる。その場合の主変速装置24と副変速装置25’との間の自動変速の動きについて、図7の説明図で説明する。
【0048】
図7においてオペレータの操作の種類を▲1▼から▲3▼で示すと、▲1▼の操作は副変速装置25’をシフトアップすると主変速装置24がどこにあっても1速に変速されることを示し、また▲2▼の操作は副変速装置25’をシフトダウンすると主変速装置24がどこにあっても4速に変速されることを示す。本実施の形態の特徴は▲3▼の操作に特徴があり、副変速装置25’をオーバードライブにシフトアップしたときにのみ、主変速装置24を3速に設定し、その後、自動変速をスタートさせる。
【0049】
このように副変速装置25’をオーバードライブ位置にシフトさせると、自動変速実行モードとなるが、その時の最初の変速位置をオーバードライブレンジの最低速(1速)ではなく、エンジン定格回転において15km/h付近を超えるシフト位置(例えば3速)へ変速し、そこを自動変速のスタートとする。これにより最高速への変速がスムーズに行え、また自動変速時の変速回数も減らせる。
【0050】
従来のトラクタでは、最高速でエンジン回転をアクセルペダルでコントロールするだけで走行する(だだし、大半の機種がアイドリング発進が可能)が、高車速対応機種ではエンジン出力は重量のある牽引物によっては最高速発進ができないことがある。しかし図7に示す構成では最高速度段(4速)から発進するのではないため、比較的トルクが大きく、スムーズにスタートし、かつ増速させることができる。
【0051】
なお、副変速装置25’をオーバードライブからシフトダウンするときには従来通り、主変速装置24は1速〜4速のいずれの変速段にでも変速できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一部を拡大して示すトラクタの側面図である。
【図2】図1のトラクタの変速装置の動力伝達線図である。
【図3】図2の動力伝達線図による自動変速装置の動きを説明する説明図である。
【図4】図2の動力伝達線図による自動変速装置の一態様の制御フロー(図4(a))と制御装置(図4(b))を示す図である。
【図5】図2の動力伝達線図による自動変速装置の一態様の作動説明図である。
【図6】図1のトラクタの変速装置の別形態の動力伝達線図である。
【図7】図6の動力伝達線図による自動変速装置の動きを説明する説明図である。
【符号の説明】
1 トラクタ           2 前輪
3 後輪             5 エンジン
6 前後進操作レバー       7 ミッションケース
8 ハンドルポスト        9 ステアリングハンドル
10 座席            11 リフトアーム
12 油圧シリンダケース     13 ロワーリンク
15 リフトロッド        18 主クラッチ
19 油圧式2段変速用クラッチ  19a 軸
20 油圧式リバーサ機構
20F、20R 油圧多板クラッチ
21、22、23 油圧シリンダ
24 シンクロメッシュ式主変速装置
25、25’ 副変速装置
25a、25b、25c クラッチギヤ
26 伝動軸           27 副変速レバー
28 後輪デフ装置        29 スイッチ
30 ギヤ            31 後進用カウンタギヤ
32、34 遊星ギヤ機構     33 副変速軸
35、36 ギヤ         37 駆動軸
38 従動軸           39、40 スライダ
41 副変速カウンタ軸      42、43 ギヤ
44 最終減速ギヤ機構      45 前輪駆動系
46 PTO軸          47 副変速段位置検出センサ
51、52 スライダー      70 コントローラ

Claims (4)

  1. エンジン5の回転動力を主クラッチ18を介してその伝動下手に設けた主変速装置24と副変速装置25から成る変速装置に伝えて車輪2、3を駆動するように構成した動力車両1において、
    前記変速装置には、走行用伝動経路中に機体の前後進切換えを行なう油圧式リバーサ機構20を設けると共に、油圧式リバーサ機構20の伝動下手にはアクチュエータ22、23で作動可能な前記主変速装置24を設け、
    油圧式リバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に後進速が前進速より大きくなる主変速装置24の変速位置に自動変速する変速制御装置70
    を設けたことを特徴とする動力車両。
  2. 前記変速制御装置70が、油圧式リバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に後進速が前進速より大きくなる主変速装置24の変速位置に自動変速するためのモード切換スイッチを備え、該モード切換スイッチがオンの場合に前記後進時の制御モードに主変速装置24の変速位置を自動変速し、モード切換スイッチがオフの場合には主変速装置24は前進時と後進時が同じ速度段の位置にシフトする構成を設けたことを特徴とする請求項1記載の動力車両。
  3. エンジン5の回転動力を主クラッチ18を介してその伝動下手に設けた変速装置24及び副変速装置25から成る変速装置に伝えて車輪2、3を駆動するように構成した動力車両1において、
    前記変速装置には、走行用伝動経路中に機体の前後進切換えを行なう油圧式リバーサ機構20を設けると共に、油圧式リバーサ機構20の伝動下手にはアクチュエータ22、23で作動可能な前記主変速装置24と、前記副変速装置25の副変速段位置検出器47を設け、さらに
    油圧式リバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に、副変速段位置検出器47による副変速装置25の変速段高位置検出を経た該切換直前の前進車速に応じて予め決められた切換後の主変速装置24の変速段の位置に主変速装置24を自動変速する変速制御装置70
    を設けたことを特徴とする動力車両。
  4. 前記変速制御装置70が、油圧式リバーサ機構20を前進時から後進時に切り換えた時に、該切換直前の前進車速に応じて予め決められた切換後の主変速装置24の変速段の位置に自動変速するためのモード切換スイッチを設け、かつ、該自動変速の変速先の段位置をオペレータが選択変更する選択モードを設けたことを特徴とする請求項3記載の動力車両。
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